JP2002026567A - 電波吸収体 - Google Patents

電波吸収体

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JP2002026567A
JP2002026567A JP2000206611A JP2000206611A JP2002026567A JP 2002026567 A JP2002026567 A JP 2002026567A JP 2000206611 A JP2000206611 A JP 2000206611A JP 2000206611 A JP2000206611 A JP 2000206611A JP 2002026567 A JP2002026567 A JP 2002026567A
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radio wave
wave absorber
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JP2000206611A
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Yoichi Higuchi
洋一 日口
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 黴、大腸菌、化膿菌、各種食中毒菌、その他
の雑菌等を死滅させるような抗菌性に優れた電波吸収体
を提供すること。 【解決手段】 抗菌剤を含んだ電波吸収体において、電
波吸収体を構成する電波吸収層内に、電波及び/または
電磁波吸収能力を有する電波吸収粒子が含まれているこ
とを特徴とする電波吸収体を構成した。電波及び/また
は電磁波を吸収するための電波吸収層単層からなる電波
吸収体であって、前記電波吸収層として、抗菌剤及び希
土類イオン含有包接物を分散あるいは混合させた固定媒
体を用いたことを特徴とする電波吸収体を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は室内LAN対応、レ
ーダ偽像防止、無線障害防止、およびElectro
Magnetic Interference(EM
I)対策分野で使用される抗菌性に優れた電波吸収体に
関するものである。特にミリ波を含む高周波電波吸収体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の発達により種々な
電子機器が事務所、工場、研究所、店舗、一般家庭等の
あらゆる場所に導入されて使用される様に成って来た
が、これら電子機器に起因する電波障害の問題が多く発
生し、その防止策として電磁波シールド材を壁材として
用いたり、シールドルームを設けたりしている。
【0003】この様な電磁波シールド材に就いては種々
提案されており、また、電波吸収材と電波反射材との複
合材に就いても種々提案されている。斯様な電磁シール
ド材の一例として、例えば特開昭64−86595号公
報記載のものを列挙することが出来る。
【0004】しかしながら、シールドルームの設置には
多額の費用が掛かる等の問題が有り、また、電磁波シー
ルド材を壁材として使用するものでは、室内を金属材料
でシールドしたシールド・ビルが知られているが、この
様なシールド・ビルに用いられる金属系のシールド材は
電波をほゞ100%反射することによって機能するため
に、反射された電波が更に他に悪影響を及ぼす等の問題
や、無線LAN等のOA化に対しても十分でない等の問
題が見られる。即ち、電磁波シールドの場合、基本的に
は入射される不要電磁波に対して反射作用を利用して、
電子機器筐体内に電磁波が侵入されるのを防ぐ事とな
る。そのためこの場合には、利用空間内に対して電磁波
は何らかの意味で存在していることになり、2次的ノイ
ズのもとになってしまう。
【0005】一方、従来の電磁波吸収体の場合は、設計
段階から完全反射体である金属板からの反射レベルに対
して、幾何学的に同面積の電波吸収体層からの反射レベ
ルがどの程度低下するか、つまりは入射電磁波に対して
どの程度吸収されるかを考慮して製造される。そのため
この場合には、利用空間内に対して入射された電磁波は
存在しなくなる。そのため不要電磁波に対する根本的な
解決となり両者はその作用・構成等において明確に区別
される。
【0006】この電磁波吸収体としては、最も基本的な
ものとして構造的に単純な金属で裏打ちした1層型電波
吸収体がある。一般にはゴム材料に炭素粒子を混入した
1層型ゴムシート電波吸収体が多い。さらには、表面層
