JP3566107B2 - 光通信用モジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体光素子に係り、特に光通信用モジュールに搭載するのに好適な半導体光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から光通信用モジュールの低コスト化は強力に推進されてきたが、光ファイバー通信システムの構築が急速に進む中で、更なる低コスト化が求められている。光通信用モジュールには光ファイバーが接続され、モジュール内部には半導体光素子として例えば半導体レーザが搭載される。半導体レーザと光ファイバーとはパッシブアライメントで結合が行われる。そのため、半導体レーザを光通信用モジュールに搭載する際には、ジャンクションダウンにて位置合わせを行い、半導体レーザをモジュールの実装基板(シリコン基板)上に配置する。具体的には、半導体レーザ上面あるいは実装基板上に蒸着されたソルダにより、半導体レーザが実装基板上にジャンクションダウン実装される。ここで半導体レーザとしては、例えばIEEE JOURNAL OF TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS,VOL.3,NO.2,APRIL 1997.pp.672−682に記載された逆メサ型リッジ導波路を有する半導体レーザが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ジャンクションダウン実装においては、半導体レーザの上部電極パターンと光通信用モジュールの実装基板面がソルダを介して接することになる。この時、半導体レーザと光ファイバーとの高さ方向の搭載精度は、半導体レーザ出力をダイレクトに光ファイバーと結合させるため、±0.5μm以内が要求される。この精度を再現性良くするためには、半導体レーザに荷重をかけることなく、ソルダを介して半導体レーザと実装基板との接合を行うことが必要となる。
【0004】
ところが、実際にこの方法で光通信用モジュールの基板に半導体レーザを実装し種々の特性試験を行なったところ、半導体レーザの温度特性が悪くなるという不具合が生じた。このような不具合は、半導体レーザを光通信用モジュールの基板に実装する前には、まったく考えられないことであった。しかも、温度特性の悪い状態で半導体レーザ等の半導体光素子を動作させることは、光通信用モジュールの信頼性にも影響を与えかねない。
【0005】
従って本発明の目的は、実装時にも温度特性の良好な半導体光素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、半導体光素子の基板への実装時に温度特性がなぜ悪くなるのかについて、種々の解析を行なった。その結果、半導体光素子は、実装時において本来、その電流注入領域リッジ導波路部が実装基板とソルダを介して接合されているべきところ、半導体光素子の構造上の理由から、その接合が十分でない場合が生じ得るということを見出し、本発明に至ったものである。
【0007】
従来の半導体光素子の構造は、電流の注入されるリッジ導波路部(電流注入領域リッジ導波路部)の高さが、それと隣接して形成される導波路部側部の高さと比較して、パッシベーション膜の厚さ程度(0.5〜0.6μm)低く形成される。このため、導波路部側部はソルダと接触し実装基板と接合されるけれども、電流注入領域リッジ導波路部はソルダと接触することができず実装基板(シリコン基板)と接合されない。電流注入領域リッジ導波路部が実装基板と接合されないと、素子動作時に半導体光素子から実装基板への放熱が効率的に行われないため、半導体光素子の熱抵抗が高くなり、素子温度特性が悪くなる。このように発明者の解析により、従来の技術の不具合が、このような現象に起因していることが判明したのである。
【0008】
従って、実装後に生じる温度特性の不具合は、パッシベーション膜の膜厚で生ずる段差を低減することにより、解決可能である。具体的には、従来の0.5〜0.6μm程度の段差を、0.2〜0.3μmあるいはそれ以下に低減することにより、電流注入領域リッジ導波路部と実装基板とがソルダを介して接合されるようになる。これにより再現性良く、また精度良く、半導体光素子の実装基板への搭載が可能となる。また、搭載条件によっては、電流注入領域リッジ導波路部と実装基板との確実な接合を図るため、この段差をほぼ0とすることが必要である。
【0009】
このように、電流注入領域リッジ導波路部が実装基板と接合されることにより、半導体光素子の放熱が効率的に行われ、温度特性の良好な半導体光素子が得られる。なお、ここでリッジ導波路部とは、例えばストライプ状メサ型光導波路のメサ型部分あるいはその直上を含む部分をいう。このメサ型は逆メサ型の場合もある。また、メサ型以外に一般のリッジ形状の導波路部であれば、これに含むものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の理解を容易とするため、本発明の実施例を説明する前にまず、従来の技術で半導体光素子の電流注入領域が実装基板と接合されない状態が生ずる理由を具体的に説明する。
【0011】
図1は、半導体光素子の一例として半導体レーザを示す図であり、同図(a)は斜視図、(b)は断面図である。また、図2(a)〜(d)は、図1の半導体レーザの製作フローを示す図である。図1及び図2に示す半導体レーザは、出射ビームスポットの拡大機能を有する波長1.30μm帯リッジ導波路型半導体レーザである。
【0012】
