JP3551690B2 - スイッチギア用箱体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、受変電設備用スイッチギアの箱体の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図28は、特開昭60−131005号公報に記載された従来のパネル組立て方式の配電箱であり、上板500、底板501の側部に側板502、503をそれぞれ配置し、ボルトで締結して箱体を形成している。また、504、505は上記箱体内に取付けられた仕切板と補助仕切板である。この箱体を組立てた状態を図29に示す。このような構成においては、つば状に折曲げた突き合わせ部506をボルト507で締結する構造であるため、突き合わせ部506の剛性が弱く、内部に機器を取付けた状態で箱体の上部を吊り上げると箱体が変形しやすく、吊上げのための特殊工具が必要となるという問題があった。また内部アーク発生時の内圧上昇により、リベットの軸方向に大きな力がかかるため、リベット部が破壊される可能性があるという問題があった。
【0003】
また図30は、骨部材508を枠状に組合わせ溶接にて箱体509を形成する例を示す。この例の問題点としては、特開昭60−131005号公報の従来の問題点として指摘された問題点と同様に、洗浄・塗装・乾燥を順次行う必要があり、作業が継続的で多大な作業時間を要するとともに製造設備が大型化するという問題があった。また溶接完了後、塗装、組立て待ちの状態では図31に示す様に、工場内に広い保管場所510が必要になるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のスイッチギア用箱体は、パネル組合わせ方式では、つば状に折曲げた突き合わせ部506を突き合わせてボルトで締結する構造であるため、突き合わせ部506の剛性が低く、スイッチギア組立後の吊り上げにより箱体が変形する恐れがあり、また事故時の内部ア−クによる内圧発生により箱体が破壊される可能性がある等の問題点があった。また溶接方式では、溶接・塗装・保管と作業が継続的であるため作業に多くの時間を要するとともに、箱体に組上げた後に塗装・保管を行うため製造設備が大型化する、広い保管場所が必要になるという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、箱体構成板の締結部材の強度負担が小さく、組立てが容易で強度の高いスイッチギア用箱体を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るスイッチギア用箱体は、箱体の下方向に向けて折り曲げた両側の第1の折曲部を箱体の前後方向に延在させて断面を略コの字状に形成するとともに、箱体の前方側の辺を前記第1の折曲部と同方向に折り曲げて断面L字状の第2の折曲部を形成した上板と、
箱体の上方向に向けて折り曲げた両側の第1の折曲部を箱体の前後方向に延在させて断面を略コの字状に形成するとともに、箱体の前方側の辺を前記第1の折曲部と同方向に折り曲げて断面L字状の第2の折曲部を形成した底板と、
箱体の横方向に向けて折り曲げた両側の第1の折曲部を箱体の上下方向に延在して断面が略コの字状になるように補強部を形成するとともに箱体の横方向に向けて折り曲げた上端部の第2の折曲部と箱体の横方向に向けて折り曲げた下端部の第3の折曲部を箱体の前後方向に延在して補強部を形成した側板と、
前記側板と対称形に構成され前記上板及び前記底板を介して前記側板と対を成す側板と、
箱体の前後方向に向いた額縁状平面部を有し、この額縁状平面部を構成する横縁板の上下方向に延在した各側部を箱体の後方向に折り曲げ前記額縁状平面部に対して断面L字状の第1の折曲部を有する額縁状板と、
を少なくとも備え、
前記上板の前記第1の折曲部の内面側に、前記側板の上端側面及び前記額縁状板両側の前記第1の折曲部の上端側面を、また前記上板の前記第2の折曲部の内面側に前記額縁状板の前記額縁状平面部を構成する上部縁板の前面をそれぞれ当接させ、
前記底板の前記第1の折曲部の内面側に、前記側板の下端側面及び前記額縁状板両側の前記第1の折曲部の下端側面を、また前記底板の前記第2の折曲部の前面側に前記額縁状板の前記額縁状平面部を構成する下縁板の後面をそれぞれ当接 させ、
