JP3546751B2 - プラズマディスプレイ装置の製造方法およびプラズマディスプレイ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイ装置(プラズマディスプレイパネル、PDP)の製造方法、特にPDPを構成する前面板に形成された誘電体膜に発生した欠落欠陥(ピンホール欠陥)を修正して除去した、高信頼度の前面板を有するプラズマディスプレイ装置の製造方法、及びプラズマディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
PDPを構成する前面板は、ガラス基板上に透明電極とバス電極がパターニングされ、その上に誘電体膜とMgO膜が形成されている。この前面板の製造工程において、誘電体膜の形成はガラスペーストのスクリーン印刷、乾燥、焼成などの工程を経るが、焼成後の誘電体膜には部分的に誘電体が欠けているピンホール、あるいは中に空孔が残留するボイドなどの欠落欠陥が発生する場合がある。このまま前面板を完成させ、背面板と組み立てると、誘電体を形成した面(正確にはその上にMgO膜が形成されているが)がプラズマにさらされる。この時、誘電体膜が薄かったり、電極が露出していると、プラズマから放電を生じ、大電流が流れるため、バス電極を焼損してしまう問題があった。
【0003】
また、完成直後に放電を起こさない場合には、長時間の使用により劣化が進み、やはり放電を起こしてして断線してしまう可能性が極めて高い。このことは、信頼度の低い商品が顧客に渡ってしまうことを意味する。
【0004】
このため、従来は完成直後に通常の使用電圧より高い電圧を印加して一定時間動作させ、欠陥のあるパネル、あるいは将来欠陥となるパネルを予め強制的に不良とし、不良を起こさなかった高信頼度品のみを選別して出荷していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術によれば、欠陥品、あるいは欠陥となる可能性のあるパネルは破壊(一般的には電極の焼損により線欠陥、即ち断線を起こした先が線状に発光しない欠陥となる)されてしまうため、低信頼度品が商品として出荷されることはない。しかしながら、この方法では欠陥品あるいは欠陥となる可能性のあるパネルを全て不良としてしまうため、製造歩留まりが低く、結果的に製造コストを増大させてしまう問題があった。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点を解決し、欠陥のない誘電体膜を有する前面板を有するプラズマディスプレイ装置を高歩留まりで製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した従来技術の問題点を解決して目的を達成するために、誘電体膜が印刷・乾燥・焼成の工程を経て形成された後で検査を行い、検出されたピンホール、ボイドなどの欠落欠陥を修正することで、信頼度の高いプラズマディスプレイ装置を製造することができる。
【0008】
具体的には、誘電体膜を印刷・乾燥・焼成した後、MgO膜形成前に検査を行い、検出されたピンホール、ボイドなどの欠落欠陥に対して、修正用のペーストを充填することで修正する。ここで、ガラスペースト乾燥後はパルスレーザによる加工が容易であるから、修正用ガラスペースト充填し乾燥した後に凸形状となった場合には、パルスレーザで凸部を除去し、少なくとも充填したペーストを加熱・焼成することで、欠落欠陥を修正することができる。
【0009】
前面板を欠落欠陥修正後に次の工程に流す事により、最終的には欠陥のない前面板が完成し、背面板と張り合わせることにより信頼性の高いプラズマディスプレイパネルが完成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明のプラズマディスプレイパネルを構成する前面板の製造方法の第1の実施例について、図を用いて詳細に説明する。
【0011】
図1は、前面板の構成を示している。即ち、1.5〜3mm厚さの前面板ガラス基板1上にITO(インジウム−スズ酸化物)で形成された透明電極2、Ag、Au、Al、Cu等の金属でバス電極3が形成され、その上にガラスペーストを印刷・乾燥・焼成し、厚さ15〜30ミクロン程度の誘電体膜4と安定に二次電子を放出させるのに有効な膜厚1ミクロン以下のMgO膜5が形成されている。
【0012】
ここで使用されるガラスペーストは、ガラスの微粒子と有機成分からなるバインダと有機溶媒からなる高粘度の液体材料である。誘電体膜4形成後(ガラスペースト焼成後、MgO膜形成前)に検査を行うと、図2にその断面を示すように、浅い欠陥6、穴径が大きく深い欠陥7、電極の一部が露出した欠陥8、気泡が誘電体膜内に残留した欠陥9、穴径が小さくて深い欠陥10等の、誘電体膜が欠落した欠陥が発生している場合がある。大きさは直径数ミクロンから数10ミクロンの範囲で、発生場所もランダムである。