この半導体レーザは次のようにして作製される。まず、n型(100)InP半導体基板101上に半導体活性層102を形成する。この半導体活性層102は、第1回目の結晶成長としてシャドーマスク成長法によりInGaAsP(組成波長1.10μm)下側光ガイド層0.15μm、6.0nm厚のInGaAsP(組成波長1.37μm)を井戸層、10nm厚のInGaAsP(組成波長1.10μm)を障壁層とする7周期の多重量子井戸構造、及びInGaAsP(組成波長1.10μm)上側光ガイド層0.05μmから構成される。次いで、p型InPキャップ層0.05μmを順次形成する。選択成長を用いることにより、図1(a)に示すように、出射ビームスポット拡大部111の半導体活性層102の層厚は出射部で薄く形成されている。
【0013】
続いて、p型InPキャップ層除去等の処理をした後、第2回目の結晶成長として、p型InPクラッド層103を4.0μm、p型InGaAsコンタクト層104を0.2μm、及びp型InPキャップ層0.1μmを順次形成する。次に、p型InPキャップ層0.1μmを除去した後、臭化水素酸と燐酸の混合水溶液によるウェットエッチングを用いて、図2(a)に示すように、(111)A面を側壁にもつ逆メサ断面形状のストライプ状メサ型導波路(以下、リッジ導波路)を形成する。リッジ導波路下部の幅は、ビームスポットを拡大するため素子前方と後方では異なり、それぞれ7μm及び2μmとした。
【0014】
その後、p型InPキャップ層除去した後、図2(b)に示すように、CVD法により基板全面に厚さ0.5μmのパッシベーション膜105を形成する。また、リッジ導波路は、電流の注入されるレーザ部110(電流注入領域)と電流の注入されないモード拡大部111(電流非注入領域)によって構成されており、モード拡大部111にプロトン注入を行うことにより、レーザ部110への電流注入の効率化を図っている。さらに、パッシベーション膜除去マスク用のポリイミドを塗布し、エッチバック法によりリッジ上部のポリイミド樹脂をエッチングした後、電流注入領域リッジ導波路におけるパッシベーション膜105を除去し、図2(c)に示すように、リッジ導波路両側溝部に保たれたポリイミド樹脂も完全に除去する。この時、電流非注入領域リッジ導波路におけるパッシベーション膜は除去しない。
【0015】
続いて、リッジ導波路の側壁にも電極が形成されるように、斜め蒸着法により上部電極106を形成する。次いで、イオンミリングにより上部電極をパターニングした後、裏面研磨、下部電極107の形成、電極アロイ等の工程を経る。これらの工程を経た後、ウエハを400μmキャビティのバー状に劈開し、劈開面に反射保護膜を形成した後、単体の素子に分離する。こうして作製されたビーム拡大機付半導体レーザが、図1(a)、(b)に示すものである。ここで、図1(b)に示すように、電流注入領域リッジ導波路部108はパッシベーション膜105が除去されている。一方、その両側に形成された導波路側部109はパッシベーション膜105が付いている。したがって、電流注入領域リッジ導波路部108の高さは、導波路側部109の高さに比べて0.5μm程度低くなり、図2(d)に示すように、両者の間に段差が生じる。
【0016】
このようにして作製した半導体光素子を、ソルダを用いて実装基板に接合すると、電流注入領域リッジ導波路部108が、導波路側部109との段差のためソルダと接触せず、そのため実装基板と接合しないこととなる。これが、前述のとおり、素子実装後に半導体光素子の温度特性が悪くなる原因だったのである。本発明は、この段差を低減することにより、電流注入領域リッジ導波路部108と実装基板とがソルダを介して接合するよう半導体光素子を構成するものである。以下、実施例を用いて本発明を詳述する。
【0017】
(実施例1)
本発明に係る一実施例を、図3、図4〜図6及び図20を用いて説明する。本実施例は、先に図1に示した出射ビームスポットの拡大機能を有するモード拡大器付波長1.30μm帯リッジ導波路型半導体レーザに関するものである。
【0018】
この半導体レーザのリッジ導波路は、電流が注入されるレーザ部と電流が注入されないビームスポット拡大部より構成されている。本素子をモジュール搭載基板にジャンクションダウン実装する際には、素子の上部電極パターンとモジュール搭載面が接することになる。リッジ導波路における上部電極パターンにおいて、電流が注入される領域で且つ上部電極パターンのある領域(図3のa−a’断面の範囲)と、電流が注入されない領域で且つ電極パターンのある領域(図3のb−b’断面の範囲)とがそれぞれ異なる断面構造を有する。従って、リッジ導波路部と実装基板との接し方を考える場合、これら2つの領域の両方を考慮する必要がある。そこで、図3に示すように、電流が注入される領域で電極パターンのある領域をa−a’断面、電流が注入されない領域で電極パターンのある領域をb−b’断面として、以下説明する。
【0019】
本実施例に係る半導体光素子は、次のように作製される。まず、従来と同様に、逆メサ断面形状のリッジ導波路を形成する。次いで、図4(a)に示すように、リッジ導波路全体、及び導波路両側の溝領域を覆うようにホトレジストマスク301を通常のホトリソグラフィ工程により形成する。そして、図4(b)に示すように、燐酸及び過酸化水素水の混合水溶液によるウェットエッチングを用いて、リッジ導波路両側上面におけるp型InGaAsコンタクト層104を0.2μmエッチングする。この時、ホトレジストマスク301に対してオーバーエッチングを行うことにより、リッジ導波路両側上面におけるp型InGaAsコンタクト層104を完全に除去する。一方、リッジ導波路上の電流注入領域は、レジストマスク301に保護されているため、コンタクト層104が保たれている。コンタクト層104は、電極メタルとの接触抵抗低減のために積層されるものであり、電流注入領域でないリッジ導波路両側上面のコンタクト層104の除去による素子特性劣化は全くないといえる。