前記上板の第1の折曲部内面及び前記底板の第1の折曲部内面と、前記側板の上端側面及び下端側面との前記各当接面に、この箱体の奥行き方向に所定間隔をおいて複数個所の係合部を形成し、
さらに、前記上板の第1の折曲部内面及び前記底板の第1の折曲部内面と、前記額縁状板両側の前記第1の折曲部の上端側面及び下端側面との前記各当接面に、係合部を形成し、
前記係合部は、当接した2枚の板に形成した板厚方向の凹部と凸部を互いに係合させて板面方向への滑りを阻止する係合部にするとともに、前記係合部をボルト又はリベットにて前記2枚の板相互間を強固に締結したものである。
【0007】
さらに、係合部は円錐状凹凸部の組合わせとし、円錐状凹凸部の中心に穴を設けて締結部材で締結したものである。
【0008】
また、上板、底板を断面コの字状とし、この内面部に、両側を折り曲げて補強部とした一対の側板の上下端部を当接して、相互間を締結して箱体を構成後、両側の側板を機器収納枠で連結固定したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図2は、この発明の実施形態1である箱体を使用したスイッチギアの側断面を示すものである。図において、スイッチギアの箱体は、主回路機器を収納する主箱体1と、表示器、リレ−等(図示せず)を収納する制御箱2と、外部から引き込んだケ−ブル3を収納するケ−ブル箱4とから構成されており、各箱は図2においてF、A、Bに区分される。なおこの例では、F側がスイッチギアの前面側、B側が後面側である。主箱体1には箱体組立て後、収納機器取付け用の補助骨部材5、6、7、8を併用して、変流器9、10、機器収納枠11、12、を取付ける。また、主箱体1の中央部には3本の母線導体13が図2において奥行き方向に配置されており、接続導体13を介して、母線1、機器収納枠11のブッシング14、変流器9、10、ケ−ブル3を接続している。また、15は機器収納枠に収納された引出形の遮断器である。
【0010】
図3は、上記の図2で説明した箱体イメ−ジの把握を容易にするために各箱体のみを抽出して示した箱体の側面図である。なお、図において一点鎖線は各部品相互間の組合わせ位置を示す。なお、図において5〜8は主箱体1を組立後に、主箱体1の両側面部に取付けた収納機器取付け用の補助骨部材である。また16はベ−スであり、主箱体1、制御箱2、ケ−ブル箱4の下部を連結する。
【0011】
図1は、図3で示した主箱体1の斜視図である。図において、20は上板、21は底板、22は左側板、23は右側板、24は額縁状板である。側板22、23の上端は、断面が略コの字状に形成した上板20の折曲部(補強部)20f、20g(図4を参照)の内面側に当接させ、締結部25の位置で締結する。また、側板22、23の下端は、断面コの字状に形成した底板21の折曲部の内面側に当接させ、締結部26の位置で締結する。また額縁状板24は、側板22、23と同様に上板20、底板21の折曲部の内面側にそれぞれ当接させ、締結部27、28の位置で締結する。なお、上記の締結部25、26、27、28は後述するように、板面方向への相対的な移動を阻止するために係合した状態で締結部材で強固に締結している。
【0012】
図4は、主箱体1とそれを構成する上板20と底板21の斜視図と取付け状態を示す図である。なお一点鎖線は、各部品相互間の組合わせ位置を示す。この実施の形態では、上板20の断面が略コの字状になるように、上板20の両側に主箱体1の前後方向に延在して折曲部(補強部)20f、20g(第1の折曲部)を形成している。また、配線用ケ−ブル(図示せず)の箱体部通過用として、上板20の両側部に箱体の梁となる部分のみを残して、開口部20a、20bを設けている。この結果、略平行して形成された上板20の両側の梁部分はこれに略直角に交わる形で配置された連結部20c、20d、20eで連結されている。
なお、ここでいう梁とは、上板20の両側部に、箱体の前後方向に延在して設けられた柱状のものをいい、図4においては折曲部(補強部)20f、20g及び折込部20h(図8を参照)を含み断面がコの字状(上述のコの字状断面とは異なる)の部分をいう。また連結部20e(第2の折曲部)は、断面がコの字状に折り曲げて、曲げに対する強度を強くしている。
