JP3549184B2 - フロアマットの固定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は自動車のフロアマットがずれないようにフロアカーペット上へ固定するためのフロアマットの固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなフロアマットの固定装置は公知であり、例えば、開平7−33737号には、ベースプレートの上面にフロアマットを係止するためのピン状をなす止め部を設け、下面にフロアカーペットへ取付けられる固定部を設けたフロアマットの固定装置が示されている。
【0003】
この固定部はベースプレートの下面へ一体に設けられた下方へ突出するループ状をなし、ループ状の固定部のうち対向する2辺の中間部にそれぞれ二つ折り可能な薄肉部を設け、固定部全体を、上下方向へ長く伸びた伸張状態と二つ折りされた横長の偏平状態とに変化可能とし、かつループ状部分の底辺部でベースプレートに対面する部分には偏平状態にしたときその直上のベースプレートに形成された係合穴へ係合する矢形の係合突部を設けてある。
【0004】
そこでまず固定部を伸張状態にして予めフロアカーペットに形成されている取付穴に差し込み、底辺部を車体フロアへ押し付けると、各脚が二つ折りになって偏平状態になるため、ベースプレートと脚部の間で取付穴周囲のフロアカーペットを挟み付けることによりフロアカーペット一体化するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例では、固定部が一対の脚部の先端間に底辺部を一体化した略リング状をなすため、ベースプレートから下方へ長く突出する伸張状態にしてからその長さのほぼ全体をフロアカーペットの取付穴へ差し込み、その後先端を車体フロアへ押し付けて偏平状態にしなければならない。
【0006】
このため、固定部をフロアカーペットの取付穴へ差し込むとき、伸張状態の長さに略匹敵する間隔をなすようにフロアカーペットを車体フロアから大きく持ち上げなければならないが、このような作業は実際状困難である。特に、車体フロア全体へ敷きつめたような大きなフロアカーペットの場合には、著しく取付けが困難になる。また、フロアカーペットをこれだけ大きくフロアから持ち上げるためには、これを許容できる構成になっている必要があり、車体設計上の制約も多くなり、汎用性のある取付構造にならない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願のフロアマットの固定装置に係る第1の発明は、車体フロア上に敷かれたフロアカーペットの一部をベースプレートとその下面から突出する取付脚とで挟み付けることによりフロアカーペット上へ固定するとともに、ベースプレートの上面から突出する止め部にフロアマットを係止するようにしたフロアマットの固定装置において、上記取付脚が自由端を有し、この自由端とベースプレートの間でフロアカーペットを上下から挟むようにし
上記ベースプレートと取付脚がフロアカーペットを挟み付けた状態を保持させるための挟み付け保持手段を備え、
上記取付脚は一対で設けられ、それぞれは自由端を有し、ベースプレートから下方へ延出する位置とベースプレートの下面へ略平行になる位置とに折り曲げ自在であり、かつ上記挟み付け保持手段として、フロアカーペットを挟むときベースプレート側へ係合して折り曲げ状態を維持するための係合部を各取付脚の折り曲げ基部へ別々に設け、さらに、取付脚が側面視略への字状に屈曲し、かつベースプレートの下面には下方へ突出する突部を設け、この突部と前記取付脚の屈曲部の間でフロアカーペットを挟むことを特徴とする。
【0008】
の発明は、車体フロア上に敷かれたフロアカーペットの一部をベースプレートとその下面から突出する取付脚とで上下から挟み付けることによりフロアカーペット上へ固定するとともに、ベースプレートの上面から突出する止め部にフロアマットを係止するようにしたフロアマットの固定装置において、上記取付脚は自由端を有し、この自由端と反対側の端部をベースプレートへ折り曲げ自在にすることにより、ベースプレートから下方へ延出する位置とベースプレートの下面へ略平行になる位置とに折り曲げ自在であるとともに、
