JP3546589B2 - エアコン用冷媒管の保護カバー装置、及びその付属カバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の外壁面に沿って配管されるエアコン用冷媒管を保護するための保護カバー装置、及びその付属カバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記した目的に使用されるエアコン用冷媒管の保護カバー装置は、建物の外壁面に沿って配管されるエアコン用冷媒管(以下、単に「冷媒管」という)の直状部を保護する直状カバーと、前記冷媒管の屈曲部や末端部などを保護する付属カバーとから構成される。この直状カバーは押出成形され、従来のものは、建物の外壁面に固定される基台と、これに嵌合されて冷媒管を収容するための蓋体とで構成されていた。
【0003】
このため、施工に際しては、先ず建物の外壁面の冷媒管の配管予定位置に基台を固定して、この基台の上に冷媒管を配管し、その後に冷媒管に蓋体を被せて、該蓋体を基台に嵌合させる必要があり、施工に多くの工程を要して作業が面倒であると共に、既設の露出冷媒管を保護することができなかった。また、押出成形時における基台と蓋体との寸法公差、或いは施工後における熱変形などにより、両者の嵌合が外れて、蓋体がずれ落ちることもあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、既設の露出冷媒管の保護を可能にすること、及び直状カバーと付属カバーとの接続部に隙間が生じないようにして、保護カバー全体の美観を良好にすることの双方を課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明が採用した手段は、建物の外壁面に沿って配管されるエアコン用冷媒管の直状部を保護する直状カバーと、前記冷媒管の屈曲部や末端部などを保護する付属カバーとから成って、前記直状カバーは、弾性変形可能な両側壁部と、下方に開口するエアコン用冷媒管の収容口とを長手方向に連続して備えた中空枠体で形成されていると共に、前記付属カバーは、前記直状カバーの端部が内挿される接続口を備えた構成であるエアコン冷媒管の保護カバー装置において、前記付属カバーの接続口に、当該部分に内挿される直状カバーの両側壁部の端部の幅を該接続口の幅に対応するように規制する幅規制部を設け、しかも、前記幅規制部の先端部の幅が基端部の幅よりも狭くすると共に、前記幅規制部の先端部を前記接続口の端面よりも突出させたことである。
【0006】
本発明に係る冷媒管の保護装置は、中空枠体で形成された単体構造の直状カバーと、付属カバーとから成るので、外壁面に配管された冷媒管の直状部に該直状カバーの収容口を臨ませて押し込んで、該直状カバーに該冷媒管の直状部を収容すると共に、同様にして、該冷媒管の屈曲部、末端部などを付属カバーに収容して、該付属カバーの接続口部分の周壁と幅規制部との間の挿入空間に、直状カバーの両端部を挿入すると、直状カバーと付属カバーとが接続されて、冷媒管が保護される。このため、既設の露出冷媒管の保護が可能となる。
【0007】
また、直状カバーの端部を付属カバーの接続口に挿入する際に、直状カバーの両端部を前記各挿入空間に挿入すると、直状カバーの両側壁部の端部の幅が、付属カバーの接続口の幅に対して変化していても、直状カバーの端部の両側壁部が付属カバーの幅規制部により変形(拡開又は縮閉)されて、矯正される。このため、直状カバーと付属カバーとの接続部に隙間が生じない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。図1において、この保護カバー装置は、単体の直状カバーC1 と、付属カバーC21, C22とで構成される。エアコン室外機31に接続されている冷媒管P1(図5参照)は建物の壁面Wに沿って配管され、その直状部及び屈曲部は、それぞれ直状カバーC1 及び付属カバーC21,C22に収容保護される。付属カバーC21は、冷媒管P1 における建物の外部から内部に入り込んでいる部分を保護するためのものであり、付属カバーC22は、冷媒管P1 における建物の外部において屈曲している部分を保護するためのものである。
【0009】
