JPH0592657A - レーザーマーキング方法及びレーザーマーキングされた成形品 - Google Patents
レーザーマーキング方法及びレーザーマーキングされた成形品Info
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- JPH0592657A JPH0592657A JP3255205A JP25520591A JPH0592657A JP H0592657 A JPH0592657 A JP H0592657A JP 3255205 A JP3255205 A JP 3255205A JP 25520591 A JP25520591 A JP 25520591A JP H0592657 A JPH0592657 A JP H0592657A
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- Japan
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- marking
- resin
- laser
- laser marking
- molded product
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41M—PRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
- B41M5/00—Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
- B41M5/26—Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
- B41M5/267—Marking of plastic artifacts, e.g. with laser
Abstract
(57)【要約】
【目的】 レーザー光を利用して樹脂成形品または樹脂
により被覆された成形品の表面に鮮明な文字、記号等の
マークを付与するレーザーマーキング方法を提供する。 【構成】 カーボンブラックを0.01〜1.0 重量%含有す
る熱可塑性樹脂組成物からなる成形品もしくは該樹脂組
成物によって被覆された成形品の表面に、レーザー光を
照射してマーキングを行う。
により被覆された成形品の表面に鮮明な文字、記号等の
マークを付与するレーザーマーキング方法を提供する。 【構成】 カーボンブラックを0.01〜1.0 重量%含有す
る熱可塑性樹脂組成物からなる成形品もしくは該樹脂組
成物によって被覆された成形品の表面に、レーザー光を
照射してマーキングを行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー光を利用して
樹脂成形品または樹脂により被覆された成形品の表面に
鮮明な文字、記号等のマークを付与するレーザーマーキ
ング方法およびこれによって良好なマーキングが行われ
た成形品に関する。
樹脂成形品または樹脂により被覆された成形品の表面に
鮮明な文字、記号等のマークを付与するレーザーマーキ
ング方法およびこれによって良好なマーキングが行われ
た成形品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】樹脂成
形品あるいは樹脂で被覆された成形品の表面に所望の文
字、記号、図柄等のマーキングを行う方法として、従来
より熱硬化性インキを用いた印刷が一般的に行われてき
たが、この方法ではマーキングに時間がかかり、また樹
脂成形品の表面は一般に化学的活性が乏しいためインキ
の密着性が不足し、耐久性の優れたマーキングを行うこ
とが困難である等の問題があった。これに対し、再現性
良く簡便かつ高速にマーキングを行う方法として、レー
ザー光を利用して文字、記号等のマーキングを行うレー
ザーマーキング法が提案され、最近、注目を集めてい
る。例えば、レーザー光を照射してマーキングを行うに
あたり、成形品材料に、染料と珪素含有無機化合物また
は珪素を含有する染料を添加する方法(特開昭56−1499
5 号公報)、金属珪酸塩等の放射線吸収性物質を添加す
る方法(特開昭59−118926号公報)、無機質充填剤とし
て水和アルミナを20%以上添加する方法(特開昭59−18
7050号公報)、燐酸塩を含む顔料を添加する方法(特開
平2−204888号公報)、非黒色の無機鉛化合物を添加す
る方法(特開平2−48984 号公報)、非白色のチタン酸
金属塩を添加する方法(特開平3−10884 号公報)、黒
色有機染料を添加する方法(特開昭60−47065 号公
報)、黄色の酸化鉄を含有させる方法(特開昭60−1554