前記止め具に分離回動並びに結合一体化自在な止め具の分割体を設け、この止め具の分割体を前記取付脚と一体に形成し、止め具の分割体を回動することにより前記取付脚を一体に折り曲げることを特徴とする
【0009】
また、上記第2の発明において、前記取付脚を一対で設け、前記止め部を長手方向に分割された一対の止め部分割体で構成し、各止め部分割体を前記取付脚の一方側とそれぞれ一体とし、かつ、前記ベースプレートと別体に形成し、各取付脚はそれぞれの自由端と反対側の端部で回動自在にベースプレート側へ軸支し、各止め部分割体をそれぞれを直立方向へ回動させたとき互いの分割面を合わせて係合一体化するように構成してもよい。
【0018】
【発明の効果】
第1の発明によれば、取付脚が自由端を有するため、自由端をフロアカーペットの取付穴からフロアカーペットの裏側へ沿うように曲げて入れることができ、その結果、従来例のようにフロアカーペットを持ち上げなくても済むので、迅速かつ容易に取付けることができる。
【0019】
また、挟み付け保持手段により、ベースプレートと取付脚がフロアカーペットを挟み付けた状態を保持させることができるので、取付脚が自由端を有するものであっても、確実な取付ができる。
【0020】
さらに、自由端を有し折り曲げ自在な一対の取付脚を設け、それぞれに係合部を設けたので、フロアカーペットに設けた取付穴へ一対の取付脚を差し込み、自由端を車体フロアへ当接させてさらに押し込めば、取付脚がベースプレートの下面へ向かって折り曲げられ、やがてベースプレートの下面へ折り重なって取付穴周囲のフロアカーペットをベースプレートとの間に挟み付けるとともに、各取付脚に設けられた係合部がベースプレートと係合する。
【0021】
このため、取付脚を拡開させながら取付穴内へ差し込むことが可能になり、その結果、フロアカーペットと車体フロアの間に予めそれ程大きな間隙がなくても取付が可能になり、かつフロアカーペットを車体フロアから大きく持ち上げる必要もない。ゆえに、取付けが容易かつ迅速になり、そのうえ、車体フロア形状等の制約条件が少なくなり、汎用性が増す。
【0022】
そのうえ、取付脚を側面視略への字状としたので、への字の屈曲部とベースプレートの下面に形成された突部でフロアカーペットを確実に狭持できる。
【0023】
第2の発明によれば、取付脚をベースプレートと別体に設け、一端部を回動自在にベースプレート側へ支持するとともに、止め具の分割体と一体に回動するようにしたので、止め具の分割体を回動することにより取付脚を回動させることができ、取付脚の開閉する動きをより確実にすることができる。
【0024】
また、上記第2の発明において、一対の取付脚の各一方と一体化されて一体に回動する一対の止め部分割体をそれぞれを直立方向へ回動させると、各取付脚がベースプレートとの間にフロアカーペットを狭持できるとともに、一対の止め部分割体の各分割面を合わせて係合一体化するので、取付状態を維持できる。しかも、この取付状態では止め部分割体を一体化することにより外観を向上させることができ、かつ係合状態を目視確認することにより、フロアカーぺットに対する止め具の取付状態を容易迅速に把握できるので、取付作業の作業性並びに信頼性が向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて一実施例を説明する。図1は固定装置の側面図、図2はその斜視図、図3は実施例に係る自動車の運転席用フロアマットを固定する際の使用状態を説明するための分解斜視図、図4はその際における取付手順の説明図である。
【0031】
これらの図に示すように固定装置は略長方形の板状をなすベースプレート1と、その上面一端から上方へピン状に突出する止め部2と、ベースプレート1の下面から下方へ突出する一対の取付脚3とを一体に形成してあり、全体はポリカーボネート等の適度な剛性と弾性を有する樹脂で形成されている。
