JP3562629B2 - 端子電極を持つ電子部品の製造方法 - Google Patents

端子電極を持つ電子部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3562629B2
JP3562629B2 JP22012199A JP22012199A JP3562629B2 JP 3562629 B2 JP3562629 B2 JP 3562629B2 JP 22012199 A JP22012199 A JP 22012199A JP 22012199 A JP22012199 A JP 22012199A JP 3562629 B2 JP3562629 B2 JP 3562629B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
element body
paste
heat treatment
drying
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22012199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000277373A (ja
Inventor
充穂 岡崎
タケカワ ケン
グリーン アンディ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Publication of JP2000277373A publication Critical patent/JP2000277373A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3562629B2 publication Critical patent/JP3562629B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G13/00Apparatus specially adapted for manufacturing capacitors; Processes specially adapted for manufacturing capacitors not provided for in groups H01G4/00 - H01G11/00
    • H01G13/006Apparatus or processes for applying terminals

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、端子電極を持つ電子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
端子電極を持つ電子部品として代表的なものに積層セラミックコンデンサがある。この積層セラミックコンデンサの端子電極を形成するには、内部電極が積層されたコンデンサ素体を製造した後、このコンデンサ素体の両端に電極用ペーストを塗布して乾燥させる。
【0003】
コンデンサ素体の両端に同時に電極用ペーストを塗布することは困難であることから、通常は、コンデンサ素体の一端に電極用ペーストを塗布して乾燥させて第1端部電極を形成し、その後、素体の他端に電極用ペーストを塗布して乾燥させて第2端部電極を形成している。
【0004】
ところが、従来の方法では、コンデンサ素体の一端に最初に形成された第1端部電極の形状と、二回目に形成された第2端部電極の形状とに差異が生じ、外観上のアンバランスが生じる傾向にあった。近年、積層セラミックコンデンサは、一辺が1mm以下と、ますます小型化の傾向にあり、両端子電極の形状にアンバランスが生じると、両端子電極間の距離が狭まり、試験電圧印加時にスパークなどが生じ、内部欠陥がないのに不良品として廃棄処分にしなければならず、製造歩留まりが低下する。また、両端子電極の形状にアンバランスが生じると、積層セラミックコンデンサの基板への実装時に、電極の短絡や装着不良を生じやすいという課題もある。
【0005】
特に、二回目に形成された第2端部電極のエッジ形状は、比較的真っ直ぐであるのに対し、最初に形成された第1端部電極のエッジ形状が波打ったり、丸みを帯び、エッジ形状の寸法バラツキが大きい傾向にあり、このことが、両端子電極形状のアンバランスを発生させる原因となっていた。
【0006】
従来では、この端子電極形状のアンバランスの発生原因に対する正確な認識が得られず、様々な工夫が成されているが、十分な効果が得られるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、積層セラミックコンデンサなどの端子電極を持つ電子部品の製造方法であって、端子電極のエッジ形状の寸法バラツキを小さくし、信頼性および耐久性を向上させた電子部品を、高生産効率で製造することができる電子部品の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、二回目に形成された第2端部電極のエッジ形状が、比較的真っ直ぐであることに着目し、この原因が、端子電極を形成すべき素体が、二回目の電極用ペーストの塗布工程の前に、素体を保持するシリコーンゴムと共に乾燥工程により熱処理されることにあることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明の第1の観点に係る端子電極を持つ電子部品の製造方法は、端子電極を形成すべき電子部品用素体をゴム部材で保持した状態で熱処理する熱処理工程と、熱処理された前記素体に電極用ペーストを塗布する塗布工程と、電極用ペーストが塗布された前記素体を乾燥させる乾燥工程とを有する。
【0010】
本発明の第2の観点に係る端子電極を持つ電子部品の製造方法は、第1および第2端子電極を形成すべき電子部品用素体をゴム部材で保持した状態で熱処理する熱処理工程と、熱処理された前記素体の第1端部に第1端子電極用ペーストを塗布する第1塗布工程と、第1端子電極用ペーストが塗布された前記素体を乾燥させる第1乾燥工程と、前記素体の第2端部に第2端子電極用ペーストを塗布する第2塗布工程と、前記第2端部に第2端子電極用ペーストが塗布された前記素体を乾燥させる第2乾燥工程とを有する。
【0011】
本発明では、前記ゴム部材は、シリコーンゴムを主成分とする部材で構成してあることが好ましい。ゴム部材としては、特に限定されず、平板形状、ブロック形状など、どのような形状でも良いが、好ましくは、素体を保持するための貫通孔が多数形成してある平板形状のゴム部材が好ましい。素体の端部に電極用ペーストを塗布する際には、素材の端部が貫通孔から露出するように、素体を貫通孔に装着することが好ましい。熱処理工程では、素体を貫通孔の内部に完全に埋め込んで熱処理しても良いが、素体の端部に電極用ペーストを塗布する際と同様に、素材の端部が貫通孔から露出するように、素体を貫通孔に装着した状態で、熱処理しても良い。
【0012】