【0013】
これら欠落欠陥の発生原因としては
1)誘電体膜印刷時あるいは乾燥時のガラスペースト面の傷
2)印刷時に巻き込み、残留した気泡
3)誘電体用ガラスペーストに巻き込まれていた有機系異物の熱分解により発生した気泡
4)焼成時に軟化したガラスペーストをはじく異物(汚染)の残留
等が考えられる。発生した欠陥はボイド、あるいはピンホールと呼ばれるが、ここでは全て欠落欠陥と称する。
【0014】
これらの欠落欠陥のうち、程度にもよるが、浅い欠陥6は致命的な欠陥ではなく、製品の品質への影響は小さいため、一般的には修正する必要はない。
【0015】
電極の一部が露出した欠陥8が存在すると、この前面板に張り合わされる背面板に形成された隔壁(リブ)との位置関係にもよるが、そのまま完成させてパネルを点灯させた場合、発光したプラズマから放電が発生し、露出している電極に大電流が流れて、電極を焼損する可能性が極めて高い。この場合、焼損した電極から先はプラズマが発生しないため、線状に発光しない線欠陥となり、パネル(プラズマディスプレイ装置)は不良品になってしまう。そこで、欠陥8が生じた前面板は不良として廃棄する。そのため、前面板の製造歩留まりが低下し、製造コストは増大する。
【0016】
電極が露出しないまでも、深い欠陥7、10及び、気泡が誘電体層内に残留した欠陥9の場合には、残留している誘電体膜の厚さにもよるが、欠陥8と同様に、発光したプラズマから放電が発生し、誘電体膜を破壊して大電流が流れ、電極を焼損してパネルが不良品になってしまう場合がある。あるいは、すぐには残留している誘電体層が破壊されずに、経時的に劣化が進み、最終的には破壊されて電極の焼損を引き起こして不良品となる場合もある。
【0017】
このように、欠陥7、10あるいは欠陥9が存在するパネルは、一般的な点灯検査では不良品にならず、製品がユーザに渡って時間が経過してから不良品になる場合があり、このことは、信頼性の低い製品が顧客に渡ることを意味する。これを避けるため、誘電体膜形成後に検査を行い、致命的か否か判定できない欠陥のある前面板は、廃棄することなくそのまま完成させる。そして、点灯検査時に通常の使用条件より印加電圧を高くする等、通常に比べて過酷な条件で一定時間点灯させ、将来不良となる恐れのあるパネルは予め不良品にしてしまい、不良とならなかったパネルだけを製品として出荷する選別を行う。
【0018】
これによって選別された製品は信頼性を確保できるが、将来不良となる可能性のあった製品は不良品として廃棄されるため、欠陥のあった前面板と組み合わせた背面板まで廃棄することになり、結果的に製品の歩留まりが低下し、製造コストの大幅な増加をもたらす。
【0019】
そこで、図2に示した欠落欠陥7、8、9、10が発生した場合、下記の要領で修正を行い、製品の信頼性を向上させるとともに、製造歩留まりをも向上させ、製造コストを低減する。
【0020】
まず、誘電体層を印刷・焼成した前面板の外観を光学的に検査する外観検査装置(図示せず)を用いて、欠落欠陥6、7、8、9、10を検出する。ここで、外観検査装置を用いた前面板の外観を光学的に検査する方法は、前面板の表面で、欠落欠陥の個所に生じた凹凸により、反射光量や光の屈折に周囲との差が生じることを利用して行う。すなわち、前面板を落射照明または斜方照明により照明し、前面板のこの照明された面からの反射光を対物レンズ又は集光レンズを介して検出する。そして、検出した光学像または光量に基いて、欠陥を見つける。見つけた欠陥は、前面板の所定の位置(例えば、アライメントマーク)を基にした座標系上の位置座標データとして、例えば、基板の製造番号、欠陥の種類等のデータと一緒に、例えばフロッピディスク、磁気テープ等の磁気媒体に記録するか、あるいはデータをLAN等の通信手段によりホストコンピュータに送り、記憶させる。欠陥がない場合にも、その旨の情報を記憶させる。
【0021】
検査後、欠落欠陥のある基板はデータを記録した媒体(例えばフロッピディスク)と共に、あるいはデータはLAN等を介して別途、修正装置に送られる。
【0022】
図3に、修正装置の構成を示す。この修正装置は、欠陥部に修正用ガラスペーストを塗布するための針11を上下に駆動するための駆動機構12、修正用ガラスペーストを格納した容器を保持するための容器保持部13とその駆動部14から構成されるペースト微量供給機構、余剰部を除去するためのパルスレーザ光15を発振するレーザ発振器16、パルスレーザ光15の集光と基板表面の観察・位置決めを行うための対物レンズ17とTVカメラ18等で構成される光学系等を保持する門型のフレーム20、テレビモニタ19、基板1を載置・移動するためのステージ21、ペーストを乾燥させるための乾燥機構22、異物などを除去するためのガス吹き付け機構23、吹き飛ばされた異物やレーザ加工時の飛散物を吸引するためのダクト機構24、異物などの付着原因となる静電気を除去するための除電機構(図示せず)、検査装置からの座標データに従ってステージ21を駆動するための制御部25から構成されている。