【0032】
ベースプレート1の上面には止め部2の径と略同じ幅の間隔で幅方向(ベースプレート1の短辺方向)中央部を長さ方向へ延びるリブ4が形成され、これによりベースプレート1と止め部2の付け根が補強されている。
【0033】
ベースプレート1の下面で長さ方向両端部には、それぞれ下方へ向かって突出する先端が断面略三角形状に先端が尖った突条5が形成されている。止め部2は略丸棒状をなし、上端部に大径部6が形成され、後述するフロアマットの抜け止めをなしている。
【0034】
各取付脚3の一端は自由端7をなし、他端の基部8は薄肉の折り曲げ部をなすとともに、樹脂ヒンジ部として折り曲げ自在であり、通常状態では側面視略ハの字状をなすように拡開している。
【0035】
各取付脚3はそれぞれの中間部で自由端7寄り位置にベースプレート1側へ突に設けられた屈曲部9で屈曲して、側面視(図1)で略への字状をなしている。この屈曲部9の位置は、取付脚3をベースプレート1の下面へ重なるように折り曲げたとき突条5と一致するように設定されている。
【0036】
各取付脚3の基部8近傍位置でも屈曲部が形成され、この部分に係合突起10が形成されている。係合突起10は取付脚3と一体でかつベースプレート1の下面と対面する側に設けられ、先端が略鉤状に曲がった係合端11になっている。
【0037】
この係合端11は、ベースプレート1の下面略中央部に下方に向かって突出形成された厚肉段部12の側面に形成された係合凹部13へ係脱自在である。厚肉段部12は基部8を介して取付脚3がベースプレート1と一体に連結する部分でもある。
【0038】
つぎにこの固定装置の使用方法を説明する。図3において、車体フロア20上全面に敷きつめられたフロアカーペット21の一部に取付穴22が設けられている。
【0039】
この取付穴22の位置はフロアマット23の係止穴24の位置に応じて決定されるが、例えば運転者用座席25の取付脚26の近傍位置であり、脚の邪魔になりにくい位置とすることが好ましい。
【0040】
また、取付穴22の大きさは、後述するように両取付脚3を閉じた状態で差し込み可能な大きさであり、かつ厚肉段部12を収容できる程度でもあるが、ベースプレート1により完全に覆われる程度にすることが体裁上好ましい。
【0041】
フロアマット23は公知の種々のものが適用でき、ゴム製や起毛状のもの等種々設けられ、その一コーナー部に係止穴24が止め部2の大径部6を通過できる程度の大きさに形成されている。
【0042】
この取付穴22周囲のフロアカーペット21へ固定装置を取り付けるには、取付脚3を取付穴22へ差し込んで後述する要領でフロアカーペット21へ固定し、その後固定装置の止め部2を係止穴24へ通す。
【0043】
これにより、フロアマット23は、フロアカーペット21上へ固定され、ペダル操作によりズレがちな運転席用のフロアマット23を有効にズレ防止できる。また、止め部2の上端部に設けられた大径部6により、フロアマット23の係止穴24が止め部2から外れにくくなっている。
【0044】
図4はフロアカーペット21に対する固定装置の取付工程を示す図であり、A工程では取付穴22の外周に沿う大きさで予めフロアカーペット21に設けておいた半円弧状をなすスリット30内の連結部31を切断して取付穴22を形成する。
【0045】
この作業はカッター等で簡単にできる。但し取付穴22の形成は、このような方法によらず適宜手段を採り得、切り抜き部が設けられていない場合であっても、適当な工具により取付穴22を切り抜くことができる。また、予め出荷時に形成しておくこともできる。
【0046】
B工程では、フロアカーペット21の上方から一対の取付脚3を互いの自由端7が近づくようにすぼめて略真下へ向かって延出する閉じた状態にして取付穴22内へ差し込み、各自由端7を車体フロア20へ当接させる。
【0047】
このまま固定装置をフロアカーペット21上へ向かって押し込むと、各自由端7が車体フロア20上横滑りするため、両取付脚3取付穴22を通過した時点で樹脂ヒンジにより元の側面視略八の字状に戻ろうとする動きも加わって、徐々に互いの離反方向へ拡開する。
