JP5916208B2 - オフセット印刷用インキ組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、オフセット印刷用インキ組成物に関する。
オフセット印刷は、油性であるオフセット印刷用インキ組成物が水に反発する性質を利用した印刷方式であり、凹凸を備える印刷版を用いる凸版印刷方式とは異なり、凹凸のない印刷版を用いることを特徴とした印刷方式である。この印刷版は、凹凸の代わりに親油性の画像部と親水性の非画像部とを備え、印刷に際して、まず、印刷版に供給された湿し水によって非画像部が湿潤される。すると、油性であるオフセット印刷用インキ組成物が印刷版に供給された際に、当該オフセット印刷用インキ組成物は、湿し水で湿潤されて水分を帯びた非画像部には反発して付着せず、親油性の画像部のみに付着する。こうして、印刷版の表面にオフセット印刷用インキ組成物による画像が形成され、そのオフセット印刷用インキ組成物による画像がブランケット及び紙に順次転移することにより印刷が行われる。
上記オフセット印刷方式は、印刷版の作製が比較的簡単でありながら、高い美粧性を備えた印刷物を得たり、大量の印刷物を短時間で得たりする分野に適するという特性を備える。そこで、オフセット印刷方式は、パンフレット、ポスター、カレンダー等といった高い美粧性が要求される分野から、新聞、雑誌、電話帳等といった高速かつ大量に印刷されることが要求される分野まで広く利用されている。
これらの分野のうち、高速かつ大量に印刷されることが要求される分野では、オフセット輪転機が使用されるのが一般的である。オフセット輪転機では、印刷用紙を巻き取りの状態で用紙供給部に装着し、この巻き取りを巻き解くことで印刷用紙を印刷部へ供給し印刷を行う。印刷された印刷用紙は、裁断部で裁断を受けたあと、折り加工等の必要な加工を受けて製品となる。このような印刷方法によれば、数万部から数十万部程度の印刷を一度に行うことができるので効率的である。そして、その印刷速度も1時間あたり、十万部以上という高速に達することもある。このような中、オフセット印刷用インキ組成物においても、高速印刷適性を付与した製品が数多く提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2000−281954号公報
オフセット輪転機で印刷される印刷物において、特に多くの部数が印刷されるものの代表として、新聞、雑誌、電話帳等を挙げることができる。これらの印刷物は、主として情報伝達を目的とするものであるので、高度な美粧性が要求される際に用いられる高級印刷用紙ではなく、紙質のやや劣る更紙等が主として用いられる。しかしながら、こうした用紙では、その表面強度が高級印刷用紙に比べて劣るので、印刷の際に、用紙の表面に存在する紙の繊維の一部が印刷機のブランケットに毟られてしまうことがある。
用紙の表面から毟られた紙の繊維(紙粉)は、印刷機のブランケットや印刷版に滞留し、印刷物へのオフセット印刷用インキ組成物の良好な転写を妨害する。このように、印刷機のブランケットや印刷版に紙粉が滞留し堆積する現象はパイリングと呼ばれる。パイリング現象が発生すると、印刷物がかすれたような状態となり、印刷物の商品価値が低下する。そして、こうした現象は、印刷部数が多くなればなるほど紙粉の堆積が累積し、顕著になる。そのため、印刷部数の多い上記新聞、雑誌、電話帳等の印刷では、パイリング現象を抑制させることが特に重要である。
その一方で、たとえ少部数しか印刷されないとしても、印刷物の美粧性が要求されるポスター等の印刷においてもパイリング現象を抑制させるべき事情は同じである。すなわち、パイリング現象の抑制というのは、オフセット印刷全般における重要な課題の一つといえる。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、オフセット印刷において使用され、印刷中にパイリング現象が発生するのを抑制できるオフセット印刷用インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、オフセット印刷用インキ組成物を調製する際に特定の非イオン系界面活性剤を添加することにより、当該オフセット印刷用インキ組成物を使用してオフセット印刷を行った際にパイリング現象が顕著に改善されることを見出し、本発明を完成するに至った、具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明は、着色顔料、樹脂、油成分及び非イオン系界面活性剤を含むオフセット印刷用インキ組成物であって、上記非イオン系界面活性剤が、炭素数9以上18以下のモノアルコールに対するエチレンオキシド付加物、又は炭素数9以上18以下のモノアルコールに対するエチレンオキシド及びプロピレンオキシド付加物であり、上記非イオン系界面活性剤の分子量をXとしHLB値をYとした場合に、下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とするオフセット印刷用インキ組成物(ただし、下記の一般式(3)で示される高級アルコールを全インキ組成物中に0.1〜5.0質量%、及び水を全インキ組成物中に1〜15質量%含むオフセット印刷用エマルジョンインキ組成物を除く。)である。
