JP3954792B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミック電子部品の一例としての積層型セラミックチップコンデンサは、通常、誘電体層ペーストと内部電極ペーストとを所定層数交互に積層して得られるグリーンチップを一体同時焼成して製造される。
【0003】
誘電体層用ペーストと内部電極層用ペーストとを交互に積層してグリーンチップを得る方法としては、キャリアフィルム上に誘電体層ペーストを用いてドクターブレード法などにより誘電体グリーンシート層を形成し、この上に内部電極ペーストを印刷した後、これらを1層ずつ剥離、積層するシート法が知られている。また、たとえばスクリーン印刷法を用いて、キャリアフィルム上に誘電体層ペーストと内部電極ペーストとを所定層数交互に印刷した後、積層終了後にキャリアフィルムを剥離する印刷法も知られている。
【0004】
ところで、近年の電子機器の小型化にともない、積層型セラミックチップコンデンサには、小型化および大容量化が求められてきている。積層型セラミックチップコンデンサを小型化および大容量化するには、1層あたりの誘電体層の厚さをできる限り薄くし、所定サイズにおける誘電体層の積層数をできるだけ増加させればよいと考えられる。
【0005】
しかしながら、通常のシート法を用いる場合、1層あたりの誘電体グリーンシート層の厚さが10μm以下では、シート厚が薄すぎるため、キャリアフィルムの剥離・積層時の取り扱い性が悪くなり、誘電体グリーンシート層をキャリアフィルムから剥離することが困難である。また、印刷法を用いる場合、通常は、内部電極ペーストを印刷した部分と印刷してない誘電体グリーンシート層のみのマージン部分とで段差が生じる。特に誘電体層を多層積層する場合、生じる段差のため、誘電体グリーンシート層のマージン部分の変形が著しくなり、このため、焼成後の積層型セラミックチップコンデンサで内部電極層間の短絡などが発生し、不良率が増大しやすくなる。
【0006】
このため、従来では、誘電体グリーンシート層の積層数が、たとえば200層をこえるような多層構造をもち、しかも1層あたりの誘電体グリーンシート層の厚さが10μm以下であるような積層型セラミックチップコンデンサの製造は、困難であった。
【0007】
これに対し、1層あたりの誘電体グリーンシート層の厚さを薄層化するための種々の提案がなされている。
【0008】
たとえば、特開昭61−204921号(特公平4−15605号)公報では、次に示す薄層型の積層型セラミックチップコンデンサの製造方法が開示してある。この方法では、まず、キャリアフィルムaの表面に形成された接着剤層を、別のキャリアフィルムbに単層で形成された誘電体グリーンシート層に対向させて重ね合わせる。次いで、キャリアフィルムbの裏面から誘電体グリーンシート層をキャリアフィルムaの接着剤層に加圧接着したのちキャリアフィルムbを剥離する。次いで、得られたキャリアフィルムa上の誘電体グリーンシート層上に内部電極ペースト層を印刷する。次いで、内部電極層上にキャリアフィルムb上に形成した別の単層の誘電体グリーンシート層を同様に接着し、キャリアフィルムbを剥離する。このような操作を繰り返してグリーンチップ(誘電体グリーンシート層と内部電極ペースト層との交互積層構造体)を得て、これを焼成する。
【0009】
また、特開昭63−188926号公報では、次に示す薄層型の積層型セラミックチップコンデンサの製造方法が開示してある。この方法では、キャリアフィルム面側から熱と圧力をかけた場合に、誘電体層a1を、前記キャリアフィルムから被写物に転写できるグリーンシートaを用いる。このグリーンシートaの誘電体層a1上に所定の電極a2を形成する。次いで、グリーンシートaの電極形成面を、電極が形成されていない別のグリーンシートbの誘電体層b1に重ね合わせる。次いで、グリーンシートaのキャリアフィルム面側から熱圧着することにより、グリーンシートaの電極a2が形成されている誘電体層a1を、グリーンシートbの誘電体層b1に転写させた後、グリーンシートaのキャリアフィルムを剥離する。次いで、誘電体層c1上に所定の電極c2が形成されたさらに別のグリーンシートcの電極形成面を、前記転写された誘電体層a1に重ね合わせる。次いで、グリーンシートcのキャリアフィルム面側から熱圧着することにより、グリーンシートcの電極c2が形成されている誘電体層c1を、前記転写された誘電体層a1に転写させた後、グリーンシートcのキャリアフィルムを剥離する。このような熱圧着による転写、キャリアフィルムの剥離を繰り返し行い、誘電体層と電極層とを交互に積層してグリーンチップを得て、これを焼成する。
【0010】
さらに、特公平4−15605号(特開昭63−188927号)公報では、次に示す薄層型の積層型セラミックチップコンデンサの製造方法が開示してある。この方法では、キャリアフィルム面側から熱と圧力をかけた場合に、セラミック粉体層a1を、前記キャリアフィルムから被写物に転写できるグリーンシートaを用いる。このグリーンシートaのセラミック粉体層a1上に所定の電極a2を形成する。次いで、電極が形成されていない別のグリーンシートbのセラミック粉体層b1を、グリーンシートaの電極形成面に重ね合わせる。次いで、グリーンシートbのキャリアフィルム面側から熱圧着することにより、グリーンシートbの電極が形成されていない誘電体層b1を、グリーンシートaの誘電体層a1に転写させた後、グリーンシートbのキャリアフィルムを剥離する。次いで、セラミック粉体層b1上に所定の電極b2を形成する。次いで、電極が形成されていないさらに別のグリーンシートcのセラミック粉体層c1を、前記転写されたセラミック粉体層b1の電極形成面に重ね合わせる。次いで、グリーンシートcのキャリアフィルム面側から熱圧着することにより、グリーンシートcの電極が形成されていない誘電体層c1を、前記転写された誘電体層a1に転写させた後、グリーンシートcのキャリアフィルムを剥離する。このような熱圧着による転写、キャリアフィルムの剥離を繰り返し行い、セラミック粉体層と電極層とを交互に積層してグリーンチップを得て、これを焼成する。
【0011】
さらにまた、特開平6−342736号公報では、次に示す薄層型の積層型セラミックチップコンデンサの製造方法が開示してある。この方法では、キャリアフィルム上に誘電体グリーンシート層と内部電極ペースト層とを交互に形成し、2〜50層の誘電体グリーンシート層を持つグリーンチップを得た後、このグリーンチップの2以上を積層して、これを焼成する。
【0012】
