JP3546091B2 - 電磁波シールド材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は無線LAN等を使用するOAビル等の建物の壁材や天井材や仕切壁材および床材等の建材として使用される電磁波シールド材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種電子機器の発達により種々な電子機器が事務所、工場、研究所、店舗、一般家庭等のあらゆる場所に導入されて使用される様に成って来たが、これら電子機器に起因する電波障害の問題が多く発生し、その防止策として電磁波シールド材を壁材として用いたり、シールドルームを設けたりしている。
【0003】
この様な電磁波シールド材に就いては種々提案されており、また、電波吸収材と電波反射材との複合材に就いても種々提案されている。斯様な電磁波シールド材の例として、例えば特開昭64ー86595号公報、特願平5ー335409号明細書記載のものを列挙することが出来るが、いずれも特定の周波数帯域の電磁波シールド材に係わるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
併し乍ら、シールドルームの設置には多額の費用が掛かる等の問題が有り、また、電磁波シールド材を壁材として使用するものでは、室内を金属材料でシールドしたシールド・ビルが知られているが、この様なシールド・ビルに用いられる金属系のシールド材は電波をほゞ100%反射することによって機能するために、反射された電波が更に他に悪影響を及ぼす等の問題や、無線LAN等のOA化に対しても十分でない等の問題が見られる。また、この様な電磁波シールド材のバインダーとして屡々樹脂バインダーが用いられるが、樹脂をバインダーとした場合には耐火性等の面から建材として問題を生じることが有る。更に、実用面を考慮すると有効に電波吸収できる周波数帯域を広げることも重要である。
【0005】
従来は電波吸収帯域が狭く、厚さ変動やフェライト粉体や他の添加物の充填量の変動により電波吸収帯域が変動し、希望の周波数帯域を吸収出来なくなる等の不都合が生じ易かった。また、従来のものは電波吸収帯域が狭いために単一周波数での電波吸収しか行えず、構内通信で用いられる無線LAN、PHSや今後使用される可能性のある他のGHZ帯周波数を一つの電波吸収材でカバーすることが出来なかった。
【0006】
従って、この発明の目的は、この様な従来における問題点を解決するために、電波吸収体と電波反射体を好適に組み合わせて、建材としての耐火性能と強度を有すると共に、電波吸収帯域を広帯域化することにより、好適な電波吸収性能と電磁波シールド性能をも併せて有し、無線LAN等を使用するOAビルの建材に適した電磁波シールド材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明に依れば、電磁波シールド材は、目開き0.1mm以上で空隙率が50%以下の金属部材からなる電波反射体の片面又は両面に、無機質マトリクスに補強繊維とフェライト粉体を混合分散させてなる電波吸収体を一体成形し、前記目開きのピッチはシールドすべき電磁波の波長の60分の1以下とし、前記電波吸収体の電波入射面側に複数個の凹凸部を設け、該凹凸部の周期幅は、入射する電波の波長に対して同じか或は短く、且つ凸部の頂点と凹部の底点との厚さの差が前記電波吸収体の最も厚い部分の厚さの1/10以上4/5以下であることを特徴としている。
【0008】
【作用】
この様に構成されたこの発明の電磁波シールド材においては、金属メッシュ材や格子状金属部材または有孔金属板から成る電波反射体の片面に、ケイ酸カルシウムまたはセメントまたは石膏等の無機質マトリクスと、天然または人造の各種繊維状、フレーク状等の補強物質とフェライト粉体とを混合分散させて成る電波吸収体をボード状に一体成型して成ると共に、電波吸収体の電波入射面に整列した複数個の凹凸部を設けて成るので、電波吸収体としての無機質マトリクスと補強物質とフェライト粉体とから成る複合物と、電波反射体としての金属メッシュ材や格子状金属部材または有孔金属板とが好適に組み合わせられて、建材としての耐火性能と強度を有すると共に、電波吸収性能と電磁波シールド性能をも併せて持ち、建材として使用することにより無線機器の誤動作および混信の防止と、電磁シールド効果による情報漏洩防止等の効果を十分に発揮することが出来て且つ無線LAN等を使用するOAビルに特に適した電磁波シールド建材を構成することが出来る。また、必要に応じて電波吸収体に金属もしくはカーボン等の導電性の粉末または繊維を添加しても良い。
