JP3548662B2 - 低密度石鹸の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、見掛け比重が1未満であって内部に気泡群が分散する低密度石鹸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
所望形状の石鹸を製造するため、溶融石鹸を成形型のキャビティ内で固化させることが行われている。
例えば、特開昭59‐172599号公報は、溶融石鹸を、成形型のキャビティだけでなく、そのキャビティと溶融石鹸注入口との間の注入通路に注入した後に固化させ、その注入通路において固化した部分を切断除去することで、所望形状の石鹸を得る方法を開示する。
米国特許3149188号公報は、溶融石鹸を、包装容器に直接注入後に、その注入口をシールし、しかる後に溶融石鹸を固化する方法を開示する。
【0003】
しかし、上記何れの方法も低密度石鹸ではなく、通常の石鹸を製造する方法に関するものであった。また、米国特許3149188号公報に開示された方法では、後述の第1比較例に示すように、固化時の収縮により石鹸が容器の内面から離反し、表面が粗くなり、或いは空気が浸入し空洞を内包するという問題がある。低密度石鹸においては、通常の石鹸に比べて収縮量が大きいため、この問題は顕著になる。
【0004】
特開平4‐218599号公報は、気泡群を含有する溶融石鹸を型枠に注入して冷却することで固化させ、しかる後に切断する方法を開示する。また、その特開平4‐218599号公報は、気泡群を含有する溶融石鹸を包装容器に直接注入して冷却することで、その包装容器に成形型を兼用させ、固化する方法を開示する。
【0005】
しかし、低密度石鹸においては、通常の石鹸に比べて収縮量が大きいため、固化された石鹸に空洞や凹みが発生したり、成形型の内面から石鹸が離反して表面が粗くなったり、不均一に変形し易い。これを防止するため、そのキャビティへの注入口の開口面積を大きくし、その注入口とキャビティとの間の注入通路に余分に注入する溶融石鹸量を多くする必要がある。しかし、その注入通路において固化する余分な石鹸量が多くなるため、歩留りが著しく悪くなる。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することのできる低密度石鹸の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、気泡群を含有する溶融石鹸を成形型のキャビティ内で固化させる工程を有する見掛け比重が1未満の低密度石鹸の製造方法において、その固化工程を、気密状に密閉されたキャビティ内で行うことを特徴とする。
これにより、成形型に余分に注入する溶融石鹸の量を低減し、あるいはなくしても、その溶融石鹸を固化させる際にキャビティ内に外部から空気が入り込むのを阻止できるので、固化された石鹸に空洞や凹みが発生するのを阻止できる。また、固化された低密度石鹸から不要な突起として残る部分が全くないか、あるいは極僅かで済む。そのため、突起を切り取る工程が不要であり、もし切り取るにしてもロスが少なくて済む。
また、その固化工程においてキャビティが気密状に密閉されることで、石鹸の収縮により、成形型の剛性が大きい場合は石鹸が包含する気泡の内圧が減少し、また、成形型の剛性が小さい場合は石鹸の収縮に伴い成形型が変形する。これにより、何れの場合も成形型の内面から石鹸が離反するのを阻止でき、且つ、外部から空気の浸入を阻止して石鹸に空洞を形成することを防止でき、固化された石鹸の表面が粗くなるのを防止して滑らかにできる。
【0008】
その成形型として、その固化工程において変形することのない剛性を有するものを用いるのが好ましい。この場合、固化工程において石鹸が包含する気泡の内圧が減少するのみで、石鹸の体積を変化させず、キャビティ形状に対応する所望形状の低密度石鹸を成形できる。
【0009】
