JP4487259B2 - テクスチャー加工用スラリーの製造方法、および該スラリーを用いた磁気情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

テクスチャー加工用スラリーの製造方法、および該スラリーを用いた磁気情報記録媒体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はコンピュータの外部記憶装置などの各種磁気記録装置に搭載される磁気情報記録媒体の製造に用いられるテクスチャー加工用スラリーの製造方法に関する。また、本発明は、該スラリーを用いて製造される磁気情報記録媒体の製造方法に関する。
近年、磁気ディスクの高密度記録化が進み、それに伴いデジタル信号を記録する磁性層の性能向上のみならず、記録の読み出しを司る磁気ヘッド、さらには基板の性能向上も要求されている。このようなニーズに応える手段として基板に関しては、従来から使用されているアルミニウム基板、ガラス基板の高度化・高精密化が推進されている。
磁気ディスクを構成する磁気記録媒体や磁気ヘッドの高度化・高精密化のためには、設計、材料の高度化はもちろんのこと、製造プロセスの高度化も重要な課題であり、磁性膜の配向性を高めるためのテクスチャー加工技術もその一つである。
現在、磁気ディスクは大容量化が進み、3.5インチのアルミニウム基板記録媒体で80GB(ギガバイト)/diskが主流を占めるようになり、その結果、ヘッドの浮上高さも10nmを切るようになってきている。このため、磁性膜を成膜する前の基板の品質は非常に厳しくなっており、たとえば、高さ10nm以上の異物や凸部が存在すると、磁気ヘッドが異物にぶつかりグライドハイト試験(GHT)におけるエラーの原因となる。また、このような異物があると、磁性膜の特性が変わったり、磁性膜がうまく成膜できないなどの理由により、リード/ライト(R/W)試験においてエラーが発生する。このように微小なパーティクルがエラーの要因になるため、高度な洗浄方法が求められている。
一方、磁性膜に配向性を持たせるために成膜前の基板表面に前述したテクスチャーと呼ばれる円周方向に沿った溝をつけることが一般に行われている。このテクスチャー加工工程は、クーラントと呼ばれる分散剤および/または高級脂肪酸等を混合した水溶液中にダイアモンド砥粒を分散させたテクスチャー加工用のスラリー(以後テクスチャースラリーと称する)で軽く表面研磨をすることにより行われる。テクスチャー加工工程で形成される溝の平均粗さRaはおよそ0.2〜0.3nmである。テクスチャースラリー中のダイアモンド砥粒が十分に分散していない場合、あるいはクーラントの耐荷重性および/または潤滑性が低い場合には、テクスチャー加工工程において、スクラッチが発生したり、部分的に深い溝ができ、その反作用で溝の周囲が盛り上がるリッジと呼ばれる凸形状が形成される。これらのスクラッチ、リッジなどの欠陥が、直接的または間接的にGHTエラーの原因となることが分ってきた。
このようなテクスチャー加工工程で発生するスクラッチおよびリッジを抑制するために、従来からクーラントに対してオレイン酸、ノナン酸、リノール酸、リシノール酸などの高級脂肪酸を添加して、耐荷重性および潤滑性を付与する方法が取られている。これらの高級脂肪酸は非水溶性のために、このままの状態では水に分散させることは難しく、このためn−ブチルカルビトール等の溶媒を加えることにより高級脂肪酸の分散を可能にしている。あるいはまた、スクラッチの低減を目的として、有機アルカリ(アミン類)と高級脂肪酸とを添加したテクスチャー加工用スラリーが提案されている(特許文献1参照)
このように分散剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸溶媒等を混合したクーラントに、さらにダイアモンド砥粒を含んだ分散液(ダイアモンド分散液)を添加、分散させてテクスチャー加工用のスラリーが作製される。一般的には、ダイアモンド分散液中のダイアモンド砥粒の分散性を高めるためにポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェイトを添加したり、研磨速度を向上するためにアルミニウムまたはニッケルの硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、チオ硫酸塩などが添加される(特許文献2および3参照)。