JP2002026571A - 電波吸収体 - Google Patents

電波吸収体

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JP2002026571A
JP2002026571A JP2000206709A JP2000206709A JP2002026571A JP 2002026571 A JP2002026571 A JP 2002026571A JP 2000206709 A JP2000206709 A JP 2000206709A JP 2000206709 A JP2000206709 A JP 2000206709A JP 2002026571 A JP2002026571 A JP 2002026571A
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radio wave
layer
wave absorber
resin
heat transfer
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JP2000206709A
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English (en)
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Yoichi Higuchi
洋一 日口
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 黴、大腸菌、化膿菌、各種食中毒菌、その他
の雑菌等を死滅させるような抗菌性に優れた電波吸収体
を提供すること。 【解決手段】 電波吸収体を構成する各層内に一種類以
上の抗菌剤が含有されていることを特徴とする電波吸収
体を構成した。電波吸収体を構成する各層としては、電
波吸収層、熱伝達変換層、易接着層、電波反射層であ
り、各層内に一種類以上の抗菌剤が含有されていること
を特徴とする電波吸収体を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は室内LAN対応、レ
ーダ偽像防止、無線障害防止、およびElectro
Magnetic Interference(EM
C)対策分野で使用される抗菌性を有する電波吸収体に
関するものである。特にミリ波を含む高周波電波吸収体
で抗菌性を有するものに関するものである。従って、
床、建材ボード等の内壁はもちろん建材外壁、ガードレ
ール、舗装機能道路、パーキングエリアなど屋外設置を
意識したミリ波を含む高周波電波吸収体としても期待で
きるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の発達により種々な
電子機器が事務所、工場、研究所、店舗、一般家庭等の
あらゆる場所に導入されて使用される様に成って来た
が、これら電子機器に起因する電波障害の問題が多く発
生し、その防止策として電磁波シールド材を壁材として
用いたり、シールドルームを設けたりしている。
【0003】この様な電磁波シールド材に就いては種々
提案されており、また、電波吸収材と電波反射材との複
合材に就いても種々提案されている。斯様な電磁シール
ド材の一例として、例えば特開昭64−86595号公
報記載のものを列挙することが出来る。
【0004】併し乍ら、シールドルームの設置には多額
の費用が掛かる等の問題が有り、また、電磁波シールド
材を壁材として使用するものでは、室内を金属材料でシ
ールドしたシールド・ビルが知られているが、この様な
シールド・ビルに用いられる金属系のシールド材は電波
をほゞ100%反射することによって機能するために、
反射された電波が更に他に悪影響を及ぼす等の問題や、
無線LAN等のOA化に対しても十分でない等の問題が
見られる。即ち、電磁波シールドの場合、基本的には入
射される不要電磁波に対して反射作用を利用して、電子
機器筐体内に電磁波が侵入されるのを防ぐ事となる。そ
のためこの場合には、利用空間内に対して電磁波は何ら
かの意味で存在していることになり、2次的ノイズのも
とになってしまう。
【0005】一方、従来の電磁波吸収体の場合は、設計
段階から完全反射体である金属板からの反射レベルに対