【0009】
この発明の他の目的や特長および利点は以下のこの発明の電磁波シールド材に就いての詳細な説明から明らかになろう。
【0010】
この発明の電磁波シールド材は、電波反射体と電波吸収体とを一体成型して成り、電波吸収体の電波入射面側に複数個の凹凸部が設けられており、凹凸部の周期幅が入射する電波の波長に対して同じか或は短く、且つ凸部の頂点と凹部の底点との厚さの差が電波吸収体の最も厚い部分の厚さの1/10以上4/5以下であり、凹凸部の構成配置を変えることによって所要の電磁波吸収帯域を得ることが出来るので、材料を変えること無しに所要の電磁波シールド材を製造することが出来る。
【0011】
電波反射体は金属乃至は表面に金属コーティングされた金属メッシュ材や格子状金属部材または有孔金属板、或は金属箔等から成り、この様な電波反射体の片面または両面に電波無反射体である電波吸収体が一体成型して造られる。電波反射体は金属ならばいずれの金属でも良く、鉄、鋼、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、ニッケル、これらの合金等が好適に用いられる。特に、電波反射体は電波吸収体との結合を強固にするために、上記各種金属のメッシュ材や格子状部材または有孔板、或は箔等を好適に用いることが出来、メッシュや格子または孔等の目開きとしての空隙率は50%以下が良く、且つピッチはシールドすべき電磁波の波長の60分の1以下が好ましい。従って、ピッチは、例えば電磁波の周波数が1GHZの場合には5mm以下で、電磁波の周波数が10GHZの場合には0.5mm以下で、且つ目開きは共に0.1mm以上が良い。更に、これら金属メッシュ材や格子状金属部材または有孔金属板或は金属箔等の厚さは100μm以上が良い。この様な金属メッシュ材や格子状金属部材または有孔金属板、或は金属箔等のメッシュや格子または孔等の目開きは、電波反射体と電波吸収体が一体成型される場合に両者の結合を維持するために目開き0.1mm以上が必要であって、これは目が細かく成り過ぎると両者が一体化し難く成るからである。
【0012】
電波吸収体は、ケイ酸カルシウムまたはセメントまたは石膏等を無機質マトリクスとして、この無機質マトリクスに、針葉樹や広葉樹等の木材、綿、麻、竹等の植物原料から得た繊維(セルロースパルプを含む)乃至は木片等の天然有機補強物質、またはガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、セピオライト、石綿等の天然乃至は人造無機繊維や、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニールアルコール、ポリプロピレン、ポリアミド等の人造有機繊維、ウォラスナイト等の針状結晶等から成る補強物質と、フェライト粉体とを複合物として混合分散させ、養生硬化させて成る。この発明においては、電波吸収体を電波反射体の片面にボード状に一体成型し、電波吸収体の電波入射面側に、周期幅が入射する電波の波長に対して同一か或は短く、且つ凸部の頂点と凹部の底点との厚さの差が電波吸収体の最も厚い部分の厚さの1/10以上4/5以下である凹凸部を設けることによって電磁波シールド材が形成される。特に、フェライト粉体は粒径が1μm以上が好適であり、細かすぎると磁性が弱くなり好ましくない。
【0013】
電波吸収体の原料中に占める無機質マトリクスおよび補強物質の割合は絶乾重量比10〜75重量%で、フェライト粉体の割合は25〜90重量%が好適である。無機質マトリクスと補強物質との比率は使用する補強物質の種類や、得られた電磁波シールド材の用途によって異なるため一概に規定することは出来ない。無機質マトリクスと補強物質の割合が10重量%を下まわると十分な強度が得られず、75重量%を上まわるとフェライト粉体による好適な電磁波無反射効果が得られない。また、フェライト粉体は25重量%以下では電波吸収量が小さく十分な電磁波無反射効果が得られず、また、90重量%以上では十分な成型強度が得られない。
【0014】
この発明には必須原料の外、物性や成型性に悪影響を及ぼさない範囲で、必要に応じて下記の物質も添加できる。
▲1▼ 炭酸カルシウム粉末、パーライト、ゼオライト粉末、珪砂、シリカ粉末等の無機質増量材、
