JPH08282533A - 車両のフレーム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車等のフレームにおいて、サイドメンバ
ーとクロスメンバーの締結部を改良してフラットな上面
をもつフレームを提供する。 【構成】 車両のフレーム１Ａは、サイドメンバー１０
と、クロスメンバー２０が２個の連結用ガセット１００
で締結される。連結ガセット１００は、サイドメンバー
１０に固着される壁面１０１と、クロスメンバー２０に
固着される壁面１０２を有し、２つの壁面１０１，１０
２はフランジ１０３，１０４で補強される。この構成に
より、リベットの頭部はフレーム上に突出せず、フラッ
トなフレームを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車の車体を構成す
るフレームに関する。

【０００２】

【従来の技術】車両のフレームは、例えば実開平３−１
２１０８６号公報に開示されているように、車体の両側
に配設されるサイドメンバーと、サイドメンバーに直交
して配設されて両サイドメンバーを締結するクロスメン
バーを有する。図８は従来のフレームの要部を示すもの
で、全体を符号１で示す自動車のフレームは、２本のサ
イドメンバー１０をガセットと称される板材３０を介し
てクロスメンバーで締結する構造を有する。ガセット３
０は、サイドメンバー１０とクロスメンバー２０の上下
をそれぞれ固着し、固着手段としてはリベット４０が使
用される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図９は、フレーム１の
サイドメンバー１０の上部にボディ部材５０等を載置す
る状態を示す。ボディ部材５０は、例えばトラックの荷
台の根太と称される部材である。このボディ部材５０を
サイドメンバー１０の上部に搭載する際には、サイドメ
ンバー１０の上面には、ガセットとサイドメンバーを締
結するリベット４０の頭部が突出している。そこで、従
来の車体構造にあっては、ボディ部材５０に逃げ部５５
を形成し、リベット４０の頭部との干渉を防止する必要
があった。本発明は、フレームを構成するメンバーの頂
部に、リベットの頭部が突出することがないフレームを
提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の車両のフレーム
は、サイドメンバーとクロスメンバーを連結ガセットに
より連結する構造を有するが、この連結ガセットは、サ
イドメンバーの壁面とクロスメンバーの壁面にリベット
により固着される２つの壁面と、２つの壁面を連結補強
するフランジとを有するものである。

【０００５】

【作用】この構成により、フレームの上面にリベットが
突出しないフラットなフレームを構成することができ
る。

【０００６】

【実施例】図１は、本発明の実施例に係るフレームの要
部を示す斜視図である。全体を符号１Ａで示すフレーム
は、１対のサイドメンバー１０と、サイドメンバー１０
に直交して配設されるクロスメンバー２０を備える。そ
して、サイドメンバー１０とクロスメンバー２０は、本
発明の連結ガセット１００により締結される。この連結
ガセット１００をクロスメンバー２０の両側面に配設し
てサイドメンバー１０とクロスメンバー２０の連結を行
なうものである。

【０００７】図２は連結ガセット１００の形状を示すも
ので、連結ガセット１００は、直交して配設される側壁
部１０１，１０２と、側壁部１０１，１０２の上下端を
連結するフランジ部１０３，１０４を有するボックス状
に形成されるもので、鋼板を折り曲げ加工により溶接製
作されるが、必要個所を溶接して製作される。そして、
このボックス形の連結ガセット１００は、側壁部１０
１，１０２の適宜位置にリベットが貫通するリベット穴
１０５を有する。この連結ガセット１００は、リベット
４０を介してサイドメンバー１０とクロスメンバー２０
の側壁部に対して固着される。

【０００８】図３は、本発明のフレーム１Ａ上にボディ
部材５０Ａを搭載した状態を示す断面図である。本発明
のフレーム１Ａにあっては、サイドメンバー１０とクロ
スメンバー２０は連結ガセット１００を介して、リベッ
ト４０を用いて締結される。このリベットは、いずれも
水平方向に配設され、垂直方向には配設されない。した
がって、サイドメンバー１０やクロスメンバー２０の上
面にリベット４０の頭部が突出することはない。そこ
で、フレーム１Ａの上面はフラットとなり、ボディ部材
５０Ａをフラットな底面のままで搭載することができ
る。

【０００９】図４は、本発明の他の実施例を示す斜視図
である。本実施例に係るフレーム１Ｂは、前述した実施
例と同様に、クロスメンバー２０とサイドメンバー１０
を連結ガセット１１０により連結する構造を有する。