と吸収層を有する2層型電波吸収体がある。これは、グ
ラファイト含有発泡スチロールや炭化ケイ素FRPを用
いた電波吸収体が多い。
【0007】さらには、電波暗室に使用する電波吸収体
のように広帯域性を必要とする多層型電波吸収体があ
る。これは構造形態より、ピラミッド形のものやウエッ
ジ形のものに区分される。薄膜多層構造電磁波吸収体と
しては、例えば日本エネシス株式会社の「フレクステ
ル」(商品名)がある。これは、15種類を超える素材
を施工状況から組み合わせを決定し製造する。さらに各
層は特殊な熱可塑性接着剤で強固に結合させるものであ
り、施工後の修正あるいはその場での修正は不可能であ
る。また、周波数に応じた形態にならざるをえず、構成
材料を別にそれぞれ用意しておく必要が生じる。
【0008】また、最近は携帯電話を中心としたミリ波
帯を意識した電波の需要が急速に進み、それに伴ないミ
リ波帯(特に60GHz、90GHz)における電波吸
収体の研究開発も盛んに行なわれている。この場合一般
には抵抗皮膜型電波吸収体が多くある。
【0009】また、電波吸収能を有する材料としては磁
性体が広く用いられている。最近は、高周波用フェライ
トも独自に開発されている。さらに、電波吸収能を高め
るために、複合フェライトが用いられるようにもなって
きている。
【0010】一方、電波吸収能を有する材料として、磁
性体以外のものとしては電気石(トルマリン)、希土類
金属粉、アモルファス合金、アルミニウムや銅、これら
の複合物を主とする金属粉、貴金属類、鉄を中心とした
金属錯体、カーボン、特殊形状カーボン(カーボンコイ
ル)、カーボンブラック、導電性粉体などが用いられて
いるのが現状である。これら材料は、導電性あるいは磁
気モーメント能を有することで電波吸収層の働きをもた
せている。
【0011】ところで、これらを含有させた電磁波吸収
体は、フェライトで代表されるごとく重く厚みのあるも
のになってしまったり、貴金属のように高価についたり
して施工や量産化が困難なものが多い欠点を有する。ま
た比較的比重の小さなカーボンやカーボンブラックを利
用した場合には比較的安価で作製しやすいが、電波吸収
能は前者と比較すると抵抗皮膜型のため特定周波数のみ
での吸収や帯域幅が狭いといった欠点を有する。以上の
ごとくフェライトの様な磁気モーメント能を有し、かつ
比重の小さな新しい材料の探索が望まれるものとなって
いる。
【0012】妨害電磁波の対策には導電材料(アルミニ
ウム、銅、導電繊維など)あるいは電波吸収材料が使用
されてきた。しかし、近年の電子機器類の小型化・高速
化・携帯化により、導電材料を電子機器類の回路近傍に
設置するとき、イミュニティに対して、導電材料がアン
テナの役目を果たし、より大きな誤動作の原因になるこ
ともしばしばである。さらに、エミッションに対しても
これらは同様である。さらに最近の抗菌ブームと電波吸
収能の低下防止の観点から、黴、大腸菌、化膿菌、各種
食中毒菌、その他の雑菌等への抗菌性に優れた衛生的な
電波吸収体が必要とされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、高周波(1GHz〜70GHz)対応の電
波吸収体において、黴、大腸菌、化膿菌、各種食中毒
菌、その他の雑菌等への抗菌性に優れ、なるべく薄く、
軽量・安価で、高効率、必要に応じて広帯域の電波吸収
能を持つとともに、施工の容易さをも実現することであ
る。特に、樹脂等の結着用材料(バインダー)との混合
・分散性に優れている上に、フェライトの様な磁気モー
メント能を有し、かつ比重の小さな新しい材料からなる
電波吸収層を用いた電波吸収体を得ることを目的とし
た。さらに、本発明では妨害電磁波の対策品の設置位置
に制限がない電波吸収体に着目し、優れた特性を有する
電波吸収体を得ることを目的とした。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の電波吸収体は、 (1)抗菌剤を含んだ電波吸収体において、電波吸収体
を構成する電波吸収層内に、電波及び/または電磁波吸
収能力を有する電波吸収粒子が含まれていることを特徴
とする電波吸収体。 (2)電波及び/または電磁波を吸収するための電波吸
収層単層からなる電波吸収体であって、前記電波吸収層
として、抗菌剤及び希土類イオン含有包接物を分散ある
いは混合させた固定媒体を用いたことを特徴とする電波
吸収体。 (3)電波及び/または電磁波を吸収するための電波吸
収層と、電波吸収層で吸収された電波や電磁波を熱エネ
ルギーに変換する役目をする熱伝達変換層とから構成さ
れた電波吸収体であって、前記電波吸収層として、抗菌
