JP3562931B2 - 作業機のポンプ駆動部構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、苗植付装置を昇降するための油圧シリンダに供給する圧油を発生させる油圧ポンプなどを駆動する構造、つまり、作業機の油圧ポンプ駆動部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来では、エンジンの出力軸のうち伝動側とは反対側の端部に装着したフライホイールの外側に油圧ポンプを配置してエンジンに支持させ、油圧ポンプの駆動軸を出力軸に連結することで油圧ポンプを駆動するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術によるときは、出力軸の伝動側には出力プーリなどが付き、エンジンの伝動側とは反対側にはフライホイールと油圧ポンプとが出力軸の軸芯方向に重なるようにして付くため、エンジンの出力軸軸芯方向幅が大きなものとなっていた。
このことは、小型の乗用型田植機において出力軸が左右向き姿勢となるようにエンジンを搭載する形式を採用した場合、原動部の左右幅が大きくなる。その結果、エンジンの横脇に前方から運転部への搭乗するための乗降用の前ステップを設けて、機体前部を畦に突き合わせるように機体を位置させることにより、圃場に入らずに乗降できるようにする場合、前ステップの左右幅を小さくして、乗降性を低下させる。
【0004】
本発明の目的は、油圧ポンプを設けながらも、エンジンの出力軸軸芯方向幅を小さくする点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本第1発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0006】
〔特徴〕
エンジンを搭載したミッションケースの一側部に油圧ポンプを装着し、前記エンジンの下方に位置し該エンジンの出力軸と連動する入力軸よりも前方の位置で且つエンジンの下方に位置する前記ミッションケース部分に、一端において前記油圧ポンプに連動しかつ他端において前記エンジンの出力軸のプーリに連動するプーリを備えたポンプ駆動軸を挿通させてある点にある。
【0007】
〔作用〕
本第1発明によるときは、ミッションケースに油圧ポンプを装着してあるから、従来に比較して、エンジンの出力軸軸芯方向幅を油圧ポンプの分だけ小さくすることができる。
【0008】
しかも、油圧ポンプの装着箇所をミッションケースの前部一側部とし、前記エンジンの下方に位置し該エンジンの出力軸と連動する入力軸よりも前方の位置で且つエンジンの下方に位置する前記ミッションケース部分に、一端において油圧ポンプに連動しかつ他端においてエンジンの出力軸のプーリに連動するプーリを備えたポンプ駆動軸をミッションケースに挿通させて、油圧ポンプをエンジンにより駆動するようにしてあるから、例えば、油圧ポンプをミッションケースの他側部に装着して出力軸により駆動するようにする場合に比較して、出力軸他端のエンジンからの突出量を少なくして、エンジンの出力軸軸芯方向幅を小さくすることができる。
【0009】
〔効果〕
従って、本第1発明によれば、小型の乗用型田植機に出力軸が左右方向に沿った姿勢となるようにエンジンを搭載した場合において、エンジンの横脇に乗降用の前ステップを設置する際、その前ステップの左右幅を大きくできて、乗降性を向上することができる。
【0010】
請求項2に係る本第2発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0011】
〔特徴〕
上記本第1発明の特徴において、前記ポンプ駆動軸を挿通させる駆動軸挿通部を伝動室から独立した状態でミッションケースに一体形成してある点にある。
【0012】
〔作用〕
本第2発明によるときは、ミッションケースに一体形成する駆動軸挿通部を伝動室から独立した状態としてあるから、ポンプ駆動軸をミッションケースに挿通させる形式を採用しながらも、ポンプ駆動軸挿通に起因した伝動室内の潤滑油の漏れを心配する必要がなく、特別なシール構造が不要である。
【0013】
〔効果〕