これらの公報に記載された方法によれば、1層あたりの誘電体グリーンシート層の薄層化が期待できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の方法では、いずれも、積層元となる基準シートの一方の面側のみに、誘電体グリーンシート層と内部電極ペーストとを交互に積層してグリーンチップを得ている。このため、積層後のグリーンチップ積層体の形状に異方性が生じ易い。すなわち、積層初期部分の積層体下部の幅が、積層終期部分の積層体上部の幅に比べて太くなり易い。コンデンサ素体の形状に異方性が生じると、このコンデンサ素体を持つチップコンデンサを基板などにマウントする際の取り扱い性が悪くなる。また、従来の製造方法で製造したチップコンデンサでは、誘電体層の積層数が増大するに連れて、積層後期部分で積層した誘電体層の両端部が湾曲し易く、内部電極の短絡などによるショート不良を生じ易く、不良率が増大する傾向にある。
【0014】
本発明の目的は、誘電体層の薄層化および多層化が進んでも、内部電極の短絡などによる不良率を低減でき、しかも各種基板などにマウントする際の作業性や取り扱い性に優れる形状を有する積層セラミック電子部品を製造する方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、
少なくとも一層の誘電体グリーンシート層を含む基準シートブロックの第1面に、少なくとも一層の誘電体グリーンシート層を含む第1面側シートブロックを積層し、圧力を加えて前記第1面側シートブロックを基準シートブロックに圧着する第1積層工程と、
前記第1面側シートブロックが圧着された基準シートブロックの第1面と反対側の第2面に、少なくとも一層の誘電体グリーンシート層を含む第2面側シートブロックを積層し、圧力を加えて前記第2面側シートブロックを基準シートブロックに圧着する第2積層工程と、
前記第1積層工程および第2積層工程を交互に行うことにより得られる焼成前積層素体に、さらに圧力を加える工程とを有する。
【0016】
前記基準シートブロック、第1面側シートブロックおよび第2面側シートブロックの少なくとも何れか1つには、内部電極ペースト層が形成されていることが好ましい。
【0017】
前記基準シートブロック、第1面側シートブロックおよび第2面側シートブロックの少なくとも何れか1つには、内部電極ペースト層を介して、2〜50層の誘電体グリーンシート層が形成されていることが好ましい。
【0018】
前記基準シートブロックに対する、前記第1面側シートブロックおよび第2面側シートブロックの圧着時の加圧力は、50MPa以下であることが好ましい。
【0019】
前記第1面側シートブロックおよび第2面側シートブロックの圧着時の加圧力は、好ましくは50MPa以下であれば、その積層数が少ない段階(積層初期段階)から、積層数が多い段階(積層終期段階)までの間、一定であってもよく、あるいは適宜変化させてもよい。
前記第1積層工程および第2積層工程を交互に行うことにより得られる焼成前積層素体に加える圧力は、特に限定されないが、好ましくは100MPa程度以上である。
【0020】
前記第1積層工程では、基準シートブロックに対する第1面側シートブロックの圧着時に、プレス装置からの加圧力が、前記基準シートブロックおよび/または第1面側シートブロックを製造する際に用いられるキャリアフィルムを介して伝達されることが好ましい。
【0021】
前記第2積層工程では、基準シートブロックに対する第2面側シートブロックの圧着時に、プレス装置からの加圧力が、前記基準シートブロックおよび/または第2面側シートブロックを製造する際に用いられるキャリアフィルムを介して伝達されることが好ましい。
【0022】
【作用】
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法では、少なくとも一層の誘電体グリーンシート層を含む基準シートブロックの第1面に、少なくとも一層の誘電体グリーンシート層を含む第1面側シートブロックを積層し、圧力を加えて前記第1面側シートブロックを基準シートブロックに圧着する第1積層工程と、前記第1面側シートブロックが圧着された基準シートブロックの第1面と反対側の第2面に、少なくとも一層の誘電体グリーンシート層を含む第2面側シートブロックを積層し、圧力を加えて前記第2面側シートブロックを基準シートブロックに圧着する第2積層工程とを交互に行うことにより焼成前積層素体を得る。
【0023】
このため、この焼成前積層素体を焼成して得られるチップコンデンサなどの積層セラミック電子部品の電子部品素体の形状に、異方性を生じるおそれが少ない。その結果、この電子部品を基板などにマウントする際の取り扱い性が向上する。
【0024】
また、誘電体層の積層数が増大しても、積層後期部分で積層した誘電体層の両端部が湾曲するおそれは少なく、内部電極の短絡などによるショート不良を生じ難く、不良率が少ない積層セラミック電子部品を得ることができる。
【0025】
積層セラミック電子部品としては、特に限定されないが、積層セラミックコンデンサ、圧電素子、チップインダクタ、チップバリスタ、チップサーミスタ、チップ抵抗、その他の表面実装(SMD)チップ型電子部品が例示される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1(A)は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの一部破断断面図、図1(B)は図1(A)のIB方向から見た平面図、図1(C)は図1(A)のIC方向から見た底面図、
図2、図3(A)および図3(B)は図1に示すコンデンサの製造過程に用いる誘電体グリーンシートの斜視図、
図4はグリーンチップの製造方法の一例を示す工程図、
図5はグリーンチップの製造する際に用いるプレス装置の一例を示す断面図である。
【0027】
本実施形態では、積層セラミック電子部品として、図1に示される積層セラミックコンデンサ2を例示し、その構造および製造方法を順を追って説明する。
【0028】
積層セラミックコンデンサ
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサ2は、コンデンサ素体4と、第1外部電極6と、第2外部電極8とを有する。コンデンサ素体4は、誘電体層10と、第1内部電極層12と、第2内部電極層14とを有し、誘電体層10の間に、第1内部電極層12と第2内部電極層14とが交互に積層してある多層構造を持つ。各第1内部電極層12の一端は、コンデンサ素体4の第1端部4aの外側に形成してある第1外部電極6の内側に対して電気的に接続してあり、各第2内部電極層14の一端は、コンデンサ素体4の第2端部4bの外側に形成してある第2外部電極8の内側に対して電気的に接続してある。
【0029】