直状カバーC1 は、図2及び図5に示されるように、下面が開口した中空枠体で構成されていて、この開口が冷媒管の収容口1となっていると共に、その両側壁部2は弾性変形可能になっていて、各側壁部2の下端には、内側に向けて同じく弾性変形可能な挟持部3が設けられていると共に、外側に向けて鍔部4が設けられている。この挟持部3の端部3aは、施工時において冷媒管を損傷させないように、わん曲成形されている。
【0010】
また、図3及び図6に示されるように、冷媒管P1 における建物の外部から内部に入り込む屈曲部分を保護するための付属カバーC21は、その全体がわん曲したカバー本体11の外周縁に鍔部12が設けられていて、建物の壁面Wに密着する面には大きな収容口13が設けられていると共に、直状カバーC1 と接続される部分に設けられた開口が接続口14となっている。カバー本体11における接続口14の部分の横断面形状は、直状カバーC1 のそれに対応した大きさになっている。この付属カバーC21は、接続口14の内側に直状カバーC1 の端部が挿入される構造である。
【0011】
前記カバー本体11の接続口14の部分を構成する両周壁部15の内周面における該接続口14から僅かに入り込んだ部分には、前記直状カバーC1 の端面が当接する狭幅の当接壁16が全周に亘って設けられている。そして、この当接壁16の前面には、カバー本体11の周壁部15との間に所定の挿入空間17を設けて一対の幅規制板18が前方に突出して設けられている。一対の幅規制板18は、当接壁16の垂直部からわん曲部に亘る部分に設けられていて、直状カバーC1 の挿入時において、その先端部が引っ掛からないように、幅規制板18の先端部の幅は、その基端部の幅よりも狭くなっている。また、一対の幅規制板18は、付属カバーC21の接続口14の端面よりも僅かに突出している。なお、本実施例では、幅規制板18は、分離して一対設けられているが、周壁部15の内側に沿って連続させて設けてもよい。
【0012】
また、図4で斜視図で示されるように、冷媒管P1 における建物の外部において屈曲している部分を保護するためのほぼ直角に屈曲された付属カバーC22に関しても、その両端面の接続口14には、上記付属カバーC21の幅規制板18と同一構造のものが一体に設けられており、図面に同一符号を付し、図示のみ行って重複説明を省略する。
【0013】
そして、上記した直状カバーC1 と、上記した2種類の屈曲部用の付属カバーC21, C22と末端用の付属カバー(図示せず)とを含む複数種類の付属カバーとを用いて、外壁面Wに配管された冷媒管P1 を保護するには、以下のような施工を行う。図5に示されるように、2本の冷媒管P1 とドレンチューブP2 とは、その随所においてテープ32で一体に結束された状態で建物の外壁面Wに配管されている。この結束された冷媒管P1 の各屈曲部及び末端部をそれぞれ対応した各付属カバーで覆って、これに収容させると共に、その直状部を同様にして直状カバーC1 に収容させ、しかも直状カバーC1 の端部を各付属カバーとの接続口に挿入して、両カバーを接続する。ここで、冷媒管P1 を収容した直状カバーC1 は、その天壁部5と一対の挟持部3とが冷媒管P1 に弾接した状態で仮設されて、施工途中において直状カバーC1 は落下しないために、施工が容易となる。なお、外壁面Wに付属カバーの基台(図示せず)を固定して、該基台に付属カバーを嵌合させるようにしてもよい。
【0014】
屈曲部用の付属カバーC21,C22などの接続口14の周壁部15と各幅規制板18との間には、それぞれ挿入空間17が形成されていて、上記のようにして、冷媒管P1 の直状部を直状カバーC1 に収容する際には、その両側壁部2の端部を該挿入空間17に挿入して、直状カバーC1 の端部と付属カバーC21,C22などとを接続しておく。なお、直状カバーC1 の両側壁部2の端部は、付属カバーC21,C22などの接続口14に設けられた挿入空間17に挿入されて、この挿入空間17を形成する幅規制板18に規制されて、直状カバーC1 の両側壁部2が大きく拡開、或いは縮閉せず、しかも該直状カバーC1 は冷媒管P1 に挟着されているために、その鍔部4に釘33などを打ち込まなくても、施工後において、直状カバーC1 が落下したり、両カバーの接続部に隙間が生ずることはない。このため、特に必要な場合にのみ、直状カバーC1 は、その鍔部4に釘33などを打ち込んで、外壁面Wに固定しておく。
【0015】