Y≧0.00695X+8.46 ・・・ 式(1)
Y<15 ・・・ 式(2)
−OH ・・ 一般式(3)
(上記一般式(3)中、R は炭素数が8〜24の範囲にある飽和の、あるいは不飽和結合を含んでもよい炭化水素基を表す。)
上記モノアルコールは、脂肪族アルコールであることが好ましい。
上記オフセット印刷用インキ組成物の全組成物中に、上記非イオン系界面活性剤が0.1質量%以上1質量%未満含有されることが好ましい。
上記非イオン系界面活性剤は、炭素数9以上18以下のモノアルコールに対するエチレンオキシド付加物であることが好ましい。
上記非イオン系界面活性剤は、1モルのモノアルコールに対して6モル以上のエチレンオキシド付加物であることが好ましい。
本発明によれば、オフセット印刷において使用され、印刷中にパイリング現象が発生するのを抑制できるオフセット印刷用インキ組成物が提供される。
図1は、実施例1〜7及び比較例1〜2のオフセット印刷用インキ組成物の調製に使用した各種の非イオン系界面活性剤についての分子量に対するHLB値のプロットである。
以下、本発明のオフセット印刷用インキ組成物(以下、「印刷インキ組成物」とも呼ぶ。)の一実施形態について説明する。
本発明の印刷インキ組成物は、オフセット印刷用として使用されるものであり、長時間にわたる印刷においてもパイリング現象の発生を抑制することが可能であるので、オフセット輪転機を使用したオフセット印刷用として特に好ましく使用される。本発明の印刷インキ組成物は、顔料、樹脂、油成分及び非イオン系界面活性剤を含有する。以下、各成分について説明する。
[着色顔料]
着色顔料は、印刷インキ組成物に着色力を付与するための成分である。顔料としては、従来から印刷インキ組成物に使用される有機及び/又は無機顔料を特に制限無く挙げることができる。
このような着色顔料としては、ジスアゾイエロー(ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー1)、ハンザイエロー等のイエロー顔料、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウオッチングレッド等のマゼンタ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー等のシアン顔料、カーボンブラック等の黒色顔料等が例示される。
着色顔料の添加量としては、印刷インキ組成物全体に対して8〜30質量%程度が例示されるが、特に限定されない。なお、イエロー顔料を使用してイエロー印刷インキ組成物を、マゼンタ顔料を使用してマゼンタ印刷インキ組成物を、シアン顔料を使用してシアン印刷インキ組成物を、黒色顔料を使用してブラック印刷インキ組成物をそれぞれ調製する場合には、補色として、他の色の顔料を併用したり、他の色の印刷インキ組成物を添加したりすることも可能である。
[樹脂]
樹脂は、印刷用紙の表面で上記着色顔料を固定するバインダーとして機能する成分であり、また、上記着色顔料を印刷インキ組成物中に分散させるために用いられる成分でもある。このような樹脂としては、印刷インキ組成物の分野で通常使用されるものを特に制限なく挙げることができ、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂、石油樹脂変性フェノール樹脂、アクリル変性フェノール樹脂、アルキド樹脂、植物油変性アルキド樹脂、石油樹脂等が例示される。これらの樹脂の重量平均分子量としては、3000〜30万程度を好ましく例示することができる。
これらの樹脂の中でも、顔料分散性、印刷品質及び長時間にわたる安定な印刷適性といった観点からは、重量平均分子量が1万〜15万であるロジン変性フェノール樹脂及びロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種と、アルキド樹脂とを併用することが好ましい。この場合、ロジン変性フェノール樹脂及びロジン変性マレイン酸樹脂の合計100質量部に対して、アルキド樹脂を3〜10質量部程度用いるのが好ましい。樹脂の添加量としては、印刷インキ組成物全体に対して、10〜35%程度を好ましく例示できる。
樹脂は、後述する油成分とともに加熱されることにより溶解され、ワニスとされた状態で使用される。ワニスを調製する際、樹脂を溶解させて得られた溶解ワニス中に金属キレート化合物や金属石けん等のゲル化剤を投入し、ゲル化ワニスとしてもよい。樹脂からゲル化ワニスを調製し、これを印刷インキ組成物の調製に用いることにより、印刷インキ組成物に適度な粘弾性を付与することができるので好ましい。