93号公報)、金属水酸化物または/及び金属含水化合物
と着色剤を含有させる方法(特開昭60−166488号公報)
等がある。これらの方法はいずれも、照射するレーザー
光を選択的に吸収する特定の物質を添加してなる樹脂成
形品にレーザー光を照射することにより、レーザー光を
照射した部分を局所的に加熱し、樹脂表層部の添加物あ
るいは樹脂に融解、気化、炭化等の熱的な変化を起こさ
せることによりマーキングを行うものである。従って、
得られるマーキング文字は、一般的に、添加物あるいは
樹脂の融解または気化によって生じる凹状の蝕刻文字か
あるいは添加物の炭化によって生じる黒色系の焦げた状
態の文字のいずれかになる。ところが、このようにして
得られたマーキング文字は、コントラストが不十分で識
別しにくいばかりか、マーキング時に気化した添加物あ
るいは局所的な燃焼、炭化による樹脂残渣が飛散し、マ
ーキング部周辺を汚染するという欠点を有し、電気・電
子部品のように埃をきらう部品においては、かかる汚染
が、結線不良や接点汚染の原因になることもあるという
問題があった。また、飛散した添加物あるいは樹脂等が
レーザー光をさえぎり、マーキングミスの原因となるこ
ともある。
形品あるいは樹脂で被覆された成形品の表面に所望の文
字、記号、図柄等のマーキングを行う方法として、従来
より熱硬化性インキを用いた印刷が一般的に行われてき
たが、この方法ではマーキングに時間がかかり、また樹
脂成形品の表面は一般に化学的活性が乏しいためインキ
の密着性が不足し、耐久性の優れたマーキングを行うこ
とが困難である等の問題があった。これに対し、再現性
良く簡便かつ高速にマーキングを行う方法として、レー
ザー光を利用して文字、記号等のマーキングを行うレー
ザーマーキング法が提案され、最近、注目を集めてい
る。例えば、レーザー光を照射してマーキングを行うに
あたり、成形品材料に、染料と珪素含有無機化合物また
は珪素を含有する染料を添加する方法(特開昭56−1499
5 号公報)、金属珪酸塩等の放射線吸収性物質を添加す
る方法(特開昭59−118926号公報)、無機質充填剤とし
て水和アルミナを20%以上添加する方法(特開昭59−18
7050号公報)、燐酸塩を含む顔料を添加する方法(特開
平2−204888号公報)、非黒色の無機鉛化合物を添加す
る方法(特開平2−48984 号公報)、非白色のチタン酸
金属塩を添加する方法(特開平3−10884 号公報)、黒
色有機染料を添加する方法(特開昭60−47065 号公
報)、黄色の酸化鉄を含有させる方法(特開昭60−1554
93号公報)、金属水酸化物または/及び金属含水化合物
と着色剤を含有させる方法(特開昭60−166488号公報)
等がある。これらの方法はいずれも、照射するレーザー
光を選択的に吸収する特定の物質を添加してなる樹脂成
形品にレーザー光を照射することにより、レーザー光を
照射した部分を局所的に加熱し、樹脂表層部の添加物あ
るいは樹脂に融解、気化、炭化等の熱的な変化を起こさ
せることによりマーキングを行うものである。従って、
得られるマーキング文字は、一般的に、添加物あるいは
樹脂の融解または気化によって生じる凹状の蝕刻文字か
あるいは添加物の炭化によって生じる黒色系の焦げた状
態の文字のいずれかになる。ところが、このようにして
得られたマーキング文字は、コントラストが不十分で識
別しにくいばかりか、マーキング時に気化した添加物あ
るいは局所的な燃焼、炭化による樹脂残渣が飛散し、マ
ーキング部周辺を汚染するという欠点を有し、電気・電
子部品のように埃をきらう部品においては、かかる汚染
が、結線不良や接点汚染の原因になることもあるという
問題があった。また、飛散した添加物あるいは樹脂等が
レーザー光をさえぎり、マーキングミスの原因となるこ
ともある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
従来技術の課題を解決するために鋭意研究した結果、特
定範囲の低濃度のカーボンブラックを含有する熱可塑性
樹脂組成物からなる成形品にレーザー光を照射した場合
には、前記の問題が生じることなく鮮明なコントラスト
を持ったマーキングが可能であることを見出し、本発明
に到達した。即ち、本発明は カーボンブラックを0.01〜1.0 重量%含有する熱可塑性
樹脂組成物からなる成形品もしくは該樹脂組成物によっ
て被覆された成形品の表面に、レーザー光を照射してマ
ーキングを行うことを特徴とするレーザーマーキング方
法、及びかかるレーザーマーキング方法によってマーキ
ングの施された成形品に関するものである。
従来技術の課題を解決するために鋭意研究した結果、特
定範囲の低濃度のカーボンブラックを含有する熱可塑性
樹脂組成物からなる成形品にレーザー光を照射した場合
