JP3559010B2 - パチンコ機の球制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機における球払出装置等の球制御装置に関するものであり、特に複列で流下するパチンコ球を単列で排出する球制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近のパチンコ機の球払出装置は、パチンコ球を1個単位で計数するようにし、入賞したパチンコ球ごとに払出されるパチンコ球の定量数を1個単位に設定、変更調整できるようにした構造のものが本出願人による特開平5−7656号をはじめとして多数提案されているが、従来の球払出装置はパチンコ球を1個ずつ払出すもののその払出したパチンコ球を検出するスイッチが複数必要となってコスト高となっていた。そこで、排出通路を絞り込んで払出されたパチンコ球を一列に整列して1個の検出スイッチで払出されたパチンコ球を計数するようにした球払出装置が提案されている。
【0003】
また、二列の球通路の各列のパチンコ球を1個単位で制御して前記パチンコ球払出装置へ送り出す機構として、外周に数個の円弧面とパチンコ球が嵌入し得る凹窪を等間隔で形成した円盤状になる回転体を前記二列の各列の球通路ごとに臨ませて設置し、各列の回転体は互いの円弧面の1個分に対する半ピッチを回転方向へ変位させて並列に設置し、一方の回転体の円弧面が一方の球通路に臨んでいるとき、他方の回転体の凹窪が他方の球通路に臨んで互いの回転体の円弧面と凹窪が各列の球通路に食い違い状に臨ませることにより、各列のパチンコ球を1個ずつ所定のタイミング差をもって交互に取り込んで単列で賞球払出装置に送出すようにして、パチンコ球を1個単位で払出すようにしている。(特公平5−5515号公報参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記球払出装置は、供給通路がパチンコ球のほぼ直径に等しい12mmであるため、連続するパチンコ球の球心が流下方向に常に一定な状態にあり、回転体に支持される最先のパチンコ球にかかる球圧がすべて回転体にかかり電気的駆動源に大きな負担となり円滑なパチンコ球の払出しができなくなるという問題があった。さらに、通路を絞り込むことによって1列に整列するため、払出されたパチンコ球同士が接触し球詰りを起したり、払い出してから検出されるまでのタイムラグのために高速で払出すことができないという問題があった。
【0005】
また、前述した二列の球通路を単列にする機構においては、パチンコ球の自重により回転体が回転するため球払出装置の球送り制御部材に球圧が直接掛かることになり、球送り制御部材および該球送り制御部材を駆動する電気的駆動源に過重が掛かり短期間に故障しやすいという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、供給通路のパチンコ球を制御する回転体およびその電気的駆動源に負担をかけることなくスムーズに排出することができるパチンコ機の球制御装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、パチンコ球を供給する複数の供給通路と、前記複数の供給通路に臨み複列で流下するパチンコ球を周面に形成される凹溝で受け単列に整列する第1回転体と、前記第1回転体に対抗位置して該第1回転体により単列に整列したパチンコ球を球受溝で受ける第2回転体と、前記第2回転体が回転することにより球受溝から解放されるパチンコ球が単列で払出される排出通路と、前記第1回転体の凹溝と前記第2回転体の球受溝が常に対向位置しかつ第1回転体と第2回転体とが同時に回転するように従動させる連繋手段と、前記第1回転体および第2回転体の回転を制御する電気的駆動源とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、通路幅をパチンコ球が複数個並ぶ幅広とする供給通路と、前記幅広の供給通路に臨み複列で流下するパチンコ球を周面に形成される凹溝で受け単列に整列する第1回転体と、前記第1回転体に対抗位置して該第1回転体により単列に整列したパチンコ球を球受溝で受ける第2回転体と、前記第2回転体が回転することにより球受溝から解放されるパチンコ球が単列で払出される排出通路と、前記第1回転体の凹溝と前記第2回転体の球受溝が常に対向位置しかつ第1回転体と第2回転体とが同時に回転するように従動させる連繋手段と、前記第1回転体および第2回転体の回転を制御する電気的駆動源とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記連繋手段はギアの噛合により連繋したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記第1回転体はスプロケットであり、該スプロケットの凹溝に同時に2個のパチンコ球を受け入れないように交互に設けたことを特徴とし、確実に1個ずつ送り出すようにした。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、前記第2回転体を電気的駆動源により直接駆動するようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の発明において、前記排出通路の上流部に球検知スイッチを設けたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の発明において、前記球制御装置を球払出装置としたことを特徴とする。
【0014】
なお、本発明の球制御装置は、貸球または賞球用の球払出装置に限られることなく、パチンコ機間に設けられる球貸し機、さらには球タンクへの補給機にも適用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のパチンコ機の球制御装置としての球払出装置を図面を参照して説明する。図1は本発明の球払出装置が適用されるパチンコ機1の裏面図である。パチンコ機1の裏側には遊技盤の裏面全体を覆うように機構板2が配設されており、該機構板2の上部にはパチンコ球を貯留する球タンク5が設けられ、該球タンク5の下方にパチンコ球を整列して流下させる球誘導樋6が設けられている。また、球誘導樋6の下流側に屈曲誘導樋7を介して本発明の球制御装置としての球払出装置9が接続される。さらに該球払出装置9の下方には、払出されたパチンコ球を機前の球受皿(図示せず)に導く排出樋10が設けられている。
【0016】
また、機構板2の下方には入賞球集合部3に集められた入賞球を1個ずつ排出処理する入賞球処理装置4が設けられている。
【0017】
次に、図2ないし図6を参照して本実施の形態に係るパチンコ機の球払出装置9の構成について説明する。球払出装置9は図3に示すように箱枠状のケース体12に前記屈曲誘導樋7の球通路7aと連通する球流路としての供給通路13と、該供給通路13に臨み最先のパチンコ球を支持する制御体としての第1回転体14,第2回転体15と、第2回転体15の支持から外れ傾斜面を有するガイド壁16aにより単列で払出される排出通路16とを備え、ケース体12に前記第1回転体14,第2回転体15を回転駆動する電気的駆動源としてのモータ18が取付けられている。なお、該モータ18は回転制御が容易なステッピングモータが望ましいが通常のモータであってもよい。前記供給通路13は仕切壁8により複列で供給する複数の供給通路13a,13bが形成されている。19は排出通路16に払出されたパチンコ球を検出する球検知スイッチであり、該球検知スイッチ19は発光部19aと受光部19bとからなる光学式センサで、しかも図4に示すように排出通路16の中心線からずれた位置でその光軸が交差するように配置される。そして第2回転体15による制止が開放されたパチンコ球が光軸を遮ることで該パチンコ球を検知し得るように配置される。なお、球検知スイッチ19は複数の光軸がパチンコ球の通過方向と直交する面内にて交差する光学式センサとしてもよく、該光学式センサを用いることにより、例えば貸球および賞球として払出されたパチンコ球をそれぞれ別々に計数することができる。また、排出通路16を図上ほぼ垂直状としたが第2回転体15の外周に沿って周回するように設け、その下流端に第2回転体15による制止が開放された直後のパチンコ球を検知する球検知スイッチとして近接スイッチを設けるようにしてもよい。
【0018】