して、幾何学的に同面積の電波吸収体層からの反射レベ
ルがどの程度低下するか、つまりは入射電磁波に対して
どの程度吸収されるかを考慮して製造される。そのため
この場合には、利用空間内に対して入射された電磁波は
存在しなくなる。そのため不要電磁波に対する根本的な
解決となり両者はその作用・構成等において明確に区別
される。
【0006】この電磁波吸収体としては、最も基本的な
ものとして構造的に単純な金属で裏打ちした1層型電波
吸収体がある。一般にはゴム材料に炭素粒子を混入した
1層型ゴムシート電波吸収体が多い。さらには、表面層
と吸収層を有する2層型電波吸収体がある。これは、グ
ラファイト含有発泡スチロールや炭化ケイ素FRPを用
いた電波吸収体が多い。
【0007】さらには、電波暗室に使用する電波吸収体
のように広帯域性を必要とする多層型電波吸収体があ
る。これは構造形態より、ピラミッド形のものやウエッ
ジ形のものに区分される。薄膜多層構造電磁波吸収体と
しては、例えば日本エネシス株式会社の「フレクステ
ル」(商品名)がある。これは、15種類を超える素材
を施工状況から組み合わせを決定し製造する。さらに各
層は特殊な熱可塑性接着剤で強固に結合させるものであ
り、施工後の修正あるいはその場での修正は不可能であ
る。また、周波数に応じた形態にならざるをえず、構成
材料を別にそれぞれ用意しておく必要が生じる。
【0008】また、最近は携帯電話を中心としたミリ波
帯を意識した電波の需要が急速に進み、それに伴ないミ
リ波帯(特に60GHz、90GHz)における電波吸
収体の研究開発も盛んに行なわれている。この場合一般
には抵抗皮膜型電波吸収体が多くある。さらに最近の抗
菌ブームと電波吸収能の低下防止の観点から、黴、大腸
菌、化膿菌、各種食中毒菌、その他の雑菌等を死滅させ
るような抗菌性に優れた電波吸収体が必要とされてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、高周波(1GHz〜70GHz)対応の電
波吸収体において、黴、大腸菌、化膿菌、各種食中毒
菌、その他の雑菌等を死滅させるような抗菌性に優れ、
なるべく薄く、軽量・安価で、高効率、広帯域の電波吸
収能を持つとともに、施工の容易さをも実現することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の「電波吸収体」は、 (1) 電波吸収体を構成する各層内に一種類以上の抗
菌剤が含有されていることを特徴とする電波吸収体。 (2) 電波吸収体を構成する各層としては、電波吸収
層、熱伝達変換層、易接着層、電波反射層であることを
特徴とする(1)に記載の電波吸収体。 (3) 電波及び/または電磁波を吸収するための電波
吸収層と、熱伝達変換層とから構成された電波吸収体で
あって、前記電波吸収層を2層以上とし、各層間に易接
着層を設け、且つ前記熱伝達変換層に抗菌剤が含有され
ていることを特徴とする電波吸収体。 (4) 熱伝達変換層が有機繊維や無機繊維を用いた高
熱伝導性樹脂シートであることを特徴とする(2)また
は(3)に記載の電波吸収体。としたのである。一例と
して抗菌剤が含有されている電波吸収層を2層以上持
ち、これと各電波吸収層で吸収された電波や電磁波を熱
エネルギーに変換する役目をする抗菌剤が含有されてい
る熱伝達変換層を積層した構成とした。本発明で製造し
た電波吸収特性の異なる各種電波吸収層は単層で用いて
も良いが、好ましくは易接着層を介して複数積層させて
用いる。つまり、吸収効率と電磁波周波数に応じて、各
層に機能分離するほうが有利であり、これにより帯域も
広がり高周波全域を無駄無く吸収することが可能とな
る。
【0011】また、本発明の「電波吸収体」は、上記構
成において更に、熱伝達変換層が有機繊維等を用いた高
熱伝導性樹脂シートから成る構成とした。熱伝達変換層
は、一般にはアルミニウムや銅などの金属板、金属ネッ
トを複合加工して製品としているが、本発明では軽量か
つ放熱性および熱伝導率の点から炭素繊維等の有機繊維
等を用いた高熱伝導性樹脂シートを用いた。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電波吸収体につい
て、実施の形態を説明する。
【0013】先ず本発明の電波吸収体の典型的な構造を
図1及び図2を引用して説明する。図1は本発明の電波