[油成分]
油成分は、上記樹脂を溶解させてワニスとしたり、印刷インキ組成物の粘度を調節したりするために使用される。油成分としては、植物油及び/又は鉱物油を挙げることができ、これまで印刷インキ組成物の調製に使用されてきたものを使用できる。
本発明において、植物油には、植物油の他に植物油由来の脂肪酸エステル化合物が含まれる。植物油としては、大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、桐油、トール油、脱水ヒマシ油、カノーラ油等の乾性油や半乾性油等が例示される。また、植物油由来の脂肪酸エステル化合物としては、上記植物油に由来する脂肪酸のモノアルキルエステル化合物等が例示される。この脂肪酸モノアルキルエステル化合物を構成する脂肪酸としては、炭素数16〜20の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく例示され、このような飽和又は不飽和脂肪酸としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等が好ましく例示される。脂肪酸モノアルキルエステル化合物を構成するアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく例示され、より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等が好ましく例示される。
これらの植物油は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。植物油としては、大豆油、大豆油脂肪酸エステル等が好ましく挙げられる。印刷インキ組成物における植物油の含有量としては、印刷インキ組成物全体に対して20〜60質量%程度を例示することができる。
本発明において、鉱物油には、溶剤成分と呼ばれる軽質の鉱物油や、潤滑油状である重質の鉱物油等が含まれる。
軽質の鉱物油としては、沸点160℃以上、好ましくは沸点200℃以上の非芳香族系石油溶剤が例示される。このような非芳香族系石油溶剤としては、JX日鉱日石エネルギー株式会社製の0号ソルベント、同AFソルベント5号、同AFソルベント6号、同AFソルベント7号等が例示される。
重質の鉱物油としては、スピンドル油、マシン油、ダイナモ油、シリンダー油等として分類されてきた各種の潤滑油を挙げることができる。これらの中でも、米国におけるOSHA基準やEU基準に適応させるとの観点からは、縮合多環芳香族成分の含有量が抑制されたものであることが好ましい。このような鉱物油としては、JX日鉱日石エネルギー株式会社製のインクオイルH8、同インクオイルH35、三共油化工業株式会社製のSNH8、同SNH46、同SNH220、同SNH540等が例示される。
これらの鉱物油は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。印刷インキ組成物における鉱物油の含有量としては、印刷インキ組成物全体に対して0〜50質量%程度を例示することができる。なお、財団法人日本エコマーク事務局が認定する、印刷インキ組成物におけるエコマーク基準(類型名:印刷インキVersion2.0、基準:印刷インキ組成物中の石油系溶剤が30質量%以下)に適合させるとの観点からは、印刷インキ組成物における鉱物油の含有量を30質量%以下とすることが好ましい。
[非イオン系界面活性剤]
次に、非イオン系界面活性剤について説明する。本発明で使用される非イオン系界面活性剤は、炭素数9以上18以下のモノアルコールに対するエチレンオキシド付加物、又は炭素数9以上18以下のモノアルコールに対するエチレンオキシド及びプロピレンオキシド付加物である。本発明の印刷インキ組成物は、このような非イオン系界面活性剤を含有することにより、オフセット印刷時におけるパイリング現象を抑制する。
非イオン系界面活性剤は、より具体的には、下記一般式(A)又は(B)で表される。
Figure 0005916208
(上記一般式(A)中、Rは炭素数9〜18である一価の有機基であり、nは正の整数である。上記一般式(B)中、Rは炭素数9〜18である一価の有機基であり、nは正の整数であり、mは正の整数である。なお、上記一般式(B)において、(CO)及び(CO)との表記は、一般式(B)で表される化合物中に、二価の基であるCO及びCOが単にそれぞれn個及びm個含まれることを意味するものであり、それらの結合順序を表すものでない。)
上記一般式(A)及び(B)において、(CO)は、ROHで表されるモノアルコールにエチレンオキシドがnモル付加していることを意味する。同様に、上記一般式(B)において、(CO)は、ROHで表されるモノアルコールにプロピレンオキシドがmモル付加していることを表す。二価の基であるCOは、親水性の高い基であり、非イオン系界面活性剤における親水性部分となる。