前記第1回転体14は、合成樹脂により通路幅Wとほぼ等しい寸法を有する円柱状に成形され、その周面に軸方向と平行でありパチンコ球の外形に略合致する凹溝20を供給通路13a、13bに対応して同時に2個のパチンコ球を受け入れないように交互にピッチをずらして複数(本実施の形態ではそれぞれ3箇所)設けて該凹溝20間を球受部21として、供給通路13a、13bのパチンコ球を単列に整流する整流手段としている。該球受部21の円弧面は、第1回転体14が回転するに従って球受部21で支持されているパチンコ球が徐々に下降し凹溝20に受入れられるような反回転方向に傾斜したと形状としている。
【0019】
一方、第2回転体15は略パチンコ球1個分の幅を有するスプロケットであり、9つの稜線と各稜線間形成された9つの球受溝22を備え、前記第1回転体14で単列に整列したパチンコ球を排出通路16に払出す排出手段としている。また、第2回転体15に前記モータ18の出力軸18aを直結してモータ18の駆動により直接第2回転体15が回転するようになっている。また、前記球受溝22はパチンコ球の一部を受入れる円弧面としている。なお、第1回転体14および第2回転体15はアルミ合金等によりダイカスト成形してもよく、当然のことながら強度に優れしかもパチンコ球に帯電した静電気を放電し、静電気による障害を未然に防止することができる。また、ケース体12を強度・静電気除去を目的として合成樹脂に金属繊維を混合したもので成形してもよい。
【0020】
しかして、第1回転体14および第2回転体15は連繋手段としてのギア23,24を備え、図4に示すように互いのギア23,24を噛合させることにより第1回転体14および第2回転体15を連繋し、第1回転体14が単独で回転することなく第2回転体15が回動することにより第1回転体14が従動して回動するようにしている。このとき、第1回転体14の凹溝20および第2回転体15の球受溝22は対向位置しており、第1回転体14の凹溝20で運ばれるパチンコ球を第2回転体15の球受溝22で受けるように噛合させている。なお、ギア23,24を第1回転体14および第2回転体15の端部に一体に形成するようにしたが、ギア23,24を別体に形成して第1回転体14および第2回転体15の回転軸14a,15aに固着するようにしてもよい。また、本実施の形態において第1回転体14および第2回転体15のギア比は3:2とし、第1回転体14のギア23よりモータ18により直接回転する第2回転体15のギア24を小さくしてモータ18への負担を軽減している。
【0021】
次に、上記構成からなる球払出装置9の払出し動作について図5および図6を参照して説明する。前記屈曲誘導樋7の球通路7aから供給通路13a,13bにパチンコ球が供給され、図5および図6(a)に示すように供給通路13a,13bの最先のパチンコ球B1,B2が第1回転体14の凹溝20および球受部21に受入れまたは支持されて並ぶ。この状態でモータ18を駆動すると第2回転体15が時計回り方向に回動しそれに連動して第1回転体14が図4において矢印で示す反時計回り方向に回転され、供給通路13aのパチンコ球B1は図6(b)に示すように凹部20に受けられつつ回転移動し、後続のパチンコ球Bが球受部21に支持され、供給通路13bのパチンコ球B2は凹溝20に受けられる。そして、さらに第1回転体14が回動すると図6(c)に示すようにパチンコ球B1が第2回転体15の球受溝22に受け入れられ、球受溝22と凹溝20とにより運ばれながら図5鎖線に示すようにガイド壁16aの傾斜面により中央に集束して図6(d)に示すように凹溝20の支持から外れて排出通路16に落下し球検知スイッチ19で検出される。
【0022】
以後第1回転体14および第2回転体15は同様の動きを繰返し、供給通路13a,13bのパチンコ球を交互に排出通路16に落下させ、落下したパチンコ球は排出通路16で球検知スイッチ19の光軸を遮りながら排出樋10に排出されることになる。そして、所定個数の払出しが行われ、球検知スイッチ19によりパチンコ球が検知されるとモータ18が停止する。なお、排出通路16を第2回転体15に沿った湾曲状とすることで、球検知スイッチ19により第2回転体15から離脱した瞬間のパチンコ球を検知することが可能となる。
【0023】
このように、複列で流下するパチンコ球を単列に整流する第1回転体14と単列に整流したパチンコ球を排出通路16に払出す第2回転体15を連繋手段により連繋するようにしたので、払出し手段としての第2回転体15および電気的駆動源のモータ18への負荷を大幅に軽減し、球詰りすることなく1個ずつ排出通路16に排出することができ、第2回転体15で単列で保持されつつ払出されるため球検知スイッチ19で確実に検知できる。なお、第1回転体14の凹溝20および第2回転体の球受溝22の数は、上記実施の形態の6個と9個に限定されることなく、同じギア比において4個と6個というように凹溝20および球受溝22が常に対向位置して、第1回転体14の回転により凹溝20で運ばれるパチンコ球を第2回転体15の球受溝22で受けるようにすればよい。また、当然のことながら第1回転体14および第2回転体のギア比を変えることにより凹溝20および球受溝22の数を変更することができる。
【0024】
また、図7および図8に示すように、第2回転体15の端部に内方に向って傾斜する円錐台形のガイド部26を形成してもよく、該ガイド部26により第1回転体14の凹溝20,20で運ばれるパチンコ球を中央に集束して排出通路16に払出すようにしている。これにより前記実施の形態に示したようなガイド壁16aを設けることなく速やかに中央に集束させることができ、排出通路16で球検知スイッチ19によるパチンコ球の早期の検知が可能となり、高速の払出しが可能となる。
【0025】
また、図9に示すように前記供給通路13a,13bの仕切壁8をなくして供給通路13内をパチンコ球が複列でランダムに並列可能な幅広に形成してもよく、このとき第1回転体14は供給通路13内にランダムに並んだパチンコ球が前記凹溝20に同時に2個受け入れない寸法形状が選ばれ、本実施の形態において供給通路13の通路幅W(回転体の幅方向)をランダムに複列で流下する24mmとしている。
【0026】
上記構成の球払出装置9は、供給通路13にパチンコ球が供給されると図9に示すように供給通路13でランダムに連続して待機しているパチンコ球は、複列で待機する最先のパチンコ球B1,B2が第1回転体14の凹溝20および球受部21に支持されて後続のパチンコ球がランダムに連なっている。この状態で払出し信号によりモータ18が回転し、第2回転体15が回転すると連繋手段としてのギア23,24の噛合によって第1回転体14が回動する。以後の払出し作用は前記実施の形態と同様なため詳細な説明は省略するが、第1回転体14の回転により単列に整列し第2回転体15の回転により排出通路16に払出される。このとき供給通路13内のパチンコ球は、例えバランスがとれて球詰りしそうになっても、第1回転体14が回転しパチンコ球B2が凹溝20に受け入れられることにより、図9鎖線に示すように上下方向だけでなく左右方向にランダムに動くため球圧が四方に分散すると共に、パチンコ球同士の接点がずれパチンコ球の配列が変化することによりバランスが崩れ球詰りすることなくパチンコ球が流下する。
【0027】
以上のように、本実施の形態に係る球払出装置9は、図9に示すように供給通路13にパチンコ球がランダムに並ぶことにより、球圧が第1回転体14に直下的に掛かることなく供給通路13側壁にも分散するので、第1回転体14に掛かる球圧が減少されモータ18への負荷を軽減させることができる。また、例え少数の払出しでもパチンコ球が払出されるたびに通路内のパチンコ球が動き並び方が変化して適度な振動が発生し、それがバイブ効果となり屈曲誘導樋7は勿論のこと上流の球誘導樋6および球タンク5の球詰りを防止する効果を生ずる。
【0028】
また、供給通路13の仕切壁8をなくして通路幅Wをパチンコ球がランダムに並ぶ幅広とすることで、装置全体を縮小して小型化することができると共に、例え球払出装置9の取付時の多少の位置ずれや成形時のヒケがあったとしても、パチンコ球を球払出装置9に確実に供給することができる。また、球誘導樋6でパチンコ球を整列する必要がないので、例えば球タンク5の球導出口に直接設けることも可能となる。また、球誘導樋6および屈曲誘導樋7を供給通路13と同様にパチンコ球がランダムに並ぶ幅広としてもよい。
【0029】