【0013】
上板は1枚の素材(鉄板)から開口部20a、20bを打ち抜いて(又はレ−ザにて切断除去)形成されるため、両側の梁部と連結部20c、20d、20eは一体につながっている。このため梁部と連結部20c、20d,20eとの継ぎ部の直角度は強固に保持されるため、上板20は一見して棒材の集合体であり変形しやすく見えるが、上板20としての所定の形状を維持できる。この為、組立て時のハンドリング(HANDLING)においても梁部相互間の所定位置が変形することがないという効果がある。
また、連結部20c、20d、20eと梁部を溶接にて接続する場合は、それぞれの部品製作、部品揃え、溶接、歪み取り等に多くの製作時間が必要となるが、1枚板から切り出し(プレス、レ−ザ切断等)により製作すれば、これらの時間が不要となり製作時間を大幅に短縮することが出来るという効果がある。また塗装鋼板を使用する場合は、切断・曲げ後の塗装が不要となり、製作時間をさらに短縮することが出来るという効果がある。
【0014】
この実施の形態では、底板21の両側に折り曲げ部(補強部)21a、21b(第1の折曲部)を形成して断面が略コの字状として主箱体1の前後方向に延在させている。床板面には特に開口部は設けておらず、図2に示すケ−ブル3が貫通する部分に切り欠き21cを設けている。また、底板21の前面部には、断面が略コの字状で両側方向に延在する補強部21f(第2の折曲部)を形成している。
【0015】
また、締結部25(上板20と側板22、23との締結部)、締結部26(底板21と側板22、23との締結部)、締結部27(上板20と額縁状板24との締結部)、締結部28(底板21と額縁状板24との締結部)は後述する係合部を形成し、ここで両方の被締結部材(上板20と側板22等)を係合させた後、リベット等の締結部材で締結している。
【0016】
図5は、図4に示す側板22及び側板23の斜視図である。外周部をL字状に折り曲げて補強部(横前側折曲部22a(第1の折曲部)、横後側折曲部22b(第1の折曲部)、上折曲部22c(第2の折曲部)、下折曲部22d(第3の折曲部))を形成するとともに、上板20と同様に1枚板の素材(鉄板)から打ち抜き(またはレ−ザ切断)にて作業用穴22e、22fを形成している。この結果、連結部22gは両側の補強部と略直角状態に交わり、ハンドリングにおいても両側の補強部を所定の角度にて強固に保持する。なお、締結部25、26は上板と同様に後述する係合部を形成している。
【0017】
図6は、図4に示す額縁状板24の斜視図である。この板も上板20、底板21と同様に、1枚板から切り出されプレス(またはレ−ザ切断)にて所定の形状に成形して製作する。この額縁状板24の両側も断面がL字状になるように端部を折り曲げて、額縁状板24の上下方向に延在して第1の折曲部(補強部)24a、24bを形成している。また箱体の前面側から見た場合、両側部の上下方向に横縁板24e、24f、上部に上部縁板24c、下部に下縁板24dが一体に額縁状に組み合わされている。この額縁状板24は図1に示すように、上板20、底板21、側板22、23を連結した形で固定されているため、箱体に横方向にねじれ力あるいは倒れの力が働いた場合、この額縁状板がこれらの力に抗することになり、箱体の変形(ねじれ・倒れ)を防止することができる。
【0018】
図7は、図4のD−D方向にみた上板20の断面図である。なお、20j、20kは、側板23と組合わせるための切り欠きである。側板22側にも同様の切り欠きを設けている。また、20mは額縁状板24と組合わせるための切り欠きである。
【0019】
図8は、図4のE−E方向にみた上板20の断面図である。なお、上板20の両側はL字状に折り曲げて補強部を形成したと上述したが、この例ではさらに内側に折込部20hを設け、片方の補強部のみで見れば略コの字状となっている。この方が上板20全体の曲げ強度が上がるとともに箱体内に取り付ける各種部材の取付けに使用できるという利点があるが、折込部20hは無くてもよい。
【0020】
図9は、図4のF−F方向にみた底板21の断面図である。なお、21e、21fは、側板23と組合わせるための切り欠きである。側板22側にも同様の切り欠きを設けている。また、21gは額縁状板24と組合わせるための切り欠きである。