本発明の第3の観点に係る端子電極を持つ電子部品の製造方法は、端子電極を形成すべき電子部品用素体を、シリコーンゴムと共に熱処理する熱処理工程と、熱処理された前記素体に電極用ペーストを塗布する塗布工程と、電極用ペーストが塗布された前記素体を乾燥させる乾燥工程とを有する。本発明の第3の観点に係る製造方法では、素体とシリコーンゴムとは、必ずしも接触していなくても良いが、接触していることが好ましい。
【0013】
本発明の第4の観点に係る端子電極を持つ電子部品の製造方法は、端子電極を形成すべき電子部品用素体を、シリコーン油を含む溶液に浸漬させる浸漬工程と、その後、前記素体に電極用ペーストを塗布する塗布工程と、電極用ペーストが塗布された前記素体を乾燥させる乾燥工程とを有する。本発明の第4の観点に係る製造方法では、前記浸漬工程の後に、前記素体を乾燥させ、その後、前記塗布工程を行うことが好ましい。
【0014】
本発明の第1〜第3の観点に係る製造方法において、前記熱処理工程における加熱温度が、好ましくは80°C〜300°C、さらに好ましくは150〜300°C、特に好ましくは180〜250°Cである。また、熱処理時間が、好ましくは2分以上、さらに好ましくは5.0〜10.0分である。熱処理工程における熱処理温度は、乾燥工程における乾燥温度と略同程度であっても良い。
【0015】
熱処理温度が低すぎると、本発明の効果が少なくなり、温度が高すぎても、本発明の効果の増大が小さく、作業効率も悪くなる。また、熱処理時間が短すぎると、本発明の効果が少なく、熱処理時間が長すぎると、生産効率が低下する傾向にある。なお、熱処理工程は、バッチ式に行っても良いし、連続的に行っても良い。素体を保持するゴム部材を搬送する手段としては、特に限定されず、ベルトコンベヤ、搬送ローラなどが用いられる。
【0016】
前記素体としては、特に限定されないが、たとえば内部電極層と誘電体層とが交互に積層してあるコンデンサ素体である。
【0017】
本発明の第1の観点に係る製造方法では、端子電極を形成すべき電子部品用素体をゴム部材で保持した状態で熱処理した後、電極用ペーストを塗布するため、素体表面の電極用ペーストに対する濡れ性が改善される。その結果、電極用ペーストの塗布エッジが、従来のように素体との表面張力により波形となったり丸みを帯びることなく、直線状になり、ペーストの塗布部分を乾燥させて形成される端子電極のエッジも直線状になる。このため、本発明の製造方法によれば、端子電極のエッジ形状の寸法バラツキを小さくし、信頼性および耐久性を向上させた電子部品を、高生産効率で製造することができる。
【0018】
本発明の第2の観点に係る製造方法では、第1および第2端子電極を形成すべき電子部品用素体をゴム部材で保持した状態で熱処理した後、最初の第1端子電極用ペーストを塗布する。このため、最初の電極用ペーストの塗布工程ではあっても、素体表面の電極用ペーストに対する濡れ性が改善される。その結果、電極用ペーストの塗布エッジが、従来のように素体との表面張力により波形となったり丸みを帯びることなく、直線状になり、ペーストの塗布部分を乾燥させて形成される端子電極のエッジも直線状になる。このため、本発明の製造方法によれば、第1端子電極のエッジ形状の寸法バラツキを小さくすることができる。なお、第2端子電極のエッジ形状の寸法バラツキは、その前工程で行われる熱処理または第1乾燥工程での熱処理により、第1端子電極のエッジ形状の寸法バラツキと同様に抑制されている。したがって、本発明の第2の観点に係る製造方法によれば、信頼性および耐久性を向上させた電子部品を、高生産効率で製造することができる。
【0019】
本発明の第3の観点に係る製造方法では、端子電極を形成すべき電子部品用素体を、シリコーンゴムと共に熱処理した後、電極用ペーストを塗布する。端子電極を形成すべき電子部品用素体を、シリコーンゴムに対して直接には接触させない状態で熱処理することでも、本発明の第1の観点に係る製造方法と同様な作用効果が期待できる。
【0020】
本発明の第4の観点に係る製造方法では、端子電極を形成すべき電子部品用素体を、シリコーン油を含む溶液に浸漬させた後、電極用ペーストを塗布する。端子電極を形成すべき電子部品用素体を、シリコーン油を含む溶液に浸漬させることでも、本発明の第1の観点に係る製造方法と同様な作用効果を有する。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のその他の目的および特徴を、添付図面を参照して詳細に説明する。ここにおいて、
図1は本発明の1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの一部切り欠き斜視図、
図2は積層セラミックコンデンサの平面図、
図3は積層セラミックコンデンサの製造過程で用いる素体保持具の斜視図、
図4は素体保持具に保持されたコンデンサ素体の端部に電極用ペーストを塗布する工程を示す要部断面図、
図5は図4に示すV−V線に沿う要部断面図、
図6は図4に示す工程の続きの工程を示す要部断面図、
図7は図6に示す工程の続きの工程を示す要部断面図、
図8は本発明の他の実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造工程を示す概略図である。
【0022】
(第1実施形態)
本実施形態では、端子電極を持つ電子部品として、図1および図2に示す積層セラミックコンデンサ2を例示し、その製造方法について説明する。
【0023】
積層セラミックコンデンサの構造
図1および図2に示すように、積層セラミックコンデンサ2は、コンデンサ素体4と、第1端子電極6と第2端子電極8とを有する。コンデンサ素体4は、誘電体層10と、第1内部電極層12と、第2内部電極層14とを有し、誘電体層10の間に、第1内部電極層12と第2内部電極層14とが交互に積層してある多層構造を持つ。各第1内部電極層12の一端は、コンデンサ素体4の第1端部4aの外側に形成してある第1端子電極6の内側に対して電気的に接続してある。また、各第2内部電極層14の一端は、コンデンサ素体4の第2端部4bの外側に形成してある第2端子電極8の内側に対して電気的に接続してある。
【0024】
本実施形態では、内部電極層12および14は、たとえばニッケルまたはニッケル合金などの金属層で構成してある。ニッケル合金としては、特に限定されないが、95重量%以上のニッケルと、マンガン、クロム、コバルト、アルミニウムなどの一種以上の合金であることが好ましい。また、ニッケルまたはニッケル合金中には微量成分として0.1重量%以下のリンなどが含有されていても良い。内部電極層12および14の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1〜5μm、さらに好ましくは2〜3μmである。
【0025】
誘電体層10の材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよび/またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料で構成される。誘電体層10の厚みは、特に限定されないが、数μm〜数百μmのものが一般的である。