また、上記した実施の形態では、通路幅Wをパチンコ球が2個並ぶ24mmとしたが、図10に示すように並列状に3個並ぶ通路幅Wでもよく、第1回転体14にパチンコ球が同時に2個受け入れることなく1個ずつ嵌る凹溝20を設けている。なお、本発明は同時に2個のパチンコ球が凹溝20に受け入れない限り、通路幅Wに限定されることなく3個以上並列して並ぶ通路幅Wでもパチンコ球1個ずつの払出しは可能である。
【0030】
なお、本実施の形態の球払出装置の第1回転体および第2回転体をスプロケットタイプとしたが、凹溝20,球受溝22の数および凹溝20,球受溝22間のピッチは上記実施の形態に示したものに限定されることはない。球受溝22間のピッチを大きくすることで球間隔があき球検知スイッチ19を近接スイッチとすることも可能となる。さらに、回転軸に複数の偏心円盤が互いに逆方向に偏心した位置に固着されたもの、スプロケットを捻ったような複数の螺旋条を備えたもの、移送手段を螺旋状に設け回転軸方向にパチンコ球を移送するスクリュータイプとしてもよい。また、上記実施の形態において第1回転体14は凹溝に2個のパチンコ球を同時に受入れないとしたが、第1回転体14の回転軸に対し複数のパチンコ球が受入れ可能な凹溝20を傾斜状に設けて、結果的には凹溝20に2個のパチンコ球を受入れるが凹溝20が傾斜状になっていることにより時間差をもって1個ずつ送り出すことができる。さらに凹溝をジグザグ状に連通した状態としても時間差をもって1個ずつ送り出すことは可能である。また、第1回転体および第2回転体を回転軸方向にパチンコ球を移送するスクリュータイプと該回転軸に対して直交方向に移送するスプロケットタイプとの組合せとしてもよく、このように回転方向が直交する際には連繋手段として例えば傘歯車等を使用して回転方向を変更するようにすればよい。
【0031】
なお、本実施の形態は第1回転体14の凹溝20および第2回転体15の球受溝22を対応位置するようにしたが、凹溝20から完全に離脱したパチンコ球を球受溝22で受けるようにしてもよい。また、連繋手段をギアとして第1回転体14および第2回転体15を直接連繋するように説明したが、連繋手段はギアに限ることなく第1回転体14および第2回転体15の位置関係によってベルト、チェーン等により連繋するようにしてもよい。また、電気的駆動源としてのモータ18の出力軸18aを第2回転体15に直結するようにしたが、第1回転体14に固定するようにしてもよい。また、モータ18の出力軸18aに別のギアを固着し、該ギアを介して第1回転体14または第2回転体15のギア23,24と連繋するようにしてモータ18への負担をさらに軽減するようにしてもよい。このとき、当然のことながらモータ18の出力軸18a固着する別のギアはギア23,24より小径とするのが好ましい。
【0032】
また、実施の形態として電気的駆動源をモータ18として説明したが、ソレノイドを用いて該ソレノイドの駆動により規制が解除されると第1回転体14および第2回転体15がパチンコ球の自重により回転するようにしてもよく、第1回転体14および第2回転体15が連繋されていることにより暴走して過剰にパチンコ球を払出すことがない。この際、ギア23,24を利用して直接ソレノイドで制御しても、制御用のギアを別途設けるようにしてもよい。
【0033】
そこで上記自重により回転させる第1回転体14および第2回転体15を備えた球払出装置9について図面と共に説明する。なお、上記実施の形態と同じ構成要素には同一符号を付して説明する。該球払出装置9は、図11および図12に示すように供給通路13を前記したパチンコ球が複列でランダムに並列可能な幅広に形成して屈曲させている。排出通路16には第2回転体15から解放され払出された直後のパチンコ球を検出する光電式の球検知スイッチ19が設けられる。また、第1回転体14は、図12に示すように球受部21上面を交互に内方に向かう傾斜とすることにより、球受部21で支持されたパチンコ球が自然に凹溝20に導かれるように形成している。そして、第1回転体14の回転軸14a軸心位置を供給通路13の最先のパチンコ球の球心位置より供給通路13外側に僅かに位置をずらしてパチンコ球の自重により第1回転体14を回動するようにして、ギア23,24を介して第2回転体15を回動するようにしている。なお、供給通路13を屈曲状にしたが垂直状としてもよく、第1回転体14がパチンコ球の自重により回転するように設けるようにすればよい。
【0034】
また、図11および図12に示すように第2回転体15の停止機構30として、該第2回転体15の回転軸15aと同軸上に設けられた側板31の周縁部に45゜間隔で球受溝22と同数の8箇所に切欠形成されている爪部32,32…と、該爪部32,32…に当接離脱可能な突起33を有する略く字状の停止部材34とで構成され、該停止部材34は軸38により揺動自在に軸支され、スプリング35を介して電気的駆動源としてのソレノイド36のプランジャ37に連結されている。39は、前記軸38に妄動防止手段として設けられる揺動体であり、図13に示すように第2回転体15の側方に設けられたカム部40の凹部41に交互に当接して抵抗力となる当接片42が形成され第2回転体15の回転速度を緩和するようにしている。なお、前記停止部材34は軸38を介して爪部32に対して側方から作用するように設置されていて、爪部32の回転作用力が停止部材34の軸38方向に向かうようになっており爪部32と突起33との係合が確実になされる。
【0035】
そして、ソレノイド36が消磁されている常態のとき、図11に示すようにスプリング35の弾発力によって突起33が爪部32に当接するように付勢されて第2回転体15の回転を阻止している。この状態で、ソレノイド36を駆動励磁すると図11鎖線に示すようにスプリング35の付勢に抗してプランジャ37が吸引され、停止部材34が回動し突起33が爪部32から離脱し、第2回転体15は回転可能状態となり、第1回転体14の凹溝20に受け入れられたパチンコ球の自重によって第1回転体14が回転し、ギア23,24を介して第2回転体15が回転して払出される。そして、検出センサ19により所定個数のパチンコ球が検出されるとソレノイド36を消磁して、停止部材34が復動し前記と同様の作用によって、突起33に爪部32が当接して第2回転体15の回転を阻止する。
【0036】
このようにソレノイド36を駆動して第1回転体14の凹溝20に受け入れられたパチンコ球の自重によって回転するようにした第1回転体14にあっては、例えば供給通路13が球抜後の空の状態の時に誤ってパチンコ球が1個供給通路13に入り込んで球受部21で支持された場合、この実施の形態のように球受部21が凹溝20側に傾斜していないと、いくらソレノイド36を駆動励磁しても供給通路13に入り込んだ該パチンコ球により第1回転体14に回転力が与えられないが、この実施の形態のように球受部21が凹溝20側に傾斜していることにより球受部21で支持されたパチンコ球は図12に示すように確実に凹溝20に導かれ第1回転体14に回転力を与えることができるので最後の1個まで払出しが可能となる。また、供給通路13の最先のパチンコ球の球心位置を第1回転体14の回転軸14a軸心位置より供給通路13側に僅かに位置をずらした回転軸14a軸心近くであっても確実に払出しが可能となる。
【0037】
また、上記実施の形態において第1回転体14の球受部21を傾斜させて最後の1個まで払出しが可能となるようにしたが、屈曲して形成された供給通路13の終端底部を通路幅のほぼ中央でV字状になるようにして、供給通路13を流下してくるパチンコ球が終端で通路の中央に寄るようにすると共に、第1回転体14の凹溝20端部を第1回転体14の中央を跨ぐように設けるようにしてもよい。このようにすることで、例え誤ってパチンコ球が1個供給通路13に入り込んでもV字状の底部により供給通路13の中央に寄り、第1回転体14の凹溝20が待機しているため必ず凹溝20に受入れられ、第1回転体14に回転力を付与して最後の1個まで払出しを可能とすることができる。
【0038】
また、第1回転体14は、図14に示すように球受部21を交互に逆傾斜にすることにより球受部21間に凹溝20を形成し、球受部21のパチンコ球が確実に凹溝20に導かれるように形成してもよい。
【0039】