【００１０】図５は、連結ガセット１１０の構成を示す
もので、連結ガセット１１０は直交する側壁部１１１，
１１２を中間部に配設する１枚のフランジ１１３で連結
する構造を有する。側壁部１１１，１１２とフランジ１
１３は溶接手段１１４等により固着され、側壁部１１
１，１１２は適宜位置にリベット穴１１５を有する。こ
の連結ガセット１１０をサイドメンバー１０とクロスメ
ンバー２０に対してリベット４０によって固着すること
により、フレーム１Ｂの上面をフラットに構成すること
ができる。

【００１１】図６は、本発明の更に他の実施例を示す斜
視図である。本実施例に係るフレーム１Ｃは、サイドメ
ンバー１０とクロスメンバー２０を締結する連結ガセッ
ト１２０を有する。この連結ガセット１２０は、直交し
て配設される壁部材１２１，１２２と、これらの壁部材
１２１，１２２を連結する中間壁部材１２３を有し、１
枚のフランジ１２４でこれらの壁部材１２１，１２２，
１２３を補強している。壁部材とフランジの固着には溶
接手段が用いられる。この連結ガセット１２０を装備す
ることによって、フレーム１Ｃの上面をフラットに構成
することができる。

【００１２】図７は、本発明の更に他の実施例を示す斜
視図である。本実施例に係るフレーム１Ｄは、連結ガセ
ット１３０によってサイドメンバー１０とクロスメンバ
ー２０を締結する。連結ガセット１３０は、直交する壁
面１３１，１３２を有する板材と、この壁面１３１，１
３２に当接される壁面１３４，１３６を有し、これらを
フランジ１３５で連結した２枚の板材を重ね合わせた構
造を有する。２枚の板材にはリベット穴１３３，１３７
が形成され、リベット４０によってサイドメンバー１０
とクロスメンバー２０に固着される。この連結ガセット
１３０は、溶接手段を必要とせず、鋼板を折り曲げてリ
ベット穴をあけることで製作することができる。

【００１３】

【発明の効果】本発明は以上のように、車体の両側に本
体の軸線方向に配設される１対のサイドメンバーと、本
体の軸線に直交する方向に配設されるクロスメンバー
と、サイドメンバーと、サイドメンバーとクロスメンバ
ーを連結する連結ガセットを装着したものである。連結
ガセットは、サイドメンバーの壁面とクロスメンバーの
壁面に当接される直交する壁面と、直交する壁面を連結
するフランジを有する。この構成により連結ガセット自
体で高い剛性を発揮し、この連結ガセットを２個用いて
サイドメンバーとクロスメンバーの壁面に対して水平方
向に配設するリベットで締結する構造を採用している。
この構造により、フレームの上面にはリベットの頭部が
突出せず、フラットな上面を形成することができる。そ
こで、フレーム上部に搭載するボディ部材の取付構造を
簡素化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の車両のフレームの実施例を示す要部の
斜視図。

【図２】連結ガセットの構造を示す斜視図。

【図３】本発明の車両のフレームの剛性の向上と作用を
示す説明図。

【図４】本発明の車両のフレームの他の実施例を示す要
部の斜視図。

【図５】図４の実施例の連結ガセットの構造を示す斜視
図。

【図６】本発明の車両のフレームの更に他の実施例を示
す要部の斜視図。

【図７】本発明の車両のフレームの更に他の実施例を示
す要部の斜視図。

【図８】従来の車両のフレームを示す要部の斜視図。

【図９】従来の車両のフレームとフレーム上部に搭載さ
れるボディ部材の取付構造を示す説明図。

【符号の説明】

１，１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ 車両のフレーム １０ サイドメンバー ２０ クロスメンバー ４０ リベット １００，１１０，１２０，１３０，１４０ 連結ガセッ
ト

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体の両側に、車体軸線方向に配設され
   る１対のサイドメンバーと、車体の軸線に直交する方向
   に配設されるクロスメンバーと、 サイドメンバーの壁面とクロスメンバーの壁面にリベッ
   トにより固着される２つの壁面と、２つの壁面を連結補
   強するフランジとを有する連結ガセットを装備してなる
   車両のフレーム。
2. 【請求項２】 連結ガセットは、２つの壁面とフランジ
   が溶接により固着される請求項１記載の車両のフレー
   ム。
3. 【請求項３】 連結ガセットは、２つの壁面とフランジ
   がリベットにより固着される請求項１記載の車両のフレ
   ーム。