これらの添加剤を加えると、ダイアモンド分散液はいずれもpH3〜4の酸性となる。酸性であるダイアモンド分散液をクーラントに添加すると、ソルベントショックとよばれる現象によりクーラントに分散されている高級脂肪酸が凝集し、非水溶性の高級脂肪酸の塊がスラリー中に多量に形成される。ソルベントショックが起きる理由は、次のように考えられている。本来は非水溶性である高級脂肪酸はn−ブチルカルビトールのような溶媒の作用により辛うじて水に分散している。この状態に、酸性であるダイアモンド分散液が添加されることにより、急激にpHが変化してしまい、溶媒および高級脂肪酸の分散状態のバランスが崩れ、この結果、高級脂肪酸が凝集してしまう。一旦、凝集した高級脂肪酸は、後工程で、たとえば超音波分散処理などを施しても元の分散状態には戻らない。
テクスチャー加工工程で基板表面についたダイアモンド砥粒、Ni−Pのテクスチャー滓や高級脂肪酸を含むクーラントなどの残渣は、後工程であるテクスチャー後洗浄工程でほとんどは適切な洗剤により除去が可能である。基板としてメッキ(たとえばNi−Pなど)されたアルミニウム基板またはガラス基板を用いた場合、スラリー中の高級脂肪酸とメッキ材料とが反応して不溶性の塩(たとえば高級脂肪酸ニッケル塩など)を形成することが知られているが、そのような不溶性の塩を有機酸(リンゴ酸など)または無機酸(リン酸、硫酸など)を含む洗浄液を用いることによって除去することが可能である(特許文献4参照)。実際、このような工程を必要に応じて実施することにより記憶容量80GB/disk(3.5インチディスク)のアルミ媒体は安定な生産が可能であった。
しかしながら、120GB/disk(3.5インチディスク)または160GB/disk(3.5インチディスク)のように記憶容量がさらに大きくなると、ヘッド浮上量がより低いことが要求され、このため、リッジやスクラッチの発生のより少ないテクスチャースラリーが要求されている。この要求を満たすためには、高級脂肪酸を溶媒に分散できる上限ぎりぎりまで添加する必要がある。このような状態のために、従来以上にソルベントショックによる高級脂肪酸の凝集が発生しやすくなっている。また、仮に凝集量が同じだとしても、テクスチャー後洗浄工程で許容される高級脂肪酸の洗浄残渣量が少なくなってきている。このような背景から、高級脂肪酸の凝集の少ないテクスチャースラリーおよびその製造方法が切望されていた。
特開2001−262129号公報 特開2003−193041号公報 特開2000−063806号公報 特開2005−122805号公報 特許第2861117号公報 特許第2644326号公報
本発明は、前述した従来技術に関する問題を解決するもので、クーラントに添加されている高級脂肪酸の量が多くても、凝集を起こすことのないテクスチャースラリーの製造方法を提供するものである。本発明の方法により得られるテクスチャースラリーを用いることによって、スクラッチやリッジのないテクスチャー加工基板を安定に供給するとともに、テクスチャー後洗浄工程でテクスチャー残渣を極力低減することを可能とし、この結果、GHTエラーやR/Wエラーの少ない情報記録媒体を提供することを可能とする。
本発明者らは種々の検討を重ねた結果、酸性であるダイアモンド水溶液をクーラントに添加する際、ダイアモンド分散液を適当な大きさの液滴として加えることにより、例え高級脂肪酸の添加量の多いクーラントの場合でも、ダイアモンド分散液液滴により局所的にクーラントのpHが低下しても、液滴の周りのクーラント量が多ければ、瞬時にpHが緩和され、高級脂肪酸の凝集物を生成することがないのではないかという点に着目し、また、液滴のサイズや液滴量を制御するには、インクジェットヘッドで使われている圧電マイクロアクチュエータを利用することが有効であろうとの結論に至った。
このような観点から、圧電マイクロアクチュエータを利用し、ダイアモンド分散液液滴をクーラントに添加する条件を検討してきた。
その結果、ダイアモンド分散液の液滴量を100pL以下に制御することにより、局所的なpH低下領域ができたとしても、瞬時に周囲のクーラントにより希釈され、凝集を起こさないか、たとえ局所的な凝集が発生したとしても、その凝集物は、テクスチャー後洗浄工程にて十分に除去できる大きさであることを見出した。