吸収体の一実施例の断面図である。図1の電波吸収体7
は、電波吸収層A1と電波吸収層B3と電波吸収層C4
と熱伝達変換層5とをそれぞれ易接着層2を介して積層
された構成である。また、図2は本発明の電波吸収体の
一実施例の分解した構成を示す斜視図である。図2の電
波吸収体は、電波吸収層A1と電波吸収層B3と電波吸
収層C4と熱伝達変換層5とをそれぞれ易接着層2を介
して積層された構成である。電波吸収層A1と電波吸収
層B3と電波吸収層C4はいずれも、角部を切断され、
剥離用切り込み6が形成されている。
【0014】以下、これら各層について更に詳述する。
【0015】(電波吸収層)電波及び/または電磁波を
吸収するための電波吸収層は、軽量化を意識した材料を
用いるのが好ましい。すなわち、一般にはフェライトを
中心とした磁性金属類が用いられるが、ここではさらな
る軽量化を実現するために、カーボン粉体(カーボンブ
ラック)あるいは、木炭、竹炭、泥炭等の粉末あるいは
希土類粉体または磁性スピンを有するCo、Feなどを
中心金属とした有機金属錯体類、希土類イオン含有包接
物などを用いる。これらを固定させ電波吸収層を作製す
る方法には、主に圧延ロール法とホットプレス法があ
る。ここでは、実験室レベルで簡便で、異方性の生じに
くいホットプレス法によった。ホットプレス法は、ゴム
などの結着用材料に対するカーボンブラックの混合比を
変化させ、0.1〜20重量部の抗菌剤とともに混入
し、これをペイントロールで混合した後、スペーサで厚
みを各種調整してホットプレスすることにより製作す
る。もちろんカーボンブラックの代わりに希土類粉体ま
たは磁性スピンを有するCo、Feなどを中心金属とし
た有機金属錯体類、希土類イオン含有包接物などを結着
用材料に分散、練り込んでも良い。また分散、混合する
代わりに抗菌剤とカーボンブラックあるいは希土類粉体
または磁性スピンを有するCo、Feなどを中心金属と
した有機金属錯体類、希土類イオン含有包接物を結着用
材料で含浸させ硬化結着させる方法や含浸させ硬化結着
させながら、スペーサで厚みを各種調整してホットプレ
スや圧延ロールにより製作することもある。
【0016】抗菌剤としては、有機系、無機系が使用で
き、特に無機系のものが抗菌効果の持続性、加工適性等
の点でより実用に適している。無機系のものとしては、
銀系無機抗菌剤、銅系無機抗菌剤、亜鉛系無機抗菌剤が
使用できる。銀系無機抗菌剤としては、銀イオンを担持
させた無機化合物であれば特に制限はないが、具体的に
は、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル等の無機系吸着
剤、ゼオライト、アパタイト、ヒドロキシアパタイト、
リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、チタン酸カリウム
等の無機イオン交換体に銀イオンを担持させたものが挙
げられる。この他、ガラス、セラミック、珪酸カルシウ
ム、酸化チタン等も銀イオンを担持させて使用できる。
銅系無機抗菌剤としては、銅イオンを担持させた無機化
合物であれば特に制限はないが、具体的には、活性炭、
活性アルミナ、シリカゲル等の無機系吸着剤、ゼオライ
ト、アパタイト、ヒドロキシアパタイト、リン酸ジルコ
ニウム、リン酸チタン、チタン酸カリウム等の無機イオ
ン交換体に銅イオンを担持させたものが挙げられる。こ
の他、ガラス、セラミック、珪酸カルシウム、酸化チタ
ン等も銅イオンを担持させて使用できる。亜鉛系無機抗
菌剤についても同様である。これら以外にもカルシウ
ム、マグネシウムの水酸化物もしくは酸化物に抗菌剤と
して有効である亜鉛や銅やアルミニウム等を固溶化させ
たものも使用できる。以上の抗菌剤を1種類以上、電波
吸収体を構成する各層であるところの、電波吸収層、熱
伝達変換層、易接着層、電波反射層のいずれか任意の層
(一部の層でも良いし、全部の層でも良い)に、通常
0.1〜20重量部含有させることにより、抗菌性に優
れた電波吸収体となる。これらの中でも、安全性が最も
優れているのは、銀系無機抗菌剤である。ゼオライトの
場合、ゼオライトのイオン交換可能な金属の一部を、
銀、銅、亜鉛から選ばれる少なくとも一種の金属で置換
して得られる抗菌性ゼオライト等が使用される。これら
抗菌剤の選択は、後記の固定媒体である結着用材料(バ
