JP3386275B2 - 平版印刷用インキ組成物 - Google Patents
平版印刷用インキ組成物Info
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Description
物に関し、さらに詳しくは、インキの諸特性を低下させ
ずに、地汚れ適性が大幅に向上された平版印刷用インキ
組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】平版印刷の原理は、水に湿潤されやすい
非画像部(親水性部)と水に湿潤されにくい画像部(親
油性部)とから構成された版を使用し、ついで、印刷時
に非画像部を湿し水で選択的に湿潤させることにより非
画像部と画像部との界面化学的性質の差を拡大させ、画
像部のみにインキが付着するようにして、正常な印刷を
行うものである。 【0003】しかし、カルシウムとの金属塩であるカー
ミン6B(下記の式で示される顔料)を着色顔料として
用いる紅インキを使用した場合や、カルシウムイオン、
マグネシウムイオン含有量の高い湿し水(カルシウムイ
オン、マグネシウムイオン含有量の高い水道水を用いた
湿し水)を使用した場合、カルシウムイオン、マグネシ
ウムイオンが非画像部の湿し水保持性を低下させるため
非画像部にインキが付着する地汚れと呼ばれる現象が発
生しやすくなる。地汚れが発生する場合、湿し水の水量
を増やすことにより対処する方法があるが、水量を増や
しすぎるとインキの乳化率が上昇し、インキの転移性が
低下し、得られる印刷物の濃度振れが生じる問題があ
る。【化2】 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の課題を解決するためになされたものであり、
インキの諸特性を低下させずに、地汚れ適性が大幅に向
上された平版印刷用インキ組成物を提供することを目的
とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく研究を重ねた結果、平版印刷用インキ組成
物に金属イオン封鎖剤を配合させることにより、上記の
課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至
ったものである。 【0006】すなわち、本発明は、着色顔料として、下
記の式で示される顔料を含有する平版印刷用インキ組成
物100重量部に対して、金属イオン封鎖剤を0.00
1〜1.0重量部配合したことを特徴とする平版印刷用
インキ組成物に関する。【化3】 【0007】 【作用および実施例】以下、本発明について、詳細に説
明する。 【0008】まず、平版印刷用インキ組成物に配合する
金属イオン封鎖剤について説明する。 【0009】本発明の金属イオン封鎖剤としては、印刷
時、平版印刷インキ組成物中や湿し水中に存在する2価
以上の金属イオン(たとえばカルシウムイオン、マグネ
シウムイオンなど)を1価の金属イオンに交換する交換
機能を有するものであればよく、モノ又はポリアミン酢
酸の金属塩〔具体的には、エチレンジアミン四酢酸(E
DTA)の1価金属塩(具体的には、EDTA4Na、
EDTA2Na・2H2O、EDTA4Na・4H2O
等)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HE
DTA)の1価金属塩(具体的には、HEDTA3Na
・3H2O、HEDTA3Na等)、ジヒドロキシエチ
ルエチレンジアミン二酢酸(DHEDDA)の1価金属
塩(具体的には、DHEDDA2Na等)、ジエチレン
トリアミン六酢酸(TTHA)の1価金属塩(具体的に
は、TTHA6Na等)、ヒドロキシエチルイミノ二酢
酸(HIMDA)の1価金属塩(具体的には、HIMD
A2Na等)、その他、ニトリロ三酢酸(NTA)の1
価金属塩(具体的には、NTA3Na・H2O等)、グ
ルコン酸の1価金属塩(具体的には、グルコン酸ナトリ
ウム等)、ゼオライト各種(具体的には、NaA型ゼオ
ライト、NaX型ゼオライト、NaY型ゼオライト)等
が例示できる。 【0010】また、平版印刷用インキ組成物に配合する
金属イオン封鎖剤の配合量は、平版印刷用インキ組成物
100重量部に対して、0.001〜1.0重量部、好
ましくは、0.01〜0.1重量部である。金属イオン
封鎖剤の配合量が、前記範囲未満であると、地汚れ適性
向上効果が低下し、前記範囲を超えると、親水性が高く
なり、インキの乳化率が上昇し、インキの転移性が低下
し、得られる印刷物の濃度が低下する。 【0011】つぎに、本発明の金属イオン封鎖剤を配合
する平版印刷用インキ組成物としては、従来から使用さ
れているすべての平版印刷用インキ組成物(ただし、着
色顔料としてカーミン6Bを含有するもの)が使用可能
であり、具体的には、ロジン変性フェノール樹脂等の各
種フェノール樹脂、石油樹脂、各種アルキッド樹脂、ロ
ジンエステル樹脂、ポリエステル樹脂、または、これら
の乾性油変性樹脂等のバインダー樹脂5〜50重量%、
アマニ油、桐油、大豆油、ひまし油、サフラワー油等の
乾性油又は半乾性油0〜30重量%、ノルマルパラフィ
ン、イソパラフィン、アロマテック、ナフテン、α−オ
レフィン又はこれらの混合物等の溶剤10〜60重量
%、カーミン6Bの12〜60重量%、好ましくは12
〜20重量%、必要に応じて、ドライヤー、乾燥抑制
剤、顔料分散剤、増粘剤等の添加剤等からなるものであ
る。 【0012】最後に、本発明の平版印刷用インキ組成物
の製造方法について説明する。 【0013】(1)バインダー樹脂、乾性油又は半乾性
油、溶剤等から構成するインキ用ワニスに顔料、金属イ
オン封鎖剤、必要に応じて用いる添加剤を加えた後、分
散・練肉装置を使用して平版印刷用インキ組成物を製造
する。 【0014】(2)バインダー樹脂、乾性油又は半乾性
油、溶剤等から構成するインキ用ワニスに顔料、必要に
