JP3552539B2 - 抵抗付温度ヒューズ - Google Patents

抵抗付温度ヒューズ Download PDF

Info

Publication number
JP3552539B2
JP3552539B2 JP17369298A JP17369298A JP3552539B2 JP 3552539 B2 JP3552539 B2 JP 3552539B2 JP 17369298 A JP17369298 A JP 17369298A JP 17369298 A JP17369298 A JP 17369298A JP 3552539 B2 JP3552539 B2 JP 3552539B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
point alloy
low
melting point
alloy body
ceramic substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17369298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000011831A (ja
Inventor
健 和智
智宏 田所
正泰 西川
徹 島田
Original Assignee
エヌイーシー ショット コンポーネンツ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=15965352&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3552539(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by エヌイーシー ショット コンポーネンツ株式会社 filed Critical エヌイーシー ショット コンポーネンツ株式会社
Priority to JP17369298A priority Critical patent/JP3552539B2/ja
Publication of JP2000011831A publication Critical patent/JP2000011831A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3552539B2 publication Critical patent/JP3552539B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fuses (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は抵抗温度ヒューズに関するものであり、特に抵抗から発生する熱が温度ヒューズである低融点合金体にいたる伝熱経路を最適化することにより、応答性がよく信頼性が高く、更に小型化を可能にする抵抗付温度ヒューズの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下に、抵抗温度ヒューズの従来の技術について説明する。従来の温度ヒューズは電子機器等の異常に基づく発熱を防止するため、周囲温度の上昇に伴ってその発熱に関する回路を遮断し、火災や電子機器の損傷を最小限に食い止める、また事前に防止することを目的としているものであった。
【0003】
しかしながら近年電子機器や家庭電製品等に関する安全性の要求が高まり、このような温度ヒューズの他に各種の状態をセンシングしてその電子機器等の回路を遮断する必要が生じてきている。例えばその代表的な例としては、バッテリーの充電器のようなものが考えられるが、バッテリーの充電器においては電圧が一定以上に高くなった場合には充電器やバッテリーの破損等を生じるため、電圧を検知して、電圧値が一定以上になった場合には回路を遮断する必要等が生じている。このようなものに抵抗温度ヒューズが使われる。
【0004】
また、その他抵抗温度ヒューズの使用の例としては、結露のセンシングや磁界のセンシング、粘度のセンシングや重さのセンシング等、各種のものをセンシングし、センシングした結果その値が危険値に達している場合には、発熱体である抵抗に電流を流して温度ヒューズを溶断し、その問題となっている回路を遮断する仕組みになっているのである。この種の抵抗温度ヒューズの構造は、図11に示すようなものである。図11(a)基板181上に発熱抵抗体183と低融点合金体182とが積層配置された抵抗温度ヒューズの断面を示すものである。抵抗温度ヒューズと抵抗温度ヒューズの発熱抵抗体183と低融点合金体182とは図で示すように、絶縁層189を介して積層されている。このように絶縁層を介して積層するのは両者の電気的ショートを防止するためである。しかしながら、このような積層は一般的に蒸着やスパッタ等の薄膜形成技術によってなされるため、その薄膜に欠陥がある場合には、発熱抵抗体と低融点合金体とのショートが生じるようなこともある。