従って、本第2発明によれば、ポンプ駆動軸をミッションケースに挿通させる形式を採用しながらも、構造簡単、安価に実施できるようになった。
【0014】
請求項3に係る本第3発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0015】
〔特徴〕
上記本第1発明や本第2発明の特徴において、前記エンジンをミッションケースに防振具を介して搭載してある点にある。
【0016】
〔作用〕
エンジンを防振搭載した場合、従来のように油圧ポンプをエンジンに装着してあると、油圧ポンプをミッションケースや油圧シリンダに接続させる油圧配管として、エンジン振動に起因したエンジンとミッションケースや油圧シリンダとの相対変位を吸収できる構造のものが必要となる。
【0017】
上記の点及び油圧ポンプをミッションケースに装着した点に着目して、本第3発明によるときは、エンジンをミッションケースに防振具を介して搭載してあるから、エンジンを防振搭載して乗り心地などを良好化しながらも、油圧ポンプをミッションケースや油圧シリンダなどに接続させる油圧配管として前記の相対変位を吸収する構造を持たないもので済む。
【0018】
〔効果〕
従って、本第3発明によれば、エンジンを防振搭載しながらも、油圧配管を構造簡単、安価に構成できるようになった。
【0019】
【発明の実施の形態】
作業機の一例である水田作業機を代表する乗用型田植機は、図1に示すように、乗用型の自走機体1の後部に、苗のせ台3Aを備えた苗植付装置3をリンク機構2を介して昇降自在に連結し、その苗植付装置3を駆動昇降するための油圧シリンダ4を設けて構成されている。
【0020】
前記自走機体1は、図2、図3にも示すように、左右一対の前輪7を軸支したミッションケース8と左右一対の後輪5を軸支した車軸ケース5Aとを備えた機体フレーム6の前部に、金属(鉄など)製の前部ステップ9を前向き片持ち状に連結し、その前部ステップ9の前側部と前記ミッションケース8の前部とをバッテリー80の支持フレームを兼用する連結フレーム10で連結したフレーム構造を有する。前記前輪7は操向駆動車輪であり、後輪5は駆動車輪である。
【0021】
前記機体フレーム6は、図2、図3、図7に示すように、前後向き姿勢の左右一対のメインフレーム材6Aと、それらの左右外方に位置する左右一対のサイドフレーム材6Bと、メインフレーム材6A及びサイドフレーム材6Bの前端を連結する左右向き姿勢の前フレーム材6Cとを備え、サイドフレーム材6Bの後端部分は、内側に曲げられてメインフレーム材6Aに連結する連結部6aに構成されている。また、左右一対の乗降ステップ61をメインフレーム材6A及びサイドフレーム材6Bに支持させる支持フレーム62,63によってもメインフレーム材6Aとサイドフレーム材6Bとは連結されている。
【0022】
そして、運転席11、操縦ハンドル12、運転ステップ13を備えた運転部の前部には、原動部14が配備され、この原動部14の主体であるエンジン15の搭載構造は次の通りである。
図2、図3、図5に示すように、エンジン15をエンジン搭載ベース15Aに載置固定し、このエンジン搭載ベース15Aの前部を前記連結フレーム10にゴム板利用の防振具50を介して支持させ、エンジン搭載ベース15Aの後部を前記ミッションケース8にゴム利用の防振具51を介して支持させて構成されている。
【0023】
前記ミッションケース8は、その入力軸8aを左右向きで左右一方に突出させる姿勢に配置されており、エンジン15は、その出力軸15aを左右向きで左右一方に突出させる姿勢に配置されている。
【0024】
前記エンジン15からミッションケース8への伝動手段は、図2、図3、図5、図6に示すように、前記出力軸15aと入力軸8aとの突出部にわたって設けた伝動比が互いに異なる2つのベルトテンションクラッチ53H,53Lを択一的に入り作動させることにより二段変速可能な第1副変速装置53を設ける手段であって、いずれかのベルトテンションクラッチ53H,53Lを入り状態にすることでエンジン15の動力をミッションケース8に伝達し、両ベルトテンションクラッチ53H,53Lをともに切り状態にすることで伝達を断つように構成されている。
【0025】
