JP6920762B2 - 脆性材料基板のレーザー加工装置 - Google Patents

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レーザーを用いた脆性材料基板の加工装置に関し、特に、厚み方向への加工に関する。
例えばガラス基板、サファイア基板、アルミナ基板などに代表される脆性材料基板に対し、貫通穴もしくは非貫通穴を形成する穴開け加工など、厚み方向(深さ方向)への加工を行う場合に、加工手段としてレーザーを用いることが広く行われている。
そうしたレーザーによる穴開け加工の一態様として、レーザーを同心円状に照射することによりレーザーのビームスポット径(焦点位置におけるビーム径、集光径)に比して大きな径の貫通穴もしくは非貫通穴を形成するという加工手法がすでに公知である(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−146780号公報
脆性材料基板に対しレーザーによって厚み方向に貫通穴もしくは非貫通穴を形成する場合、従来は、目標とする形成深さが大きいほど大きな出力でレーザー光を照射するようにしていた。しかしながら、レーザー光の出力が大きすぎると、脆性材料基板の表面付近における熱ダメージ(クラック、チッピングの発生)が顕著となるという問題があった。一方で、加工可能な深さにはレーザー光の出力に応じた限界(閾値)があり、いくら照射時間を長くしても深く加工することはできないという問題もある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、脆性材料基板の表面付近における熱ダメージを抑制しつつ厚み方向における加工深さを向上させることができる、脆性材料基板のレーザー加工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、発明は、レーザービームを照射することによって脆性材料基板の表面から厚み方向に穴を形成する、脆性材料基板のレーザー加工方法であって、前記脆性材料基板に対する前記レーザービームの照射を、前記レーザービームの焦点を前記脆性材料基板の表面から厚み方向に変化させながら、かつ、前記焦点が前記脆性材料基板の表面から遠ざかるほど前記レーザービームの出力を増大させながら行う、ことに利用できる。
発明は、前記の脆性材料基板のレーザー加工方法であって、前記焦点を前記脆性材料基板の表面から厚み方向に所定の距離ずつ移動させることにより、前記脆性材料基板に対する前記レーザービームの照射を、前記厚み方向において離散する複数の位置において順次に行い、かつ、前記焦点が前記脆性材料基板の表面から遠ざかるほど前記出力を増大させる、ことに利用できる。
発明は、前記の脆性材料基板のレーザー加工方法であって、形成される穴が丸穴であり、前記複数の位置のそれぞれにおいて、前記焦点が同心円状の軌跡を描くように、前記レーザービームを走査させる、ことに利用できる。
発明は、前記の脆性材料基板のレーザー加工方法であって、前記レーザービームがピコ秒UVレーザーもしくはピコ秒グリーンレーザーである、ことを特徴とする。
発明は、レーザービームによって脆性材料基板を加工する装置であって、前記脆性材料基板が載置固定されるステージと、前記レーザービームを出射する光源と、前記光源から出射された前記レーザービームを前記ステージに載置された脆性材料基板に対して照射するヘッドと、を備え、前記脆性材料基板に対する前記レーザービームの照射を、前記ステージを前記ヘッドに対して相対移動させることにより前記レーザービームの焦点を前記脆性材料基板の表面から厚み方向に変化させながら、かつ、前記焦点が前記脆性材料基板の表面から遠ざかるほど前記光源から出射される前記レーザービームの出力を増大させながら行うことにより、前記脆性材料基板の表面から厚み方向に穴を形成する、ことを特徴とする。
発明は、前記のレーザー加工装置であって、前記ヘッドに対する前記ステージの相対移動を、前記焦点が前記脆性材料基板の表面から厚み方向に所定の距離ずつ移動するように行うことにより、前記脆性材料基板に対する前記レーザービームの照射を、前記厚み方向において離散する複数の位置において順次に行い、かつ、前記焦点が前記脆性材料基板の表面から遠ざかるほど前記光源から出射される前記レーザービームの前記出力を増大させる、ことができる。
発明は、前記のレーザー加工装置であって、形成される穴が丸穴であり、前記ヘッドは、前記複数の位置のそれぞれにおいて、前記焦点が同心円状の軌跡を描くように、前記レーザービームを走査させる、ことができる。