その成形型として、前記固化工程における石鹸の収縮に伴いキャビティ容積が減少するように、少なくとも一部が変形可能なものを用いるのが好ましい。この場合、固化工程における石鹸の収縮に伴い成形型が変形するので、成形型の内面から石鹸が離反するのを阻止でき、且つ、外部から空気の浸入を阻止して石鹸に空洞を形成することを防止でき、石鹸の表面が粗くなるのを防止できる。また、石鹸が収縮しても成形型の内外圧力差が大きくならないため、キャビティを気密状に密閉するために耐圧性の大きな栓を用いる必要がなく、簡単な構成で容易に密閉できる。さらに、成形型が変形可能であることにより、変形不能な型であれば型抜きできない形状の石鹸でも成形でき、成形型を厚くして剛性を大きくする必要がないことから、材料コストを低減できる。
その成形型が固化工程において予め定めた形状に変形するように、その成形型の変形し易さを場所により異なったものにすることで、所望形状の低密度石鹸を成形できる。
【0010】
その溶融石鹸を、キャビティだけでなく、溶融石鹸注入口とキャビティとの間の注入通路に注入し、その注入通路における溶融石鹸を固化させることでキャビティを気密状に密閉し、しかる後にキャビティにおける溶融石鹸を固化させるのが好ましい。
これにより、石鹸自体を栓としてキャビティを気密状に密閉できるので、専用の栓を用いる必要がなく、工程を簡単化できる。
【0011】
その成形型として、前記固化工程において変形することのない剛性を有するものを用い、その溶融石鹸を、キャビティだけでなく、溶融石鹸注入口とキャビティとの間の注入通路に注入し、その注入口を閉鎖する栓により注入通路における溶融石鹸をキャビティ内に押し込むことで、キャビティ内の溶融石鹸を加圧した状態でキャビティを気密状に密閉し、しかる後にキャビティにおける溶融石鹸を固化させるのが好ましい。
これにより、外部からの空気の浸入を阻止し空洞を内包しないキャビティ形状に対応する所望形状の低密度石鹸を成形でき、単にキャビティ内を密閉系にする場合に比べて成形型の強度を低く設定でき、しかも、そのキャビティ内に押し込む注入通路における溶融石鹸の量に応じて、固化される低密度石鹸の見掛け比重を調整できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1の(1)〜(4)を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0013】
図1の(1)に示す成形型1は、一対の左右半割片1a、1bを適宜手段により分離可能に接合することにより構成され、内部にキャビティ2と、このキャビティ2に連なる溶融石鹸の注入通路3とを有し、その注入通路3の一端が注入口3aとされている。この成形型1として、後述の溶融石鹸の固化工程において変形することのない剛性を有するものが用いられる。
図1の(2)に示すように、その注入口3aから注入通路3を介してキャビティ2に、略均一に分散する気泡群を含有する溶融石鹸4が注入される。その気泡群を含有する溶融石鹸は従来と同様に製造することができ、その気泡群を構成するガスとして空気等を用いることができる。
本実施形態では、キャビティ2にのみ溶融石鹸4が注入され、注入通路3には溶融石鹸4は注入されないが、多少の溶融石鹸4が注入通路3に注入されても従来よりは歩留りを向上できる。
次に、図1の(3)に示すように、その注入口3aを栓5により閉鎖することで、キャビティ2内を気密状に密閉する。その栓5は、例えば注入通路3に圧入される硬質ゴムにより構成でき、本実施形態では、下記の溶融石鹸4の固化工程において変形することのない剛性を有するものが用いられる。
次に、その気密状に密閉されたキャビティ2内で溶融石鹸4を固化させる。その固化のため、溶融石鹸4を強制冷却してもよいし、自然放冷してもよい。
その固化が完了したならば、図1の(4)に示すように半割片1a、1bを分離し、成形された低密度石鹸4′を取り出す。この固化された低密度石鹸4′の見掛け比重は1未満であればよいが、0.1〜0.9の範囲になるように調整されるのが好ましい。
【0014】
上記第1実施形態によれば、成形型1に余分に溶融石鹸4を注入することなく、その溶融石鹸4を固化させる際にキャビティ2内に外部から空気が入り込むのを阻止できるので、固化された石鹸4′に空洞や凹みが発生するのを阻止できる。また、固化された石鹸4′から不要な突起として残る部分が全くないか、あるいは極僅かで済む。そのため、突起を切り取る工程が不要であり、もし切り取るにしてもロスが少なくて済む。