▲2▼ 着色剤、防水剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、増粘剤、減水剤等の添加物、
▲3▼ この発明に成る電磁波シールド材の切断残材粉砕粉或いは研磨粉。
【0015】
特に、この様に構成されるこの発明の電磁波シールド材においては、電波吸収体の表面の電波入射面側に複数個の凹凸部が、凹凸部の周期幅が入射する電波の波長に対して同じか或は短く、且つ凸部の頂点と凹部の底点との厚さの差が電波吸収体の最も厚い部分の厚さの1/10以上4/5以下である様に、凹凸部が決められることが重要である。すなわち、電波吸収体として凹凸部の最適な大きさが存在し、この最適な大きさよりも、大きくても小さくても共に必要とする電波吸収性能が得られなくなる危険性がある。また、この発明の電磁波シールド材の凹凸形状は、電波吸収体の表面に開口部または交差する溝が規則的に並列して形成されている構造であり、電波吸収体は無機質マトリクスに補強物質とフェライト粉体とを混合分散させて成り、電波吸収体の片面に加圧成型される電波反射体が金属メッシュ材や格子状金属部材または有孔金属板から成っている。更に、この発明の電磁波シールド材は、フェライト粉体の充填量が25〜90重量%で、無機マトリクスおよび補強物質の充填量が10〜75重量%の組成を成しており、フェライト粉体は25重量%以下では、10dB以上の反射損失が得られない。電波吸収体の厚さの比が1/10を下まわると、電波吸収の周波数帯域を広げるための凸部による効果が得られず、4/5を上まわると強度的に弱く、建材として用途上問題が有る。電磁波シールド材としての最適な厚さは5〜50mmである。以下に、この発明の電磁波シールド材の最適な実施例に就いて説明する。
【0016】
図面の図1には、この発明の電磁波シールド材の模式図が示されており、図示される様に、この発明の電磁波シールド材1は電波反射体2と電波吸収体3とを一体成型して成り、電波吸収体2の電波入射面側に凹凸部4が形成されている。凹凸部4は四角形、三角形、円形、角錐形、円錐形等、凹凸に限らず、截頭角錐体形や截頭円錐体形、段付状の凹凸形等、どの様な形状にもすることが出来、凹凸部4の中心の間隔である周期幅dと、凹凸部4の凸部の頂点と凹部の底点との厚さの差H1と電波吸収体2の最も厚い部分の厚さH2との関係が、
▲1▼ 凹凸部の周期幅dが入射する電磁波の波長λに対して同じか或は短く(d≦λ)、
▲2▼ 凹凸部の凸部の頂点と凹部の底点の厚さの差H1が電磁波吸収体の最も厚い部分の厚さH2の1/10以上4/5以下(4/5≧H1/H2≧1/10)であることが必要である。
【0017】
【実施例1】
図2および図3には、この発明の電磁波シールド材の第1の実施例が示されており、図示される様に、この発明の電磁波シールド材1は電波反射体2の片面にだけ電波吸収体3が一体成型して構成されており、表面の電波入射面側に複数個の凹部5が整列して設けられている。電波吸収体3の凹部5間の間隔aと凹部5の幅bとの比率は、a/(a+b)×100=20%位が好適であり、凹部5の深さH1と全体の厚さH2は、H1=10mm、H2=15mmである。この電磁波シールド材1は以下の様にして得られた。先ず、電波吸収体3はケイカル系マトリクスとフェライト粉体とから成り、フェライト粉体を80重量%とすると、フェライト粉体以外の原料比率として、ポルトランドセメント3.9重量%と、消石灰3.0重量%と、ウォラスナイト4.9重量%と、珪砂3.9重量%と、珪藻土3.9重量%と、セルロースパルプ(NBKP)0.4重量%と、増粘剤としてメチルセルロースを固形分に対して外割りで0.2重量%添加した。また、水は固形分に対して重量比で45重量%添加した。フェライト粉体としてはMn−Zn系フェライト粉体(平均粒径10μm)を用いた。次ぎに、この混練物から成る電波吸収体3を全体の厚さが15mmで、凹部5の深さが10mmと成る様に、片面に電波反射体2としての、例えば線径0.3mm、ピッチ0.7mmの金属メッシュと共に加圧脱水して一体に成型し、養生硬化させて電磁波シールド材1を得た。得られた電磁波シールド1は下記の特性を示した。
電波吸収特性 : 反射損失 10dB以上(周波数1.6〜8.0GHZで)
電磁波シールド特性 : 50dB以上
【0018】