剤及び希土類イオン含有包接物を分散あるいは混合させ
た固定媒体を用いたことを特徴とする電波吸収体。 (4)電波及び/または電磁波を吸収するための電波吸
収層と、熱伝達変換層とから構成された電波吸収体であ
って、前記電波吸収層を2層以上とし、各層間に易接着
層を設け、且つ前記電波吸収層として、抗菌剤及び希土
類イオン含有包接物を分散あるいは混合させた固定媒体
を用いたことを特徴とする電波吸収体。 (5)(4)の電波吸収体において、電波吸収層毎に異
なる希土類イオン含有包接物を分散あるいは混合させた
固定媒体を用いたことを特徴とする電波吸収体。とした
のである。
【0015】本発明の代表的な「電波吸収体」は、希土
類イオンを含有した包接物(本発明では「希土類イオン
含有包接物」と云う)と抗菌剤を分散あるいは混合させ
た固定媒体を電波吸収層に用いたことを特徴とする。電
波及び/または電磁波を吸収する電波吸収層は、軽量化
を意識した材料を用いるのが好ましい。すなわち、一般
にはフェライトを中心としたハード磁性金属類が用いら
れるが、ここでは希土類イオン含有包接物を含んだ物を
用いる。希土類イオン自身は磁性スピンを有し電磁波吸
収に対してスピン緩和の作用からエネルギー的に低位に
落とし結果として熱変換し、これを吸収する。
【0016】さらに希土類元素自体は大気中そのままで
は不安定であり希少で量的に多量に存在しない。一般に
は錯体化させ安定的に存在させる。さらに希土類元素単
独では成膜することができないため、何らかのバインダ
ーあるいは固定層によって混合・分散することで充填、
固定化する必要がある。その意味でも周囲に存在するイ
オン含有包接物配位子を利用し表面濡れ性および分散性
を寄与させるのが効果的である。
【0017】特に好ましく、使用可能な希土類イオン含
有包接物としては、包接体としてカリックスアレーン、
ゼオライト、モンモリロナイト、スメクタイト、クラウ
ンエーテル、その他籠状化合物を用いるものである。包
接体自身は各種置換基で修飾されたものを使用しても良
い。ここでは特に透明性の高いモンモリロナイト、スメ
クタイトが樹脂分散性および希土類イオン含有率の点で
優れていた。
【0018】固定する希土類イオンとしては、磁気モー
メント能を有するものが良い。例えば、Ln(ローレン
シウム)、La(ランタン)、Ce、Pr、Nb、S
m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Luなどの希土類元素のイオンである。このうち比
較的安価でかつ入手しやすいもので磁気モーメント能が
大きいものとしては、Ln、Eu、Tb、Ho、Er、
Tm、Yb、Laなどの希土類元素のイオンである。希
土類(イオン体)の精製にはイオン交換法によってもよ
いが、工業的には溶媒抽出法によって得るほうがよい。
さらに希土類鉱石より利用する場合には従来よりの分離
精製によって得られる。(例えば、足立著の「希土類の
科学」(化学同人)10.3章) また、本発明の「電波吸収体」は、抗菌剤と希土類イオ
ン含有包接物を固定媒体に分散させる際に、工業分散技
術を利用することで容易に作り出すことが可能となる。
すなわち、包接体自身の分散能を利用しても良いし、包
接体周囲の置換基を後記の固定媒体である結着用材料
(バインダー)と相溶性の高いものに予め修飾させてお
くことで、分散工程での機械エネルギーの負荷を軽減さ
せる工夫が容易に行なえる。
【0019】抗菌剤としては、有機系、無機系が使用で
き、特に無機系のものが抗菌効果の持続性、加工適性等
の点でより実用に適している。無機系のものとしては、
銀系無機抗菌剤、銅系無機抗菌剤、亜鉛系無機抗菌剤が
使用できる。銀系無機抗菌剤としては、銀イオンを担持
させた無機化合物であれば特に制限はないが、具体的に
は、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル等の無機系吸着
剤、ゼオライト、アパタイト、ヒドロキシアパタイト、
リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、チタン酸カリウム
等の無機イオン交換体に銀イオンを担持させたものが挙
げられる。この他、ガラス、セラミック、珪酸カルシウ
ム、酸化チタン等も銀イオンを担持させて使用できる。
銅系無機抗菌剤としては、銅イオンを担持させた無機化
合物であれば特に制限はないが、具体的には、活性炭、
活性アルミナ、シリカゲル等の無機系吸着剤、ゼオライ
ト、アパタイト、ヒドロキシアパタイト、リン酸ジルコ
ニウム、リン酸チタン、チタン酸カリウム等の無機イオ