【0023】
パルスレーザ発振器16としては、パルス励起YAGレーザ基本波あるいはその高調波が好適であるが、炭酸ガスレーザ、キセノンレーザ、クリプトンレーザ等のパルス発振光および連続発振光をパルス化したものを使用することが可能である。また、修正のために塗布したガラスペーストを局所的に焼成するための連続発振炭酸ガスレーザ発振器40をパルスレーザ発振器16とは別な光軸に設置し、局所的に焼成を行う場合には炭酸ガスレーザ光41が照射される位置にステージ21を移動させ、連続発振炭酸ガスレーザ光41を対物レンズ42で集光して照射する。
【0024】
修正用ガラスペーストとして、誘電体膜形成用と同一組成(塗布性確保のため、溶媒の増減による粘度調整を行う必要のある場合もある)のペーストを使用することもできるが、それに限定されるわけではない。誘電体膜の焼成温度より低い温度で焼成可能なガラスペーストがより好適である。通常、誘電体膜は焼成温度が530〜600℃のものを使用するが、修正用ガラスペーストとしては焼成温度が500℃以下となるように調整されたものが適している。
【0025】
ここで、図3に示した修正装置を用いて、誘電体膜焼成後の検査で検出された欠落欠陥を修正する場合の手順について、図4に従って説明する。図4(a)は欠陥の存在する前面板の断面を示している。即ち、ガラス基板1上に透明電極2、バス電極3が形成された後、誘電体膜4が形成されているが、その一部が欠損した欠陥51が存在する。このガラス基板1は、図示しない外観検査装置で検査されて、欠陥51が検出され、欠陥51の位置座標データが、フロッピーデイスクや磁気デイスク等の記憶媒体またはLAN等の通信回線を通して、図3に示した修正装置に送られてくる。図3に示した修正装置では、外観検査装置からの欠陥の位置座標データに従い、検査装置と同じ基準マーク(例えば、アライメントマーク)を基にした座標(基準マークが異なる場合には、必要に応じて座標を変換して)で、順次欠陥をTVカメラ18の視野内に位置させ、モニタテレビ19画面上に欠陥51を含む画像を表示する。モニタテレビ19画面上での観察位置とペースト塗布位置との距離は予めわかっており、モニタ19上のカーソルで塗布位置が示される。このモニタ画面上でカーソルを欠陥51の位置に合わせ、欠陥51の大きさを確認する。
【0026】
修正装置は処理装置25の指示に従い、駆動装置14により修正に使用するガラスペーストを格納してある容器に針11を下降させて、針11の先端に修正用ガラスペースト31を付着させた後、針11を上昇させて、待機している。
【0027】
その後、予め設定された量だけステージ21が移動し、観察位置にあった欠陥51が塗布用針11直下に位置決めされる。欠陥51が針11の直下に来ると、図4(a)に示すように駆動機構12により修正用ガラスペースト31の付着した針11を下降させ、欠陥部に接触させる。このとき、針11に付着していた修正用ガラスペースト31の一部が欠落欠陥51に付着し、必要に応じて複数回繰り返すことで、図4(b)に示すように欠陥51が修正用ガラスペースト32により埋められる。
【0028】
修正用ガラスペースト塗布に使用する針11は、先端径が5〜10ミクロン、先端角(全角)が10〜20度の金属製で、タングステン、モリブデンなどの安定で硬い材質が望ましい。また、修正用ガラスペーストとして、誘電体膜の材料と同じものでも良いが、誘電体膜より低い温度で焼成できるものの方がより望ましいく、ガラスペーストの粘度を10000〜数10000cpsに調整したものが適している。
【0029】
修正部に塗布されたガラスペースト32の高さは、焼成後で正常な誘電体膜と同じ高さが望ましいが、現実には極めて難しい。塗布した段階では、付着したガラスペーストの量により、修正部32は正常な誘電体膜と同じ高さになったり、膨らんだり、あるいは凹んだりする。凹んでいる場合には上に述べた手順を繰り返して再度塗布することにより、ガラスペースト32が正常リブと同じ高さか、あるいは膨らんだ形状にする。
【0030】
ここで述べた修正用ガラスペースト塗布後の形状は、図3のスリット光照明部90により、図5あるいは図7に示すように、光切断線の手法を用いて、即ち、斜め方向から線状に集光した光63を修正用ガラスペーストの塗布部に照射し、この光63が照射された塗布部を真上の方向からTVカメラ18で撮像することで、検出することができる。このとき、TVカメラ18で撮像して得られる線状に集光した光63の像は、塗布した修正用ガラスペースト62が、図5に示すように、正常な誘電体膜(周辺の平坦部)61より凸の場合、TVカメラ18で撮像して得られる線状に集光した光63の像は、図6に示すように、平面部より光源側にずれる。また、修正用ガラスペースト64が、図7に示すように、正常な誘電体膜(周辺の平坦部)61より凹の場合、TVカメラ18で撮像して得られる線状に集光した光63の像は、図8に示すように、平面部より光源の反対側にずれる。