誘電体層10は、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよび/またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料で構成でき、本発明では特に限定されない。各誘電体層10の厚みは、本実施形態では30μm以下、好ましくは0.2〜5μm程度である。各誘電体層10の積層数は、本実施形態では通常100層以上、好ましくは200層以上である。
【0030】
内部電極層12および14に含有される導電材は、特に限定されないが、誘電体層10の構成材料が耐還元性を有するため卑金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属としては、ニッケルまたはニッケル合金が好ましい。ニッケル合金としては、マンガン、クロム、コバルトおよびアルミニウムから選択される1種以上の元素とニッケルとの合金が好ましく、合金中のニッケル含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、ニッケルまたはニッケル合金中には、リン、鉄、マグネシウムなどの各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよい。内部電極層12および14の厚さは、用途などに応じて適宜決定すればよいが、通常0.5〜5μm、好ましくは1〜3μm程度である。
【0031】
外部電極6および8の材質も特に限定されないが、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金などが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用することができる。外部電極6および8の厚みも特に限定されないが、通常10〜50μm程度である。
【0032】
積層セラミックコンデンサ2の形状やサイズは、目的や用途に応じて適宜決定すればよく、コンデンサ2が直方体形状の場合は、サイズは、通常0.6〜3.2mm×0.3〜1.6mm×0.1〜1.2mm程度である。
【0033】
特に、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2のコンデンサ素体4は、後述する本発明の積層方法により得られるグリーンチップを用いて製造されるので、その形状に異方性を生じていない。
【0034】
具体的には、コンデンサ素体4の下面44(図1(C)参照)の面積をS2とし、コンデンサ素体4の上面42(図1(B)参照)の面積をS1とした場合に、上面と下面の大きさが異なる割合({(S2−S1)/S2}×100で算出できる。単位は%)を、2%未満、ほとんど0%に近づけることができる。なお、従来では、300層重ねたときの({(S2−S1)/S2}×100)の値は、5%が限界であった。
【0035】
積層セラミックコンデンサの製造方法
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2の製造方法の一例を説明する。
【0036】
(1)まず、誘電体層用ペーストを準備する。誘電体層用ペーストは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練して得られた有機溶剤系ペースト、または水溶性溶剤系ペーストで構成される。
【0037】
誘電体原料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、混合して用いることができる。
【0038】
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものであり、有機ビヒクルに用いられるバインダとしては、特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂などの通常の各種バインダが用いられる。また、有機溶剤も特に限定されず、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエンなどの有機溶剤が用いられる。水溶性溶剤系ペーストに用いられる水溶性溶剤としては、水に水溶性バインダ、分散剤などを溶解させた溶剤が用いられる。水溶系バインダとしては特に限定されず、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、水溶性アクリル樹脂、エマルジョンなどが用いられる。誘電体層用ペースト中の有機ビヒクルの含有量は特に限定されず、通常の含有量、たとえばバインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。
【0039】
なお、誘電体層用ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有してあってもよい。
【0040】
(2)このような構成の誘電体層用ペーストを用いて誘電体グリーンシートを製造する。図2に示されるように、本実施形態では、誘電体グリーンシート10aは、たとえばドクターブレード法により製造することができる。ドクターブレード法では、走行するキャリアフィルム100上に配置されるドクターブレード(図示省略)に対して、前記誘電体層用ペーストを注ぎ込み、ドクターブレードから一定厚さのペーストをキャリアフィルム100上に流出させ、これを乾燥させることにより、キャリアフィルム100上に誘電体グリーンシート10aを得ることができる。誘電体グリーンシート10aの厚さは、通常0.1〜50μm、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは0.5〜8μmである。この程度の厚さの誘電体グリーンシート10aは、後述する焼成により30μm程度以下、さらには0.2〜5μm程度の厚さをもつ誘電体層10となる。誘電体グリーンシート10aの厚さが厚すぎると取得容量が少なくなり、高容量化には適さない一方、あまりに薄すぎると、均一な誘電体層を形成することが困難となり、短絡不良が多発するという問題が生じやすい。
【0041】
本実施形態で用いるキャリアフィルム100の材質は、剥離時の適当な柔軟性と、支持体としての剛性とを持つものであれば特に限定されないが、通常、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルフィルムなどが好ましく用いられる。
【0042】
(3)次に、図3(A)に示されるように、キャリアフィルム100上に形成された誘電体グリーンシート10aの表面に、図1に示す第1内部電極層12となる第1内部電極パターン12aを形成して第1積層体2aを得る。また、図3(B)に示されるように、キャリアフィルム100上に形成してある別の誘電体グリーンシート10bの表面に、図1に示す第2内部電極層14となる第2内部電極パターン14aを形成して第2積層体2bを得る。