このように、付属カバーC21,C22の接続口14に一対の幅規制板18が設けられ、各側壁部2と各幅規制板18との間にそれぞれ挿入空間17が設けられているので、何らかの原因によって、施工前において、直状カバーC1 の各側壁部2の幅が、付属カバーC21,C22の接続口14の幅より大きくなっている場合には、この直状カバーC1 の端部を前記挿入空間17に挿入すると、弾性変形により直状カバーC1 の各側壁部2の幅が狭くなって、周壁部15の内周面に弾接する(図6及び図7)。一方、施工前において、上記とは逆に、直状カバーC1 の各側壁部2の幅が、付属カバーC21,C22の接続口14の幅より狭くなっている場合には、この直状カバーC1 の端部を前記挿入空間17に挿入すると、弾性変形により直状カバーC1 の各側壁部2の幅が広くなって、各幅規制板18の外周面に弾接する(図8)。このため、施工前において、直状カバーC1 の端部の各側壁部2の幅が、付属カバーC21,C22の接続口14の幅に対して大きく変化していても、接続時において各側壁部2の幅が矯正されて、接続部に隙間が生ずることなく、直状カバーC1 と付属カバーC21,C22とを接続できる。
【0016】
また、施工時においては、直状カバーC1 の各側壁部2の幅が、付属カバーC21,C22の接続口14の幅に対応していて、隙間を生ずることなく付属カバーC21,C22と接続できても、施工後において直状カバーC1 が熱変形などした場合には、両カバーの接続部に隙間が生ずる。しかし、本発明においては、付属カバーC21,C22の接続口14に設けられた一対の幅規制板18の存在によって、直状カバーC1 の各側壁部2の変形が抑制されるので、施工後においても接続部に大きな隙間が生じなくなる。
【0017】
【0018】
更に、付属カバーの接続口に設けられる幅規制部そのものに関しては、上記実施例のように、その周壁部との間に挿入空間が設けられる構成であると、付属カバーの接続口の部分に突出部が殆どなくなって、施工し易い利点があるが、本発明においては、これに限定されない。例えば、図9に示されるように、付属カバーC21の接続口14の部分の周壁部の両下端部に一対の幅規制挿入体19を直状カバーとの接続方向に突設させると共に、直状カバーC1 の押出成形時において、その両側壁部2の下端部に膨肉部2aを設けて、該膨肉部2aに挿入孔2bを貫通させておき、施工時において、前記幅規制挿入体19を直状カバーC1 の挿入孔2bに挿入するような構造でもよい。
【0019】
要するに、付属カバーの接続口の部分に設けられる幅規制部の構造に関しては、付属カバーと直状カバーとの接続時において、該幅規制部の存在によって、直状カバーの各側壁部の端部が弾性変形されて、その幅が、付属カバーの接続口の幅に対応するように矯正される構造であれば、如何なるものでもよい。
【0020】
また、本発明においては、図10に示される直状カバーC2 を用いることも可能である。この直状カバーC2 は、下方に開口する冷媒管の収容口1のみを備えた中空枠体で構成されたもので、前記直状カバーC1 のように、挟持部3及び鍔部4の双方を備えていない。このような構造の直状カバーC2 であっても、その両側壁部2の端部を、付属カバーC21,C22の接続口14に設けられた挿入空間17に挿入すると、幅規制板18の存在によって、直状カバーC2 の両側壁部2の端部の幅が、付属カバーC21,C22の接続口14の幅に対応するように矯正されると共に、そのままの状態でも該直状カバーC2 は落下しない。
【0021】
更に、上記実施例の付属カバーC21,C22は、冷媒管P1 が外壁面Wにおいて屈曲する部分、或いは該冷媒管P1 が壁表から壁裏に向けて屈曲する部分を収容するものであるが、本発明における付属カバーとは、上記屈曲部の他に、冷媒管の末端部を収容する末端用のもの、或いは冷媒管の直状部を収容する2本の直状カバーの接続部を収容する直状部接続用のものも含まれる。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係る冷媒管の保護カバー装置は、中空枠体で形成された単体構造の直状カバーと、付属カバーとから成って、該付属カバーの接続口に、当該部分に内挿される直状カバーの両側壁部の端部の幅を該接続口の幅に対応するように規制するための幅規制部を設けてあるので、以下のような諸効果が奏される。
(1)冷媒管を配管した後において、付属カバーと直状カバーの双方を施工する構成であるので、既設の露出冷媒管の保護が可能となる。