発明は、前記のレーザー加工装置であって、前記レーザービームがピコ秒UVレーザーもしくはピコ秒グリーンレーザーである、ことができる。
発明によれば、脆性材料基板の厚み方向における穴開け加工において、加工の進行に伴い焦点の高さ位置とレーザー出力とをともに段階的に違えるようにすることにより、脆性材料基板の表面における熱ダメージを抑制しつつ、深い穴を形成することができる。
レーザー加工装置100の構成を模式的に示す図である。 穴開け加工におけるレーザービームLBの走査態様について説明するための図である。 実施例の各条件による加工によって形成された丸穴についての、上方からの撮像画像、およびその端部近傍の拡大像である。 丸穴の断面についての撮像画像である。
<レーザー加工装置の概要>
図1は、本発明の実施の形態において脆性材料基板Wの加工に使用するレーザー加工装置100の構成を模式的に示す図である。レーザー加工装置100は、概略、光源1から出射されたレーザービームLBをステージ2に載置固定された脆性材料基板Wに照射することにより、脆性材料基板Wに対し所定の加工を行うように構成されている。
加工の対象となる脆性材料基板Wとしては、ガラス基板、サファイア基板、アルミナ基板などが例示される。
レーザー加工装置100は、光源1およびステージ2に加えて、脆性材料基板Wに対するレーザービームLBの直接の照射源となるヘッド3と、光源1に付随し光源1からのレーザービームLBの出射をON/OFFさせるシャッター4と、光源1から出射されたレーザービームLBを所定の角度に反射させることによりヘッド3に至るまでのレーザービームLBの光路を定めるミラー5と、レーザー加工装置100の各部の動作を制御する制御部10とを主に備える。なお、図1においては2つのミラー5が設けられているが、これはあくまで例示であって、ミラー5の個数および配置位置は、図1に示す態様には限られない。
レーザービームLBは、加工対象となる脆性材料基板Wの材質などに応じて適宜に選択されてよいが、例えばピコ秒UVレーザーや、ピコ秒グリーンレーザーなどが好適である。光源1としては、加工に用いるレーザービームLBに見合ったものが採用されればよい。光源1におけるレーザービームLBの発生動作およびシャッター4のON/OFF動作は制御部10によって制御される。
ステージ2は、加工に際し脆性材料基板Wが水平に載置固定される部位である。ステージ2は、駆動機構2mによって鉛直方向に移動自在とされてなる。駆動機構2mが制御部10によって制御されることにより、レーザー加工装置100においては、加工の際に、脆性材料基板Wをその厚み方向に上下移動させることが可能となっている。加えて、駆動機構2mは、ステージ2を水平一軸方向もしくは二軸方向に移動可能に設けられていてもよいし、さらには、ステージ2の少なくとも脆性材料基板Wの載置箇所を水平面内において回転可能に設けられていてもよい。これにより、加工位置の調整や変更を好適に行うことができる。
ステージ2に対する脆性材料基板Wの固定は、公知の種々の態様によって実現されてよい。例えば、吸引により固定される態様であってもよいし、脆性材料基板Wの端部を所定の挟持手段にて挟持することにより固定される態様であってもよい。
ヘッド3は、ガルバノミラー3aとfθレンズ3bとを備えている。ガルバノミラー3aは、制御部10によってその姿勢が制御されることによって、入射したレーザービームLBを所定の範囲内において任意の方向に出射できるようになっている。また、fθレンズ3bは、ステージ2の上方において水平に、かつ、ガルバノミラー3aから出射されたレーザービームLBが入射可能に配置されており、ガルバノミラー3aから出射されたレーザービームLBは、fθレンズ3bを経ることにより、ステージ2に水平に載置固定された脆性材料基板Wに対し鉛直上方から照射されるようになっている。これにより、レーザー加工装置100においては、制御部10による制御によってガルバノミラー3aの姿勢を連続的に変化させることにより、ステージ2に載置固定された脆性材料基板WにおけるレーザービームLBの照射位置を連続的に違えることができるようになっている。つまりは、レーザービームLBによって脆性材料基板Wの表面を走査することが可能となっている。
ただし、ステージ2に載置固定された脆性材料基板Wに対するレーザービームLBの照射可能範囲は、ガルバノミラー3aのサイズや姿勢変更範囲に応じてあらかじめ定まっている。係る照射可能範囲外への加工を行う場合には、駆動機構2mによってステージ2を移動させて、新たな照射可能範囲を対象に加工を行うようにする必要がある。
