JP3551478B2 - 消弧装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、回路遮断器等に適用される消弧装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の消弧装置として図20及び図21に示すものが存在する。このものは、一端部に端子部A1を有し他端部から一端部に向かって固定接点A2が一方面A3に設けられた接触部A4を延設し略中央部に一方面A3方向から固定接点A2を覗ける貫通穴A5を設けて通電により磁束を発生するコイル部A6を有した固定接触子Aと、固定接点A2と接離する可動接点B1が設けられた可動接触子Bと、中央片C1及び両対向片C2,C2で略コ字状をなしコイル部A6による磁束が各片C1,C2,C2を通り開離した両接点A2,B1間を流れるよう配設された磁性材料製のヨークCと、固定接点A2を接触部A4の幅方向から挟む状態で仕切る一対の仕切り片D1,D1を有し熱分解して発生する熱分解ガスでもって両接点A2,B1間に発生したアークZを冷却する冷却部材Dと、を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の消弧装置にあっては、可動接点B1が固定接点A2から開離するときに生じるアークZは、コイル部A6の通電により発生した磁束との相互作用によりローレンツ力が働いて、接触部A4の延設方向に付勢して伸長されて接触部A4の先端へと磁気駆動される。そして、アークZにより加熱された冷却部材Dから発生した熱分解性ガスによる冷却とアークZ自体の伸長によって、アーク電圧が上昇して急速な遮断ができるものとなっている。
【0004】
しかしながら、かかる従来のものは、固定接点A2は、接触部A4の先端近くに設けられていて、その先端との間が比較的短いために、アークZが十分に伸長しなくなって冷却が不十分になり、アーク電圧が上昇せず急速な遮断ができなくなることがあった。
【0005】
本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、アークを急速に遮断できる消弧装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、請求項1記載のものは、一端部に端子部を有し他端部から一端部に向かって固定接点が一方面に設けられた接触部を延設し略中央部に一方面方向から固定接点を覗ける貫通穴を設けて通電により磁束を発生するコイル部を有した固定接触子と、前記接触部に固着されて前記貫通穴よりも前記端子部寄りの部分と重合する位置まで延設されたアーク走行板と、前記固定接点と接離する可動接点が設けられた可動接触子と、中央片及び両対向片で略コ字状をなしコイル部による磁束が各片を通り開離した両接点間を流れるよう配設された磁性材料製のヨークと、を備えた消弧装置において、前記固定接点を前記接触部の幅方向から挟む状態で仕切る一対の仕切り片を有し熱分解して発生する熱分解ガスでもって両接点間に発生したアークを冷却する冷却部材が設けられ、前記アーク走行板は前記接触部の他方面に固着されるとともに一対の仕切り片の外側に配設されるよう幅方向の両端が接触部の一方面側へ屈曲した屈曲部が設けられた構成としている。
【0007】
また、請求項2記載のものは、請求項1記載のものにおいて、前記固定接触子の貫通穴の内縁部を覆う絶縁材料製の覆い部材が設けられた構成としている。
【0008】
また、請求項3記載のものは、請求項2記載のものにおいて、前記覆い部材は、開離した前記可動接点と前記アーク走行板の先端とを結ぶ線を越えて前記固定接点側に張り出した状態で前記端子部寄りの内縁部を覆うよう設けられた構成としている。
【0009】
また、請求項4記載のものは、請求項2記載のものにおいて、前記覆い部材は、前記冷却部材と一体的に形成された構成としている。
【0010】
【作用】
請求項1記載のものによれば、可動接点が固定接点から開離するときに生じるアークは、コイル部の通電により発生する磁束との相互作用によるローレンツ力が働くと、固定接触子の貫通穴よりも端子部寄りの部分と重合する位置まで延出されたアーク走行板の先端まで磁気駆動され、また、そのアークが、該アークにより加熱された冷却部材の熱分解ガスにより冷却され、その冷却部材の仕切り片は、その外側にアーク走行板の屈曲部が配設されることにより機械的強度が大きくなるから、可動接点が固定接点から開離するときに生じるアークの熱及び衝撃圧力によって破損しにくくなる。
【0011】
請求項2記載のものによれば、可動接点が固定接点から開離するときに生じるアークが、固定接点の貫通穴の内縁部に変位することを防止できる。
【0012】
請求項3記載のものによれば、可動接点が固定接点から開離するときに生じるアークは、端子部寄りの内縁部を覆うよう設けられた覆い部材に沿って湾曲して伸長される。
【0013】
請求項4記載のものによれば、覆い部材は、冷却部材と一体的に形成されているから、部品数が少なくなって、組み立て性を向上することができる。
