JP3561046B2 - オフセット印刷インキ組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオフセット印刷における水幅(適正な湿し水供給量の幅)等の印刷条件の許容範囲を広くして印刷適性を改善し、高精細な印刷物を得るためのオフセット印刷インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
オフセット印刷において、オフセット印刷インキ組成物は湿し水と共に版面へ供給される。版面上の画線部と非画線部は湿し水に対する反発力が異なるため、オフセット印刷インキ組成物の着肉性に差が生じて画像が形成される。オフセット印刷インキ組成物が適正な乳化状態にない場合、非画線部にもオフセット印刷インキ組成物が付着するために紙面が汚れたり、画線部の着肉不良から画像濃度が低下するなどの弊害が現れる。これ以外にも、乳化適性不良はパイリング、ローラースリップ、ミスチング等のトラブルを起こす原因となる。このような印刷トラブルを起こすことなく高精彩な印刷物を得るには、オフセット印刷インキ組成物の湿し水による乳化状態を微妙なバランスで制御する技術が要求される。一方、近年の印刷速度の高速化により、ブランケット胴上や版面上で乳化インキが受けるせん断応力は非常に高くなってきた。しかし、同じ印刷機上でもインキ溜めの中などでの応力は低い。オフセット印刷インキ組成物の乳化状態はせん断応力の強さによっても影響されるため、応力がこのように様々なレベルに変化する印刷機上の各部分で乳化状態を動的に適正値とすることがますます困難になっている。
【0003】
これに対処するため従来法より、ロジンのアルキレンオキシド付加物を用いる(特開平6−234950号公報)、炭素原子の総数が4以上である未置換又は置換されたアルキレンオキサイド単位を有し、平均分子量が400以上の化合物を用いる(特開平1−95173号公報)、アルキレンオキシド単位を有し、HLB値が3〜13の化合物を用いる(特開昭61−138677号公報)等の方法により乳化調整を行う方法が開示されている。しかしながら、これら方法はある程度の効果を示すものの、せん断応力の幅広い変化には対応できていないのが現状である。前述したように、オフセット印刷インキ組成物の乳化は印刷機の各部分で、抑制が必要であったり、あるいは逆に促進が必要であったりする。しかし、従来の方法では版面上でのオフセット印刷インキ組成物の乳化率を抑制するために添加した材料によりインキ溜め中でオフセット印刷インキ組成物と湿し水が分離したり、あるいは逆にインキ溜内での乳化を補助する材料が版面上のオフセット印刷インキ組成物の乳化を必要以上に促進するなどの問題がしばしば発生している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようにオフセット印刷の分野では双方を同時に満足する材料、技術が切望されている。
【0005】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、オフセット印刷インキ組成物の乳化適性(オフセット印刷インキ組成物の印刷機上乳化に関して相反する要求、すなわちインキに高いせん断応力の加わる版面等の上では乳化を抑制するにもかかわらず、応力の低いインキ溜め内では湿し水が分離しないように乳化が維持されるようにする)を改善し、水幅等の印刷条件の許容範囲を広くして印刷適性を向上させ、印刷面の汚れや印刷トラブルの軽減を図ることができるオフセット印刷インキ組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ダイマージオールをオフセット印刷インキ組成物に含有させる方法が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、オフセット印刷インキ組成物中に、ダイマージオールが0.01〜10重量%の範囲で含まれることを特徴とするオフセット印刷インキ組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるダイマージオールとは不飽和高級脂肪酸の二量体である、いわゆるダイマー酸を還元して得ることができものを意味する。前記不飽和高級脂肪酸としては主に炭素数16〜20の成分からなるものがあげられる。中でも好ましい不飽和高級脂肪酸は炭素数18のものであり、これから得られる炭素数36の成分を主成分とするダイマージオールを好適に用いることができる。熱重合の反応条件にも依るが、これらは種々の構造の混合物であり、若干の例を挙げれば、
【0009】
【化1】
Figure 0003561046
【0010】
で表されるように脂環構造を持つものや持たないものがある。本発明ではこれらのいずれも使用することができ、またこれらの混合物でもよい。
【0011】
本発明におけるダイマージオールの使用量はオフセット印刷インキ組成物中に、0.01〜10重量%、好ましくは、印刷適性やコスト面より0.05〜2重量%の範囲であることが望ましい。ダイマージオールの使用量が前記範囲未満では所期の効果を充分に得ることができない。一方前記範囲を超えても、効果のさらなる向上はみられず、不必要なコストアップになる。ただし、ダイマージオールの添加効果はオフセット印刷インキ組成物中に使用される、樹脂、顔料、溶剤や他の添加剤、あるいは印刷条件等によっても変化するものであり、各々の場合において最適量を定めるのが好ましい。
【0012】
