JPH10215097A - 電波吸収建材 - Google Patents

電波吸収建材

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JPH10215097A
JPH10215097A JP1535097A JP1535097A JPH10215097A JP H10215097 A JPH10215097 A JP H10215097A JP 1535097 A JP1535097 A JP 1535097A JP 1535097 A JP1535097 A JP 1535097A JP H10215097 A JPH10215097 A JP H10215097A
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ferrite
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JP1535097A
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Masanobu Kitamura
正信 北村
Nobuto Akiyama
宣人 秋山
Kenji Morohashi
健二 諸橋
Takashi Otsuka
俊 大塚
Hiroshi Murata
浩 村田
Keiji Nakayama
恵次 中山
Makoto Ishikura
誠 石倉
Manabu Teranishi
学 寺西
Makoto Isomura
誠 磯村
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Ask Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の電波吸収建材は、フェライト粉の占め
る量が多く、電波吸収性能は規定レベルに到達するが、
建材としての強度が十分ではなかった。 【解決手段】 本発明による電波吸収建材は、無機質マ
トリックス中にフェライト粉及びカーボン粉を混合させ
た成形体(1)に導電性面材(2)を設け、フェライト粉を乾
燥重量比で30%以上70%以下、カーボン粉を乾燥重
量比で0.5%以上10%以下とし、電波吸収特性と建
材としての強度を両立させた構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波吸収建材に関
し、特に、質量を軽量化すると共に内壁材等の建材とし
て十分な強度を有し、かつ良好な電波吸収機能(特に、
準マイクロ波帯である1GHz〜3GHz)を維持する
ことができるようにするための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、用いられていたこの種の電波吸収
建材としては、例えば、特開平6−209180号公
報、特公平6−50799号公報及び特開昭64−82
600号公報の各構成を挙げることができる。すなわ
ち、特開平6−209180号公報に開示された電波吸
収材は、次の通りである。 「この内壁材は、例えば、石膏ボード、石綿セメントボ
ードまたは珪酸カルシウム板でできていて、電磁波損失
性材料であるカーボン、フェライト、金属粉またはこれ
らの混合物を1%乃至20%の重量比で含有している。
70MHz乃至3GHzの周波数帯域の電磁波につい
て、所望の周波数帯の電磁波を適度に吸収できる。各周
波数帯に適合した内壁材を選択的に使用して、当該周波
数帯に適合した電磁波シールドを達成できる。テンペス
トシールドおよびゾーン管理を有効なものにできる。」 また、特公平6−50799号公報に開示された電波吸
収材は、次の通りである。 「磁性材料粉末およびカーボン粉末を保持材中に混入し
て前記各粉末の粒子を空間的に保持するようにした電波
吸収体であって、前記保持材、磁性材料粉末およびカー
ボン粉末の重量比を1:F:CとするときこれらF,C
は下記範囲内にあるようにしてなる電波吸収体。 |F−C|≦0.3 0.45≦F≦1.05 0.45≦C≦1.05 また、特開昭64−82600号公報に開示された電波
吸収材は、次の通りである。 「(1)無機多孔質材を基材とし、該基材に、電波損失
材の粉末を分散混入してなり、上記基材の密度を0.5
g/cm3以下としたことを特徴とする電波吸収材。 (2)上記無機多孔質材は、けい酸カルシウム成形材、
ALC(Autoclaved Light-weight Concrete)。起泡コ
ンクリート、および軽量コンクリートからなる群から選
択した1種類である電波吸収材。 (3)上記電波損失材は、カーボン、フェライト、およ