【0021】
図10は、図4のG−G方向にみた底板21の断面図である。なお、底板21の両側はL字状に折り曲げて補強部21a,21bを形成したと上述したが、この例ではさらに内側に折込部21dを設け、片方の補強部のみで見れば断面が略コの字状となっている。この方が底板21全体の曲げ強度が上がるとともに箱体内に取り付ける各種部材の取付けに使用できるという利点があるが、折り込み部21dは無くてもよい。
【0022】
図11は、図5のH−H方向にみた側板22の断面図である。
【0023】
図12は、図5のJ−J方向にみた側板22の断面図である。22aは折曲部(補強部)で、機器収納枠11を取り付けるため他方よりも長くしている。なお、図において中間部は図示省略の意味で一点鎖線で表示している。
【0024】
図13は、図6のK−Kからみた額縁状板24の断面図である。
【0025】
図14は、図6のL−Lからみた額縁状板24の断面図である。なお、額縁状板24の両側はL字状に折り曲げて補強部24a、24bを形成したと上述したが、この例ではさらに内側に折込部24gを設け、片方の補強部24aまたは24bのみで見れば断面が略コの字状となっている。この方が額縁状板24全体の曲げ強度が上がるとともに箱体内に取り付ける各種部材の取付けに使用できるという利点があるが、折り込み部24gは無くてもよい。
【0026】
図15は、図4のM−M部分を切断して上板20と側板22の組合わせ状態を示す断面図である。図において、20fは上板20の端部を直角に折り曲げた補強部で、その内面部は横板22の外側面部に当接している。22cは横板22の上端部の折曲部(補強部)で、その上面は上板20の内面にほぼ当接する位置にあるが、図22で後述する係合部の出来上がり寸法誤差を考慮して若干の隙間ができるようにしている。
【0027】
図16は、図4のN−N部分を切断して底板21と側板22の組合わせ状態を示す断面図である。図において、21aは底板21の端部を直角に折り曲げた補強部で、その内面部は横板22の外側面部に当接している。22dは横板22の下端部の折曲部(補強部)で、その下面は底板21の内面にほぼ当接する位置にあるが、図22で後述する係合部の出来上がり寸法誤差を考慮して若干の隙間ができるようにしている。
【0028】
図17は、図4のP−P部分を切断して上板20と額縁状板24の組合わせ状態を示す断面図である。図において、20eは上板20の前面側の連結部で、その内面部に額縁状板24の上部縁板24dの外側面を当接している。27は締結部で、図22にて後述する係合部を兼ねている。なお、上板20の天井部の下面と額縁状板24の上端とは製作誤差を考慮して若干の隙間を持たせている。
【0029】
図18は、図4のQ−Q部分を切断して底板21と額縁状板24の組合わせ状態を示す断面図である。図において、21fは底板21の前面側の補強部で、その前面側を額縁状板24の下部縁板24eに当接している。28は締結部で、図22にて後述する係合部を兼ねている。
【0030】
図22は、図19〜図21においてX部として示す締結部(図4においては25〜28)の断面図である。図において、29は一方の板に形成された円錐状の凹部、30は他方の板に形成された円錐状の凸部である。凸部30は凹部29にはめ込まれて、円錐面が密着状態で係合している。凹部29と凸部30が組み合わされた状態において、凹部29と凸部30の中心軸付近を貫通したリベット31にて締結する。なお、31aはリベットの頭、31bはリベット足の塑性変形部である。
【0031】
スイッチギアの箱体に作用する力は、輸送時の釣り上げ力、収納機器類の荷重伝達力、内部爆発時の膨張力の3つが主なものであるが、本発明の箱体構造とすれば、この締結部に作用する力は両方の板が面方向(箱体で言えば上下、前後、あるいはこの合成方向)にずれる方向に変換されるため、このような力は係合部の円錐面を介して一方の板から他方の板に伝達される。ただし、係合面が円錐状であれば板の厚さ方向への分力が生じるが、係合部の締結力を大きくし、円錐面の傾斜角を小さくすることにより板の厚さ方向の分力を小さくして、リベット31の軸方向にかかる力を許容値以下に押さえている。なお、凹部29と凸部30からなる係合部の中心付近を締結部材(リベット31等)で締結することにより、上記の円錐面(係合面)すなわち分力発生源を強固に締め付ける事が出来、締結部材の軸方向にかかる分力発生を最小限に押さえる事ができる。係合部と締結部が図22のように同じ位置でない場合は、締結部材の軸方向にかかる分力はもう少し大きなものとなる。