【0014】
【実施例】
本発明の基礎となる第1の提案例を図1及び図2に基づいて以下に説明する。この消弧装置は、固定接触子1、可動接触子2、ヨーク3、冷却部材4で構成されている。
【0015】
固定接触子1は、その一端部が略矩形板状の端子部11となっており、その端子部11には、電線を接続するための端子ねじ11aが螺合している。この固定接触子1は、その他端部から一端部に向かって、接触部12が端子部11と略平行に延設され、接触部12の先端が端子部11の近傍に位置している。この接触部12において端子部11側の一方面12aには、基端よりも少し中央寄りに固定接点12bが設けられ、固定接点12bと先端との間がアーク走行部12cとなっている。また、固定接触子1は、その略中央部に接触部12の一方面12a方向から固定接点12bを覗ける貫通穴13を設けており、その貫通穴13の両側が略4半弧状にそれぞれ湾曲されたコイル部14となっている。
【0016】
可動接触子2は、固定接点12bと接離する可動接点2aがその先端部に設けられており、固定接点12bと可動接点2aとで接点部10を形成している。接点部10は、電源と負荷の間に挿入されるものであって、可動接触子2は、その電路に過電流が通過したことを検出する過電流検出回路(図示せず)により駆動され、電路に過電流が通過すると接点部10が開極するようになっている。また、コイル部14において、可動接触子2の駆動方向の先端部までの固定接点12bからの距離は、接点部10の最大開極距離よりも小さく設定されている。
【0017】
ヨーク3は、磁性材料により、中央片3a及び両対向片3b,3bで略コ字状をなしており、このヨーク3が両コイル部14,14に跨がるよう、一対の対向片3b,3bが可動接触子2の両側に配設される。このコイル部14による磁束は、中央片3a及び両対向片3b,3bを通り、両対向片3b,3bの先端部から開離した両接点12b,2a間を通るようになっている。
【0018】
冷却部材4は、絶縁材料よりなり、後述するアークZに曝されるようヨーク3の内周面を覆うよう設けられている。絶縁材料としては、アーク熱により熱分解ガスを発生する材料、例えば、メラミン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等が用いられる。すなわち、この熱分解ガスによりアークZを冷却し、迅速な消弧を行うのである。この冷却部材4は、接触部12とコイル部14との間を仕切る仕切り片4a、接触部12の一部を覆う覆い片4b、コイル部14を覆う突片4c等を有している。そのため、接点部10の開極時に発生するアークZが、接触部12やコイル部14に移行することが防止される。また、冷却部材4は、アークZを排気する排気口部4dが設けられている。
【0019】
次に、以上のような構成における動作について図1に従い説明する。接点部10の可動接点2aが固定接点12bから開極すると、両接点12a,2a間にアークZが発生する。アークZは、コイル部14の発生する磁束により、固定接触子1の接触部12の延設方向へローレンツ力を受け、アークZの足が接触部12のアーク走行部12cへと移行する。接点部10の開極距離が長くなるとともにアークZは伸長し、アーク走行部12cの先端に位置するようになるが、アークZは、さらに接触部12の延設方向へローレンツ力を受けるので、アークZの足がアーク走行部12c上に存在しにくくなる。その結果、アークZは、冷却部材4の排気口部4dより排気され、消弧に至る。
【0020】
かかる消弧装置にあっては、可動接点2aが固定接点12bから開離するときに生じるアークZは、コイル部14の通電により発生する磁束との相互作用によるローレンツ力が働くと、固定接触子1の貫通穴13よりも端子部11寄りの部分と重合する位置まで延設されたアーク走行部12cの先端まで磁気駆動されるので、従来例のものよりも長く伸長されて冷却が十分になり、アーク電圧が急峻な上昇をして急速に遮断することができる。
【0021】
次に、本発明の第2の提案例を図3及び図4に基づいて以下に説明する。なお、第1の提案例と実質的に同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、異なるところのみ記す。
【0022】
第1の提案例では、アーク走行部12cが接触部12に設けられているのに対し、本実施例では、接触部12の他方面12dに固着したアーク走行板5よりなる構成となっている。
【0023】
詳しくは、アーク走行板5は、固定接触子1の接触部12よりも融点の高い金属板材よりなり、その一端が固定接触子1の接触部12の基端近くに位置して、他端が固定接触子1の端子部11と重合する位置まで延設され、その一方面5aが固定接触子1の接触部12の他方面12dに固着される。
【0024】