【0005】
また図11(b)に示すものは、基板181’の両側にそれぞれ片面に低融点合金体182’、他面に発熱抵抗体183’を配置したものである。この図11(b)に示すものの特徴点は、同図(a)に示すものと異なり、発熱抵抗体183’と低融点合金体182’とが基板181’の片面と他面にすなわち異なる面に配置されている点にある。このように異なる面に配置された場合には、発熱抵抗体で発生した熱がセラミック基板を介して伝達するので、低融点合金体の溶断がバラツクというような場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上に述べた従来の抵抗温度ヒューズには、例えば図11(a)の場合、図12に示すような問題が生じる。すなわち図12に示すように、基板上に配置された発熱抵抗体と低融点合金体とのショート190が生じるのである。これは特に発熱抵抗体193と低融点合金体192との電位差が大きくなればなるほど生じやすくなり、また両者を隔てている絶縁薄膜の厚みが薄くなればなるほど生じやすい。
【0007】
また一般に低融点合金体は周囲にフラックスを伴っているため、このようなショートが起こった場合には、そのスパークによってフラックスが爆発的に化学反応を起こし、大量のガスを発生して抵抗付温度ヒューズがケースごと暴発するというような問題も生じる。かかる観点から図には示さないがこれにカバーをして内部の低融点合金体乃至はその周囲に配置されたフラックスを外部の環境から完全に密封するということが困難になっており、場合によってはケースでこの低融点合金体や低融点合金体やその周囲のフラックスを覆うもののカバーの一部に穴を開けてそのような暴発を防ぐ構造を採用しているものもある。
【0008】
しかしながら、そのような構造を採用した場合には結果としてカバーによる機密性を保つことができず、低融点合金体乃至はその周囲に配置されるフラックスが周囲環境により劣化して抵抗温度ヒューズ全体の信頼性を損なうというような問題もあった。
【0009】
一方、図11(b)に示すような温度ヒューズの場合には、基板の片面と他面にそれぞれ低融点合金体と発熱抵抗体とが別個に配置されているため、両者間でショートが起こるというようなことはない。しかしながら同図(a)に示すものと比べて、発熱抵抗体と低融点合金体との距離がセラミック基板を介して隔たっているため、発熱抵抗から発生する熱が低融点合金体に到達しにくく、また到達した場合であっても周囲環境によるセラミック基板の温度分布のバラツキ等によって、その溶断精度は大きな誤差が生じてくるのである。
【0010】
本発明は以上のように、従来の抵抗温度ヒューズで問題となっているショートや溶断精度のバラツキを完全に解決し、ショートが生じずかつ溶断精度も高い抵抗温度ヒューズを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために本発明者等は以下のような解決手段を提供するものである。即ち、セラミック基板の片面に低融点合金体を、他面に発熱抵抗体を対向配置し、この発熱抵抗体に通電し前記セラミック基板を介して前記低融点合金体を加熱し、これを溶断することで回路遮断をする抵抗付温度ヒューズであって、前記低融点合金体は平板状であって、前記セラミック基板の片面に前記発熱抵抗体と対向する位置に配置され、かつ、この低融点合金体は両端及び中間部が電極に接続され、前記発熱抵抗体は前記低融点合金体の中間部の電極を介して通電される抵抗付温度ヒューズを提供する。
【0012】
また、本発明の抵抗付温度ヒューズの実装においては、抵抗付温度ヒューズは回路基板上に実装するためのリード線を具備し、このリード線はセラミック基板の片面もしくは他面に突設し、抵抗付温度ヒューズが回路基板上に配置された場合に、低融点合金体もしくは発熱抵抗体と回路基板との間に空隙が形成されるようにした抵抗付温度ヒューズを提供する。
【0013】
