JPH0839270A - 樹脂成形品のマーキング方法 - Google Patents
樹脂成形品のマーキング方法Info
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- JPH0839270A JPH0839270A JP6195958A JP19595894A JPH0839270A JP H0839270 A JPH0839270 A JP H0839270A JP 6195958 A JP6195958 A JP 6195958A JP 19595894 A JP19595894 A JP 19595894A JP H0839270 A JPH0839270 A JP H0839270A
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- Japan
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- resin
- molded product
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Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【目的】 成形品の表面にレーザー光線を照射するだけ
で、その表面に視認性に優れたマーキングを施すことが
でき、また、成形品の成形材料として特別な添加剤を配
合する必要もなく、コストダウンを図れるようにする。 【構成】 常温では固相で耐熱性の高い液晶ポリマー樹
脂（特に、完全芳香族ポリエステル樹脂組成物：ＬＣ
Ｐ）からなる成形品２の表面２ａに、ＣＯ2 レーザーな
どを用いてレーザー光線を照射することで、その表面に
文字などの所望の形像表示部４をマーキングするもので
ある。
で、その表面に視認性に優れたマーキングを施すことが
でき、また、成形品の成形材料として特別な添加剤を配
合する必要もなく、コストダウンを図れるようにする。 【構成】 常温では固相で耐熱性の高い液晶ポリマー樹
脂（特に、完全芳香族ポリエステル樹脂組成物：ＬＣ
Ｐ）からなる成形品２の表面２ａに、ＣＯ2 レーザーな
どを用いてレーザー光線を照射することで、その表面に
文字などの所望の形像表示部４をマーキングするもので
ある。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、主としてリレー、ス
イッチ、コネクタなどの電気機器用ケースのように、熱
可塑性樹脂からなる成形品の表面に、文字や各種記号、
数字などの形像表示部をマーキングする方法に関するも
のである。
イッチ、コネクタなどの電気機器用ケースのように、熱
可塑性樹脂からなる成形品の表面に、文字や各種記号、
数字などの形像表示部をマーキングする方法に関するも
のである。
【０００２】
【従来の技術】樹脂成形品の表面へのマーキング方法と
して、従来から一般的に採用されている方法には、
（ａ）樹脂成形品の表面に専用の金型を用いて凹凸を付
けたり、成形品表面の切削加工により凹凸を付ける方
法、（ｂ）樹脂成形品の表面に直接にインキを用いて所
望の形像表示物を印刷する方法、（ｃ）樹脂成形品の表
面にインキ印刷を施した膜状物を貼付する方法、があ
る。
して、従来から一般的に採用されている方法には、
（ａ）樹脂成形品の表面に専用の金型を用いて凹凸を付
けたり、成形品表面の切削加工により凹凸を付ける方
法、（ｂ）樹脂成形品の表面に直接にインキを用いて所
望の形像表示物を印刷する方法、（ｃ）樹脂成形品の表
面にインキ印刷を施した膜状物を貼付する方法、があ
る。
【０００３】上記のようなマーキング方法のうち、
（ａ）の方法は、金型に特殊な細工を施こす必要があっ
て、マーキングコストが非常に高くつく上に、小さな形
像表示部である場合、視認性が悪い。また、（ｂ）や
（ｃ）の方法は、いずれも成形品の表面にインキや膜状
物といった成形品とは材質の異なる物質が存在するため