【0032】
なお、締結部材としてリベット31を使用した例を示したが、ボルトを使用しても同等の効果を奏する。
【0033】
図19は、図4のR−R部分を切断して上板20と額縁状板24の組合わせ・締結状態を示す断面図である。図において、27は締結部、31はリベットである。締結部27の詳細構造は図22に示すが、上板20の折曲部20fの内面と、額縁状板24の折曲部24aを当接させ、凹状係合部29と凸状係合部30を係合させた状態でリベット31にて締結している。
【0034】
図20は、図4のS−S部分を切断して上板20と側板22の組合わせ・締結状態を示す断面図である。上板20の折曲部20fの内面部と、横板22を当接させ、凹状係合部29と凸状係合部30を係合させた状態でリベット31にて締結している。
【0035】
図21は、図4のT−T部分を切断して底板21と側板22の組合わせ・締結状態を示す断面図である。底板21の折曲部21aの内面部と、横板22を当接させ、凹状係合部29と凸状係合部30を係合させた状態でリベット31にて締結している。
【0036】
このように構成することにより、例えばスイッチギア内に事故により内部ア−クが生じ内圧が上昇しても、上板20、底板21、側板22、23は両側の補強部により剛性が高く、板面が折れ曲がることなく内圧による荷重を端部の取付け部まで伝達することができる。また端部においても、側板22、23の上下端は上板20または底板21の折曲部20f、20g、21a,21bの内面で受けているため、箱体の外方向の破壊を防止できる。また、上板20、底板21は側板22、23に対して相対的に移動(すべり)しないように係合した状態で締結しているため、上板20、底板21に作用する箱体の上下方向の破壊力に対しては、係合部を介して側板22、23に力を伝達するため上板20または底板21が箱体の外方向に向かって破壊されることを防止できる。
【0037】
図26は、主箱体1を構成する部品のストック状態を示している。図31のような溶接組立て構造のものと比較した場合、部品を密着して密に保管することができるため、スイッチギアの最終組立てまでの部品保管スペースを大幅に小さくできる。
【0038】
また上記で説明した上板20、底板21、側板22、23のように1枚の板材から切り出して製作することにより、溶接が不要となり製作所要時間を大幅に短縮することができる。また、材料に塗装鋼板、ビニル被覆鋼板を使用することにより溶接、塗装が全く不要となるため、製作所要時間をさらに短縮することができる。
【0039】
実施の形態2.
図23は、主箱体1に機器収納枠11を取付けた状態を示す斜視図である。図において、32、33は額縁状板24の前面の開口部をまたいで取り付けられた補助支持部材、11は機器収納枠で後面を横板22、23の折曲部22a、23a間をまたいだ形で当接させボルト34で固定している。また機器収納枠11の前側はボルト34で補助支持部材32、34に固定している。上記のように、機器収納枠11にて折曲部22a、23a間をまたいだ形で拘束することにより、主箱体1にかかる横方向への倒れ変形力、ねじり力に対してより大きな剛性を与えることができる。
【0040】
図24は、機器収納枠11の外観をを示す斜視図である。機器収納枠11は、機器の出し入れ口側(スイッチギアの前面側)に開口11bを有した金属製の箱体11aで、下部に機器の出し入れのガイドとなるレール11Cを備えている。
【0041】
図25は、図23のU−U方向に見た断面図である。機器収納枠11の箱体11aの後面は、側板22、23の折曲部22a、23aに押し当てられてボルト34で締結されており、側板22、23間にあって両者を所定の間隔で確実に保持している。このような構成により、主箱体1の内部において補強部材を新たに装着することなく主箱体1の強度を大幅に強化することができる。
【0042】
実施の形態3.