更に、セラミック基板の片面に低融点合金体を、他面に発熱抵抗体を配置し、この発熱抵抗体に通電し前記セラミック基板を介して前記低融点合金体を加熱し、これを溶断することで回路遮断をする抵抗付温度ヒューズであって、前記低融点合金体は平板状であってその両端及び中間部が電極に接続され、前記セラミック基板の片面に発熱抵抗体と対向する位置に配置され、前記発熱抵抗体には前記低融点合金体の中間部 電極を介して通電されると共にこの中間部はセラミック基板上に設けた良熱伝導体で支持される抵抗付温度ヒューズを提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の抵抗付温度ヒューズは、セラミック基板の片面に低融点合金体を、他面に発熱抵抗体を配置し、この発熱抵抗体に通電し前記セラミック基板を介して前記低融点合金体を加熱し、これを溶断することで回路遮断をする抵抗付温度ヒューズであって、前記低融点合金体は平板状であってその両端及び中間部が電極に接続され、前記セラミック基板の片面に前記発熱抵抗体と対向する位置に配置され、前記発熱抵抗体には前記低融点合金体の中間部電極を介して通電されると共にこの中間部は前記セラミック基板上に設けた良熱伝導体で支持される。以下、本発明の前提となる抵抗付温度ヒューズについて図面を参照しつつ説明すると、図1および図2はセラミック基板11の片面11aに低融点合金体12を他面11bに発熱抵抗体13を配置し、この発熱抵抗体に通電し、前記セラミック基板を介して前記低融点合金体を加熱し、これを溶断することで回路を遮断する抵抗付温度ヒューズであって、前記低融点合金体は平板状であって、前記セラミック基板の片面に対向配置されている抵抗付温度ヒューズである。
【0015】
この温度ヒューズの特徴点は、実質的には低融点合金体12が平板状で発熱抵抗体13に対して対向配置されている点にある。このような構造をとることにより得られる効果としては、図11(a)に示した抵抗付温度ヒューズと異なり、低融点合金体12と発熱抵抗体13がセラミック基板11の異なる面11a、11bに配置されているため、両者間でショートが起こらないことの上に、従来図11(b)に示すように低融点合金体182の断面が円形で、いわゆる丸棒状のものが用いられていたのに対し、本発明ではこれを平板状とし、かつセラミック基板11の上に対向配置したので、発熱抵抗体から発生する熱を吸収する面積が広くなり、従って熱を効率良く低融点合金体12に取り込むことができ、セラミック基板11の温度分布のバラツキ等によっても動作精度が低下しにくいことにある。
【0016】
なお、図1(a)に記載する斜視図においては、ケース14が分離して記載されているが、使用状態においてはこのケース14をセラミック基板11に対して気密に密着して、低融点合金体12乃至は図示しないが低融点合金体の周囲に配置されるフラックスを外気環境から保護することができる。
【0017】これは前述のように、セラミック基板11の異なる面に低融点合金体12と発熱抵抗体13を配置しているため、両者間でショートが起こらないので、ショートによる暴発というような問題も生じないためである。
【0018】
なお、図1(b)はこの抵抗付温度ヒューズの正面図で、セラミック基板の片面11aには低融点合金体12が配置され、この基板に対して対向する他面11bには発熱抵抗体13が形成配置され、それぞれ電極a、b間に遮断すべき回路の電流が、また電極c,d間に発熱抵抗体13への電流が通ずるようになっている
【0019】
一方、発熱抵抗体の方は、セラミック基板を介してその裏側に配置されており、c、dを通じて電流が流され、ジュール熱によって発熱して上記低融点合金体12を溶断するようになっている。また、本発明における平板状とは、必ずしも矩形状のものに限られることなく、図2(b)や図2(c)に示すようなものであってもよいことは言うまでもない。要は、板状のものであってその主面が発熱抵抗体12が形成されているセラミック基板の裏側にベッタリくっついているような状態であればいいのである。
【0020】
本発明は前述のようにセラミック基板の片面に低融点合金体を他面に発熱抵抗体を配置し、この発熱抵抗体に通電し前記セラミック基板を介して前記低融点合金体を加熱し、これを溶断することで回路遮断する抵抗付温度ヒューズであって、前記低融点合金体は平板状であり、その両端及び中間部が電極に接続され、前記発熱抵抗体は前記中間部の電極を介して通電される抵抗付温度ヒューズである。本発明の実施例は図3および図4に示され、参考として一般の回路図を図5に示す。本発明の特徴は図3で説明すれば、要するに低融点合金体42の両端のみならず中間部に電極45が接続され、そ の電極45を介して前記発熱抵抗体43に通電される点にある。以下にこのようにして通電することの効果を説明する。
【0021】