(2)押出成形時の公差、運搬・保管時における変形などによって、直状カバーの各側壁部が大きく拡開又は縮閉されていても、付属カバーとの接続時において、その接続口に設けられた一対の幅規制部によって、直状カバーの各側壁部は弾性変形されて、付属カバーの接続口の幅に対応して矯正される。このため、両カバーの接続部に隙間が生じなくなる。
(3)施工後の熱変形によって、直状カバーの各側壁部が大きく変形して、拡開又は縮閉しようとしても、付属カバーに設けられた幅規制部の存在によって、この変形が防止される。このため、施工後の原因によって両カバーの接続部に生ずる恐れのある隙間をも確実に防止できる。
(4)直状カバーの施工は、その両側壁部を大きく拡開させた後に、原形状に復元させて冷媒管を挟持して、これに仮設させている。この際に直状カバーが変形されてしまうことがあるが、この場合においても、付属カバーとの接続時において、幅規制部の存在によって、直状カバーを付属カバーの接続口の幅に対応するように矯正できるため、直状カバーと付属カバーとの接続部に隙間が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る付属カバーC21, C22と直状カバーC1 とを用いて建物の外壁面Wに配管された冷媒管を保護した状態の斜視図である。
【図2】直状カバーC1 の部分斜視図である。
【図3】付属カバーC21の斜視図である。
【図4】付属カバーC22の斜視図である。
【図5】図1のX−X線拡大断面図である。
【図6】直状カバーC1 と付属カバーC21との接続部を主体に示す背面図である。
【図7】図6のY−Y線断面図(直状カバーC1 の各側壁部2が縮閉されて付属カバーC21と接続される状態を示す両カバーの接続部の断面図)である。
【図8】直状カバーC1 の各側壁部2が拡開されて付属カバーC21と接続される状態を示す両カバーの接続部の断面図である。
【図9】幅規制挿入体19を備えた付属カバーC21と、挿入孔2bを備えた直状カバーC1 の部分斜視図である。
【図10】直状カバーC2 の部分斜視図である。
【符号の説明】
C1 ,C2 :直状カバー
C21, C22:付属カバー
P1 :冷媒管
W:建物の外壁面
1:直状カバーの収容口
2:直状カバーの側壁部
14:付属カバーの接続口
17:挿入空間
18:幅規制板(幅規制部)
19:幅規制挿入体(幅規制部)
Claims (4)
- 建物の外壁面に沿って配管されるエアコン用冷媒管の直状部を保護する直状カバーと、前記冷媒管の屈曲部や末端部などを保護する付属カバーとから成って、
前記直状カバーは、弾性変形可能な両側壁部と、下方に開口するエアコン用冷媒管の収容口とを長手方向に連続して備えた中空枠体で形成されていると共に、前記付属カバーは、前記直状カバーの端部が内挿される接続口を備えた構成であるエアコン冷媒管の保護カバー装置において、
前記付属カバーの接続口に、当該部分に内挿される直状カバーの両側壁部の端部の幅を該接続口の幅に対応するように規制する幅規制部が設けられ、
しかも、前記幅規制部の先端部は、その幅が基端部の幅よりも狭くなっていると共に、前記接続口の端面よりも突出していることを特徴とするエアコン用冷媒管の保護カバー装置。 - 前記幅規制部は、付属カバーの接続口部分の両側壁部の内側に挿入空間を隔ててそれぞれ設けられた幅規制板で構成されることを特徴とする請求項1に記載のエアコン用冷媒管の保護カバー装置。
- 前記直状カバーの両側壁部の開口側端部には、前記建物の外壁面に密着する鍔部が外側に向けて設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアコン用冷媒管の保護カバー装置。
- 建物の外壁面に沿って配管されるエアコン用冷媒管の直状部を保護するための直状カバーと組み合わせられて、該冷媒管の屈曲部や末端部などを保護する付属カバーであって、
弾性変形可能な両側壁部と、下方に開口するエアコン用冷媒管の収容口とを長手方向に連続して備えた中空枠体で形成された直状カバーの端部が内挿される接続口を備え、
該接続口に、当該部分に内挿される直状カバーの両側壁部の端部の幅を該接続口の幅に対応するように規制する幅規制部が設けられ、
しかも、前記幅規制部の先端部は、その幅が基端部の幅よりも狭くなっていると共に、前記接続口の端面よりも突出していることを特徴とするエアコン用冷媒管の付属カバー。
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