本発明によれば、ダイアモンド分散液をクーラントに添加・混合し、テクスチャー加工用スラリーを作製する際に、圧電マイクロアクチュエータを利用した液体噴射装置で液滴量を制御することにより、有機残渣系パーティクルが少ないテクスチャースラリーを提供することが可能となる。本発明の方法によって提供されるテクスチャースラリーを使用することによって、GHTおよびR/W試験における良品率の良好な高い磁気記録媒体を製造することが可能となる。
本発明において、テクスチャー加工用スラリーは、クーラントに対して、小体積の液滴を高い再現性をもって滴下することが可能な液体噴射装置を用いてダイアモンド分散液を液滴として添加し、次いで混合および分散することによって調製される。この際に、ダイアモンド分散液の液滴量は100pL以下に制御される。
本発明において用いられるクーラントは、高級脂肪酸、分散剤、高級脂肪酸溶媒などを水中に混合・分散した分散液である。用いることができる高級脂肪酸は、オレイン酸、ノナン酸、リノール酸、リシノール酸などを含む。高級脂肪酸は、クーラントの総重量を基準として0.02〜5.0%、好ましくは0.05〜2.0%の濃度を有する。高級脂肪酸溶媒は、前述の高級脂肪酸の水中での分散性を向上させるための有機溶媒であり、たとえばn−ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノチルエーテル)、ジエタノールアミドなどを含む。本発明において用いることができる分散剤は、ノニオン系界面活性剤を含む。
ダイアモンド分散液は、水中に分散されたダイアモンド砥粒を含む分散液である。必要に応じて、ダイアモンド砥粒の分散性を向上させるためにポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェイトのような分散剤をさらに含んでもよく、および研磨速度を向上させるためにアルミニウムまたはニッケルの硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩またはチオ硫酸塩などの添加剤をさらに含んでもよい。本発明において用いることができるダイアモンド砥粒は0.02〜0.5μmの平均粒径を有することが望ましい。また、ダイアモンド砥粒は、ダイアモンド分散液の総重量を基準として0.1〜10%、好ましくは0.2〜5%の量で分散液中に含有される。
液滴の体積を精密に制御することができ、かつ該液滴を高い再現性をもって噴射することができる液体噴射装置としては、たとえばインクジェットプリンタに使用されている液体噴射ヘッドを挙げることができる。インクジェットプリンタに使われている液体噴射ヘッドにおいて供給路中にあるインクを駆動・噴射する方法は、(a)圧電アクチュエータを用いる方法(たとえば、特許文献5参照)、(b)インクに熱エネルギーを付与してインクの膜沸騰を用いる方法(たとえば、特許文献6参照)に大別される。また、インクの噴射形態は、常に液滴を噴射し続ける連続吐出型と、外部入力信号に応じて液滴を噴射するドロップオンデマンド型とに大別される。ダイアモンド分散液には無機塩等が添加されているので、本発明ではダイアモンド分散液の成分に依存しない圧電マイクロアクチュエータを用いた液体噴射ヘッドを採用し、かつ液滴を精密に制御するためにドロップオンデマンド型を採用している。
本発明のテクスチャースラリーの製造に用いることができる装置の一例を図1に示す。液体噴射装置10は、導入路壁5aおよび5b、吐出口2、圧電マイクロアクチュエータ3を含み、ダイアモンド分散液4はタンク(不図示)から導入路中に供給される。クーラント23は、オリフィス下方に設けられた混合容器21に収容され、攪拌装置22によって攪拌されている。そして、圧電マイクロアクチュエータ3に対する電圧印加によって発生する圧力によってダイアモンド分散液4が吐出口2から吐出され、液滴1となってクーラント23中に滴下される。