また、その固化工程においてキャビティ2が気密状に密閉されることで、石鹸4の収縮により石鹸4が包含する気泡の内圧の減少のみで、成形型1の内面から石鹸4が離反するのを阻止できる。これにより、固化された石鹸4′の表面が粗くなるのを防止して滑らかにできる。
さらに、その成形型1は固化工程において変形することのない剛性を有するので、キャビティ2形状に対応する所望形状の低密度石鹸4′を成形できる。
【0015】
図2の(1)〜(4)は本発明の第2実施形態を示す。
上記第1実施形態との相違は、図2の(2)に示すように、溶融石鹸4をキャビティ2だけでなく、注入通路3にも注入し、次に、図2の(3)に示すように、注入口3aを閉鎖する栓5により注入通路3における溶融石鹸4をキャビティ2内に押し込むことで、キャビティ2内の溶融石鹸4を加圧した状態でキャビティ2を気密状に密閉する点にある。これにより、キャビティ2内に押し込む注入通路3における溶融石鹸4の量に応じて、固化される低密度石鹸4′の見掛け比重を調整できる。他は第1実施形態と同様で、同一部分は同一符号で示す。
【0016】
図3の(1)、(2)は、上記第1実施形態あるいは第2実施形態において用いられる成形型1の第1変形例を示す。
この第1変形例の成形型11は、一対の左右半割片11a、11bを、板状ガスケット11cを介して分離可能に接合することで構成され、内部に複数のキャビティ12と、各キャビティ12に連なる溶融石鹸の注入通路13とを有し、各注入通路13の一端が注入口13aとされている。互いに連結板15aにより連結される複数のゴム製の栓15それぞれが、各注入通路13に圧入されることで、各キャビティ12が気密状に閉鎖される。両半割片11a、11bは金属から形成され、ガスケット11cと栓15は硬質ゴムから形成され、溶融石鹸の固化工程において変形することのない剛性を有するものとされている。一方の半割片11aにはダボ11a′が形成され、そのダボ11a′が嵌め合わされるダボ穴(図示省略)が他方の半割片11bに形成されることで、両半割片11a、11bの互いに対する位置決めが可能とされている。両半割片11a、11bの接合力は、金属製のクリップ11dの弾力により付与される。なお、各半割片11a、11bの外面には、そのクリップ11dを嵌まり込ませる凹部11″が形成される。
【0017】
図4の(1)、(2)は、上記第1実施形態あるいは第2実施形態において用いられる成形型1の第2変形例を示す。
この第2変形例の成形型21は製品容器を兼用するもので、一対の上下半割片21a、21bを分離可能に接合することで構成され、内部にキャビティ22と、そのキャビティ22に連なる溶融石鹸の注入通路23とを有し、その注入通路23の一端が注入口23aとされている。その上側半割片21aの下端周縁部と下側半割片21bの上端周縁部とはインロー嵌合されることで、両半割片21a、21b間が気密状にシールされる。両半割片21a、21bはシュリンクテープ21cにより被覆されることで、搬送途中或いは加圧した状態で溶融石鹸を注入した場合において分離するのが防止されている。その注入通路33は、上側半割片31aの上面中央から上方に延びる円筒部により構成される。その注入口23aは、注入通路23に圧入されるゴム製の栓25により閉鎖され、これによりキャビティ22が気密状に閉鎖される。両半割片21a、21bは硬質の合成樹脂から形成され、栓25は硬質ゴムから形成され、溶融石鹸4の固化工程において変形することのない剛性を有するものとされている。
【0018】
図5は上記第1実施形態において用いられる成形型1の第3変形例を示す。