【0043】
内部電極パターン12aおよび14aの厚さは、通常0.5〜5μm、好ましくは0.5〜3.5μmである。内部電極パターンの厚さが厚すぎると、積層数を減少せざるをえなくなり取得容量が少なくなり、高容量化しにくく、さらに積層に際して内部電極パターンを印刷した部分と、印刷してないマージン部分との段差が大きくなりすぎ、短絡不良が生じやすくなる。一方、厚みが薄すぎると均一に形成することが困難であり、電極途切れが発生しやすくなる。
【0044】
内部電極パターン12aおよび14aの面積は、誘電体グリーンシート10aの面積の10%以上、好ましくは30%以上であり、通常90%以下である。面積が狭すぎる場合は、取得容量が少なくなり、薄層化する意味が無くなる。
【0045】
内部電極パターン12aおよび14aを形成するには、内部電極用ペーストを準備する。内部電極用ペーストは、上述した各種導電性金属や合金からなる導電材料あるいは焼成後に上述した導電材料となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネートなどと、上述した有機ビヒクルとを混練して調製される。内部電極用ペースト中の有機ビヒクルの含有量は、特に限定されず、通常の含有量、たとえば、バインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよく、また、内部電極用ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体などから選択される添加物が含有してあってもよい。
【0046】
内部電極パターン12aおよび14aの形成方法は、このような層を均一に形成できる方法であれば特に限定されないが、印刷法や転写法であってもよいが、スクリーン印刷法が好ましく用いられる。
【0047】
(4)次に、内部電極パターン12aが形成された誘電体グリーンシート10aと、内部電極パターン14aが形成された誘電体グリーンシート10bとを、必要に応じて何らパターンが形成されていない誘電体グリーンシート10aと共に複数枚積層し、切断線16に沿って切断することでグリーンチップを得る。
【0048】
プレス積層装置
本実施形態における積層には、たとえば図5(A)に示されるような構造のプレス装置30を用いることができる。プレス装置30は、上下動自在な押し型としての上型32aと、受け型としての下型32bとを有し、駆動源(図示省略)により上型32aが下型32bに向けて押圧されることにより、上型32aと下型32bとの間をプレス可能としてある。上下型32a,32bには、吸引孔322a,322bがそれぞれ形成してあり、上下型32a,32bの外部から、真空吸引装置などの吸引手段(図示省略)によりそれぞれの型内面を吸引可能としてある。上下型32a,32bの少なくともいずれかには、型内面を加熱するためのヒータなどの加熱手段(図示省略)が設けてあってもよい。
【0049】
積層方法
プレス装置30を用いた積層方法の一例としては、たとえば次に示す方法が挙げられる。
【0050】
図4(A)に示されるように、まず、何らパターンが形成されていない誘電体グリーンシート(基準シート)10aが形成されたキャリアフィルム100を、そのキャリアフィルム100側が、図5(A)に示される下型32bの型内面32dに接触するように配置する。
【0051】
次いで、図4(B)に示されるように、第1積層体(第1面側シートブロック)2aの第1内部電極パターン12aを、基準シート10aの表面(第1面)102aに積層した後、図5(A)に示される上型32aを、下型32bに向けて下降させることにより圧力を加えて、第1積層体2aを基準シートに圧着させる。プレス装置30から加えられた圧力は、基準シート10aの裏面(第2面)102bに形成されるキャリアフィルム100、および第1積層体2aのキャリアフィルム100を介して、それぞれ伝達される。
【0052】
次いで、図4(C)に示されるように、基準シート10a側のキャリアフィルム100を剥離し、基準シート10aの裏面102bを露出させる。
【0053】
次いで、図5(B)に示されるように、プレス装置30の上型32aの型内面32cを、吸引孔322aを通じて吸引手段(図示省略)で吸引することにより、上型32aの型内面32cに基準シート10aを吸着させるとともに、上型32aを上方向に引き上げる。
【0054】
次いで、図4(D)に示されるように、第2積層体(第2面側シート)2bの第2内部電極パターン14aを、基準シート10aの裏面102bに積層した後、図5(A)に示される上型32aを、下型32bに向けて下降させることにより圧力を加えて、第2積層体2bを基準シート10aに圧着させる。プレス装置30から加えられた圧力は、基準シート10aの表面102a側に積層されている第1積層体2aのキャリアフィルム100、および第2積層体2bのキャリアフィルム100を介して、それぞれ伝達される。
【0055】
次いで、図4(E)に示されるように、基準シート10aの表面102a側のキャリアフィルム100を剥離し、基準シート10aの表面102a側に積層された誘電体グリーンシート10aを露出させる。
【0056】
次いで、図5(C)に示されるように、プレス装置30の下型32bの型内面32dを、吸引孔322bを通じて吸引手段(図示省略)で吸引することにより、下型32bの型内面32dに基準シート10aを吸着させるとともに、上型32aを上方向に引き上げる。
【0057】
次いで、図4(F)に示されるように、第2積層体(第1面側シートブロック)2bの第2内部電極パターン14aを、基準シート10aの表面102a側の誘電体グリーンシート10aに積層した後、図5(A)に示される上型32aを、下型32bに向けて下降させることにより圧力を加えて、第2積層体2bを誘電体グリーンシート10aに圧着させる。プレス装置30から加えられた圧力は、基準シート10aの裏面102b側に積層されている第2積層体2bのキャリアフィルム100、および基準シート10aの表面102a側に積層されている第2積層体2bのキャリアフィルム100を介して、それぞれ伝達される。
【0058】
次いで、図4(G)に示されるように、基準シート10aの裏面102b側のキャリアフィルム100を剥離し、基準シート10aの裏面102b側に積層された誘電体グリーンシート10bを露出させる。
【0059】
次いで、図5(B)に示されるように、プレス装置30の上型32aの型内面32cを、吸引孔322aを通じて吸引手段(図示省略)で吸引することにより、上型32aの型内面32cに基準シート10aを吸着させるとともに、上型32aを上方向に引き上げる。
