JP2002009481A - 電波吸収板、電波吸収板の製造方法、および電波吸収耐火壁材 - Google Patents

電波吸収板、電波吸収板の製造方法、および電波吸収耐火壁材

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JP2002009481A
JP2002009481A JP2000187599A JP2000187599A JP2002009481A JP 2002009481 A JP2002009481 A JP 2002009481A JP 2000187599 A JP2000187599 A JP 2000187599A JP 2000187599 A JP2000187599 A JP 2000187599A JP 2002009481 A JP2002009481 A JP 2002009481A
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wave absorbing
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absorbing plate
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Toshihiro Kuroki
俊宏 黒木
Toshiyuki Tamai
敏幸 玉井
Shuichi Arakawa
修一 荒川
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Konoshima Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量でありながらも十分な強度と電波吸収性能
とを有する電波吸収板を提供すること。 【解決手段】セメント、シリカ質原料、繊維補強材、お
よび含有量20〜80wt%のフェライトを含有し、長
手方向の2つの端面10に開口された連続中空部1Aを
有する電波吸収板1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波吸収板、電波
吸収板の製造方法、および電波吸収耐火壁材に関する。
【0002】
【背景技術】近年、数多くの高層ビルが建設されるとと
もに、数多くの通信機器によるコミュニケーションが活
発になってきている。このような高層建築物の急増およ
び通信活動の活発化に伴い、電波を受信する通信機器や
映像機器に多くの受信障害が発生している。例えば、テ
レビ画面に二重の画像が映るゴースト現象や、携帯電話
や無線LANに発生する誤作動等の障害等が挙げられ
る。
【0003】このような受信障害の原因である電波に対
する対策の一つとして、フェライト等の磁性材料を板に
採用し、これを建築物の壁材パネルとして利用したもの
が、現在まで数多く開示されている。例えば、特開平6
−240777号公報には、フェライトの粉状体、粒状
体を水ガラスにより結合成形させた電波吸収板の表裏面
にケイ酸カルシウム板を一体的に積層した電波吸収性壁
材パネルが開示されている(以下、従来例1という)。
【0004】また、特開平7−74494号公報には、
フェライト粉体を含有するケイ酸カルシウムからなる板
状成形体に、さらにフェライトタイルを取り付けて一体
化した構造を有する電波吸収パネルが開示されている
(以下、従来例2という)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
1に記載された電波吸収壁は、フェライト板自体を製造
する工程や、このフェライト板を鉄筋および金網に取り
付ける工程が必要になるため、製造上や運送上の問題が
あり、経済的に不利である。また、従来例2に記載され
た電波吸収壁は、空気層を有し、施工性は改善されてい
るものの、複数の板材を複合化する工程が必要であり、
大量生産に不向きである。しかも、高比重フェライト板
を用いているので、電波吸収壁自体も高重量のものとな
り、運搬しにくいという問題がある。
【0006】このようなことから、電波吸収壁としてフ
ェライト板を用いることは、製造効率、運搬効率、経済
性、耐久性、および易加工性等の観点から、必ずしも十
分に満足できる実用性を有しているとはいえない。一
