JP3555972B2 - 磁気ディスクのテクスチャリング加工用組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は磁気ディスクにテクスチャリング条痕を付けるテクスチャリング加工用組成物及びその製造方法に関し、特に磁気ディスクの表面に均一に条痕を形成することができるテクスチャリング加工用組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び問題点】
パソコンを始めとする各種のコンピューターは最近著しい進歩を遂げ、それにつれて外部記憶装置であるハードディスク装置も広範に使用されるようになってきた。ハードディスク装置は、高速で回転する磁気ディスクとその回転により僅かに浮上して磁気ディスク上にデジタル信号を読み書きする磁気ヘッドとを有する。磁気ディスクは、一般にアルミニウム等からなる基板と、Ni−Pメッキ等からなる下地層と、塗布法、蒸着法又はスパッタリング法等により形成した磁性層と、カーボン等からなる保護層とからなる層構成を有する。
【0003】
ところで、最近益々増大する記録密度の要求を満たすために、磁気ディスク表面と磁気ヘッドとの距離は益々小さくなり、例えば0.1 〜0.3 μm程度になっている。このため磁気ディスクの表面はできるだけ平坦である必要があるが、磁気ディスクの平坦化に伴って磁気ヘッドが磁気ディスク表面に吸着するおそれも大きくなり、ハードディスクドライブの始動が不能になるというトラブルも起こる。
【0004】
このような磁気ヘッドの吸着を防ぐために、通常磁気ディスクの下地層(磁性層の下層となる)にいわゆるテクスチャリング加工を施している。テクスチャリング加工とは、所定の粒径の砥粒が付着した研磨テープあるいは砥粒の懸濁液を磁気ディスクの下地層表面に摺接して、磁気ディスク下地層の表面に微小な条痕を形成することである。このとき、テクスチャリング条痕は磁気ヘッドの吸着を防止するのに十分大きいとともに、浮上中の磁気ヘッドと衝突するほど大きくてはいけないという要件を満たす必要がある。その上、テクスチャリング条痕は十分に均一でなければならない。
【0005】
このような条痕を形成するためのテクスチャリング加工用砥粒組成物として、従来から高圧合成で得られた単結晶ダイアモンド砥粒や溶融法で得られた単結晶アルミナ砥粒を研削液(水溶性又は非不溶性の研削液剤を水で希釈したもの)に混合してスラリー状にしたものが使用されてきた。しかしながら、単結晶ダイアモンド砥粒はコスト高である。また単結晶アルミナ砥粒では加工速度が低く、またテクスチャリング加工面の表面粗さを小さくしても、テクスチャリング条痕が不均一になり、スクラッチ(表面に生じた線状の深い溝で、他の条痕に比べて幅及び深さが際立って大きいもの。本明細書では、同一の平均粒径の砥粒を用いた場合、他の条痕に比べて深さ又は幅が2倍以上大きいものと定義する。)やバリ(砥粒による切削屑が表面から分離されずに残った突起物。長径1μm以上及び高さ0.1μm以上のものと定義する。)が多くなるという問題がある。これは、ダイアモンド砥粒と比較してアルミナ砥粒のほうが軟らかいために粉砕時に角が取れて丸くなり、切刃部分が少なくなるので、加工面への食らいつきが低下し、その結果無理に加工面を引っかくことになるためである。このような不均一な条痕やバリがあると、磁気ディスク上を浮上した状態で相対的に移動する(飛行する)磁気ヘッドにかかる応力に乱れが生じ、コンタクト・スタート・ストップ(CSS)特性の悪化や、磁気ヘッドの墜落による記録エラーが起こるという問題が生じる。
【0006】
また今後さらに記録密度を向上させていくためには、磁気ディスク下地層のテクスチャリング加工面の表面粗さを小さくして、磁気ヘッドの浮上高さを小さくすることが必要であるが、単結晶ダイアモンド砥粒及び単結晶アルミナ砥粒のいずれも平均粒径が1 μm以下になると粒子の角が取れて丸くなり、切削力が著しく低下する。そのため砥粒の滑りが生じ、均一なテクスチャリング条痕が得られなくなる。
【0007】
従って本発明の目的は十分に均一なテクスチャリング条痕を形成することができる安価な砥粒組成物及びその製造方法を提供することである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、ゾル・ゲル法により製造した高密度な多結晶アルミナ焼結体からなる砥粒を用いることにより、十分に均一で、スクラッチやバリのないテクスチャリング条痕を形成することができることを発見し、本発明に想到した。
【0009】
すなわち、本発明の磁気ディスクのテクスチャリング加工用組成物は、ゾル・ゲル法で製造した多結晶アルミナ焼結体を切刃部分を有するようにボールミルにより粉砕してなる砥粒と、鉱油、動植物油、エステル油及び極圧油からなる群より選択された少なくとも一種及び界面活性剤を含む研削液とを含有する磁気ディスクのテクスチャリング加工用組成物であって、前記砥粒の最大粒径が5μm以下で平均粒径が0.1〜3μmであることを特徴とする。また磁気ディスクのテクスチャリング加工用組成物の製造方法は、アルミナ水和物の分散液を調製し、希酸を添加してゾル化し、種及び/又は改質成分を添加してゲル化し、整粒、仮焼及び焼結の工程を行うことにより多結晶アルミナ焼結体を作製し、前記多結晶アルミナ焼結体を切刃部分を有するようにボールミルにより粉砕し、かつ分級することにより最大粒径が5μm以下で平均粒径が0.1〜3μmの砥粒を作製し、鉱油、動植物油、エステル油及び極圧油からなる群より選択された少なくとも一種及び界面活性剤を含む研削液に前記砥粒を分散させることを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明の砥粒は、サブミクロンの微結晶から構成された非常に高密度な組織を有し、鋭利な切刃部分が多いために、溶融アルミナに比べて切削力が大きく、また切れ味も良い。そのため加工面に無理な力がかからず、条痕にバリが生じることが少ない。さらに、粒子がブロック状になっているために、溶融アルミナ粒子のような偏平粒子と異なり、粒子の角度による切削力のばらつきが少ない。
【0011】
さらに、このような多結晶アルミナ焼結体砥粒を、水溶性又は非水溶性の研削液剤を希釈してなる研削液と混合してスラリー状にすることにより、砥粒と磁気ディスク加工面との潤滑性が適度に調節される。
【0012】