【0026】
端子電極6および8の材質も特に限定されないが、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金などが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用することができる。端子電極6および8の厚みも特に限定されないが、通常10〜50μm程度である。
【0027】
このような積層型セラミックコンデンサ2の形状やサイズは目的や用途に応じて適宜決定すればよい。積層セラミックコンデンサ2が直方体形状の場合は、通常、0.6〜3.2mm×0.3〜1.6mm×0.1〜1.2mm程度である。
【0028】
積層セラミックコンデンサの製造方法
本実施形態の積層型セラミックコンデンサ1は、以下のようにして製造することができる。
【0029】
まず、誘電体層用ペースト、内部電極用ペースト、端子電極用ペーストをそれぞれ製造する。
【0030】
誘電体層用ペーストは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練して得られた有機溶剤系ペースト、または水溶性溶剤系ペーストで構成される。誘電体原料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、混合して用いることができる。
【0031】
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものであり、有機ビヒクルに用いられるバインダとしては、特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ターピネオールなどの通常の各種バインダが用いられる。また、有機溶剤も特に限定されず、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエンなどの有機溶剤が用いられる。
【0032】
また、水溶性溶剤系ペーストに用いられる水溶性溶剤としては、水に水溶性バインダ、分散剤などを溶解させた溶剤が用いられる。水溶系バインダとしては特に限定されず、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂、エマルジョンなどが用いられる。
【0033】
内部電極用ペーストは、上述した各種導電性金属や合金からなる導電材料、あるいは焼成後に上述した導電材料となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネートなどと上述した有機ビヒクルとを混練して調製される。また、端子電極用ペーストも、この内部電極用ペーストと同様にして調製される。
【0034】
上述した各ペーストの有機ビヒクルの含有量は特に限定されず、通常の含有量、たとえばバインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には必要に応じて各種分散剤、可塑剤、ガラスフリット、誘電体、絶縁体などから選択される添加物が含有されても良い。
【0035】
このようにして各ペーストを準備した後、まず、図1に示すコンデンサ素体4を製作する。コンデンサ素体4を製作するには、誘電体用ペーストと内部電極用ペーストとを用いて、印刷法、転写法、グリーンシート法などの方法により、誘電体層10と内部電極層12および14とを交互に積層させた積層構造を得る。
【0036】
印刷法を用いて積層構造を得る場合には、誘電体用ペーストおよび内部電極用ペーストをポリエチレンテレフタレートなどの支持体に積層印刷し、所定形状に切断した後、支持体から剥離することで、まず焼成前グリーンチップを得る。また、グリーンシート法を用いる場合は、誘電体用ペーストからドクターブレード法などによりグリーンシートを形成し、この上に内部電極ペーストを印刷した後、これらを積層し、切断することで焼成前グリーンチップを得る。
【0037】
次に、このグリーンチップを脱バインダ処理および焼成処理を行う。脱バインダ処理は焼成前に行われ、通常の条件で行えばよいが、特に内部電極層の導電材としてニッケルやニッケル合金などの卑金属を用いる場合には、空気雰囲気において、昇温速度を5〜300℃/時間、より好ましくは10〜100℃/時間、保持温度を180〜400℃、より好ましくは200〜300℃、温度保持時間を0.5〜24時間、より好ましくは5〜20時間とする。
【0038】
グリーンチップの焼成雰囲気は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定すればよいが、導電材としてニッケルやニッケル合金などの卑金属を用いる場合には、焼成雰囲気の酸素分圧を1×10−8〜1×10−12 気圧とすることが好ましい。酸素分圧が低すぎると内部電極の導電材が異常焼結を起こして途切れてしまい、酸素分圧が高すぎると内部電極が酸化される傾向にある。また、焼成時の保持温度は1100〜1400℃、より好ましくは1200〜1380℃である。この保持温度が低すぎると緻密化が不充分となり、保持温度が高すぎると内部電極の異常焼結による電極の途切れまたは内部電極材質の拡散により容量温度特性が悪化する傾向にある。
【0039】
これ以外の焼成条件としては、昇温速度を50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間、温度保持時間を0.5〜8時間、より好ましくは1〜3時間、冷却速度を50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間とし、焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが望ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを加湿して用いることが望ましい。
【0040】
還元性雰囲気で焼成した場合は、コンデンサチップの焼結体にアニールを施すことが望ましい。上述した脱バインダ処理、焼成およびアニール工程において、窒素ガスや混合ガスを加湿するためには、たとえばウェッターなどを用いることができる。この場合の水温は5〜75℃とすることが望ましい。
【0041】
以上のようにして、図1および図2に示すコンデンサ素体4が得られる。この得られたコンデンサ素体4に、たとえばバレル研磨やサンドブラストにより端面研磨を施し、次に、以下に示す方法を用いて、端子電極6および8を形成する。
【0042】
端子電極6および8が形成される前の各コンデンサ素体4は、図3に示す素体保持具20により保持される。素体保持具20は、多数の保持用貫通孔26が形成してあるゴム板22と、ゴム板22の周囲を支持する枠24とを有する。枠24は、たとえばステンレスなどの金属で構成してある。
【0043】