本発明においては、液滴1の体積を100pL以下、好ましくは10〜100pLに制御して、ソルベントショックによる高級脂肪酸の凝集を防止することが重要である。吐出口2の形状および寸法、ダイアモンド分散液の粘度、および圧電マイクロアクチュエータに対する印加電圧を総合的に制御することによって、液滴1の体積を調整することができる。液滴の滴下頻度は、最初の液滴の添加による局所的なクーラントpHの変化が緩和された後に、次の液滴が添加されるように設定すべきである。本発明の方法においては、液滴の滴下頻度を0.1ms/個以上(10,000個/秒以下)、好ましくは0.1ms/個〜2.0ms/個(500〜10,000個/秒)に設定することが望ましい。
前述の方法で得られるテクスチャースラリーは、アルミニウム合金母材またはガラス母材に対してNi−Pメッキなどの非磁性合金メッキを施すことによって準備される非磁性基板のテクスチャー加工のみならず、前述の母材に対してCo−P系メッキ、Co−Ni−P系メッキまたはCo−W−Pメッキなどの軟磁性合金メッキを施すことによって準備される垂直磁気記録媒体用の基板のテクスチャー加工にも対応することができる。テクスチャー加工を施された基板を洗浄工程し、そして下地層、中間層、磁気記録層、保護層および/または潤滑層を成膜することによって、磁気情報記録媒体を作製することができる。ここで、下地層、中間層、保護層および潤滑層は、任意選択的に設けてもよい層である。現在、磁気情報記録媒体としては、公称3.5インチ、2.5インチ、1インチあるいは0.8インチなどの種々のディスク径を有する媒体が開発または製造されている。これらの媒体においては、そのディスク径に応じて厚さの異なる基板が用いられている。以下の説明においては、現在最も市場占有率の高い3.5インチ用の基板を例として、磁気情報記録媒体の製造方法を説明する。
最初に、厚さ1.27mmのアルミニウム系合金からなる板を内径25mm、外径95mmのドーナツ状に裁断し、内外周の裁断部をチャンファ加工し、両主表面を砥石によるグラインディング加工を施すことによってブランク材を得る。このブランク材に無電解メッキを施して、膜厚5〜15μmのNi−P無電解メッキ膜を付着させる。そして、メッキ液残渣の洗浄、アルミナ砥粒を用いた1次研磨、コロイダルシリカ砥粒を用いた2次研磨、およびそれに引き続く洗浄によって、平坦な主表面を有するポリッシュ基板を作製する。Ni−P無電解メッキ膜は1次研磨、2次研磨により数μm研磨される。
このようにして得られたポリッシュ基板に対して、磁気記録層の配向性を高めるためにテクスチャー加工が施される。テクスチャー加工は、一般的には、前述の方法により得られたテクスチャースラリーを含浸させた研磨用テープを、回転させたポリッシュ基板に押圧して研磨する方法で行われる。テクスチャー加工工程に引き続いて、テクスチャースラリーや基板加工滓等を除去するために洗浄を行う。一般的には、洗剤を用いたスクラブ洗浄に加えて、純水や水素水などの機能水を用いた超音波洗浄との組み合わせが行われている。
次いで、このようにして得られた洗浄基板に、磁気記録層を積層して磁気情報記録媒体を得る。磁気記録層は、Coおよびその合金などを含む磁性材料を用いて形成され、好ましくはCoCrPtBまたはCoCrPtTaなどを用いて形成される。必要に応じて、磁気記録層を積層する前に、非磁性下地層および中間層を積層してもよい。非磁性下地層は、好ましくはTi、またはTiCr合金のようなCrを含む非磁性材料を用いて形成される。また、中間層の材料としては、非磁性下地層と磁気記録層との格子定数のミスフィットが小さくなる六方晶の材料が適しており、一般的にCoCr、CoCrPt等のCoCr系合金を使用することができる。あるいはまた、磁気記録層の保護を目的として、磁気記録層の上面に、保護層および潤滑層を積層してもよい。保護層は、ダイアモンド様カーボン(DLC)などの炭素系材料、酸化珪素(SiO2)および酸化ジルコニウム(ZrO2)を用いて形成することができる。また、潤滑層は、パーフルオロポリエーテルのようなフッ素系液体潤滑剤を用いて形成することができる。上記の構成層の内、中間層、磁気記録層および保護層は、好ましくは、スパッタ法、電子ビーム蒸着法、化学蒸着法(プラズマCVD法、レーザCVD法、有機金属CVD法を含む)のようなドライプロセスを用いて形成することができ、より好ましくはスパッタ法を用いて形成される。
必要な層の形成の後、媒体表面に存在するパーティクルを除去するためにテープバニッシュやヘッドバニッシュを行って、磁気情報記録媒体の完成品を得る。この際に、GHTおよび/またはR/W試験を行って、情報記録媒体としての性能を確認してもよい。