図4にこの第1の実施例の電磁波シールド材の、周波数に対する反射損失を示す。この様な電磁波シールド材を室内壁として使用することにより、2.5GHZの無線LANや1.9GHzのPHSおよび今後使用される可能性のある1.6〜8GHZまでの周波数帯で10dB以上の電波吸収特性が得られ、50dB以上のシールド特性を有することにより、構内無線機器の誤動作防止と情報漏洩防止とを達成することが出来る。
【0019】
また、この様な電磁波シールド材に、ケイカル板、石膏ボード等を積層して建材として用いることも出来る。但し、この場合には、周波数帯域がずれる恐れがあるから、この点を考慮して表面のボードを加味した設計にすることが必要である。
【0020】
【実施例2】
図5および図6には、この発明の電磁波シールド材の第2の実施例が示されており、図示される様に、この発明の電磁波シールド材1’は電波反射体2の片面に電波吸収体3’が一体成型して構成されており、表面の電波入射面側に複数個の凸部6が整列して設けられている。電波吸収体3’の凸部6間の間隔aと凸部6の幅bとの比率は、a/(a+b)×100=30%位が好適で、凸部6の高さH1と全体の厚さH2は、H1=10mm、H2=20mmである。この電磁波シールド材1は以下の様にして得られた。先ず、電波吸収体3’はケイカル系マトリクスとフェライト粉体とから成り、フェライト粉体を67重量%とすると、ポルトランドセメント6.5重量%と、消石灰4.9重量%と、ウォラスナイト8.0重量%と、珪砂6.5重量%と、珪藻土6.5重量%と、セルロースパルプ(NBKP)を0.6重量%と、セルロースパルプ(NBKP)を0.6重量%と、増粘剤としてメチルセルロースを固形分に対し外割りで0.2重量%添加した。また、水は固形分に対して重量比で45重量%添加した。フェライト粉体としてはMn−Zn系フェライト粉体(平均粒径10μm)を用いた。次ぎに、この混練物から成る電波吸収体3’を全体の厚さが20mm、凸部6の高さが10mmと成る様に、片面に電波反射体2としての、例えば線径0.3mm、ピッチ0.7mmの金属メッシュと共に加圧脱水して一体成型し、養生硬化させて電磁波シールド材1’を得た。得られた電磁波シールド1’は下記の様な特性を示した。 電波吸収特性 : 反射損失 10dB(周波数1.0〜8.0GHZで)
電磁波シールド特性 : 50dB以上
【0021】
図7にこの第2の実施例の電磁波シールド材の、周波数に対する反射損失を示す。この電磁波シールド材を室内壁として使用することにより、2.5GHZの無線LANや1.9GHzのPHSおよび今後使用される可能性のある1〜8GHZまでの周波数帯で10dB以上の電波吸収特性が得られ、50dB以上のシールド特性を有することにより、構内無線機器の誤動作防止と情報漏漏防止とを達成することが出来る。
【0022】
【比較例1】
この様に構成されたこの発明の凹凸部の有る電磁波シールド材に対して、比較例1として凹凸部が無く、ケイカル系マトリクスにフェライト粉体80重量%が充填されて、平らで且つ厚さが8mmの電磁波シールド材では、電波吸収特性は図8に示される様に周波数1.5〜3.0GHZの帯域で反射損失が10dB以上であり、電波吸収帯域が、この発明の電磁波シールド材の電波吸収帯域よりも狭い。
【0023】
【比較例2】
比較例2は、この発明の第1の実施例と同一形状の凹部を有し、ケイカル系マトリクスにフェライト粉体25重量%が充填された電磁波シールド材で、この比較例2の電磁波シールド材では、図9に示される様に、いずれの周波数にても反射損失が10dB以下と成ってしまい十分な特性が得られない。
【0024】
【比較例3】
比較例3は、この発明の第1の実施例の電磁波シールド材と同一組成の、ケイカル系マトリクスにフェライト粉体80重量%が充填された組成を成し、且つ凹部の底部厚さと同一厚さの、厚さ5mmの平らな電磁波シールド材であり、この比較例3の電磁波シールド材では、図10に示される様に、周波数3.0〜6.0GHZの帯域で反射損失が10dB以上であり、電波吸収帯域が、この発明の電磁波シールド材の電波吸収帯域よりも狭い。
【0025】
【比較例4】
比較例4は、比較例3と同様に、この発明の第1の実施例の電磁波シールド材と同一組成の、ケイカル系マトリクスにフェライト粉体80重量%が充填された組成を成しており、凹部の深さと同一厚さの、厚さ10mmの平らな電磁波シールド材であり、この比較例4の電磁波シールド材では、図11に示される様に、周波数0.7〜2.2GHZの帯域で反射損失が10dB以上であり、電波吸収帯域が、この発明の電磁波シールド材の電波吸収帯域よりも狭い。
【0026】
【発明の効果】