ゴム板22は、シリコーンゴムを主成分とするゴム部材で構成してある。このゴム板22の平坦性を保持するために、図4に示すように、ゴム板22の内部には、貫通孔26を避けるように、補強板28が内蔵してあっても良い。補強板28は、ゴム板22の貫通孔26よりも大きな内径の貫通孔が多数形成してある金属板などで構成してある。補強板28は、図3に示す枠24と一体に形成しても良いが、別部品であっても良い。補強板28の厚みは、ゴム板22の厚みよりも小さい。ゴム板22の厚みは、素体4の大きさなどに応じて決定され、特に限定されない。また、ゴム板22に形成してある貫通孔26の断面形状は、図5に示すように、本実施形態では円形であるが、円形に限らず、楕円形、矩形、その他の多角形など、種々の形状を採り得る。この貫通孔26の断面形状は、端子電極を形成すべき素体4の断面形状に応じて種々に変更することができる。
【0044】
本実施形態では、まず、各素体4をゴム板22の各貫通孔26の内部に保持させる。各素体4は、貫通孔26の内部に深く埋まるまで挿入しても良いが、図4に示すように、各素体4の第1端部4aが貫通孔26から飛び出す程度に貫通孔26の内部に挿入しても良い。
【0045】
その状態で、素体4が保持してある保持具20を、バッチ式乾燥炉の内部に投入して熱処理を行う。熱処理温度は、たとえば100〜300°Cであり、熱処理時間は好ましくは2分以上である。この熱処理により、各素体4の表面における端部電極用ペーストとの濡れ性が改善される。
【0046】
次に、図4に示すように、ゴム板22の各貫通孔26から素体4の第1端部4aのみがゴム板22の第1面22aから所定長L1の長さで突出した状態で、ゴム板22を移動し、保持具20に保持してある全ての素体4の第1端部を、ペースト塗布具30に貯留してある端部電極用ペースト32に浸漬する。なお、端部電極用ペースト32は、前述した組成で構成してある。
【0047】
第1端部4aの所定長L1は、形成しようとする第1端部電極の大きさなどに依存して決定され、図2に示す完成後の第1端部電極6の幅をW1とした場合に、W1に対して、L1>W1であればよい。また、ペースト塗布具30に貯留される端部電極用ペースト32の厚みT1は、所定長L1に対して、T1(=W1)≦L1×0.90であることが好ましい。
【0048】
ペースト塗布具30は、ペースト32を、所定厚みT1以上で保持可能なものであれば特に限定されず、どのようなものであっても良い。たとえばペースト塗布具30としては、単なる容器であっても良いが、図8に示すように、塗布ローラ42であっても良い。塗布ローラ42の外周面にも、所定厚みT1の端部電極用ペースト32の層を形成することができるからである。ペースト塗布具30では、ペースト32と接触する部分は、ゴム部材などの弾力性を有する部材で構成することが好ましい。素体4の第1端部4aが押し付けられることからである。
【0049】
保持具20により保持された全ての素体4の第1端部4aがペースト32の層に浸漬することにより、図6に示すように、各素体4の第1端部4aには、第1端部電極用ペースト膜6aが形成される。従来では、図2に示すように、この各素体4の第1端部4aに形成されるペースト膜6aのエッジ線60’が、二点差線で示すように、波形形状になったり、丸みを帯びた形状になったりしていた。しかしながら、本実施形態では、第1端部4aへのペースト塗布の前工程において、各素体4をゴム板22と共に熱処理することで、素体4の表面におけるペースト32に対する濡れ性が改善される。その結果、図2中の実線で示すエッジ線60のように、ペースト膜6aの境界線は、許容できるバラツキΔWの範囲内で真っ直ぐになる。
【0050】
その後、素体4が保持された状態の保持具20を乾燥炉の内部に搬送し、各素体4の第1端部4aに形成されたペースト膜6aを乾燥させる。乾燥炉における乾燥温度は、各素体4をゴム板22と共に熱処理するときの熱処理温度と略同一または低くても良い。
【0051】
ペースト膜6aの乾燥後には、図7に示すように、各素体4の第2端部4bが、ゴム板22の第2面22bから突出する位置まで、各素体4を、貫通孔26の内部に沿って移動させる。第2面22bからの第2端部4bの突出長さは、図4に示す所定長L1と略同等である。
【0052】
図7に示す状態で、保持具20の表裏面をひっくり返し、図4に示す状態と同じ状態とし、次に、前述した方法と同様にして、各素体4の第2端部4bに端部電極用ペースト32を塗布し、その後に乾燥させる。
【0053】
各素体4の両端に乾燥したペースト膜が形成された後に、各素体4を、ゴム板22の各貫通孔26から取り出す。その後、端子電極形成のための焼成を行う。その時の焼成条件は、たとえば空気中で600〜800℃にて10分〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じて端子電極の表面にメッキなどにより被覆層を形成する。このような焼成の結果、図1および図2に示すように、両端に端子電極6および8が形成された積層セラミックコンデンサ2が得られる。本実施形態の積層セラミックコンデンサ2は、はんだ付けなどによってプリント基板上に実装され、各種電子機器に用いられる。
【0054】
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2の製造方法によれば、第1端子電極6のエッジ線60の寸法バラツキを小さくすることができる。なお、第2端子電極8のエッジ線の寸法バラツキは、その前工程で行われる第1回目の乾燥工程での熱処理により、第1端子電極6のエッジ線60の寸法バラツキと同様に抑制されている。したがって、本実施形態に係る製造方法によれば、信頼性および耐久性を向上させた積層セラミックコンデンサ2を、高生産効率で製造することができる。
【0055】
(第2実施形態)
図8は、素体保持具20に保持された素体4の端部への端子電極用ペーストの塗布および乾燥工程を連続して行うための装置の一例を示す。
【0056】
図8に示すように、多数の素体4の端部が上向きに突出するように素体4を保持する素体保持具20が、搬送用ローラ50により、図8中、左側から右側へと搬送可能になっている。素体保持具20は、最初に熱処理炉40の内部に入り込む。熱処理炉40は、乾燥炉46と同じ構造を有し、両端にペーストが塗布される前の素体4が保持された保持具20を熱処理する。熱処理条件は、前記第1実施形態の場合と同じである。
【0057】
熱処理炉40の右隣には、端部電極用ペーストを塗布するための塗布ローラ42が配置してある。塗布ローラ42の外周には、ペースト供給部44から端部電極用ペーストが供給され、図4に示すペースト塗布具30と同様に、ペースト32の層が形成される。回転するローラ42の下方外周部に保持具20の上面が接触して通過することにより、保持具20に保持された素体4の第1端部4aには、図6に示すペースト膜6aが形成される。その後、保持具20は、搬送用ローラ50により搬送されて、乾燥炉46の内部に移動する。乾燥炉46では、前記第1実施形態の場合と同様な条件で、ペースト膜6aの乾燥を行う。
【0058】
乾燥炉46にて乾燥処理が成された後は、前記第1実施形態と同様にして、素体4の第2端部への端部電極用ペーストの塗布および乾燥処理を行う。ただし、素体4の第2端部4bへの端部電極用ペーストの塗布工程の前には、熱処理炉40を通す必要がない。