かかる消弧装置にあっては、可動接点2aが固定接点12bから開離するときに生じるアークZは、コイル部14の通電により発生する磁束との相互作用によるローレンツ力が働くと、固定接触子1の貫通穴13よりも端子部11寄りの部分と重合する位置まで延設されたアーク走行板5の先端まで磁気駆動されるので、第1の提案例と同様に長く伸長されて冷却が十分になり、アーク電圧が急峻な上昇をして急速に遮断することができる。
【0025】
また、アーク走行部が接触部12に固着されるアーク走行板5よりなるから、従来のものでも、そのアーク走行板5が接触部12に固着されることによって、第1の提案例と同様の効果を奏することができる。
【0026】
また、アーク走行板5は、接触部12を形成する材料よりも融点が高い材料でもって形成されているから、可動接点2aが固定接点12bから開離するときに生じるアークZがアーク走行板5上を磁気駆動されるときに、アーク走行板5から蒸発する金属蒸気量がより少なくなり、電流遮断時の再点弧を防ぐことができる。
【0027】
次に、本発明の第3の提案例を図5及び図6に基づいて以下に説明する。なお、第2の提案例と実質的に同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、異なるところのみ記す。
【0028】
第2の提案例では、アーク走行板5が直線状となっているにのに対し、本提案例ではその先端が固定接触子1の端子部11の方向へ折曲した折曲部5bが設けられた構成となっている。
【0029】
かかる消弧装置にあっては、第2の提案例の効果に加えて、可動接点2aが固定接点12bから開離するときに生じるアークZは、コイル部14の通電による磁束との相互作用によりローレンツ力が働いて伸長されても折曲部5bに遮られるから、本消弧装置を配設する回路遮断器20の内部がアークZの熱から守られて絶縁劣化を防ぐことができる。
【0030】
次に、本発明の第4の提案例を図7に基づいて以下に説明する。なお、第2の提案例と実質的に同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、異なるところのみ記す。
【0031】
第2の提案例では、冷却部材4におけるアーク走行板5の仕切り片4aの延設方向の先端と折曲部5bとの間が近接しているのに対し、本提案例では余裕5cが設けられた構成となっている。
【0032】
かかる消弧装置にあっては、第3の提案例の効果に加えて、両接点12b,2a間に発生したアークZを冷却する冷却部材4の熱分解性ガスは、仕切り片4a及び折曲部5bにより還流が規制されているが、両仕切り片4aにおける延設方向の先端と折曲部5bとの間の余裕5cを通って還流するので、熱分解ガスの圧力が高くならず、アークZの走行がより速くなってアーク電圧がより速やかに上昇し、急速に遮断することができる。
【0033】
次に、本発明の第5の提案例を図8及び図9に基づいて以下に説明する。なお、第4の提案例と実質的に同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、異なるところのみ記す。
【0034】
第4の提案例では、アーク走行板5は、その基端から折曲部5bまでが平坦に形成されているのに対し、本提案例では、段差5dを有した階段状に形成された構成となっている。
【0035】
詳しくは、アーク走行板5は、その先端近くの一方面5aが固定接触子1の接触部12の一方面12aよりも開離している可動接点2aとの間が小さくなっている。
【0036】
かかる消弧装置にあっては、可動接点2aが固定接点12bから開離するときに生じるアークZは、接触部12の一方面12aよりも開離している可動接点2aとの間が小さくなっているアーク走行板5の先端へと磁気駆動されやすくなるので、第4の提案例よりも速くアークZが伸長されて冷却が速くなり、アーク電圧が上昇して第4の提案例よりも急速に遮断することができる。
【0037】
次に、本発明の第1実施例を図10乃至図12に基づいて以下に説明する。なお、第4の提案例と実質的に同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、異なるところのみ記す。
【0038】
第4の提案例では、アーク走行板5は、折曲部5bの他は平坦であるのに対し、本実施例では、幅方向の両端をそれぞれ屈曲した屈曲部5eが設けられた構成となっている。
【0039】
詳しくは、アーク走行板5の屈曲部5eは、冷却部材4の両仕切り片4aの外側に位置している。
【0040】
かかる消弧装置にあっては、第4の提案例の効果に加えて、冷却部材4の仕切り片4aは、その外側にアーク走行板5の屈曲部5eが配設されることにより機械的強度が大きくなるから、可動接点2aが固定接点12bから開離するときに生じるアークZの熱及び衝撃圧力によって破損しにくくなるので、アークZが仕切り片4aの破損部分を通ってコイル部14へ橋絡するのを防ぐことができ、アークZの遮断性能を高いまま維持することができる。
【0041】