切削力のばらつきが少ない多結晶アルミナ焼結体砥粒を適度な潤滑性を有するスラリー状にし、これを用いてテクスチャリング加工を行うことにより非常に均一でバリの少ないテクスチャリング加工面が得られ、またテクスチャリング加工屑の排出性が促進することで、清浄度の高いテクスチャリング面が得られる。その結果、テクスチャリング加工後に磁性層及び保護層を形成して完成した磁気ディスクは著しく向上したCSS特性を有する。
【0013】
本発明の磁気ディスクテクスチャリング加工用組成物及びそれを用いたテクスチャリング加工方法について、以下詳細に説明する。
【0014】
[1] テクスチャリング加工用組成物
(a) 多結晶アルミナ焼結体からなる砥粒
(1) 製造法
まず多結晶アルミナ焼結体をゾル・ゲル法で製造する。ゾル・ゲル法は、1.アルミナ水和物の分散液の調製、2.希酸の添加によるゾル化、3.種及び/又は改質成分の添加、4.ゲル化、5.整粒、6.仮焼、7.焼結、及び8.粉砕・分級の工程により行う。
【0015】
1.アルミナ水和物の分散液の調製
アルミナ水和物は一般に擬ベーマイトと呼ばれ、市販されているものを使用し、これに水を添加しスラリーとする。スラリー中のアルミナ水和物の含有量は5〜30重量%程度が好ましい。
【0016】
2.希酸の添加によるゾル化
アルミナ水和物スラリーに希酸を添加することにより、ゾル化させる。希酸としては硝酸、塩酸、酢酸等を使用するが、特に硝酸が好ましい。硝酸の添加量は、アルミナ水和物に対して0.03〜0.1 ml(67%硝酸)量/gであるのが好ましい。
【0017】
3.種及び/又は改質成分の添加
アルミナ水和物ゾルに種及び/又は改質成分を添加し、良く撹拌混合する。種としてはα−アルミナ、α−酸化鉄、チタン酸ニッケル等が代表的である。α−アルミナの添加量は、ゾル中のアルミナに対して0.1〜3重量%程度が好ましい。改質成分としては、ジルコニア、ハフニア、イットリア、マグネシア、ランタニア、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化コバルト等が代表的である。改質成分の添加量は、改質成分の種類にもよるが、ゾル中のアルミナに対して0.1〜10重量%程度が好ましい。
【0018】
4.ゲル化
上記アルミナ水和物ゾルを50〜120℃で乾燥することにより、ゲル化させる。50℃未満であると乾燥速度が低すぎ、一方120℃を超えると後の整粒工程で発生する不要粒度を再度ゾル化して利用することが困難になる。
【0019】
5.整粒
上記工程で得られたアルミナゲルは塊状であるので、ロールミル、ハンマーミル等で粉砕し、分級により最大粒径が2mm以下になるように整粒する。
【0020】
6.仮焼
ゲル粒子から水和水及び残留希酸を除去するために、400〜900℃で仮焼する。仮焼温度が400℃未満であると、水和水及び残留希酸の除去が不十分であり、一方900℃を超えるとα化が始まり、後の焼結工程での結晶粒径の制御が困難になる。なお、仮焼時間は温度に依存するが、一般に15分〜2時間程度でよい。
【0021】
7.焼結
仮焼したアルミナ粒子は、ロータリーキルン等により流動状態で1100〜1400℃で焼結する。焼結時間は1分〜1時間程度でよい。焼結してできる多結晶アルミナ焼結体の結晶サイズは焼結温度に大きく依存し、焼結温度が低い程結晶粒径は細かくなる。本発明に使用する多結晶アルミナ焼結体の結晶サイズは0.01〜1.0 μmが好ましく、0.03〜0.6 μmがより好ましい。
【0022】
8.粉砕・分級
上記多結晶アルミナ焼結体をボールミル等で粉砕し、分級により所定の粒径範囲のものを得る。砥粒は5μm以下の最大粒径及び0.1〜3μmの平均粒径を有するのが好ましい。
【0023】
(2) 砥粒のサイズ
本発明のアルミナ砥粒は、所望のテクスチャリング条痕を形成するために、最大粒径が5μm以下で、平均粒径が0.1〜3μmであるのが好ましい。本発明のアルミナ砥粒はゾル・ゲル法で製造されているために微結晶組織を有し、粒径が小さくても鋭利な切刃部分を有する。上記範囲の粒径を有するアルミナ砥粒を使用してテクスチャリング加工をすると、得られる加工面は表面粗さが小さくかつ均一である。
【0024】
砥粒の最大粒径が5μmを超えると、形成される条痕が大きすぎ(表面が粗くなりすぎ)、またスクラッチが発生しやすくなる。より好ましい最大粒径は4μm以下である。また、平均粒径が0.1μm未満であると、砥粒の切刃部分が鋭利でなくなり、切削力が低下する。また形成される条痕が小さすぎて、磁気ヘッドの吸着防止が不十分である。一方、平均粒径が3μmを超えると形成される条痕が大きすぎ、またスクラッチが発生しやすくなる。より好ましい平均粒径は0.3〜3μmである。実際の使用に当たっては、必要とする面粗さに適合した粒度分布の砥粒を以上の範囲から選択する必要がある。なお、単結晶アルミナ砥粒では1μm以下の平均粒径とすると、粒子の角が丸くなり、極端に切削力が低下するので、本発明のような小さな平均粒径とすることができない。
【0025】
(3) 純度等
本発明の砥粒を形成する多結晶アルミナの純度は、一般に90〜100%程度であるのが好ましい。種及び改質成分を除いた不純物としては、SiO2 、CaO、Na2 O、K2 O等がある。
【0026】
(4) 砥粒の結晶構造
ゾル・ゲル法により形成したアルミナ焼結体は、一般に多結晶構造を有する。多結晶構造のアルミナ粒子は、単結晶構造のアルミナ粒子(溶融法により形成)よりも鋭利な切刃部分を有するので、テクスチャリング加工において条痕の形成能にすぐれている。
【0027】
(b) 研削液
研削液中の研削液剤としては、水溶性、エマルジョンタイプ及び非水溶性のいずれも使用可能である。水溶性の研削液剤としては一般に市販されているものでよいが、それに限定されるものではない。その代表的な構成成分は、鉱油、動植物油、エステル油及び極圧油からなる群より選択された少なくとも一種、界面活性剤、アミン化合物等の防錆剤、トリエタノールアミン等のpH維持剤、トリアジン化合物等の防腐剤、シリコンエマルジョン等の消泡剤、グリコール等のカップリング剤及び水である。水溶性研削液剤には、半透明のソリューションタイプ及び透明のセミケミカルソリューションタイプがあり、いずれのタイプも使用可能であるが、テクスチャリング加工後の表面の洗浄性の点でセミケミカルソリューションタイプが好ましい。またエマルジョンタイプは、水で希釈した際に白濁するもので、W/OエマルジョンとO/Wエマルジョンとがある。いずれの場合も研削液剤の希釈度は2〜100倍程度であるのが好ましい。
【0028】
また非水溶性の研削液剤としては、鉱油と動植物油又はエステル油からなる混成油、又はこれに塩素系及び硫黄系極圧剤を加えた極圧油等、一般に市販されているものの他、これらの非水溶性研削液剤に界面活性剤やアルコール等の有機溶剤を添加してもよい。