びカーボニール鉄の中から選択した1種類または2種類
以上の粉末である。」
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の電波吸収建材
は、以上のように構成されていたため、次のような課題
が存在していた。すなわち、前述の特開平6−2091
80号公報の場合、電波吸収性能のみの追求しか行われ
ておらず、フェライト及びカーボンを混合させた場合の
内壁材の強度については検討がなされていなかった。さ
らに、電波吸収内壁材単体のみの構成となっているた
め、無反射材として用いるには反射が大きすぎるし、シ
ールド材として用いるには電磁波の透過が大きすぎる状
態であった。また、特公平6−50799号公報の場
合、ここで言う保持材は本願の無機マトリクスに相当す
るが、無機マトリクス1に対しカーボン粉を重量比で
0.45以上にすると成形体中に占めるカーボン粉の容
量が大きすぎ均一な成形体が得られない上誘電率が非常
に大きくなるため、本願のように準マイクロ波帯(1G
Hz〜3GHz)で電波吸収が殆ど得られない。また、
特開昭64−82600号公報の場合、カーボンとフェ
ライトの混入割合が開示されていないため、内壁材等の
建材として十分な強度を有するものであるか否か、ある
いは、準マイクロ波帯(1GHz〜3GHz)で十分に
電波吸収特性を有するものであるか否かが明らかではな
かった。
【0004】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、特に、質量を軽量化すると共に内
壁材等の建材として十分な強度を有し、かつ良好な電波
吸収機能(特に、準マイクロ波帯である1GHz〜3G
Hz)を維持することができるようにした電波吸収建材
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による電波吸収建
材は、無機質マトリックス物質中にフェライト粉及びカ
ーボン粉とを混合してなる成形体の片面もしくは内部に
導電性面材を設け、前記成形体の原料中に占める前記フ
ェライト粉が乾燥重量比で30%以上70%以下であ
り、かつ、前記カーボン粉が乾燥重量比で0.5%以上
10%以下とした構成である。
【0006】さらに詳細には、前記無機質マトリックス
物質中に非導電性繊維が混合されている構成である。
【0007】さらに詳細には、前記導電性面材はメッシ
ュよりなり、かつ、前記成形体と一体成形されている構
成である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による電
波吸収建材の好適な実施の形態について説明する。図1
において符号1で示されるものは無機質マトリックス物
質中にフェライト粉及びカーボン粉とを混合して周知の
加圧脱水型の成形によって形成された成形体であり、こ
の成形体1の片面に金属メッシュからなる板状の導電性
面材2が一体成形又は添着等により設けられ、この成形
体1と導電性面材2により全体形状が板状をなす電波吸
収建材3を構成している。また、前記導電性面材2は成
形体1内に一体にモールドすることもできる。また、金
属メッシュの代りに金属箔もしくは金属板を接着しても
よい。近年、PHS、無線LAN等に代表される電磁波
利用機器、システムの急速な増加が見られる。これに伴
い屋内での壁、天井、床からの多重反射による干渉に起
因する電磁波障害が懸念されている。本発明において
は、そこでPHS、無線LAN等で使用されている準マ
イクロ波帯(1.9GHzと2.5GHz)を対象に、
電波吸収性能を有する薄肉不燃建材の開発を行った。
【0009】次に、本発明による電波吸収建材3の各実
施例を示す。前記成形体1においては、無機質マトリッ
クスとしてケイ酸カルシウム系(以下ケイカル系と略
す)、セメント系、石こう系各々についての使用原料と
比重、配合割合を表1の第1表に示す。フェライト粉は
Mn−Zn系又はMg−Zn系を使用し、他の粉体原料
と置換添加した。なお、混和材(骨材、増量材)として
は、例えば次の通りである。 セメント系及び石こう系:ケイ砂、炭酸カルシウム、パ
ーライト、スチレンビーズ、シラスバルーン、マイカ、
ワラストナイト、増粘剤、分散剤、有機樹脂、防水剤。 ケイカル系:石膏(無水石膏、二水石膏)、炭酸カルシ
ウム、パーライト、マイカ、ワラストナイト、スチレン
ビーズ、増粘剤、分散剤、有機樹脂、防水剤。 また、無機質マトリックス物質中に混合する非導電性繊
維としては、例えば次の通りである。 有機繊維 (天然)木質(針葉樹、広葉樹)、綿、麻、竹等の繊維