炭素数9〜18の一価の有機基であるRは、疎水性の高い基であり、非イオン系界面活性剤における疎水性部分となる。Rは、炭素数9〜18である一価の炭化水素基であることが好ましく、炭素数9〜18である一価の脂肪族基であることがより好ましい。この場合、非イオン系界面活性剤は、炭素数9以上18以下のモノアルコールに対するエチレンオキシド付加物、又は炭素数9以上18以下のモノアルコールに対するエチレンオキシド及びプロピレンオキシド付加物となる。
上記非イオン系界面活性剤は、ROHで表されるモノアルコールに、エチレンオキシド、又はエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加させることで合成される。このとき、ROHで表されるモノアルコールにエチレンオキシドを付加させれば、上記一般式(A)で表される非イオン系界面活性剤が得られ、ROHで表されるモノアルコールにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加させれば、上記一般式(B)で表される非イオン系界面活性剤が得られる。
非イオン系界面活性剤としては、その分子量をXとし、そのHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値をYとしたときに、下記式(1)及び(2)を満たすものを使用する。
Y≧0.00695X+8.46 ・・・ 式(1)
Y<15 ・・・ 式(2)
なおHLB値とは、HLB=20×(非イオン系界面活性剤における親水部の式量の総和)/(非イオン系界面活性剤の分子量)で算出される数値であり、これが大きいほど非イオン系界面活性剤における親水性部分が大きいことになる。なお、上記「非イオン系界面活性剤における親水部」とは、例えば上記式(A)及び(B)であれば、エチレンオキシド部分及び水酸基部分となる。
本発明者らは、印刷インキ組成物に添加される非イオン系界面活性剤の種類とパイリング現象の発生状態との関係を詳細に調査した結果、使用される非イオン系界面活性剤の分子量が小さければ、比較的低いHLB値の界面活性剤を使用してもパイリング現象を抑制できるのに対して、使用される非イオン系界面活性剤の分子量が大きくなるにつれて、HLB値の大きな界面活性剤を使用しなければパイリング現象を抑制できないことを見出した。上記式(1)は、このような知見から導き出された数式であり、種々の非イオン系界面活性剤について、印刷インキ組成物におけるパイリング抑制効果を調査した結果に基づくものである。また、上記式(2)は、印刷インキ組成物に添加される非イオン系界面活性剤のHLB値が大き過ぎると、印刷インキ組成物が印刷中に過乳化等の乳化異常を示すとの知見に基づくものである。
上記非イオン系界面活性剤は、上記一般式(A)で表される、炭素数9〜18のモノアルコールに対するエチレンオキシド付加物であることが好ましい。そして、非イオン系界面活性剤は、1モルのモノアルコールに対して6モル以上のエチレンオキシド付加物であることがより好ましい。この場合、上記一般式(A)におけるnが6以上となる。
非イオン系界面活性剤としては、モノアルコールにエチレンオキシド、又はエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加させることにより合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。このような市販品の一例としては、日光ケミカルズ株式会社製のBO−7V、BL−9EX、BT−7等、日本乳化剤株式会社製のニューコールNT−9、ニューコール2308、ニューコール2310等、日油株式会社製のノニオンID−206、ノニオンE−215等を挙げることができる。非イオン系界面活性剤は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
印刷インキ組成物中における非イオン系界面活性剤の添加量は、印刷インキ組成物全体の質量に対して、0.1〜1質量%であることが好ましく、0.3〜0.8質量%であることがより好ましい。非イオン系界面活性剤の添加量が上記の範囲であることにより、十分なパイリング抑制効果が得られるとともに、印刷インキ組成物が印刷中に過乳化等の乳化異常を生じることを抑制できるので好ましい。
非イオン系界面活性剤の分子量は、200〜1000であることが好ましく、300〜900であることがより好ましく、400〜900であることがさらに好ましい。また、非イオン系界面活性剤のHLB値は、上記式(1)を満たすことを条件として、10以上15未満であることが好ましく、10.5以上15未満であることがより好ましく、11以上14.5以下であることがさらに好ましい。