【0029】
(c) 砥粒の添加量
研削液中への砥粒の添加量は、一般に0.1〜5重量%であるのが好ましい。砥粒が0.1重量%未満であると、テクスチャリング加工の能率が不十分である。また、砥粒が5重量%を超えると、均一な条痕の形成が困難になる。より好ましい砥粒の添加量は0.2〜1重量%である。
【0030】
(d) その他の成分
本発明のテクスチャリング加工用組成物は、上記成分の他に、有機系又は無機系の分散剤等を含有してもよい。これらの追加成分の含有量は1重量%以下である。
【0031】
[2] テクスチャリング加工方法
(1) 加工対象となる磁気ディスク
テクスチャリング加工を施す磁気ディスク1は、図1に示すように、基板11に下地層12を形成したものである。基板11は通常アルミニウム合金からなるが、本発明はこれに限らず、ガラス製の基板でもよい。また下地層12は、Ni−Pメッキ等により形成したものである。下地層12の厚さは一般に5〜20μmとするのが好ましい。
【0032】
メッキ法により形成した下地層12は、テクスチャリング加工前に鏡面研磨(ポリシング)を施し、表面粗さ(Rmax)を0.05μm以下にする。
【0033】
(2) 条痕の形成方法
図2に示すように、ポリシングした下地層12の表面に、摺接用パッド(フェルト)2を貼付した治具3を押圧し、磁気ディスク1を回転させながら、摺接用パッド2の上流側に設けた研削液供給装置4からテクスチャリング加工用組成物5を下地層12上に供給する。
【0034】
摺接用パッド2としては、ナイロン等の可撓性繊維からなる植毛パッドや、ポリウレタンの発泡パッド等を使用することができる。摺接用パッド2を下地層12に押圧する圧力は、0.1〜0.5kg/cm2 程度が好ましい。
【0035】
テクスチャリング加工において、磁気ディスク1の回転速度は50〜200rpmとするのが好ましい。この範囲より遅いと加工速度が低下し、また速いと内外部での加工ムラができる。摺接用パッド2は静止していてもよいが、必要に応じて磁気ディスク1と同方向に1〜10rpmの速度で回転させてもよい。このようにして図3に示すようなテクスチャリング条痕Gが形成される(ただし、図中条痕Gは説明のために誇張して描いている)。
【0036】
(3) 条痕の大きさ
このようなテクスチャリング加工により形成される条痕は、一般に0.1〜5μmの幅及び0.01〜0.1μmの深さを有する。幅が0.1μm未満であると磁気ヘッドの吸着防止作用が不十分であり、また5μmを超えると磁気ヘッドとの摩擦力が大きくなりすぎる。
【0037】
通常テクスチャリング条痕が不均一になり、スクラッチのような極めて大きな凹部やバリのような凸部ができると、表面粗さのパラメーターである最大高さ(Rmax)と平均粗さ(Ra)との比が大きくなる。一方、表面粗さが均一になると、Raが同じでもRmaxが小さくなる。従って、条痕の均一性をRmax/Raの比により表した場合、10以下であるのが好ましい。
【0038】
(4) スクラッチ等
同一の平均粒径の砥粒を用いた場合、スクラッチは他の条痕に比べて深さ又は幅が2倍以上大きいので、磁気ディスクにスクラッチが存在すると、磁気ヘッドの浮上が不安定になり、磁気ディスクに墜落することもある。スクラッチ以外にもバリが存在してはならない。バリはディスク面上に突出した部分(凸部)に相当するので、これが大きいと磁気ヘッドとの衝突のおそれがある。
【0039】
(5) 条痕の方向
図2に示す例では、テクスチャリング条痕は磁気ディスクの回転方向に(同心円状に)形成される。回転方向の条痕は、磁気ヘッドの相対的移動方向と平行であるので、磁気ヘッドの障害になることはない。また、環状の各条痕が所定の角度(例えば15°)で交差するように規則的に形成することもできる。いずれにしても、磁気ヘッドが安定して飛行できるようにすることが重要である。
【0040】
(6) 磁性層及び保護層の形成
図4に示す通り、テクスチャリング加工した下地層12上に磁性層13を形成する。磁性層12はメッキ法、スパッタリング法、蒸着法等により薄く(一般に0.05〜0.15μm)形成するので、磁性層12の表面にはテクスチャリング条痕とほとんど同じ条痕が現れる。磁性層12の組成自体は公知のものでよく、例えば、Co−Ni、Co−Ni−Cr、Co−Ni−Pt、γ−Fe2 O3 、Co−Ni−Ta、Co等が挙げられる。 磁性層12の上に形成する保護層14は、カーボン等の潤滑性の良好な材料をスパッタリング法等で薄く(一般に0.01〜0.03μm)形成したものである。従って、保護層14の表面にもテクスチャリング条痕とほぼ同じ条痕が現れる。
【0041】
【実施例】
本発明を以下の実施例により詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0042】
実施例1〜 3
3.5インチ磁気ディスク用アルミニウム基板11にNi−Pメッキを施して厚さ10μmの下地層12を形成したものを図2の装置に取り付け、120rpmの速度で回転させた。また、研削液供給装置4から、それぞれ以下の組成を有するテクスチャリング加工用組成物5を磁気ディスク1の下地層12上にスプレー状に供給した。
【0043】
テクスチャリング加工用組成物
(a) ゾル・ゲル法で製造した多結晶アルミナ焼結体砥粒(3種類)
最大粒径:3.0μm、1.2μm及び0.7μm
平均粒径:1.0μm、0.5μm及び0.3μm
配合量:研削液全体の0.4重量%
(b) 研削液
セミケミカルソリューションタイプ(旧JIS K−2241 切削油剤、W3種該当)の研削液剤を純水で50倍に希釈し、超音波分散させた。
【0044】
この状態で、直径44mmのナイロン製植毛パッド2を貼付した治具3を磁気ディスク1と同方向に5rpmの速度で回転させながら、磁気ディスク1に0.3kg/cm2 の圧力で押し当て、1分間テクスチャリング加工を行った。
【0045】
加工の完了後、磁気ディスク1を洗浄・乾燥し、重量減(加工前の重量−加工後の重量)からテクスチャリング加工速度を求めた。また、テクスチャリング条痕の均一さ及びバリの有無は、微分干渉顕微鏡(オリンパス光学工業(株)製BHMJL−33MD、倍率200倍)及び暗視野顕微鏡(オリンパス光学工業(株)製BHMJL−33MD、倍率200倍)観察により判定し、またスクラッチの有無は特殊水銀ランプ(フナコシ薬品(株)製F−100Z)観察により判定した。また、加工面の表面粗さ(最大高さRmax及び中心線平均粗さRa)は、タリステップ及びタリデータ2000(いずれもランクテーラーホブソン社製)により測定し、Rmax/Raの比を用いて、テクスチャリング条痕の均一性を評価した。結果を表1に示す。