に、時間の経過とともに剥離や褪色が進行して視認性が
劣化し、マーキング性能の低下は避けられない。さら
に、表面への直接印刷の場合は、溶剤が使用されている
ために、作業性も悪いなどの課題がある。
（ａ）の方法は、金型に特殊な細工を施こす必要があっ
て、マーキングコストが非常に高くつく上に、小さな形
像表示部である場合、視認性が悪い。また、（ｂ）や
（ｃ）の方法は、いずれも成形品の表面にインキや膜状
物といった成形品とは材質の異なる物質が存在するため
に、時間の経過とともに剥離や褪色が進行して視認性が
劣化し、マーキング性能の低下は避けられない。さら
に、表面への直接印刷の場合は、溶剤が使用されている
ために、作業性も悪いなどの課題がある。
【０００４】このような課題を解消するマーキング方法
として、従来、レーザー光線を樹脂成形品の表面に照射
してマーキングを行う方法が提案されている。このレー
ザーによるマーキング方法は、レーザー光線を所望の形
像に照射させることにより、図４に示すように、成形品
１０の表面１０ａの樹脂を分解し消失させることで、表
面１０ａに凹部１１を付けて文字などの形像表示部を賦
形させるものである。
として、従来、レーザー光線を樹脂成形品の表面に照射
してマーキングを行う方法が提案されている。このレー
ザーによるマーキング方法は、レーザー光線を所望の形
像に照射させることにより、図４に示すように、成形品
１０の表面１０ａの樹脂を分解し消失させることで、表
面１０ａに凹部１１を付けて文字などの形像表示部を賦
形させるものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たようにレーザー光線により成形品１０の表面１０ａに
凹部１１を付けるマーキング方法では、その表面凹部１
１での光の散乱によって形像表示部を認識させるもので
あるから、視る方向や角度により視認性に大きなばらつ
きがあり、マーキング性能としては十分でない。
たようにレーザー光線により成形品１０の表面１０ａに
凹部１１を付けるマーキング方法では、その表面凹部１
１での光の散乱によって形像表示部を認識させるもので
あるから、視る方向や角度により視認性に大きなばらつ
きがあり、マーキング性能としては十分でない。
【０００６】また、成形樹脂材料中に、発泡性のある特
殊なレーザー感光剤を配合させておき、このような成形
樹脂材料による成形品の表面にレーザー光線を照射させ
ることにより、図５に示すように、成形品１０の表面１
０ａに凹部でなくて、上記レーザー感光剤によって表面
樹脂部分を発泡隆起させて凸部１２を発現させ、これに
よって、視認性の向上を図ったものも知られている。し
かし、この場合は、特殊なレーザー感光剤の配合により
成形材料が非常に高価になるばかりでなく、表面に形成
された形像表示部が凸部１２であるために、成形品の使
用条件によっては摺接摩耗が激しくて、視認性の経時的
な劣化は避けられず、したがって、このようなマーキン
グ方法を適用し得る成形品には自ずと制約がある。
殊なレーザー感光剤を配合させておき、このような成形
樹脂材料による成形品の表面にレーザー光線を照射させ
ることにより、図５に示すように、成形品１０の表面１
０ａに凹部でなくて、上記レーザー感光剤によって表面
樹脂部分を発泡隆起させて凸部１２を発現させ、これに
よって、視認性の向上を図ったものも知られている。し
かし、この場合は、特殊なレーザー感光剤の配合により
成形材料が非常に高価になるばかりでなく、表面に形成
された形像表示部が凸部１２であるために、成形品の使
用条件によっては摺接摩耗が激しくて、視認性の経時的
な劣化は避けられず、したがって、このようなマーキン
グ方法を適用し得る成形品には自ずと制約がある。
【０００７】この発明は以上のような実情に鑑みてなさ
れたもので、特殊な添加剤を配合しなくても、成形品の
表面に視認性およびその持続性に優れた形像表示部を作
業性よく発現させることができる樹脂成形品のマーキン
グ方法を提供することを目的としている。