次に、本発明の第2実施例を図13及び図14に基づいて以下に説明する。なお、第1実施例と実質的に同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、異なるところのみ記す。
【0042】
第1実施例では、固定接触子1の貫通穴13の内縁部13aが露出しているのに対し、本実施例では絶縁材料製の覆い部材6により覆われた構成となっている。
【0043】
詳しくは、覆い部材6は、厚肉部6a及び薄肉部6bよりなり、その厚肉部6aが冷却部材4に接して、薄肉部6bが貫通穴13において端子部11側の内縁部13aを覆うよう設けられている。そして、この覆い部材6の薄肉部6bの先端は、図14において二点鎖線で示すように、開離し終わった可動接点2aとアーク走行板5の先端とを結ぶ線よりも端子部11寄りに位置する。
【0044】
かかる消弧装置にあっては、可動接点2aが固定接点12bから開離するときに生じるアークZが、固定接触子1の貫通穴13において端子部11側の内縁部13aに変位することを防止できるので、第1実施例よりもアークZを長く伸長することができ、アーク電圧がより高くなり、第1実施例より急速に遮断することができる。
【0045】
また、固定接触子1と可動接触子2との絶縁距離を長くすることができるから、絶縁破壊による再点弧を防止することができる。
【0046】
次に、本発明の第3実施例を図15に基づいて以下に説明する。なお、第2実施例と実質的に同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、異なるところのみ記す。
【0047】
第2実施例では、覆い部材6の薄肉部6bの先端は、開離し終わった可動接点2aとアーク走行板5の先端とを結ぶ線よりも端子部11寄りに位置しているのに対し、本実施例では、図15において二点鎖線で示すように、開離し終わった可動接点2aとアーク走行板5の先端とを結ぶ線を越え、固定接点12b側に張り出した状態で設けられた構成になっている。
【0048】
かかる消弧装置にあっては、可動接点2aが固定接点12bから開離するときに生じるアークZは、覆い部材6に沿って湾曲して第2実施例よりも伸長されるので、アーク電圧がより高くなり、第2実施例より急速に遮断することができる。
【0049】
次に、本発明の第4実施例を図16に基づいて以下に説明する。なお、第3実施例と実質的に同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、異なるところのみ記す。
【0050】
第3実施例では、覆い部材6は、冷却部材4とは別部材で形成されているのに対し、本実施例で
は、一体的に形成された構成になっている。
【0051】
かかる消弧装置にあっては、第3実施例の効果に加えて、覆い部材6は、前述したように、冷却部材4と一体的に形成されているから、部品数が少なくなって、組み立て性を向上することができる。
【0052】
この第4実施例を組み込んだ回路遮断器20の短絡電流遮断試験を行ったところ、以下に示すように、従来例を組み込んだものよりも遮断性能が向上することが明らかとなった。
【0053】
すなわち、試験電圧265V、推定短絡電流25kAの条件での短絡試験の結果、従来例の消弧装置では、通過エネルギーが2.0×106A2sであり、通過電流ピーク値が23.3kAであったのに対し、第4実施例の消弧装置では、通過エネルギーが1.46×106A2sであり、通過電流ピーク値が23.3kAであって、通過エネルギーでは27%、通過電流ピーク値では15%減少し、限流遮断性能の向上が確認された。
【0054】
なお、第1乃至第4実施例では、アーク走行板5は、固定接触子1の接触部12よりも融点の高い金属材料でなっているが、アークZが比較的小さいものであるときは、固定接触子1の接触部12よりも融点の高い金属材料でなくてもよく、そのときは材料選定の自由度が大きくなる。
【0055】
また、第1乃至第4実施例では、固定接触子1のコイル部14は、略4半弧状に湾曲されているが、折り曲げられていても同様の効果を奏することができる。例えば、固定接触子1のコイル部14は、第2の提案例のものを折り曲げた図17に示すようなものでもよい。
【0056】
また、第1乃至第4実施例は、アーク走行板5に折曲部5bが設けられているが、アークZが比較的小さく、この消弧装置を配設する回路遮断器20の内部がアークZの熱により絶縁劣化する恐れがないときは、第1実施例は図18に示すように、第2乃至第4実施例は図19に示すように、折曲部5bが設けられていなくてもよく、そのときはアーク走行板5の加工がし易くなる。
【0057】
また、第4実施例では、覆い部材6は、開離し終わった可動接点2aとアーク走行板5の先端とを結ぶ線を越えて、固定接点12b側に張り出した状態で設けられた構成になっているが、アークZが比較的小さいときは、第2実施例のように、端子部11寄りに位置する構成でもよく、そのときは、設計の自由度を大きくすることができる。
【0058】
【発明の効果】