【0020】
次に、レジストマスク301を除去する。この時点において、前述のようなウエットエッチングを施したことにより、リッジ導波路部上面がリッジ導波路両側上面に対し、図4(c)に示すように、p型InGaAsコンタクト層104の膜厚相当の0.2μm程度高く形成されている。続いて、図4(d)に示すように、CVD法により基板全面に厚さ0.5μmのパッシベーション膜105を形成する。そして、モード拡大部には、プロトン注入を行うことにより、レーザ部への電流注入効率化を図る。この時点までは、図4(b)及び図5(a)に示すように、素子a−a’断面、及びb−b’断面は同一の断面構造である。
【0021】
その後、ポリイミド樹脂を用いた工程を経てリッジ上部の電流注入領域におけるパッシベーション膜105を除去する。この時点でa−a’断面においては、図4(e)に示すように、パッシベーション膜の除去された電流注入領域リッジ導波路部上面に対し、パッシベーション膜105のあるリッジ導波路両側上面は、0.3μm程度高く形成されている。一方、電流が注入されない領域であるb−b’断面においては、パッシベーション膜105は保たれたままであるため、パッシベーション膜付リッジ導波路部上面は、リッジ導波路両側上面に対し、図5(b)に示すように、p型InGaAsコンタクト層104の膜厚0.2μm分高く形成されている。
【0022】
続いて、図4(f)に示すように、リッジの側壁にも電極が形成されるように斜め蒸着法により上部電極106を形成する。次いで、イオンミリングにより上部電極をパターニングした後、裏面研磨、下部電極107の形成、電極アロイ等の工程を経る。これらの工程を経た後、ウエハを400μmキャビティのバー状に劈開し、劈開面に反射保護膜を形成した後、単体の素子に分離する。図10は、このようにして作製された半導体光素子のa−a’断面を示す図である。
【0023】
これにより、本素子をモジュールにジャンクションダウン搭載する際には、導波路側部109だけでなく、リッジ導波路部108も接合用ソルダの溶融により実装基板面と接することが可能となる。このように電流注入領域リッジ導波路部においても、実装面であるシリコン基板と接合することにより、光モジュールにおいて放熱が効率的に行われ、素子実装後に素子の放熱熱抵抗が高くなり素子温度特性が悪くなるという不具合は生じない。従って、素子温度特性の良好な信頼性の高いレーザモジュールを実現することができる。
【0024】
本実施例に係る半導体レーザは、従来のものと比べて、モジュール搭載後の85℃動作電流について5〜10mA程度の低減が実際に見られた。従来の85℃におけるモジュール搭載時動作電流値は、本実施例の90℃におけるモジュール搭載時動作電流値とほぼ同じであり、本実施例により素子放熱抵抗が低減されていることがわかる。素子熱抵抗に換算すると、従来では80〜90℃/Wであるが、本実施例では40〜50℃/W程度となり、かなり改善される。
【0025】
また、リッジ導波路上で電流の注入されない領域(b−b‘断面)はコンタクト層104が除去されていないため、リッジ導波路両側上面に対し、図5(c)に示すように、0.2μm程度高く形成されている。図6は、リッジ導波路縦方向の断面を示す図である。図のように、モード拡大器領域においては、半導体活性層103が素子出射端に向かって薄く形成されているため、その上に形成されたパッシベーション膜105や上部電極106が出射端に向かって斜めに下がっているが、搭載時には無視できる程度である。図6のb−b‘断面の範囲からもわかるように、高く形成された部分の面積はリッジ導波路上のほんの一部で、且つ素子上部電極面全体の面積に対してわずか5%未満であり、搭載時に用いるソルダ層厚は、この部分の高さ(約0.2μm)以上であるため、素子搭載上問題とはならない。
【0026】
本実施例は、ホトリソグラフィ工程、およびウエットエッチング工程のみを施すだけで実現可能である。したがって製造工程時間をそれほど増やすことなく素子温度特性の良好な信頼性の高いレーザモジュールを実現することができる。また本実施例は、p−InGaAsコンタクト層104の膜厚を0.2μmとしたが、この膜厚を素子特性に影響がない範囲で厚くすることにより、前述の段差低減量を増やすことが可能となる。パッシベーション膜105の膜厚も、素子特性に影響がない範囲で調整できる。これにより、前述の段差量を制御することが可能となり、モジュール搭載条件に適した段差量を設定することができる。
【0027】
(実施例2)
本発明に係る他の実施例を、図3、図7、及び図8を用いて説明する。本実施例は、実施例1と同様に、波長1.30μm帯スポット拡大器付リッジ導波路型半導体レーザに関するものである。本実施例においても、リッジ導波路上電流が注入される領域で電極パターンのある領域をa−a’断面、電流が注入されない領域で電極パターンのある領域をb−b’断面として、以下説明する。素子断面構造部分の説明は図3に準じる。
【0028】
本実施例に係る半導体光素子は、次のように作製される。まず、実施例1と同様に、逆メサ断面形状のリッジ導波路を形成する。次いで、図7(a)に示すように、リッジ導波路両側上面におけるp−InGaAsコンタクト層104を完全に除去する。続いて、図7(b)に示すように、基板全面に厚さ0.5μmのパッシベーション膜105を形成する。さらに、図7(c)に示すように、ウエハ全体にポリイミド樹脂401を塗布し、リッジ導波路上からリッジ導波路両側の溝部分におけるポリイミド樹脂上にかけて、ホトレジストマスク301を形成し、酸素ガスを用いたポリイミドのエッチバックを行う。続いて、フッ素系ガスを用いたドライエッチングを行い、図7(d)に示すように、リッジ導波路両側部における0.5μm厚パッシベーション膜を0.2〜0.3μm程度エッチングする。
