JP2002137939A - 表示パネルの製造方法およびその製造装置 - Google Patents

表示パネルの製造方法およびその製造装置

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Yoshiki Sasaki
良樹 佐々木
Hiroyoshi Tanaka
博由 田中
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の表示パネルの製造方法においては、封
着をする際に電気炉等を用い、２枚の基板間に封着部材
を介在させた状態で加熱する。そのために本来溶融加熱
すべき封着部材以外に、２枚の基板も同時に加熱するた
めに、余分なエネルギーを必要とする課題があった。ま
た、いったん加熱した２枚の基板を冷却する際には、急
激に冷却すると基板が割れることから、ゆっくり冷却す
る必要があり、多くの時間を有する課題があった。 【解決手段】 光学的加熱手段を用い、照射パワーに分
布を持たせながら、前記ガラス部材表面に所定の温度分
布を生じさせて封着部材を溶融することを特徴とする。
これにより封着部材を局所加熱するとともに、その近傍
の温度勾配を緩やかにして基板がわれないようにするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示パネルの製造
方法及びその製造装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来から、表示パネルとしてＣＲＴ、プ
ラズマディスプレイパネル（以下、ＰＤＰという）、電
界放出型ディスプレイ（以下、ＦＥＤという）あるいは
蛍光表示管等が知られている。たとえばＰＤＰは図６に
示すように表示電極１、誘電体層２、保護層３を形成し
た第一基板４と、データ電極５、誘電体層６、隔壁７、
蛍光体１１を形成した第二基板８を対向配置して、その
周囲を封着部材９にて気密封止して、排気管１２を取付
けて外囲器１０を作成する。次に排気管１２を通じて外
囲器１０内を真空に排気した後、放電ガスを５００Ｔｏ
ｒｒ（６６．５ｋＰａ）程度導入し、排気管１２を封じ
て表示パネルを完成する。
【０００３】ここで封着工程は、第二基板８の周辺に封
着部材９を塗布し、封着部材９を乾燥後、第一基板４と
対向配置してクリップ等で固定し、電気炉等の加熱手段
によって加熱しながら封着部材９を溶融し、２枚の基板
を気密封止するものである。これら封着工程は、他の表
示パネルについてもほぼ同様である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
表示パネルの製造方法においては、封着をする際に電気
炉等を用い、２枚の基板間に封着部材を介在させた状態
で加熱する。そのために本来溶融加熱すべき封着部材以
外に、２枚の基板も同時に加熱するために、余分なエネ
ルギーを必要とする課題があった。また、いったん加熱
した２枚の基板を冷却する際には、急激に冷却すると基
板が割れることから、ゆっくり冷却する必要があり、多
くの時間を有する課題があった。
【０００５】一方、封着工程において封着部材近傍を局
所加熱することにより上記課題を解決する方法として特
開２０００−１３８０３０や特開２０００−１４９７８
３が開示されているが、パネル内に加熱手段を形成した
り、別途補助的な加熱手段を要したりするためコスト上
昇をまねく課題が新たに生じていた。
【０００６】本発明は、これらの不都合に鑑みて創案さ
れたものであり、封着工程において容易な方法でしかも
歩留りを向上できる表示パネルの製造方法とその製造装
置を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明に係る表示パネル
の製造方法は、光学的加熱手段を用い、照射パワーに分
布を持たせながら、前記ガラス部材表面に所定の温度分
布を生じさせて封着部材を溶融することを特徴とする。
これにより封着部材を局所加熱するとともに、その近傍
の温度勾配を緩やかにして基板がわれないようにするこ
とができる。
【０００８】本発明に係る別の表示パネルの製造方法
は、封着部材近傍に光学的加熱手段をスキャンしながら
照射し、単位時間当たりのスキャン回数を封着部材形成
部の方をその近傍よりも多くして封着部材を溶融するこ
とを特徴とする。これにより、単位時間当たりのスキャ
ン回数が多いところは温度が高く、少ないところは温度
を低くでき容易に加熱温度分布を設けることができる。
【０００９】本発明に係る別の表示パネルの製造方法
は、光学的加熱手段を用い、前記光学的加熱手段はガラ
ス部材表面で加熱パワーの分布を有し、封着部材形成部