この第3変形例の成形型31は製品容器を兼用するもので、一対の上下半割片31a、31bを分離可能に接合することで構成され、内部にキャビティ32と、そのキャビティ32に連なる溶融石鹸の注入通路33とを有し、その注入通路33の一端が注入口33aとされている。その上側半割片31aの下端周縁部と下側半割片31bの上端周縁部とはインロー嵌合されることで、両半割片31a、31b間が気密状にシールされる。その注入通路33は、第2変形例の注入通路23よりも短いものとされている。なお、その注入通路33をなくし、上側半割片31aに注入口33aを直接に形成してもよい。その注入口33aは、上側半割片31aを覆う可撓性を有するシート35により閉鎖され、これにより、キャビティ32が気密状に閉鎖される。そのシート35は、プラスチックフィルムや金属箔により構成できる。そのシート35の外周縁が、下側半割片31bから突出するフランジ31b′に接着されることで、両半割片31a、31bは搬送途中において分離するのが防止されている。両半割片31a、31bは硬質の合成樹脂から形成され、シート35は張力をかけられることで、溶融石鹸4の固化工程において変形することのない剛性を有するものとされている。
【0019】
図6の(1)〜(4)は本発明の第3実施形態を説明する。
上記第1実施形態との相違は、図6の(2)に示すように、溶融石鹸4をキャビティ2だけでなく、注入通路3にも注入し、次に、図6の(3)に示すように、その注入通路3における溶融石鹸4を固化させることで、栓を用いることなくキャビティ2を気密状に密閉し、しかる後にキャビティ2における溶融石鹸4を固化させる点にある。他は第1実施形態と同様で同一部分は同一符号で示す。
これにより、石鹸自体を栓としてキャビティ2を気密状に密閉できるので、専用の栓を用いる必要がなく、工程を簡単化できる。
その注入通路3における溶融石鹸4を、キャビティ2における溶融石鹸4よりも先に固化させる方法は特に限定されない。例えば、注入通路3の流路面積を小さくすることで、注入通路3における溶融石鹸4の熱容量をキャビティ2における溶融石鹸4の熱容量よりも小さくすれば、均一に冷却しても先に注入通路3における溶融石鹸4を先に固化できる。また、成形型1における注入通路3の構成部分をキャビティ2の構成部分よりも熱伝導の良い材質で作ったり、注入通路3の構成部分の肉厚をキャビティ2の構成部分の肉厚よりも薄くしたり、注入通路3の構成部分の周囲に放熱フィンを設けることで、注入通路3における放熱性をキャビティ2よりも向上してもよい。また、注入通路3の構成部分にのみ冷却用ジャケットを設けたり、予め冷却されたものを接触させたり、冷風を当てることで、溶融石鹸4の注入前に冷却してもよい。あるいは、注入通路3の構成部分以外を、保温材で覆う等して放熱性を低下させてもよい。
なお、注入通路3の内周に凹凸を形成し、その注入通路3において先に固化した石鹸がキャビティ2内に引き込まれるのを防止するようにしてもよい。
【0020】
図7の(1)〜(5)を参照して本発明の第4実施形態を説明する。
【0021】
図7の(1)に示す成形型51は、一対の左右半割片51a、51bを適宜手段により分離可能に接合することにより構成され、内部にキャビティ52と、このキャビティ52に連なる溶融石鹸の注入通路53とを有し、その注入通路53の一端が注入口53aとされている。この成形型51として、後述の溶融石鹸の固化工程において、石鹸の収縮に伴いキャビティ容積が減少するように少なくとも一部が変形可能なものが用いられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、PET等の可撓性を有する合成樹脂、可撓性を有する薄板状金属、可撓性を有するゴム等に成形型51が形成される。その左右半割片51a、51bの接合は、剥離可能な程度に例えば接着剤により接着したり、ヒートシールにより接着することで行える。
図7の(2)に示すように、その注入口53aから注入通路53を介してキャビティ52に、略均一に分散する気泡群を含有する溶融石鹸4が注入される。
本実施形態では、注入通路53にも多少の溶融石鹸4が注入されるが、従来よりは歩留りを向上できる。もちろん、キャビティ2にのみ溶融石鹸4が注入されてもよい。
次に、図7の(3)に示すように、その注入口53aを栓55により閉鎖することで、キャビティ52内を気密状に密閉する。その栓55は、例えば注入通路3に圧入される硬質ゴムにより構成でき、下記の溶融石鹸4の固化工程において変形することのない剛性を有するものが用いられるが、その固化工程において変形するものが用いられてもよい。