なお、ステージ2に駆動機構2mを設けることに代えて、ヘッド3に図示しない駆動機構を設け、ヘッド3をステージ2に対して移動させる態様であってもよい。
制御部10は、例えば汎用のコンピュータによって実現される。図示しない制御プログラムが制御部10において実行されることにより、レーザー加工装置100における種々の動作、例えば、光源1からのレーザービームLBの出射や、ステージ2の移動や、ガルバノミラー3aの姿勢変更などが実現されてなる。
<穴開け加工>
次に、脆性材料基板Wに対し上述のレーザー加工装置100を用いて行う、本実施の形態に係る穴開け加工について説明する。図2は、係る穴開け加工におけるレーザービームLBの走査態様について説明するための図である。
図2においては、z=z0が脆性材料基板Wの表面(上面)の位置であり、脆性材料基板Wの厚み方向(z方向)においてz=z0からz=z1の位置までレーザービームLBの照射位置を違えることにより、脆性材料基板Wの表面から厚み方向に直径Dの所定深さの略円筒状の非貫通穴(丸穴)を形成する場合を想定している。ここで、直径Dは、レーザービームLBの焦点(ビームスポット)Fの直径(ビームスポット径)d1よりも大きな値である。ただし、図2においては図示の都合上、直径Dをz=z1より下方に示しているが、以降においては、直径Dは、脆性材料基板Wの表面における、つまりはz=z0における値であるとする。
まず初めに、焦点Fが脆性材料基板Wの表面(z=z0)に一致するように、脆性材料基板Wを載置固定したステージ2の高さ位置を調整するとともに、光源1からのレーザービームLBの出力(以下、レーザー出力)を所定の値(初期値)E0に設定する。そのうえで、ガルバノミラー3aの姿勢を制御することによって、z=z0において焦点Fの中心Cが直径Dと同軸でかつ直径の相異なる複数の同心円状の軌跡を描くように、レーザービームLBを走査する。換言すれば、直径を違えつつ複数回の周回走査がなされる。なお、以降においては、焦点Fの中心Cの軌跡を単に、レーザービームLBの軌跡と称することがある。
図2に示す場合であれば、4つの同心円状の軌跡TR1、TR2、TR3、TR4が外側から順次にそれぞれ反時計回りに描かれるように、レーザー出力E0にてレーザービームLBが走査されている。係る走査によって、脆性材料基板Wの表面近傍が加工され、凹部が形成される。なお、図2においては4つの軌跡TR1、TR2、TR3、TR4が独立して記載されているが、実際の加工に際しては、レーザービームLBによる一の周回走査がほぼ完了した時点で該レーザービームLBの出力状態を維持したまま次の周回走査へと移行するようにしてもよい。
上述した態様にてz=z0におけるレーザービームLBによる走査が終了すると、ステージ2を所定のピッチΔzだけ上昇させたうえで、つまりは、レーザービームLBの焦点Fの位置をz=z0から距離Δzだけ脆性材料基板Wの深さ方向へシフトさせたうえで、上述と同様の同心円状の走査を行う。なお、先に形成された凹部の深さとピッチΔzとは、必ずしも一致しなくともよい。以降、レーザービームLBの焦点Fが位置z=z1に到達し、当該位置における同心円状の走査が行われるまで、ステージ2の移動とレーザービームLBによる同心円状の走査とを繰り返すようにする。換言すれば、それぞれの高さ位置において、同心円状に複数の周回走査がなされる。なお、Δzおよびz1の値は、脆性材料基板Wの材質や形成しようとする丸穴の深さに応じて定められる。通常、z=z1となる位置は、丸穴の底部となる位置よりも浅い位置に定められる。
ただし、その場合においては、焦点Fの高さを違える都度、レーザー出力を徐々に強めるようにする。図2に示す場合であれば、z=z1でのレーザー出力(最終値)をE=E1(>E0)とすると、初期値E=E0からE=E1までの間で段階的に、レーザー出力を強めることになる。
すなわち、本実施の形態における穴開け加工では、焦点Fの高さ位置を脆性材料基板Wの表面から厚み方向に所定の距離ずつ移動させることにより、脆性材料基板Wに対するレーザービームLBの照射を、厚み方向において離散する複数の位置において順次に、かつ、焦点Fの高さ位置が脆性材料基板Wの表面から遠ざかるほどレーザー出力を増大させながら行うようにする。
これにより、相異なる深さ位置でのレーザービームLBの同心円状の走査が繰り返される都度、脆性材料基板Wの厚み方向への凹部の形成が進行し、最終的に、所望する深さの丸穴が形成されることになる。