【0029】
次に、リッジ導波路両側上面、および電流注入領域でないリッジ導波路上にレジストマスクを形成し、電流注入領域リッジ導波路上部のパッシベーション膜105を除去する。その後、リッジ導波路両側に残されたポリイミドを完全に除去する。この時点でa−a’断面において、図7(e)に示すように、リッジ導波路両側上面に対し、パッシベーション膜の除去されたリッジ導波路部上面はわずかに0.1μm低く形成されている。また、電流が注入されないb−b’断面においては、コンタクト層104がエッチングされておらず、且つパッシベーション膜105が当初の厚さに保たれているため、図8(a)に示すように、リッジ導波路両側上面に対し、パッシベーション膜の除去されたリッジ導波路部上面は0.4〜0.5μm高く形成されている。
【0030】
続いて、上部電極106を形成する。このときa−a’断面は、図7(f)に示すように、電流注入領域リッジ導波路部とその両側の導波路側部との段差が0.1μmに低減されていることがわかる。このため、本素子をモジュールにジャンクションダウン実装する際には、導波路側部だけでなく、リッジ導波路部もソルダを介して搭載面と接することが可能となり、光モジュールにおいて放熱が効率的に行われる。従って、素子実装後に素子の熱抵抗が高くなり素子温度特性が悪くなるという不具合は生じない。一方、b−b’断面は、図8(b)に示すように、リッジ導波路両側上面に対し、パッシベーション膜の除去されたリッジ導波路部上面は、0.4〜0.5μm高く形成されている。この高い部分の面積は、リッジ導波路上のほんの一部で、素子搭載上問題とはならない。
【0031】
本実施例は、コンタクト層厚、あるいはパッシベーション膜厚を変えることなく、パッシベーション膜の除去されたリッジ導波路部上面を0.1μm以下に低く形成することができる。また、ドライエッチングによりリッジ導波路両側上面におけるパッシベーション膜のエッチング量を調整することにより、パッシベーション膜厚の仕様によらず、リッジ導波路両側上面に対し、パッシベーション膜の除去されたリッジ導波路部上面の高さを変えることができる。
【0032】
(実施例3)
本発明に係る他の実施例を、図3及び図9〜図11を用いて説明する。本実施例は、実施例1及び2と同様に、波長1.30μm帯スポット拡大器付リッジ導波路型半導体レーザに関するものである。素子断面構造部分の説明は図3に準じる。また本実施例では、リッジ導波路上電流が注入されないb−b’断面部をリッジ導波路両側上面に対し高く形成されないように工夫している。
【0033】
本実施例に係る半導体光素子は、次のように作製される。まず、実施例1と同様にして、素子上部電極106の形成工程まで行う。この時点でa−a’断面においては、図9(a)に示すように、パッシベーション膜105の除去された電流注入領域であるリッジ導波路部上面に対し、リッジ導波路両側上面は0.3μm程度高く形成されている。また、電流が注入されない領域であるb−b’断面においては、図10に示すように、パッシベーション膜105は保たれたままであるため、リッジ導波路部上面は、リッジ導波路両側上面に対しコンタクト層104の膜厚0.2μm分高く形成されている。
【0034】
続いて、図9(b)に示すように、上部電極106上にソルダ蒸着によりモジュール搭載用のソルダ層501を形成するが、電流が注入されない領域であるb−b’断面部分にはソルダ層を形成しない。従ってソルダ層501を形成した後においても、a−a’断面では、パッシベーション膜105の除去された電流注入領域であるリッジ導波路部上面に対し、リッジ導波路両側上面はわずか0.3μm程度高く形成される。このため、本素子をモジュールにジャンクションダウン実装する際には、実施例1と同様に、電流注入領域リッジ導波路部においても、実装面であるシリコン基板と接合することにより、光モジュールにおいて放熱が効率的に行われる。従って、素子実装後に素子の熱抵抗が高くなり素子温度特性が悪くなるという不具合が解消され、素子温度特性の良好な信頼性の高いレーザモジュールを実現することができる。
【0035】
さらに、本実施例では、図11に示すように、リッジ導波路上において電流が注入されない領域にはソルダ層501を形成しないため、この領域がリッジ導波路両側上面に対し、高くなるといったことが生じない。これに伴い、実装基板と接する素子上部電極106上のソルダ面の接触面積が減少するが、全体の接触面に対してわずかな面積減少であるため、素子搭載強度に関しては問題ない。また、リッジ導波路上において実装基板と接しない領域は、リッジ導波路上電流が注入されない領域であるため、この部分に起因したジャンク温度上昇は無視できるといえる。
【0036】
本実施例では、モジュール搭載時に用いるソルダ層を、素子側に形成した例を説明したが、図12に示すように、モジュールの実装基板602上にソルダ層601を形成しても同様の効果がある。ソルダ層601を実装基板602上に形成する場合、形成後の工程で熱履歴がかからないため、ソルダ層601として安定な品質のものが得られやすいという利点がある。
【0037】
(実施例4)
本発明に係る他の実施例を、図3、図4及び図13〜図15を用いて説明する。本実施例は、実施例1〜3と同様に、波長1.30μm帯スポット拡大器付リッジ導波路型半導体レーザに関するものである。本実施例においても、電流が注入される領域で電極パターンのある領域をa−a’断面、電流が注入されない領域で電極パターンのある領域をb−b’断面として、以下説明する。素子断面構造部分の説明は図3に準じる。