印刷インキ組成物に対する非イオン系界面活性剤の添加方法は、特に限定されない。このような添加方法としては、顔料、ワニス及び油成分を混合して練肉した後の印刷インキ組成物に添加する方法や、樹脂を溶解させて溶解ワニスを調製したりゲル化ワニスを調製したりする際に添加する方法等を例示することができる。
[その他の成分]
本発明の印刷インキ組成物には、印刷性能を向上させる等の観点から、必要に応じて上記の各成分の他に各種成分を添加することができる。このような各種成分としては、無色顔料、リン酸塩等の塩類、ポリエチレン系ワックス・オレフィン系ワックス・フィッシャートロプシュワックス等のワックス類、アルコール類、酸化防止剤等が例示される。
無色顔料は、体質顔料とも呼ばれ、印刷インキ組成物における粘度等といった特性を調節するために好ましく使用される。無色顔料としては、クレー、タルク、カオリナイト(カオリン)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、ベントナイト、酸化チタン等が例示される。無色顔料の添加量としては、印刷インキ組成物全体に対して0〜33質量%程度が例示されるが、特に限定されない。
上記の各成分を用いて本発明の印刷インキ組成物を製造するには、従来公知の方法が使用できる。このような方法としては、上記の各成分を混合した後にビーズミルや三本ロールミル等で練肉することで着色顔料を分散させた後、必要に応じて鉱物油や添加剤(酸化防止剤、アルコール類、ワックス類等)等を加え、さらに粘度調整することが例示される。印刷インキ組成物における粘度としては、ラレー粘度計による25℃での値が2.0〜20Pa・sであることを例示できるが、特に限定されない。
以下に実施例を挙げて本発明の印刷インキ組成物をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載では、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
[印刷インキ組成物用ワニスの調製]
コンデンサー、温度計及び撹拌機を装着した4つ口フラスコに、重量平均分子量10万のロジン変性フェノール樹脂(荒川化学工業株式会社製、KG−2212)35部、大豆油20部及びAFソルベント6号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)44.5部を仕込んだ後200℃に昇温し、同温度を1時間維持することにより樹脂を溶解させた後、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(川研ファインケミカル株式会社製、ALCH)を0.5部仕込み、その後170℃で60分間加熱保持して、ワニスを得た。
[印刷インキ組成物の調製]
上記ワニス60部、カーボンブラック#32(三菱化学株式会社製)10部、カーボンブラックMA7(三菱化学株式会社製)10部、ギルソナイトワニス10部、及びAFソルベント6号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)9.5部及び表1に記載した非イオン系界面活性剤0.5部を混合し、三本ロールミルにて練肉することで実施例1〜7及び比較例1〜5の印刷インキ組成物を調製した。なお、上記ギルソナイトワニスは、ギルソナイト(American Gilsonite Company社製、製品名:ギルソナイト S325L)20部を、AFソルベント6号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)80部で溶解させたものである。また、表1に示した各非イオン系界面活性剤は全て上記一般式(A)又は(B)で表される構造を備え、表1における「疎水部炭素数」とは、上記一般式(A)又は(B)におけるRに含まれる炭素数を意味し、「重合度」とは、付加されたエチレンオキシド、又はエチレンオキシド及びプロピレンオキシドのモル数を意味し、これは上記一般式(A)におけるn又は(B)における(n+m)に対応する。また、表1の重合度欄において、「(EO)」とはエチレンオキシドを意味し、「(PO)」とはプロピレンオキシドを意味し、「(EO)」又は「(PO)」とともに付された数字は付加されたエチレンオキシド又はプロピレンオキシドのモル数を意味する。
Figure 0005916208
(注)疎水部炭素数が12.5とは、疎水部炭素数12の化合物と疎水部炭素数13の化合物との1:1混合物であることを意味する。
表1に示した各非イオン系界面活性剤のうち、ニューコール2308、ニューコール2310、ニューコールNT−9、N−1006及びN−1008は日本乳化剤株式会社製であり、ノニオンID−206、ノニオンE−215、ノニオンE−212及びノニオンEH−208は日油株式会社製であり、BL−9EX、BT−7及びBC−7は日光ケミカルズ株式会社製である。
[印刷評価]