【0031】
これらのずれ量と線状に集光した光63の照射角度から、塗布した修正ガラスペーストの高さを算出することができる。ここで、線状に集光した光63としては、シリンドリカルレンズの組み合わせでビーム径を広げ、かつ線状に集光した可視波長のレーザ光、例えばHe−Neレーザ、Arレーザ、He−Cdレーザ、YAGレーザ第二高調波などが望ましい。あるいは、微細に集光したレーザスポットを直線状に走査しても良い。
【0032】
このほか、修正用ガラスペースト塗布後の形状は、共焦点顕微鏡を使用することで検出することができる。また、集光したレーザスポットの集光状態をモニタすることで高さを検出するレーザ変位計を使用することで検出することができる。こうして、修正用ガラスペーストの高さを確認しながら、周辺の平坦部61と同じ高さ、あるいは凸形状になるように塗布する。
【0033】
塗布後、乾燥機構22により、塗布されたガラスペースト32を乾燥する。図3には乾燥機構として示してあるが、温風吹き付け、ランプ加熱、連続発振レーザ光(望ましくは連続発振炭酸ガスレーザ光)の照射などが適用可能である。いずれの場合も、概ね200度を超えない範囲、望ましくは150度程度で、1〜10分程度の時間、加熱して乾燥する。
【0034】
乾燥後、前述した方法でスリット光照明部90により斜方から線状の光を照射し、光照射部分をTVカメラ18で撮像して修正用ガラスペーストの高さを検出し、ペースト塗布部が大きく凸形状となっている場合にはパルスレーザ発振器16を作動させて、パルスレーザ光15により凸部の除去加工を行う。図3には詳細を示していないが、レーザ光路の途中に設けられた可変スリットでレーザ光15を矩形に整形して照射することにより、任意の矩形に加工が行え、高精度な修正が実施できる。加工部から発生する飛散物は、ガス吹き付け機構23により吹き付けられる清浄なガスによりダクト機構24の吸引口に運ばれ吸引・排除されるため、基板の他の部分を汚染することはない。
【0035】
尚、形状修正の対象である乾燥後のガラスペーストは焼成前であるため、パルスYAGレーザの基本波を使用した場合でも比較的低いレーザ出力密度、例えば1平方センチ当たり数ジュールのエネルギ密度で除去加工が可能である。このため、欠陥の下に存在する、すでに焼成された誘電体膜4、ガラス基板1およびバス電極3にレーザ光15が照射されたとしても、何らのダメージが発生することがなく、修正用ガラスペーストのみの加工が可能である。
【0036】
形状修正用レーザとしてはパルス幅が100ns以下(望ましくは10ns以下)で、エネルギ密度で平方センチ当たり数ジュールが適している。また波長としては基本波(波長1.06ミクロン)第二高調波(波長0.532ミクロン)第三高調波(波長0.355ミクロン)第四高調波(波長0.266ミクロン)のいずれも適している。この形状修正用レーザとして、パルスYAGレーザで説明しているが、パルスYAGレーザに限定されず、印刷・乾燥したガラスペーストを除去できるレーザであれば、種類を問わない。
【0037】
上に述べた形状の確認を行いながら、乾燥した修正用ペーストが、周辺の平面部と同じか、焼成による収縮分を見込んだ凸形状となった時点で、形状の修正を終了する。形状の修正が終了すると、XYステージ21を観察光学系と炭酸ガスレーザの光軸のズレ分だけ駆動し、炭酸ガスレーザ発振器40から炭酸ガスレーザ光41を発振させて、レンズ42で集光し、乾燥後のガラスペーストに照射する。これにより、修正用ガラスペーストを局所的に焼成する事ができ、図4(c)に示すように、表面が周囲に対して少し窪んだ形状に整形されて、誘電体膜4に発生した欠落欠陥51を完全に修正することができる。
【0038】
同一基板内に複数の欠陥が存在する場合には、順次同じ手順に従い、すべての欠陥を修正する。また、修正用ガラスペーストの塗布・乾燥と形状の修正を終えた後、炭酸ガスレーザで局所的に焼成するのではなく、電気炉で基板全体を再度焼成しても良い。特に、一枚の基板に多数の欠落欠陥がある場合はスループット上、有利である。この場合、焼成は修正用ガラスペーストの焼成温度で行うため、誘電体膜形成時の焼成温度より低く、既に焼成された誘電体膜やガラス基板に悪影響を及ぼすことはない。
【0039】
次に、上に述べた誘電体膜の一部が欠落した欠陥51を修正する、第2の実施例について説明する。
【0040】