には、前記の問題が生じることなく鮮明なコントラスト
を持ったマーキングが可能であることを見出し、本発明
に到達した。即ち、本発明は カーボンブラックを0.01〜1.0 重量%含有する熱可塑性
樹脂組成物からなる成形品もしくは該樹脂組成物によっ
て被覆された成形品の表面に、レーザー光を照射してマ
ーキングを行うことを特徴とするレーザーマーキング方
法、及びかかるレーザーマーキング方法によってマーキ
ングの施された成形品に関するものである。
【0004】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明において用いられる熱可塑性樹脂としては特に限定
されるものではなく、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂
等の公知の熱可塑性樹脂がいずれも使用できる。これら
の樹脂は単独あるいは2種以上を混合して使用すること
も可能である。これらの樹脂の内、本発明においてはポ
リアセタール樹脂又はポリエステル樹脂を主体とするも
のが好ましく、かかる樹脂を用いた場合には特に優れた
マーキングが可能である。本発明においては、レーザー
マーキングのため上記の如き樹脂にカーボンブラックを
0.01〜1.0 重量%配合することを特徴とする。カーボン
ブラックの配合量が0.01重量%未満では充分なマーキン
グを行うことができず、逆に1.0 重量%を越えるとレー
ザー照射による樹脂成形品表面の蝕刻が激しくなりコン
トラストの良いマーキングが難しくなる。より鮮明なマ
ーキングを行うためには、カーボンブラックの配合量を
0.02〜0.5 重量%とするのが好ましく、特に好ましくは
0.03〜0.3 重量%である。カーボンブラックは、その製
法の違いによりファーネスブラック、チャネルブラッ
ク、サーマルブラック等に、また、原料の違いによりア
セチレンブラック、オイルブラック、ガスブラック等に
分類されるが、本発明においてはこれらのいずれも使用
できる。また、ケッチェンブラックの使用も可能であ
る。かかる如く低濃度のカーボンブラックを配合した熱
可塑性樹脂組成物からなる成形品もしくは該樹脂組成物
によって被覆された成形品の表面にレーザー光を照射す
ることにより、一般的には、レーザー照射部がごく僅
か、例えば5〜50μm程度、凸状に盛り上がり、コント
ラストの良いマーキングが得られる。
発明において用いられる熱可塑性樹脂としては特に限定
されるものではなく、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂
等の公知の熱可塑性樹脂がいずれも使用できる。これら
の樹脂は単独あるいは2種以上を混合して使用すること
も可能である。これらの樹脂の内、本発明においてはポ
リアセタール樹脂又はポリエステル樹脂を主体とするも
のが好ましく、かかる樹脂を用いた場合には特に優れた
マーキングが可能である。本発明においては、レーザー
マーキングのため上記の如き樹脂にカーボンブラックを
0.01〜1.0 重量%配合することを特徴とする。カーボン
ブラックの配合量が0.01重量%未満では充分なマーキン
グを行うことができず、逆に1.0 重量%を越えるとレー
ザー照射による樹脂成形品表面の蝕刻が激しくなりコン
トラストの良いマーキングが難しくなる。より鮮明なマ
ーキングを行うためには、カーボンブラックの配合量を
0.02〜0.5 重量%とするのが好ましく、特に好ましくは
0.03〜0.3 重量%である。カーボンブラックは、その製
法の違いによりファーネスブラック、チャネルブラッ
ク、サーマルブラック等に、また、原料の違いによりア
セチレンブラック、オイルブラック、ガスブラック等に
分類されるが、本発明においてはこれらのいずれも使用
できる。また、ケッチェンブラックの使用も可能であ
る。かかる如く低濃度のカーボンブラックを配合した熱
可塑性樹脂組成物からなる成形品もしくは該樹脂組成物
によって被覆された成形品の表面にレーザー光を照射す
ることにより、一般的には、レーザー照射部がごく僅
か、例えば5〜50μm程度、凸状に盛り上がり、コント
ラストの良いマーキングが得られる。
【0005】本発明において用いられる樹脂組成物に
は、さらに無機充填剤を配合するのが好ましく、これに
より一層優れたマーキングが可能となる。配合される無
機充填剤の形状には特に制約はなく、繊維状、粉粒状、
板状等のいずれでもよいが、特に好ましくは粉粒状及び
板状の無機充填剤であり、また、その色は白色系あるい
は淡色のものが好ましく、例えば、タルク、炭酸カルシ
ウム、酸化チタン等が挙げられる。ミルドガラスファイ
バー、ウイスカー等も粉粒状充填剤と同様の効果を有す