請求項1記載のものは、可動接点が固定接点から開離するときに生じるアークは、コイル部の通電により発生する磁束との相互作用によるローレンツ力が働くと、固定接触子の貫通穴よりも端子部寄りの部分と重合する位置まで延出されたアーク走行板の先端まで磁気駆動されるので、従来例のものより長く伸長されて冷却が十分になり、アーク電圧が急峻な上昇をして急速に遮断することができ、また、そのアークが、該アークにより加熱された冷却部材の熱分解ガスにより冷却され、その冷却部材の仕切り片は、その外側にアーク走行板の屈曲部が配設されることにより機械的強度が大きくなるから、可動接点が固定接点から開離するときに生じるアークの熱及び衝撃圧力によって破損しにくくなるので、アークが仕切り片の破損部分を通ってコイル部へ橋絡するのを防ぐことができ、アークの遮断性能を高いまま維持することができる。
【0059】
請求項2記載のものは、可動接点が固定接点から開離するときに生じるアークが、固定接点の貫通穴の内縁部に変位することを防止できるので、請求項1記載のものよりアークを長く伸長することができ、アーク電圧がより高くなり、請求項1記載のものより急速に遮断することができる。
【0060】
請求項3記載のものは、可動接点が固定接点から開離するときに生じるアークは、端子部寄りの内縁部を覆うよう設けられた覆い部材に沿って湾曲して伸長されるので、アーク電圧がより高くなって、請求項2記載のものより急速に遮断することができる。
【0061】
請求項4記載のものは、請求項2記載のものの効果に加え、覆い部材は、冷却部材と一体的に形成されているから、部品数が少なくなって、組み立て性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の提案例の側面断面図である。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】本発明の第2の提案例の側面断面図である。
【図4】同上の分解斜視図である。
【図5】本発明の第3の提案例の側面断面図である。
【図6】同上のアーク走行板の斜視図である。
【図7】本発明の第4の提案例の側面断面図である。
【図8】本発明の第5の提案例の側面断面図である。
【図9】同上のアーク走行板の斜視図である。
【図10】本発明の第1実施例の側面断面図である。
【図11】同上のアーク走行板の斜視図である。
【図12】同上のアーク走行板と冷却部材との位置関係を示す正面断面図である。
【図13】本発明の第2実施例の側面断面図である。
【図14】同上の分解斜視図である。
【図15】本発明の第3実施例の側面断面図である。
【図16】本発明の第4実施例の側面断面図である。
【図17】コイル部を折り曲げにより形成した固定接触子の側面断面図である。
【図18】折曲部が設けられていない固定接触子の斜視図である。
【図19】折曲部が設けられていない固定接触子の斜視図である。
【図20】従来例の側面断面図である。
【図21】同上の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 固定接触子
11 端子部
12 接触部
12a 一方面
12b 固定接点
12c アーク走行部
12d 他方面
13 貫通穴
13a 内縁部
14 コイル部
2 可動接触子
2a 可動接点
3 ヨーク
3a 中央片
3b 対向片
4 冷却部材
4a 仕切り片
5 アーク走行板
5b 折曲部
5c 余裕
5e 屈曲部
6 覆い部材
Z アーク
Claims (4)
- 一端部に端子部を有し他端部から一端部に向かって固定接点が一方面に設けられた接触部を延設し略中央部に一方面方向から固定接点を覗ける貫通穴を設けて通電により磁束を発生するコイル部を有した固定接触子と、前記接触部に固着されて前記貫通穴よりも前記端子部寄りの部分と重合する位置まで延設されたアーク走行板と、前記固定接点と接離する可動接点が設けられた可動接触子と、中央片及び両対向片で略コ字状をなしコイル部による磁束が各片を通り開離した両接点間を流れるよう配設された磁性材料製のヨークと、を備えた消弧装置において、
前記固定接点を前記接触部の幅方向から挟む状態で仕切る一対の仕切り片を有し熱分解して発生する熱分解ガスでもって両接点間に発生したアークを冷却する冷却部材が設けられ、前記アーク走行板は前記接触部の他方面に固着されるとともに一対の仕切り片の外側に配設されるよう幅方向の両端が接触部の一方面側へ屈曲した屈曲部が設けられたことを特徴とする消弧装置。 - 前記固定接触子の貫通穴の内縁部を覆う絶縁材料製の覆い部材が設けられたことを特徴とする請求項1記載の消弧装置。
- 前記覆い部材は、開離した前記可動接点と前記アーク走行板の先端とを結ぶ線を越えて前記固定接点側に張り出した状態で前記端子部寄りの内縁部を覆うよう設けられたことを特徴とする請求項2記載の消弧装置。
- 前記覆い部材は、前記冷却部材と一体的に形成されたことを特徴とする請求項2記載の消弧装置。
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