この様に構成されたこの発明の電磁波シールド材に依れば、目開き0.1mm以上で空隙率が50%以下の金属部材からなる電波反射体の片面又は両面に、無機質マトリクスに補強繊維とフェライト粉体を混合分散させてなる電波吸収体を一体成形し、前記目開きのピッチはシールドすべき電磁波の波長の60分の1以下とし、前記電波吸収体の電波入射面側に複数個の凹凸部を設け、該凹凸部の周期幅は、入射する電波の波長に対して同じか或は短く、且つ凸部の頂点と凹部の底点との厚さの差が前記電波吸収体の最も厚い部分の厚さの1/10以上4/5以下であるように構成したので、電波吸収体としての無機質マトリクスと補強物質とフェライト粉体とから成る複合物と、電波反射体としての金属メッシュ材や格子状金属部材または有孔金属板とが好適に組み合わせられて、建材としての耐火性能と強度を有すると共に、電波吸収性能と電磁波シールド性能をも併せて持ち、特に凹凸部によって幅広い電波吸収帯域が得られて、内装壁材として使用することにより無線機器の誤動作および混信の防止と、電磁シールド効果による情報漏洩防止等の効果を十分に発揮することが出来るし、且つ無線LAN等を使用するOAビルに特に適した電磁波シールド建材を構成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の電磁波シールド材を示す模式図である。
【図2】この発明の電磁波シールド材の第1の実施例の斜視図である。
【図3】図2のこの発明の電磁波シールド材の第1の実施例を示す図で、Aは側断面部分図で、Bは平面部分図である。
【図4】図2のこの発明の電磁波シールド材の第1の実施例の、周波数に対する反射損失を示すグラフである。
【図5】この発明の電磁波シールド材の第2の実施例の斜視図である。
【図6】図5のこの発明の電磁波シールド材の第2の実施例を示す図で、Aは側断面部分図で、Bは平面部分図である。
【図7】図5のこの発明の電磁波シールド材の第2の実施例の、周波数に対する反射損失を示すグラフである。
【図8】比較例1の電磁波シールド材における周波数に対する反射損失を示すグラフである。
【図9】比較例2の電磁波シールド材における周波数に対する反射損失を示すグラフである。
【図10】比較例3の電磁波シールド材における周波数に対する反射損失を示すグラフである。
【図11】比較例4の電磁波シールド材における周波数に対する反射損失を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電磁波シールド材
1’ 電磁波シールド材
2 電波反射体
3 電波吸収体
3’ 電波吸収体
4 凹凸部
5 凹部
6 凸部
Claims (4)
- 目開き0.1mm以上で空隙率が50%以下の金属部材からなる電波反射体の片面又は両面に、無機質マトリクスに補強繊維とフェライト粉体を混合分散させてなる電波吸収体を一体成形し、
前記目開きのピッチはシールドすべき電磁波の波長の60分の1以下とし、
前記電波吸収体の電波入射面側に複数個の凹凸部を設け、該凹凸部の周期幅は、入射する電波の波長に対して同じか或は短く、且つ凸部の頂点と凹部の底点との厚さの差が前記電波吸収体の最も厚い部分の厚さの1/10以上4/5以下である
ことを特徴とする電磁波シールド材。 - 凹凸形状が電波吸収体の表面に開口部または交差する溝が規則的に並列して形成されている構造であることを特徴とする請求項1記載の電磁波シールド材。
- 前記電波反射体は、金属メッシュ材や格子状金属部材または有孔金属板から成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁波シールド材。
- フェライト粉体の充填量が25〜90重量%で、無機マトリクスおよび補強物質の充填量が10〜75重量%の組成であり、電波吸収体の厚さが5〜50mmであることを特徴とする請求項3記載の電磁波シールド材。
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KR101433610B1 (ko) * | 2013-01-16 | 2014-08-26 | 관동대학교산학협력단 | 전자파 차폐용 블록 |
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JPH08274492A (ja) | 1996-10-18 |
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