の加熱パワーをその周辺の加熱パワーより大きくして封
着部材を溶融することを特徴とする。これにより封着部
材形成部付近を高温にし、その近傍を徐々に低温化する
ことができ、基板にダメージを与えず、容易に局所加熱
ができる。
【００１０】本発明に係る別の表示パネルの製造方法
は、複数の光学的加熱手段を用い、封着部材形成部の加
熱パワーをその周辺の加熱パワーより大きくして封着部
材を溶融することを特徴とする。これにより封着部材形
成部付近を高温にし、その近傍の温度をコントロールで
き適宜低温化することができるため、基板にダメージを
与えず、容易に局所加熱ができる。
【００１１】本発明に係る表示パネルの製造装置は、複
数の光学的加熱手段を１つのユニットにし、ユニットの
中のおのおのの光学的加熱手段の配置あるいはパワーを
最適化し、所定の温度分布をパネル表面に実現できる製
造装置である。これにより、容易に所定の温度分布をパ
ネル表面上に再現できる。
【００１２】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施の形態を図面に
基づいて説明する。
【００１３】図１は本実施の形態に係る表示パネルの製
造方法を示す概略図、図２は本実施の形態に係る別の表
示パネルの製造方法を簡略化して示す斜視図、図３、４
および図５は本実施の形態に係る表示パネルの製造装置
を簡略化して示す断面図である。
【００１４】図１において１３は光学的加熱手段であ
り、図１（ａ）は封着する表示パネルと光学的加熱手段
を示し、図１（ｂ）は光学的加熱手段から表示パネルに
熱線である光が照射される際に表示パネル近傍における
照度の分布を模式的に示しており、図１（ｃ）は照度に
分布を持たして光学的加熱手段１３で表示パネルを加熱
した際の表示パネルの温度分布を示している。
【００１５】封着部材９としてフリットを用いる場合
は、封着部材９の形成部付近をフリットの溶融温度以上
に加熱する必要がある。温度はおよそ４５０℃である。
また基板としてガラスを用いることが多く、ソーダライ
ムガラスやあるいは歪点がソーダライムガラスより高く
設計されたガラス（例えばＰＤ２００ 旭硝子社製）を
使用する。我々は、これらガラス材料に対して１ｃｍあ
たりに約２０℃の温度差を生じさせると基板に割れが生
じやすいことを経験的につかんでいる。したがって光学
的加熱手段１３にてその照射パワーを制御しながら、表
示パネル表面で封着部材９の近傍を最高４５０℃まで加
熱し、その近傍の温度を１ｃｍあたり２０℃を超えない
ようにする。封着部材９の形成部近傍で１ｃｍあたり２
０℃以上の温度差をつけないようにするのは、昇温工程
においても、降温工程においても同様に実施する。
【００１６】照射パワーの制御の方法は次のようなもの
がある。
【００１７】図２において１３は光学的加熱手段、１４
は光線をスキャンする手段としてポリゴンミラーを用い
ている。光学的加熱手段１３は、レーザーでもよく、ラ
ンプでも良い。レーザーはＹＡＧレーザーでも、炭酸ガ
スレーザーでも、半導体レーザーでも加熱できれば良
い。これら光学的加熱手段１３をポリゴンミラー１４に
照射しポリゴンミラー１４を回転させると、所定の幅を
スキャンさせることができる。このときポリゴンミラー
１４の軸に多少の角度を振れるようにするか、もしくは
光学的加熱手段１３の角度を多少振れるようにすると、
光学的加熱手段１３が点、もしくは非常に狭いエリアを
照射する際にも、表示パネルを面状に加熱することがで
きる。このとき単位時間あたりにスキャンする回数を制
御すると、回数が多いほうが高温に、また回数を順次減
らすことによって、加熱温度に分布を生じさせることが
できる。また、光学的加熱手段１３の出力パワーを制御
して高温にする必要がある部分をスキャンするときにパ
ワーを上げ、徐々にパワーを下げることによって加熱温
度に分布を生じさせることができる。図２では説明上、
１辺のみを光学的加熱手段１３により加熱しているが４
辺同時に加熱することが望ましい。その際、光学的加熱
手段１３とポリゴンミラー１４を一つずつ用い表示パネ
ル全面をスキャンしてもよいし、各辺に１組づつの合計
４組の光学的加熱手段１３とポリゴンミラー１４を用い
ても良い。
【００１８】また、図３に示すようにハロゲンランプユ
ニット１５を用いることもできる。
【００１９】ハロゲンランプユニット１５はハロゲンラ
ンプ１６と反射ミラー１７からなり、ハロゲンランプ１
６から放出された熱線をミラー１７で特定の部位に集光
することもできるし分散させることもできる。これによ
り、一つのランプによって、表示パネル上に所定の温度
分布を設けることができる。
【００２０】さらには、図４、図５に示すように、複数