ン交換体に銅イオンを担持させたものが挙げられる。こ
の他、ガラス、セラミック、珪酸カルシウム、酸化チタ
ン等も銅イオンを担持させて使用できる。亜鉛系無機抗
菌剤についても同様である。これら以外にもカルシウ
ム、マグネシウムの水酸化物もしくは酸化物に抗菌剤と
して有効である亜鉛や銅やアルミニウム等を固溶化させ
たものも使用できる。
【0020】これらの中でも、安全性が最も優れている
のは、銀系無機抗菌剤である。ゼオライトの場合、ゼオ
ライトのイオン交換可能な金属の一部を、銀、銅、亜鉛
から選ばれる少なくとも一種の金属で置換して得られる
抗菌性ゼオライト等が使用される。これら抗菌剤の選択
は、後記の固定媒体である結着用材料(バインダー)と
なる樹脂等との相性を考慮して行う。組み合わせによっ
ては、化学反応により後記の固定媒体である結着用材料
(バインダー)が黒や茶色に変色してしまったりするこ
とがあるためである。
【0021】また、本発明の「電波吸収体」は、上記構
成において更に、熱伝達変換層が有機繊維を用いた高熱
伝導性樹脂シートから成る構成としても良い。熱伝達変
換層は、一般にはアルミニウムや銅などの金属板、金属
ネットを複合加工して製品としているが、本発明では軽
量かつ放熱性および熱伝導率の点から炭素繊維等の有機
繊維等を用いた高熱伝導性樹脂シートやアルミホイルを
用いても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電波吸収体につい
て、実施の形態を説明する。
【0023】先ず本発明の電波吸収体の典型的な構造を
図1及び図2を引用して説明する。図1は本発明の電波
吸収体の一実施例の断面図である。図1の電波吸収体7
は、電波吸収層A1と電波吸収層B3と電波吸収層C4
と熱伝達変換層5とをそれぞれ易接着層2を介して積層
された構成である。また、図2は本発明の電波吸収体の
一実施例の分解した構成を示す斜視図である。図2の電
波吸収体は、電波吸収層A1と電波吸収層B3と電波吸
収層C4と熱伝達変換層5とをそれぞれ易接着層2を介
して積層された構成である。電波吸収層A1と電波吸収
層B3と電波吸収層C4はいずれも、角部を切断され、
剥離用切り込み6が形成されている。
【0024】以下、これら各層について更に詳述する。
【0025】(電波吸収層)電波及び/または電磁波を
吸収するための電波吸収層は、軽量化を意識した材料を
用いるのが好ましい。すなわち、一般にはフェライトを
中心とした磁性金属類が用いられるが、ここではさらな
る軽量化を実現するために、電波及び/または電磁波吸
収能力を有する電波吸収粒子として、例えば希土類イオ
ン含有スメクタイト等の前記した各種希土類イオン含有
包接物あるいは希土類粉体カーボンブラックまたは磁性
スピンを有するCo、Feなどを中心金属とした有機金
属錯体類などを単独または組み合わせて用いる。金属系
の抗菌剤を添加した場合、フェライト、希土類粉体、カ
ーボンブラック等は導通して、電波吸収能力が低下する
ことがあるが、各種希土類イオン含有包接物、磁性スピ
ンを有するCo、Feなどを中心金属とした有機金属錯
体類などでは、包接体等で保護されているので導通せ
ず、電波吸収能力は低下しないという利点がある。これ
らの電波吸収粒子を固定させ電波吸収層を作製する方法
には、主に圧延ロール法とホットプレス法がある。ここ
では、実験室レベルで簡便で、異方性の生じにくいホッ
トプレス法によった。
【0026】ホットプレス法は、ゴムや樹脂などの固定
媒体となる結着用材料に対する希土類イオン含有スメク
タイト等の前記した各種希土類イオン含有包接物の混合
比を変化させ、0.1〜20重量部の抗菌剤とともに混
入し、これをペイントロールで混合した後、スペーサで
厚みを各種調整してホットプレスすることにより製作す
る。もちろん希土類イオン含有スメクタイトの代わりに
希土類粉体または磁性スピンを有するCo、Feなどを
中心金属とした有機金属錯体類などを結着用材料に分
散、練り込んでも良い。また分散、混合する代わりに抗
菌剤及び、希土類イオン含有スメクタイト等の前記した
各種希土類イオン含有包接物、あるいは希土類粉体また
は磁性スピンを有するCo、Feなどを中心金属とした
有機金属錯体類を固定媒体となる結着用材料で含浸させ
硬化結着させる方法や含浸させ硬化結着させながら、ス
ペーサで厚みを各種調整してホットプレスや圧延ロール
により製作することもある。
【0027】固定媒体となる結着用材料としては、エポ
キシ変性ウレタンゴム等の各種ゴム類、シリコーン、各
種の合成樹脂が用いられる。例えばポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブ
テン樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニル
アルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルア
ルコール共重合樹脂等のビニル系樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、
ポリエチレンナフタレート、エチレン−テレフタレート
−イソフタレート共重合樹脂、ポリエステル系熱可塑性
エラストマー等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)ア
クリル酸メチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エチル樹
脂、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル樹脂、(メタ)アク
リル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合樹脂等
のアクリル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表
されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロフ
ァン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
アリレート樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシフェノール
樹脂、エポキシ樹脂、エポキシウレタン変性樹脂、又は
フェノール樹脂あるいはこれらの共重合体や混合物等で
ある。これらは誘電率も考慮して選択するのが望まし
い。上記の内、エポキシ変性ウレタンゴム、シリコー
ン、エポキシフェノール樹脂、エポキシウレタン変性樹
脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、あるいはこれらの
共重合体や混合物などを用いるのが好ましい。
【0028】混合、分散するための分散機は、前記した
ペイントロール以外にもペイントシェーカ、ビーズミ
ル、アトライターなどを用いても良い。スペーサで設計
厚みに調整してホットプレスによって作製する際、例え
ば、設計数値等に関しては橋本修等の論文を参考に分散
調合を決定していった。(橋本修等:電子情報通信学会
論文誌 B Vol.J82−B No.3 pp.4
69−475 1999年3月)
【0029】希土類イオン含有スメクタイト等の前記し
た各種希土類イオン含有包接物あるいは希土類粉体また
は磁性スピンを有するCo、Feなどを中心金属とした
有機金属錯体類などの種類や混合比や電波吸収層の厚み
によって、電波吸収特性の異なる各種電波吸収層を作製
できる。例えば、希土類イオンの異なる各種電波吸収層
は、電波吸収特性も異なる。
【0030】さらにこのようにして製造した電波吸収特
性の異なる各種電波吸収層は単層で用いる場合と、易接
着層2を介して電波吸収特性の異なる各種電波吸収層を
複数積層させて用いる場合とがある。吸収効率と電磁波
周波数に応じて、各層に機能分離するほうがより有利で
あり、これにより一層帯域も広がり高周波全域を無駄無
く吸収することが可能となる。
【0031】(熱伝達変換層)熱伝達変換層5は、一般
にはアルミニウムや銅などの金属板、金属ネット、を複
合加工して製品としている。その他、軽量かつ放熱性お
よび熱伝導率の点から「アルミホイル」、「有機繊維ま
たは無機繊維を用いた高熱伝導性樹脂シート」を用いる
と良い。
【0032】有機繊維または無機繊維を用いた高熱伝導
性樹脂シートは、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維
等の特殊な繊維の繊維方向を制御して高濃度で整列させ
エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂で硬化
させることによって得られる。例えば、日機装株式会社
の商品名 MATELIGHT(炭素繊維強化プラスチ
ック、アラミド繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化
プラスチック)やポリマテック株式会社の繊維配向複合
材などを使用するのがよい。この炭素繊維は、レーヨン
系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、フェノール樹