【0046】
また、平均粒径1.0μmの多結晶アルミナ焼結体砥粒を使用した場合(実施例1)において、磁気ディスクの半径方向の表面粗さ分布をタリステップにより測定した。結果を図5に示す。
【0047】
CSS特性を評価するために、テクスチャリング加工した下地層12の上に、直流スパッタ装置で厚さ100nmのCr層、厚さ40nmのCo−12Cr−2Ta磁性層及び厚さ25nmのカーボン保護層を成膜し、最後に潤滑剤を2nmの厚さに塗布した。このようにして得られた磁気ディスクをハードディスクドライブ(磁気ヘッド荷重:5g)に組み込み、パーフロロポリエーテル潤滑剤を用いて、静止位置から3600rpmの回転速度まで加速した後停止し、再度上記速度まで回転させるサイクル(CSSサイクル)を繰り返し、CSSサイクル回数と摩擦係数μとの関係を調べた。結果を表1に示す。
【0048】
なお、20000 回までのCSSサイクルに耐えられたものについては、摩擦係数μの値で表示し、ヘッドが破損したものについては破損時のCSSサイクルの回数で表示した。また、顕微鏡観察でバリが認められたものはヘッドの破損のおそれが大きいので、CSSテストから除外した。
【0049】
比較例1〜3
実施例1〜3で使用した多結晶アルミナ焼結体砥粒の代わりに溶融アルミナ砥粒(昭和電工(株)製、ホワイトモランダムWA)を使用した以外同じテクスチャリング加工用組成物を用いて、磁気ディスク1のNi−Pメッキ下地層12にテクスチャリング加工を施し、実施例と同じ評価試験を行った。なお、比較例1〜3で使用した溶融アルミナ砥粒の最大粒径及び平均粒径は表1に示した通りである。
【0050】
また、平均粒径1.0μmの溶融アルミナ砥粒を使用した場合(比較例1)において、磁気ディスクの半径方向の表面粗さ分布をタリステップにより測定した。結果を図6に示す。
【0051】
【0052】
【0053】
注*:単位オングストローム。
(1) 微分干渉顕微鏡(500倍)の1視野当たりに観察されたバリ(長さ1μm以上、高さ0.1μm以上)の個数を示す。
(2) 暗室中で特殊水銀ランプを磁気ディスク表面に当てて検査したときの1面当たりのスクラッチ(表面に生じた線状の深い溝で、他の条痕に比べて深さ又は幅が2倍以上大きいもの。)の本数を示す。
(3) 20000 回のCSSサイクルの完了時の摩擦係数μを示す(ただし、CSSサイクルの途中で磁気ヘッドが破損したものは破損時のCSSサイクルの延べ回数Lを示す)。
【0054】
表1から明らかなように、本発明の多結晶アルミナ焼結体砥粒を使用した場合、溶融アルミナ砥粒を使用した場合と比較して、高い加工速度が得られ、この傾向は平均粒径が0.5μm以下で顕著になっている。また、前者の場合には後者の場合よりもRmax/Ra比が小さく、テクスチャリング条痕が均一であり、スクラッチやバリ等の表面欠陥が少ない。さらに、図5と図6との比較から明らかなように、本発明の多結晶アルミナ焼結体砥粒を用いた場合には、従来の溶融アルミナ砥粒を用いた場合よりも、テクスチャリング条痕が非常に均一にできる。
【0055】
以上の通り、本発明の多結晶アルミナ焼結体砥粒を使用した場合には、条痕が均一であるために、磁性層及び保護層を形成した完成品のCSS特性は非常に良好であり、20000 回のCSSサイクルテストの後でも十分に低い摩擦係数を示したが、比較例の場合20000 回のCSSサイクルテストに耐えられなかった。
【0056】
【発明の効果】
ゾル・ゲル法で製造した多結晶アルミナ焼結体を粉砕・分級してなる砥粒を含有する本発明のテクスチャリング加工用組成物は、以下利点を有する。
【0057】
(1) 加工速度が高く、特に高記録密度対応の粒径が1μm以下の場合にその効果が顕著である。
【0058】
(2) Rmax/Raの比が小さい均一性に優れたテクスチャリング条痕が得られる。
【0059】
(3) スクラッチやバリ等の表面欠陥が少ない。
【0060】
(4) 粒径を小さくした場合、細かくて均一な条痕が得られる。
【0061】
(5) このように均一な条痕を有する下地層上に磁性層及び保護層を形成した磁気ディスクは著しく良好なCSS特性を発揮し、記録エラーが低減し、記録密度の高度化が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテクスチャリング加工用組成物を用いて加工すべき磁気ディスク(基板上に下地層を形成したもの)を概略的に示す半径方向断面図である。
【図2】本発明のテクスチャリング加工用組成物を用いて磁気ディスク(基板上に下地層を形成したもの)を加工する様子を示す概略斜視図である。
【図3】本発明のテクスチャリング加工用組成物を用いて加工した磁気ディスク(基板上に下地層を形成したもの)を概略的に示す半径方向断面図である。
【図4】本発明のテクスチャリング加工用組成物を用いて加工した下地層上に磁性層及び保護層を形成した磁気ディスクの完成品を概略的に示す半径方向断面図である。
【図5】実施例1においてテクスチャリング加工した磁気ディスクの下地層の半径方向表面粗さ分布を表すグラフである。
【図6】比較例1においてテクスチャリング加工した磁気ディスクの下地層の半径方向表面粗さ分布を表すグラフである。
【符号の説明】
1・・・・磁気ディスク
11・・・基板
12・・・下地層
13・・・磁性層
14・・・保護層
2・・・・テクスチャリング加工用パッド
3・・・・パッド支持用治具
4・・・・テクスチャリング加工用組成物供給装置
5・・・・テクスチャリング加工用組成物
【産業上の利用分野】
本発明は磁気ディスクにテクスチャリング条痕を付けるテクスチャリング加工用組成物及びその製造方法に関し、特に磁気ディスクの表面に均一に条痕を形成することができるテクスチャリング加工用組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び問題点】
パソコンを始めとする各種のコンピューターは最近著しい進歩を遂げ、それにつれて外部記憶装置であるハードディスク装置も広範に使用されるようになってきた。ハードディスク装置は、高速で回転する磁気ディスクとその回転により僅かに浮上して磁気ディスク上にデジタル信号を読み書きする磁気ヘッドとを有する。磁気ディスクは、一般にアルミニウム等からなる基板と、Ni−Pメッキ等からなる下地層と、塗布法、蒸着法又はスパッタリング法等により形成した磁性層と、カーボン等からなる保護層とからなる層構成を有する。