また、前記ギア23,24に替えて図15に示すように葉ロータ付スプロケット28,29の噛合により第1回転体14と第2回転体15を連繋してもよい。このとき葉ロータ付スプロケット28,29の噛合部は図15に示すように隙間Sができるように噛合され、該隙間Sにゴミ・埃が入るようにして、ゴミ・埃による第1回転体と第2回転体15の回転阻害を防止している。特に自重回転制御による払出しの際には効果的である。なお、隙間Sを形成する葉ロータ付スプロケット28,29の凹部を葉ロータ付スプロケット28,29の幅方向に片側または両側に傾斜させることによりに前記隙間Sに溜まったゴミ・埃を排出させることができる。
【0040】
さらに、図15に示すように10葉ロータ付スプロケット28,29を前記停止機構30として利用し、停止部材34の突起33を直接10葉ロータ付スプロケット28,29の歯部に当接離脱させるようにして第2回転体15を停止させるようにしてもよい。また、例えば図15に示すようにいずれか一方の葉ロータ付スプロケット28,29の凹部に位置して回動検知用の光電式スイッチ44を設け、葉ロータ付スプロケット28,29の葉部により光軸を遮る回数を検知することにより第1回転体14または第2回転体15の回転位置を検知してもよい。このように葉ロータ付スプロケット28,29の回転を検知して第1回転体14または第2回転体15の回転を制御することにより過剰払出が防止でき、球検知スイッチ19を近接スイッチとすることができる。このことから排出通路16を図上ほぼ垂直状としたが第2回転体15の外周に沿って周回するように設けてその下流端に近接スイッチを設けることもできる。また、葉ロータ付スプロケット28,29を金属製として光電式スイッチ44に換えて磁気センサにより該葉部を検知して第1回転体14または第2回転体15の回転を制御するようにしてもよい。なお、球払出装置9に検出センサ19を設けることなく光電式スイッチ44または磁気センサにより第1回転体14または第2回転体15の回転を制御することで払出しを制御するようにしてもよく、例えばCR機のように賞球と貸球を分けて検出する場合には球払出装置9の下方に位置して複数の通路に振分ける振分け手段を設け、複数の通路のそれぞれに賞球と貸球を計数する検出センサ19を設けるようにしてもよい。
【0041】
図16は、第1回転体14および第2回転体15の妄動防止手段を設けた他の実施の形態を示し、妄動防止手段として上記パチンコ球の自重により回転する第1回転体14と第2回転体15を連繋するギア23,24にフリー回転するギア43を連繋して設けて、該ギア43を回転させる負荷を与えることにより、第2回転体15の暴走を抑制し1個単位の確実な払出しを行うようにしている。なお、前記フリー回転するギア43は連繋手段のギア23,24のどちらに噛合させてもよく、さらにフリー回転するギア43を複数設けるようにしてもよい。また、ギア43の大きさおよび材質または重錘を設けることで重さを変更して負荷を調整することができる。また図17に示すように前記ギア23,24に連繋してフリー回転するギア43を前記停止機構30の制御用ギアとして使用して、停止部材34の突起33をギア43の歯部に当接離脱させるようにして第2回転体15を停止させるようにしてもよく、好ましくはギア43をギア23より大径としてソレノイド36にかかるトルクを低減させるのがよい。また、ギア43の回転を図17に示す光電式スイッチ44または磁気センサにより検知して前記第1回転体14または第2回転体15の回転を制御するようにしてもよく、図上排出通路16を第2回転体15の外周に沿って周回するように設けてその下流端に球検知スイッチとして近接スイッチを設けている。
【0042】
このようにフリー回転する該ギア43は設置場所が限定されないため、前記停止機構30およびセンサを供給通路13,排出通路16および第1回転体14と第2回転体15等の位置に制限されることなく任意の位置に自由に設定でき、球払出装置9をコンパクト化することができる。
【0043】
さらに他の妄動防止手段として第1回転体14,第2回転体15またはギア23,24,43に弾性片を当接させたり、第1回転体14,第2回転体15またはギア23,24,43に常に接触状に位置する環状リブまたはゴム等の弾性を有する環状体を設けて第1回転体14および第2回転体15の回動時に接触抵抗を付与したりしてもよい。また、第1回転体14,第2回転体15またはギア23,24,43の側面に位置して該側面側で開口する収容室を形成すると共に該収容室に鋼球等の球体を収容し、該鋼球が常に第1回転体14,第2回転体15またはギア23,24,43の側面に接触状態として第1回転体14,第2回転体15の妄動を防止するようにしてもよい。さらに前記側面に1個ごとの払出しに合致する凹凸部を設けてパチンコ球が1個払出される度に前記球体が凹部に嵌るようにして回転体を間欠的に回転するようにしてもよい。なお、球体は第1回転体14がパチンコ球1個の荷重で回転可能であれば複数設けてもよい。
【0044】
また、本発明の実施の形態の球払出装置は、貸球または賞球用の球払出装置に限られることなく、パチンコ機間に設けられる球貸し機、さらには球タンクへの補給機としても使用することができる。また、球制御装置として球払出装置について詳述したが、本発明の球制御装置は入賞球を排出制御する入賞球処理装置等にも適用することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明に係るパチンコ球の球制御装置は、複列で流下するパチンコ球を単列に整流する第1回転体と単列に整流したパチンコ球を排出通路に払出す第2回転体を連繋手段により連繋するようにしたので、回転体および電気的駆動源への負荷を軽減することができ、確実に1個ずつ排出することができる。
【0046】
また、供給通路の仕切壁をなくして通路幅をパチンコ球が複列でランダムに並列する幅広とすることにより、装置全体を小型化することができると共に、供給通路を流下するパチンコ球の振動によってバイブ効果が発生し、球詰りを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるパチンコ機の裏面図である。
【図2】本発明に係る球払出装置の斜視図である。
【図3】図2の分解斜視図である。
【図4】球払出装置部分の正断面図である。
【図5】球払出装置の側断面図である。
【図6】(a)〜(d)はパチンコ球の払出作用を説明するための正断面図である。
【図7】他の実施の形態の回転体の斜視図である。
【図8】図7の球払出装置の側断面図である。
【図9】他の実施の形態の球払出装置の作用を説明する正断面図である。
【図10】他の実施の形態の球払出装置の平面図である。
【図11】他の実施の形態の球払出装置の正断面図である。
【図12】図11の側断面図である。
【図13】妄動防止手段を示す正面図である。
【図14】第1回転体の他の実施の形態の斜視図である。
【図15】連繋手段の他の実施の形態を示す正面図である。
【図16】妄動防止手段の他の実施の形態を示す正面図である。
【図17】連繋手段を示す正面図である。
【符号の説明】
9 球払出装置(球制御装置)
13 供給通路(球流路)
13a,13b 供給通路(球流路)
14 第1回転体(制御体)
15 第2回転体(制御体)
16 排出通路
18 モータ(電気的駆動源)
19 球検知スイッチ
20 凹溝
21 球受部
22 球受溝
23,24 ギア(連繋手段)
28,29 葉ロータ付スプロケット(連繋手段)
36 ソレノイド(電気的駆動源)
W 通路幅
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機における球払出装置等の球制御装置に関するものであり、特に複列で流下するパチンコ球を単列で排出する球制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近のパチンコ機の球払出装置は、パチンコ球を1個単位で計数するようにし、入賞したパチンコ球ごとに払出されるパチンコ球の定量数を1個単位に設定、変更調整できるようにした構造のものが本出願人による特開平5−7656号をはじめとして多数提案されているが、従来の球払出装置はパチンコ球を1個ずつ払出すもののその払出したパチンコ球を検出するスイッチが複数必要となってコスト高となっていた。そこで、排出通路を絞り込んで払出されたパチンコ球を一列に整列して1個の検出スイッチで払出されたパチンコ球を計数するようにした球払出装置が提案されている。
【0003】