【0038】
本実施例に係る半導体光素子は、次のように作製される。まず、実施例1と同様に、逆メサ断面形状のリッジ導波路を形成する。次いで、リッジ導波路上電流注入領域、及び導波路両側の溝領域を覆うようにホトレジストマスクを通常のホトリソグラフィ工程により形成する。その後、燐酸、及び過酸化水素水の混合水溶液によるウェットエッチングを用いて、リッジ導波路両側上面における0.2μm厚のp−InGaAsコンタクト層のエッチングを行う。一方、実施例1と異なり、図14(a)に示すとおり、電流が注入されないリッジ導波路の両側溝部分はエッチングされないように、この部分にもレジストマスク301を形成する。
【0039】
その後、図14(b)に示すように、電流が注入されないリッジ導波路上におけるp−InGaAsコンタクト層0.2μmのエッチングを行う。この際、ホトレジストマスク301に対してオーバーエッチを行うことにより、リッジ導波路両側上面、及び電流が注入されないリッジ導波路におけるp−InGaAsコンタクト層104を完全に除去する。一方、リッジ導波路上の電流注入領域には、レジストマスクに保護されているため、コンタクト層104が保たれている。コンタクト層104は、電極メタルとの接触抵抗低減のために積層されている層であり、電流注入領域でないリッジ導波路両側上面のコンタクト層除去による、素子特性劣化は全くないといえる。続いてレジストマスクを除去する。
【0040】
この時点においてリッジ導波路上で電流が注入される領域(a−a’断面)においては、前述のようなウエットエッチングを施したことにより、図4(c)に示すように、リッジ導波路部上面がリッジ導波路両側上面に対し、0.2μm程度高く形成されている。また、リッジ導波路上で電流が注入されない領域(b−b’断面)においては、図14(c)に示すように、リッジ導波路部上面とその両側の導波路側部上面は、同一の高さに形成されている。
【0041】
続いて、図4(d)及び図14(d)に示すように、CVD法により基板全面に厚さ0.5μmのパッシベーション膜105を形成する。次に、モード拡大部には、プロトン注入を行うことにより、レーザ部への電流注入効率化を図る。そして、ポリイミド樹脂を用いた工程を経て、図4(e)に示すように、リッジ導波路上部の電流が注入される領域におけるパッシベーション膜105を除去する。さらにこの時、リッジ導波路上部の電流が注入される領域のみでなく、リッジ導波路上電流が注入されない領域における電流注入領域側から5μmの領域まで、パッシベーション膜を除去する。これは、リッジ導波路上において、コンタクト層上にパッシベーション膜が形成される構造を避け、実施例1で述べた、b−b’断面の形状のような突起部を形成しないようにするためである。このパッシベーション膜領域を広げることにより、素子特性の劣化が懸念されるが、電流注入領域は、パッシベーション膜がない領域で決まるのではなく、コンタクト層領域、及びプロトン注入領域により決まるため、問題はないといえる。
【0042】
この時点でa−a’断面においては、パッシベーション膜の除去された電流注入領域であるリッジ導波路部上面に対し、その両側の導波路側部上面はわずかに0.3μm程度高く形成されている。また、電流が注入されない領域であるb−b’断面においては、図14(d)に示すように、パッシベーション膜は保たれたままであり、コンタクト層が除去されているためリッジ導波路部上面は、その両側の導波路側部上面と同一の高さ、つまり段差0で形成されている。
【0043】
素子上部電極106を形成した後は、図4(f)あるいは図13に示すように、リッジ導波路上電流が注入される領域a−a’断面において、電流の注入されるリッジ導波路部は、その両側の導波路側部上面に対してわずかに0.3μm低く形成されているにすぎない。このため、本素子をモジュールにジャンクションダウン実装する際には、その両側の導波路側部上面だけでなく、リッジ導波路部もソルダを介して実装基板と接することが可能となる。さらに、実施例1と異なりリッジ導波路上で電流の注入されない領域(b−b’断面)においては、図14(e)に示すように、導波路側部上面と同一の高さに形成されている。したがって、図15にリッジ導波路縦方向の断面図を示すとおり、電流注入領域か非注入領域かに係わらず、リッジ導波路上全体がソルダを介して実装基板と接することが可能となる。このため、リッジ導波路全体が確実に実装基板板と接合することにより、光モジュールにおいて放熱が効率的に行われる。従って、実装後に素子の熱抵抗が高くなり素子温度特性が悪くなるという不具合は生じず、素子温度特性の良好な信頼性の高いレーザモジュールを実現することができる。また、実施例1のb−b’断面のように、リッジ導波路上においてリッジ導波路両側上面に対し高く形成されている領域がなく、リッジ導波路がより平面に近いため、モジュールに搭載する際の精度がより一層向上することが期待される。
【0044】
(実施例5)
本発明に係る他の実施例を、図3、及び図16〜図17を用いて説明する。本実施例は、実施例1〜3と同様に、波長1.30μm帯スポット拡大器付リッジ導波路型半導体レーザに関するものである。素子断面構造部分の説明は図3に準じる。
【0045】