前記前部ステップ9は、前方部から乗車するための乗降用のものであって、図1、図2、図3、図9に示すように、原動部14の左右両脇に位置する左右の乗降用ステップ部9Aと、原動部14の前部に位置する前ステップ部9Bと、前記運転ステップ13の前方部一部を形成する後ステップ部9Cとからなる。
そして、前部ステップ9は、左右の乗降用ステップ部9Aを前部において前ステップ部9Bにより連結するとともに、後部において後ステップ部9Cで連結した構造、つまり、ミッションケース8上に搭載したエンジン15を挿通させるための開口16を独立して形成した中抜き構造に構成されている。
【0026】
前記原動部14は、図1、図2、図9に示すように、前記前部ステップ9の開口16上に配備される合成樹脂製のエンジンボンネット17で覆われており、このエンジンボンネット17は、上部カバー部17aと、後部カバー部17bと、揺動開閉自在な前部カバー部17cとからなる。
【0027】
前記機体フレーム6上には、合成樹脂製の後部カバー18が搭載されており、この後部カバー18は、図8に示すように、左右の後輪フェンダ部18Aと、それらを繋ぐ繋ぎ板部18Bと、前記後ステップ部9Cとで運転ステップ13を形成する運転ステップ部18Cとを備えた一体構造物に構成されており、繋ぎ板部18Bには、前記運転席11が支持されている。
そして、後部カバー18は、図1及び図8に示すように、後部を中心X1に上下に揺動自在に機体フレーム6に取り付けられて、前記操縦ハンドル12を越えて上方にまで開放可能に構成されている。
具体的には、図9に示すように、運転ステップ部18Cの前端縁における左右方向中間に、上方への揺動に伴い操縦ハンドル12を通過させる大きさの凹部30を形成することで、運転ステップ部18Cが運転ステップ13の一部を形成する倒伏閉塞姿勢から操縦ハンドル12を越えて重心Gを揺動の中心X1よりも後方に位置させる起立開放姿勢にまで揺動するように構成されている。
【0028】
前記後部カバー18を中心X1周りで上下揺動自在に機体フレーム6に取り付ける手段は、図8に示すように、左右の連結部6a及び後部カバー18に固定したブラケット54,55を支点軸を兼用するボルト56及びナット57で連結する手段である。
【0029】
前記後部カバー18を起立開放姿勢に保持する手段は、図1に示すように、下降させた苗植付装置3の前記苗のせ台3Aの上端で運転席11を受け止め支持させて、凭れかけ支持する手段である。
【0030】
前記後部カバー18を倒伏閉塞姿勢に固定する手段は、図3及び図8に示すように、後部カバー18に左右一対のフック59を付設し、サイドフレーム材6Bに固着のブラケット58に、後部カバー18が倒伏閉塞姿勢に位置する状態で前記フック59に係脱自在で係合状態でフック59を引っ張り保持することにより後部カバー18を機体フレーム6に押し付け固定するバックル60を取り付ける手段である。
【0031】
そして、前記前部ステップ9の後ステップ部9Cは、倒伏閉塞姿勢にある後部カバー18の前記凹部30に入り込んで運転ステップ部18Cとで運転ステップ13を形成する凸状に形成されている。
【0032】
図2、図3に示すように、前記運転席11よりも前方の足元部のうち左右一方の乗降用ステップ部9Aの後部には、開口20aを通して上方に突出する走行用クラッチペダル21aが配置され、左右他方の乗降用ステップ部9Aには、開口20bを通して上方に突出する左右一対の操向クラッチブレーキペダル21bが配置され、後ステップ部9Cには、それぞれ開口20c及び20dを通して上方に突出する前輪用のデフロックペダル21c及び副変速操作レバー21dが配置されている。
【0033】
前記走行用クラッチペダル21aは、踏み込み操作により、前記両ベルトテンションクラッチをともに切り状態にするものである。
【0034】
前記操向クラッチブレーキペダル21bは、二段踏み込み操作により、左右の後輪5に対するクラッチ・ブレーキ(図示せず)をクラッチ切り状態と、クラッチ切りでブレーキ作動の状態とに順に作動させるものである。
【0035】
前記デフロックペダル21cは、踏み込み操作により、前記ミッションケース8内の前輪7に対するデフロック装置(図示せず)を作動させるものである。