【0060】
次いで、図4(H)に示されるように、第1積層体(第2面側シート)2aの第1内部電極パターン12aを、基準シート10aの裏面102b側の誘電体グリーンシート10bに積層した後、図5(A)に示される上型32aを、下型32bに向けて下降させることにより圧力を加えて、第1積層体2aを誘電体グリーンシート10bに圧着させる。プレス装置30から加えられた圧力は、基準シート10aの表面102a側に積層されている第2積層体2bのキャリアフィルム100、および基準シート10aの裏面102b側に積層されている第1積層体2aのキャリアフィルム100を介して、それぞれ伝達される。
【0061】
次いで、図4(I)に示されるように、基準シート10aの表面102a側のキャリアフィルム100を剥離し、基準シート10aの表面102a側に積層された誘電体グリーンシート10bを露出させる。
【0062】
次いで、図5(C)に示されるように、プレス装置30の下型32bの型内面32dを、吸引孔322bを通じて吸引手段(図示省略)で吸引することにより、下型32bの型内面32dに基準シート10aを吸着させるとともに、上型32aを上方向に引き上げる。
【0063】
次いで、図4(J)に示されるように、第1積層体(第1面側シートブロック)2aの第1内部電極パターン12aを、基準シート10aの表面102a側の誘電体グリーンシート10bに積層した後、図5(A)に示される上型32aを、下型32bに向けて下降させることにより圧力を加えて、第1積層体2aを誘電体グリーンシート10bに圧着させる。プレス装置30から加えられた圧力は、基準シート10aの裏面102b側に積層されている第1積層体2aのキャリアフィルム100、および基準シート10aの表面102a側に積層されている第1積層体2aのキャリアフィルム100を介して、それぞれ伝達される(以降、図示省略)。
【0064】
次いで、基準シート10aの裏面102b側のキャリアフィルム100を剥離し、基準シート10aの裏面102b側に積層された誘電体グリーンシート10bを露出させる。
【0065】
このように、本実施形態では、何らパターンが形成されていない誘電体グリーンシート10aを基準シートとし、この基準シート10aの表面102aに第1積層体2aを積層し、次いで、基準シート10aの裏面102bに第2積層体2bを積層し、次いで、表面102a側に第2積層体2bを積層し、次いで、裏面102b側に第1積層体2aを積層し、これらを繰り返すことにより、グリーンチップを製造する。
すなわち、本実施形態では、基準シート10aの一方の面(たとえば表面102a)側に内部電極を印刷した1層の誘電体グリーンシート層を積層し、他方の面(たとえば裏面102b)側に内部電極を印刷した1層の誘電体グリーンシート層を積層し、一方の面側に内部電極を印刷した1層の誘電体グリーンシート層を積層し、他方の面(たとえば裏面102b)側に内部電極を印刷した1層の誘電体グリーンシート層を積層し、これを繰り返すことによりグリーンチップを製造する。
【0066】
本発明では、基準シート10aの一方の面側に一度に積層する誘電体グリーンシート層の数は、特に限定されないが、2〜50層毎に積層方向を切り替えることが好ましい。
すなわち、基準シート10aの一方の面(たとえば表面102a)側に、2〜50層の誘電体グリーンシート層を持つように内部電極を印刷したグリーンシートを積層していき、次いで、基準シート10aの他方の面(たとえば裏面102b)側に、2〜50層の誘電体グリーンシート層を持つように内部電極を印刷したグリーンシートを積層していき、これを繰り返すことによりグリーンチップを製造することが好ましい。基準シート10aの一方の面側に、一度に積層する誘電体グリーンシート層の数があまりに多くなりすぎると、従来と同様の問題を生じる。
【0067】
基準シート10aに対する誘電体グリーンシート層の圧着時の加圧力は、50MPa以下が好ましく、より好ましくは20MPa以下、さらに好ましくは10MPa以下である。誘電体グリーンシート層の圧着時の加圧力が高すぎると、積層数が増えるに連れて中心部分に圧力が繰り返し作用することになり、グリーンチップの中心部分におけるシートが極端に薄くなるおそれがある。すなわち、誘電体グリーンシート層を基準シート10aに圧着するに際し、比較的低めの圧力で加圧しておき、必要数の積層が終了した後にたとえば100MPa程度以上の強い圧力でプレスすることにより、中心部分における内部電極パターンが破壊するおそれが少なく、しかもその部分のシートが極端に薄くなるおそれも少なく、完全にグリーンチップの積層が可能となる。
【0068】
基準シート10aに対する誘電体グリーンシート層の圧着時の加圧力が、好ましくは50MPa以下、より好ましくは20MPa以下、さらに好ましくは10MPa以下であれば、その積層数が少ない積層初期段階から、積層数が多い積層終期段階までの間、一定であってもよく、あるいは適宜変化させてもよい。
【0069】
本発明の方法に従えば、グリーンチップの形状を異方化させることなく容易に多数積層することが可能であり、誘電体グリーンシート層の総積層数が通常100層以上、好ましくは200層以上のグリーンチップを得ることができる。
なお、従来では、基準シート10aの一方の面(たとえば表面102a)側のみに、一度に積層する誘電体グリーンシート層の数があまりに多くなりすぎ、このグリーンチップを焼成して得られるコンデンサ素体4(図1参照)の形状に異方性を生じる傾向があった。コンデンサ素体4の形状に異方性が生じると、このコンデンサ素体4を持つ積層セラミックコンデンサ2(図1参照)を基板などにマウントする際の取り扱い性が悪くなる。また、誘電体グリーンシート層の積層数が増大するに連れて、積層後期部分で積層した誘電体グリーンシート層の両端部が湾曲するおそれがあり、内部電極の短絡などによるショート不良を生じ易く、不良率が増大する傾向にあった。
【0070】
(5)次に、グリーンチップを、脱バインダ処理および焼成する。
【0071】
脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよいが、特に内部電極層の導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合には、空気雰囲気において、昇温速度を5〜300℃/時間、より好ましくは10〜100℃/時間、保持温度を180〜400℃、より好ましくは200〜300℃、温度保持時間を0.5〜24時間、より好ましくは5〜20時間とする。
【0072】