【0048】
やがて取付脚3がベースプレート1の下面へ略平行に折れ曲がったとき、さらに固定装置をフロアカーペット21と一緒に車体フロア20側へ若干押し込むと、両取付脚3がベースプレート1の下面へ重なり、屈曲部9と突条5の間で取付穴22周囲のフロアカーペット21を挟む。
【0049】
C工程はこの状態であり、同時に係合突起10の係合端11が厚肉段部12の係合凹部13へ係合し、屈曲部9と突条5でフロアカーペット21を挟む付けた状態を維持する。
【0050】
このため固定装置は、取付穴22において、フロアカーペット21へ固定され、かつフロアカーペット21に対して回り止め不能になり、止め部2へフロアマット23を取付けても、フロアマット23の使用中に固定装置がフロアカーペット21上で回ることにより、フロアマット23がズレるような事態を生じず、フロアマット23をフロアカーペット21上へ確実に安定保持できる。
【0051】
しかも、両取付脚3は、それぞれ自由端7をなして互いに分離しているため、フロアカーペット21と車体フロア20の間にあまり間隔を設けなくても取付けでき、むしろこの間隔は少ない方が好ましく、フロアカーペット21を車体フロア20上へ直接接触させて敷いた状態でも取付可能になる。
【0052】
このため、従来のように固定装置の取付時にフロアカーペット21を大きく持ち上げるような面倒でしかも困難な作業を要さずに、迅速かつ容易に取付可能となる。
【0053】
そのうえ、ベースプレート1が取付穴取付穴22全体を覆うので、体裁が良好となる。また、リブ4を設けたことにより止め部2の付け根部分に応力が集中しても耐久性を向上できる。
【0054】
さらに種々な形式の車体フロア20及びフロアカーペット21に対しても取付可能になるので、車種を選ばず汎用性が増し、車両の出荷後における使用者サイドでの後付けが容易になる。
【0055】
なお、本願は上記実施例に限定されず、種々に変形や応用が可能であり、例えば、取付脚3はベースプレート1と別体に設けることもできる。以下、この例を説明する。なお、前実施例と共通部分については共通符号を用いるものとする(以下の各実施例も同様)。
【0086】
次に、図5乃至図8により第2実施例を説明する。図は図の21−21線断面図、図は図における止め具の平面図、図は図の丸囲み部Dの拡大図、図は分解斜視図である。
【0087】
この実施例は、表側抑え部材としてのベースプレート1と裏側押さえ部材90を別体に形成した例であり、かつ裏側押さえ部材90は取付脚3と止め部92を一体に形成するとともに、止め部92の長手方向で2分され、分割可動部90A,90Bをなしている。
【0088】
これら分割可動部90A,90Bは、それぞれ独立した略L字形をなし、分割可動部90Aは止め部分割体92Aと取付脚部3の略半分側の一部をなす可動挟み部3Aで構成され、分割可動部90Bも同様に止め部分割体92Bと可動挟み部3Bで構成されている。
【0089】
各分割可動部90A,90Bは、それぞれ支軸91A,91Bを介してベースプレート1へ回動自在に支持されている(図6,図8)。また、図に明らかなように、互いの回動を干渉しないよう支軸91A,91Bの軸方向(以下、回動軸方向という)へ互いにづれて配置される。
【0090】
止め部分割体92Aの分割面には長手方向適所に係合突起93Aが設けられ、これに対応する止め部分割体92Bの分割面には係合凹部93Bが設けられている。両止め部分割体92A,92Bの分割面を合わせて係合突起93Aを係合凹部93Bへ係合させると、止め部分割体92A,92Bが一体化して単一の止め部92を形成し、かつ分割可動部90A,90Bも一体化する。
【0091】
ベースプレート1にはこれら分割可動部90A,90Bを可動にするための大きな開口部94と支軸91A,91Bを嵌合して回動自在に保持するため上方へ開放された凹部である軸支凹部95A,95Bが設けられている。
【0092】