【0059】
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法においても、前記第1実施形態と同様に、第1端子電極6のエッジ線60の寸法バラツキを小さくすることができる。なお、第2端子電極8のエッジ線の寸法バラツキは、乾燥炉46における第1回目の乾燥工程での熱処理により、第1端子電極6のエッジ線60の寸法バラツキと同様に抑制されている。したがって、本実施形態に係る製造方法によっても、前記第1実施形態と同様に、信頼性および耐久性を向上させた積層セラミックコンデンサ2を、高生産効率で製造することができる。
【0060】
(第3実施形態)
本実施形態では、図4に示す素体4を素体保持具20に取り付ける前に、各素体4を、シリコーンオイルの原液、またはシリコーンオイルの原液を溶剤で薄めた溶液中に浸し、その後、必要に応じて乾燥させて溶剤を蒸発させる。その後、各素体4を素体保持具20に取り付け、熱処理を行うことなく各素体4の第1端部4aに端部電極用ペーストを塗布する。その他の製造工程は、前記第1実施形態と同様である。
【0061】
シリコーンオイルの原液を薄めるための溶剤としては、特に限定されないが、たとえばエタノールが好ましく用いられる。シリコーンオイル原液と溶剤との重量比は、特に限定されないが、1:100〜1:1000程度が好ましい。
【0062】
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法においても、前記第1実施形態と同様に、第1端子電極6のエッジ線60の寸法バラツキを小さくすることができる。なお、第2端子電極8のエッジ線の寸法バラツキは、乾燥炉46における第1回目の乾燥工程での熱処理により、第1端子電極6のエッジ線60の寸法バラツキと同様に抑制されている。したがって、本実施形態に係る製造方法によっても、前記第1実施形態と同様に、信頼性および耐久性を向上させた積層セラミックコンデンサ2を、高生産効率で製造することができる。
【0063】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々に改変することができる。
【0064】
たとえば上述した第1および第2実施形態では、コンデンサ素体4とゴム板22とを接触させて熱処理したが、コンデンサ素体4とゴム板22とを非接触状態で熱処理しても、本発明の効果が得られることが期待できる。
【0065】
また、上述した実施形態では、端子電極を持つ電子部品として、積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明の製造方法により製造される電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限らず、チップバリスタ、チップサーミスタ、チップ抵抗、チップインダクター、その他の表面実装(SMD)チップ型電子部品などの端子電極を持つ電子部品を製造する場合全てに適用することができる。
【0066】
【実施例】
以下、本発明のさらに具体的な実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0067】
実施例1
まず、図1に示すコンデンサ素体4を作成した。まず、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体原料と、アクリル樹脂、塩化メチレン、酢酸エチル、ミネラルスピリットおよびアセトンとをボールミルにて混合し、ペースト化した誘電体層用ペーストを得た。
【0068】
次に、内部電極用ペーストについては、平均粒径0.2〜0.8μmのニッケル粒子と、有機ビヒクル(エチレンセルロース樹脂をブチルカルビトールに溶解したもの)と、ブチルカルビトールとをロールにより混練しペースト化したものを用いた。
【0069】
端子電極用ペーストについては、平均粒径0.5μmの銅粒子と、有機ビヒクル(エチレンセルロース樹脂をブチルカルビトールに溶解したもの)と、ブチルカルビトールとを混練しペースト化したものを用いた。
【0070】
次に、上述した誘電体層用ペーストを用いてPETフィルム上に厚さ15μmのグリーンシートを形成し、この上に内部電極用ペーストを印刷した後、PETフィルムからグリーンシートを剥離した。次いで、こうして得られた複数枚のグリーンシートを積層し、加圧圧着することでグリーンシートの積層体を作製した。内部電極を有するグリーンシートの積層数は4層とした。
【0071】
次いで、グリーンシートの積層体を所定サイズに切断し、脱バインダ処理、焼成およびアニールを行って、積層セラミック焼成体から成るコンデンサ素体4を得た。コンデンサ素体4の寸法は、1.0×0.5×0.3mmの直方体形状であった。
【0072】
脱バインダ処理は、昇温時間15℃/時間、保持温度280℃、保持時間8時間、空気雰囲気の条件で行った。また、焼成は、昇温速度200℃/時間、保持温度1380℃、保持時間2時間、冷却速度300℃/時間、還元性雰囲気の条件で行った。アニールは、保持温度900℃、保持時間9時間、冷却速度300℃/時間、酸化雰囲気の条件で行った。
【0073】
次いで、これらのコンデンサ素体4の両端部4aおよび4bをサンドブラストにて研磨した後、各素体4を、図3に示す素体保持具20のゴム板22に形成された各貫通孔26の内部に完全に挿入した。ゴム板22の材質は、シリコーンゴムであった。素体保持具20としては、具体的には、パロマー社製のものを用いた。
【0074】
その状態で、保持具20を素体4と共に、乾燥炉へ入れて、100°Cの雰囲気温度で熱処理した。熱処理時間は、5.0分であった。
【0075】
次に、ゴム板22の各貫通孔26から素体4の第1端部4aのみがゴム板22の第1面22aから所定長L1(=0.5mm)の長さで突出させ、その状態で、保持具20を移動し、保持具20に保持してある全ての素体4の第1端部を、ペースト塗布具30に貯留してある端部電極用ペースト32(厚みT1=100μm)に浸漬した。
【0076】
その後、素体4が保持された状態の保持具20を乾燥炉の内部に搬送し、各素体4の第1端部4aに形成されたペースト膜6aを乾燥させた。乾燥炉における乾燥温度は、100°Cであり、乾燥時間は5.0分であった。
【0077】
ペースト膜6aの乾燥後には、図7に示すように、各素体4の第2端部4bが、ゴム板22の第2面22bから突出する位置まで、各素体4を、貫通孔26の内部に沿って移動させた。第2面22bからの第2端部4bの突出長さは、図4に示す所定長L1と略同等であった。
【0078】
図7に示す状態で、保持具20の表裏面をひっくり返し、図4に示す状態と同じ状態とし、次に、前述した方法と同様にして、各素体4の第2端部4bに端部電極用ペースト32を塗布し、その後に乾燥させた。
【0079】
各素体4の両端に乾燥したペースト膜が形成された後に、各素体4を、ゴム板22の各貫通孔26から取り出し、その後、端子電極形成のための焼成を行った。
【0080】