図9は本発明である断線欠陥修正方法を実施するのに好適な別な修正装置の構成を示す図である。本装置は定盤111、定盤111上に固定された門形フレーム112、被修正物である前面板113を設置しXYに駆動するためのステージ115、連続発振レーザ光118を発生させる炭酸ガスレーザ発振器116及びパルスレーザ光119を発生させるYAGレーザ発振器117から発振されたレーザ光118、119の集光・照射と前面板113の観察、位置決めを行うための門形フレーム112に固定された光学系121、修正用ガラスペーストを塗布するためのガラスピペット123とそれを固定するためのホルダ124、ガラスピペット123をXYZ方向に位置決め・駆動するためのマニピュレータ125、ガラスピペット123内に窒素などの圧力を印加するためのインジェクタ126と配管127、修正用ガラスペーストを格納した蓋付き容器(図示せず)、清浄な気体を吹き付けるための配管131とフィルタ132とノズル133とバルブ134、および全体の制御を行うための制御装置135から構成されている。また、光学系121は落射照明装置141、レーザ光119を任意の大きさの矩形に成形するための可変スリット143、レーザ光119と照明光を結合するためのミラー144、対物レンズ145、位置決め、観察するためのTVカメラ146、モニタ147、TVカメラ146からの画像信号を処理するための画像処理装置148から構成されている。
【0041】
ここで、主な部分の機能を説明する。定盤111はその上に設置するものを固定するためのもので、実施に当たっては十分な剛性を有するフレーム構造でも良く、床からの振動を遮断するための防振機構(図示せず)を設置することが望ましい。また、門形フレーム112は主に光学系121を固定保持するためのもので、十分な剛性を有する。ステージ115は上に搭載する前面板113全面を走査できるストロークを有し、必要に応じて前面板113を搬送ロボットなどで自動的に着脱する位置へ搬送できるストロークを有する。
【0042】
炭酸ガスレーザ発振器116は前面板113上の欠落欠陥部に塗布した修正用ガラスペーストを焼成するためのレーザ源として使用する。YAGレーザ発振器117は前面板113上の欠陥部に塗布した修正用ガラスペーストの形状トリミングに使用する。発振器117から発振したパルスYAGレーザ光119は光学系121で集光・照射されるが、矩形スリット143で任意の大きさの矩形に成形され、対物レンズ145により前面板113上に対物レンズ145の倍率の逆数の大きさで投影照射される。また、発振器116から発振された炭酸ガスレーザ光118はパルスYAGレーザ光119とは別な光軸(図示せず)で前面板113に照射される。
【0043】
マニピュレータ125はガラスピペット123の先端を、修正すべき欠陥位置に位置決めしたり、修正用ガラスペーストのガラスピペット123内への充填とガラスピペット123先端の乾燥防止のためにガラスピペット123先端を修正用ガラスペースト格納容器内のガラスペーストに浸漬させたりするために用いる。そして、制御装置135はステージ115およびマニピュレータ125の駆動、修正用ガラスペースト格納容器の蓋の開閉、レーザ発振器116、117のon−off、矩形スリット143の駆動、インジェクタ1読み取り、修正結果データの送信などの制御を行う。
【0044】
以下に前面板表面の誘電体膜の一部が欠落している欠陥、即ち欠落欠陥を修正する場合を例に、詳細に述べる。外観検査装置(図示せず)を用いて、欠陥を検出してその結果の情報を出力する方法は、前述した第1の実施例の場合と同じである。この外観検査装置により欠落欠陥が検出された前面板113を、搬送ロボット(図示せず)などにより修正装置に搬送し、ステージ115上に載置する。一方、外観検査装置で検出された欠陥位置情報を磁気記憶媒体を介して、或いはネットワークを介して受信し、その情報に基づいてステージ115を駆動して光学系121の視野内に欠陥位置を再現する。
【0045】
この外観検査装置は別置きとして、検査結果のみを通信しても良いし、修正装置に検査部を設置して一つの装置で検査と修正の両方を実施しても良い。一般的に別置きの場合、高価なクリーンルーム内に広い面積を必要とするが、大量の基板を検査修正する場合には適している。一方、検査機構と修正機構を一つの装置にまとめた場合はスループットの点では劣るが、専有する面積が低減でき、検査と修正を交互に実施するため、基板とデータの不一致が生じる恐れがなく、基板ハンドリングの回数が少なくなるなどの利点もある。
【0046】
その後、自動焦点機構(図示せず)により光学系121全体をZ方向に移動して、前面板113表面にピントを合わせる。ステージ115により基板113をZ方向に移動させても良い。ここで、TVカメラ146とモニタ147で再現された欠落欠陥を観察して、修正可能な欠陥であるか否かを判断し、修正可能と判断されれば欠陥部を修正用ガラスペーストの塗布を行うべき位置を視野中央に合わせる。