図26は、図22に示す円錐状の係合部に相当する他の実施の形態を示すものである。図において、35は係合用突起であり、板材からレーザ切断等により切り出しプレスにて板面に対して垂直に折り曲げたものである。36はプレスまたはレーザ切断により板材に設けられた穴である。上記の穴36に係合用突起35を係合させ、図示しないリベット等で締結することにより2つの板が相対的に滑るのを防止できるとともに、板の厚さ方向の分力の発生を防止できる。
【0043】
【発明の効果】
この発明は、上板及び底板の両側を折り曲げて断面コの字状とし、さらに上板及び底板の前後部の少なくとも一方を断面L字状に折り曲げ、この内面部に両側を折り曲げて補強部とした一対の側板の上下端部及び額縁状板を当接するとともに、この額縁状板にて上板と底板と一対の側板の相互間を連結し、各板相互間の当接部に板の当接面の方向にずれないよう係合部を設けて締結部材で締結したので、箱体構成板の締結部材の強度負担が小さく、構成が簡単で組立てが容易かつ強度の高い箱体が得られる。
【0044】
さらに、係合部は円錐状凹凸部の組合せとし、円錐状凹凸部の中心穴を設けて締結部材で締結したため、円錐状凹凸部の係合が容易になるとともに、円錐状凹凸当接面にて板の当接面方向への分力を受け止めるため、締結部材の強度負担をさらに小さくでき、組立てが容易になる。
【0045】
また、両側の側板間を機器収納枠で連結固定したため、締結部材の強度負担をさらに小さくでき、構成が簡単で組立てが容易かつ強度の高い箱体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示す主箱体の斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示すスイッチギアの側断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示すスイッチギアの箱体の側面図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す主箱体の斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す主箱体の側板の斜視図である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す主箱体の額縁状板の斜視図である。
【図7】図4のD−D断面図である。
【図8】図4のE−E断面図である。
【図9】図4のF−F断面図である。
【図10】図4のG−G断面図である。
【図11】図5のH−H断面図である。
【図12】図5のJ−J断面図である。
【図13】図6のK−K断面図である。
【図14】図6のL−L断面図である。
【図15】図4のM−M断面図である。
【図16】図4のL−L断面図である。
【図17】図4のP−P断面図である。
【図18】図4のQ−Q断面図である。
【図19】図4のR−R断面図である。
【図20】図4のS−S断面図である。
【図21】図4のT−T断面図である。
【図22】図19〜図21のX部の詳細図である。
【図23】この発明の実施の形態2による機器収納枠の取付状態を示す斜視図である。
【図24】図23の機器収納枠の外観を示す斜視図である。
【図25】図23のU−U断面図である。
【図26】この発明の実施の形態3による係合部を示す斜視図である。
【図27】この発明の実施の形態1による部品のストック状態を示す斜視図である。
【図28】従来のスイッチギアの箱体を示す構成図である。
【図29】図28の組立て状態を示す斜視図である。
【図30】従来の溶接構造による箱体を示す斜視図である。
【図31】図30による箱体のストック状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 機器収納枠、 20 上板、 20c 連結部
20d 連結部、 20g 折曲部(補強部)
20f 折曲部(補強部)、 21 底板、 21a 折曲部(補強部)
21b 折曲部(補強部)、 22 側板、 22a 折曲部(補強部)