【0036】
前記副変速操作レバー21dは、左右方向に操作動自在なものであって、超低速位置に位置することにより、前記ミッションケース8内の第2副変速装置(図示せず)を超低速伝動状態に切り換え、中速位置に位置することにより、第2副変速装置を中速伝動状態に切り換え、高速位置に位置することにより第2副変速装置を高速伝動状態に切り換え、超低速位置と中速位置との間及び、中速位置と高速位置との間の中立位置に位置することにより第2副変速装置を非伝動状態に切り換えるものである。
【0037】
また、前記後ステップ部9Cの上には、前記副変速操作レバー21d対するレバーガード36が配備されている。
前記レバーガード36は、前記後ステップ部9Cのうち前記副変速操作レバー21dの近くの部分を立ち上げることで構成されており、前記副変速操作レバー21dを挿通させてその副変速操作レバー21dの操作動を案内するレバーガイドを兼用するものである。つまり、副変速操作レバー21dを挿通させる開口20cは運転ステップ13の上面よりも一段高い部分に形成されている。
【0038】
そして、図5、図6に示すように、前記ミッションケース8の一側部(入力軸8aの突出方向側とは反対側)には、前記油圧シリンダ4などに対する油圧ポンプ90が装着されている。
【0039】
この油圧ポンプ90の駆動手段は、図2、図3にも示すように、一端において油圧ポンプ90に連動しかつ他端において前記出力軸15aにベルト伝動装置91を介して連動するポンプ駆動軸92をミッションケース8に挿通させる手段であって、図4にも示すように、ポンプ駆動軸92は、ミッションケース8のうち伝動機構(図示せず)を内装する伝動室8Aから独立した状態でミッションケース8に一体形成された駆動軸挿通部93に配設され、ミッションケース8に左右一対のベアリング94を介して回転自在に支持されている。95は、前記伝動室8A内の潤滑油を作動油として取り出して濾過するとともに、その濾過した作動油を油圧ポンプ90に配管96を介して供給するオイルフィルターであり、97は、前記ベルト伝動装置91のベルトにテンションを付与するテンション輪であり、ステー98を介してエンジン15にテンション調整方向に位置変更固定自在に取り付けられている。
【0040】
前記伝動機構は、入力軸8aと2軸S2との間に構成される前記第2副変速装置、2軸2と3軸3及びバック軸BSとの間に構成される前記主変速装置、2軸2と植付軸SUとの間に構成される苗植付装置3に対する株間変速装置、前輪7に対するデフなどを備えており、99は、デフのリングギヤ100に連動する後輪5に対する車軸ケース5Aへの動力取り出し軸であり、101は、株間変速装置からの動力を取り出す苗植付装置用の動力取り出し軸である。
【0041】
〔別実施形態〕
上記実施の形態では、エンジン15を防振具50,51を介して搭載したが、防振具50,51を用いずに搭載しても良い。
【0042】
上記実施の形態では、伝動室8Aから独立した駆動軸挿通部93にポンプ駆動軸92を配設したが、ポンプ駆動軸92は、伝動室8Aを挿通するように設置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体側面図
【図2】前部の切り欠き側面図
【図3】前部の切り欠き平面図
【図4】ミッションケースの縦断側面図
【図5】ミッションケース周りの平面図
【図6】油圧ポンプ駆動系を示す切り欠き正面図
【図7】機体フレームの背面図
【図8】後部カバーの斜視図
【図9】前部の斜視図
【符号の説明】
8 ミッションケース
15 エンジン
15a 出力軸
51 防振具
90 油圧ポンプ
92 ポンプ駆動軸
93 駆動軸挿通部
8A 伝動室
【発明の属する技術分野】