この止め具を使用するには、まず、フロアカーペット21の上にベースプレート1を置き、開口部94内にフロアカーペット21の取付穴22を位置させ、次に、ベースプレート1の上方から、分割可動部90A,90Bの可動挟み部3A,3Bをその各自由端が下を向くようにして開口部94へ入れ、さらに可動挟み部3A,3Bを各自由端側から取付穴22内へ差し込む。
【0093】
続いて、支軸91A,91Bを軸支凹部95A,95Bへ嵌合し、この支軸91A,91Bを回動支点として、各止め部分割体92A,92Bを徐々に立てるように回動させる。
【0094】
すると、可動挟み部3A,3Bの各先端が取付穴22より離れた奥まで入り込みながら、これら各先端とベースプレート1との間に取付穴22周囲のフロアカーペット21縁部を挟み込むようにして、可動挟み部3A,3Bがそれぞれ水平に近づく。
【0095】
やがて、両止め部分割体92A,92Bの分割面が近接したとき、係合突起93Aを係合凹部93Bへ係合させると、両止め部分割体92A,92Bが一体化し、同時に両分割可動部90A,90Bが一体化して、フロアカーペット21の取付穴22へ取付けられた図の状態になる。
【0096】
この実施例によれば、一対の止め部分割体92A,92Bをそれぞれを直立方向へ回動させると、各取付脚3の可動挟み部3A,3Bがベースプレート1との間にフロアカーペット21を狭持できるとともに、一対の止め部分割体92A,92Bの各分割面を合わせて係合一体化するので、取付状態を維持できる。
【0097】
しかも、この取付状態では止め部分割体92A,92Bを一体化することにより外観を向上させることができ、かつ係合状態を目視確認することにより、フロアカーぺット21に対する止め具92の取付状態を容易迅速に把握できるので、取付作業の作業性並びに信頼性が向上する。
【0098】
そのうえ、ベースプレート1を比較的単純な形状の単一体として形成でき、かつ、分割可動部90A,90Bもそれぞれ比較的小型で成形容易な形状にできるので、全体として製造が容易になる。
【0099】
次に、図9乃至図12により第3実施例を説明する。図9は図10の25−25線断面図、図10は止め具の平面図、図11は係合部の構造を示す図、図12は止め具の分解斜視図である。この実施例は、前実施例の変形例であり、止め部分割体92A,92Bの分割面を、回動軸の軸直交方向と平行にした点が主要な相違点である。
【0100】
すなわち、この実施例も、ベースプレート1と裏側押さえ部90を別体とし、かつ裏側押さえ部90を止め部92の長手方向でかつ支軸91Cと直交する面と平行に分割して、互いに独立した分割可動部90A,90Bをなしている。
【0101】
支軸91Cは、各止め部分割体92A,92Bの分割面と反対側の外側面にそれぞれ同軸上に突出形成され、ベースプレート1に上方へ開放された凹部として設けられている軸支凹部95Cに嵌合支持されるが、相互の分割面には支軸91Cと同軸上に、一方側から連結軸96Aが突出し、他方側にこれを嵌合する連結穴96Bが形成されている。
【0102】
また、止め部分割体92A,92Bの各分割面には係合突部97Aと係合凹部97Bが形成されるが、これらは、分割面と平行な面内で係合するように形成されている点も異なる。具体的には図12に示すように、係合突起97Aが略T字断面をなす突起であり、係合凹部97Bがこれを嵌合する略C字形でかつ回動方向へ弧状をなすレール溝である。但し、この係合構造はこれに限定されるものではなく、種々な公知構造を採用できる。
【0103】
この止め具を使用するには、まず、フロアカーペット21の上にベースプレート1を置き、開口部94内にフロアカーペット21の取付穴22を位置させる。次に、予め連結軸96Aを連結穴96Bへ嵌合することにより一体化して小組するとともに、止め部分割体92A,92Bが互いに離反する方向へ回動している状態にした分割可動部90A,90Bを、その可動挟み部3A,3Bの各自由端が下を向くようにしてベースプレート1の上方から開口部94へ入れ、さらに可動挟み部3A,3Bを各自由端側から取付穴22内へ差し込む。