実施例1〜7及び比較例1〜5の印刷インキ組成物のそれぞれについて、N―750型印刷実験機(東浜精機株式会社製)を使用して、印刷速度12万部/時で用紙を新聞用更紙として下記のベタ紙面濃度にて印刷試験を行った。各印刷インキ組成物について17000部の印刷を行い、それぞれの印刷の終了後における印刷版上の紙粉の堆積状況及び印刷物における着肉性を評価した。その結果を表2に示す。印刷試験における湿し水としては水道水にSAH−7(サカタインクス株式会社製、アルカリH液)を0.7%加えたものを使用し、湿し水の供給にはスプレーダンプナーSSD−12(サカタインクス株式会社製)を使用した。印刷に際しては、水幅の下限付近での印刷状態の比較を行うために、水幅の下限値よりもSSD−12のダイヤルを2ポイント上げた状態とした。また、印刷時のベタ紙面濃度は、1.20±0.02とした。なお、ベタ紙面濃度は、印刷物におけるベタ部の濃度をSpectroeye濃度計(Gretagmacbeth社製)により測定した数値である。
表2における各評価基準は、下記の通りである。
(紙粉堆積)
◎ 印刷版上への紙粉の堆積が全く観察されない
○ 印刷版上への紙粉の堆積がわずかに観察される
△ 印刷版上への紙粉の堆積が観察される
× 印刷版上への紙粉の堆積が著しく観察される
(着肉性)
◎ 印刷物において、ベタ部のかすれが全く観察されない
○ 印刷物において、ベタ部のかすれがわずかに観察される
△ 印刷物において、ベタ部のかすれが観察される
× 印刷物において、ベタ部のかすれが著しく観察される
Figure 0005916208
表2から明らかなように、本発明に係る印刷インキ組成物である実施例1〜7では、17000部の印刷後であっても版上への紙粉堆積が少なく、また印刷の間を通してベタ部の着肉性も良好だった。これに対して、比較例1〜5では、17000部の印刷後における印刷版上への紙粉堆積が多く、ベタ部の着肉も実施例の印刷インキ組成物に比べてやや劣る傾向だった。
ここで、実施例1〜7及び比較例1〜2の印刷インキ組成物の調製に使用した非イオン系界面活性剤について、分子量に対するHLB値のプロットを図1に示す。なお、比較例3〜5の印刷インキ組成物については、非イオン系界面活性剤の疎水部分(上記一般式(A)におけるR)の炭素数が9未満であり、この点で本発明の要件を満たさないため図1のプロットから除外した。
図1では、実施例にかかるものを菱形及び正方形のプロットとし、比較例にかかるものを三角形のプロットとした。なお、図1では、本発明の効果の確認された実施例のうち、右下方向下限に位置するプロット(実施例5及び実施例7)については正方形のプロットとした。
正方形でプロットされた実施例5及び7を直線で結び、分子量をXとしHLB値をYとしたときの当該直線の一次式を求めたところ、Y=0.00695X+8.46の数式を得た。各実施例のプロットがこの直線よりも上側に位置することからもわかるように、Y≧0.00695X+8.46となる非イオン系界面活性剤を印刷インキ組成物に添加することによって、パイリング現象が抑制可能と理解できる。

Claims (5)

  1. 着色顔料、樹脂、油成分及び非イオン系界面活性剤を含むオフセット印刷用インキ組成物であって、
    前記非イオン系界面活性剤が、炭素数9以上18以下のモノアルコールに対するエチレンオキシド付加物、又は炭素数9以上18以下のモノアルコールに対するエチレンオキシド及びプロピレンオキシド付加物であり、前記非イオン系界面活性剤の分子量をXとしHLB値をYとした場合に、下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とするオフセット印刷用インキ組成物(ただし、下記の一般式(3)で示される高級アルコールを全インキ組成物中に0.1〜5.0質量%、及び水を全インキ組成物中に1〜15質量%含むオフセット印刷用エマルジョンインキ組成物を除く。)
    Y≧0.00695X+8.46 ・・・ 式(1)
    Y<15 ・・・ 式(2)
    −OH ・・ 一般式(3)
    (上記一般式(3)中、R は炭素数が8〜24の範囲にある飽和の、あるいは不飽和結合を含んでもよい炭化水素基を表す。)
  2. 前記モノアルコールが、脂肪族アルコールである請求項1記載のオフセット印刷用インキ組成物。
  3. 前記オフセット印刷用インキ組成物の全組成物中に、前記非イオン系界面活性剤を0.1質量%以上1質量%未満含有する請求項1又は2記載のオフセット印刷用インキ組成物。
  4. 前記非イオン系界面活性剤が、炭素数9以上18以下のモノアルコールに対するエチレンオキシド付加物である請求項1〜3のいずれか1項記載のオフセット印刷用インキ組成物。
  5. 前記非イオン系界面活性剤が、1モルのモノアルコールに対して6モル以上のエチレンオキシド付加物である請求項4記載のオフセット印刷用インキ組成物。
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