まず、図5に示すものは、従来の一般的な抵抗付温度ヒューズの配線である。たとえば充電器に用いる場合には、充電器側はa、バッテリー側はbとなり、温度ヒューズがa、b下に配され、ツェナーダイオード66とトランジスタ67を介して発熱抵抗体63が配置され、この発熱抵抗体はツェナーダイオードが一定以上の電圧によりトランジスタ67に通電することによって電流が流れて発熱し、低融点合金体が溶断するようになっている。この場合、低融点合金体が溶断すると、a、b間で温度ヒューズの部分の回路は遮断されるのであるが、発熱抵抗体はそのまま加熱しつづけることになるため、最終的にはこの発熱抵抗体によって2次的な電子機器への損傷が生じる場合がある。しかしながら、本発明の具体例である図3(b)に示すような回路をとった場合には、発熱抵抗体43’は低融点合金体42’の中間電極45’を介して通電されるため、発熱抵抗体43’の発熱により、低融点合金体42’が溶断した場合にはもはや発熱抵抗体43’に通電されなくなって、発熱抵抗体43’自身の発熱もとまることになる。
【0022】
したがってこのような構造をとれば、前記のような2次的な電子機器等の損傷も防止することができる。また、本発明ではこのような中間部に電極を配置する低融点合金体の形式として図4(a)、(b)、(c)に記載するようなものが考えられる。ここでいう中間電極55とは要するに低融点合金体52に接続される入力部と出力部の電極の間に設けられる電極という意味であり、図4 ( ) のような場合のみならず、図4(b)のようなものもその中間部に存在するものは中間部の電極である。図4(b)のような構成をとる場合には本発明の効果を得ることはもちろんのこと、低融点合金体52の全長を短くすることができるので、抵抗付温度ヒューズの全体の長さ乃至は幅を小さくすることが可能というメリットもある
【0023】
またこの中間部に電極を設けることとは図4(c)に描写するように、低融点合金体を2つに分け3つの電極にそれぞれ橋渡しをするような場合も考えられる。しかしながら図4(c)の場合には、中間部の電極部分で低融点合金のボリュームが一部欠落するので図4 ( ) のものに比べれば熱の吸収乃至は溶断に対して不利であることはいなめない。したがって、好ましくは、図3(a)に示すように、低融点合金体は一体のものであって、その一体の低融点合金体の中間部に電極を配置して、その電極でもって低融点合金体を支持するような構成にするのがよいであろう。
【0024】
セラミック基板の片面には3つの電極が配置されており、真ん中の電極が中間部の電極45、その中間部の電極の真下には発熱抵抗体が配置されている。なお、この図においては配線等は省略されている。
【0025】
次に本発明の抵抗付温度ヒューズの回路基板上への実装においては、セラミック基板の片面に低融点合金体を、他面に発熱抵抗体を配置し、この発熱抵抗体に通電し前記セラミック基板を介して前記低融点合金体を加熱し、これを溶断することで回路遮断する抵抗付温度ヒューズは、そのリード線が前記セラミック基板に突設され、この抵抗付温度ヒューズが回路基板上に配置された場合に、発熱部と回路基板との間に空隙が形成される。
【0026】
本発明の抵抗付温度ヒューズの実装構造を示したのが図6、図7および図8である。図6に示すように、この実施例の特徴点は、要するにこの抵抗付温度ヒューズに用いられるリード線77、77’を利用することで発熱抵抗体73、73’と回路基板79、79’との間に隙間78、78’を形成するようにした点にある。このように隙間78、78’を形成することの趣旨は、発熱抵抗体の熱によって低融点合金体72、72’を精度よく溶断する点にある。発熱抵抗体73、73’の熱は望ましくは100%低融点合金体72、72’の溶断に用いられるのがよいのであるが、低融点合金体の溶断に用いられる熱はその一部であるのが実情である。これは熱の伝達経路を完全にはコントロールすることはできないので、発熱抵抗体から発生する熱はあらゆる方向に発散していくためである。その発散経路の一つとして発熱抵抗体が最も近接している、乃至は密着している回路基板79、79’への熱の放散がある。回路基板79、79’は一般的に はガラスエポキシ等で形成されるプリント基板であるが、非常に大きな熱容量をもっているため、発熱抵抗体からのここへの熱の放散量は多く、したがって発熱抵抗体で生じる熱が低融点合金体を溶断するために用いられる利用効率は非常に小さいものになっているのが実情のようである。しかしながらこの実施例のように、発熱抵抗体73、73’と回路基板79、79’の間に隙間78、78’を形成してやれば、この間の伝熱は熱放射が多くなるので、発熱抵抗体からの熱を有効に低融点合金体72、72’の溶断に利用することができるようになるのである。
【0027】