また、二列の球通路の各列のパチンコ球を1個単位で制御して前記パチンコ球払出装置へ送り出す機構として、外周に数個の円弧面とパチンコ球が嵌入し得る凹窪を等間隔で形成した円盤状になる回転体を前記二列の各列の球通路ごとに臨ませて設置し、各列の回転体は互いの円弧面の1個分に対する半ピッチを回転方向へ変位させて並列に設置し、一方の回転体の円弧面が一方の球通路に臨んでいるとき、他方の回転体の凹窪が他方の球通路に臨んで互いの回転体の円弧面と凹窪が各列の球通路に食い違い状に臨ませることにより、各列のパチンコ球を1個ずつ所定のタイミング差をもって交互に取り込んで単列で賞球払出装置に送出すようにして、パチンコ球を1個単位で払出すようにしている。(特公平5−5515号公報参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記球払出装置は、供給通路がパチンコ球のほぼ直径に等しい12mmであるため、連続するパチンコ球の球心が流下方向に常に一定な状態にあり、回転体に支持される最先のパチンコ球にかかる球圧がすべて回転体にかかり電気的駆動源に大きな負担となり円滑なパチンコ球の払出しができなくなるという問題があった。さらに、通路を絞り込むことによって1列に整列するため、払出されたパチンコ球同士が接触し球詰りを起したり、払い出してから検出されるまでのタイムラグのために高速で払出すことができないという問題があった。
【0005】
また、前述した二列の球通路を単列にする機構においては、パチンコ球の自重により回転体が回転するため球払出装置の球送り制御部材に球圧が直接掛かることになり、球送り制御部材および該球送り制御部材を駆動する電気的駆動源に過重が掛かり短期間に故障しやすいという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、供給通路のパチンコ球を制御する回転体およびその電気的駆動源に負担をかけることなくスムーズに排出することができるパチンコ機の球制御装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、パチンコ球を供給する複数の供給通路と、前記複数の供給通路に臨み複列で流下するパチンコ球を周面に形成される凹溝で受け単列に整列する第1回転体と、前記第1回転体に対抗位置して該第1回転体により単列に整列したパチンコ球を球受溝で受ける第2回転体と、前記第2回転体が回転することにより球受溝から解放されるパチンコ球が単列で払出される排出通路と、前記第1回転体の凹溝と前記第2回転体の球受溝が常に対向位置しかつ第1回転体と第2回転体とが同時に回転するように従動させる連繋手段と、前記第1回転体および第2回転体の回転を制御する電気的駆動源とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、通路幅をパチンコ球が複数個並ぶ幅広とする供給通路と、前記幅広の供給通路に臨み複列で流下するパチンコ球を周面に形成される凹溝で受け単列に整列する第1回転体と、前記第1回転体に対抗位置して該第1回転体により単列に整列したパチンコ球を球受溝で受ける第2回転体と、前記第2回転体が回転することにより球受溝から解放されるパチンコ球が単列で払出される排出通路と、前記第1回転体の凹溝と前記第2回転体の球受溝が常に対向位置しかつ第1回転体と第2回転体とが同時に回転するように従動させる連繋手段と、前記第1回転体および第2回転体の回転を制御する電気的駆動源とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記連繋手段はギアの噛合により連繋したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記第1回転体はスプロケットであり、該スプロケットの凹溝に同時に2個のパチンコ球を受け入れないように交互に設けたことを特徴とし、確実に1個ずつ送り出すようにした。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、前記第2回転体を電気的駆動源により直接駆動するようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の発明において、前記排出通路の上流部に球検知スイッチを設けたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の発明において、前記球制御装置を球払出装置としたことを特徴とする。
【0014】
なお、本発明の球制御装置は、貸球または賞球用の球払出装置に限られることなく、パチンコ機間に設けられる球貸し機、さらには球タンクへの補給機にも適用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のパチンコ機の球制御装置としての球払出装置を図面を参照して説明する。図1は本発明の球払出装置が適用されるパチンコ機1の裏面図である。パチンコ機1の裏側には遊技盤の裏面全体を覆うように機構板2が配設されており、該機構板2の上部にはパチンコ球を貯留する球タンク5が設けられ、該球タンク5の下方にパチンコ球を整列して流下させる球誘導樋6が設けられている。また、球誘導樋6の下流側に屈曲誘導樋7を介して本発明の球制御装置としての球払出装置9が接続される。さらに該球払出装置9の下方には、払出されたパチンコ球を機前の球受皿(図示せず)に導く排出樋10が設けられている。
【0016】
また、機構板2の下方には入賞球集合部3に集められた入賞球を1個ずつ排出処理する入賞球処理装置4が設けられている。
【0017】
次に、図2ないし図6を参照して本実施の形態に係るパチンコ機の球払出装置9の構成について説明する。球払出装置9は図3に示すように箱枠状のケース体12に前記屈曲誘導樋7の球通路7aと連通する球流路としての供給通路13と、該供給通路13に臨み最先のパチンコ球を支持する制御体としての第1回転体14,第2回転体15と、第2回転体15の支持から外れ傾斜面を有するガイド壁16aにより単列で払出される排出通路16とを備え、ケース体12に前記第1回転体14,第2回転体15を回転駆動する電気的駆動源としてのモータ18が取付けられている。なお、該モータ18は回転制御が容易なステッピングモータが望ましいが通常のモータであってもよい。前記供給通路13は仕切壁8により複列で供給する複数の供給通路13a,13bが形成されている。19は排出通路16に払出されたパチンコ球を検出する球検知スイッチであり、該球検知スイッチ19は発光部19aと受光部19bとからなる光学式センサで、しかも図4に示すように排出通路16の中心線からずれた位置でその光軸が交差するように配置される。そして第2回転体15による制止が開放されたパチンコ球が光軸を遮ることで該パチンコ球を検知し得るように配置される。なお、球検知スイッチ19は複数の光軸がパチンコ球の通過方向と直交する面内にて交差する光学式センサとしてもよく、該光学式センサを用いることにより、例えば貸球および賞球として払出されたパチンコ球をそれぞれ別々に計数することができる。また、排出通路16を図上ほぼ垂直状としたが第2回転体15の外周に沿って周回するように設け、その下流端に第2回転体15による制止が開放された直後のパチンコ球を検知する球検知スイッチとして近接スイッチを設けるようにしてもよい。
【0018】
前記第1回転体14は、合成樹脂により通路幅Wとほぼ等しい寸法を有する円柱状に成形され、その周面に軸方向と平行でありパチンコ球の外形に略合致する凹溝20を供給通路13a、13bに対応して同時に2個のパチンコ球を受け入れないように交互にピッチをずらして複数(本実施の形態ではそれぞれ3箇所)設けて該凹溝20間を球受部21として、供給通路13a、13bのパチンコ球を単列に整流する整流手段としている。該球受部21の円弧面は、第1回転体14が回転するに従って球受部21で支持されているパチンコ球が徐々に下降し凹溝20に受入れられるような反回転方向に傾斜したと形状としている。
【0019】
一方、第2回転体15は略パチンコ球1個分の幅を有するスプロケットであり、9つの稜線と各稜線間形成された9つの球受溝22を備え、前記第1回転体14で単列に整列したパチンコ球を排出通路16に払出す排出手段としている。また、第2回転体15に前記モータ18の出力軸18aを直結してモータ18の駆動により直接第2回転体15が回転するようになっている。また、前記球受溝22はパチンコ球の一部を受入れる円弧面としている。なお、第1回転体14および第2回転体15はアルミ合金等によりダイカスト成形してもよく、当然のことながら強度に優れしかもパチンコ球に帯電した静電気を放電し、静電気による障害を未然に防止することができる。また、ケース体12を強度・静電気除去を目的として合成樹脂に金属繊維を混合したもので成形してもよい。