のハロゲンランプ１６を用いて表示パネル上に温度分布
を作ることもできる。
【００２１】図４においてはランプに配置に疎な部分と
密な部分を設けて表示パネル上に温度分布を作る。
【００２２】また図５においては出力パワーの異なるラ
ンプを設け表示パネル上に温度分布を作る例を示した。
【００２３】このように、光学的加熱手段を用いて、表
示パネル上の照射パワーに分布をもたせ、その結果表示
パネルの加熱温度に分布を設けることができ、封着部材
形成部近傍をその溶融温度まで加熱し、それ以外の部分
は基板に割れ等のダメージが生じないように温度分布を
形成して封着工程を実施することができる。
【００２４】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る表示
パネルの製造方法および製造装置は、光学的加熱手段を
用いて、基板表面に加熱パワーの分布を生じるようにす
ることで、基板表面に温度分布を形成することができ、
基板にダメージを生じない局所加熱を実現することがで
きる。これにより、封着工程において基板全体を封着温
度に加熱する必要がなく、加熱時のエネルギーを低減で
きるとともに、装置のコストや表示パネルの部材増加に
よるコストを上昇をすることもない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施の形態に係る表示パネルの製造方法を示
す概略図
【図２】本実施の形態に係る別の表示パネルの製造方法
を簡略化して示す斜視図
【図３】本実施の形態に係る表示パネルの製造装置を簡
略化して示す断面図
【図４】本実施の形態に係る表示パネルの製造装置を簡
略化して示す断面図
【図５】本実施の形態に係る表示パネルの製造装置を簡
略化して示す断面図
【図６】従来の形態に係る表示パネルを簡略化して示す
部分断面図
【符号の説明】
１３ 光学的加熱手段 １４ ポリゴンミラー １５ ハロゲンランプユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4G061 AA13 AA25 BA03 BA12 CA02 CB07 CB12 CC03 CD02 CD24 CD25 DA24 DA35 5C012 BC03 5C040 FA01 HA01 MA23 MA26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 複数のガラス部材の終端部を封着部材に
    て封止する表示パネルの製造方法において、光学的加熱
    手段を用い、照射パワーに分布を持たせながら前記ガラ
    ス部材表面に所定の温度分布を生じさせて封着部材を溶
    融することを特徴とする表示パネルの製造方法。
  2. 【請求項２】 複数のガラス部材の終端部を封着部材に
    て封止する表示パネルの製造方法において、封着部材近
    傍に光学的加熱手段をスキャンしながら照射し、単位時
    間当たりのスキャン回数を封着部材形成部の方がその近
    傍よりも多くして封着部材を溶融することを特徴とする
    表示パネルの製造方法。
  3. 【請求項３】 複数のガラス部材の終端部を封着部材に
    て封止する表示パネルの製造方法において、光学的加熱
    手段を用い、前記光学的加熱手段はガラス部材表面で加
    熱パワーの分布を有し、封着部材形成部の加熱パワーを
    その周辺の加熱パワーより大きくして封着部材を溶融す
    ることを特徴とする表示パネルの製造方法。
  4. 【請求項４】 複数のガラス部材の終端部を封着部材に
    て封止する表示パネルの製造方法において、複数の光学
    的加熱手段を用い、封着部材形成部の加熱パワーをその
    周辺の加熱パワーより大きくして封着部材を溶融するこ
    とを特徴とする表示パネルの製造方法。
  5. 【請求項５】 複数のガラス部材の終端部を封着部材に
    て封止する表示パネルの製造方法において、複数の異な
    るパワーの光学的加熱手段を用い、封着部材形成部に強
    い加熱パワーの光学的加熱手段を用いその周辺に弱い加
    熱パワーの光学的加熱手段を用いて温度分布をつくるこ
    とを特徴とする表示パネルの製造装置。
  6. 【請求項６】 複数のガラス部材の終端部を封着部材に
    て封止する表示パネルの製造方法において、複数の光学
    的加熱手段を用い、封着部材形成部近傍により多くの光
    学的加熱手段を配置して温度分布をつくることを特徴と
    する表示パネルの製造装置。
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