れたもので、特殊な添加剤を配合しなくても、成形品の
表面に視認性およびその持続性に優れた形像表示部を作
業性よく発現させることができる樹脂成形品のマーキン
グ方法を提供することを目的としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１の発明に係る樹脂成形品のマーキング方法
は、常温では固相で耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂から
なる成形品の表面にレーザー光線を所望の形像に照射し
てマーキングすることを特徴とするものである。
に、請求項１の発明に係る樹脂成形品のマーキング方法
は、常温では固相で耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂から
なる成形品の表面にレーザー光線を所望の形像に照射し
てマーキングすることを特徴とするものである。
【０００９】上記のマーキング方法における成形品の構
成材料としての液晶ポリマー樹脂としては、請求項２の
ように、完全芳香族ポリエステル樹脂組成物であること
が望ましく、また、請求項３のように、５０重量％以下
の補強ガラス繊維を含有する液晶ポリマー樹脂であり、
さらには、請求項４のように、０．００５〜５．０重量
％の白色顔料を含有する液晶ポリマー樹脂であることが
好ましい。
成材料としての液晶ポリマー樹脂としては、請求項２の
ように、完全芳香族ポリエステル樹脂組成物であること
が望ましく、また、請求項３のように、５０重量％以下
の補強ガラス繊維を含有する液晶ポリマー樹脂であり、
さらには、請求項４のように、０．００５〜５．０重量
％の白色顔料を含有する液晶ポリマー樹脂であることが
好ましい。
【００１０】また、上記マーキング方法によるマーキン
グ対象となる樹脂成形品としては、リレー、スイッチ、
コネクタなどの電気機器用ケースが好適である。
グ対象となる樹脂成形品としては、リレー、スイッチ、
コネクタなどの電気機器用ケースが好適である。
【００１１】
【作用】請求項１の発明によれば、常温では固相で耐熱
性の高い液晶ポリマー樹脂からなる成形品の表面にレー
ザー光線を直接照射することで、表面に深い凹部を作っ
たり、凸部を発生させることなく、その照射箇所の樹脂
分子を炭化させて黒色に変化した所望の形像表示部を発
現させることが可能であり、これによって、レーザー感
光剤などの特殊な添加剤を配合する必要がなくなり、成
形品の成形材料のコストダウンを図りつつ、視認性に優
れたマーキングが得られ、かつ、使用条件の如何にかか
わらず、視認性の劣化がない。
性の高い液晶ポリマー樹脂からなる成形品の表面にレー
ザー光線を直接照射することで、表面に深い凹部を作っ
たり、凸部を発生させることなく、その照射箇所の樹脂
分子を炭化させて黒色に変化した所望の形像表示部を発
現させることが可能であり、これによって、レーザー感
光剤などの特殊な添加剤を配合する必要がなくなり、成
形品の成形材料のコストダウンを図りつつ、視認性に優
れたマーキングが得られ、かつ、使用条件の如何にかか
わらず、視認性の劣化がない。
【００１２】特に、請求項２のような完全芳香族ポリエ
ステル樹脂組成物を用いる場合は、レーザー光線の照射
にともない、照射表面の樹脂部分が分解消失するととも
に、その組成物中のガラス繊維が露出し、その露出した
ガラス繊維の隙間に炭化変色した樹脂分子が埋まってマ
ーキングの視認性が向上することになる。また、ここ
で、上記ガラス繊維は、成形品の強度の増強のほかにレ
ーザーを熱に変換するときの促進剤的な役割を果たすも
のであるから、強度と熱変換の両方を満足するための含
有量としては、５０重量％以下が好ましい。さらに、
０．００５〜５．０重量％の白色顔料を含有させておく
と、成形品表面のバックグランド輝度とレーザーにより
炭化変色した樹脂分子による形像表示部の特性輝度との
比から得られるコントラストを最適にして、マーキング
の視認性を良好なものにできる。
ステル樹脂組成物を用いる場合は、レーザー光線の照射