本実施例に係る半導体光素子は、次のように作製される。まず、実施例1と同様にして、素子上部電極106の形成工程まで行う。この時点で、a−a’断面においては、図16(a)に示すように、パッシベーション膜の除去された電流注入領域であるリッジ導波路部上面に対し、リッジ導波路両側上面はパッシベーション膜105の膜厚0.5μm程度高く形成されている。続いて、図16(b)に示すように、リッジ導波路上部の電流が注入される領域を残し、それ以外の領域に、ホトレジストによるリフトオフ用レジストマスク801を形成する。この時レジストマスク801のエッジ形状が逆テーパ状となるようなホトレジストを用いる。
【0046】
次に、前記パッシベーション膜105の膜厚相当の0.5μm厚の金属層(Au層)802を追加蒸着し、前記ホトレジストマスクを用いてリフトオフを行う。これにより、図16(c)に示すように、a−a’断面において、電流の注入されるリッジ導波路部上部電極106面は、その両側の導波路側部上面に対してほぼ同一の高さに形成され、両者の段差がほぼ0に低減される。したがって、モジュールに素子をジャンクションダウン実装する際には、両側の導波路側部上面だけでなく、リッジ導波路部もソルダを介して実装面と接することが可能となり、光モジュールにおいて放熱が効率的に行われる。従って、実装後に素子の熱抵抗が高くなり素子温度特性が悪くなるという不具合は生じない。また、リフトオフ用ホトレジスト工程において、リッジ導波路両側の溝に0.5μm厚のAu層802が形成されるが、特性上、およびモジュール搭載上なんら問題を生じない。一方、電流が注入されないb−b’断面においては、このような追加電極メタルは蒸着されないため、素子搭載上問題となるようなことはない。
【0047】
本実施例は、従来の構造に電極蒸着という比較的安定な半導体技術を加えることにより、実施例1〜4と異なり電流が注入されるリッジ導波路部分をその両側の導波路側部上面に対し段差0μm程度に形成することが可能である。さらに、追加蒸着するAu層802の厚さを厚くすることにより、電流が注入されるリッジ導波路部をその両側の導波路側部上面に対し高くすることも可能である。図17は、電流注入領域リッジ導波路部をその両側の導波路側部上面に対し0.1μm高くした構造の素子断面を示す図である。本素子をモジュールにジャンクションダウン搭載する際には、導波路側部上面だけでなく、リッジ導波路部もソルダを介して搭載面と接することが可能となる。また、電流注入領域リッジ導波路部が0.1μm高いことによる搭載精度の低下は、ソルダ膜厚が十分な厚さであれば問題とならない。このため、電流注入領域リッジ導波路部上部の電極面とリッジ導波路両側上面との段差をある範囲で自由に変えることができ、モジュールに素子を搭載する際の条件にあった段差を形成することが可能である。
【0048】
(実施例6)
本発明に係る他の実施例を図3、及び図18〜図19を用いて説明する。本実施例は、実施例1〜3と同様に、波長1.30μm帯スポット拡大器付リッジ導波路型半導体レーザに関するものである。素子断面構造部分の説明は図3に準じる。
【0049】
本実施例に係る半導体光素子は、次のように作製される。まず、実施例1と同様にして、素子上部電極106の形成工程まで行う。次いで、ポリイミド樹脂をウエハ全体に回転塗布させ、酸素系ドライエッチングによるエッチバックにより、リッジ導波路両側溝にポリイミド樹脂401が埋め込まれた形状を形成したのち、イオンミリングにより上部電極106をパターニングする。この時点で、a−a’断面においては、パッシベーション膜105の除去された電流注入領域リッジ導波路部上面に対し、その両側の導波路側部上面はパッシベーション膜105の膜厚分0.5μm程度高く形成されている。続いて、リッジ導波路上部の電流が注入される領域について、図18(a)に示すように、レジストマスク301を形成する。そして、再びイオンミリング技術により、図18(b)に示すように、レジストマスク301部分以外の導波路側部上面の上部電極106を0.5μm程度追加ミリングを行った後、レジストマスク301、及びポリイミド樹脂401を除去する。以下、従来技術と同様に素子を作製する。
【0050】
このような追加ミリングを行うことにより、a−a’断面において、電流注入領域リッジ光導波路部上部面は、その両側の導波路側部上面とほぼ同一の高さに形成される。このため、本素子をモジュールにジャンクションダウン実装する際には、導波路側部上面だけでなく、リッジ導波路部もソルダを介して搭載面と接することが可能となる。このように電流注入領域リッジ導波路部においても、実装面であるシリコン基板と接合することにより、光モジュールにおいて放熱が効率的に行われる。従って、実装後に素子の熱抵抗が高くなり素子温度特性が悪くなるという不具合は生じず、素子温度特性の良好な信頼性の高いレーザモジュールを実現することができる。本実施例は、レジストマスク301部分以外の導波路側部上面の上部電極をエッチングする際に、イオンミリング法を用いたが、ヨウ化アンモニア系のエッチャントによるエッチングでも可能である。
【0051】
また、本実施例は、電流注入領域リッジ導波路部上面とその両側の導波路側部上面との段差を0μm程度に形成することが可能である。さらに、追加ミリング時間を変えることにより、電流が注入されるリッジ導波路部分をリッジ導波路両側上面に対し上部電極厚の範囲で高くすることも可能である。図19は、電流注入領域リッジ導波路部上面をその両側の導波路側部上面に対し0.1μm高い構造とした素子の断面を示す図である。本素子をモジュールにジャンクションダウン実装する際には、導波路側部上面だけでなく、リッジ導波路部上面もソルダを介して実装面と接することが可能となる。また、電流注入領域リッジ導波路部が0.1μm高いことによる実装精度の低下は、ソルダ膜厚が十分な厚さであれば問題にならない。このため、電流注入領域リッジ導波路部上部電極面とその両側の導波路側部上面との段差をある範囲で自由に変えることができ、モジュールに搭載する際の搭載条件にあった段差を形成することが可能である。