本発明は、苗植付装置を昇降するための油圧シリンダに供給する圧油を発生させる油圧ポンプなどを駆動する構造、つまり、作業機の油圧ポンプ駆動部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来では、エンジンの出力軸のうち伝動側とは反対側の端部に装着したフライホイールの外側に油圧ポンプを配置してエンジンに支持させ、油圧ポンプの駆動軸を出力軸に連結することで油圧ポンプを駆動するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術によるときは、出力軸の伝動側には出力プーリなどが付き、エンジンの伝動側とは反対側にはフライホイールと油圧ポンプとが出力軸の軸芯方向に重なるようにして付くため、エンジンの出力軸軸芯方向幅が大きなものとなっていた。
このことは、小型の乗用型田植機において出力軸が左右向き姿勢となるようにエンジンを搭載する形式を採用した場合、原動部の左右幅が大きくなる。その結果、エンジンの横脇に前方から運転部への搭乗するための乗降用の前ステップを設けて、機体前部を畦に突き合わせるように機体を位置させることにより、圃場に入らずに乗降できるようにする場合、前ステップの左右幅を小さくして、乗降性を低下させる。
【0004】
本発明の目的は、油圧ポンプを設けながらも、エンジンの出力軸軸芯方向幅を小さくする点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本第1発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0006】
〔特徴〕
エンジンを搭載したミッションケースの一側部に油圧ポンプを装着し、前記エンジンの下方に位置し該エンジンの出力軸と連動する入力軸よりも前方の位置で且つエンジンの下方に位置する前記ミッションケース部分に、一端において前記油圧ポンプに連動しかつ他端において前記エンジンの出力軸のプーリに連動するプーリを備えたポンプ駆動軸を挿通させてある点にある。
【0007】
〔作用〕
本第1発明によるときは、ミッションケースに油圧ポンプを装着してあるから、従来に比較して、エンジンの出力軸軸芯方向幅を油圧ポンプの分だけ小さくすることができる。
【0008】
しかも、油圧ポンプの装着箇所をミッションケースの前部一側部とし、前記エンジンの下方に位置し該エンジンの出力軸と連動する入力軸よりも前方の位置で且つエンジンの下方に位置する前記ミッションケース部分に、一端において油圧ポンプに連動しかつ他端においてエンジンの出力軸のプーリに連動するプーリを備えたポンプ駆動軸をミッションケースに挿通させて、油圧ポンプをエンジンにより駆動するようにしてあるから、例えば、油圧ポンプをミッションケースの他側部に装着して出力軸により駆動するようにする場合に比較して、出力軸他端のエンジンからの突出量を少なくして、エンジンの出力軸軸芯方向幅を小さくすることができる。
【0009】
〔効果〕
従って、本第1発明によれば、小型の乗用型田植機に出力軸が左右方向に沿った姿勢となるようにエンジンを搭載した場合において、エンジンの横脇に乗降用の前ステップを設置する際、その前ステップの左右幅を大きくできて、乗降性を向上することができる。
【0010】
請求項2に係る本第2発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0011】
〔特徴〕
上記本第1発明の特徴において、前記ポンプ駆動軸を挿通させる駆動軸挿通部を伝動室から独立した状態でミッションケースに一体形成してある点にある。
【0012】
〔作用〕
本第2発明によるときは、ミッションケースに一体形成する駆動軸挿通部を伝動室から独立した状態としてあるから、ポンプ駆動軸をミッションケースに挿通させる形式を採用しながらも、ポンプ駆動軸挿通に起因した伝動室内の潤滑油の漏れを心配する必要がなく、特別なシール構造が不要である。
【0013】
〔効果〕
従って、本第2発明によれば、ポンプ駆動軸をミッションケースに挿通させる形式を採用しながらも、構造簡単、安価に実施できるようになった。
【0014】
請求項3に係る本第3発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0015】
〔特徴〕
上記本第1発明や本第2発明の特徴において、前記エンジンをミッションケースに防振具を介して搭載してある点にある。
【0016】
〔作用〕