グリーンチップの焼成雰囲気は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定すればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合には、焼成雰囲気の酸素分圧を好ましくは10−10 〜10−3Paとし、より好ましくは10−10 〜6×10−5Paとする。焼成時の酸素分圧が低すぎると内部電極の導電材が異常焼結を起こして途切れてしまい、酸素分圧が高すぎると内部電極が酸化されるおそれがある。
【0073】
焼成の保持温度は、1000〜1400℃、より好ましくは1200〜1380℃である。保持温度が低すぎると緻密化が不充分となり、保持温度が高すぎると内部電極の異常焼結による電極の途切れまたは内部電極材質の拡散により容量温度特性が悪化するからである。
【0074】
これ以外の焼成条件としては、昇温速度を50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間、温度保持時間を0.5〜8時間、より好ましくは1〜3時間、冷却速度を50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間とし、焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが望ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを加湿して用いることが望ましい。
【0075】
還元性雰囲気で焼成した場合は、コンデンサチップの焼結体にアニール(熱処理)を施すことが望ましい。
【0076】
アニールは誘電体層を再酸化するための処理であり、これにより絶縁抵抗を増加させることができる。アニール雰囲気の酸素分圧は、好ましくは10−4Pa以上、より好ましくは10−1〜10Paである。酸素分圧が低すぎると誘電体層2の再酸化が困難となり、酸素分圧が高すぎると内部電極層3が酸化されるおそれがある。
【0077】
アニールの際の保持温度は、好ましくは500〜1100℃であるが、特に限定されない。保持温度が低すぎると誘電体層の再酸化が不充分となって絶縁抵抗が悪化し、その加速寿命も短くなる傾向がある。また、保持温度が高すぎると内部電極が酸化されて容量が低下するだけでなく、誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性、絶縁抵抗およびその加速寿命が悪化する傾向がある。なお、アニールは昇温行程および降温行程のみから構成することもできる。この場合には、温度保持時間はゼロであり、保持温度は最高温度と同義である。
【0078】
これ以外のアニール条件としては、温度保持時間を0〜20時間、より好ましくは6〜10時間、冷却速度を50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とし、アニールの雰囲気ガスとしては、たとえば、窒素ガスを加湿して用いることが望ましい。
【0079】
なお、上述した焼成と同様に、前記脱バインダ処理およびアニール工程において、窒素ガスや混合ガスを加湿するためには、たとえばウェッター等を用いることができ、この場合の水温は0〜75℃とすることが望ましい。
【0080】
また、これら脱バインダ処理、焼成およびアニールは連続して行っても互いに独立して行っても良い。これらを連続して行う場合には、脱バインダ処理ののち冷却することなく雰囲気を変更し、続いて焼成の際の保持温度まで昇温して焼成を行い、続いて冷却してアニールの保持温度に達したら雰囲気を変更してアニール処理を行うことがより好ましい。一方、これらを独立して行う場合には、焼成に関しては脱バインダ処理時の保持温度まで窒素ガスあるいは加湿した窒素ガス雰囲気下で昇温したのち、雰囲気を変更してさらに昇温を続けることが好ましく、アニールの保持温度まで冷却したのちは、再び窒素ガスまたは加湿した窒素ガス雰囲気に変更して冷却を続けることが好ましい。また、アニールに関しては窒素ガス雰囲気下で保持温度まで昇温したのち雰囲気を変更しても良く、アニールの全工程を加湿した窒素ガス雰囲気としても良い。
【0081】
(6)以上のようにして得られたコンデンサ焼成体に、たとえば、バレル研磨やサンドブラストにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを印刷または転写して焼成し、外部電極6および8を形成する。
【0082】
外部電極用ペーストは、内部電極用ペーストと同様に、上述した各種導電性金属や合金からなる導電材料あるいは焼成後に上述した導電材料となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上述した有機ビヒクルとを混練して調製される。外部電極用ペーストの焼成条件は、たとえば、加湿した窒素ガスと水素ガスとの混合ガス中で600〜800℃にて10分〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じて外部電極6および8の表面にメッキ等により被覆層(パッド層)を形成する。
【0083】
このようにして製造された本実施形態の積層セラミックコンデンサ2は、はんだ付け等によってプリント基板上に実装され、各種電子機器に用いられる。
【0084】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0085】
たとえば、上述した実施形態では、グリーンチップを製造するに際して、図5(A)に示すプレス装置30を用いて、吸引孔322aを通じた第1吸引、および吸引孔322bを通じた第2吸引を交互に行い、基準シート10aの表面102aと裏面102bとに交互に積層する例を示したが、基準シート10aの表面102aに積層した後、これを反転させ、基準シート10aの裏面102bに積層し、これを繰り返し行ってグリーンチップを製造することとしてもよい。
【0086】
また、上述した実施形態では、本発明に係る積層セラミック電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係る積層セラミック電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、誘電体層と内部電極とが交互に積層してある素体を有するものであれば何でも良い。
【0087】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。
【0088】
実施例1
下記の各ペーストを調製した。
【0089】
誘電体層用ペースト