にともない、照射表面の樹脂部分が分解消失するととも
に、その組成物中のガラス繊維が露出し、その露出した
ガラス繊維の隙間に炭化変色した樹脂分子が埋まってマ
ーキングの視認性が向上することになる。また、ここ
で、上記ガラス繊維は、成形品の強度の増強のほかにレ
ーザーを熱に変換するときの促進剤的な役割を果たすも
のであるから、強度と熱変換の両方を満足するための含
有量としては、５０重量％以下が好ましい。さらに、
０．００５〜５．０重量％の白色顔料を含有させておく
と、成形品表面のバックグランド輝度とレーザーにより
炭化変色した樹脂分子による形像表示部の特性輝度との
比から得られるコントラストを最適にして、マーキング
の視認性を良好なものにできる。
【００１３】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。図１は、この発明に係るマーキング方法を適
用するマーキング対象樹脂成形品の一例としての密閉形
リレーを示す外観斜視図であり、このリレー１は、常温
では固相で耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂の代表例であ
る完全芳香族ポリエステル樹脂組成物（以下、ＬＣＰと
称する）を成形材料とし、これを射出成形して製造され
たケース２と、該ケース２にインサートされて外方へ突
出された複数の端子３とからなる。
説明する。図１は、この発明に係るマーキング方法を適
用するマーキング対象樹脂成形品の一例としての密閉形
リレーを示す外観斜視図であり、このリレー１は、常温
では固相で耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂の代表例であ
る完全芳香族ポリエステル樹脂組成物（以下、ＬＣＰと
称する）を成形材料とし、これを射出成形して製造され
たケース２と、該ケース２にインサートされて外方へ突
出された複数の端子３とからなる。
【００１４】上記リレー１のＬＣＰ製ケース２の表面に
ＣＯ2 レーザーあるいはＮｄ−ＹＡＧレーザーを用い
て、レーザー光線を文字などの所望の形像に沿って照射
することにより、図２に示すように、上記ケース２の表
面２ａに所望の形像表示部４をマーキングさせる。ここ
で、例えば「ＡＢＣ」などの文字列からなる形像表示部
４は、そのＬＣＰ製ケース２の表面２ａのレーザー光線
が照射された部分の樹脂が分解消失されてＬＣＰに含ま
れているガラス繊維が露出し、その露出したガラス繊維
の隙間に、レーザー光線の照射により炭化変色した樹脂
分子が埋まって形成されるもので、図３に明示したよう
に、表面２ａにほとんど凹凸を発生しないで、目視によ
る視認性に優れた形像表示部４が形成される。
ＣＯ2 レーザーあるいはＮｄ−ＹＡＧレーザーを用い
て、レーザー光線を文字などの所望の形像に沿って照射
することにより、図２に示すように、上記ケース２の表
面２ａに所望の形像表示部４をマーキングさせる。ここ
で、例えば「ＡＢＣ」などの文字列からなる形像表示部
４は、そのＬＣＰ製ケース２の表面２ａのレーザー光線
が照射された部分の樹脂が分解消失されてＬＣＰに含ま
れているガラス繊維が露出し、その露出したガラス繊維
の隙間に、レーザー光線の照射により炭化変色した樹脂
分子が埋まって形成されるもので、図３に明示したよう
に、表面２ａにほとんど凹凸を発生しないで、目視によ
る視認性に優れた形像表示部４が形成される。
【００１５】因みに、本発明者は、ＬＣＰとして住友化
学工業（株）製造のスミカスーパーＬＣＰ（Ｅ４００８
Ｗ）を使用して成形したケースと、従来から一般に用い
られていたＰＢＴ樹脂から成形したケースの表面に、Ｃ
Ｏ2 レーザーを使用してエネルギー密度１３．５Ｊ／ｃ
ｍ2 でレーザー光線を照射して文字をマーキングし、そ
れら文字の目視による視認性および表面形状の比較テス
トを実施した。そのテスト結果は表１に示す通りであっ
た。
学工業（株）製造のスミカスーパーＬＣＰ（Ｅ４００８