【0052】
(実施例7)
本発明に係る他の実施例を、図21〜図23に示す。本実施例は、波長1.3μm帯埋込型半導体レーザに関するものである。図21は、この埋込型半導体レーザの上面図である。図22及び図23は、図21のd−d’断面図である。図において、n型(100)InP半導体基板上にn型InP層1101、半導体活性層1102、及びp型InP層1103を含めた結晶成長を行う。続いて、シリコン熱酸化膜をエッチングマスクとして、ウエットエッチングによりストライプ状メサ型導波路(以下、メサ型導波路)シリコン熱酸化膜をマスクとしたn型InP層1104、p型InPブロック層1105、及びn型InP層1106による埋め込み成長を公知の結晶成長技術を用いて行う。
【0053】
次に、CVD法による0.5μm厚パッシベーション膜1107をウエハ全面に形成する。さらにメサ型導波路上部に電流注入用のスルーホールを形成するため、メサ型導波路上の電流注入領域以外に、ホトレジストマスクを形成した後、図22(a)に示すように、パッシベーション膜1107のエッチングを行う。この時点において、電流が注入されるメサ型導波路上面は、メサ型導波路両側上面に対し、パッシベーション膜1107の膜厚分0.5μm程度高く形成されている。
【0054】
続いて、上部電極1108を形成し、イオンミリングによりパターニングする。この時点においても、図22(b)に示すように、電流が注入されるメサ型導波路上面は、メサ型導波路両側上面に対し、パッシベーション膜1107の膜厚分0.5μm程度高く形成されている。続いて、メサ型導波路上部の電流が注入される領域について、図22(c)に示すように、レジストマスク1201を形成し、再びイオンミリング技術により、レジストマスク1201以外のリッジ導波路両側上面の上部電極1108を0.5μm程度追加ミリングを行い、レジストマスク1201を除去する。以下、従来技術と同様に素子を作製する。
【0055】
このような追加ミリングを行うことにより、d−d’断面において、図22(c)に示すように、電流注入領域であるメサ型導波路上部面は、メサ型導波路両側上面とほぼ同一の高さに形成される。このため、本素子をモジュールにジャンクションダウン実装する際には、メサ型光導波路両側上面だけでなく、電流注入領域であるメサ型光導波路直上もソルダを介して実装面と接することが可能となり、素子温度特性の良好な信頼性の高いレーザモジュールを実現することができる。
【0056】
また、本プロセスにおいて追加ミリング時間を変えることにより、電流が注入されるメサ型光導波路部分をメサ型光導波路両側上面に対し上部電極厚の範囲で高くすることも可能である。図23は、電流が注入されるメサ型光導波路部分をメサ型光導波路両側上面に対し0.1μm高い構造とした素子の断面を示す図である。これにより、本素子をモジュールにジャンクションダウン実装する際、メサ型光導波路両側上面だけでなく、メサ型光導波路直上もソルダを介して実装面と接することが可能となる。また、電流が注入されるメサ型光導波路部分が0.1μm高いことによる実装精度の低下は、ソルダ膜厚が十分な厚さであれば問題にならない。このため、電流注入領域のメサ型光導波路の上部電極面とメサ型光導波路両側上面との段差を、ある範囲で自由に変えることができ、モジュールに搭載する際の搭載条件にあった段差を形成することが可能である。
【0057】
このほか、電流注入領域のメサ型光導波路とメサ型光導波路両側部分との間にパッシベーション膜の有無に起因した段差が形成されている素子、たとえば出射ビームスポットを拡大した機能を有する波長1.30μm帯半導体埋込型レーザ、あるいは電界吸収型変調器集積半導体レーザなどに本実施例を適用しても、同様の効果が得られる。
【0058】
(実施例8)
図24は、上記実施例1〜7のいずれかのモード拡大器付半導体レーザを搭載した1.3μm帯光通信用送受信モジュールの一例を示す図で、同図(a)は平面図、(b)は(a)のe−e’断面図である。
【0059】
本例では、半導体光素子として半導体レーザ1301及び導波路型受光素子1302をシリコン実装基板1304にジャンクションダウンで実装している。この実装は、パッシブアライメントによる搭載法を用い、高さ方向の位置精度、及び再現性を向上させるため、実装時に素子にかける荷重は無荷重あるいは必要最小限とし、素子をソルダを介して実装基板1304と接合する。続いて、ワイヤー1303を半導体レーザ1301及び導波路型受光素子1302にボンディングする。光ファイバー1305は、シリコン実装基板1304にあらかじめ設けられたV溝ガイドに取り付ける。
【0060】
半導体レーザ1301は、上述の実施例で説明したとおり、電流注入領域リッジ導波路部とその両側の導波路側部との段差が低減されている。その段差は0〜0.3μm程度と低く形成されているため、光モジュールにおいて放熱が効率的に行われる。従って、実装後に素子の熱抵抗が高くなり素子温度特性が悪くなるという不具合は生ぜず、素子温度特性の良好な信頼性の高いレーザモジュールを実現することができる。
【0061】
本実施例では、モジュールに1.3μm帯モード拡大器付半導体レーザを用いた例を示したが、1.5μm帯半導体レーザ、あるいは電界吸収型変調器集積半導体レーザなどを用いてパッシブアライメントにより搭載する場合においても、同様の効果がある。
【0062】