インダー)となる樹脂等との相性を考慮して行う。組み
合わせによっては、化学反応により後記の固定媒体であ
る結着用材料(バインダー)が黒や茶色に変色してしま
ったりすることがあるためである。
【0017】結着用材料としては、エポキシ変性ウレタ
ンゴム等の各種ゴム類、シリコーン、各種の合成樹脂が
用いられる。例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、エチ
レン−プロピレン共重合樹脂、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重
合樹脂等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート
樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン
ナフタレート、エチレン−テレフタレート−イソフタレ
ート共重合樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー
等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチ
ル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エチル樹脂、ポリ(メ
タ)アクリル酸ブチル樹脂、(メタ)アクリル酸メチル
−(メタ)アクリル酸ブチル共重合樹脂等のアクリル樹
脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリア
ミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリス
チレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシフェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、エポキシウレタン変性樹脂、又はフェノール樹
脂等である。上記の内、エポキシ変性ウレタンゴム、シ
リコーン、エポキシフェノール樹脂、エポキシウレタン
変性樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂などを用いる
のが好ましい。
【0018】混合、分散するための分散機は、前記した
ペイントロール以外にもペイントシェーカ、ビーズミ
ル、アトライターなどを用いても良い。スペーサで設計
厚みに調整してホットプレスによって作製する際、例え
ば、設計数値等に関しては橋本修等の論文を参考に分散
調合を決定していった。(橋本修等:電子情報通信学会
論文誌 B Vol.J82−B No.3 pp.4
69−475 1999年3月)
【0019】カーボンブラックあるいは希土類粉体また
は磁性スピンを有するCo、Feなどを中心金属とした
有機金属錯体類などの種類や混合比や電波吸収層の厚み
によって、電波吸収特性の異なる各種電波吸収層を作製
できる。
【0020】さらにこのようにして製造した電波吸収特
性の異なる各種電波吸収層は単層で用いても良いが、易
接着層2を介して複数積層させて用いた方が良い。つま
り、吸収効率と電磁波周波数に応じて、各層に機能分離
するほうが有利であり、これにより帯域も広がり高周波
全域を無駄無く吸収することが可能となる。
【0021】(熱伝達変換層)熱伝達変換層5は、一般
にはアルミニウムや銅などの金属板、金属ネットを複合
加工して製品としている。ここでは、軽量かつ放熱性お
よび熱伝導率の点から有機繊維または無機繊維を用いた
高熱伝導性樹脂シートを用いた。
【0022】これは炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊
維等の特殊な繊維の繊維方向を制御して高濃度で整列さ
せエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂で硬
化させることによって得られる。例えば、日機装株式会
社の商品名 MATELIGHT(炭素繊維強化プラス
チック、アラミド繊維強化プラスチック、ガラス繊維強
化プラスチック)やポリマテック株式会社の繊維配向複
合材などを使用するのがよい。この炭素繊維は、レーヨ