ここで、レーザービームLBの走査軌跡の最大径(軌跡TR1の直径)d2および走査軌跡の個数(つまりは走査の回数)は、形成しようとする丸穴の直径Dと、ビームスポット径d1と、ガルバノミラー3aの姿勢変更範囲に基づいて、あらかじめ実験的にあるいは経験的に定められればよい。例えば、形成しようとする丸穴の直径が50μmであり、ビームスポット径d1が15μmの場合であれば、d2=30μmとし5回の同心円状の走査を行うことで、所望の丸穴が形成可能である。
また、レーザー出力の初期値E0は、上述した凹部の形成が可能である一方で当該凹部の周囲に熱ダメージ(クラックやチッピングなど)を発生させないレーザー出力の範囲から、あらかじめ実験的にあるいは経験的に定められればよい。この場合に定められる初期値E0は、その値を一定に保って加工を深さ方向への加工を行った場合には所望する深さまでの加工が行えない範囲から、選択されてよい。
一方、レーザー出力の最終値E1は、脆性材料基板Wの表面からその値を一定に保って加工を行った場合、目標となる深さまでの加工は可能であるものの、脆性材料基板Wの表面に熱ダメージを生じさせてしまうレーザー出力の範囲から、あらかじめ実験的にあるいは経験的に定められればよい。
なお、図2においては同心円状の複数回の周回走査が外側から順に行われているが、これに代わり、内側から順に行われるようにしてもよい。あるいは、焦点Fの深さ位置が変わる都度、走査順序を入れ替えるようにしてもよい。
また、図2に示す場合においては、焦点Fの高さ位置がΔzずつ違えられることで、周回走査を行う箇所も厚み方向において距離Δzずつ離隔しているが、これに代わり、焦点Fの高さ位置を連続的に変化させ、焦点Fが厚み方向へ距離Δz移動する間に、上述した同心円状の複数回の周回走査に相当する複数回の周回走査を連続的に行う態様(螺旋状走査)であってもよい。
また、ここまでの説明では、非貫通穴を形成する場合を例としているが、貫通穴を形成する場合も同様の手法が採用できる。すなわち、脆性材料基板Wの表面からのレーザービームLBの焦点Fの総移動距離を十分に大きくした場合には、貫通穴が形成が可能となる。係る場合も、非貫通穴の形成の場合と同様、具体的な加工条件は、脆性材料基板Wの厚みやレーザービームLBの照射条件等に応じて定めればよい。
また、ここまでの説明では、レーザービームLBを周回走査させることにより丸穴を形成する態様について説明しているが、形成しようとする丸穴の直径Dが小さい場合は、周回走査は必須ではない。
以上、説明したように、本実施の形態に係る手法によれば、脆性材料基板Wの厚み方向における穴開け加工において、加工の進行に伴い焦点の高さ位置とレーザー出力とをともに段階的に違えるようにすることにより、脆性材料基板の表面における熱ダメージを抑制しつつ、深い丸穴を形成することができる。
なお、焦点Fの高さ位置を変えることなくレーザー出力を段階的に高くするだけでは、十分な深さまで加工を行うことが難しい場合がある。これは、加工が進行するにつれて凹部の底部と焦点Fとが離隔し、レーザービームLBの照射位置におけるビームスポット径が焦点Fにおけるビームスポット径d1よりも大きくなり、当該位置におけるエネルギー密度が焦点Fの位置よりも小さくなるからである。特に、同心円の最外側である軌跡TR1の位置においてレーザービームLBを走査する場合のように、照射位置が斜面となり得る場合には、さらにエネルギー密度が小さくなる。
一方、レーザー出力を一定に保ちつつ焦点Fの高さ位置を変える態様は、上述のように、その値が小さすぎると所望する深さまでの加工が困難であり、大きすぎると熱ダメージが生じることから、制約が大きい。
<変形例>
上述の実施の形態においては、丸穴の加工を例に、脆性材料基板の表面に熱ダメージを生じさせることなくより深い位置までの穴開け加工を実現する態様について説明を行っていたが、深さ方向への加工の進行につれて焦点位置を深くしつつレーザー出力を高めるという手法は、丸穴以外の任意の形状にて深さ方向に加工を行う場合にも適用が可能である。例えば、角穴や溝の形成にも適用することができる。なお、前者の場合、一の高さ位置におけるレーザービームLBの走査は、相異なる大きさの矩形状の軌跡が同軸に形成されるようにしてもよいし、所定ピッチで平行な複数の軌跡が形成されるようにしてもよい。また、後者の場合は、所定ピッチで平行な複数の軌跡が形成されるようにすればよい。
同じサイズの丸穴の加工を、レーザー出力の要件を条件A(4W)、条件B(1W)、条件C(加工開始時から1W〜4Wの範囲で段階的に増大)の3通りに違えて行い、形成された丸穴の良し悪しを評価した。
具体的には、脆性材料基板Wとして厚みが1.1mmのガラス基板を用意し、形成する丸穴の直径Dは1000μmとした。また、レーザービームLBのビームスポット径d1は10μmとし、レーザービームLBの走査軌跡の最大径d2は1000μmとし、一つの高さ位置における走査回数は101回とし、Δzは10μmとし、厚み方向への焦点Fの移動距離(z1−z0)は、400μmとした。