る。これらの無機充填剤をさらに配合するにあたって
は、その添加量は1〜50重量%が好ましく、特に好まし
くは5〜30重量%である。
は、さらに無機充填剤を配合するのが好ましく、これに
より一層優れたマーキングが可能となる。配合される無
機充填剤の形状には特に制約はなく、繊維状、粉粒状、
板状等のいずれでもよいが、特に好ましくは粉粒状及び
板状の無機充填剤であり、また、その色は白色系あるい
は淡色のものが好ましく、例えば、タルク、炭酸カルシ
ウム、酸化チタン等が挙げられる。ミルドガラスファイ
バー、ウイスカー等も粉粒状充填剤と同様の効果を有す
る。これらの無機充填剤をさらに配合するにあたって
は、その添加量は1〜50重量%が好ましく、特に好まし
くは5〜30重量%である。
【0006】本発明において、成形されあるいは被覆さ
れてレーザーマーキングに供される上記の如き樹脂組成
物には、レーザー照射によるマーキングを大きく損なわ
ない範囲で、必要に応じて公知の添加剤等を加えること
ができる。例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸
収剤、光安定剤等の安定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃
助剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤、離型
剤、界面活性剤、結晶化促進剤、結晶核剤等を配合する
ことも可能である。
れてレーザーマーキングに供される上記の如き樹脂組成
物には、レーザー照射によるマーキングを大きく損なわ
ない範囲で、必要に応じて公知の添加剤等を加えること
ができる。例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸
収剤、光安定剤等の安定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃
助剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤、離型
剤、界面活性剤、結晶化促進剤、結晶核剤等を配合する
ことも可能である。
【0007】本発明においては、かかる樹脂組成物から
なる成形品あるいは該樹脂組成物を印刷、塗布、多重成
形等によって被覆した樹脂、セラミック、金属等の成形
品に対し、その所望位置にレーザー光線を照射するだけ
で、容易に鮮明なマーキングが行われる。所望の形状の
マーキングを行うためには、例えば、レーザー光を適当
な大きさのスポットにして対象物の表面を走査する方
法、レーザー光をマスクすることによって所望形状のレ
ーザー光とし、これを対象物の表面に照射する方法等が
挙げられる。使用されるレーザーの種類としては特に限
定はなく、例えば炭酸ガスレーザー、ルビーレーザー、
半導体レーザー、アルゴンレーザー、エキシマレーザ
ー、YAG レーザー等がいずれも可能である。この内、炭
酸ガスレーザーを用いた場合、樹脂自体もそのレーザー
エネルギーを吸収するため、樹脂成形品表面での樹脂の
燃焼、気化が起こり易く、マーキングも幾分劣ったもの
になり易い。これに対し、波長が1.06μm であることを
特徴とするNd:YAG レーザーは、樹脂自身によってその
レーザーエネルギーが吸収されることが殆どないため、
上記の如き現象が起こりにくく、特に好ましい。その発
振形態は連続発振であってもパルス発振であっても構わ
ないが、特に適したものはQスイッチを用いた連続発振
であるスキャン式のNd:YAG レーザーである。
なる成形品あるいは該樹脂組成物を印刷、塗布、多重成
形等によって被覆した樹脂、セラミック、金属等の成形
品に対し、その所望位置にレーザー光線を照射するだけ
で、容易に鮮明なマーキングが行われる。所望の形状の
マーキングを行うためには、例えば、レーザー光を適当
な大きさのスポットにして対象物の表面を走査する方
法、レーザー光をマスクすることによって所望形状のレ
ーザー光とし、これを対象物の表面に照射する方法等が
挙げられる。使用されるレーザーの種類としては特に限
定はなく、例えば炭酸ガスレーザー、ルビーレーザー、
半導体レーザー、アルゴンレーザー、エキシマレーザ
ー、YAG レーザー等がいずれも可能である。この内、炭
酸ガスレーザーを用いた場合、樹脂自体もそのレーザー
エネルギーを吸収するため、樹脂成形品表面での樹脂の
燃焼、気化が起こり易く、マーキングも幾分劣ったもの
になり易い。これに対し、波長が1.06μm であることを
特徴とするNd:YAG レーザーは、樹脂自身によってその
レーザーエネルギーが吸収されることが殆どないため、
上記の如き現象が起こりにくく、特に好ましい。その発