【0047】
ガラスピペット123の先端は、図示しない修正用ガラスペースト格納容器内のペースト中に浸漬されている。これは、ピペット123内に修正用ガラスペーストを毛細管現象を利用して充填するためと、先端の乾燥を防止すると共にガラスピペット123の先端状態を常に一定に保つためである。この状態から格納容器の蓋を開き、マニピュレータ125を駆動してガラスピペット123を取り出し、蓋を閉じると共に予め設定されている位置、通常はガラスピペット123の先端を光学系121の視野中央で、例えば基板113表面上50ミクロンの位置に位置決めする。この状態では、欠落欠陥上にガラスピペット123の先端が観察される。対物レンズ145の倍率によっては、ガラスピペット123の像がぼけて見える場合もあるが、それでも良い。
【0048】
この状態から、ガラスピペット123を徐々に降下させると、やがて図10に示すように、ガラスピペット123先端は欠落欠陥51に接触する。更に降下させると、ガラスピペット123の先端が弾性力によりたわみ、観察視野の中で先端方向にシフトする。このシフトを観察することで、ガラスピペット123先端が前面板に接触したことを確認できる。
【0049】
このガラスピペット123先端の基板113表面への接触の検出、即ちガラスピペット123先端のシフトは、TVカメラ146で撮像した信号を画像処理装置148で処理することで容易に自動的に検出することが出来る。即ち、ガラスピペット123が一定距離、例えば2ミクロン降下する度に画像を取り込んで、一つ前の画像と比較し、差が生じた場合にガラスピペット123が画面内でシフトしたと見なすことが出来る。このシフト量を検出して一定に保つことで、あるいはピペット123先端が欠落欠陥51に接触したことを検出してから一定距離の降下を行うことで、ガラスピペット123の基板113への接触状態を一定に保つことができる。
【0050】
接触を確認後、インジェクタ126で予め設定してある圧力の窒素の供給を開始する。この窒素圧により、ガラスピペット123内に充填されている修正用ガラスペースト150がピペット123先端から押し出され、欠落欠陥内に接触・付着する。その状態を保ちながら、一定圧力の窒素をガラスピペット123内に印加して修正用ガラスペースト150を押し出し、欠落欠陥を埋める。ここで使用するガラスピペット123は、使用する修正用ガラスペーストの粘度にもよるが、先端内径を5〜10ミクロン程度に成形したものが適しており、ガラスペーストの粘度としては数1000〜10000cpsが適している。修正用ガラスペーストとしては誘電体膜と同じものを使用することもできるが、焼成温度が誘電体膜に使用したガラスペーストより低いものが望ましい。
【0051】
修正用ガラスペースト150を塗布後、第1の実施例と同じように、スリット光照明部90により斜方から線状の光を照射し、光が照射された部分を含む領域をTVカメラ146で撮像して修正用ガラスペーストの高さを検出し、修正用ガラスペースト150の凹凸を確認し、凹んでいる場合には修正用ガラスペースト150を追加塗布し、少なくとも凸形状をなすようにする。その後、図には示していないが、温風、ランプ加熱あるいは炭酸ガスレーザ発振器116から発振したレーザ光118で修正用ガラスぺーストを乾燥する。いずれの場合も、概ね200度を超えない範囲、望ましくは150度程度で、1〜10分程度の時間、加熱して乾燥する。
【0052】
乾燥後、修正用ガラスペースト151の凸部が大きすぎる場合には、パルスYAGレーザ発振器117から発振したレーザ光119で修正用ガラスペースト151の除去加工を行う。加工対象であるガラスペーストは焼成前であるため、パルスYAGレーザの基本波を使用した場合でも比較的低いレーザ出力密度、例えば1平方センチ当たり数ジュールのエネルギ密度で除去加工が可能である。このため、欠陥の下に存在する、すでに焼成された誘電体膜4、ガラス基板1およびバス電極3にレーザ光が照射されたとしても、何らのダメージが発生することがなく、修正用ガラスペースト151のみの加工が可能である。
【0053】
加工用レーザとしてはパルス幅が100ns以下(望ましくは10ns以下)で、エネルギ密度で平方センチ当たり数ジュールが適している。また波長としては基本波(波長1.06ミクロン)第二高調波(波長0.532ミクロン)第三高調波(波長0.355ミクロン)第四高調波(波長0.266ミクロン)のいずれも適している。この加工用レーザとして、パルスYAGレーザで説明しているが、パルスYAGレーザに限定されず、印刷・乾燥した修正用ガラスペーストを除去できるレーザであれば、種類を問わない。
【0054】
形状修正を終了後、修正用ガラスペーストに連続発振炭酸ガスレーザ光118を照射することにより局所的な焼成を行い、欠落欠陥の修正を終了する。同一基板内に別な欠落欠陥がある場合は、上に述べた修正手順を繰り返して修正を行う。また、修正用ガラスペーストの塗布・乾燥と形状の修正を終えた後、電気炉で再度基板全体を焼成しても良い。この場合、焼成は修正用ガラスペーストの焼成温度で行うため、誘電体膜形成時の焼成温度より低く、既に焼成された誘電体膜やガラス基板に悪影響を及ぼすことはない。
【0055】
次に、誘電体膜内に気泡が残留している欠陥の場合、即ち図2に示した欠落欠陥9を修正する場合について述べる。欠落欠陥9のような気泡も、第1及び第2の実施例で説明したような外観検査装置を用いて検出することができる。外観検査装置で検出した欠落欠陥9の位置情報に基いて、第1及び第2の実施例で説明した修正装置上で欠落欠陥の位置をTVカメラ18または146の視野内に再現して、欠陥部の修正を行うことができる。しかし、気泡である欠落欠陥9は、図11(a)に示したように表面に開口部が無く閉じているため、そのままでは気泡内に修正用ガラスペーストを塗布することができない。そこでレーザ光71を照射して、気泡を形成している誘電体膜の一部を除去し、図11(b)に示すように、気泡である欠落欠陥9に開口部を形成して、図2の欠落欠陥8又は7と同じような形状の、欠落欠陥72として整形する。この時、誘電体膜は焼成済みのため、可視光及び近赤外波長は透過してしまうので、レーザ光71としては、遠赤外波長の炭酸ガスレーザが望ましく、除去加工を行う観点から、パルス光がより好適である。即ち、図3に示したレーザ発振器16、又は図9に示したレーザ発振器117から発信されたパルスレーザ光15または119を、レーザ光71として用いて加工することができる。尚、連続発振炭酸ガスレーザ光を照射することにより誘電体を溶融させ、気泡を形成している誘電体膜を破砕するか、溶融した誘電体を気泡底部へ流動させることにより開口した欠落欠陥72を整形しても良く、この場合には、図3に示した連続発振炭酸ガスレーザ発振器40または図9に示した連続発振炭酸ガスレーザ発振器116から発信された連続発振炭酸ガスレーザ光15または118を、レーザ光71として用いて整形することができる。
【0056】
図11(b)に示すような形状に開口を形成した欠落欠陥72に対しては、第1及び第2の実施例で述べた方法に従って修正用ガラスペーストの局所的な塗布・乾燥を行い、必要に応じて形状の修正を行った後、最後に修正用ガラスペーストを焼成して、誘電体膜欠落欠陥の修正が終了する。
【0057】
外観検査装置で検出した、図2に示すような微細な径で深い欠落欠陥10を修正する場合、そのまま修正用ガラスペーストを塗布すると開口部入口をふさぐだけで、欠陥10内にガラスペーストを充填でないが、上に述べたのと同じ方法で修正することができる。即ち、レーザ光71を照射して、微細な径で深い欠落欠陥を形成している誘電体膜の一部を除去または溶融して、図11(b)に示すような、穴径の小さい深穴欠落欠陥10を、塗布針あるいはマイクロディスペンサで修正用ガラスペーストを塗布できる程度の通常の欠落欠陥7または8と同じような開口部を有する欠落欠陥72(図11(b)に示したものと同様の)として整形する。この時、誘電体膜は焼成済みのため、可視波長及び近赤外波長は透過してしまうので、遠赤外波長の炭酸ガスレーザが望ましく、除去加工を行う観点からは、パルス光がより好適である。
【0058】
図11(b)に示す形状に整形した後、第1及び第2の実施例で述べた方法に従って修正用ガラスペーストの局所的な塗布・乾燥を行い、必要に応じて形状の修正を行った後、最後に修正用ガラスペーストを焼成して、誘電体膜欠落欠陥の修正が終了する。
【0059】
上記した方法により誘電体膜の欠落欠陥を修正した後、前面板にはMgO膜を形成し、別途製作した背面板と組み立て、内部の真空排気、Ne−Xe混合ガスの供給、駆動回路を取り付等の工程を経て、プラズマディスプレイ装置が完成する。
【0060】
【発明の効果】
以上、説明してきたように、本発明によれば前面板の製造途中、即ち誘電体膜焼成後、MgO膜形成前のタイミングで欠落欠陥を検査して、検出された欠落欠陥を修正する工程を経るため、誘電体に欠陥のない信頼性の高いプラズマディスプレイ装置を製造することができる。
【0061】
また、本発明によれば、前面板の製造途中、即ち誘電体膜焼成後、MgO膜形成前のタイミングで欠落欠陥を検査して、検出された欠落欠陥を修正する工程を経るため、前面板の歩留まりを向上することができる。さらに、プラズマディスプレイ装置完成後の検査での不良を低減できるので、不良になったこれにプラズマディスプレイ装置に使用されている背面板を無駄に廃棄することがなくなり、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の対象となるプラズマディスプレイ用前面板の構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の修正対象である欠落欠陥を有する前面板の断面図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施例の修正装置の概略構成を示す正面図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施例の修正手順を説明する前面板の断面図である。
【図5】図5は、本発明で修正した部分の凸部を検出した例を示す斜視図。
【図6】図6は、本発明で修正した部分の凸部を検出した例を示す平面図。
【図7】図7は、本発明で修正した部分の凹部を検出した例を示す斜視図。
【図8】図8は、本発明で修正した部分の凹部を検出した例を示す平面図。
【図9】図9は、本発明の第2の実施例の修正装置の概略構成を示す正面図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施例の修正手順を説明する前面板の断面図である。
【図11】図11は、本発明による気泡欠陥を修正する手順を説明する前面板の断面図である。
【符号の説明】
1‥‥前面板基板 2‥‥透明電極 3‥‥バス電極 4‥‥誘電体膜 5‥‥MgO膜 6、7、8、9、10‥‥欠落欠陥 11‥‥塗布針 12‥‥上下駆動機構 15、119‥‥パルスレーザ光 16、117‥‥パルスレーザ発振器 17、109‥‥対物レンズ 18、146‥‥TVカメラ 19、147‥‥TVモニタ 21、115‥‥ステージ 22‥‥乾燥機構 23‥‥ガス吹き付け機構 24‥‥ダクト機構 25‥‥制御装置 31、32、62、64、151‥‥修正用ガラスペースト 63‥‥シート状ビーム 90‥‥スリット光照射部 123‥‥ガラスピペット 143‥‥矩形開口スリット
Claims (5)
- プラズマディスプレイ装置前面板を、誘電体膜形成後に誘電体膜の外観検査を行い欠落欠陥を検出する工程と、該検出した欠落欠陥にガラスペーストを局所的に塗布・充填する工程と、上記局所的に塗布・充填したガラスペーストを200℃より低い温度で加熱して該ガラスペーストを乾燥させる工程と、該ガラスペーストを乾燥させた箇所の形状を確認する工程と、該形状を確認したガラスペーストを加熱して焼成を行う工程とを含んで製造することを特徴とするプラズマディスプレイ装置の製造方法。
- 請求項1記載のプラズマディスプレイ装置の製造方法において、検査により検出された欠落欠陥に局所的に塗布・充填するガラスペーストが、誘電体膜を形成する際の焼成温度に比べて低い温度で焼成が可能なガラスペーストであることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の製造方法。
- 請求項1記載のプラズマディスプレイ装置の製造方法において、欠落欠陥にガラスペーストを局所的に塗布・充填する工程が、上記欠落欠陥径より小さい先端径を有する金属針先端に付着させたガラスペーストを上記欠落欠陥に付着させる工程または上記欠落欠陥径より小さい先端径を有するマイクロディスペンサにより塗布する工程であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の製造方法。
- プラズマディスプレイ装置前面板を、誘電体膜形成後に誘電体膜の外観検査を行う工程と、上記外観検査により検出された欠落欠陥にガラスペーストを局所的に塗布・充填する工程と、少なくとも上記塗布・充填されたガラスペーストを加熱して乾燥を行う工程と、乾燥したガラスペーストの形状を検査する工程と、上記乾燥したガラスペーストが余剰欠陥(正常部より余剰にガラスペーストが付着している部分)となっている場合にパルスレーザを照射して形状を修正する工程と、少なくとも塗布・乾燥したガラスペーストを焼成する工程とを含んで形成することを特徴とするプラズマディスプレイ装置の製造方法。
- 誘電体膜を形成したプラズマディスプレイ装置の前面板の外観を検査して欠落欠陥を検出し、該検出した欠落欠陥にガラスペーストを塗布して該欠落欠陥に充填し、該充填したガラスペーストを加熱して乾燥させ、該乾燥させたガラスペーストの形状を確認し、該形状を確認したガラスペーストを前記誘電体膜を形成する際の焼成温度に比べて低い温度で焼成することにより前記前面板の表面の欠落欠陥を修正し、該欠落欠陥を修正した前記前面板を用いてプラズマディスプレイ装置を組み立てることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の製造方法。
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