【0003】
ところで、最近益々増大する記録密度の要求を満たすために、磁気ディスク表面と磁気ヘッドとの距離は益々小さくなり、例えば0.1 〜0.3 μm程度になっている。このため磁気ディスクの表面はできるだけ平坦である必要があるが、磁気ディスクの平坦化に伴って磁気ヘッドが磁気ディスク表面に吸着するおそれも大きくなり、ハードディスクドライブの始動が不能になるというトラブルも起こる。
【0004】
このような磁気ヘッドの吸着を防ぐために、通常磁気ディスクの下地層(磁性層の下層となる)にいわゆるテクスチャリング加工を施している。テクスチャリング加工とは、所定の粒径の砥粒が付着した研磨テープあるいは砥粒の懸濁液を磁気ディスクの下地層表面に摺接して、磁気ディスク下地層の表面に微小な条痕を形成することである。このとき、テクスチャリング条痕は磁気ヘッドの吸着を防止するのに十分大きいとともに、浮上中の磁気ヘッドと衝突するほど大きくてはいけないという要件を満たす必要がある。その上、テクスチャリング条痕は十分に均一でなければならない。
【0005】
このような条痕を形成するためのテクスチャリング加工用砥粒組成物として、従来から高圧合成で得られた単結晶ダイアモンド砥粒や溶融法で得られた単結晶アルミナ砥粒を研削液(水溶性又は非不溶性の研削液剤を水で希釈したもの)に混合してスラリー状にしたものが使用されてきた。しかしながら、単結晶ダイアモンド砥粒はコスト高である。また単結晶アルミナ砥粒では加工速度が低く、またテクスチャリング加工面の表面粗さを小さくしても、テクスチャリング条痕が不均一になり、スクラッチ(表面に生じた線状の深い溝で、他の条痕に比べて幅及び深さが際立って大きいもの。本明細書では、同一の平均粒径の砥粒を用いた場合、他の条痕に比べて深さ又は幅が2倍以上大きいものと定義する。)やバリ(砥粒による切削屑が表面から分離されずに残った突起物。長径1μm以上及び高さ0.1μm以上のものと定義する。)が多くなるという問題がある。これは、ダイアモンド砥粒と比較してアルミナ砥粒のほうが軟らかいために粉砕時に角が取れて丸くなり、切刃部分が少なくなるので、加工面への食らいつきが低下し、その結果無理に加工面を引っかくことになるためである。このような不均一な条痕やバリがあると、磁気ディスク上を浮上した状態で相対的に移動する(飛行する)磁気ヘッドにかかる応力に乱れが生じ、コンタクト・スタート・ストップ(CSS)特性の悪化や、磁気ヘッドの墜落による記録エラーが起こるという問題が生じる。
【0006】
また今後さらに記録密度を向上させていくためには、磁気ディスク下地層のテクスチャリング加工面の表面粗さを小さくして、磁気ヘッドの浮上高さを小さくすることが必要であるが、単結晶ダイアモンド砥粒及び単結晶アルミナ砥粒のいずれも平均粒径が1 μm以下になると粒子の角が取れて丸くなり、切削力が著しく低下する。そのため砥粒の滑りが生じ、均一なテクスチャリング条痕が得られなくなる。
【0007】
従って本発明の目的は十分に均一なテクスチャリング条痕を形成することができる安価な砥粒組成物及びその製造方法を提供することである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、ゾル・ゲル法により製造した高密度な多結晶アルミナ焼結体からなる砥粒を用いることにより、十分に均一で、スクラッチやバリのないテクスチャリング条痕を形成することができることを発見し、本発明に想到した。
【0009】
すなわち、本発明の磁気ディスクのテクスチャリング加工用組成物は、ゾル・ゲル法で製造した多結晶アルミナ焼結体を切刃部分を有するようにボールミルにより粉砕してなる砥粒と、鉱油、動植物油、エステル油及び極圧油からなる群より選択された少なくとも一種及び界面活性剤を含む研削液とを含有する磁気ディスクのテクスチャリング加工用組成物であって、前記砥粒の最大粒径が5μm以下で平均粒径が0.1〜3μmであることを特徴とする。また磁気ディスクのテクスチャリング加工用組成物の製造方法は、アルミナ水和物の分散液を調製し、希酸を添加してゾル化し、種及び/又は改質成分を添加してゲル化し、整粒、仮焼及び焼結の工程を行うことにより多結晶アルミナ焼結体を作製し、前記多結晶アルミナ焼結体を切刃部分を有するようにボールミルにより粉砕し、かつ分級することにより最大粒径が5μm以下で平均粒径が0.1〜3μmの砥粒を作製し、鉱油、動植物油、エステル油及び極圧油からなる群より選択された少なくとも一種及び界面活性剤を含む研削液に前記砥粒を分散させることを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明の砥粒は、サブミクロンの微結晶から構成された非常に高密度な組織を有し、鋭利な切刃部分が多いために、溶融アルミナに比べて切削力が大きく、また切れ味も良い。そのため加工面に無理な力がかからず、条痕にバリが生じることが少ない。さらに、粒子がブロック状になっているために、溶融アルミナ粒子のような偏平粒子と異なり、粒子の角度による切削力のばらつきが少ない。
【0011】
さらに、このような多結晶アルミナ焼結体砥粒を、水溶性又は非水溶性の研削液剤を希釈してなる研削液と混合してスラリー状にすることにより、砥粒と磁気ディスク加工面との潤滑性が適度に調節される。
【0012】
切削力のばらつきが少ない多結晶アルミナ焼結体砥粒を適度な潤滑性を有するスラリー状にし、これを用いてテクスチャリング加工を行うことにより非常に均一でバリの少ないテクスチャリング加工面が得られ、またテクスチャリング加工屑の排出性が促進することで、清浄度の高いテクスチャリング面が得られる。その結果、テクスチャリング加工後に磁性層及び保護層を形成して完成した磁気ディスクは著しく向上したCSS特性を有する。
【0013】
本発明の磁気ディスクテクスチャリング加工用組成物及びそれを用いたテクスチャリング加工方法について、以下詳細に説明する。
【0014】
[1] テクスチャリング加工用組成物
(a) 多結晶アルミナ焼結体からなる砥粒
(1) 製造法
まず多結晶アルミナ焼結体をゾル・ゲル法で製造する。ゾル・ゲル法は、1.アルミナ水和物の分散液の調製、2.希酸の添加によるゾル化、3.種及び/又は改質成分の添加、4.ゲル化、5.整粒、6.仮焼、7.焼結、及び8.粉砕・分級の工程により行う。
【0015】
1.アルミナ水和物の分散液の調製