焼成は、加湿した窒素ガスおよび水素ガス雰囲気中において、800℃にて10分間行い、図1に示す積層セラミックコンデンサ2を製造した。
【0081】
こうして得られた積層セラミックコンデンサ2の30個の試料について、図2に示す第1端部電極6のエッジ線60の寸法バラツキΔWを、顕微鏡により測定し、バラツキの最小値および最大値を求めた。結果を下記の表1に示す。表1に示すように、寸法バラツキΔWは、90〜190μmであった。
【0082】
【表1】
Figure 0003562629
【0083】
実施例2
素体4の第1端部4aに端部電極用ペーストを塗布する前の熱処理温度を150°Cとした以外は、前記実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサ2を製造した。
【0084】
図2に示す第1端部電極6のエッジ線60の寸法バラツキΔWを、前記第1実施例と同様にして測定した。結果を下記の表1に示す。表1に示すように、寸法バラツキΔWは、90〜100μmであった。
【0085】
実施例3
素体4の第1端部4aに端部電極用ペーストを塗布する前の熱処理温度を200°Cとした以外は、前記実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサ2を製造した。
【0086】
図2に示す第1端部電極6のエッジ線60の寸法バラツキΔWを、前記第1実施例と同様にして測定した。結果を下記の表1に示す。表1に示すように、寸法バラツキΔWは、1〜38μmであった。
【0087】
実施例4
素体4の第1端部4aに端部電極用ペーストを塗布する前の熱処理温度を250°Cとした以外は、前記実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサ2を製造した。
【0088】
図2に示す第1端部電極6のエッジ線60の寸法バラツキΔWを、前記第1実施例と同様にして測定した。結果を下記の表1に示す。表1に示すように、寸法バラツキΔWは、1〜40μmであった。
【0089】
実施例5
素体4を素体保持具20に取り付ける前に、各素体4を、シリコーンオイル((株)東芝シリコン社製のTSFタイプ)の原液中に浸し、その後、常温25°Cで、5.0分間放置し、その後、素体4を素体保持具20に取り付け、熱処理を行うことなく、各素体4の第1端部4aに端部電極用ペーストを塗布した以外は、前記実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサ2を製造した。
【0090】
図2に示す第1端部電極6のエッジ線60の寸法バラツキΔWを、前記第1実施例と同様にして測定した。結果を下記の表1に示す。表1に示すように、寸法バラツキΔWは、1〜35μmであった。
【0091】
実施例6
素体4を素体保持具20に取り付ける前に、各素体4を、シリコーンオイル((株)東芝シリコン社製のTSFタイプ)の原液を溶剤で薄めた溶液中に浸し、その後、200°Cで、5.0分間乾燥させて溶剤を蒸発させ、その後、素体保持具20に取り付け、熱処理を行うことなく各素体4の第1端部4aに端部電極用ペーストを塗布した以外は、前記実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサ2を製造した。シリコーンオイルの原液を薄めた溶剤としては、エタノールを用い、シリコーンオイル原液と溶剤との重量比は、1:200であった。
【0092】
図2に示す第1端部電極6のエッジ線60の寸法バラツキΔWを、前記第1実施例と同様にして測定した。結果を下記の表1に示す。表1に示すように、寸法バラツキΔWは、0〜42μmであった。
【0093】
実施例7
素体4を素体保持具20に取り付ける前に、各素体4を、シリコーンオイル((株)東芝シリコン社製のTSFタイプ)の原液を溶剤で薄めた溶液中に浸し、その後、200°Cで、5.0分間乾燥させて溶剤を蒸発させ、その後、素体保持具20に取り付け、熱処理を行うことなく各素体4の第1端部4aに端部電極用ペーストを塗布した以外は、前記実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサ2を製造した。シリコーンオイルの原液を薄めた溶剤としては、エタノールを用い、シリコーンオイル原液と溶剤との重量比は、1:500であった。
【0094】
図2に示す第1端部電極6のエッジ線60の寸法バラツキΔWを、前記第1実施例と同様にして測定した。結果を下記の表1に示す。表1に示すように、寸法バラツキΔWは、0〜36μmであった。
【0095】
比較例1
素体4の第1端部4aに端部電極用ペーストを塗布する前に、何ら熱処理することなく、常温25°Cに保持した以外は、前記実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサ2を製造した。
【0096】
図2に示す第1端部電極6のエッジ線60の寸法バラツキΔWを、前記第1実施例と同様にして測定した。結果を下記の表1に示す。表1に示すように、寸法バラツキΔWは、100〜200μmであった。
【0097】
比較例2
素体4を素体保持具20に取り付ける前に、各素体4を単独で200°Cに5.0分間熱処理し、その後、常温まで冷却された各素体4を、素体保持具20に取り付け、第1端部4aに端部電極用ペーストを塗布した以外は、前記実施例1と同様にして、積層セラミックコンデンサ2を製造した。
【0098】
図2に示す第1端部電極6のエッジ線60の寸法バラツキΔWを、前記第1実施例と同様にして測定した。結果を下記の表1に示す。表1に示すように、寸法バラツキΔWは、110〜190μmであった。
【0099】
評価
表1に示すように、実施例1〜7に係る製造方法によれば、比較例1および2に係る製造方法に比較し、端子電極のエッジ線のバラツキを抑制することができることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの一部切り欠き斜視図である。
【図2】図2は積層セラミックコンデンサの平面図である。
【図3】図3は積層セラミックコンデンサの製造過程で用いる素体保持具の斜視図である。
【図4】図4は素体保持具に保持されたコンデンサ素体の端部に電極用ペーストを塗布する工程を示す要部断面図である。
【図5】図5は図4に示すV−V線に沿う要部断面図である。
【図6】図6は図4に示す工程の続きの工程を示す要部断面図である。
【図7】図7は図6に示す工程の続きの工程を示す要部断面図である。
【図8】図8は本発明の他の実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造工程を示す概略図である。
【符号の説明】
2… セラミックコンデンサ
4… コンデンサ素体
6… 第1端子電極
8… 第2端子電極
10… 誘電体層
12… 第1内部電極層
14… 第2内部電極層
20… 素体保持具
22… ゴム板
26… 貫通孔
28… 補強板
30… ペースト塗布具
32… 端部電極用ペースト
42… 塗布ローラ
60… エッジ線