粒径0.1〜1μmのBaTiO、(MgCO・Mg(OH)・5HO、MnCO、BaCO、CaCO、SiO、Y等の粉末を、焼成により、BaTiOとして100モル%、MgOに換算して2モル%、MnOに換算して0.2モル%、BaOに換算して3モル%、CaOに換算して3モル%、SiOに換算して6モル%、Yとして2モル%の組成となるように混合し、ボールミルにより16時間湿式混合し、次いで、スプレードライヤーで乾燥させて誘電体原料とした。この誘電体原料100重量部と、アクリル樹脂4.8重量部、塩化メチレン40重量部、トリクロロエタン20重量部、ミネラルスピリット6重量部およびアセトン4重量部とをボールミルで混合してペースト化した。
【0090】
内部電極層用ペースト
平均粒径0.8μmのNi粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)40重量部およびブチルカルビトール10重量部とを3本ロールにより混練し、ペースト化した。
【0091】
外部電極用ペースト
平均粒径0.5μmのCu粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)35重量部およびブチルカルビトール7重量部とを混練し、ペースト化した。
【0092】
基準シート、第1積層体および第2積層体の作製
上記誘電体層用ペーストを用い、キャリアフィルム上にドクターブレード法により厚さ6μmの誘電体グリーンシート層を形成し、基準シートしての誘電体グリーンシート(たとえば図4(A)における基準シート10aに相当)を得た。上記誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを用い、キャリアフィルム上にドクターブレード法により厚さ6μmの誘電体グリーンシート層を形成し、この上に厚さ3μmの内部電極ペースト層を印刷して第1積層体(たとえば図4(B)における第1積層体2aに相当)、および第2積層体(たとえば図4(D)における第2積層体2bに相当)をそれぞれ複数枚得た。
【0093】
グリーンチップの作製
このようにして得られた基準シート、第1積層体および第2積層体を用い、以下のようにしてグリーンチップを得た。
【0094】
まず、第1積層体の内部電極パターンを基準シートの表面に積層し、これを10MPaの圧力で加圧した後、基準シート側のキャリアフィルムを剥離した。
【0095】
次いで、第2積層体の内部電極パターンを基準シートの裏面に積層し、これを10MPaの圧力で加圧した後、基準シートの表面側のキャリアフィルムを剥離した。
【0096】
次いで、第2積層体の内部電極パターンを基準シートの表面側の誘電体グリーンシート層に積層し、これを10MPaの圧力で加圧した後、基準シートの裏面側のキャリアフィルムを剥離した。
【0097】
次いで、第1積層体の内部電極パターンを基準シートの裏面側の誘電体グリーンシート層に積層し、これを10MPaの圧力で加圧した後、基準シートの表面側のキャリアフィルムを剥離した。
【0098】
このように本実施例では、基準シートの表面側に1層の誘電体グリーンシート層を積層した後、裏面側に1層の誘電体グリーンシート層を積層し、これを繰り返し、最後に200MPaの圧力で加圧することにより、誘電体グリーンシート層と内部電極パターンとが交互に積層してあり、300層の誘電体グリーンシート層を持つ多層交互構造であるグリーンチップを得た。
【0099】
得られたグリーンチップを常法に従って切断、脱バインダ処理後、還元雰囲気中で1240℃、2時間焼成を行った。焼成後、再酸化を目的としてアニール処理を行い、コンデンサ素体を得た。
【0100】
得られたコンデンサ素体の端面をサンドブラストにて研磨した後、上記外部電極用ペーストを前記端面に転写し、N+H雰囲気中で800℃にて10分間焼成して外部電極を形成し、積層セラミックチップコンデンサ試料を得た。
【0101】
得られた試料は、誘電体層の積層数が300層で、誘電体層の1層あたりの厚さが4μm、内部電極層の厚さが2μmで、サイズは、3.2mm×1.6mm×1.5mmであった。
【0102】
得られたコンデンサ試料を用い、ショート不良率と形状異方性の評価を行った。
【0103】
ショート不良率
ショート不良率は、100個のコンデンサ試料を用い、テスターで導通チェックを行った。
【0104】
そして、得られた抵抗値が1Ω以下のものをショート不良として、その不良個数を求め、全体個数に対するパーセンテージ(%)を算出した。その結果、本実施例では、ショート不良率は0%であった。
【0105】
形状異方性
形状異方性は、20個の積層後のグリーンチップ積層体(積層ブロック)を用い、試料の上面と下面の面積をそれぞれ求め、{(S2−S1)/S2}×100の式により、上面と下面の大きさが異なる割合(%)を算出してその平均を求めた。そして、その値が5%未満である場合を「○」、5%以上10%未満である場合を「△」、10%以上である場合を「×」とした。その結果、本実施例では、「○」であった。すなわち、形状異方性は認められなかった。
【0106】
実施例2
基準シートの表面側に10層の誘電体グリーンシート層を積層した後、裏面側に10層の誘電体グリーンシート層を積層し、これを繰り返すことにより、誘電体グリーンシート層と内部電極パターンとが交互に積層してあり、300層の誘電体グリーンシート層を持つ多層交互構造であるグリーンチップを得た。これ以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ試料を得た。
【0107】
このコンデンサ試料を用い、ショート不良率と形状異方性の評価を行った。
その結果、ショート不良率は3%であった。また、形状異方性は「○」であった。
【0108】
実施例3
基準シートの表面側に50層の誘電体グリーンシート層を積層した後、裏面側に50層の誘電体グリーンシート層を積層し、これを繰り返すことにより、誘電体グリーンシート層と内部電極パターンとが交互に積層してあり、300層の誘電体グリーンシート層を持つ多層交互構造であるグリーンチップを得た。これ以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ試料を得た。
【0109】
このコンデンサ試料を用い、ショート不良率と形状異方性の評価を行った。
その結果、ショート不良率は22%であった。また、形状異方性は「○」であった。
【0110】
参考例1
基準シートの表面側に100層の誘電体グリーンシート層を積層した後、裏面側に100層の誘電体グリーンシート層を積層し、次いで、基準シートの表面側に100層の誘電体グリーンシート層を積層することにより、誘電体グリーンシート層と内部電極パターンとが交互に積層してあり、300層の誘電体グリーンシート層を持つ多層交互構造であるグリーンチップを得た。圧着時の加圧力は、いずれも100MPaであった。これ以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ試料を得た。