次に、図7の(4)に示すように、その気密状に密閉されたキャビティ52内で溶融石鹸4を固化させる。その固化のため、溶融石鹸4を強制冷却してもよいし、自然放冷してもよい。この固化工程における石鹸の収縮に伴い、成形型51はキャビティ容積が減少するように変形する。本実施形態では、その成形型51が上下間中央において絞られた瓢箪形状になるように、その成形型51の変形し易さは上下間中央において他の場所よりも大きくされている。
なお、その固化工程における成形型の変形後の形状は特に限定されず、予め定めた所望の形状になるように、その成形型の変形し易さを場所により異なったものにすればよい。その変形し易さを場所により異なったものにするための構成は特に限定されない。例えば、成形型の肉厚を場所により異なったものにしてもよく、この場合、変形を大きくする部分は薄肉にすればよい。また、成形型の材質を場所により異なったものにしてもよく、この場合、変形を大きくする部分は周囲部分よりも変形しやすい材質とすればよく、例えば、変形を大きくする部分をゴム膜により構成し、周囲部分を硬質の合成樹脂等で構成する。また、成形型の形状により変形し易さを場所により異なったものにしてもよく、例えば、成形型が肉厚一定で同一材質からなる偏平なものであれば、中央部は周囲部よりも変形し易くなる。
その固化が完了したならば、図7の(5)に示すように半割片51a、51bを分離し、成形された低密度石鹸4′を取り出す。この固化された低密度石鹸4′の見掛け比重は1未満であればよいが、0.1〜0.9の範囲になるように調整されるのが好ましい。
【0022】
上記第4実施形態によれば、成形型51に溶融石鹸4を余分に注入することなく、その溶融石鹸4を固化させる際にキャビティ52内に外部から空気が入り込むのを阻止できるので、固化された石鹸4′に空洞や凹みが発生するのを阻止できる。また、固化された石鹸4′から不要な突起として残る部分が全くないか、あるいは極僅かで済む。そのため、突起を切り取る工程が不要であり、もし切り取るにしてもロスが少なくて済む。
また、その固化工程においてキャビティ52が気密状に密閉され、石鹸の収縮に伴い成形型51が変形することで、成形型51の内面から石鹸4が離反するのを阻止できる。これにより、固化された石鹸4′の表面が粗くなるのを防止して滑らかにできる。また、石鹸が収縮しても成形型51の内外圧力差が大きくならないため、キャビティ52を気密状に密閉するために耐圧性の大きな栓を用いる必要がなく、簡単な構成で容易に密閉できる。さらに、成形型51が変形可能であることにより、変形不能な型であれば型抜きできない形状の石鹸でも成形でき、成形型51を厚くして剛性を大きくする必要がないことから、材料コストを低減できる。さらに、その成形型51の変形し易さを場所により異なったものにすることで、所望形状の低密度石鹸4′を成形できる。
【0023】
図8の(1)〜(4)は本発明の第5実施形態を説明する。
上記第4実施形態との相違は、図8の(2)に示すように、溶融石鹸4をキャビティ52だけでなく、注入通路53にも注入する。次に、図8の(3)に示すように、その注入通路53における溶融石鹸4を固化させることで、栓を用いることなくキャビティ52を気密状に密閉する。しかる後にキャビティ52における溶融石鹸4を固化させる。また、注入通路53の内周に凹凸53′を形成し、その注入通路53において先に固化した石鹸がキャビティ52内に引き込まれるのを防止している。他は第4実施形態と同様で同一部分は同一符号で示す。
これにより、第4実施形態と同様の効果を奏することができるだけでなく、第3実施形態と同様に、石鹸自体を栓としてキャビティ52を気密状に密閉できるので、専用の栓を用いる必要がなく、工程を簡単化できる。
その注入通路53における溶融石鹸4を、キャビティ52における溶融石鹸44よりも先に固化させる方法は特に限定されず、第3実施形態に例示した方法を採用できる。
【0024】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、成形型の形状は任意に定めることができ、また、成形型を3つ以上の部材から構成するようにしてもよい。