本発明に係わるダイマージオールを配合するためのオフセット印刷インキ組成物は、各種アルキッド樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリエステル樹脂、又はこれらの変性物等の公知のバインダー樹脂、アマニ油、桐油、大豆油等の植物油、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、芳香族炭化水素、ナフテン又はこれらの混合物等の溶剤に、有機もしくは無機顔料等の顔料を分散させた物であり、必要に応じて、顔料分散剤、ドライヤー、ゲル化剤、乾燥遅延剤、酸化防止剤等の添加剤も適宜含有していてもよい。
【0013】
本発明に係わるダイマージオールのオフセット印刷インキ組成物への添加方法に特に制限はなく、ワニス製造時に混合して用いる方法、オフセット印刷インキベース製造時に混合して用いる方法、あるいはベースからオフセット印刷インキ組成物を製造する際に添加する方法のいずれでも行うことができる。ただし、オフセット印刷インキベースを調製する際にケーキ中の水を油性ビヒクルと置換する、いわゆるフラッシングを行う場合は、かかる操作の後にダイマージオールを加えることが好ましい。
【0014】
本発明のオフセット印刷インキ組成物における各成分の好ましい範囲を示す。
【0015】
Figure 0003561046
本発明に係わるダイマージオールを添加したオフセット印刷インキ組成物を用いることによって、印刷時に版面に供給される湿し水量の変化幅が広い場合でも紙面汚れの少ない印刷物を得ることができる。この機構については必ずしも明らかでないが、高いせん断応力の加わる版面等の上では乳化を抑制するにもかかわらず、インキ溜め内では湿し水が分離しないように乳化を維持する効果が認められており、ダイマージオールが高分子量界面活性剤として特異な作用を持つことによると考えられる。
【0016】
【実施例】
以下本発明を実施例により説明するが、その主旨と適用範囲を逸脱しない限り、これらの実施例によって本発明が限定されるものではない。なお、下記において、「部」は重量部を示す。
【0017】
[オフセット印刷インキ用ワニスの製造]
コンデンサー、温度計、及び撹拌機を装着した四つ口フラスコにアマニ油を40部、ロジン変性フェノール樹脂(日立化成ポリマー(株)製、テスポール1365)を186部、及びAF−7号ソルベント(日本石油化学(株)製)174部を仕込み、190℃まで昇温した後、同温度で60分間撹拌してオフセット印刷インキ用ワニスを得た。
【0018】
[オフセット印刷インキ組成物の製造]
オフセット印刷インキ用ワニス73部に、紅顔料(カーミン6B、住化カラー(株)製)17部、ポリエチレン系ワックスコンパウンド(シャムロック社製)3部、及びAF−7号ソルベント7部を加え、3本ロールにて練肉を行い、オフセット印刷インキ用組成物を得た。
【0019】
実施例1〜6
前記オフセット印刷インキ用のインキベースに表1の配合割合となるようにダイマージオール(東亞合成(株)製、HP−1000)を添加して混合した後、再度3本ロールにて練肉を行い、実施例1〜6のオフセット印刷インキ組成物を得た。
【0020】
比較例1
前記インキベースにダイマージオールを添加しないでそのままオフセット印刷インキ組成物として用いた。
【0021】
比較例2および3
前記オフセット印刷インキ用のインキベースに表1の配合割合となるようにヘキサメチレングリコール(比較例2)、または1,4−ジメチロールシクロヘキサンのプロピレンオキサイド6モル付加物を添加して混合した後、再度3本ロールにて練肉を行い、比較例2、比較例3のオフセット印刷インキ組成物を得た。
【0022】
【表1】
Figure 0003561046
【0023】
[性能評価試験]
前記実施例1〜6および比較例1〜3のオフセット印刷インキ組成物の性能評価結果を表2に示す。印刷適性は三菱重工業(株)製のオフセット印刷機で実際に印刷して調べた。この印刷機ではスミス・ダンプナーと呼ばれる装置で湿し水を供給し、ここにかかる電圧を変えることにより、比例して供給水量が変わる機構になっている。標準の供給水量(電圧60V)に対してこの電圧を−10V(供給水量減)、及び+10V(供給水量増)変化させたときの印刷紙面の汚れを調べた。なお、湿し水としては添加剤としてSLH(サカタインクス(株)製)を含むものを使用した。紙面に汚れ、水跡等の無い状態を3、非画線部の汚れや濃度むら、或いは水跡等が現れた状態を1、その中間を2で表した。
【0024】
【表2】
Figure 0003561046
【0025】
実施例1〜6に見られるように、ダイマージオールを含有させることによって、紙面汚れの少ない印刷物を得ることができる供給水量の幅が広がった。これに対して比較例1〜3では水幅が狭く、紙面は汚れやすいものであった。実施例1〜6ではインキ溜め内での湿し水の分離は認められなかった。
【0026】
【発明の効果】
前述のごとく、オフセット印刷においてダイマージオールを添加したオフセット印刷インキ組成物を用いることにより、高いせん断応力の加わる版面上では乳化を抑制しながら、応力の低いインキ溜め内では湿し水が分離しないように乳化を維持することが可能となった。その結果、インキの印刷機上での乳化適性が改善されて水幅等の印刷条件の許容範囲が広くなり、印刷適性が向上し、印刷面の汚れや印刷トラブルを軽減することができた。

Claims (1)

  1. オフセット印刷インキ組成物中に、ダイマージオールが0.01〜10重量%の範囲で含まれることを特徴とするオフセット印刷インキ組成物。
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