また、この隙間78、78’を形成するためには、別途新たな材料を用意することなく、この抵抗付温度ヒューズのリード線77、77’を用いるのがよい。リード線は図6に示すように発熱抵抗体が生じている他面側に凸接して形成されるため、リード線77、77’によってこのセラミックス基板が回路基板から持ち上げられ、結果として発熱抵抗体と回路基板との間に一定の隙間78、78’が生じるのである。いうまでもなくこの隙間は広ければ広いほど発熱抵抗体からの熱の有効利用が図られるのである。またこのようにリード線でもって発熱抵抗体をプリント基板から隔離する方法としてリード線を図6 ( ) のようにハの字状に形成することのほか、図6(b)のようにセラミック基板71’の下側で折り曲げることによって、隙間を設けるような方法もある。いずれの構造をとるかは設計的なものであるが、同図6(b)のような配置をとる場合にはリード線が余分に回路基板上の面積を占有することもないので、小型化が可能であるというメリットがある。また、この実施例において、他面側に突接されたリード線が他面側に植設されていることを意味するものではない。
【0028】
例えば図7(a)、(b)に示すような構造も含む趣旨である。図7(a)、(b)はそれぞれリード線87、87’がハの字状乃至は折りたたまれてセラミック基板81、81’の下面側に配置される場合を示すものであるが、図6に示すものとの相違点はリード線の植設されている位置が発熱抵抗体83、83’が配置されている他面81b、81b’側である点である。このように他面側にリード線を配置しても、発熱抵抗体83、83’と回路基板89、89’との間に隙間88、88’を形成することには変わりないので十分な効果を発揮することができる。ただし、より好ましくは図6に記載されているようにリード線は他面側ではなく片面側、すなわち低融点合金体側に植接され他面側に突設されているような構成のものがよい。
【0029】
なぜなら、リード線は一般的に金属材料で作られ、熱伝導率が高いのでこのようなものを発熱抵抗体の近傍に配設するよりはむしろできるだけ発熱抵抗体から隔離して配置した方が有利である。したがって、発熱抵抗体に近傍して配置せざるを得ない図7記載のような構成よりは発熱抵抗体が構成されている他面と異なる面であるか他面側にリード線が植設された構成のものが伝熱の観点から有利である。
【0030】
本発明は前述のように、セラミック基板の片面に低融点合金体を、他面に発熱抵抗体を配置し、この発熱抵抗体に通電し、前記セラミック基板を介して前記低融点合金体を加熱し、これを溶断することで回路遮断をする抵抗付温度ヒューズであって、この抵抗付温度ヒューズのリード線は前記片面側に突設され、この抵抗付温度ヒューズが回路基板上に配させれた場合に前期低融点合金体と回路基板との間に隙間が形成されるようにした抵抗付温度ヒューズである。
【0031】
図8に示す変形例においては、低融点合金体92a - dが回路基板側99a - dに発熱抵抗体93a - dがセラミック基板91a - dを介して回路基板99a - dとは逆側配置されるようにしている。このように発熱抵抗体を逆側に配置すれば近傍に回路基板があることもないので、発熱抵抗体から発生する熱は、なおさら低融点合金体を溶断するために利用されやすくなる。また低融点合金体もリード線でもって回路基板との間に隙間が形成されるようにされているので、低融点合金体から回路基板への伝熱も少なくなり、発熱抵抗体からの熱が有効に回路基板側に配置されている低融点合金体の溶断に使われるのである。
【0032】
更に別の実施例として、前述のようにセラミック基板の片面に低融点合金体を他面に発熱抵抗体を配置し、この発熱抵抗体に通電し前記セラミック基板を 介して前記低融点合金体を加熱し、これを溶断することで回路遮断をする抵抗付温度ヒューズであって、前記低融点合金体の中間部は前記セラミック基板上に配される良熱伝導体で支持される抵抗付温度ヒューズがある。この実施例の特徴点は、要するにセラミック基板上に配される良熱伝導体が低融点合金体の中間部を支持するようにしている点にある。
【0033】
このように良熱伝導体で低融点合金体の一部を支持することの趣旨は、その部分に発熱抵抗体からの熱を集中的に分配してやって低融点合金体の溶断をコントロールしてやることにある。即ち、図9に示すように発熱抵抗体の熱はセラミックス基板を介して低融点合金体102、102’に至るのであるが、低融点合金体がセラミックス基板101、101’上に配置されている場合はもちろんのこと、離隔して配置されている場合であっても低融点合金体のどの部分に集中して熱を与えられるということはなく、全体としてある一定のバラツキを持って低融点合金体が加熱されるのである。
【0034】