アルミナ水和物は一般に擬ベーマイトと呼ばれ、市販されているものを使用し、これに水を添加しスラリーとする。スラリー中のアルミナ水和物の含有量は5〜30重量%程度が好ましい。
【0016】
2.希酸の添加によるゾル化
アルミナ水和物スラリーに希酸を添加することにより、ゾル化させる。希酸としては硝酸、塩酸、酢酸等を使用するが、特に硝酸が好ましい。硝酸の添加量は、アルミナ水和物に対して0.03〜0.1 ml(67%硝酸)量/gであるのが好ましい。
【0017】
3.種及び/又は改質成分の添加
アルミナ水和物ゾルに種及び/又は改質成分を添加し、良く撹拌混合する。種としてはα−アルミナ、α−酸化鉄、チタン酸ニッケル等が代表的である。α−アルミナの添加量は、ゾル中のアルミナに対して0.1〜3重量%程度が好ましい。改質成分としては、ジルコニア、ハフニア、イットリア、マグネシア、ランタニア、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化コバルト等が代表的である。改質成分の添加量は、改質成分の種類にもよるが、ゾル中のアルミナに対して0.1〜10重量%程度が好ましい。
【0018】
4.ゲル化
上記アルミナ水和物ゾルを50〜120℃で乾燥することにより、ゲル化させる。50℃未満であると乾燥速度が低すぎ、一方120℃を超えると後の整粒工程で発生する不要粒度を再度ゾル化して利用することが困難になる。
【0019】
5.整粒
上記工程で得られたアルミナゲルは塊状であるので、ロールミル、ハンマーミル等で粉砕し、分級により最大粒径が2mm以下になるように整粒する。
【0020】
6.仮焼
ゲル粒子から水和水及び残留希酸を除去するために、400〜900℃で仮焼する。仮焼温度が400℃未満であると、水和水及び残留希酸の除去が不十分であり、一方900℃を超えるとα化が始まり、後の焼結工程での結晶粒径の制御が困難になる。なお、仮焼時間は温度に依存するが、一般に15分〜2時間程度でよい。
【0021】
7.焼結
仮焼したアルミナ粒子は、ロータリーキルン等により流動状態で1100〜1400℃で焼結する。焼結時間は1分〜1時間程度でよい。焼結してできる多結晶アルミナ焼結体の結晶サイズは焼結温度に大きく依存し、焼結温度が低い程結晶粒径は細かくなる。本発明に使用する多結晶アルミナ焼結体の結晶サイズは0.01〜1.0 μmが好ましく、0.03〜0.6 μmがより好ましい。
【0022】
8.粉砕・分級
上記多結晶アルミナ焼結体をボールミル等で粉砕し、分級により所定の粒径範囲のものを得る。砥粒は5μm以下の最大粒径及び0.1〜3μmの平均粒径を有するのが好ましい。
【0023】
(2) 砥粒のサイズ
本発明のアルミナ砥粒は、所望のテクスチャリング条痕を形成するために、最大粒径が5μm以下で、平均粒径が0.1〜3μmであるのが好ましい。本発明のアルミナ砥粒はゾル・ゲル法で製造されているために微結晶組織を有し、粒径が小さくても鋭利な切刃部分を有する。上記範囲の粒径を有するアルミナ砥粒を使用してテクスチャリング加工をすると、得られる加工面は表面粗さが小さくかつ均一である。
【0024】
砥粒の最大粒径が5μmを超えると、形成される条痕が大きすぎ(表面が粗くなりすぎ)、またスクラッチが発生しやすくなる。より好ましい最大粒径は4μm以下である。また、平均粒径が0.1μm未満であると、砥粒の切刃部分が鋭利でなくなり、切削力が低下する。また形成される条痕が小さすぎて、磁気ヘッドの吸着防止が不十分である。一方、平均粒径が3μmを超えると形成される条痕が大きすぎ、またスクラッチが発生しやすくなる。より好ましい平均粒径は0.3〜3μmである。実際の使用に当たっては、必要とする面粗さに適合した粒度分布の砥粒を以上の範囲から選択する必要がある。なお、単結晶アルミナ砥粒では1μm以下の平均粒径とすると、粒子の角が丸くなり、極端に切削力が低下するので、本発明のような小さな平均粒径とすることができない。
【0025】
(3) 純度等
本発明の砥粒を形成する多結晶アルミナの純度は、一般に90〜100%程度であるのが好ましい。種及び改質成分を除いた不純物としては、SiO2 、CaO、Na2 O、K2 O等がある。
【0026】
(4) 砥粒の結晶構造
ゾル・ゲル法により形成したアルミナ焼結体は、一般に多結晶構造を有する。多結晶構造のアルミナ粒子は、単結晶構造のアルミナ粒子(溶融法により形成)よりも鋭利な切刃部分を有するので、テクスチャリング加工において条痕の形成能にすぐれている。
【0027】
(b) 研削液
研削液中の研削液剤としては、水溶性、エマルジョンタイプ及び非水溶性のいずれも使用可能である。水溶性の研削液剤としては一般に市販されているものでよいが、それに限定されるものではない。その代表的な構成成分は、鉱油、動植物油、エステル油及び極圧油からなる群より選択された少なくとも一種、界面活性剤、アミン化合物等の防錆剤、トリエタノールアミン等のpH維持剤、トリアジン化合物等の防腐剤、シリコンエマルジョン等の消泡剤、グリコール等のカップリング剤及び水である。水溶性研削液剤には、半透明のソリューションタイプ及び透明のセミケミカルソリューションタイプがあり、いずれのタイプも使用可能であるが、テクスチャリング加工後の表面の洗浄性の点でセミケミカルソリューションタイプが好ましい。またエマルジョンタイプは、水で希釈した際に白濁するもので、W/OエマルジョンとO/Wエマルジョンとがある。いずれの場合も研削液剤の希釈度は2〜100倍程度であるのが好ましい。
【0028】
また非水溶性の研削液剤としては、鉱油と動植物油又はエステル油からなる混成油、又はこれに塩素系及び硫黄系極圧剤を加えた極圧油等、一般に市販されているものの他、これらの非水溶性研削液剤に界面活性剤やアルコール等の有機溶剤を添加してもよい。
【0029】
(c) 砥粒の添加量
研削液中への砥粒の添加量は、一般に0.1〜5重量%であるのが好ましい。砥粒が0.1重量%未満であると、テクスチャリング加工の能率が不十分である。また、砥粒が5重量%を超えると、均一な条痕の形成が困難になる。より好ましい砥粒の添加量は0.2〜1重量%である。
【0030】
(d) その他の成分
本発明のテクスチャリング加工用組成物は、上記成分の他に、有機系又は無機系の分散剤等を含有してもよい。これらの追加成分の含有量は1重量%以下である。
【0031】
[2] テクスチャリング加工方法
(1) 加工対象となる磁気ディスク
テクスチャリング加工を施す磁気ディスク1は、図1に示すように、基板11に下地層12を形成したものである。基板11は通常アルミニウム合金からなるが、本発明はこれに限らず、ガラス製の基板でもよい。また下地層12は、Ni−Pメッキ等により形成したものである。下地層12の厚さは一般に5〜20μmとするのが好ましい。