【0111】
このコンデンサ試料を用い、ショート不良率と形状異方性の評価を行った。
その結果、ショート不良率は57%であり、形状異方性は「△」であった。
実施例1〜3と参考例1とを比較することで、交互に積層する場合には、50層以下が好ましいことが確認できた。
【0112】
比較例1
基準シートの表面側にのみ、300層の誘電体グリーンシート層を積層することにより、誘電体グリーンシート層と内部電極パターンとが交互に積層してあり、300層の誘電体グリーンシート層を持つ多層交互構造であるグリーンチップを得た。300層積層後、100MPaでの加圧力で、一度に圧着を行った。これ以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ試料を得た。
【0113】
このコンデンサ試料を用い、ショート不良率と形状異方性の評価を行った。
その結果、ショート不良率は98%であり、不良個数が極めて多く、実施例1〜3の優位性が確認できた。また、形状異方性は「×」であった。この点でも実施例1〜3の優位性が確認できた。
これらの結果を、併せて表1に示す。
【0114】
【表1】
Figure 0003954792
【0115】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、誘電体層の薄層化および多層化が進んでも、内部電極の短絡などによる不良率を低減でき、しかも各種基板などにマウントする際の作業性や取り扱い性に優れる形状を有する積層セラミック電子部品を製造する方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの一部破断断面図、図1(B)は図1(A)のIB方向から見た平面図、図1(C)は図1(A)のIC方向から見た底面図である。
【図2】 図2は図1に示すコンデンサの製造過程に用いる誘電体グリーンシートの斜視図である。
【図3】 図3(A)および図3(B)は図1に示すコンデンサの製造過程に用いる誘電体グリーンシートの斜視図である。
【図4】 図4はグリーンチップの製造方法の一例を示す工程図である。
【図5】 図5はグリーンチップの製造する際に用いるプレス装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2… 積層セラミックコンデンサ(積層セラミック電子部品)
2a… 第1積層体(第1面側シートブロック)
2b… 第2積層体(第2面側シートブロック)
4… コンデンサ素体
42… 上面
44… 下面
6… 第1外部電極
8… 第2外部電極
10… 誘電体層
10a… 誘電体グリーンシート(基準シートブロック)
10b… 誘電体グリーンシート
100… キャリアフィルム
12… 第1内部電極層
12a… 第1内部電極パターン
14… 第2内部電極層
14a… 第2内部電極パターン
16… 切断線
30… プレス装置
32a… 上型
32b… 下型
322a,322b… 吸引孔

Claims (7)

  1. 少なくとも一層の誘電体グリーンシート層を含む基準シートブロックの第1面に、少なくとも一層の誘電体グリーンシート層を含む第1面側シートブロックを積層し、圧力を加えて前記第1面側シートブロックを基準シートブロックに圧着する第1積層工程と、
    前記第1面側シートブロックが圧着された基準シートブロックの第1面と反対側の第2面に、少なくとも一層の誘電体グリーンシート層を含む第2面側シートブロックを積層し、圧力を加えて前記第2面側シートブロックを基準シートブロックに圧着する第2積層工程と、
    前記第1積層工程および第2積層工程を交互に繰り返すことにより得られる焼成前積層素体に、さらに圧力を加える工程とを有し、
    前記基準シートブロックに対する、前記第1面側シートブロックおよび第2面側シートブロックの圧着時の加圧力が、50MPa以下であり、
    前記基準シートブロックを反転させることにより、前記第1積層工程および前記第2積層工程を交互に繰り返すことを特徴とすることを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記基準シートブロック、第1面側シートブロックおよび第2面側シートブロックの少なくとも何れか1つには、内部電極ペースト層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記基準シートブロック、第1面側シートブロックおよび第2面側シートブロックの少なくとも何れか1つには、内部電極ペースト層を介して、2〜50層の誘電体グリーンシート層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記第1積層工程では、基準シートブロックに対する第1面側シートブロックの圧着時に、プレス装置からの加圧力が、前記基準シートブロックおよび/または第1面側シートブロックを製造する際に用いられるキャリアフィルムを介して伝達されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 前記第2積層工程では、基準シートブロックに対する第2面側シートブロックの圧着時に、プレス装置からの加圧力が、前記基準シートブロックおよび/または第2面側シートブロックを製造する際に用いられるキャリアフィルムを介して伝達されることを特徴とする請求項4に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 前記第1積層工程および前記第2積層工程を交互に繰り返し、前記基準シートブロックの両側にグリーンシートを積層させる請求項1〜5のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  7. 前記第1積層工程では、前記基準シートブロックの前記第2面側をプレス装置の受け型としての下型に吸着させ、前記基準シートブロックの前記第1面に前記第1面側シートブロックを積層し、前記プレス装置の押し型としての上型と前記下型を用いて前記第1面側シートブロックを前記基準シートブロックに圧着し、
    前記第2積層工程では、前記基準シートブロックの第1面側を前記上型に吸着させ、前記基準シートブロックの前記第2面に前記第2面側シートブロックを積層し、前記上型と前記下型を用いて前記第2面側シートブロックを前記基準シートブロックに圧着することを特徴とする請求項1〜6に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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