方、これらの点を改善するために、フェライト等の磁性
材料を低減して電波吸収壁の軽量化を図ると、本来の目
的である電波吸収性能の低下を引き起こすこととなる。
【0007】ところで、ケイ酸カルシウム系不燃板の軽
量化法として、板材中に軽量骨材を含有させる手法が採
用されている。例えば、軽量骨材としてパーライト(真
珠岩)が用いられている。しかしながら、パーライト粉
体自体は、かさ比重は低いものの、独立気泡を有してい
るため、点荷重強度が小さいという問題がある。すなわ
ち、パーライトを添加した原料を、撹拌、混練した後、
押出成形やプレス成形する際に、パーライトの一部が圧
縮破壊されて軽量化させる効果が減殺されるという問題
があるうえに、板材の強度も著しく減少するという問題
がある。
【0008】また、軽量骨材としてフライアッシュ焼成
発泡体も用いられているが、この場合、板材の軽量性や
衝撃強度の点で十分なものが得られないという問題があ
る。さらに、今後増加すると思われる電波障害に備え
て、高層建築物の外壁に電波吸収性能を付与することに
限らず、内壁材、回り縁、見切縁、窓枠等にも電波吸収
性能を付与することが求められている。これらのことか
ら、軽量、かつ、高強度である電波吸収板の開発が要望
されている。
【0009】本発明の目的は、軽量でありながらも十分
な強度と電波吸収性能とを有する電波吸収板、電波吸収
板の製造方法、および電波吸収耐火壁材を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電波吸収板
は、セメント、シリカ質原料、繊維補強材、および含有
量20〜80wt%のフェライトを含有し、長手方向の
2つの端面に開口された連続中空部を有することを特徴
とする。ここで、フェライト含有量が20wt%未満で
は、十分な電波吸収特性を得ることができない。一方、
フェライト含有量が80wt%を超えると、電波吸収板
マトリックスの高重量化を招くとともに、電波吸収板の
バインダーであるケイ酸カルシウム量が少なくなり、好
ましくない。
【0011】本発明におけるシリカ質原料とは、ケイ酸
(SiO2)が含まれる原料をいい、例えば、SiO2
含有する鉱物微粉末、フライアッシュ等を採用すること
ができる。繊維補強材としては、有機系および無機系の
繊維補強材を採用することができる。有機系繊維補強材
としては、セルロース繊維、ポリプロピレン繊維、アラ
ミド繊維等を採用することができる。無機系繊維補強材
としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、ス
テンレス繊維等を採用することができる。
【0012】電波吸収板の不燃性を高めることを考慮す
ると、無機系繊維補強材が好ましく、中でも炭素繊維が
好ましい。すなわち、炭素繊維は、電波吸収板の補強、
不燃性の向上に寄与するのみならず、吸収しうる電波周
波数の広帯域化を図ることができるので、その使用範囲
を広げることが可能となる。これらの繊維補強材は、電
波吸収板のマトリックスであるケイ酸カルシウム中に均
一に配合、分散されることとなる。
【0013】なお、本発明の電波吸収板には、グラファ
イトを少量添加することも可能である。すなわち、電波
吸収板に入射した電波は、グラファイトの有する透磁
率、誘電率により、より多くの熱エネルギーに変換さ
れ、電波吸収板に吸収されることとなり、その特性を一
層向上させることができる。しかも、フェライトよりも
比重の小さいグラファイトを加えることで、電波吸収板
の重量増を抑えることも可能となる。
【0014】本発明における電波吸収板の有する連続中
空部としては、長手方向の2つの端面に開口された連続
中空状であれば特に限定はなく、種々の形状を採用する
ことができ、例えば、電波吸収板における長手方向端部
に形成される2つの端面を結ぶように、複数条の中空部
を連続的に形成した連続中空部等を採用することができ
る。なお、本発明における長手方向とは、電波吸収板を
押出成形する際の、押出方向をいう。
【0015】本発明によれば、電波吸収板が連続中空部
を有しているから、かさ比重を小さくすることができ、
運搬等の取扱い性を向上することができる。また、所定
割合のフェライトを含有しているから、軽量化を達成で
きるだけではなく、連続中空部を備えていない(中実