(パルプ化したものを含む) (合成)ポリプロピレン、ポリエチレン、PVA、PA
N、ナイロン、アラミド 無機繊維 石綿、セピオライト(パリゴルスカイトを含
む)、ガラス繊維
【0010】
【表1】
【0011】成形方法として、抄造法、押出成形法、加
圧脱水法について成形性を検討した。その結果、抄造法
では比重の大きいフェライト粉の均一分散が難しく、押
出成形法はフェライト粉の均一分散は可能であるが、薄
肉幅広ボードの成形効率が悪い。加圧脱水法により原料
調整水比を低く抑え、原料スラリーの粘性を保持するこ
とでフェライトの分散も良く、効率の比較的良い成形が
可能であることが判った。そこで加圧脱水法のパイロッ
トマシンにより、各々のマトリクス系について500×
500mmのサイズの成形を行い、ケイカル系はオート
クレーブ養生、セメント系はスチーム養生、石こう系は
自然養生を行い硬化成形体を得た。得られた成形品の断
面方向のフェライト粉の分布状態の一例を図4に示す
(分析電顕でのFeの分布:×35倍)。物性の測定は
基本的にJIS A 5430に準じた。曲げ強度〜フ
ェライト添加量、かさ比重〜フェライト添加量の関係を
図5、図6に示す。かさ比重はフェライト添加量に比例
し直線的に増加し、ケイカル系は65wt%、セメン
ト、石こう系では25wt%を越えると2.0以上と非
常に重くなった。曲げ強度は、いずれのマトリックスも
60wt%前後まではほぼ直線的に低下するがケイカル
系では低下率が少ない。しかし、これを越えると急激な
低下が見られ実用面からケイカル系、セメント系で80
wt%、石こう系で65wt%が添加量の限界と考えら
れる。
【0012】電波吸収特性の測定は同軸管S−パラメー
ター法により材料定数(ε,μ)を測定し、反射損失の
計算よりフェライト添加量及び板厚の最適化を行い、次
いでベクトル・ネットワークアナライザーを用いた同軸
管測定法により吸収特性の実測を行った。測定機器とシ
ステムを図7に示す。材料定数を用いた反射損失の計算
より表2の第2表に示すフェライト添加量と板厚で目的
とする1.9GHz、2.5GHzで15dB以上の電
波吸収性能が得られることが判った。ケイカル系、石こ
う系では板厚7.0mm、セメント系では10.5mm
となった。セメント系は母材セメントの誘電率が他材料
より高いためMg−Zn系フェライトを用いたことで板
厚が大きくなっている。各マトリックス系の吸収性能の
計算結果を図8〜図10に示す。
【0013】
【表2】
【0014】次に、目的の吸収性能が得られたボードの
建材としての基本性能の測定を行った。試験法は基本的
にJIS A 5430に準じた。結果を前述の第2表
に示す。いずれのマトリクス系も強度的に10MPa以
上と実用上問題ないと考えられるが、フェライト添加量
が多いため、かさ比重が2以上となり内装材としては施
工面での重量が問題となることが懸念され、これまでの
状態では軽量化が課題として残された。従って、準マイ
クロ波帯(1.9GHz.2.5GHz)を対象とした
電波吸収ボードの開発を目的として、フェライト粉を添
加した薄肉ボードの成形と基本性能の検討を行った結
果、 (1)比重の大きなフェライト粉でも原料混合の水比を
調整し、加圧脱水法で成形することにより、均一に分散
させた成形体を得ることができた。 (2)ケイカル系、セメント系、石こう系の各マトリッ
クス系に所定のフェライト粉を添加することで厚さ7m
m(セメント系は10.5mm)で目的の周波数帯をカ
バーできる薄手のボードが得られた。 (3)得られたボードの基本性能は強度や吸水による寸
法変化率から内装材として充分であると考える。しか
し、かさ比重が2.1〜2.4と大きく軽量化が課題と
して残された。
【0015】本発明では、前述の軽量化の課題を克服す
るために、成形体1中への混合物として、フェライト粉
に加えてカーボン粉を用いることにした。成形体1の配
合と成形は前記と同様にケイカル系の配合を加圧脱水法
によるパイロットマシンで成形した。なお、使用したフ
ェライト粉、黒鉛粉の性状を表3の第3表に示す。性能
の測定は、電波吸収特性とボードの物性共に前記と同様
に各々同軸管Sーパラメーター法より得られた材料定数
による計算、JIS A5430に準ずる方法で行っ
た。
【0016】
【表3】
【0017】導電性の黒鉛粉を添加することで材料の誘
電率が増加することに着目し、少量の黒鉛粉を他の粉体
原料に置換する形で添加し、フェライト添加量の減少を
試みた。その結果、フェライト添加量が50wt%、黒
鉛粉1、3、5wt%で図11〜図13に示す電波吸収