エンジンを防振搭載した場合、従来のように油圧ポンプをエンジンに装着してあると、油圧ポンプをミッションケースや油圧シリンダに接続させる油圧配管として、エンジン振動に起因したエンジンとミッションケースや油圧シリンダとの相対変位を吸収できる構造のものが必要となる。
【0017】
上記の点及び油圧ポンプをミッションケースに装着した点に着目して、本第3発明によるときは、エンジンをミッションケースに防振具を介して搭載してあるから、エンジンを防振搭載して乗り心地などを良好化しながらも、油圧ポンプをミッションケースや油圧シリンダなどに接続させる油圧配管として前記の相対変位を吸収する構造を持たないもので済む。
【0018】
〔効果〕
従って、本第3発明によれば、エンジンを防振搭載しながらも、油圧配管を構造簡単、安価に構成できるようになった。
【0019】
【発明の実施の形態】
作業機の一例である水田作業機を代表する乗用型田植機は、図1に示すように、乗用型の自走機体1の後部に、苗のせ台3Aを備えた苗植付装置3をリンク機構2を介して昇降自在に連結し、その苗植付装置3を駆動昇降するための油圧シリンダ4を設けて構成されている。
【0020】
前記自走機体1は、図2、図3にも示すように、左右一対の前輪7を軸支したミッションケース8と左右一対の後輪5を軸支した車軸ケース5Aとを備えた機体フレーム6の前部に、金属(鉄など)製の前部ステップ9を前向き片持ち状に連結し、その前部ステップ9の前側部と前記ミッションケース8の前部とをバッテリー80の支持フレームを兼用する連結フレーム10で連結したフレーム構造を有する。前記前輪7は操向駆動車輪であり、後輪5は駆動車輪である。
【0021】
前記機体フレーム6は、図2、図3、図7に示すように、前後向き姿勢の左右一対のメインフレーム材6Aと、それらの左右外方に位置する左右一対のサイドフレーム材6Bと、メインフレーム材6A及びサイドフレーム材6Bの前端を連結する左右向き姿勢の前フレーム材6Cとを備え、サイドフレーム材6Bの後端部分は、内側に曲げられてメインフレーム材6Aに連結する連結部6aに構成されている。また、左右一対の乗降ステップ61をメインフレーム材6A及びサイドフレーム材6Bに支持させる支持フレーム62,63によってもメインフレーム材6Aとサイドフレーム材6Bとは連結されている。
【0022】
そして、運転席11、操縦ハンドル12、運転ステップ13を備えた運転部の前部には、原動部14が配備され、この原動部14の主体であるエンジン15の搭載構造は次の通りである。
図2、図3、図5に示すように、エンジン15をエンジン搭載ベース15Aに載置固定し、このエンジン搭載ベース15Aの前部を前記連結フレーム10にゴム板利用の防振具50を介して支持させ、エンジン搭載ベース15Aの後部を前記ミッションケース8にゴム利用の防振具51を介して支持させて構成されている。
【0023】
前記ミッションケース8は、その入力軸8aを左右向きで左右一方に突出させる姿勢に配置されており、エンジン15は、その出力軸15aを左右向きで左右一方に突出させる姿勢に配置されている。
【0024】
前記エンジン15からミッションケース8への伝動手段は、図2、図3、図5、図6に示すように、前記出力軸15aと入力軸8aとの突出部にわたって設けた伝動比が互いに異なる2つのベルトテンションクラッチ53H,53Lを択一的に入り作動させることにより二段変速可能な第1副変速装置53を設ける手段であって、いずれかのベルトテンションクラッチ53H,53Lを入り状態にすることでエンジン15の動力をミッションケース8に伝達し、両ベルトテンションクラッチ53H,53Lをともに切り状態にすることで伝達を断つように構成されている。
【0025】
前記前部ステップ9は、前方部から乗車するための乗降用のものであって、図1、図2、図3、図9に示すように、原動部14の左右両脇に位置する左右の乗降用ステップ部9Aと、原動部14の前部に位置する前ステップ部9Bと、前記運転ステップ13の前方部一部を形成する後ステップ部9Cとからなる。
そして、前部ステップ9は、左右の乗降用ステップ部9Aを前部において前ステップ部9Bにより連結するとともに、後部において後ステップ部9Cで連結した構造、つまり、ミッションケース8上に搭載したエンジン15を挿通させるための開口16を独立して形成した中抜き構造に構成されている。