Claims (10)

  1. 端子電極を形成すべき電子部品用素体をゴム部材で保持した状態で熱処理する熱処理工程と、
    その後に、熱処理された前記素体に電極用ペーストを塗布する塗布工程と、
    電極用ペーストが塗布された前記素体を乾燥させる乾燥工程とを有し、
    前記ゴム部材がシリコーンゴムを主成分とする部材で構成してあり、
    前記熱処理工程における加熱温度が180〜250°Cであり、その加熱処理時間が2分以上であることを特徴とする
    端子電極を持つ電子部品の製造方法。
  2. 前記素体が、内部電極層と誘電体層とが交互に積層してあるコンデンサ素体である請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 第1および第2端子電極を形成すべき電子部品用素体をゴム部材で保持した状態で熱処理する熱処理工程と、
    その後に、熱処理された前記素体の第1端部に第1端子電極用ペーストを塗布する第1塗布工程と、
    第1端子電極用ペーストが塗布された前記素体を乾燥させる第1乾燥工程と、
    前記素体の第2端部に第2端子電極用ペーストを塗布する第2塗布工程と、
    前記第2端部に第2端子電極用ペーストが塗布された前記素体を乾燥させる第2乾燥工程とを有し、
    前記ゴム部材がシリコーンゴムを主成分とする部材で構成してあり、
    前記熱処理工程における加熱温度が180〜250°Cであり、その加熱処理時間が2分以上であり、しかも、
    前記第1乾燥工程における加熱温度が180〜250°Cであり、その加熱処理時間が2分以上であることを特徴とする
    端子電極を持つ電子部品の製造方法。
  4. 前記熱処理工程における加熱温度が、前記第1および第2乾燥工程における乾燥温度と略同一である請求項3に記載の電子部品の製造方法。
  5. 前記素体が、内部電極層と誘電体層とが交互に積層してあるコンデンサ素体である請求項3に記載の電子部品の製造方法。
  6. 端子電極を形成すべき電子部品用素体を、シリコーンゴムと共に熱処理する熱処理工程と、
    その後に、熱処理された前記素体に電極用ペーストを塗布する塗布工程と、
    電極用ペーストが塗布された前記素体を乾燥させる乾燥工程とを有し、
    前記熱処理工程における加熱温度が180〜250°Cであり、熱処理時間が2分以上である
    端子電極を持つ電子部品の製造方法。
  7. 前記素体が、内部電極層と誘電体層とが交互に積層してあるコンデンサ素体である請求項6に記載の電子部品の製造方法。
  8. 端子電極を形成すべき電子部品用素体を、シリコーン油を含む溶液に浸漬させる浸漬工程と、
    その後、前記素体に電極用ペーストを塗布する塗布工程と、
    電極用ペーストが塗布された前記素体を乾燥させる乾燥工程とを有する、
    端子電極を持つ電子部品の製造方法。
  9. 前記浸漬工程の後に、前記素体を乾燥させ、その後、前記塗布工程を行う請求項8に記載の電子部品の製造方法。
  10. 前記素体が、内部電極層と誘電体層とが交互に積層してあるコンデンサ素体である請求項8に記載の電子部品の製造方法。
JP22012199A 1999-03-22 1999-08-03 端子電極を持つ電子部品の製造方法 Expired - Fee Related JP3562629B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/273,274 US6254715B1 (en) 1999-03-22 1999-03-22 Process for production of electronic component having terminal electrode
US09/273274 1999-03-22