しかしながら上述の実施例のように、セラミック基板上に良熱伝導体100、100’を配置して良熱伝導体の一部を低融点合金体に接触支持するようにしてやれば、セラミック基板を伝わってきた熱は空間に発散するよりはむしろその良熱伝導体の部分を通じて低融点合金体に与えられ、低融点合金体のかかる良熱伝導体で支持される部分が集中的に過熱されるようになるのである。したがって、このように良熱伝導体でもって低融点合金体へ流れる熱の経路を設計してやることができるので、低融点合金体の溶断個所を任意に決めることができる。本発明の場合には、そのばらつき等も考慮して、これを低融点合金体の中間部としているのである。ただし、中間部とは真ん中という意味ではなく、低融点合金体の両端の電極105、105’近傍を含まない広い中央部分を指すのである。また、良熱伝導体としては、金属材料例えば銅や鉄や金のようなものも考えられるが、図9(b)に示すようにセラミック基板の一部を突出させて、セラミック基板から良熱伝導体100’を形成し、その部分で低融点合金体を支持するような構造にしても良いのである。例えば、このようなセラミック材料としては、熱伝導率が比較的良いアルミナ、窒化アルミ、炭化シリコンのようなものが挙げられる。
【0035】
また、他の実施例としては、図10に示すように低融点合金体と発熱抵抗体を異なる基板上に配置する方法がある。このような構成にするメリットは、従来外部環境からフラックスを保護する観点でカバーを取り付けていたところを、二枚の基板で相互にカバーし合う構成にしたことにより、簡単な封止方法で重要な機能部分の保護を行えるという点にある。また、この種の抵抗付温度ヒューズを回路基板に半田付けする際には、はんだ溶融温度で作業をしなければならないが、低融点合金体にこの加熱による影響が加えられることがある。しかしながら、本発明にかかる抵抗付温度ヒューズを発熱抵抗体の部分を回路基板側に、低融点合金体の方を回路基板と反対の側にむけて(即ち前述の場合と逆の向きであるが)、配置した場合には、低融点合金体の位置が半田付け作業が行われる回路基板の位置と離れた位置になるので、たとえ回路基板の半田付けが行われる部分で低融点合金に悪影響を与える程度の温度上昇があっても低融点合金体の部分ではそれよりも低い温度に保つことができるので、低融点合金体に損傷を与えるということが少なくてすむのである。従って、逆に言えば従来不可能であった高温の半田付け作業が可能になるというメリットもある。なお、低融点合金体と発熱抵抗体との間に隙間を形成する手法としては二つの基板の間にこの温度ヒューズのリード線178を挟み込んでやって隙間を確保するという方法がある。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においてはセラミック基板の片面に平板状の低融点合金体を、他面に発熱抵抗体を配置し、低融点合金体の両端および中間部に電極を設置し、その中間部の電極を介して発熱抵抗体に通電するように伝熱経路を設計し、熱の分配を確実に行えるようにしたので、低融点合金体の溶断タイミングを精度良く確保することが可能となった。また、この種の抵抗付温度ヒューズの低融点合金体を含む部分にケースでふたをし気密に封止した場合には、これらの機能部分の対環境性を確実に高めることができ、かつ、ショート等によりフラックスが暴発するということも無いので、信頼性の高い温度ヒューズを提供することができる。また、低融点合金体と発熱抵抗 体をそれぞれ異なる基板上に形成するタイプの抵抗付温度ヒューズにおいては、以上述べたような発明のメリットのほかに、カバーを特別に用意しなくても良く、材料を少なくする抵抗付温度ヒューズを実現することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となる抵抗付温度ヒューズで(a)は斜視図、(b)は概念図である。
【図2】図1の抵抗付温度ヒューズの低融点合金体の形状のバリエーションを示す斜視図である。
【図3】本発明に係る実施例で(a)は請求項1にかかる発明を示す簡単な断面図、(b)はその回路を示す回路図である。
【図4】同じく図3の低融点合金体を示す中間部のバリエーションの平面図である。
【図5】従来の抵抗付温度ヒューズの一般的回路図である。
【図6】本発明の抵抗付温度ヒューズを回路基板上に実装した場合の実施例を示す断面図である。
【図7】同じく図6の別の実施例を示す断面図である。
【図8】同じく図6の更に別の実施例を示す断面図である。
【図9】同じく図6の変形例を示す断面図である。
【図10】本発明の別の実施例、二枚の基板を用いた抵抗付温度ヒューズの断面図である。
【図11】従来の抵抗付温度ヒューズの断面図である。
【図12】従来の抵抗付温度ヒューズの断面図である。

【符号の説明】
10 抵抗付温度ヒューズ
11、41、71、81、91、101、170、171、181 セラミック基板
11a セラミック基板の片面
11b セラミック基板の他面
12、42、52、72、92、102、172、182、192 低融点合金体