振形態は連続発振であってもパルス発振であっても構わ
ないが、特に適したものはQスイッチを用いた連続発振
であるスキャン式のNd:YAG レーザーである。
【0008】本発明の作用は次のように推定される。即
ち、本発明の如く、特定の低濃度のカーボンブラックを
含有する熱可塑性樹脂組成物からなる成形品もしくは該
樹脂組成物によって被覆された成形品にレーザー光を照
射すると、レーザー光は成形品表面を透過し、樹脂中の
カーボンブラックを選択的に加熱する。特に、樹脂自身
によるエネルギー吸収の少ないNd:YAG レーザーの場
合、効率的に加熱される。加熱されたカーボンブラック
はまわりの樹脂を加熱、溶融し、局所的に樹脂を分解
し、内部からの微細な発泡を起こさせる。この発泡によ
り成形品表面の樹脂が内部より押し上げられ、得られる
マーキング文字は、一般的に5〜50μm 程度の凸状に盛
り上がった白色系のマーキングとなり、優れたコントラ
ストが得られるものと考えられる。このような現象は、
熱により溶融することのできる熱可塑性樹脂特有のもの
であり、熱により溶融することのできない熱硬化性樹脂
では、このような現象とこれによる効果は期待できな
い。
ち、本発明の如く、特定の低濃度のカーボンブラックを
含有する熱可塑性樹脂組成物からなる成形品もしくは該
樹脂組成物によって被覆された成形品にレーザー光を照
射すると、レーザー光は成形品表面を透過し、樹脂中の
カーボンブラックを選択的に加熱する。特に、樹脂自身
によるエネルギー吸収の少ないNd:YAG レーザーの場
合、効率的に加熱される。加熱されたカーボンブラック
はまわりの樹脂を加熱、溶融し、局所的に樹脂を分解
し、内部からの微細な発泡を起こさせる。この発泡によ
り成形品表面の樹脂が内部より押し上げられ、得られる
マーキング文字は、一般的に5〜50μm 程度の凸状に盛
り上がった白色系のマーキングとなり、優れたコントラ
ストが得られるものと考えられる。このような現象は、
熱により溶融することのできる熱可塑性樹脂特有のもの
であり、熱により溶融することのできない熱硬化性樹脂
では、このような現象とこれによる効果は期待できな
い。
【0009】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0010】実施例1〜8及び比較例1〜6 ポリアセタール樹脂(POM) に、カーボンブラックまたは
カーボンブラックと各種無機充填剤を、表1に示す割合
で配合した樹脂組成物を調製し、これを射出成形して50
mm×70mmで厚さ3mmの平板を得た。次に、この平板にス
キャン式のNd:YAG レーザーを用いてマーキングを行っ
た。マーキング条件および評価方法は下記の通りであ
る。結果を表1に示す。 〔マーキング条件〕 装置: 日本電気(株)製レーザーマーカー SL475E マーキング文字数: 40文字 マーキング方式: 一筆書き方式 マーキング部でのパワー: 1〜3W スキャンスピード: 100mm/sec バイトサイズ: 30μm Qスイッチ周波数: 3kHz 処理時間: 3sec 〔評価方法〕マーキングの可否、マーキングのコントラ
スト、マーキング部の状態を肉眼で観察し、マーキング
の可否は5段階で、コントラストは10段階で、相対評価
した。 マーキングの可否 1←─────────────────→5 マーキングできず マーキング可 コントラスト 1←─────────────────→10 極めて不鮮明(印字の読み取り不可) 良好 実施例9〜16及び比較例7〜12 ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT) に、カー
ボンブラックまたはカーボンブラックと各種無機充填剤
を、表2に示す割合で配合した樹脂組成物を調製し、実
施例1〜8及び比較例1〜6と同様の方法で平板を成形
し、レーザーマーキングを行い、評価した。結果を表2
に示す。
カーボンブラックと各種無機充填剤を、表1に示す割合
で配合した樹脂組成物を調製し、これを射出成形して50
mm×70mmで厚さ3mmの平板を得た。次に、この平板にス
キャン式のNd:YAG レーザーを用いてマーキングを行っ
た。マーキング条件および評価方法は下記の通りであ
る。結果を表1に示す。 〔マーキング条件〕 装置: 日本電気(株)製レーザーマーカー SL475E マーキング文字数: 40文字 マーキング方式: 一筆書き方式 マーキング部でのパワー: 1〜3W スキャンスピード: 100mm/sec バイトサイズ: 30μm Qスイッチ周波数: 3kHz 処理時間: 3sec 〔評価方法〕マーキングの可否、マーキングのコントラ
スト、マーキング部の状態を肉眼で観察し、マーキング
の可否は5段階で、コントラストは10段階で、相対評価