【0020】
しかして、第1回転体14および第2回転体15は連繋手段としてのギア23,24を備え、図4に示すように互いのギア23,24を噛合させることにより第1回転体14および第2回転体15を連繋し、第1回転体14が単独で回転することなく第2回転体15が回動することにより第1回転体14が従動して回動するようにしている。このとき、第1回転体14の凹溝20および第2回転体15の球受溝22は対向位置しており、第1回転体14の凹溝20で運ばれるパチンコ球を第2回転体15の球受溝22で受けるように噛合させている。なお、ギア23,24を第1回転体14および第2回転体15の端部に一体に形成するようにしたが、ギア23,24を別体に形成して第1回転体14および第2回転体15の回転軸14a,15aに固着するようにしてもよい。また、本実施の形態において第1回転体14および第2回転体15のギア比は3:2とし、第1回転体14のギア23よりモータ18により直接回転する第2回転体15のギア24を小さくしてモータ18への負担を軽減している。
【0021】
次に、上記構成からなる球払出装置9の払出し動作について図5および図6を参照して説明する。前記屈曲誘導樋7の球通路7aから供給通路13a,13bにパチンコ球が供給され、図5および図6(a)に示すように供給通路13a,13bの最先のパチンコ球B1,B2が第1回転体14の凹溝20および球受部21に受入れまたは支持されて並ぶ。この状態でモータ18を駆動すると第2回転体15が時計回り方向に回動しそれに連動して第1回転体14が図4において矢印で示す反時計回り方向に回転され、供給通路13aのパチンコ球B1は図6(b)に示すように凹部20に受けられつつ回転移動し、後続のパチンコ球Bが球受部21に支持され、供給通路13bのパチンコ球B2は凹溝20に受けられる。そして、さらに第1回転体14が回動すると図6(c)に示すようにパチンコ球B1が第2回転体15の球受溝22に受け入れられ、球受溝22と凹溝20とにより運ばれながら図5鎖線に示すようにガイド壁16aの傾斜面により中央に集束して図6(d)に示すように凹溝20の支持から外れて排出通路16に落下し球検知スイッチ19で検出される。
【0022】
以後第1回転体14および第2回転体15は同様の動きを繰返し、供給通路13a,13bのパチンコ球を交互に排出通路16に落下させ、落下したパチンコ球は排出通路16で球検知スイッチ19の光軸を遮りながら排出樋10に排出されることになる。そして、所定個数の払出しが行われ、球検知スイッチ19によりパチンコ球が検知されるとモータ18が停止する。なお、排出通路16を第2回転体15に沿った湾曲状とすることで、球検知スイッチ19により第2回転体15から離脱した瞬間のパチンコ球を検知することが可能となる。
【0023】
このように、複列で流下するパチンコ球を単列に整流する第1回転体14と単列に整流したパチンコ球を排出通路16に払出す第2回転体15を連繋手段により連繋するようにしたので、払出し手段としての第2回転体15および電気的駆動源のモータ18への負荷を大幅に軽減し、球詰りすることなく1個ずつ排出通路16に排出することができ、第2回転体15で単列で保持されつつ払出されるため球検知スイッチ19で確実に検知できる。なお、第1回転体14の凹溝20および第2回転体の球受溝22の数は、上記実施の形態の6個と9個に限定されることなく、同じギア比において4個と6個というように凹溝20および球受溝22が常に対向位置して、第1回転体14の回転により凹溝20で運ばれるパチンコ球を第2回転体15の球受溝22で受けるようにすればよい。また、当然のことながら第1回転体14および第2回転体のギア比を変えることにより凹溝20および球受溝22の数を変更することができる。
【0024】
また、図7および図8に示すように、第2回転体15の端部に内方に向って傾斜する円錐台形のガイド部26を形成してもよく、該ガイド部26により第1回転体14の凹溝20,20で運ばれるパチンコ球を中央に集束して排出通路16に払出すようにしている。これにより前記実施の形態に示したようなガイド壁16aを設けることなく速やかに中央に集束させることができ、排出通路16で球検知スイッチ19によるパチンコ球の早期の検知が可能となり、高速の払出しが可能となる。
【0025】
また、図9に示すように前記供給通路13a,13bの仕切壁8をなくして供給通路13内をパチンコ球が複列でランダムに並列可能な幅広に形成してもよく、このとき第1回転体14は供給通路13内にランダムに並んだパチンコ球が前記凹溝20に同時に2個受け入れない寸法形状が選ばれ、本実施の形態において供給通路13の通路幅W(回転体の幅方向)をランダムに複列で流下する24mmとしている。
【0026】
上記構成の球払出装置9は、供給通路13にパチンコ球が供給されると図9に示すように供給通路13でランダムに連続して待機しているパチンコ球は、複列で待機する最先のパチンコ球B1,B2が第1回転体14の凹溝20および球受部21に支持されて後続のパチンコ球がランダムに連なっている。この状態で払出し信号によりモータ18が回転し、第2回転体15が回転すると連繋手段としてのギア23,24の噛合によって第1回転体14が回動する。以後の払出し作用は前記実施の形態と同様なため詳細な説明は省略するが、第1回転体14の回転により単列に整列し第2回転体15の回転により排出通路16に払出される。このとき供給通路13内のパチンコ球は、例えバランスがとれて球詰りしそうになっても、第1回転体14が回転しパチンコ球B2が凹溝20に受け入れられることにより、図9鎖線に示すように上下方向だけでなく左右方向にランダムに動くため球圧が四方に分散すると共に、パチンコ球同士の接点がずれパチンコ球の配列が変化することによりバランスが崩れ球詰りすることなくパチンコ球が流下する。
【0027】
以上のように、本実施の形態に係る球払出装置9は、図9に示すように供給通路13にパチンコ球がランダムに並ぶことにより、球圧が第1回転体14に直下的に掛かることなく供給通路13側壁にも分散するので、第1回転体14に掛かる球圧が減少されモータ18への負荷を軽減させることができる。また、例え少数の払出しでもパチンコ球が払出されるたびに通路内のパチンコ球が動き並び方が変化して適度な振動が発生し、それがバイブ効果となり屈曲誘導樋7は勿論のこと上流の球誘導樋6および球タンク5の球詰りを防止する効果を生ずる。
【0028】
また、供給通路13の仕切壁8をなくして通路幅Wをパチンコ球がランダムに並ぶ幅広とすることで、装置全体を縮小して小型化することができると共に、例え球払出装置9の取付時の多少の位置ずれや成形時のヒケがあったとしても、パチンコ球を球払出装置9に確実に供給することができる。また、球誘導樋6でパチンコ球を整列する必要がないので、例えば球タンク5の球導出口に直接設けることも可能となる。また、球誘導樋6および屈曲誘導樋7を供給通路13と同様にパチンコ球がランダムに並ぶ幅広としてもよい。
【0029】
また、上記した実施の形態では、通路幅Wをパチンコ球が2個並ぶ24mmとしたが、図10に示すように並列状に3個並ぶ通路幅Wでもよく、第1回転体14にパチンコ球が同時に2個受け入れることなく1個ずつ嵌る凹溝20を設けている。なお、本発明は同時に2個のパチンコ球が凹溝20に受け入れない限り、通路幅Wに限定されることなく3個以上並列して並ぶ通路幅Wでもパチンコ球1個ずつの払出しは可能である。
【0030】
なお、本実施の形態の球払出装置の第1回転体および第2回転体をスプロケットタイプとしたが、凹溝20,球受溝22の数および凹溝20,球受溝22間のピッチは上記実施の形態に示したものに限定されることはない。球受溝22間のピッチを大きくすることで球間隔があき球検知スイッチ19を近接スイッチとすることも可能となる。さらに、回転軸に複数の偏心円盤が互いに逆方向に偏心した位置に固着されたもの、スプロケットを捻ったような複数の螺旋条を備えたもの、移送手段を螺旋状に設け回転軸方向にパチンコ球を移送するスクリュータイプとしてもよい。また、上記実施の形態において第1回転体14は凹溝に2個のパチンコ球を同時に受入れないとしたが、第1回転体14の回転軸に対し複数のパチンコ球が受入れ可能な凹溝20を傾斜状に設けて、結果的には凹溝20に2個のパチンコ球を受入れるが凹溝20が傾斜状になっていることにより時間差をもって1個ずつ送り出すことができる。さらに凹溝をジグザグ状に連通した状態としても時間差をもって1個ずつ送り出すことは可能である。また、第1回転体および第2回転体を回転軸方向にパチンコ球を移送するスクリュータイプと該回転軸に対して直交方向に移送するスプロケットタイプとの組合せとしてもよく、このように回転方向が直交する際には連繋手段として例えば傘歯車等を使用して回転方向を変更するようにすればよい。