脂系、石炭ピッチ系、石油ピッチ系など、各種の炭素繊
維が使用でき、そして、通常、繊維直径が2〜30μm
程度、平均繊維長さが0.1〜10mm程度のものを使
用するのが好ましい。
【0033】ここで炭素繊維、アラミド繊維(芳香族ポ
リアミド繊維)、ガラス繊維等の特殊な繊維の繊維方向
を制御しないでエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬
化性樹脂で硬化させても良い。熱硬化性樹脂は、例え
ば、エポキシ樹脂、BMI系樹脂(フェノール樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂など)、ポリイミド
樹脂等の一般の熱硬化性樹脂であり、特に限定されるも
のではない。なお、熱硬化性樹脂には、必要に応じて、
硬化剤等の配合剤を配合することができる。また、エポ
キシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂の代わり
に、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサル
ファイド等の熱可塑性樹脂を使用しても良い。
【0034】特殊な繊維としては綿、麻、竹、木等の植
物原料から得た繊維(セルロースパルプを含む)等の天
然有機繊維、または炭化珪素繊維、金属繊維、セピオラ
イト、石綿等の天然乃至は人造無機繊維や、ポリエステ
ル、ポリアクリロニトリル、ポリビニールアルコール、
ポリプロピレン、ポリアミド繊維等の人造有機繊維も使
用できる。
【0035】また、本発明の「電波吸収体」は、図1と
図2におけるように、電波吸収層A〜Cと熱伝達変換層
5の各層間に易接着層2をもたせたものでも良く、これ
により施工場所における電磁波到達度合いに応じて最適
な電磁波吸収面を、剥離用切り込み6を指標に剥離する
ことで容易に作り出すことが可能となる。
【0036】易接着層2の一例としては、信越化学株式
会社製のアクリルシリコーンエマルジョン溶液を溶媒
(トルエンとアセトンの1:1混合溶媒)で5%に希釈
したものをメイヤーバーや各種コーティング法によって
1〜25μmの厚さに塗布して形成する。また、易接着
層2の材料としての樹脂(バインダー)には、ポリビニ
ルアルコール単独あるいはその部分ケン化品(商品名
ポバール)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体を使用でき、接着力の強弱を調
整するためシリコーン油等のシリコーン類を数%含有す
ればよい。さらには、シリコーン油のみならず、シラン
カップリング剤単独あるいはその加水分解物を数%含有
させても良い。(東芝シリコン株式会社製)各層を積層
して貼り合わせ電波吸収体7を構成させる。さらに施工
現場において、電波吸収層A1を剥離用切り込み6に従
って剥離したが、容易に剥離でき、電波吸収層B3を最
表面に持ってくることもできた。
【0037】
【実施例】以下、本発明について、実施例により更に説
明する。
【0038】(実施例1)希土類イオン含有スメクタイ
トの具体的な作製方法について以下に述べる。希土類イ
オン含有包接物は次の様にして得た。包接体はスメクタ
イトを用いた。陽イオン交換能を利用して水溶液中にス
メクタイト(商品名 スメクタイトSクニミネ工業株式
会社製)と希土類塩(LnCl3)をほぼ1:1で混合
攪拌した。反応溶液の温度は40℃程度に暖め、イオン
交換能を高めた状態で行なった。溶液中の残イオンに関
してはキレート材(錯化剤)によりキレート化し回収す
ることでリサイクル利用する。フィルター等を利用し分
離した希土類イオン含有スメクタイトは室温乾燥させ
た。
【0039】そして、図1及び図2の如き構成の電波吸
収体7を次の様にして作製した。エポキシフェノール樹
脂100g当たりに前記室温で乾燥させた希土類イオン
含有スメクタイト3.09gとセラミック系銀イオン抗
菌剤2gを添加してペイントロールで混合した後、スペ
ーサで厚みを1.91mmに調整してホットプレスによ
って作製したものを電波吸収層A1とした 。エポキシ
フェノール樹脂100g当たりに前記希土類イオン含有
スメクタイト2.08gとセラミック系銀イオン抗菌剤
2gを添加してペイントロールで混合した後、スペーサ
で厚みを3.31mmに調整してホットプレスによって
作製したものを電波吸収層B3とした 。エポキシフェ
ノール樹脂100g当たりに前記希土類イオン含有スメ
クタイト2.68gとセラミック系銀イオン抗菌剤2g