した。 マーキングの可否 1←─────────────────→5 マーキングできず マーキング可 コントラスト 1←─────────────────→10 極めて不鮮明(印字の読み取り不可) 良好 実施例9〜16及び比較例7〜12 ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT) に、カー
ボンブラックまたはカーボンブラックと各種無機充填剤
を、表2に示す割合で配合した樹脂組成物を調製し、実
施例1〜8及び比較例1〜6と同様の方法で平板を成形
し、レーザーマーキングを行い、評価した。結果を表2
に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【発明の効果】以上の説明並びに実施例により明らかな
ように、カーボンブラックを0.01〜1.0 重量%含有する
熱可塑性樹脂組成物からなる成形品もしくは該樹脂組成
物によって被覆された成形品の表面にレーザー光を照射
する本発明のレーザーマーキング方法によれば、極めて
コントラストの高いマーキングが可能であり、しかもマ
ーキング速度が速く、自動化、工程管理が容易である等
の特徴も有するものであり、極めて実用性の高いもので
ある。
ように、カーボンブラックを0.01〜1.0 重量%含有する
熱可塑性樹脂組成物からなる成形品もしくは該樹脂組成
物によって被覆された成形品の表面にレーザー光を照射
する本発明のレーザーマーキング方法によれば、極めて
コントラストの高いマーキングが可能であり、しかもマ
ーキング速度が速く、自動化、工程管理が容易である等
の特徴も有するものであり、極めて実用性の高いもので
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 カーボンブラックを0.01〜1.0 重量%含
有する熱可塑性樹脂組成物からなる成形品もしくは該樹
脂組成物によって被覆された成形品の表面に、レーザー
光を照射してマーキングを行うことを特徴とするレーザ
ーマーキング方法。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂組成物が更に粉粒状又は板
状の無機充填剤を含有するものである請求項1記載のレ
ーザーマーキング方法。 - 【請求項3】 レーザー光源として、スキャン式のNd:
YAG レーザーを用いてマーキングを行う請求項1又は2
記載のレーザーマーキング方法。 - 【請求項4】 樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂が、
ポリアセタール樹脂又は熱可塑性ポリエステル樹脂を主
体とするものである請求項1〜3のいずれか1項記載の
レーザーマーキング方法。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項記載のレーザ
ーマーキング方法によってマーキングの行われた成形
品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3255205A JPH0592657A (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | レーザーマーキング方法及びレーザーマーキングされた成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3255205A JPH0592657A (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | レーザーマーキング方法及びレーザーマーキングされた成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0592657A true JPH0592657A (ja) | 1993-04-16 |
Family
ID=17275485
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3255205A Pending JPH0592657A (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | レーザーマーキング方法及びレーザーマーキングされた成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0592657A (ja) |
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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