更に具体的な実施例により本発明を以下に説明する。
(実施例1)
図1に示す液体噴射装置10に対して、平均粒径0.1μmのダイアモンド砥粒(1.0%)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェイト(5.0%)、純水などを含むダイアモンド分散液を充填した。ダイアモンド分散液のpHは3.4であった。一方、混合容器21に、リシノール酸(0.1%)、n−ブチルカルビトール(1.0%)、ノニオン系界面活性剤(0.1%)および水を含むクーラント5mLを配置し、機械式攪拌機22を用いて攪拌した。次いで圧電マイクロアクチュエータ3に制御された電圧を印加して、体積1pLの液滴としてダイアモンド分散液を滴下した。この時、液滴の体積は、液滴が完全に球状であるとして、高速度カメラを用いて撮影した液滴の直径から計算した。最終的に、クーラント1mLに対してダイアモンド分散液0.05mLを添加して、テクスチャースラリーを得た。
次に、前述のようにして得られたテクスチャースラリーを用いて、磁気情報記録媒体を作製した。最初に、厚さ1.27mmのアルミニウム系合金板を内径25mm、外径95mmのドーナツ状に裁断し、内外周の裁断部をチャンファ加工し、両主表面を砥石によるグラインディング加工を施すことによりディスク基板(ブランク材)を得た。このディスク基板に約13μmの厚さのNi−P無電解メッキ膜を積層し下地層とした。次いで、メッキ液残渣の洗浄、アルミナ砥粒を用いた1次研磨、コロイダルシリカ砥粒を用いた2次研磨、それに引き続く洗浄によりポリッシュ基板を作製した。1次研磨および2次研磨によるメッキ膜の研磨厚さは約3μmで、したがって研磨後のメッキ膜の膜厚は10μmであった。
次に、前述のようにして得られたテクスチャースラリーをポリエステル不織布製テープに含浸させた。ポリッシュ基板を回転させながら、該テープを押圧してテクスチャー加工を行った。この際に、Raを0.3nmに制御した。Raは洗浄、乾燥後の基板表面の20μm角の領域のAFM測定にて求めた。
次いでテクスチャー加工工程で基板表面に付着したテクスチャースラリー残渣およびNi−P研磨滓を洗浄除去するために、洗剤を併用したスクラブ洗浄、該洗剤を除去するための純水スクラブ洗浄、および周波数850kHzの超音波洗浄(メガソニック洗浄)を行った。洗浄後基板を、スピン乾燥機にて乾燥させた。
本発明の方法で得られたテクスチャースラリーの効果を確認するために、表面外観検査装置(日立DECO製ディスク表面検査装置NS1510)を用いて、洗浄後基板の表面に付着しているパーティクルの数を測定した。また、洗浄後基板の表面に付着しているパーティクルが有機系残渣であるかどうかを確認するために、顕微ラマン分析装置による分析を実施した。
次に、洗浄後基板に対して、スパッタ法を用いて、膜厚15nmのCr合金からなる非磁性下地層、膜厚15nmのCo合金からなる磁気記録層および膜厚5nmの炭素系材料からなる保護膜を積層した。そして、スピンコート法を用いて、膜厚1nmのパーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を形成して、磁気情報記録媒体を得た。
得られた磁気情報記録媒体に対して、GHTおよびR/W試験を実施した。両試験ともに、160GB/disk(3.5インチディスク)に対する規格に準拠して行った。GHTは、ヘッド浮上量4.0nmにキャリブレーションした線速度(周速)5.5m/sにて実施した。
(実施例2)
クーラントに滴下するダイアモンド分散液の液滴の体積を2pLに変更したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、磁気情報記録媒体の作製および評価を行った。
(実施例3)
クーラントに滴下するダイアモンド分散液の液滴の体積を5pLに変更したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、磁気情報記録媒体の作製および評価を行った。
(実施例4)
クーラントに滴下するダイアモンド分散液の液滴の体積を10pLに変更したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、磁気情報記録媒体の作製および評価を行った。