を添加してペイントロールで混合した後、スペーサで厚
みを2.01mmに調整してホットプレスによって作製
したものを電波吸収層C4とした 。電波吸収層A〜C
の角部を斜めに切断して剥離用切り込み6を設けた。
【0040】熱伝達変換層5は、アルミホイル0.3m
m厚さをそのまま用いた。電波吸収層A〜Cと熱伝達変
換層5の各層間には易接着層2を設けた。易接着層2
は、信越化学株式会社製のアクリルシリコーンエマルジ
ョン溶液を溶媒(トルエンとアセトンの1:1混合溶
媒)で5%に希釈したものをメイヤーバーによって5μ
mの厚さに塗布して形成した。各層を積層して貼り合わ
せ電波吸収体7を構成させた。さらに電波吸収層A1を
剥離用切り込み6に従って剥離したが、容易に剥離で
き、電波吸収層B3を最表面に持ってくることができ
た。
【0041】電波吸収特性はアドバンテスト法によって
行なった。電波吸収層A、B、Cで構成の場合には1G
Hz〜10GHz(測定限界のため)においてほぼフラ
ットに−20dBの吸収損失を確認した。さらに、電波
吸収層B、Cの場合には5GHz〜20GHz(測定限
界のため)においてほぼフラットに−25dBの吸収損
失を確認した。さらに、電波吸収層Cの場合には15G
Hz〜20GHz(測定限界のため)において鋭い吸収
ピークが見られ、−20dBの吸収損失を確認した。抗
菌性能は電波吸収層に付着させた黴、大腸菌、化膿菌、
各種食中毒菌、その他の雑菌等を2〜4日以内に死滅さ
せてしまうものでした。
【0042】(実施例2)希土類イオン含有スメクタイ
トの具体的な作製方法について以下に述べる。希土類イ
オン含有包接物は次の様にして得た。包接体はスメクタ
イトを用いた。陽イオン交換能を利用して水溶液中にス
メクタイト(商品名 スメクタイトSクニミネ工業株式
会社製)と希土類塩(ErCl3)をほぼ1:1で混合
攪拌した。反応溶液の温度は40℃程度に暖め、イオン
交換能を高めた状態で行なった。溶液中の残イオンに関
してはキレート材(錯化剤)によりキレート化し回収す
ることでリサイクル利用する。フィルター等を利用し分
離した希土類イオン含有スメクタイトは室温乾燥させ
た。
【0043】そして、図1及び図2の如き構成の電波吸
収体7を次の様にして作製した。エポキシフェノール樹
脂100g当たりに前記室温で乾燥させた希土類イオン
含有スメクタイト3.09gと抗菌剤(ゼオライトのイ
オン交換可能な金属の一部を、銀で置換して得られる抗
菌性ゼオライト=銀イオン系ゼオライト)1gを添加し
てペイントロールで混合した後、スペーサで厚みを1.
91mmに調整してホットプレスによって作製したもの
を電波吸収層A1とした 。エポキシフェノール樹脂1
00g当たりに前記希土類イオン含有スメクタイト2.
08gと抗菌剤(ゼオライトのイオン交換可能な金属の
一部を、銀で置換して得られる抗菌性ゼオライト=銀イ
オン系ゼオライト)1gを添加してペイントロールで混
合した後、スペーサで厚みを3.31mmに調整してホ
ットプレスによって作製したものを電波吸収層B3とし
た 。エポキシフェノール樹脂100g当たりに前記希
土類イオン含有スメクタイト2.68gと抗菌剤(ゼオ
ライトのイオン交換可能な金属の一部を、銀で置換して
得られる抗菌性ゼオライト=銀イオン系ゼオライト)1
gを添加してペイントロールで混合した後、スペーサで
厚みを2.01mmに調整してホットプレスによって作
製したものを電波吸収層C4とした 。電波吸収層A〜
Cの角部を斜めに切断して剥離用切り込み6を設けた。
【0044】熱伝達変換層5は、日機装株式会社の商品
名 MATELIGHT COMPOSITE(炭素繊
維強化プラスチック)0.3mm厚さをそのまま用い
た。電波吸収層A〜Cと熱伝達変換層5の各層間には易
接着層2を設けた。易接着層2は、信越化学株式会社製
のアクリルシリコーンエマルジョン溶液を溶媒(トルエ
ンとアセトンの1:1混合溶媒)で5%に希釈したもの
をメイヤーバーによって5μmの厚さに塗布して形成し
た。各層を積層して貼り合わせ電波吸収体7を構成させ
た。さらに電波吸収層A1を剥離用切り込み6に従って
剥離したが、容易に剥離でき、電波吸収層B3を最表面
に持ってくることができた。
【0045】電波吸収特性はアドバンテスト法によって
行なった。電波吸収層A、B、Cで構成の場合には1G
Hz〜10GHz(測定限界のため)においてほぼフラ
ットに−20dBの吸収損失を確認した。さらに、電波
吸収層B、Cの場合には5GHz〜20GHz(測定限
界のため)においてほぼフラットに−25dBの吸収損
失を確認した。さらに、電波吸収層Cの場合には15G
Hz〜20GHz(測定限界のため)において鋭い吸収