22b 折曲部(補強部)、 22g 連結部、 23 側板、23a 折曲部(補強部)、 23b 折曲部(補強部)、24 額縁状板、 24a 折曲部(補強部)、24b 折曲部(補強部)、 25 締結部(係合部)、26 締結部(係合部)、 27 締結部(係合部)、28 締結部(係合部)
Claims (3)
- 箱体の下方向に向けて折り曲げた両側の第1の折曲部(20 f 、20 g )を箱体の前後方向に延在させて断面を略コの字状に形成するとともに、箱体の前方側の辺を前記第1の折曲部と同方向に折り曲げて断面L字状の第2の折曲部(20 e )を形成した上板(20)と、
箱体の上方向に向けて折り曲げた両側の第1の折曲部(21 a 、221 b )を箱体の前後方向に延在させて断面を略コの字状に形成するとともに、箱体の前方側の辺を前記第1の折曲部と同方向に折り曲げて断面L字状の第2の折曲部(21 f )を形成した底板(21)と、
箱体の横方向に向けて折り曲げた両側の第1の折曲部(22 a 、22 b )を箱体の上下方向に延在して断面が略コの字状になるように補強部を形成するとともに箱体の横方向に向けて折り曲げた上端部の第2の折曲部(22 c )と箱体の横方向に向けて折り曲げた下端部の第3の折曲部(22d)を箱体の前後方向に延在して補強部を形成した側板(22)と、
前記側板(22)と対称形に構成され前記上板(20)及び前記底板(21)を介して前記側板(22)と対を成す側板(23)と、
箱体の前後方向に向いた額縁状平面部(24 c 、24 d 、24 e 、24 f )を有し、この額縁状平面部を構成する横縁板(24 e 、24 f )の上下方向に延在した各側部を箱体の後方向に折り曲げ前記額縁状平面部に対して断面L字状の第1の折曲部(24 a 、24 b )を有する額縁状板(24)と、
を少なくとも備え、
前記上板(20)の前記第1の折曲部(20 f 、20 g )の内面側に、前記側板(22、23)の上端側面及び前記額縁状板(24)両側の前記第1の折曲部(24 a 、24 b )の上端側面を、また前記上板(20)の前記第2の折曲部(20 e )の内面側に前記額縁状板(24)の前記額縁状平面部を構成する上部縁板(24 c )の前面をそれぞれ当接させ、
前記底板(21)の前記第1の折曲部(21 a 、21 b )の内面側に、前記側板(22、23)の下端側面及び前記額縁状板(24)両側の前記第1の折曲部(24 a 、24 b )の下端側面を、また前記底板(21)の前記第2の折曲部(21 f )の前面側に前記額縁状板(24)の前記額縁状平面部を構成する下縁板(24 d )の後面をそれぞれ当接させ、
前記上板(20)の第1の折曲部(20 f 、20 g )内面及び前記底板(21)の第1の折曲部(21 a 、21 b )内面と、前記側板(22、23)の上端側面及び下端側面との前記各当接面に、この箱体の奥行き方向に所定間隔をおいて複数個所の係合部(25、26)を形成し、
さらに、前記上板(20)の第1の折曲部(20 f 、20 g )内面及び前記底板(21)の第1の折曲部(21 a 、21 b )内面と、前記額縁状板(24)両側の前記第1の折曲部(24 a 、24 b )の上端側面及び下端側面との前記各当接面に、係合部(27、28)を形成し、
前記係合部は、当接した2枚の板に形成した板厚方向の凹部(29、36)と凸部(30、35)を互いに係合させて板面方向への滑りを阻止する係合部にするとともに、前記係合部をボルト又はリベットにて前記2枚の板相互間を強固に締結した、
ことを特徴とするスイッチギア用箱体。 - 係合部は、円錐状の凹部(29)と円錐状の凸部(30)とをはめあわせ、前記円錐状の凹部(29)と円錐状の凸部(30)の各中心部を貫通して設けたリベット又はボルトで締結したことを特徴とする請求項1に記載のスイッチギア用箱体。
- 一対の側板(22、23)間を左右にまたいで前記両側板(22、23)の前面側の第1の折曲部(22 a 、23 a )に機器収納枠(11)を固着したことを特徴とする請求項1に記載のスイッチギア用箱体。
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