【00104】
続いて、支軸91Cを軸支凹部95Cへ嵌合し、この支軸91Cを回動支点として、各止め部分割体92A,92Bを徐々に立てるように回動させると、前実施例同様にフロアカーペット21の取付穴22へ取付けられる。
【0105】
しかも、両止め部分割体92A,92Bの分割面で係合突起97Aが係合凹部97Bへ係合し、分割面と直交方向へ分離不能に結合するので、単一の止め部92が形成されるとともに、ベースプレート1と可動挟み部3A,3B間にフロアカーペット21を上下から狭持した状態を維持できる。
【0106】
この実施例によれば、両止め部分割体92A,92Bの分割面を支軸91Cと直交する面と平行にすることにより、両分割可動部90A,90Bを同軸上で支持できるから、さらに小型化できかつ構造を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の固定装置側面図
【図2】その斜視図
【図3】使用状態を説明するための分解斜視図
【図4】取付手順の説明図
【図5】第2実施例に係る図6の21−21線断面図
【図6】図5における止め具の平面図
【図7】図5の丸囲み部Dの拡大図
【図8】分解斜視図
【図9】第実施例に係る図10の25−25線断面図
【図10】止め具の平面図
【図11】係合部の構造を示す図
【図12】止め具の分解斜視図
Figure 0003549184

Claims (3)

  1. 車体フロア上に敷かれたフロアカーペットの一部をベースプレートとその下面から突出する取付脚とで挟み付けることによりフロアカーペット上へ固定するとともに、ベースプレートの上面から突出する止め部にフロアマットを係止するようにしたフロアマットの固定装置において、上記取付脚が自由端を有し、この自由端とベースプレートの間でフロアカーペットを上下から挟むようにし
    上記ベースプレートと取付脚がフロアカーペットを挟み付けた状態を保持させるための挟み付け保持手段を備え、
    上記取付脚は一対で設けられ、それぞれは自由端を有し、ベースプレートから下方へ延出する位置とベースプレートの下面へ略平行になる位置とに折り曲げ自在であり、かつ上記挟み付け保持手段として、フロアカーペットを挟むときベースプレート側へ係合して折り曲げ状態を維持するための係合部を各取付脚の折り曲げ基部へ別々に設けるとともに、
    前記取付脚は側面視略への字状に屈曲し、かつベースプレートの下面には下方へ突出する突部を設け、この突部と前記取付脚の屈曲部の間でフロアカーペットを挟むことを特徴とするフロアマットの固定装置。
  2. 車体フロア上に敷かれたフロアカーペットの一部をベースプレートとその下面から突出する取付脚とで上下から挟み付けることによりフロアカーペット上へ固定するとともに、ベースプレートの上面から突出する止め部にフロアマットを係止するようにしたフロアマットの固定装置において、上記取付脚は自由端を有し、この自由端と反対側の端部をベースプレートへ折り曲げ自在にすることにより、ベースプレートから下方へ延出する位置とベースプレートの下面へ略平行になる位置とに折り曲げ自在であるとともに、
    前記止め具に分離回動並びに結合一体化自在な止め具の分割体を設け、この止め具の分割体を前記取付脚と一体に形成し、止め具の分割体を回動することにより前記取付脚を一体に折り曲げることを特徴とするフロアマットの固定装置。
  3. 前記取付脚は一対で設けられ、前記止め部は長手方向に分割された一対の止め部分割体からなり、各止め部分割体は前記取付脚の一方側とそれぞれ一体であってかつ
    前記ベースプレートと別体に形成され、各取付脚はそれぞれの自由端と反対側の端部で回動自在にベースプレート側へ軸支され、各止め部分割体はそれぞれを直立方向へ回動させたとき互いの分割面を合わせて係合一体化されることを特徴とする請求項2に記載したフロアマットの固定装置。
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