【0031】
なお、本実施の形態は第1回転体14の凹溝20および第2回転体15の球受溝22を対応位置するようにしたが、凹溝20から完全に離脱したパチンコ球を球受溝22で受けるようにしてもよい。また、連繋手段をギアとして第1回転体14および第2回転体15を直接連繋するように説明したが、連繋手段はギアに限ることなく第1回転体14および第2回転体15の位置関係によってベルト、チェーン等により連繋するようにしてもよい。また、電気的駆動源としてのモータ18の出力軸18aを第2回転体15に直結するようにしたが、第1回転体14に固定するようにしてもよい。また、モータ18の出力軸18aに別のギアを固着し、該ギアを介して第1回転体14または第2回転体15のギア23,24と連繋するようにしてモータ18への負担をさらに軽減するようにしてもよい。このとき、当然のことながらモータ18の出力軸18a固着する別のギアはギア23,24より小径とするのが好ましい。
【0032】
また、実施の形態として電気的駆動源をモータ18として説明したが、ソレノイドを用いて該ソレノイドの駆動により規制が解除されると第1回転体14および第2回転体15がパチンコ球の自重により回転するようにしてもよく、第1回転体14および第2回転体15が連繋されていることにより暴走して過剰にパチンコ球を払出すことがない。この際、ギア23,24を利用して直接ソレノイドで制御しても、制御用のギアを別途設けるようにしてもよい。
【0033】
そこで上記自重により回転させる第1回転体14および第2回転体15を備えた球払出装置9について図面と共に説明する。なお、上記実施の形態と同じ構成要素には同一符号を付して説明する。該球払出装置9は、図11および図12に示すように供給通路13を前記したパチンコ球が複列でランダムに並列可能な幅広に形成して屈曲させている。排出通路16には第2回転体15から解放され払出された直後のパチンコ球を検出する光電式の球検知スイッチ19が設けられる。また、第1回転体14は、図12に示すように球受部21上面を交互に内方に向かう傾斜とすることにより、球受部21で支持されたパチンコ球が自然に凹溝20に導かれるように形成している。そして、第1回転体14の回転軸14a軸心位置を供給通路13の最先のパチンコ球の球心位置より供給通路13外側に僅かに位置をずらしてパチンコ球の自重により第1回転体14を回動するようにして、ギア23,24を介して第2回転体15を回動するようにしている。なお、供給通路13を屈曲状にしたが垂直状としてもよく、第1回転体14がパチンコ球の自重により回転するように設けるようにすればよい。
【0034】
また、図11および図12に示すように第2回転体15の停止機構30として、該第2回転体15の回転軸15aと同軸上に設けられた側板31の周縁部に45゜間隔で球受溝22と同数の8箇所に切欠形成されている爪部32,32…と、該爪部32,32…に当接離脱可能な突起33を有する略く字状の停止部材34とで構成され、該停止部材34は軸38により揺動自在に軸支され、スプリング35を介して電気的駆動源としてのソレノイド36のプランジャ37に連結されている。39は、前記軸38に妄動防止手段として設けられる揺動体であり、図13に示すように第2回転体15の側方に設けられたカム部40の凹部41に交互に当接して抵抗力となる当接片42が形成され第2回転体15の回転速度を緩和するようにしている。なお、前記停止部材34は軸38を介して爪部32に対して側方から作用するように設置されていて、爪部32の回転作用力が停止部材34の軸38方向に向かうようになっており爪部32と突起33との係合が確実になされる。
【0035】
そして、ソレノイド36が消磁されている常態のとき、図11に示すようにスプリング35の弾発力によって突起33が爪部32に当接するように付勢されて第2回転体15の回転を阻止している。この状態で、ソレノイド36を駆動励磁すると図11鎖線に示すようにスプリング35の付勢に抗してプランジャ37が吸引され、停止部材34が回動し突起33が爪部32から離脱し、第2回転体15は回転可能状態となり、第1回転体14の凹溝20に受け入れられたパチンコ球の自重によって第1回転体14が回転し、ギア23,24を介して第2回転体15が回転して払出される。そして、検出センサ19により所定個数のパチンコ球が検出されるとソレノイド36を消磁して、停止部材34が復動し前記と同様の作用によって、突起33に爪部32が当接して第2回転体15の回転を阻止する。
【0036】
このようにソレノイド36を駆動して第1回転体14の凹溝20に受け入れられたパチンコ球の自重によって回転するようにした第1回転体14にあっては、例えば供給通路13が球抜後の空の状態の時に誤ってパチンコ球が1個供給通路13に入り込んで球受部21で支持された場合、この実施の形態のように球受部21が凹溝20側に傾斜していないと、いくらソレノイド36を駆動励磁しても供給通路13に入り込んだ該パチンコ球により第1回転体14に回転力が与えられないが、この実施の形態のように球受部21が凹溝20側に傾斜していることにより球受部21で支持されたパチンコ球は図12に示すように確実に凹溝20に導かれ第1回転体14に回転力を与えることができるので最後の1個まで払出しが可能となる。また、供給通路13の最先のパチンコ球の球心位置を第1回転体14の回転軸14a軸心位置より供給通路13側に僅かに位置をずらした回転軸14a軸心近くであっても確実に払出しが可能となる。
【0037】
また、上記実施の形態において第1回転体14の球受部21を傾斜させて最後の1個まで払出しが可能となるようにしたが、屈曲して形成された供給通路13の終端底部を通路幅のほぼ中央でV字状になるようにして、供給通路13を流下してくるパチンコ球が終端で通路の中央に寄るようにすると共に、第1回転体14の凹溝20端部を第1回転体14の中央を跨ぐように設けるようにしてもよい。このようにすることで、例え誤ってパチンコ球が1個供給通路13に入り込んでもV字状の底部により供給通路13の中央に寄り、第1回転体14の凹溝20が待機しているため必ず凹溝20に受入れられ、第1回転体14に回転力を付与して最後の1個まで払出しを可能とすることができる。
【0038】
また、第1回転体14は、図14に示すように球受部21を交互に逆傾斜にすることにより球受部21間に凹溝20を形成し、球受部21のパチンコ球が確実に凹溝20に導かれるように形成してもよい。
【0039】
また、前記ギア23,24に替えて図15に示すように葉ロータ付スプロケット28,29の噛合により第1回転体14と第2回転体15を連繋してもよい。このとき葉ロータ付スプロケット28,29の噛合部は図15に示すように隙間Sができるように噛合され、該隙間Sにゴミ・埃が入るようにして、ゴミ・埃による第1回転体と第2回転体15の回転阻害を防止している。特に自重回転制御による払出しの際には効果的である。なお、隙間Sを形成する葉ロータ付スプロケット28,29の凹部を葉ロータ付スプロケット28,29の幅方向に片側または両側に傾斜させることによりに前記隙間Sに溜まったゴミ・埃を排出させることができる。
【0040】
さらに、図15に示すように10葉ロータ付スプロケット28,29を前記停止機構30として利用し、停止部材34の突起33を直接10葉ロータ付スプロケット28,29の歯部に当接離脱させるようにして第2回転体15を停止させるようにしてもよい。また、例えば図15に示すようにいずれか一方の葉ロータ付スプロケット28,29の凹部に位置して回動検知用の光電式スイッチ44を設け、葉ロータ付スプロケット28,29の葉部により光軸を遮る回数を検知することにより第1回転体14または第2回転体15の回転位置を検知してもよい。このように葉ロータ付スプロケット28,29の回転を検知して第1回転体14または第2回転体15の回転を制御することにより過剰払出が防止でき、球検知スイッチ19を近接スイッチとすることができる。このことから排出通路16を図上ほぼ垂直状としたが第2回転体15の外周に沿って周回するように設けてその下流端に近接スイッチを設けることもできる。また、葉ロータ付スプロケット28,29を金属製として光電式スイッチ44に換えて磁気センサにより該葉部を検知して第1回転体14または第2回転体15の回転を制御するようにしてもよい。なお、球払出装置9に検出センサ19を設けることなく光電式スイッチ44または磁気センサにより第1回転体14または第2回転体15の回転を制御することで払出しを制御するようにしてもよく、例えばCR機のように賞球と貸球を分けて検出する場合には球払出装置9の下方に位置して複数の通路に振分ける振分け手段を設け、複数の通路のそれぞれに賞球と貸球を計数する検出センサ19を設けるようにしてもよい。