13、43、63、73、83、93、173、183、193 発熱抵抗体
14 ケース
45、55 中間部の電極
66 ツェナーダイオード
67 トランジスタ
77、87、97 リード線
78、88 隙間
79、89、99 回路基板
100 良熱伝導体
105 両端の電極
170 一のセラミック基板
171 他のセラミック基板
178 リード線
179 フラックス
189 絶縁層
190 ショート

Claims (3)

  1. セラミック基板の片面に低融点合金体を、他面に発熱抵抗体を配置し、この発熱抵抗体に通電し前記セラミック基板を介して前記低融点合金体を加熱溶断して回路遮断する抵抗付温度ヒューズであって、前記低融点合金体は平板状で前記セラミック基板の片面に前記発熱抵抗体と対向する位置に配置され、その両端及び中間部が電極に接続され、前記発熱抵抗体は前記中間部の電極を介して通電される抵抗付温度ヒューズ。
  2. 前記低融点合金体の中間部は前記セラミック基板上に配置した良熱伝導体で支持させたことを特徴とする請求項1に記載の抵抗付温度ヒューズ。
  3. 請求項1または2に記載の抵抗付温度ヒューズの回路基板上での実装構造において、前記抵抗付温度ヒューズは、そのリード線を前記セラミック基板から突設させ、前記発熱抵抗体と前記回路基板との間に空隙を形成させることを特徴とする抵抗付温度ヒューズ。
JP17369298A 1998-06-19 1998-06-19 抵抗付温度ヒューズ Expired - Fee Related JP3552539B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17369298A JP3552539B2 (ja) 1998-06-19 1998-06-19 抵抗付温度ヒューズ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17369298A JP3552539B2 (ja) 1998-06-19 1998-06-19 抵抗付温度ヒューズ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000011831A JP2000011831A (ja) 2000-01-14
JP3552539B2 true JP3552539B2 (ja) 2004-08-11

Family

ID=15965352

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17369298A Expired - Fee Related JP3552539B2 (ja) 1998-06-19 1998-06-19 抵抗付温度ヒューズ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3552539B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000011831A (ja) 1998-06-19 2000-01-14 Nec Kansai Ltd 抵抗付温度ヒューズ

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009048850A (ja) * 2007-08-20 2009-03-05 Uchihashi Estec Co Ltd 抵抗付き基板型温度ヒューズ
JP5351860B2 (ja) 2009-09-04 2013-11-27 乾坤科技股▲ふん▼有限公司 保護装置
US9025295B2 (en) 2009-09-04 2015-05-05 Cyntec Co., Ltd. Protective device and protective module
US9129769B2 (en) 2009-09-04 2015-09-08 Cyntec Co., Ltd. Protective device
JP5586380B2 (ja) * 2009-11-28 2014-09-10 京セラ株式会社 抵抗温度ヒューズパッケージおよび抵抗温度ヒューズ
JP5489750B2 (ja) * 2009-12-17 2014-05-14 京セラ株式会社 抵抗温度ヒューズパッケージ、並びに抵抗温度ヒューズ
JP5586378B2 (ja) * 2010-01-28 2014-09-10 京セラ株式会社 ヒューズ装置
JP5586370B2 (ja) * 2010-08-10 2014-09-10 京セラ株式会社 セラミックヒューズおよびセラミックヒューズパッケージ

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5367425U (ja) 1976-11-10 1978-06-06