応じて用いる添加剤を加えた後、分散・練肉装置を使用
して分散・練肉し得られたインキに、金属イオン封鎖剤
を後添加して再度練肉混合し平版印刷用インキ組成物を
製造する。 【0015】(3)バインダー樹脂、乾性油又は半乾性
油、溶剤、金属イオン封鎖剤等から構成するインキ用ワ
ニスに顔料、必要に応じて用いる添加剤を加えた後、分
散・練肉装置を使用して平版印刷用インキ組成物を製造
する。 【0016】以下、実施例及び比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何
等限定されるものではない。 【0017】<ワニスの製造>コンデンサー、温度計、
攪拌機を装着した四つ口フラスコにアマニ油40重量
部、ロジン変性フェノール樹脂(テスポ−ル1355、
日立化成ポリマー(株)製)186重量部、AF−7号
ソルベント(高沸点石油系溶剤、日本石油化学(株)
製)174重量部を仕込み、190℃になるまで加熱
し、60分間攪拌保持してワニスを得た。 【0018】<ベースとなる平版印刷用インキ組成物の
製造>前記ワニス73重量部に、紅顔料(カーミン6
B、住化カラー(株)製)17重量部、ポリエチレン系
ワックスコンパウンド(シャムロック(株)製)3重量
部、AF−7号ソルベント(高沸点石油系溶剤、日本石
油化学(株)製)7重量部を加え、3本ロールミルにて
攪拌混練してベースとなる平版印刷用インキ組成物を得
た。 【0019】〈実施例1〜11および比較例1〜2〉ベ
ースとなる前記平版印刷用インキ組成物に、表1の配合
割合となるように、金属イオン封鎖剤を添加し混合した
後、再度3本ロールミルにて練肉し、実施例1〜11、
比較例1〜2の平版印刷用インキ組成物を得た。表1に
おける部は重量部である。 【0020】 【表1】【0021】[評価試験]上記実施例1〜11、比較例
1〜2の平版印刷用インキ組成物に関し、地汚れ適性を
確認するため湿し水の量を変化させて、枚葉印刷機を用
い印刷テストを行った。 【0022】<印刷条件> 印刷機:三菱ダイヤ菊半枚葉印刷機1−E(三菱重工業
(株)製) 上記印刷機は、湿し水供給量をダイヤルメモリ0から1
0でコントロール(ダイヤルメモリには単位がない)で
きるもので、ダイヤルメモリ0で湿し水がほとんど供給
されない状態で数字が増えるごとに湿し水供給量が増加
するものである。 湿し水:SLH(サカタインクス(株)製)2重量%と
イソプロピルアルコール5重量%を含有するイオン交換
水 <地汚れ適性の評価>上記実施例1〜11、比較例1〜
2の平版印刷用インキ組成物に関し、枚葉印刷機のダイ
ヤルメモリを0から10まで変化させて、印刷テストを
行った。なお、評価方法としては、湿し水の量が少なく
印刷物に地汚れが発生するダイヤルメモリを水巾下限と
し、湿し水の量を増やしていった時、インキが過乳化と
なって転移不良をおこし、印刷物の濃度が低下するダイ
ヤルメモリを水巾上限として評価した。 【0023】 【表2】 【0024】表2の結果より、実施例1〜11は、比較
例1〜2と比較して地汚れ適性が大幅に向上しているこ
とがわかる。 【0025】 【発明の効果】本発明の金属イオン封鎖剤を配合した平
版印刷用インキ組成物は、インキの諸特性を低下させず
に、地汚れ適性が大幅に向上されている。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 着色顔料として、下記の式で示される顔
料を含有する平版印刷用インキ組成物100重量部に対
して、金属イオン封鎖剤を0.001〜1.0重量部配
合したことを特徴とする平版印刷用インキ組成物。【化1】
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP3249395A JP3386275B2 (ja) | 1995-02-21 | 1995-02-21 | 平版印刷用インキ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3249395A JP3386275B2 (ja) | 1995-02-21 | 1995-02-21 | 平版印刷用インキ組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08225761A JPH08225761A (ja) | 1996-09-03 |
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ID=12360526
Family Applications (1)
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JP3249395A Expired - Fee Related JP3386275B2 (ja) | 1995-02-21 | 1995-02-21 | 平版印刷用インキ組成物 |
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Country | Link |
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---|---|---|---|---|
JP5261972B2 (ja) * | 2007-05-01 | 2013-08-14 | 荒川化学工業株式会社 | ロジン変性フェノール樹脂およびオフセット印刷用ロジン変性フェノール樹脂 |
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-
1995
- 1995-02-21 JP JP3249395A patent/JP3386275B2/ja not_active Expired - Fee Related
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