ン系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、フェノール
樹脂系、石炭ピッチ系、石油ピッチ系など、各種の炭素
繊維が使用でき、そして、通常、繊維直径が2〜30μ
m程度、平均繊維長さが0.1〜10mm程度のものを
使用するのが好ましい。
【0023】ここで炭素繊維、アラミド繊維(芳香族ポ
リアミド繊維)、ガラス繊維等の特殊な繊維の繊維方向
を制御しないでエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬
化性樹脂で硬化させても良い。熱硬化性樹脂は、例え
ば、エポキシ樹脂、BMI系樹脂(フェノール樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂など)、ポリイミド
樹脂等の一般の熱硬化性樹脂であり、特に限定されるも
のではない。なお、熱硬化性樹脂には、必要に応じて、
前記各種抗菌剤、硬化剤等の配合剤を配合することがで
きる。また、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化
性樹脂の代わりに、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
フェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂を使用しても
良い。特殊な繊維としては綿、麻、竹、木等の植物原料
から得た繊維(セルロースパルプを含む)等の天然有機
繊維、または炭化珪素繊維、金属繊維、セピオライト、
石綿等の天然乃至は人造無機繊維や、ポリエステル、ポ
リアクリロニトリル、ポリビニールアルコール、ポリプ
ロピレン、ポリアミド繊維等の人造有機繊維も使用でき
る。
【0024】また、本発明の「電波吸収体」は、図1と
図2におけるように、電波吸収層A〜Cと熱伝達変換層
5の各層間に易接着層2をもたせたもので、各層には任
意に抗菌剤を含有させ、これにより施工場所における電
磁波到達度合いに応じて最適な電磁波吸収面を、剥離用
切り込み6を指標に剥離することで容易に作り出すこと
が可能となる。
【0025】(易接着層)易接着層2の一例としては、
信越化学株式会社製のアクリルシリコーンエマルジョン
溶液を溶媒(トルエンとアセトンの1:1混合溶媒)で
5%に希釈したものをメイヤーバーや各種コーティング
法によって1〜25μmの厚さに塗布して形成する。ま
た、易接着層2の材料としての樹脂(バインダー)に
は、ポリビニルアルコール単独あるいはその部分ケン化
品(商品名 ポバール)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体を使用でき、前記
の各種抗菌剤や接着力の強弱を調整するためシリコーン
油等のシリコーン類を数%含有すればよい。さらには、
シリコーン油のみならず、シランカップリング剤単独あ
るいはその加水分解物を数%含有させても良い。(東芝
シリコン株式会社製)各層を積層して貼り合わせ電波吸
収体7を構成させる。さらに施工現場において、電波吸
収層A1を剥離用切り込み6に従って剥離したが、容易
に剥離でき、電波吸収層B3を最表面に持ってくること
もできた。
【0026】(電波反射層)電波吸収層、熱伝達変換
層、易接着層の他に電波反射層も積層して電波吸収体を
構成しても良い。電波反射層は、一般にはアルミニウム
や銅などの金属板、さらにはアルミマイラーフィルムの
ように基体に金属蒸着したものでもよいし、金属ネット
を複合加工して製品としても良い。また、軽量かつ放熱
性および熱伝導率の点から有機繊維または無機繊維を用
いた高熱伝導性樹脂シートを用いても良い。(熱伝達変
換層に記載したものと同じなので例示はしない。)
【0027】
【実施例】以下、本発明について、実施例により更に説
明する。
【0028】(実施例1)図1及び図2の如き構成の電
波吸収体7を次の様にして作製した。エポキシフェノー
ル樹脂100g当たりにカーボンブラック3.09g添
加してペイントロールで混合した後、スペーサで厚みを
1.91mmに調整してホットプレスによって作製した
ものを電波吸収層A1とした 。エポキシフェノール樹
脂100g当たりにカーボンブラック2.08gを添加
してペイントロールで混合した後、スペーサで厚みを
3.31mmに調整してホットプレスによって作製した