【0041】
図16は、第1回転体14および第2回転体15の妄動防止手段を設けた他の実施の形態を示し、妄動防止手段として上記パチンコ球の自重により回転する第1回転体14と第2回転体15を連繋するギア23,24にフリー回転するギア43を連繋して設けて、該ギア43を回転させる負荷を与えることにより、第2回転体15の暴走を抑制し1個単位の確実な払出しを行うようにしている。なお、前記フリー回転するギア43は連繋手段のギア23,24のどちらに噛合させてもよく、さらにフリー回転するギア43を複数設けるようにしてもよい。また、ギア43の大きさおよび材質または重錘を設けることで重さを変更して負荷を調整することができる。また図17に示すように前記ギア23,24に連繋してフリー回転するギア43を前記停止機構30の制御用ギアとして使用して、停止部材34の突起33をギア43の歯部に当接離脱させるようにして第2回転体15を停止させるようにしてもよく、好ましくはギア43をギア23より大径としてソレノイド36にかかるトルクを低減させるのがよい。また、ギア43の回転を図17に示す光電式スイッチ44または磁気センサにより検知して前記第1回転体14または第2回転体15の回転を制御するようにしてもよく、図上排出通路16を第2回転体15の外周に沿って周回するように設けてその下流端に球検知スイッチとして近接スイッチを設けている。
【0042】
このようにフリー回転する該ギア43は設置場所が限定されないため、前記停止機構30およびセンサを供給通路13,排出通路16および第1回転体14と第2回転体15等の位置に制限されることなく任意の位置に自由に設定でき、球払出装置9をコンパクト化することができる。
【0043】
さらに他の妄動防止手段として第1回転体14,第2回転体15またはギア23,24,43に弾性片を当接させたり、第1回転体14,第2回転体15またはギア23,24,43に常に接触状に位置する環状リブまたはゴム等の弾性を有する環状体を設けて第1回転体14および第2回転体15の回動時に接触抵抗を付与したりしてもよい。また、第1回転体14,第2回転体15またはギア23,24,43の側面に位置して該側面側で開口する収容室を形成すると共に該収容室に鋼球等の球体を収容し、該鋼球が常に第1回転体14,第2回転体15またはギア23,24,43の側面に接触状態として第1回転体14,第2回転体15の妄動を防止するようにしてもよい。さらに前記側面に1個ごとの払出しに合致する凹凸部を設けてパチンコ球が1個払出される度に前記球体が凹部に嵌るようにして回転体を間欠的に回転するようにしてもよい。なお、球体は第1回転体14がパチンコ球1個の荷重で回転可能であれば複数設けてもよい。
【0044】
また、本発明の実施の形態の球払出装置は、貸球または賞球用の球払出装置に限られることなく、パチンコ機間に設けられる球貸し機、さらには球タンクへの補給機としても使用することができる。また、球制御装置として球払出装置について詳述したが、本発明の球制御装置は入賞球を排出制御する入賞球処理装置等にも適用することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明に係るパチンコ球の球制御装置は、複列で流下するパチンコ球を単列に整流する第1回転体と単列に整流したパチンコ球を排出通路に払出す第2回転体を連繋手段により連繋するようにしたので、回転体および電気的駆動源への負荷を軽減することができ、確実に1個ずつ排出することができる。
【0046】
また、供給通路の仕切壁をなくして通路幅をパチンコ球が複列でランダムに並列する幅広とすることにより、装置全体を小型化することができると共に、供給通路を流下するパチンコ球の振動によってバイブ効果が発生し、球詰りを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるパチンコ機の裏面図である。
【図2】本発明に係る球払出装置の斜視図である。
【図3】図2の分解斜視図である。
【図4】球払出装置部分の正断面図である。
【図5】球払出装置の側断面図である。
【図6】(a)〜(d)はパチンコ球の払出作用を説明するための正断面図である。
【図7】他の実施の形態の回転体の斜視図である。
【図8】図7の球払出装置の側断面図である。
【図9】他の実施の形態の球払出装置の作用を説明する正断面図である。
【図10】他の実施の形態の球払出装置の平面図である。
【図11】他の実施の形態の球払出装置の正断面図である。
【図12】図11の側断面図である。
【図13】妄動防止手段を示す正面図である。
【図14】第1回転体の他の実施の形態の斜視図である。
【図15】連繋手段の他の実施の形態を示す正面図である。
【図16】妄動防止手段の他の実施の形態を示す正面図である。
【図17】連繋手段を示す正面図である。
【符号の説明】
9 球払出装置(球制御装置)
13 供給通路(球流路)
13a,13b 供給通路(球流路)
14 第1回転体(制御体)
15 第2回転体(制御体)
16 排出通路
18 モータ(電気的駆動源)
19 球検知スイッチ
20 凹溝
21 球受部
22 球受溝
23,24 ギア(連繋手段)
28,29 葉ロータ付スプロケット(連繋手段)
36 ソレノイド(電気的駆動源)
W 通路幅
Claims (7)
- パチンコ球を供給する複数の供給通路と、前記複数の供給通路に臨み複列で流下するパチンコ球を周面に形成される凹溝で受け単列に整列する第1回転体と、前記第1回転体に対抗位置して該第1回転体により単列に整列したパチンコ球を球受溝で受ける第2回転体と、前記第2回転体が回転することにより球受溝から解放されるパチンコ球が単列で払出される排出通路と、前記第1回転体の凹溝と前記第2回転体の球受溝が常に対向位置しかつ第1回転体と第2回転体とが同時に回転するように従動させる連繋手段と、前記第1回転体および第2回転体の回転を制御する電気的駆動源とを備えたことを特徴とするパチンコ機の球制御装置。
- 通路幅をパチンコ球が複数個並ぶ幅広とする供給通路と、前記幅広の供給通路に臨み複列で流下するパチンコ球を周面に形成される凹溝で受け単列に整列する第1回転体と、前記第1回転体に対抗位置して該第1回転体により単列に整列したパチンコ球を球受溝で受ける第2回転体と、前記第2回転体が回転することにより球受溝から解放されるパチンコ球が単列で払出される排出通路と、前記第1回転体の凹溝と前記第2回転体の球受溝が常に対向位置しかつ第1回転体と第2回転体とが同時に回転するように従動させる連繋手段と、前記第1回転体および第2回転体の回転を制御する電気的駆動源とを備えたことを特徴とするパチンコ機の球制御装置。
- 前記連繋手段はギアの噛合により連繋したことを特徴とする請求項1または2記載のパチンコ機の球制御装置。
- 前記第1回転体はスプロケットであり、該スプロケットの凹溝は同時に2個のパチンコ球を受け入れないように交互に設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のパチンコ機の球制御装置。
- 前記第2回転体を電気的駆動源により直接駆動するようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のパチンコ機の球制御装置。
- 前記排出通路の上流部に球検知スイッチを設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のパチンコ機の球制御装置。
- 前記球制御装置を球払出装置としたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のパチンコ機の球制御装置。
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