【0026】
前記原動部14は、図1、図2、図9に示すように、前記前部ステップ9の開口16上に配備される合成樹脂製のエンジンボンネット17で覆われており、このエンジンボンネット17は、上部カバー部17aと、後部カバー部17bと、揺動開閉自在な前部カバー部17cとからなる。
【0027】
前記機体フレーム6上には、合成樹脂製の後部カバー18が搭載されており、この後部カバー18は、図8に示すように、左右の後輪フェンダ部18Aと、それらを繋ぐ繋ぎ板部18Bと、前記後ステップ部9Cとで運転ステップ13を形成する運転ステップ部18Cとを備えた一体構造物に構成されており、繋ぎ板部18Bには、前記運転席11が支持されている。
そして、後部カバー18は、図1及び図8に示すように、後部を中心X1に上下に揺動自在に機体フレーム6に取り付けられて、前記操縦ハンドル12を越えて上方にまで開放可能に構成されている。
具体的には、図9に示すように、運転ステップ部18Cの前端縁における左右方向中間に、上方への揺動に伴い操縦ハンドル12を通過させる大きさの凹部30を形成することで、運転ステップ部18Cが運転ステップ13の一部を形成する倒伏閉塞姿勢から操縦ハンドル12を越えて重心Gを揺動の中心X1よりも後方に位置させる起立開放姿勢にまで揺動するように構成されている。
【0028】
前記後部カバー18を中心X1周りで上下揺動自在に機体フレーム6に取り付ける手段は、図8に示すように、左右の連結部6a及び後部カバー18に固定したブラケット54,55を支点軸を兼用するボルト56及びナット57で連結する手段である。
【0029】
前記後部カバー18を起立開放姿勢に保持する手段は、図1に示すように、下降させた苗植付装置3の前記苗のせ台3Aの上端で運転席11を受け止め支持させて、凭れかけ支持する手段である。
【0030】
前記後部カバー18を倒伏閉塞姿勢に固定する手段は、図3及び図8に示すように、後部カバー18に左右一対のフック59を付設し、サイドフレーム材6Bに固着のブラケット58に、後部カバー18が倒伏閉塞姿勢に位置する状態で前記フック59に係脱自在で係合状態でフック59を引っ張り保持することにより後部カバー18を機体フレーム6に押し付け固定するバックル60を取り付ける手段である。
【0031】
そして、前記前部ステップ9の後ステップ部9Cは、倒伏閉塞姿勢にある後部カバー18の前記凹部30に入り込んで運転ステップ部18Cとで運転ステップ13を形成する凸状に形成されている。
【0032】
図2、図3に示すように、前記運転席11よりも前方の足元部のうち左右一方の乗降用ステップ部9Aの後部には、開口20aを通して上方に突出する走行用クラッチペダル21aが配置され、左右他方の乗降用ステップ部9Aには、開口20bを通して上方に突出する左右一対の操向クラッチブレーキペダル21bが配置され、後ステップ部9Cには、それぞれ開口20c及び20dを通して上方に突出する前輪用のデフロックペダル21c及び副変速操作レバー21dが配置されている。
【0033】
前記走行用クラッチペダル21aは、踏み込み操作により、前記両ベルトテンションクラッチをともに切り状態にするものである。
【0034】
前記操向クラッチブレーキペダル21bは、二段踏み込み操作により、左右の後輪5に対するクラッチ・ブレーキ(図示せず)をクラッチ切り状態と、クラッチ切りでブレーキ作動の状態とに順に作動させるものである。
【0035】
前記デフロックペダル21cは、踏み込み操作により、前記ミッションケース8内の前輪7に対するデフロック装置(図示せず)を作動させるものである。
【0036】
前記副変速操作レバー21dは、左右方向に操作動自在なものであって、超低速位置に位置することにより、前記ミッションケース8内の第2副変速装置(図示せず)を超低速伝動状態に切り換え、中速位置に位置することにより、第2副変速装置を中速伝動状態に切り換え、高速位置に位置することにより第2副変速装置を高速伝動状態に切り換え、超低速位置と中速位置との間及び、中速位置と高速位置との間の中立位置に位置することにより第2副変速装置を非伝動状態に切り換えるものである。
【0037】