ものを電波吸収層B3とした 。エポキシフェノール樹
脂100g当たりにカーボンブラック2.68gを添加
してペイントロールで混合した後、スペーサで厚みを
2.01mmに調整してホットプレスによって作製した
ものを電波吸収層C4とした 。電波吸収層A〜Cの角
部を斜めに切断して剥離用切り込み6を設けた。
【0029】熱伝達変換層5は、日機装株式会社の商品
名 MATELIGHT COMPOSITE(炭素繊
維強化プラスチック)に抗菌剤(ゼオライトのイオン交
換可能な金属の一部を、銀で置換して得られる抗菌性ゼ
オライト=銀イオン系ゼオライト)3重量部をあらかじ
め含有させたもので0.3mm厚さを用いた。電波吸収
層A〜Cと熱伝達変換層5の各層間には易接着層2を設
けた。易接着層2は、信越化学株式会社製のアクリルシ
リコーンエマルジョン溶液に、銀イオン系ゼオライトを
5重量部添加し混合分散させた液を溶媒(トルエンとア
セトンの1:1混合溶媒)で5%に希釈したものをメイ
ヤーバーによって5μmの厚さに塗布して形成した。各
層を積層して貼り合わせ電波吸収体7を構成させた。さ
らに電波吸収層A1を剥離用切り込み6に従って剥離し
たが、容易に剥離でき、電波吸収層B3を最表面に持っ
てくることができた。
【0030】電波吸収特性はアドバンテスト法によって
行なった。電波吸収層A、B、Cで構成の場合には1G
Hz〜20GHz(測定限界のため)においてほぼフラ
ットに−20dBの吸収損失を確認した。さらに、電波
吸収層B、Cの場合には5GHz〜20GHz(測定限
界のため)においてほぼフラットに−25dBの吸収損
失を確認した。さらに、電波吸収層Cの場合には15G
Hz〜20GHz(測定限界のため)において鋭い吸収
ピークが見られ、−35dBの吸収損失を確認した。抗
菌性能は電波吸収体の層に付着させた黴、大腸菌、化膿
菌、各種食中毒菌、その他の雑菌等を2〜4日以内に死
滅させてしまうものでした。
【0031】(実施例2)図1及び図2の如き構成の電
波吸収体7を次の様にして作製した。エポキシフェノー
ル樹脂100g当たりに、磁性スピンを有するCo、F
eなどを中心金属とした有機金属錯体類3.09gと銅
イオン系ゼオライト1gと銀イオン系ゼオライト1gを
添加してペイントロールで混合した後、スペーサで厚み
を1.91mmに調整してホットプレスによって作製し
たものを電波吸収層A1とした 。エポキシフェノール
樹脂100g当たりに、磁性スピンを有するCo、Fe
などを中心金属とした有機金属錯体類2.08gと銅イ
オン系ゼオライト1gと銀イオン系ゼオライト1gを添
加してペイントロールで混合した後、スペーサで厚みを
3.31mmに調整してホットプレスによって作製した
ものを電波吸収層B3とした 。エポキシフェノール樹
脂100g当たりに、磁性スピンを有するCo、Feな
どを中心金属とした有機金属錯体類2.68gと銅イオ
ン系ゼオライト1gと銀イオン系ゼオライト1gを添加
してペイントロールで混合した後、スペーサで厚みを
2.01mmに調整してホットプレスによって作製した
ものを電波吸収層C4とした 。電波吸収層A〜Cの角
部を斜めに切断して剥離用切り込み6を設けた。
【0032】熱伝達変換層5は、日機装株式会社の商品
名 MATELIGHT COMPOSITE(炭素繊
維強化プラスチック)に抗菌剤(ゼオライトのイオン交
換可能な金属の一部を、銀で置換して得られる抗菌性ゼ
オライト=銀イオン系ゼオライト)3重量部をあらかじ
め含有させたもので0.3mm厚さをそのまま用いた。
電波吸収層A〜Cと熱伝達変換層5の各層間には易接着
層2を設けた。易接着層2は、信越化学株式会社製のア
クリルシリコーンエマルジョン溶液に、銀イオン系ゼオ
ライトを5重量部添加し混合分散させた液を溶媒(トル
エンとアセトンの1:1混合溶媒)で5%に希釈したも
のをメイヤーバーによって5μmの厚さに塗布して形成
した。各層を積層して貼り合わせ電波吸収体7を構成さ
せた。さらに電波吸収層A1を剥離用切り込み6に従っ
て剥離したが、容易に剥離でき、電波吸収層B3を最表
面に持ってくることができた。
【0033】電波吸収特性はアドバンテスト法によって
行なった。電波吸収層A、B、Cで構成の場合には1G
Hz〜20GHz(測定限界のため)においてほぼフラ
ットに−20dBの吸収損失を確認した。さらに、電波