の)電波吸収板と同等の電波吸収性能を発揮させること
ができる。
【0016】本発明に係る電波吸収板の製造方法は、含
有量が20〜80wt%のフェライトと、セメント、シ
リカ質原料、および繊維補強材とを混合した粉体原料
に、水を加えて混練して得られる混練物を、連続中空部
形成用のピンを有する押出成形機で成形して成形体と
し、この成形体に水熱処理反応を施すことで連続中空部
を有する電波吸収板を得ることを特徴とする。
【0017】具体的な例としては、まず、粉体原料に適
量の水を加え、ゲル状等の流動性を帯びた混練物を作
る。続いて、この混練物を、連続中空部形成用のピンを
複数取り付けた押出成形機に投入し、押出成形して連続
中空部を有する成形体を得る。このようにして得られた
成形体に、水熱処理反応を施し、硬化させて電波吸収板
を得る。この際、粉体原料に水を加えすぎると、フェラ
イト等の高比重物質が沈降してしまい、均一な混練物が
得られない虞がある。
【0018】また、電波吸収板の高比重化を防止するた
めに、攪拌式オートクレーブで水熱処理反応を施された
トバモライト(5CaO・6SiO2・5H2O)、ゾノ
トライト(6CaO・6SiO2・H2O)、CSH(非
晶質ケイ酸カルシウム水和物:ケイ酸カルシウム水和物
が水和反応する際に生成する中間体、準結晶)等の超軽
量ケイ酸カルシウム水和物を混合して軽量化を図ること
も可能である。さらに、水熱処理反応温度内で分解しな
い樹脂を、不燃材料として適合する範囲内で配合してお
くことで強度の向上を図ることもできる。なお、水熱処
理反応を施した電波吸収板自体は、マトリックスがケイ
酸カルシウムであることから、不燃性能を有する板であ
る。
【0019】本発明によれば、連続中空部形成用のピン
を有する押出成形機で、中空部の形成を電波吸収板の成
形と同時に行っている。したがって、容易に連続中空部
が形成できるとともに、別工程で連続中空部を形成する
方法と比べて、製造工程を少なくでき、製造コストを低
減できる。
【0020】本発明に係る電波吸収耐火壁材は、請求項
1に記載の電波吸収板の一方の面に積層された導電性電
波反射体と、前記電波吸収板の他の面に積層されたケイ
酸カルシウム板と、を備えることを特徴とする。本発明
における導電性電波反射体としては、アルミニウム、
銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属の薄板、フィル
ム、メッシュ網、箔等を採用することができる。
【0021】このような電波吸収耐火壁材は、電波吸収
板の一方の面に、導電性電波反射体を接着剤等により貼
り合わせた後、さらに、電波吸収板の他の面に、ケイ酸
カルシウム板を接着剤等により貼り合わせることで、3
層一体構造を有する電波吸収耐火壁材を得る。ここで、
接着剤としては、有機系、無機系の接着剤を採用するこ
とができる。有機系接着剤としては、α−オレフィン
系、ウレタン系、エポキシ系等を、無機系接着剤として
は、ケイ酸ソーダ、アルミナセメント等を採用すること
ができる。なお、貼り合わせるケイ酸カルシウム板とし
ては、素板、化粧板のどちらを採用してもよいが、化粧
板を採用することで施工現場での表面塗装作業を省略す
ることができる。
【0022】本発明によれば、電波吸収板に、導電性電
波反射体とケイ酸カルシウム板とを積層しているから、
建物内への電波侵入防止効果をより向上できるととも
に、耐火性能をも併せ持つ電波吸収耐火壁材とすること
ができる。さらに、上述のような方法により製造した電
波吸収板の各面に、それぞれ導電性電波反射体、ケイ酸
カルシウム板を接着剤等により貼り合わせるだけで3層
一体構造の電波吸収耐火壁材を容易に得ることができる
から、従来のものと比較して製造効率を向上することが
できる。また、3層一体構造であるため、3層を別々に
取り付ける場合と比べて、その取り付け作業が簡易にな
るとともに、大板耐火壁材の製造にも対応することが可
能となる。
【0023】以上において、前記導電性電波反射体の表
面上に、さらに積層されたケイ酸カルシウム板を備える
ことが好ましい。このように導電性電波反射体の上にケ
イ酸カルシウム板を積層した、4層一体構造の耐火壁材
とすることで、より一層耐火性能を向上することができ
る。なお、上述した電波吸収板および電波吸収耐火壁材