特性が得られることが計算上判った。この際の整合板厚
と比重、曲げ強度、電波吸収帯域を表4の第4表に示
す。実測の吸収特性は若干低周波域側にずれることが考
えられるため、目的の1.9GHz、2.5GHzの吸
収帯域には黒鉛粉3wt%添加、板厚7mmの成形体が
適用できると考えられる。これにより、前記ケイカル系
ボードに比べフェライト添加量を2/3に減少できるた
め、かさ比重は2.12から1.67に軽量化でき、曲
げ強度もフェライト添加による強度低下を少なくできる
ため、10.4MPaから15〜16MPaと大幅な向
上を得ることができた。
【0018】
【表4】
【0019】そこで、一例として、所定の吸収性能が期
待できるカーボン粉3wt%、フェライト50wt%を
添加したケイカル系ボード試作品について、内装材とし
ての適性を一般内装用ケイカル板(けい酸カルシウム
板、1.0FK、6mm厚さ)との比較で評価した。試
験方法は基本的にはJIS A 5430に準し、加工
性は社内試験法、不燃試験は建設省告示1828号に準
ずる方法で社内にて実施した。性能評価結果を表5の第
5表に示す。かさ比重は1.67と一般のケイカル板よ
りは重いが、セメントスレートボード並まで軽量化され
(約12kg/m2)、加工性は比重の割にケイカル板
並と良い。力学的性能としては耐衝撃性能が少し低い値
となったが強度的には充分と考える。熱や水に関する性
能では内装材として重要な吸水による寸法変化率が小さ
く、反りや目地切れについては安定な材料と言える。又
熱伝導率が大きな値となったが、これはフェライトを大
量に使用していることに起因する。以上の結果から本ボ
ードは不燃内装材としての適性を数値上からは充分有す
るものである。
【0020】
【表5】
【0021】従って、前述の種々の実施例による結果と
して、実際に実験を行った例について述べると次の通り
である。ケイカル系2.5GHzの電波吸収建材3の場
合、ケイ酸カルシウム41重量%と非導電性繊維として
セルロースパルプ(NBKP)1重量%とPVA(ビニ
ロン)1重量%、カーボン粉として黒鉛粉3重量%とM
n−Znフェライト粉体(平均粒径10μm)50重量
%、混和材として針状ワラストナイト4重量%と増粘剤
0.2%(増粘剤のみ外割添加)を混合分散させ、金属
メッシュとともに、加圧脱水し一体に成型し養生硬化さ
せ、厚さ7.5〜8mmの電波吸収体を得た。電波吸収
特性は次の通りである。 周波数帯域 2.1〜2.8GHz 反射損失 15dB以上 中心周波数 2.4GHz シールド性能 40dB以上 比較データ(従来品はフェライト粉充填量75重量%)
は次の表6の第6表の通りであり、比重及び曲げ強度と
も従来品よりも大幅にその特性が向上していることが明
らかである。
【0022】
【表6】
【0023】(1)黒鉛粉を少量(3wt%)添加する
ことにより、フェライト添加量を大幅に減らしても厚さ
7.5〜8mmという薄手のボードで目的の電波吸収特
性(1.9GHz,2.5GHz)を発揮できることが
期待できる。 (2)その結果ボードのかさ比重が1.67と、重量と
しては一般のセメントスレートボード並まで軽量化でき
る目途がついた。 (3)現時点での試作品の内装用ボードとしての適性を
一般市販ケイカル板と比較評価した結果、比重の割に加
工性は良く、熱や水に対しても安定な数値が得られ、実
用上問題ない性能を有すると考えられる。
【0024】また、前述の種々の実施例の結果により、
無機質マトリックス物質中にフェライト粉及びカーボン
粉とを混合してなる成形体に導電性面材を設け、この成
形体の原料中に占めるフェライト粉が乾燥重量比で30
%以上70%以下(すなわち、30%以下では十分な電
波吸収特性が得られず、70%以上の場合には内壁材と
しての強度及び柔軟性に支障が生じる)であり、かつ、
前記カーボン粉が乾燥重量比で0.5%以上10%以下
(0.5%以下では誘電率の変化が望めなく、10%以
上では均一な混合ができず、また内壁材としての不燃性
を損なうことが明らかである)であることが明らかとな
り、電波吸収建材3としての強度を向上させるには、セ
ルロースパルプ、ビニロン等の非導電性繊維を混合する
と好結果が得られた。また、電波反射体としての導電性
面材2としては、金属メッシュ、金属箔、格子状金属部
材、金属板(有孔板を含む)等を用いることができる
が、メッシュの場合の目開きは、電波の周波数が1GH
zの場合は5mm以下、3GHzの場合には1.5mm
以下の場合に好結果が得られた。また、前記カーボン粉
としては黒鉛粉が好適であり、誘電率の変化が鈍感であ
ることにより、多少、添加量に変動があった場合におい