Ｗ）を使用して成形したケースと、従来から一般に用い
られていたＰＢＴ樹脂から成形したケースの表面に、Ｃ
Ｏ2 レーザーを使用してエネルギー密度１３．５Ｊ／ｃ
ｍ2 でレーザー光線を照射して文字をマーキングし、そ
れら文字の目視による視認性および表面形状の比較テス
トを実施した。そのテスト結果は表１に示す通りであっ
た。
【００１６】
【表１】
【００１７】上記のテスト結果からも明らかなように、
ＬＣＰ製ケースの場合は、表面にほとんど凹部が発生せ
ず、視る方向や角度の如何にかかわらず良好な視認性が
得られるのに対し、凹部深さの大きいＰＢＴ樹脂製ケー
スの場合は、視る方向や角度によって視認性に大きなば
らつきがみられた。
ＬＣＰ製ケースの場合は、表面にほとんど凹部が発生せ
ず、視る方向や角度の如何にかかわらず良好な視認性が
得られるのに対し、凹部深さの大きいＰＢＴ樹脂製ケー
スの場合は、視る方向や角度によって視認性に大きなば
らつきがみられた。
【００１８】また、上述したスミカスーパーＬＣＰの種
類、すなわち、芳香族ポリエステル分子の異なる種類の
ＬＣＰ製ケースに同様なマーキングを施して、その視認
性の確認を行ったところ、ＣＯ2 レーザーのエネルギー
密度が７．７０Ｊ／ｃｍ2 以上であれば、ほぼ同等な視
認性を確保できることが分かった。
類、すなわち、芳香族ポリエステル分子の異なる種類の
ＬＣＰ製ケースに同様なマーキングを施して、その視認
性の確認を行ったところ、ＣＯ2 レーザーのエネルギー
密度が７．７０Ｊ／ｃｍ2 以上であれば、ほぼ同等な視
認性を確保できることが分かった。
【００１９】さらに、上記ＬＣＰ中の補強ガラス繊維の
有無によるＣＯ2 レーザーマーキングによる視認性につ
いても確認テストを行った結果、つぎのような事実が判
明した。 ＜使用サンプル及び確認テスト条件＞住友化学（株）製
造のスミカスーパーＬＣＰ、Ｅ４００８ＭＲ（ガラス繊
維４０重量％含有）及び住友化学（株）製造のスミカス
ーパーＬＣＰ、Ｅ４００８（ガラス繊維０％）の２つの
サンプルを用いて、エネルギー密度：１０．３Ｊ／ｃｍ
2 、１８．２Ｊ／ｃｍ2 でレーザー光線を照射した。 ＜テスト結果＞ガラス繊維の入っていないＬＣＰでは、
エネルギー密度が１０．３Ｊ／ｃｍ2の場合、表面に炭
化変色した樹脂分子がほとんどみられず、所定のマーキ
ング性能が得られない。エネルギー密度を１８．２Ｊ／
ｃｍ2 にまで上げると、マーキングが得られるものの、
その視認性は余り良くない。反面、ガラス繊維を４０重
量％含有するＬＣＰでは、エネルギー密度が１０．３Ｊ
／ｃｍ2 の場合でも十分な視認性のマーキングが得ら
れ、エネルギー密度を１８．２Ｊ／ｃｍ2 にまで上げる
と、ますます視認性の向上がみられた。
有無によるＣＯ2 レーザーマーキングによる視認性につ
いても確認テストを行った結果、つぎのような事実が判
明した。 ＜使用サンプル及び確認テスト条件＞住友化学（株）製
造のスミカスーパーＬＣＰ、Ｅ４００８ＭＲ（ガラス繊
維４０重量％含有）及び住友化学（株）製造のスミカス
ーパーＬＣＰ、Ｅ４００８（ガラス繊維０％）の２つの
サンプルを用いて、エネルギー密度：１０．３Ｊ／ｃｍ
2 、１８．２Ｊ／ｃｍ2 でレーザー光線を照射した。 ＜テスト結果＞ガラス繊維の入っていないＬＣＰでは、
エネルギー密度が１０．３Ｊ／ｃｍ2の場合、表面に炭
化変色した樹脂分子がほとんどみられず、所定のマーキ
ング性能が得られない。エネルギー密度を１８．２Ｊ／
ｃｍ2 にまで上げると、マーキングが得られるものの、
その視認性は余り良くない。反面、ガラス繊維を４０重
量％含有するＬＣＰでは、エネルギー密度が１０．３Ｊ
／ｃｍ2 の場合でも十分な視認性のマーキングが得ら
れ、エネルギー密度を１８．２Ｊ／ｃｍ2 にまで上げる
と、ますます視認性の向上がみられた。
【００２０】以上の点を考察してみると、ＬＣＰ中に補
強ガラス繊維が含有されている場合は、そのガラス繊維
がレーザーを熱に変換する際の促進剤的役割を果たし、
その結果として、視認性に非常に優れた形像表示部を得