JPS6046507B2 (ja) * 1983-08-09 1985-10-16 矢崎総業株式会社 厚膜ヒユ−ズ及びその製造方法
JPH0638351Y2 (ja) 1985-12-09 1994-10-05 内橋エステック株式会社 温度ヒュ−ズ
JPH0436021Y2 (ja) 1986-01-31 1992-08-26
JPH0436027Y2 (ja) 1986-05-30 1992-08-26
JPH0590776U (ja) 1992-05-08 1993-12-10 株式会社高岳製作所 固体絶縁開閉装置
JP2790433B2 (ja) 1993-08-31 1998-08-27 ソニー株式会社 保護素子及び回路基板
JP3594644B2 (ja) * 1994-02-17 2004-12-02 内橋エステック株式会社 抵抗体付き温度ヒュ−ズ
JPH087731A (ja) * 1994-06-24 1996-01-12 Uchihashi Estec Co Ltd 基板型抵抗・温度ヒュ−ズ
JP3024521B2 (ja) * 1995-08-28 2000-03-21 関西日本電気株式会社 抵抗温度ヒューズ
JP3768621B2 (ja) * 1996-10-12 2006-04-19 内橋エステック株式会社 保護素子の使用方法
JP3552539B2 (ja) 1998-06-19 2004-08-11 エヌイーシー ショット コンポーネンツ株式会社 抵抗付温度ヒューズ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000011831A (ja) 1998-06-19 2000-01-14 Nec Kansai Ltd 抵抗付温度ヒューズ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000011831A (ja) 2000-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6462318B2 (en) Protective element
US20030161110A1 (en) Electronic control module for a vehicle
JP5236178B2 (ja) 電子回路装置
JP7433796B2 (ja) 保護素子
JP6079302B2 (ja) 電子部品及び電子制御装置
JP2014165480A (ja) 電子部品及び電子制御装置
JP3552539B2 (ja) 抵抗付温度ヒューズ
KR20180104754A (ko) 보호 소자
JP2002165358A (ja) 電池の保護部品と保護部品を有するパック電池
KR100586128B1 (ko) 회로기판으로의 온도퓨즈의 실장구조
US5652562A (en) Thermally fused resistor having a portion of a solder loop thermally connected to an electrically insulated portion of an outer surface of the resistor
JP2009070805A (ja) 抵抗付き基板型温度ヒューズ及び二次電池保護回路
KR20180108791A (ko) 보호 소자
JP5590966B2 (ja) ヒューズ装置および回路基板
JP2004319168A (ja) チップヒューズ及びその製造方法
JP2010040282A (ja) 抵抗内蔵型温度ヒューズ
TWI715228B (zh) 保護電路
KR20090019697A (ko) 저항부착 온도퓨즈 및 전지보호 회로판
JP4992060B2 (ja) ヒューズ装置
JP5662109B2 (ja) 発熱素子の実装構造ならびに発熱素子を有する電子部品
JP2005129352A (ja) 抵抗付き温度ヒュ−ズ
JP7344857B2 (ja) 保護素子
TWI547967B (zh) 複合保護裝置
JP2009117188A (ja) 発熱性回路素子と温度ヒューズとの接続構造及び回路構造
JP2002050271A (ja) 温度ヒューズ

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031023

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080514

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees