JP3555671B2 - 伸縮性複合糸の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタン弾性糸の如き弾性糸を芯糸とし、その周囲を熱可塑性フィラメントで包んだいわゆる伸縮性複合糸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリウレタン弾性糸を用いて伸縮性複合糸を製造する方法として、種々の方法が提案されている。
第1の方法は、ポリウレタン弾性糸を芯糸とするカバリング糸の製造方法であって、このカバリング糸はパンストやストッキングに広く用いられている(特開平3−146701、−146702)。
しかし、このカバリング糸の方法は、芯糸の弾性糸のまわりに他の糸を巻き付ける方法であるため、いわゆる鞘糸(他の糸)の太さに制限があり、また、鞘糸の撚数によっては芯糸が表面に露出する目ムキが起る欠点を有し、芯糸に親和性の強い染料、例えば芯糸がポリウレタン弾性糸の場合には酸性染料で補染せねばならない欠点を有していた。さらに、目面、風合いの点においても、カバリング糸は表面が微細な凹凸状を呈し、パンスト、ストッキングなどの分野に限られ、きわめて汎用性のせまいものであった。
【0003】
第2の方法は、ポリウレタン弾性糸を芯糸として、その周囲に綿、麻、レーヨンなどのステープルファイバーを被覆したコアヤーンを製造する方法であり、衣料用途全般に用いられている。
しかしながら、かかるコアヤーンは、芯糸が鞘で充分におおわれず、表面に露出しているところのいわゆる目ムキの欠点を有し、この目ムキの改善にいろいろの方法が講じられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の方法の欠点を改良し、目面、風合及び目ムキの点において優れた物性を有する伸縮性複合糸の製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、次の手段をとるものである。すなわち、本発明は、弾性糸を1.5〜5倍に伸長して紡出する際に、熱可塑性マルチフィラメント糸を電気開繊して前記弾性糸に重ね、かつ該弾性糸が芯糸となるように紡出し、ついで施撚することを特徴とする伸縮性複合糸の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明において重要なことは、弾性糸を伸長して電気開繊した熱可塑性マルチフィラメント糸と重ね、かつ該弾性糸が芯糸となるように紡出し、施撚することである。本発明における弾性糸は、80%以上の破断伸度を有するフィラメント糸で、例えばポリウレタン弾性糸、ポリエステル・ポリエーテル繊維などの合成ゴム状弾性糸が挙げられる。
【0007】
かかる弾性糸を1.5〜5倍に伸長する。これは、伸縮性を出すためで、1.5倍未満では伸縮性は充分に発揮されず、他方5倍をこえると、伸縮性複合糸の表面の平滑性が失なわれるので好ましくない。かかる観点からは、伸長率は1.5〜3倍が好ましい。
【0008】
電気開繊の対象たる熱可塑性マルチフィラメント糸は、開繊できるマルチフィラメント糸であれば、種類を問わない。例えば絹繊維、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維などが挙げられる。
【0009】
電気開繊方法としては、特公昭46−3290号公報、特公昭47−11248号公報などに示される開繊法が推奨される。
電気開繊した熱可塑性マルチフィラメント糸と伸長した弾性糸とは重ねられて施撚されるわけであるが、メートル方式での撚係数は70〜90が好ましい。70未満になると目ムキの防止が不可能となり、他方90を超えると平滑性が失なわれ目面が悪くなるので好ましくない。
撚係数Kは次の式で与えられる。T=K・Nm1/2 ここで、Tは撚数(t/m)、Nmはメートル番手である。
【0010】
つぎに、本発明方法を図によって説明する。熱可塑性マルチフィラメント糸1は、パーン2から解舒され、ガイド3をへて電気開繊装置4に供給されて開繊され、他方弾性糸5は、パッケージ6から解舒され1.5〜5倍の伸長を与えられつつ、前記開繊されている熱可塑性マルチフィラメント糸の中を通してローラ7をへてボビン8に施撚されつつ巻き取られる。9はスネルワイヤ、10はトラベラー、11はリングである。
【0011】
【実施例】
実施例1
図1の装置を用い弾性糸として40dのポリウレタン弾性糸を用いて3倍の伸長を加えつつ、40d/12fのナイロンマルチフィラメント糸を3000ボルトの電圧をかけて開繊させた中心部に導入し、その後撚係数を種々かえて伸縮性複合糸を製造し、この複合糸を用いて直径30cmの筒編を作り酸性染料で染色後乾燥した状態で目面、風合、目ムキについて評価し、表1に示した。
【0012】
【表1】
【0013】
なお、評価方法は下記の方法によった。
▲1▼ 目 面
10人の官能検査員により評価した。○は7人が非常に綺麗であると判定し、△は3人が非常に綺麗であると判定したものである。
▲2▼ 風 合
10人の官能検査員により評価した。○は4人が非常にフラットで肌ざわりが良いと判定したことを示し、△は6人が肌ざわりが良いと判定したことを示す。
▲3▼ 目ムキ
10人の官能検査員により評価した。○は10人のうち10人ともに全く問題なしと判定したことを示し、△は10人とも問題なしと判定したことを示す。
【0014】
表1から次のことが確認された。NO1は、撚数が若干甘いために目ムキの点で若干不満な点があった。NO2は、目面、風合、目ムキとも問題なかった。NO3は、撚数が若干きついために若干不満な点があった。
【0015】
実施例2、従来例1
図1の装置を用い、弾性糸として40dのポリウレタン弾性糸を用い、伸長倍率を種々変更して電気開繊(印加電圧3000ボルト)したナイロンマルチフィラメント糸と重ねて表2に示す実撚をかけて伸縮性複合糸を製造した(撚係数87)。
ついで、実施例1と同じようにして評価した。なお、伸縮性については10人の官能検査員の判定により、○は伸縮性が充分にあり、×は伸縮性がないことを示す。
その結果を表2に示した。
【0016】
【表2】
【0017】
表2から次のことが確認された。NO4、5は目面、風合、目ムキともに優れていた。NO6は伸長倍率が若干高いため若干不満な点があった。NO7は伸縮性が悪く、また目面、風合、目ムキともに悪かった。NO8は目面、風合が悪かった。
【0018】
【発明の効果】
本発明方法によれば、芯糸が鞘糸で充分に被覆されるので、染色後の芯糸、鞘糸の染着性が表面に出ることも少なく、従って特殊な染色法を採用する必要がなく、また、糸表面がフラットで、しかも細い伸縮性複合糸が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための装置の正面図である。
【符号の説明】
1 熱可塑性マルチフィラメント糸
2 パーン
3 ガイド
4 電気用開繊装置
5 弾性糸
7 ローラ
Claims (3)
- 弾性糸を1.5〜5倍に伸長して紡出する際に、熱可塑性マルチフィラメント糸を電気開繊して前記弾性糸に重ね、かつ該弾性糸が芯糸となるように紡出し、ついで施撚することを特徴とする伸縮性複合糸の製造方法。
- 弾性糸が合成ゴム状弾性糸である請求項1に記載の伸縮性複合糸の製造方法。
- 弾性糸がポリエステル・ポリエーテル繊維である請求項1に記載の伸縮性複合糸の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP14003396A JP3555671B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 伸縮性複合糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14003396A JP3555671B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 伸縮性複合糸の製造方法 |
Publications (2)
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JPH09324332A JPH09324332A (ja) | 1997-12-16 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP14003396A Expired - Fee Related JP3555671B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 伸縮性複合糸の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3555671B2 (ja) |
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1996
- 1996-06-03 JP JP14003396A patent/JP3555671B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09324332A (ja) | 1997-12-16 |
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