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000277373A JP2000277373A (ja) 2000-10-06
JP3562629B2 true JP3562629B2 (ja) 2004-09-08

Family

ID=23043261

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22012199A Expired - Fee Related JP3562629B2 (ja) 1999-03-22 1999-08-03 端子電極を持つ電子部品の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6254715B1 (ja)
JP (1) JP3562629B2 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3772954B2 (ja) * 1999-10-15 2006-05-10 株式会社村田製作所 チップ状部品の取扱方法
JP2001118731A (ja) * 1999-10-19 2001-04-27 Murata Mfg Co Ltd チップ型複合電子部品およびその製造方法
JP2001185437A (ja) * 1999-12-24 2001-07-06 Taiyo Yuden Co Ltd 積層セラミックコンデンサ
JP3785966B2 (ja) * 2001-08-23 2006-06-14 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品の製造方法および積層セラミック電子部品
JP4548571B2 (ja) * 2002-10-08 2010-09-22 日本特殊陶業株式会社 積層コンデンサの製造方法
KR100649580B1 (ko) * 2003-12-15 2006-11-28 삼성전기주식회사 스핀코팅에 의한 적층세라믹 커패시터의 제조방법 및적층세라믹 커패시터
CN100386828C (zh) * 2004-04-29 2008-05-07 立昌先进科技股份有限公司 能改善电极端面可靠度的集成式电子组件制备方法
US20060034029A1 (en) * 2004-08-13 2006-02-16 Cyntec Company Current detector with improved resistance adjustable range and heat dissipation
JP2006093449A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Fuji Photo Film Co Ltd 積層構造体及び積層構造体アレイ、並びに、それらの製造方法
US20070175020A1 (en) * 2006-01-27 2007-08-02 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method for producing solid state battery
JP2009130180A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Sony Corp 電子機器の製造方法および電子機器
US8116102B2 (en) * 2007-12-26 2012-02-14 Infineon Technologies Ag Integrated circuit device and method of producing
JP2011124490A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Tdk Corp チップ部品の製造方法
JP6274050B2 (ja) 2014-08-27 2018-02-07 株式会社村田製作所 電子部品の製造方法および成膜装置
JP7381272B2 (ja) * 2019-01-21 2023-11-15 太陽誘電株式会社 セラミック電子部品およびその製造方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4395184A (en) 1980-02-21 1983-07-26 Palomar Systems & Machines, Inc. Means and method for processing miniature electronic components such as capacitors or resistors
JPS57207328A (en) 1981-05-28 1982-12-20 Paromaa System Ando Mashiinzu Method and device for coating small electric part terminal
CA1206547A (en) 1981-10-22 1986-06-24 Denver Braden Means for processing miniature electronic components such as capacitors or resistors
US4561954A (en) * 1985-01-22 1985-12-31 Avx Corporation Method of applying terminations to ceramic bodies
US4859498A (en) * 1987-11-18 1989-08-22 Murata Manufacturing Co., Ltd. Chip component holding plate
JPH02305401A (ja) 1989-05-19 1990-12-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd チップ部品
JPH04352309A (ja) 1991-05-29 1992-12-07 Rohm Co Ltd 積層セラミックコンデンサにおける端子電極の構造及び端子電極の形成方法
JP2760189B2 (ja) * 1991-11-08 1998-05-28 株式会社村田製作所 チップ部品の電極形成装置
JP3121119B2 (ja) * 1992-06-16 2000-12-25 ローム株式会社 積層セラミックコンデンサの外部電極の形成方法
JP3175357B2 (ja) * 1992-11-27 2001-06-11 株式会社村田製作所 電子部品の製造方法および装置
JP3331566B2 (ja) * 1993-07-12 2002-10-07 三菱マテリアル株式会社 チップ型電子部品の端子電極形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000277373A (ja) 2000-10-06
US6254715B1 (en) 2001-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3562629B2 (ja) 端子電極を持つ電子部品の製造方法
US6729003B2 (en) Process for producing a ceramic electronic component
JP4483508B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP2001307947A (ja) 積層チップ部品及びその製造方法
JP5423977B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP5221059B2 (ja) 電極段差吸収用印刷ペーストおよび積層セラミック電子部品の製造方法
JP2007234829A (ja) 積層型セラミック電子部品の製造方法
JP2943380B2 (ja) 積層セラミックコンデンサとその製造方法
JP4182009B2 (ja) 導電性粒子、導電性ペースト、電子部品、積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
US7491283B2 (en) Production method of multilayer electronic device
JP2006324637A (ja) 共材粒子、その製造方法、電極ペースト、電子部品の製造方法
CN100557733C (zh) 印刷电路板的层叠方法和层叠陶瓷电子部件的制造方法
JP2007234330A (ja) 導電体ペーストおよび電子部品
US7355838B2 (en) Green sheet coating material, green sheet, production method of green sheet and production method of electronic device
JP3698032B2 (ja) 積層セラミック電子部品用端子電極ペースト
JP5177452B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP5071493B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP4515334B2 (ja) バレルめっき方法、および電子部品の製造方法
JP4867948B2 (ja) 導電性粒子、導電性ペースト、電子部品、積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JP4784264B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
US20080212258A1 (en) Electronic device and manufacturing method thereof
JP2007142118A (ja) 積層型電子部品およびその製造方法
JP2011151149A (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP2004221304A (ja) 内部電極を持つ電子部品の製造方法
JP3954792B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040315

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040412

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040525

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080611

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090611

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090611

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100611

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110611

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees