JP2008153024A - 微細パターン修正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微小クラックの発生しない安定した焼成結果を得ることのできる、微細パターン修正方法を提供する。
【解決手段】この微細パターン修正方法では、焼成する工程において、修正部の一方端から他方端までレーザ光の走査を繰り返すことによって修正部を焼成する。修正部において、レーザ光が照射された部分で発生した応力が、照射されていない部分に開放されるので、大きな応力は発生し難い。したがって、微小クラックの発生を防止することができる。また、レーザ光を修正部に照射するとき、レーザ光の走査速度の調整によって、修正部の温度を所定値以上に維持するために、修正部の全域をほぼ同じ温度に保ちながら焼成することができる。また、レーザ光を修正部に集光する対物レンズを移動させ、レーザ光のスポット径を小さく集光するため、より小さいレーザ出力で焼成することができる。
【選択図】図2
【解決手段】この微細パターン修正方法では、焼成する工程において、修正部の一方端から他方端までレーザ光の走査を繰り返すことによって修正部を焼成する。修正部において、レーザ光が照射された部分で発生した応力が、照射されていない部分に開放されるので、大きな応力は発生し難い。したがって、微小クラックの発生を防止することができる。また、レーザ光を修正部に照射するとき、レーザ光の走査速度の調整によって、修正部の温度を所定値以上に維持するために、修正部の全域をほぼ同じ温度に保ちながら焼成することができる。また、レーザ光を修正部に集光する対物レンズを移動させ、レーザ光のスポット径を小さく集光するため、より小さいレーザ出力で焼成することができる。
【選択図】図2
Description
この発明は微細パターン修正方法に関し、特に、基板上に形成された微細パターンの欠陥に修正ペーストを塗布し、塗布した修正ペーストからなる修正部にレーザ光を照射して焼成する微細パターン修正方法に関する。
図6は、プラズマディスプレイパネル(PDP)の構成を説明するための模式図である。図6に示すように、プラズマディスプレイパネルは、前面ガラス基板70と、リブ83を有する背面ガラス基板80とから構成されている。前面ガラス基板70と背面ガラス基板80とは、リブ83を介して固着されている。通常リブ83は、背面ガラス基板80上に一定間隔で形成されている。リブ83の谷間は、R、GまたはBの蛍光体層84で被覆されている。
図7は、図6に示すリブに発生した欠陥を示す模式図である。図7に示すように、背面ガラス基板80上にリブ83を形成する際、異物の混入や製作工程上の不具合により、リブ83の一部が欠けたリブ欠け欠陥85や、リブ83の上面に突起欠陥86が発生する場合がある。このような欠陥85、86は、パネル点灯時に混色や暗い点を生じさせ、パネル品質を著しく低下させるので、後工程で蛍光体層84を形成する前にリブ83の修正を行ない欠陥85、86を修正する必要がある。
このような欠陥85、86の修正方法として、従来種々の方法が提案され、PDPのリブを修正する装置に応用されている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。図8は、リブ欠け欠陥の修正方法を示す模式図である。まず図8(a)に示すように、リブ83の形成された背面ガラス基板80を水平方向に移動させ、リブ欠け欠陥85が修正ペースト塗布機構の真下に来るように位置決めする。次に図8(b)に示すように、塗布針20に修正ペースト21を付着させ、リブ欠け欠陥85に塗布する。以下、リブ欠け欠陥85に塗布された修正ペースト21を修正部30と称する。
次に図8(c)に示すように、CO2レーザのような連続発振レーザ装置6によってレーザ光を修正部30に照射して乾燥させる。通常は、図8(b)(c)の工程を複数回繰り返してリブ欠け欠陥85を修正ペースト21で充填する。次いで図8(d)に示すように、パルス発振レーザ装置7によってリブ83の幅に沿ってレーザ光を照射することにより、修正部30のうちリブ83の幅からはみ出した余分な修正ペースト21をカットして分離する。
次に図8(e)に示すように、スクラッチ針22により、リブ83から分離された修正ペースト21のはみ出し部を除去する。バキューム機能を用いて、スクラッチ針22により除去された修正ペースト21のかすを吸引すれば、修正後も修正箇所を清浄状態に保つことが可能となる。なお、スクラッチ針22によらず、真空吸引によって修正ペースト21のはみ出し部を除去してもよい。
次に図8(f)に示すように、連続発振レーザ装置6によって修正部30に図8(c)の場合よりも強いレーザ光を照射し、リブ欠け欠陥85に塗布し整形した修正部30の焼成を行なう。次いで図8(g)に示すように、スピンドルに取付けられた回転砥石23により、修正部30のうちのリブ頂点からはみ出した修正ペースト21を除去する。以上の工程により、リブ欠け欠陥85の修正が終了する。
特開2000−299059号公報
特開2006−134787号公報
図8(c)に示す乾燥の工程においては、乾燥した部分が柔らかく、その上に修正ペースト21を重ね塗りする時に、塗布針20によって修正部30が崩されてしまう場合がある。このため、修正ペースト21の種類によっては、より強いレーザ光の照射による焼成の必要があり、さらに塗布と焼成とを繰り返す必要がある場合もある。また、塗布と乾燥との繰返しによって重ね塗りをした場合は、図8(f)に示す焼成する工程において、最下層まで焼成のための熱が届く必要があり、各層毎に焼成する時より大きなレーザ出力(レーザ照射装置から出射されるすべてのレーザ光の出力の合計値)を要する。
ところが、焼成時、修正部30にレーザ光によって熱が加えられると、当該部分が周辺に比べて温度が高くなり、周辺との間に温度差を生じ、これに伴い当該部分に内部応力が発生する。また加えられた熱によって溶解した修正部30が硬化するときに収縮するために、修正部30と周囲の正常なリブ83および下部の誘電体などとの間で歪を生じ、これに伴い内部応力が発生する。これらの内部応力は複合され、それが大きな場合には背面ガラス基板80、誘電体、修正部30などに微小クラックが発生するという問題がある。
また、従来の焼成においては、レーザ光のスポット径(レーザ光を被照射面に照射したときの、被照射面におけるレーザ光の直径)は、修正する欠陥全域にレーザ光を照射する必要から、φ500〜1000μm程度に設定していた。しかしこれ以上の長さを有するリブ欠け欠陥85もある(たとえば3000μm)。それに対応するため、レーザ出力を変えずにスポット径を大きくすると、エネルギー密度(レーザ光が照射される面の単位面積当たりのレーザ出力)が減少するので、修正ペースト21を溶解させることができず焼成が不十分となる場合がある。このため、修正ペースト21を溶解させるためにはレーザ出力を増加させることが必要となり、これに伴い大きなクラックが発生する率が高くなる。
さらに、PDPの背面ガラス基板80のリブ83に発生するリブ欠け欠陥85のように、横方向に長い欠陥の全域にレーザ光を照射するためには、通常レーザ光の断面形状は円形であるから、修正の必要がない部分にまでレーザ光が照射されてしまう。図9は、リブ欠け欠陥の全体にレーザ光を照射したときの模式図である。図9に示すように、リブ欠け欠陥に修正ペーストが塗布された修正部30の全体にレーザ光を照射する場合、レーザ光のスポット径33は広がり、リブ欠け欠陥のない隣接するリブ83にもレーザ光が照射される。これに伴い欠陥を有さなかったリブ83に内部応力が発生し、微小クラックが発生する場合がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、これらの微小クラックの発生しない安定した焼成結果を得ることのできる、微細パターン修正方法を提供することである。
この発明に係る微細パターン修正方法は、基板上に形成された微細パターンの欠陥に修正ペーストを塗布する工程と、塗布した修正ペーストからなる修正部にレーザ光を照射して焼成する工程とを備える。そして、焼成する工程において、修正部の一方端から他方端までレーザ光の走査を繰り返すことによって修正部を焼成する。
この場合は、修正部の一方端から他方端までレーザ光の走査を繰り返すことによって修正部を焼成するので、修正部において、レーザ光が照射されている部分と照射されていない部分がある。そのため、レーザ光が照射された部分で発生した応力が、照射されていない部分(未だ焼成されていない部分)に開放されるので、大きな応力は発生し難い。したがって、微小クラックの発生を防止することができる。
好ましくは、レーザ光を修正部に照射するとき、レーザ光の走査速度の調整によって、修正部の温度を所定値以上に維持する。この場合は、レーザ光を高速で走査することによって、修正部の全域をほぼ同じ温度に保ちながら焼成することができる。
また好ましくは、レーザ光を修正部に集光する対物レンズを移動させ、レーザ光のスポット径を調整する工程をさらに備える。この場合は、スポット径を小さく集光することができるので、このようにすればレーザ出力が小さくてもエネルギー密度は減少しない。よって、より小さいレーザ出力で焼成することができる。また、修正部の周りの余分な場所を焼成することがない。
以上のように、この発明に係る微細パターン修正方法によれば、微小クラックの発生しない安定した焼成結果を得ることができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、微細パターン修正装置の構成を示す模式図である。図1(a)は、微細パターン修正装置の全体構成を示す外観図であり、図1(b)は図1(a)のA部拡大図である。図1(a)(b)に示すように、この微細パターン修正装置は、修正対象となるプラズマディスプレイパネル用の背面ガラス基板80がその表面に載置され、背面ガラス基板80と平行な図中Y軸方向に移動するY軸テーブル1を備える。また、背面ガラス基板80と垂直な図中Z軸方向に移動するZ軸テーブル2を備える。また、Z軸テーブル2を搭載し、背面ガラス80と平行でY軸と直交する図中X軸方向に移動するX軸テーブル3を備える。
Z軸テーブル2には、背面ガラス基板80の表面に形成されたリブ83の欠陥を観察するための観察光学系4が設けられている。またZ軸テーブル2には、リブ欠け欠陥85に塗布針20を用いて修正ペースト21を塗布する修正ペースト塗布機構5が設けられている。修正ペースト塗布機構5は、たとえば特開平9−265007号公報の図8に示すような機構が用いられる。また、塗布した修正ペースト21からなる修正部30にレーザ光を照射して乾燥または焼成させる連続発振レーザ装置6が設けられている。また、リブ幅からはみ出した余分な修正ペースト21をカットするパルス発振レーザ装置7が設けられている。また、カットされた余分な修正ペースト21をスクラッチ針22または真空吸引によって除去するスクラッチ機構8が設けられている。また、リブ83上にはみ出した修正ペースト21を砥石23を用いて除去するスピンドル9が設けられている。また、Z軸テーブル2と背面ガラス基板80表面との間の距離を検出する変位計10が設けられている。Z軸テーブル2は、Z軸駆動モータ11によって駆動される。なお、スピンドル9および砥石23の代わりに、テープ研磨ユニットを設けてもよい。
観察光学系4は、複数の対物レンズおよび対物レンズのいずれか1つを選択するレボルバを含む顕微鏡と、CCDカメラとからなる。修正ペースト塗布機構5は、塗布針20と、塗布針を上下に駆動させるアクチュエータと、修正ペースト21のタンクなどを含む。観察光学系4、修正ペースト塗布機構5、連続発振レーザ装置6、パルス発振レーザ装置7、スクラッチ機構8、スピンドル9および変位計10は、修正ヘッドを構成する。なお、修正ペースト21は、塗布針20を用いて塗布してもよいし、ディスペンサ方式で塗布してもよいし、インクジェット方式で塗布してもよい。
Z軸テーブル2は、背面ガラス基板80に垂直なZ方向において背面ガラス基板80と修正ヘッドとの相対位置決めを行なうことにより、観察光学系4の焦点調整、修正ペースト塗布機構5のZ軸方向の位置決め、または、スクラッチ機構8のスクラッチ針22やスピンドル9の砥石23を背面ガラス基板80に接触させるために使用される。X軸テーブル3およびY軸テーブル1は、背面ガラス基板80に平行なXY平面内において、背面ガラス基板80と修正ヘッドとの相対位置決めを行なうために使用される。X軸テーブル3、Y軸テーブル1およびZ軸テーブル2の各々は、モータ、ボールねじなどにより駆動される。なお、位置決め機構の構成は、テーブル1〜3に限られるものではなく、背面ガラス基板80と修正ヘッドの相対位置をX、Y、Z方向に調整できるものであればどのようなものでもよい。
また、この微細パターン修正装置は、微細パターン修正装置全体を制御する制御部12と、ユーザインタフェースとなる操作部13とを備える。制御部12は、操作部13からの指令信号に基づき、微細パターン修正装置全体に制御信号を送る。操作部13は、CCDカメラで撮影された画像の表示装置、座標入力装置、各種動作の指示装置などからなる。
次に、図1に示す微細パターン修正装置を用いてリブ欠け欠陥85を修正する方法について説明する。リブ欠け欠陥85の修正方法の全体工程は既に説明した図8に示す通りであって、背面ガラス基板80上に形成されたリブ83(微細パターン)のリブ欠け欠陥85に修正ペースト21を塗布する工程(図8(b)参照)と、塗布した修正ペースト21からなる修正部30にレーザ光を照射して、焼成する(すなわち、修正ペースト21を焼成可能な温度(たとえば550℃)まで加熱する)工程(図8(f)参照)とを備える。図2は、図8(f)に示した修正部にレーザ光を照射して焼成する(加熱する)工程の詳細を示す流れ図である。図2を参照して、本願発明の特徴である修正部30の焼成方法の詳細について説明する。
まず工程(S10)において、レーザ照射装置の位置決めが行なわれる。具体的には、X軸テーブル3、Y軸テーブル1およびZ軸テーブル2の各々を駆動させることにより、修正部30にレーザ光を照射して焼成させる連続発振レーザ装置6を移動させ、背面ガラス基板80と連続発振レーザ装置6との相対位置をX、Y、Z方向に調整する。たとえば、リブ欠け欠陥85に塗布された修正ペースト21である修正部30の、リブ83の長手方向の一方端(たとえば左端部)の真上に、連続発振レーザ装置6を移動させる。
次に工程(S20)において、レーザ光を修正部に集光する対物レンズを移動させ、レーザ光のスポット径を調整する。図3は、レーザ光のスポット径を調整する工程を示す模式図である。図3に示すように、レーザ光31が照射対象物である修正部30に照射される経路内に、レーザ光を修正部30に集光する対物レンズである集光レンズ32を設ける。そして、修正部30を有する基板である背面ガラス基板80の、レーザ光が照射される表面に対する法線に沿って、集光レンズ32を移動させる。矢印34は集光レンズ32の移動方向を示す。
図3(a)に示すように、集光レンズ32が修正部30に近接する側に移動すれば、修正部30に照射されるレーザ光31のスポット径33は小さくなる。また図3(b)に示すように、集光レンズ32が修正部30から離れる側に移動すれば、修正部30に照射されるレーザ光31のスポット径33は大きくなる。つまり、集光レンズ32の移動によって、スポット径33の大きさを任意に調整することができる。そして、スポット径33がリブ83の幅方向の寸法よりも若干大きくなる程度に調整して、集光レンズ32の配置を決定する。たとえばスポット径33を、リブ83の幅方向寸法の100%以上150%以下となるように、集光レンズ32の位置を調整することができる。
次に工程(S30)において、連続発振レーザ装置6からレーザ光を出射し、修正部30へのレーザ光照射を開始する。次に工程(S40)において、レーザ光をリブ83の長手方向に沿って走査させる。図4は、レーザ光を走査する工程を示す模式図である。
図4に示すように、修正部30に照射されるレーザ光は集光レンズ32によって小さく集光され、スポット径33がリブ83の幅方向の寸法よりも若干大きくなる程度に調整されている。そして、修正部30の全域にレーザ光を照射し焼成するために、レーザ光を修正部30の長手方向に移動させる、走査が行なわれる。矢印35はレーザ光の走査方向を示す。レーザ光の走査は、X軸テーブル3またはY軸テーブル1の高速移動によって、行なうことができる。また、レーザ光を反射させるミラーを設置し、ミラーによって反射されたレーザ光が修正部30に照射される構成とした場合には、そのミラーを高速に微小角度揺動させることによっても、走査を行なうことができる。レーザ光は、修正部30の長手方向に連続的に移動させてもよく、またステップ状に移動させてもよい(つまり、移動停止の繰返しによってレーザ光を走査してもよい)。
レーザ光を修正部30に照射するときのレーザ光の走査速度(レーザ光を修正部30の長手方向に移動させる速度)を調整することによって、修正部30の温度を焼成に必要な所定の温度以上に維持することができる。図5は、焼成する工程における修正部の左端部のヒートパターン(被加熱物の温度の、時間の経過に対応した変化の態様)を示すグラフである。図5(a)は、レーザ光の走査速度が遅く、修正部30の温度が所定値を下回る場合を示し、図5(b)は、修正部30の温度を所定値以上に維持できる場合を示す。図5(a)(b)において、横軸は時刻を示し、縦軸は修正部30の左端部の温度を示す。図5を参照して、レーザ光の走査速度の設定方法について説明する。
修正部30の温度はレーザ光の走査によって上下する。つまり、図5(a)に示すように、修正部30の左端部の温度は、時刻t11においてはレーザ光の照射によってT1に高められている。レーザ光が走査されることでレーザ光の照射領域が修正部30の左端部から遠ざかるために、修正部30の左端部の温度は時間経過とともに徐々に下がり、時刻t12においてはT2まで低下している。その後レーザ光が走査されることで、レーザ光の照射領域が修正部30の左端部に再び近づいてくるため、修正部30の左端部の温度は再上昇し、時刻t13においては再度T1に至る。そのような温度上下を繰返し、時刻t14においてはT2まで低下し、時刻t15においてはT1まで上昇している。
ここで、修正部30の焼成のために必要な所定の温度をT3とする。修正部30の全域において十分な焼成が行なわれるためには、T3より高い温度が維持されなければならない。図5(a)では、時刻t12、t14において低下したときの温度T2が、T3を下回っている。つまり、図5(a)に示すヒートパターンでは、十分な焼成が行なわれない時間帯が存在するために、修正部30の全域を安定して焼成することができない。そこで、ヒートパターンを改善し、修正部30の温度を常時T3以上に維持することによって、安定した焼成が可能となる。具体的には、レーザ光を修正部30に照射するときの走査速度をより大きくすることによって、修正部30の温度を常時T3以上に維持することが可能となる。
図5(b)には、レーザ光の走査速度をより大きくした場合の、修正部30の左端部のヒートパターンを示している。図5(b)に示すように、修正部30の左端部の温度は、時刻t21においてはT1に高められており、レーザ光の走査のために時間経過とともに徐々に下がり、時刻t22においてはT4まで低下している。その後修正部30の左端部の温度は再上昇し、時刻t23においては再度T1に至る。そのような温度上下を繰返し、時刻t24においてはT4まで低下し、時刻t25においてはT1まで上昇している。レーザ光の走査速度を大きくしたために、時刻t22、t24において低下したときの温度T4はT3を下回ることなく、常に焼成のために必要な温度以上に維持されている。このように、レーザ光の走査速度をT4がT3より低くならない速度に設定し、高速走査を繰り返すことで、修正部30の全域において安定した焼成が可能となる。
なお、レーザ光には一般的に強度分布がある。つまり、レーザ光は広がり角を有しており、レーザ光の強度は、スポット径の中心において最も大きく、スポット径の中心から離れるにしたがって低下する。そこでたとえば、スポット径の中心が修正部30の右端部にあるときに、修正部30の左端部はスポット径の円周の内側にあり、修正部30の左端部には強度の小さいレーザ光が照射されている、という場合を考える。修正部30の左端部の温度が最高値となるときにはスポット径の中心が修正部30の左端部にあり、修正部30の左端部の温度が最低値となるときにはスポット径の中心が修正部30の右端部にある、ということになる。この場合、時刻t21から時刻t22までの時間でスポット径の中心が修正部30の左端部から右端部へ移動し、時刻t22から時刻t23までの時間でスポット径の中心が修正部30の右端部から左端部へ移動するように、レーザ光の走査速度を設定すれば、図5(b)に示すヒートパターンを得ることができる。つまり、レーザ光の走査速度を、レーザ光のスポット径の中心が修正部30の一部を通過してから、当該一部の温度が温度T3より下がる前に再びレーザ光のスポット径の中心が当該一部を通過するように、修正部30の長さと修正ペースト21の熱伝導度とに基づいて決定することができる。
たとえば、PDPのリブ欠け欠陥85を修正する場合には、スポット径はφ50μm以上600μm以下程度に設定され、レーザ出力は0.3W以上1.0W以下程度に設定される。このとき、0.5秒以上1秒以下の時間内にレーザ光が修正部30を走査し一往復するように、レーザ光の走査速度を決定すれば、修正部30の全域において安定した焼成を行なうことができる。
図2に戻って、次に工程(S50)において、焼成が完了したかを判断する。たとえば、修正部30の焼成に必要なレーザ光の照射時間を予め求めておき、焼成に必要な照射時間とレーザ光照射開始からの実際の経過時間との比較によって、焼成が完了したことを判断することができる。焼成が完了していなければ、工程(S40)の修正部30の一方端から他方端までレーザ光の走査が繰り返される。レーザ光の一方端から他方端までの一回の移動によって焼成が完了すれば、レーザ光の走査はその一回で終了することは勿論である。焼成が完了したと判断されれば、次に工程(S60)において、連続発振レーザ装置6からのレーザ光の出射を停止し、修正部30へのレーザ光の照射を停止する。次に工程(S70)において、後処理として、連続発振レーザ装置6を移動させ、図8(g)に示す研磨の準備が行なわれる。
以上説明したように、この微細パターン修正方法においては、焼成する工程において、修正部30の一方端から他方端までレーザ光の走査を繰り返すことによって修正部30を焼成する。そのため、レーザ光が照射された部分で発生した応力が、照射されていない部分(未だ焼成されていない部分)に開放されるので、大きな応力は発生し難い。したがって、微小クラックの発生を防止することができる。
また、レーザ光を修正部30に照射するとき、修正部30の温度を、焼成のために必要な所定の温度以上に維持できるような速度でレーザ光を走査するために、修正部30の全域をほぼ同じ温度に保ちながら焼成することができ、修正部30の全域において安定した焼成が可能となる。また、レーザ光を修正部に集光する対物レンズを移動させることでレーザ光のスポット径を調整し、スポット径を小さく集光して焼成するために、レーザ出力が小さくてもエネルギー密度は減少しない。よって、より小さいレーザ出力で焼成することができるので、レーザ光が照射された部分に発生する内部応力をより小さくすることができ、微小クラックの発生を一層防止しやすくなる。また修正部の周りの余分な場所を焼成することもない。
これまでの説明においては、PDPのリブ欠け欠陥の修正を例として説明したが、この発明の微細パターン修正方法は、電極や線状につながる突起部を焼成するためのペーストを塗布した後の焼成など、他用途の焼成にも適用できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 Y軸テーブル、2 Z軸テーブル、3 X軸テーブル、4 観察光学系、5 修正ペースト塗布機構、6 連続発振レーザ装置、7 パルス発振レーザ装置、8 スクラッチ機構、9 スピンドル、10 変位計、11 Z軸駆動モータ、12 制御部、13 操作部、20 塗布針、21 修正ペースト、22 スクラッチ針、23 砥石、30 修正部、31 レーザ光、32 集光レンズ、33 スポット径、34 レンズの移動、35 レーザ光の走査、70 前面ガラス基板、80 背面ガラス基板、83 リブ、84 蛍光体層、85 リブ欠け欠陥、86 突起欠陥。
Claims (3)
- 基板上に形成された微細パターンの欠陥に修正ペーストを塗布する工程と、塗布した前記修正ペーストからなる修正部にレーザ光を照射して焼成する工程とを備える微細パターン修正方法であって、
前記焼成する工程において、前記修正部の一方端から他方端まで前記レーザ光の走査を繰り返すことによって前記修正部を焼成することを特徴とする、微細パターン修正方法。 - 前記レーザ光を前記修正部に照射するとき、前記レーザ光の走査速度の調整によって、前記修正部の温度を所定値以上に維持する、請求項1に記載の微細パターン修正方法。
- 前記レーザ光を前記修正部に集光する対物レンズを移動させ、前記レーザ光のスポット径を調整する工程をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の微細パターン修正方法。
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