【0032】
メッキ法により形成した下地層12は、テクスチャリング加工前に鏡面研磨(ポリシング)を施し、表面粗さ(Rmax)を0.05μm以下にする。
【0033】
(2) 条痕の形成方法
図2に示すように、ポリシングした下地層12の表面に、摺接用パッド(フェルト)2を貼付した治具3を押圧し、磁気ディスク1を回転させながら、摺接用パッド2の上流側に設けた研削液供給装置4からテクスチャリング加工用組成物5を下地層12上に供給する。
【0034】
摺接用パッド2としては、ナイロン等の可撓性繊維からなる植毛パッドや、ポリウレタンの発泡パッド等を使用することができる。摺接用パッド2を下地層12に押圧する圧力は、0.1〜0.5kg/cm2 程度が好ましい。
【0035】
テクスチャリング加工において、磁気ディスク1の回転速度は50〜200rpmとするのが好ましい。この範囲より遅いと加工速度が低下し、また速いと内外部での加工ムラができる。摺接用パッド2は静止していてもよいが、必要に応じて磁気ディスク1と同方向に1〜10rpmの速度で回転させてもよい。このようにして図3に示すようなテクスチャリング条痕Gが形成される(ただし、図中条痕Gは説明のために誇張して描いている)。
【0036】
(3) 条痕の大きさ
このようなテクスチャリング加工により形成される条痕は、一般に0.1〜5μmの幅及び0.01〜0.1μmの深さを有する。幅が0.1μm未満であると磁気ヘッドの吸着防止作用が不十分であり、また5μmを超えると磁気ヘッドとの摩擦力が大きくなりすぎる。
【0037】
通常テクスチャリング条痕が不均一になり、スクラッチのような極めて大きな凹部やバリのような凸部ができると、表面粗さのパラメーターである最大高さ(Rmax)と平均粗さ(Ra)との比が大きくなる。一方、表面粗さが均一になると、Raが同じでもRmaxが小さくなる。従って、条痕の均一性をRmax/Raの比により表した場合、10以下であるのが好ましい。
【0038】
(4) スクラッチ等
同一の平均粒径の砥粒を用いた場合、スクラッチは他の条痕に比べて深さ又は幅が2倍以上大きいので、磁気ディスクにスクラッチが存在すると、磁気ヘッドの浮上が不安定になり、磁気ディスクに墜落することもある。スクラッチ以外にもバリが存在してはならない。バリはディスク面上に突出した部分(凸部)に相当するので、これが大きいと磁気ヘッドとの衝突のおそれがある。
【0039】
(5) 条痕の方向
図2に示す例では、テクスチャリング条痕は磁気ディスクの回転方向に(同心円状に)形成される。回転方向の条痕は、磁気ヘッドの相対的移動方向と平行であるので、磁気ヘッドの障害になることはない。また、環状の各条痕が所定の角度(例えば15°)で交差するように規則的に形成することもできる。いずれにしても、磁気ヘッドが安定して飛行できるようにすることが重要である。
【0040】
(6) 磁性層及び保護層の形成
図4に示す通り、テクスチャリング加工した下地層12上に磁性層13を形成する。磁性層12はメッキ法、スパッタリング法、蒸着法等により薄く(一般に0.05〜0.15μm)形成するので、磁性層12の表面にはテクスチャリング条痕とほとんど同じ条痕が現れる。磁性層12の組成自体は公知のものでよく、例えば、Co−Ni、Co−Ni−Cr、Co−Ni−Pt、γ−Fe2 O3 、Co−Ni−Ta、Co等が挙げられる。 磁性層12の上に形成する保護層14は、カーボン等の潤滑性の良好な材料をスパッタリング法等で薄く(一般に0.01〜0.03μm)形成したものである。従って、保護層14の表面にもテクスチャリング条痕とほぼ同じ条痕が現れる。
【0041】
【実施例】
本発明を以下の実施例により詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0042】
実施例1〜 3
3.5インチ磁気ディスク用アルミニウム基板11にNi−Pメッキを施して厚さ10μmの下地層12を形成したものを図2の装置に取り付け、120rpmの速度で回転させた。また、研削液供給装置4から、それぞれ以下の組成を有するテクスチャリング加工用組成物5を磁気ディスク1の下地層12上にスプレー状に供給した。
【0043】
テクスチャリング加工用組成物
(a) ゾル・ゲル法で製造した多結晶アルミナ焼結体砥粒(3種類)
最大粒径:3.0μm、1.2μm及び0.7μm
平均粒径:1.0μm、0.5μm及び0.3μm
配合量:研削液全体の0.4重量%
(b) 研削液
セミケミカルソリューションタイプ(旧JIS K−2241 切削油剤、W3種該当)の研削液剤を純水で50倍に希釈し、超音波分散させた。
【0044】
この状態で、直径44mmのナイロン製植毛パッド2を貼付した治具3を磁気ディスク1と同方向に5rpmの速度で回転させながら、磁気ディスク1に0.3kg/cm2 の圧力で押し当て、1分間テクスチャリング加工を行った。
【0045】
加工の完了後、磁気ディスク1を洗浄・乾燥し、重量減(加工前の重量−加工後の重量)からテクスチャリング加工速度を求めた。また、テクスチャリング条痕の均一さ及びバリの有無は、微分干渉顕微鏡(オリンパス光学工業(株)製BHMJL−33MD、倍率200倍)及び暗視野顕微鏡(オリンパス光学工業(株)製BHMJL−33MD、倍率200倍)観察により判定し、またスクラッチの有無は特殊水銀ランプ(フナコシ薬品(株)製F−100Z)観察により判定した。また、加工面の表面粗さ(最大高さRmax及び中心線平均粗さRa)は、タリステップ及びタリデータ2000(いずれもランクテーラーホブソン社製)により測定し、Rmax/Raの比を用いて、テクスチャリング条痕の均一性を評価した。結果を表1に示す。
【0046】
また、平均粒径1.0μmの多結晶アルミナ焼結体砥粒を使用した場合(実施例1)において、磁気ディスクの半径方向の表面粗さ分布をタリステップにより測定した。結果を図5に示す。
【0047】
CSS特性を評価するために、テクスチャリング加工した下地層12の上に、直流スパッタ装置で厚さ100nmのCr層、厚さ40nmのCo−12Cr−2Ta磁性層及び厚さ25nmのカーボン保護層を成膜し、最後に潤滑剤を2nmの厚さに塗布した。このようにして得られた磁気ディスクをハードディスクドライブ(磁気ヘッド荷重:5g)に組み込み、パーフロロポリエーテル潤滑剤を用いて、静止位置から3600rpmの回転速度まで加速した後停止し、再度上記速度まで回転させるサイクル(CSSサイクル)を繰り返し、CSSサイクル回数と摩擦係数μとの関係を調べた。結果を表1に示す。