【0025】
【比較例】
図9は第1比較例を示す。第1実施形態との相違は、気泡群を含有しない通常の石鹸を、第1実施形態と同様に製造する点にある。この場合、溶融石鹸を気密状に密閉されたキャビティ2内で固化しても、固化時の収縮により、石鹸104′は成形部1の内面から離反し、石鹸104と成形型1の内面との間に真空部Sが生じる。図10は第2比較例を示す。第3実施形態との相違は、気泡群を含有しない通常の石鹸を、第3実施形態と同様に製造する点にある。この場合、溶融石鹸を気密状に密閉されたキャビティ2内で固化すると、固化された石鹸104′は成形型1の内面から離反し、注入通路3において固化した石鹸はキャビティ2内に引き込まれる。
これは、通常の石鹸は気泡群を含有しないため、固化工程において低密度石鹸のような気泡内圧の減少作用がなく、固化する際の収縮力が低密度石鹸よりも大きくなり、成形型1の内面から固化された石鹸が離反することによる。この場合、固化された石鹸104′の表面が粗くなるのを防止できず、また、所望形状に成形することもできない。なお、第1形態と同一部分は同一符号で示す。
【0026】
【発明の効果】
本発明方法によれば、空洞や凹みがなく、表面がなめらかで、所望形状の低密度石鹸を歩留りを悪化させることなく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)〜(4)は本発明の第1実施形態の低密度石鹸の製造手順を示す図
【図2】(1)〜(4)は本発明の第2実施形態の低密度石鹸の製造手順を示す図
【図3】本発明の第1変形例の成形型の(1)は分解斜視図、(2)は組立状態での斜視図
【図4】本発明の第2変形例の成形型の(1)は断面図、(2)は斜視図
【図5】本発明の第3変形例の成形型の断面図
【図6】(1)〜(4)は本発明の第3実施形態の低密度石鹸の製造手順を示す図
【図7】(1)〜(5)は本発明の第4実施形態の低密度石鹸の製造手順を示す図
【図8】(1)〜(4)は本発明の第5実施形態の低密度石鹸の製造手順を示す図
【図9】第1比較例に係る石鹸製造方法を示す断面図
【図10】第2比較例に係る石鹸製造方法を示す断面図
【符号の説明】
1、11、21、31、51 成形型
2、12、22、32、52 キャビティ
3、13、23、33、53 注入通路
3a、13a、23a、33a、53a 注入口
4 溶融石鹸
4′ 低密度石鹸
5、15、25、55 栓
35 シート
Claims (4)
- 気泡群を含有する溶融石鹸を成形型のキャビティ内で固化させる工程を有する見掛け比重が1未満の低密度石鹸の製造方法において、
その固化工程を、気密状に密閉されたキャビティ内で行い、
その成形型として、その固化工程において変形することのない剛性を有するものを用いることを特徴とする低密度石鹸の製造方法。 - その溶融石鹸を、キャビティだけでなく、溶融石鹸注入口とキャビティとの間の注入通路に注入し、その注入口を閉鎖する栓により注入通路における溶融石鹸をキャビティ内に押し込むことで、キャビティ内の溶融石鹸を加圧した状態でキャビティを気密状に密閉し、しかる後にキャビティにおける溶融石鹸を固化させる請求項1に記載の低密度石鹸の製造方法。
- 気泡群を含有する溶融石鹸を成形型のキャビティ内で固化させる工程を有する見掛け比重が1未満の低密度石鹸の製造方法において、
その固化工程を、気密状に密閉されたキャビティ内で行い、
その成形型として、その固化工程における石鹸の収縮に伴いキャビティ容積が減少するように、少なくとも一部が変形可能なものを用い、
その成形型が固化工程において予め定めた形状に変形するように、その成形型の変形し易さを場所により異なったものにすることを特徴とする低密度石鹸の製造方法。 - その溶融石鹸を、キャビティだけでなく、溶融石鹸注入口とキャビティとの間の注入通路に注入し、その注入通路における溶融石鹸を固化させることでキャビティを気密状に密閉し、しかる後にキャビティにおける溶融石鹸を固化させる請求項1または3に記載の低密度石鹸の製造方法。
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