吸収層B、Cの場合には5GHz〜20GHz(測定限
界のため)においてほぼフラットに−25dBの吸収損
失を確認した。さらに、電波吸収層Cの場合には15G
Hz〜20GHz(測定限界のため)において鋭い吸収
ピークが見られ、−35dBの吸収損失を確認した。抗
菌性能は電波吸収体に付着させた黴、大腸菌、化膿菌、
各種食中毒菌、その他の雑菌等を3〜5日以内に死滅さ
せてしまうものでした。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の新規
な構成により、抗菌性能は電波吸収層に付着させた黴、
大腸菌、化膿菌、各種食中毒菌、その他の雑菌等を死滅
させてしまうような電磁波吸収体を提供できる。 特に請求項3の発明をすることで、施工場所における
電磁波到達度合いに応じて最適な電磁波吸収面を容易に
作り出すことが可能となる。例えば屋内壁面への施工の
場合には、窓面からの入射と天井面では電磁波の散乱・
反射度合いが異なる。その様な状況に対しても周波数等
の電波測定後に最適な電波吸収面まで剥離してその場で
施工すればよい。さらには、同一ロットで製造ができ、
安価な電波吸収体を提供することが容易になる。同一ロ
ットで構成されているので製造工程を一括管理できる。
また、施工面積にもよるが、壁面の様な場合には予め大
きさは規格化されているので不要の電波吸収層は巻き取
り回収することで再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波吸収体の一実施例の断面図であ
る。
【図2】本発明の電波吸収体の一実施例の構成を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 電波吸収層A 2 易接着層 3 電波吸収層B 4 電波吸収層C 5 熱伝達変換層 6 剥離用切り込み 7 電波吸収体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA01B AA37 AB01 AD11 AK01B AK25G AK33 AK52G AK53 AK69G BA03 BA10A BA10C CA12 CA12B CB00 DG01B DH02 EH66 JC00 JC00B JD14A JD20C JJ01B JJ10B JL05 JL11 JL14 JM01G 4J002 CC031 CD001 CF211 CH091 CL062 CM041 CN011 DA016 DA077 DA107 FA042 FA046 FD012 FD016 FD187 5E321 AA22 AA23 AA42 BB25 BB33 BB34 BB44 CC16 GG11 GH03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波吸収体を構成する各層内に一種類以
    上の抗菌剤が含有されていることを特徴とする電波吸収
    体。
  2. 【請求項2】 電波吸収体を構成する各層としては、電
    波吸収層、熱伝達変換層、易接着層、電波反射層である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電波吸収体。
  3. 【請求項3】 電波及び/または電磁波を吸収するため
    の電波吸収層と、熱伝達変換層とから構成された電波吸
    収体であって、前記電波吸収層を2層以上とし、各層間
    に易接着層を設け、且つ前記熱伝達変換層に抗菌剤が含
    有されていることを特徴とする電波吸収体。
  4. 【請求項4】 熱伝達変換層が有機繊維や無機繊維を用
    いた高熱伝導性樹脂シートであることを特徴とする請求
    項2または3に記載の電波吸収体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106413361A (zh) * 2015-07-28 2017-02-15 哈尔滨工业大学 具有双石墨烯吸收层和双层金属网栅结构的电磁屏蔽光窗
CN106413361B (zh) * 2015-07-28 2021-02-05 哈尔滨工业大学 具有双石墨烯吸收层和双层金属网栅结构的电磁屏蔽光窗

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