(実施例5)
クーラントに滴下するダイアモンド分散液の液滴の体積を50pLに変更したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、磁気情報記録媒体の作製および評価を行った。
(実施例6)
クーラントに滴下するダイアモンド分散液の液滴の体積を80pLに変更したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、磁気情報記録媒体の作製および評価を行った。
(実施例7)
クーラントに滴下するダイアモンド分散液の液滴の体積を100pLに変更したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、磁気情報記録媒体の作製および評価を行った。
(比較例1)
クーラントに滴下するダイアモンド分散液の液滴の体積を150pLに変更したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、磁気情報記録媒体の作製および評価を行った。
(比較例2)
クーラントに滴下するダイアモンド分散液の液滴の体積を200pLに変更したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、磁気情報記録媒体の作製および評価を行った。
(比較例3)
クーラントに対して、60μL/分の速度でダイアモンド分散液を連続的に添加したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、磁気情報記録媒体の作製および評価を行った。
以下の第1表に、実施例および比較例における洗浄後基板の表面パーティクル数および有機残渣比率、ならびに磁気情報記録媒体におけるGHT良品率およびR/W試験良品率を示した。なお、上記の実施例および比較例においては、ダイアモンド分散液の吐出頻度を0.1ms/個〜2.0ms/個(10,000〜500個/秒)まで変化させたが、この範囲では評価結果に対する吐出頻度の影響は無かった。
Figure 0004487259
第1表から明らかなように、ダイアモンド分散液の液滴量が100pLを越えると、洗浄後基板上のパーティクルが著しく増加し、これに伴って有機残渣の比率も著しく増大した。そして、最終的に得られた磁気情報記録媒体においても、GHT良品率およびR/W試験良品率が著しく低下した。すなわち、圧電マイクロアクチュエータを用いる液体噴射装置により、ダイアモンド分散液とクーラントを混合する際のダイアモンド分散液の液滴の体積を100pL以下に制御することによって、160GB/disk(3.5インチディスク)の規格に対応させた場合でも、GHT良品率およびR/W試験良品率の両方が90%以上である優れた特性を有する磁気情報記録媒体を得ることができた。
本発明のテクスチャースラリーの製造方法の実施形態を示す模式図である。
符号の説明
1 液滴
2 吐出口
3 圧電マイクロアクチュエータ
4 ダイアモンド分散液
5a、5b 導入路壁
10 液体噴射装置
21 混合容器
22 攪拌装置
23 クーラント

Claims (3)

  1. 高級脂肪酸を含むクーラントに対して、ダイアモンド砥粒を含む酸性のダイアモンド分散液を添加する磁気記録媒体のテクスチャー加工用スラリーの製造方法であって、
    前記ダイアモンド分散液が体積100pL以下の液滴として添加されることを特徴とするテクスチャー加工用スラリーの製造方法。
  2. 前記ダイアモンド分散液の添加を、圧電マイクロアクチュエータを用いた液体噴射装置によって実施することを特徴とする請求項1に記載のテクスチャー加工用スラリーの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法で製造されたテクスチャー加工用スラリーを用いて、基板をテクスチャー加工を施す工程と、
    テクスチャー加工された基板に対して、磁気記録層を積層する工程と
    を少なくとも含むことを特徴とする磁気情報記録媒体の製造方法。
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