また、前記後ステップ部9Cの上には、前記副変速操作レバー21d対するレバーガード36が配備されている。
前記レバーガード36は、前記後ステップ部9Cのうち前記副変速操作レバー21dの近くの部分を立ち上げることで構成されており、前記副変速操作レバー21dを挿通させてその副変速操作レバー21dの操作動を案内するレバーガイドを兼用するものである。つまり、副変速操作レバー21dを挿通させる開口20cは運転ステップ13の上面よりも一段高い部分に形成されている。
【0038】
そして、図5、図6に示すように、前記ミッションケース8の一側部(入力軸8aの突出方向側とは反対側)には、前記油圧シリンダ4などに対する油圧ポンプ90が装着されている。
【0039】
この油圧ポンプ90の駆動手段は、図2、図3にも示すように、一端において油圧ポンプ90に連動しかつ他端において前記出力軸15aにベルト伝動装置91を介して連動するポンプ駆動軸92をミッションケース8に挿通させる手段であって、図4にも示すように、ポンプ駆動軸92は、ミッションケース8のうち伝動機構(図示せず)を内装する伝動室8Aから独立した状態でミッションケース8に一体形成された駆動軸挿通部93に配設され、ミッションケース8に左右一対のベアリング94を介して回転自在に支持されている。95は、前記伝動室8A内の潤滑油を作動油として取り出して濾過するとともに、その濾過した作動油を油圧ポンプ90に配管96を介して供給するオイルフィルターであり、97は、前記ベルト伝動装置91のベルトにテンションを付与するテンション輪であり、ステー98を介してエンジン15にテンション調整方向に位置変更固定自在に取り付けられている。
【0040】
前記伝動機構は、入力軸8aと2軸S2との間に構成される前記第2副変速装置、2軸2と3軸3及びバック軸BSとの間に構成される前記主変速装置、2軸2と植付軸SUとの間に構成される苗植付装置3に対する株間変速装置、前輪7に対するデフなどを備えており、99は、デフのリングギヤ100に連動する後輪5に対する車軸ケース5Aへの動力取り出し軸であり、101は、株間変速装置からの動力を取り出す苗植付装置用の動力取り出し軸である。
【0041】
〔別実施形態〕
上記実施の形態では、エンジン15を防振具50,51を介して搭載したが、防振具50,51を用いずに搭載しても良い。
【0042】
上記実施の形態では、伝動室8Aから独立した駆動軸挿通部93にポンプ駆動軸92を配設したが、ポンプ駆動軸92は、伝動室8Aを挿通するように設置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体側面図
【図2】前部の切り欠き側面図
【図3】前部の切り欠き平面図
【図4】ミッションケースの縦断側面図
【図5】ミッションケース周りの平面図
【図6】油圧ポンプ駆動系を示す切り欠き正面図
【図7】機体フレームの背面図
【図8】後部カバーの斜視図
【図9】前部の斜視図
【符号の説明】
8 ミッションケース
15 エンジン
15a 出力軸
51 防振具
90 油圧ポンプ
92 ポンプ駆動軸
93 駆動軸挿通部
8A 伝動室
Claims (3)
- エンジン(15)を搭載したミッションケース(8)の前部一側部に油圧ポンプ(90)を装着し、前記エンジン(15)の下方に位置し該エンジン(15)の出力軸(15a)と連動する入力軸(8a)よりも前方の位置で且つエンジン(15)の下方に位置する前記ミッションケース(8)部分に、一端において前記油圧ポンプ(90)に連動しかつ他端において前記エンジン(15)の出力軸(15a)のプーリに連動するプーリを備えたポンプ駆動軸(92)を挿通させてある作業機の油圧ポンプ駆動部構造。
- 前記ポンプ駆動軸(92)を挿通させる駆動軸挿通部(93)を伝動室(8A)から独立した状態でミッションケース(8)に一体形成してある請求項1記載の作業機の油圧ポンプ駆動部構造。
- 前記エンジン(15)をミッションケース(8)に防振具(51)を介して搭載してある請求項1又は2記載の作業機の油圧ポンプ駆動部構造。
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