図3は、各条件による加工によって形成された丸穴についての、上方からの撮像画像、およびその端部近傍の拡大像である。図3(a)、(b)、(c)がそれぞれ条件A、条件B、条件Cについての像である。また、図4は、図3に示したガラス基板を、直径Dを通る面にて切断することにより得た、丸穴の断面についての撮像画像である。図4(a)、(b)、(c)がそれぞれ条件A、条件B、条件Cについての像である。
条件Aの場合、図4(a)に示すように、436μmと最も深い位置まで加工が行えたが、図3(a)の拡大像において矢印にて示すように、ガラス基板の表面近傍において、丸穴の端部にクラックが生じていた。
また、条件Bの場合、図3(b)からわかるように、熱ダメージは生じていなかったが、図4(b)に示すように、346μmという、条件Aよりも浅い位置までしか加工を行えなかった。
これに対し、条件Cの場合、図3(c)からわかるように、条件Bの場合と同様、熱ダメージは生じてはおらず、かつ、図4(c)に示すように、377μmという、条件Bよりも深い位置まで加工が行えていた。
すなわち、条件Cの場合、加工開始時のレーザー出力を熱ダメージが生じない条件Bと同様にしつつも、その後の加工の進行につれてレーザー出力を段階的に増大させることにより、基板の表面に熱ダメージを与えることなく、条件Bよりも深く加工が行えていた。
なお、条件Cではレーザー出力の最終値を条件Aにおけるレーザー出力の値と同じとしていたが、係る最終値をさらに大きな値とし、厚み方向への焦点Fの移動距離(z1−z0)をさらに大きくすることで、より深い位置までの加工が可能となる。
1 光源
2 ステージ
2m 駆動機構
3 ヘッド
3a ガルバノミラー
3b レンズ
4 シャッター
5 ミラー
10 制御部
100 レーザー加工装置
C 焦点の中心
D 丸穴の直径
F 焦点
LB レーザービーム
W 脆性材料基板
d1 ビームスポット径

Claims (5)

  1. レーザービームによって脆性材料基板の表面から厚み方向に穴を形成するレーザー加工装置であって、
    前記脆性材料基板が載置固定されるステージと、
    前記レーザービームを出射する光源と、
    前記光源から出射された前記レーザービームが入射可能に配置されたガルバノミラーと、前記ガルバノミラーから出射されたレーザービーム入射可能に、かつ前記ステージに載置された脆性材料基板に対して鉛直上方から照射可能に配置されたfθレンズとを備えたヘッドと、
    前記レーザービームの焦点を、前記ヘッドに対する前記ステージの相対移動により、前記脆性材料基板の表面から厚み方向に変化させる駆動機構と、
    前記レーザービームが前記脆性材料基板の表面を走査するように前記ガルバノミラーの姿勢を制御し、かつ前記レーザービームの出力を前記焦点が前記脆性材料基板の表面から遠ざかるほど増大させるように制御する制御部と、
    を備える
    ことを特徴とする、レーザー加工装置。
  2. 請求項に記載のレーザー加工装置であって、
    前記駆動機構は、前記ヘッドに対する前記ステージの相対移動を、前記焦点が前記脆性材料基板の表面から厚み方向に所定の距離ずつ移動するように行わせることにより、前記脆性材料基板に対する前記レーザービームの照射を、前記厚み方向において離散する複数の位置において順次に行せるものである
    ことを特徴とする、レーザー加工装置。
  3. 請求項に記載のレーザー加工装置であって、
    形成される穴が丸穴であり、
    前記制御部は、前記複数の位置のそれぞれにおいて、前記焦点が同心円状の軌跡を描くように、前記レーザービーム走査するように前記ガルバノミラーの姿勢を制御するものである、
    ことを特徴とする、レーザー加工装置。
  4. 請求項ないし請求項のいずれかに記載のレーザー加工装置であって、
    前記レーザービームがピコ秒UVレーザーもしくはピコ秒グリーンレーザーである、
    ことを特徴とする、レーザー加工装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のレーザー加工装置であって、
    前記脆性材料基板が、ガラス基板、サファイア基板又はアルミナ基板である、
    ことを特徴とする、レーザー加工装置。
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