ピークが見られ、−20dBの吸収損失を確認した。抗
菌性能は電波吸収層に付着させた黴、大腸菌、化膿菌、
各種食中毒菌、その他の雑菌等を2〜6日以内に死滅さ
せてしまうものでした。
【0046】
【発明の効果】スメクタイト等を中心とした希土類イ
オン含有包接物は電波(電磁波)吸収能を有する材料で
ある上に、比重(密度)が小さく、バインダー中に高い
充填率で混合・分散させても得られる電波吸収体(電磁
波吸収体)は軽量となる。さらに混合・分散性が良好な
ため余分な機械的エネルギーの投入をせずとも製造がで
き、安価な電波吸収体を提供することが容易になる。 以上説明したように、この発明によれば新規な材料構
成となる黴、大腸菌、化膿菌、各種食中毒菌、その他の
雑菌等を死滅させるような抗菌性に優れた電波吸収体を
提供できた。この発明の希土類イオン含有包接物が樹脂
に分散しやすいことを利用することで、電波吸収体の製
造工程を一括管理できる。また、包接物としてスメクタ
イトやモンモリナイトを用いた場合、分散体は透明性を
有するため顔料や染料によって着色および印刷塗工する
ことが可能となり、意匠性を高めることができる。 請求項4、5の発明をすることで、施工場所における
電磁波到達度合いに応じて最適な電磁波吸収面を容易に
作り出すことが可能となる。例えば屋内壁面への施工の
場合には、窓面からの入射と天井面では電磁波の散乱・
反射度合いが異なる。その様な状況に対しても周波数等
の電波測定後に最適な電波吸収面まで剥離してその場で
施工すればよい。さらには、同一ロットで製造ができ、
安価な電波吸収体を提供することが容易になる。同一ロ
ットで構成されているので製造工程を一括管理できる。
また、施工面積にもよるが、壁面の様な場合には予め大
きさは規格化されているので不要の電波吸収層は巻き取
り回収することで再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波吸収体の一実施例の断面図であ
る。
【図2】本発明の電波吸収体の一実施例の構成を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 電波吸収層A 2 易接着層 3 電波吸収層B 4 電波吸収層C 5 熱伝達変換層 6 剥離用切り込み 7 電波吸収体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌剤を含んだ電波吸収体において、電
    波吸収体を構成する電波吸収層内に、電波及び/または
    電磁波吸収能力を有する電波吸収粒子が含まれているこ
    とを特徴とする電波吸収体。
  2. 【請求項2】 電波及び/または電磁波を吸収するため
    の電波吸収層単層からなる電波吸収体であって、前記電
    波吸収層として、抗菌剤及び希土類イオン含有包接物を
    分散あるいは混合させた固定媒体を用いたことを特徴と
    する電波吸収体。
  3. 【請求項3】 電波及び/または電磁波を吸収するため
    の電波吸収層と、熱伝達変換層とから構成された電波吸
    収体であって、前記電波吸収層として、抗菌剤及び希土
    類イオン含有包接物を分散あるいは混合させた固定媒体
    を用いたことを特徴とする電波吸収体。
  4. 【請求項4】 電波及び/または電磁波を吸収するため
    の電波吸収層と、熱伝達変換層とから構成された電波吸
    収体であって、前記電波吸収層を2層以上とし、各層間
    に易接着層を設け、且つ前記電波吸収層として、抗菌剤
    及び希土類イオン含有包接物を分散あるいは混合させた
    固定媒体を用いたことを特徴とする電波吸収体。
  5. 【請求項5】 請求項4の電波吸収体において、電波吸
    収層毎に異なる希土類イオン含有包接物を分散あるいは
    混合させた固定媒体を用いたことを特徴とする電波吸収
    体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101900528B1 (ko) * 2014-03-13 2018-09-20 (주)엘지하우시스 전자기파 차폐시트, 및 이의 제조방법

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KR101900528B1 (ko) * 2014-03-13 2018-09-20 (주)엘지하우시스 전자기파 차폐시트, 및 이의 제조방법

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