ることが可能であり、殊に、そのガラス繊維の含有量と
しては、成形品の強度との関係から５０重量％以下、好
ましくは、２０重量％〜４０重量％の範囲が望ましい。
強ガラス繊維が含有されている場合は、そのガラス繊維
がレーザーを熱に変換する際の促進剤的役割を果たし、
その結果として、視認性に非常に優れた形像表示部を得
ることが可能であり、殊に、そのガラス繊維の含有量と
しては、成形品の強度との関係から５０重量％以下、好
ましくは、２０重量％〜４０重量％の範囲が望ましい。
【００２１】また、上記ＬＣＰに、例えば二酸化チタン
（ＴｉＯ2 ）や酸化亜鉛（ＺｎＯ）、酸化鉛（ＰｂＯ）
などの白色顔料を０．００５重量％〜５．０重量％含有
させておけば、成形品表面のバックグランド輝度とレー
ザーにより炭化変色した樹脂分子による形像表示部の特
性輝度との比から得られるコントラストを最適にし、マ
ーキングの視認性をより良好なものにすることが可能で
ある。
（ＴｉＯ2 ）や酸化亜鉛（ＺｎＯ）、酸化鉛（ＰｂＯ）
などの白色顔料を０．００５重量％〜５．０重量％含有
させておけば、成形品表面のバックグランド輝度とレー
ザーにより炭化変色した樹脂分子による形像表示部の特
性輝度との比から得られるコントラストを最適にし、マ
ーキングの視認性をより良好なものにすることが可能で
ある。
【００２２】なお、上記実施例では、マーキング対象樹
脂成形品の一例としての密閉形リレーを挙げて説明した
が、これ以外にも、ディップスイッチケースやメカキー
スイッチケース、コネクタなどの各種の電気機器用ケー
スに適用することで、同様な効果を奏する。
脂成形品の一例としての密閉形リレーを挙げて説明した
が、これ以外にも、ディップスイッチケースやメカキー
スイッチケース、コネクタなどの各種の電気機器用ケー
スに適用することで、同様な効果を奏する。
【００２３】
【発明の効果】以上のように、請求項１の発明によれ
ば、成形品の表面にレーザー光線を直接照射するだけ
で、表面に深い凹部を作ったり、凸部を発生させること
なく、その照射箇所の樹脂分子を炭化させて黒色に変化
した所望の形像表示部を発現させることができる。した
がって、特殊な細工を施した金型の使用や高度な技術を
要する切削加工などが全く不要で、マーキングコストの
著しい低下および経時的なマーキング性能の劣化の抑制
を図ることができるのはもとより、レーザー感光剤など
の特殊な添加剤の配合も必要なくなり、成形品の成形材
料のコストダウンを図りつつ、視認性に優れたマーキン
グを作業性よく得ることができ、かつ、使用条件の如何
にかかわらず、視認性の劣化もなくて、良好な視認性を
長期に亘って保持することができる。
ば、成形品の表面にレーザー光線を直接照射するだけ
で、表面に深い凹部を作ったり、凸部を発生させること
なく、その照射箇所の樹脂分子を炭化させて黒色に変化
した所望の形像表示部を発現させることができる。した
がって、特殊な細工を施した金型の使用や高度な技術を
要する切削加工などが全く不要で、マーキングコストの
著しい低下および経時的なマーキング性能の劣化の抑制
を図ることができるのはもとより、レーザー感光剤など
の特殊な添加剤の配合も必要なくなり、成形品の成形材
料のコストダウンを図りつつ、視認性に優れたマーキン
グを作業性よく得ることができ、かつ、使用条件の如何
にかかわらず、視認性の劣化もなくて、良好な視認性を
長期に亘って保持することができる。
【００２４】特に、請求項２のように、成形品の成形材
料として、完全芳香族ポリエステル樹脂組成物を用いる
場合は、レーザー光線の照射にともない、照射表面に組
成物中のガラス繊維を露出させ、その露出したガラス繊
維の隙間に炭化変色した樹脂分子を埋めて、マーキング
の視認性を一層向上させることができる。
料として、完全芳香族ポリエステル樹脂組成物を用いる
場合は、レーザー光線の照射にともない、照射表面に組
成物中のガラス繊維を露出させ、その露出したガラス繊
維の隙間に炭化変色した樹脂分子を埋めて、マーキング