ても影響が小さい故である。また、黒鉛粉は無機マトリ
ックス中での分散性が良好で、混合が極めて容易であ
る。従って、カーボン粉の添加量を前述の量とすること
により、電波吸収特性を維持しつつ、フェライト粉の量
を従来よりも前述の範囲に減らすことができ、このフェ
ライト粉の量の低減により内壁材としての強度を向上す
ることができる。また、フェライト粉の量の低減により
電波吸収建材としての軽量化を達成することができる。
なお、前述の電波吸収建材3の評価のために、図14で
示すように、ホーンアンテナ100からの電波を金属メ
ッシュ2を設けた構成で当て、反射してきた電波の電界
強度を測定した。同様に同寸大金属板の測定を行い、電
波吸収建材3と金属板との比を取って反射係数とし、こ
れより電波吸収特性(反射損失)を求めている。
【0025】
【発明の効果】本発明による電波吸収建材は、以上のよ
うに構成されているため、次のような効果を得ることが
できる。すなわち、フェライト粉を乾燥重量比で30%
以上70%以下とし、カーボンを乾燥重量比で0.5%
以上10%以下とすることにより、電波吸収性能を維持
しつつ、フェライト粉の量を従来よりも減らすことがで
きる。また、フェライト粉の量を減らすことにより建材
としての強度が向上し、軽量化が図れる。従って、準マ
イクロ波帯の電磁波を効率良く吸収し、耐火性にも優
れ、内装材として用いることにより、無線LAN等を使
用するオフィス内の電磁波反射に伴う諸問題の解決、並
びに電磁波シールド効果による屋外への漏洩防止に効果
を発揮すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電波吸収建材を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明による電波吸収建材の特性図である。
【図3】従来の電波吸収建材の特性図である。
【図4】フェライト粉の分散状態図である。
【図5】フェライト添加量と曲げ強度の特性図である。
【図6】フェライト添加量と比重の特性図である。
【図7】電波吸収特性測定機器とシステムを示す構成図
である。
【図8】ケイカル系の周波数対反射損失の特性図であ
る。
【図9】セメント系の周波数対反射損失の特性図であ
る。
【図10】石こう系の周波数対反射損失の特性図であ
る。
【図11】黒鉛粉を1%添加した場合の周波数対反射損
失を示す特性図である。
【図12】黒鉛粉を3%添加した場合の周波数対反射損
失を示す特性図である。
【図13】黒鉛粉を5%添加した場合の周波数対反射損
失を示す特性図である。
【図14】ホーンアンテナ法による電波吸収特性の測定
系を示す構成図である。
【符号の説明】 1 成形体 2 導電性面材 3 電波吸収建材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 22:02) 111:94 (72)発明者 諸橋 健二 茨城県石岡市府中5−7−27 (72)発明者 大塚 俊 茨城県石岡市南台3−13−9 (72)発明者 村田 浩 茨城県石岡市東光台4−13−2 アスク筑 波寮 (72)発明者 中山 恵次 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 石倉 誠 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 寺西 学 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 磯村 誠 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質マトリックス物質中にフェライト
    粉及びカーボン粉とを混合してなる成形体(1)の片面も
    しくは内部に導電性面材(2)を設け、前記成形体(1)の原
    料中に占める前記フェライト粉が乾燥重量比で30%以
    上70%以下であり、かつ、前記カーボン粉が乾燥重量
    比で0.5%以上10%以下であることを特徴とする電
    波吸収建材。
  2. 【請求項2】 前記無機質マトリックス物質中に非導電
    性繊維が混合されていることを特徴とする請求項1記載
    の電波吸収建材。
  3. 【請求項3】 前記導電性面材(2)はメッシュよりな
    り、かつ、前記成形体(1)と一体成形されていることを
    特徴とする請求項1又は2記載の電波吸収建材。
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