は、建築物の内装壁材、耐火壁材、耐火間仕切壁等に、
好適に利用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1には、本発明の第1実施形態に係
る電波吸収板1が示されている。電波吸収板1は、ケイ
酸カルシウムをマトリックスとして構成された平面矩形
状の板である。電波吸収板1には、長手方向の2つの端
面10に開口された複数条の連続中空部1Aが形成され
ている。
【0025】以上のように構成された電波吸収板1は、
次のように製造される。まず、セメント、シリカ質原
料、繊維補強材、フェライト、を所定の割合で混合して
粉体原料とする。この際、フェライトの含有量は、20
〜80wt%の割合に調製する。上記粉体原料に、適量
の水を添加し、セルロース系の押出助剤を混入して混合
撹拌して混練物とした後、この混練物を連続中空部1A
形成用のピンを有する押出成形機に投入して板状に押し
出し、製板する。続いて、製板した板状体に高温高圧
下、オートクレーブ養生を施して反応、硬化させ、連続
中空部1Aを有する電波吸収板1とする。
【0026】上述のような第1実施形態によれば、次の
ような効果がある。 (1)電波吸収板1が複数条の連続中空部1Aを有してい
るから、かさ比重が減少し、容易に運搬を行うことがで
きる。 (2)連続中空部1A形成用のピンを有する押出成形機
で、連続中空部1Aを電波吸収板1の成形と同時に形成
しているから、連続中空部1Aを容易に形成することが
できるとともに、別工程で中空を形成するよりも、製造
コストを低減できる。 (3)電波吸収板1にフェライトおよびグラファイトを含
有しているから、フェライトのみの電波吸収板と比較し
て、その電波吸収性能を一層向上させることができる。
【0027】(4)所定割合のフェライトおよびグラファ
イトを含有しているから、連続中空部1Aを有していて
も、後述するように、中実の電波吸収板と遜色ない電波
吸収性能を発揮させることができる。 (5)フェライトよりも比重の小さいグラファイトを加え
ることで、電波吸収板1の重量増を抑えることができ
る。 (6)電波吸収板1の原料構成が、容積割で見るとフェラ
イトよりも比重の小さい窯業系原料が多いため、市販の
窯業系板材と同様に、裁断等の加工が可能である。
【0028】[第2実施形態]以下の説明においては、
前記第1実施形態と同一構造については、同一符号を付
すとともに、その説明を省略または簡略化する。図2に
は、本発明の第2実施形態に係る電波吸収耐火壁材2が
示されている。電波吸収耐火壁材2は、電波吸収板1
と、その一方の面に積層された導電性電波反射体として
のアルミニウム製フィルム21と、その他方の面に積層
されたケイ酸カルシウム板としての繊維混入ケイ酸カル
シウム板22とを備えて構成されている。
【0029】このように構成された電波吸収耐火壁材2
は、次のように製造する。まず、第1実施形態で示した
方法で、電波吸収板1を製造する。得られた電波吸収板
1を乾燥後、その一方の面にアルミニウム製フィルム2
1を接着剤により貼り合わせた後、その他方の面に繊維
混入ケイ酸カルシウム板22を接着剤により貼り合わせ
て電波吸収耐火壁材2を製造する。
【0030】上述のような第2実施形態によれば、前記
第1実施形態の(1)〜(6)と同様の効果が得られる他、次
のような効果が得られる。 (7)電波吸収板1の一方の面にアルミニウム製フィルム
21を積層し、他方の面に繊維混入ケイ酸カルシウム板
22を積層した3層一体構造を採用しているから、建物
内への電波侵入防止効果をより向上できるとともに、耐
火性能をも併せ持つ電波吸収耐火壁材2とすることがで
きる。
【0031】(8)電波吸収板1の各面に、それぞれアル
ミニウム製フィルム21、繊維混入ケイ酸カルシウム板
22を接着剤により貼り合わせるだけで、3層一体構造
の電波吸収耐火壁材2を容易に製造することができるか
ら、従来のものと比較して製造効率を向上することがで
きる。 (9)3層一体構造の電波吸収耐火壁材2であるため、3
層を別々に取り付ける場合と比べて、その取り付け作業
が簡易になるとともに、大板耐火壁材の製造にも対応す
ることが可能となる。
【0032】[第3実施形態]以下の説明においては、
前記第1および第2実施形態と同一構造については、同