の視認性を一層向上させることができる。
【図１】この発明に係るマーキング方法を適用するマー
キング対象樹脂成形品の一例としての密閉形リレーを示
す外観斜視図である。
キング対象樹脂成形品の一例としての密閉形リレーを示
す外観斜視図である。
【図２】マーキングされた成形品の表面形状を示す拡大
平面図である。
平面図である。
【図３】同上表面形状を模式的に示す拡大断面図であ
る。
る。
【図４】従来のレーザーマーキングによる表面形状を模
式的に示す拡大断面図である。
式的に示す拡大断面図である。
【図５】従来の他のレーザーマーキングによる表面形状
を模式的に示す拡大断面図である。
を模式的に示す拡大断面図である。
１ リレー ２ ケース ２ａ ケース表面 ４ 形像表示部
Claims (5)
- 【請求項１】 常温では固相で耐熱性の高い液晶ポリマ
ー樹脂からなる成形品の表面にレーザー光線を所望の形
像に照射してマーキングすることを特徴とする樹脂成形
品のマーキング方法。 - 【請求項２】 上記液晶ポリマー樹脂が、完全芳香族ポ
リエステル樹脂組成物である請求項１の樹脂成形品のマ
ーキング方法。 - 【請求項３】 上記液晶ポリマー樹脂が、５０重量％以
下の補強ガラス繊維を含有するものである請求項１また
は２の樹脂成形品のマーキング方法。 - 【請求項４】 上記液晶ポリマー樹脂が、０．００５〜
５．０重量％の白色顔料を含有するものである請求項１
または２の樹脂成形品のマーキング方法。 - 【請求項５】 マーキング対象となる樹脂成形品が、リ
レー、スイッチ、コネクタなどの電気機器用ケースであ
る請求項１〜４のいずれかの樹脂成形品のマーキング方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6195958A JPH0839270A (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 樹脂成形品のマーキング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6195958A JPH0839270A (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 樹脂成形品のマーキング方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0839270A true JPH0839270A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16349815
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6195958A Pending JPH0839270A (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 樹脂成形品のマーキング方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0839270A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6410883B1 (en) * | 1999-05-26 | 2002-06-25 | Nec Corporation | Cleaning device and method for cleaning resin sealing metal mold |
| WO2008129664A1 (ja) * | 2007-04-17 | 2008-10-30 | Lef Technology, Inc. | レーザー光による有機反応の制御方法および反応装置 |
-
1994
- 1994-07-27 JP JP6195958A patent/JPH0839270A/ja active Pending
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