(実施例9)図25は、実施例8で示した1.3μm帯光通信用送受信モジュールを用いた加入者系光通信ネットワークの一例を示す図である。本例では、図のように、基地局1401及び加入者1402(例えば、各家庭)に、それぞれ実施例8で示したような1.3μm帯光通信用送受信モジュール1403を取り付ける。基地局1401と複数の加入者1402は、光ファイバ1404にて接続される。光分波器1405は、基地局1401から出た信号を複数の加入者1402に分配するものであり、例えばマッハツェンダー型光分波器が用いられる。このような光通信用送受信モジュールを用いることにより、信頼度の高い加入者系光通信ネットワークの実現が可能となる。
【0063】
本発明により、半導体光素子をモジュールにジャンクションダウン実装する際において、リッジ導波路部及びその両側の導波路側部が共にソルダを介して確実に実装面と接することが可能となる。従って、電流が注入され発熱が生ずるリッジ導波路部においても効率良く放熱が行われ、素子温度特性の良好な信頼性の高い光通信用モジュールを実現することができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、実装時にも温度特性の良好な半導体光素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のスポット拡大機付半導体レーザを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図2】(a)〜(d)は従来のスポット拡大機付半導体レーザの製作フローを示す図である。
【図3】本発明に係る実施例のスポット拡大機付半導体レーザの上面を示す図である。
【図4】(a)〜(f)は本発明に係る実施例1のa−a’断面における製作フローを示す図である。
【図5】(a)〜(c)は本発明に係る実施例1のb−b’断面における製作フローを示す図である。
【図6】本発明に係る実施例1のc−c’断面を示す図である。
【図7】(a)〜(f)は本発明に係る実施例2のa−a’断面における製作フローを示す図である。
【図8】(a)、(b)は本発明に係る実施例2のb−b’断面における製作フローを示す図である。
【図9】(a)、(b)は本発明に係る実施例3のa−a’断面における製作フローフローを示す図である。
【図10】本発明に係る実施例3のb−b’断面を示す図である。
【図11】本発明に係る実施例3のc−c’断面を示す図である。
【図12】本発明に係る実施例1又は2の半導体レ−ザをシリコン基板上に実装した光送受信モジュールを示す図である。
【図13】本発明に係る実施例4のa−a’断面を示す図である。
【図14】(a)〜(e)は本発明に係る実施例4のb−b’断面における製作フローを示す図である。
【図15】本発明に係る実施例4の素子c−c’断面を示す図である。
【図16】(a)〜(c)は本発明に係る実施例5のa−a’断面における製作フローを示す図である。
【図17】本発明に係る実施例5のa−a’断面を示す図である。
【図18】(a)、(b)は本発明に係る実施例5のa−a’断面における製作フローを示す図である。
【図19】本発明に係る実施例5の別のa−a’断面を示す図である。
【図20】本発明に係る実施例1のa−a’断面を示す図である。
【図21】本発明に係る実施例の埋め込み型半導体レーザの上面を示す図である。
【図22】(a)〜(d)は本発明に係る実施例6のd−d’断面における製作フローを示す図である。
【図23】本発明に係る実施例6のd−d’断面を示す図である。
【図24】(a)、(b)は本発明に係る半導体レ−ザを実装した光通信用モジュールを示す図である。
【図25】本発明に係る光通信用モジュールを用いた光加入者系ネットワークを示す図である。
【符号の説明】
101 基板
102 活性層
103 クラッド層
104 コンタクト層
105 パッシベーション膜
106 上部電極
107 下部電極
108 リッジ導波路部
109 導波路側部
110 レーザ部(電流注入領域)
111 モード拡大部(電流非注入領域)
301 ホトレジストマスク
401 ポリイミド樹脂
501、601 ソルダ層
602 実装基板

Claims (6)

  1. 実装基板と、前記実装基板上にソルダ層を介して接合された半導体光素子とを有し、前記半導体光素子の電流注入領域リッジ導波路部及び導波路側部が共に前記ソルダ層に接触するように、前記リッジ導波路部にコンタクト層を備えるがパッシベーション膜を備えず、前記導波路側部にパッシベーション膜を備えるがコンタクト層を備えないことにより、前記リッジ導波路部と導波路側部との段差を0〜0.3μmとしたことを特徴とする光通信用モジュール。
  2. 前記ソルダ層は、前記半導体光素子のリッジ導波路部の上面及び導波路側部の上面にあらかじめ形成されたものであることを特徴とする請求項記載の光通信用モジュール。
  3. 前記ソルダ層は、前記実装基板上にあらかじめ形成されたものであることを特徴とする請求項記載の光通信用モジュール。
  4. 前記半導体光素子がリッジ導波路型半導体レーザであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光通信用モジュール。
  5. 前記リッジ導波路型半導体レーザに出射ビームスポット拡大機能を有する光導波路がモノリシックに集積化されたことを特徴とする請求項記載の光通信用モジュール。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光通信用モジュールを基地局及び光加入者にそれぞれ配置し、前記基地局及び光加入者に配置した光通信用モジュール間を光ファイバーで接続して構成したことを特徴とする光通信システム。
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