【0048】
なお、20000 回までのCSSサイクルに耐えられたものについては、摩擦係数μの値で表示し、ヘッドが破損したものについては破損時のCSSサイクルの回数で表示した。また、顕微鏡観察でバリが認められたものはヘッドの破損のおそれが大きいので、CSSテストから除外した。
【0049】
比較例1〜3
実施例1〜3で使用した多結晶アルミナ焼結体砥粒の代わりに溶融アルミナ砥粒(昭和電工(株)製、ホワイトモランダムWA)を使用した以外同じテクスチャリング加工用組成物を用いて、磁気ディスク1のNi−Pメッキ下地層12にテクスチャリング加工を施し、実施例と同じ評価試験を行った。なお、比較例1〜3で使用した溶融アルミナ砥粒の最大粒径及び平均粒径は表1に示した通りである。
【0050】
また、平均粒径1.0μmの溶融アルミナ砥粒を使用した場合(比較例1)において、磁気ディスクの半径方向の表面粗さ分布をタリステップにより測定した。結果を図6に示す。
【0051】
【0052】
【0053】
注*:単位オングストローム。
(1) 微分干渉顕微鏡(500倍)の1視野当たりに観察されたバリ(長さ1μm以上、高さ0.1μm以上)の個数を示す。
(2) 暗室中で特殊水銀ランプを磁気ディスク表面に当てて検査したときの1面当たりのスクラッチ(表面に生じた線状の深い溝で、他の条痕に比べて深さ又は幅が2倍以上大きいもの。)の本数を示す。
(3) 20000 回のCSSサイクルの完了時の摩擦係数μを示す(ただし、CSSサイクルの途中で磁気ヘッドが破損したものは破損時のCSSサイクルの延べ回数Lを示す)。
【0054】
表1から明らかなように、本発明の多結晶アルミナ焼結体砥粒を使用した場合、溶融アルミナ砥粒を使用した場合と比較して、高い加工速度が得られ、この傾向は平均粒径が0.5μm以下で顕著になっている。また、前者の場合には後者の場合よりもRmax/Ra比が小さく、テクスチャリング条痕が均一であり、スクラッチやバリ等の表面欠陥が少ない。さらに、図5と図6との比較から明らかなように、本発明の多結晶アルミナ焼結体砥粒を用いた場合には、従来の溶融アルミナ砥粒を用いた場合よりも、テクスチャリング条痕が非常に均一にできる。
【0055】
以上の通り、本発明の多結晶アルミナ焼結体砥粒を使用した場合には、条痕が均一であるために、磁性層及び保護層を形成した完成品のCSS特性は非常に良好であり、20000 回のCSSサイクルテストの後でも十分に低い摩擦係数を示したが、比較例の場合20000 回のCSSサイクルテストに耐えられなかった。
【0056】
【発明の効果】
ゾル・ゲル法で製造した多結晶アルミナ焼結体を粉砕・分級してなる砥粒を含有する本発明のテクスチャリング加工用組成物は、以下利点を有する。
【0057】
(1) 加工速度が高く、特に高記録密度対応の粒径が1μm以下の場合にその効果が顕著である。
【0058】
(2) Rmax/Raの比が小さい均一性に優れたテクスチャリング条痕が得られる。
【0059】
(3) スクラッチやバリ等の表面欠陥が少ない。
【0060】
(4) 粒径を小さくした場合、細かくて均一な条痕が得られる。
【0061】
(5) このように均一な条痕を有する下地層上に磁性層及び保護層を形成した磁気ディスクは著しく良好なCSS特性を発揮し、記録エラーが低減し、記録密度の高度化が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテクスチャリング加工用組成物を用いて加工すべき磁気ディスク(基板上に下地層を形成したもの)を概略的に示す半径方向断面図である。
【図2】本発明のテクスチャリング加工用組成物を用いて磁気ディスク(基板上に下地層を形成したもの)を加工する様子を示す概略斜視図である。
【図3】本発明のテクスチャリング加工用組成物を用いて加工した磁気ディスク(基板上に下地層を形成したもの)を概略的に示す半径方向断面図である。
【図4】本発明のテクスチャリング加工用組成物を用いて加工した下地層上に磁性層及び保護層を形成した磁気ディスクの完成品を概略的に示す半径方向断面図である。
【図5】実施例1においてテクスチャリング加工した磁気ディスクの下地層の半径方向表面粗さ分布を表すグラフである。
【図6】比較例1においてテクスチャリング加工した磁気ディスクの下地層の半径方向表面粗さ分布を表すグラフである。
【符号の説明】
1・・・・磁気ディスク
11・・・基板
12・・・下地層
13・・・磁性層
14・・・保護層
2・・・・テクスチャリング加工用パッド
3・・・・パッド支持用治具
4・・・・テクスチャリング加工用組成物供給装置
5・・・・テクスチャリング加工用組成物
Claims (4)
- ゾル・ゲル法で製造した多結晶アルミナ焼結体を切刃部分を有するようにボールミルにより粉砕してなる砥粒と、鉱油、動植物油、エステル油及び極圧油からなる群より選択された少なくとも一種及び界面活性剤を含む研削液とを含有する磁気ディスクのテクスチャリング加工用組成物であって、前記砥粒の最大粒径が5μm以下で平均粒径が0.1〜3μmであることを特徴とする組成物。
- 請求項1に記載の磁気ディスクのテクスチャリング加工用組成物において、前記砥粒の含有量が0.1〜5重量%であることを特徴とする組成物。
- 請求項1又は2に記載の磁気ディスクのテクスチャリング加工用組成物であって、ゾル・ゲル法で製造した多結晶アルミナ焼結体を粉砕してなる砥粒が、アルミナ水和物の分散液の調製、希酸の添加によるゾル化、種及び/又は改質成分の添加、ゲル化、整粒、仮焼、焼結、粉砕及び分級の工程により作製されたものであることを特徴とする組成物。
- 磁気ディスクのテクスチャリング加工用組成物の製造方法において、アルミナ水和物の分散液を調製し、希酸を添加してゾル化し、種及び/又は改質成分を添加してゲル化し、整粒、仮焼及び焼結の工程を行うことにより多結晶アルミナ焼結体を作製し、前記多結晶アルミナ焼結体を切刃部分を有するようにボールミルにより粉砕し、かつ分級することにより最大粒径が5μm以下で平均粒径が0.1〜3μmの砥粒を作製し、鉱油、動植物油、エステル油及び極圧油からなる群より選択された少なくとも一種及び界面活性剤を含む研削液に前記砥粒を分散させることを特徴とする磁気ディスクのテクスチャリング加工用組成物の製造方法。
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