一符号を付すとともに、その説明を省略または簡略化す
る。図3には、本発明の第3実施形態に係る電波吸収耐
火壁材3が示されている。電波吸収耐火壁材3は、前記
第2実施形態の電波吸収耐火壁材2におけるアルミニウ
ム製フィルム21の表面に、さらに積層された繊維混入
ケイ酸カルシウム板32を備えた4層一体構造を有して
いる他は、電波吸収耐火壁材2と同一構成である。以上
のように構成された電波吸収耐火壁材3は、アルミニウ
ム製フィルム21に接着剤で繊維混入ケイ酸カルシウム
板32を貼り付ける以外は、前述の電波吸収耐火壁材2
と同様の方法で製造できる。
【0033】上述のような第3実施形態によれば、前記
第1および第2実施形態の(1)〜(9)と同様の効果が得ら
れる他、以下のような効果が得られる。 (10)アルミニウム製フィルム21の上に、さらに繊維混
入ケイ酸カルシウム板32を積層した、4層一体構造の
耐火壁材であるから、より一層耐火性能を向上させるこ
とができる。
【0034】なお、本発明は前記各実施形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、前
記各実施形態では、長手方向の2つの端面10に開口さ
れた複数条の連続中空部1Aが形成されていたが、これ
に限られない。すなわち、連続中空部を有する電波吸収
板である限り、その数、形状等は任意に設定することが
できる。
【0035】前記第2、第3実施形態では、導電性電波
反射体としてアルミニウム製フィルム21を採用してい
たが、これに限らず、導電性電波反射体として使用でき
る金属、例えば、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金
属の薄板、フィルム、メッシュ網、箔等を採用しても構
わない。また、電波吸収板に繊維混入ケイ酸カルシウム
板22、32を積層したが、これに限らず、不燃性能を
有し、構造上、耐火壁材となり得るその他のケイ酸カル
シウム板を採用してもよい。なお、ケイ酸カルシウム板
の厚さ等は、耐火性能に応じて適宜設定することができ
る。その他、本発明を実施する際の具体的な構造および
形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で他の構造
としてもよい。
【0036】
【実施例】(電波吸収板)表1に実施例および比較例で
使用した電波吸収板の原料配合割合を示したものであ
る。なお、混和材には、鉱物微粉末を採用し、有機質繊
維には、パルプとポリプロピレンとからなる繊維を採用
した。また、フェライト粒には、Mn−Zn系フェライ
ト焼結粒で直径が0.1〜2.0mmのものを採用し、
グラファイトには、鱗状黒鉛で平均粒径が50μmのも
のを採用した。
【0037】
【表1】
【0038】[実施例1]上記表1の配合にしたがって
各粉体原料および水を混合し、モルタルミキサーによっ
て、撹拌数50rpmで10分間混練した。得られた混
練物を、連続中空部1A形成用のピンを取り付けた押出
成形機により押出成形し、長さ450mm、幅300m
m、厚さ12mm、中空率20%の板材とした。得られ
た板材を0.49MPa(実データ5kgf/cm2
SI単位に換算した値)の圧力下、10時間水熱処理反
応を行った後、120℃で12時間乾燥させて連続中空
部1Aを有する電波吸収板1を得た。
【0039】[実施例2]実施例1と同様にして、長さ
450mm、幅300mm、厚さ20mm、中空率20
%の板材を得た。この板材を実施例1と同様の条件で水
熱処理反応した後、乾燥させて連続中空部1Aを有する
電波吸収板1を得た。
【0040】[比較例1]押出成形機に連続中空部形成
用のピンを取り付けない以外は、実施例1と同様にし
て、電波吸収板を得た。
【0041】[比較例2]押出成形機に連続中空部形成
用のピンを取り付けない以外は、実施例2と同様にし
て、電波吸収板を得た。
【0042】上記各実施例および比較例で得られた電波
吸収板について、かさ比重、曲げ強度、吸水長さ変化率
を測定し、結果を表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】ここで、かさ比重および吸水長さ変化率
は、JIS A5430に準拠した方法により測定し
た。また、曲げ強度は、JIS A1408に準拠した
方法により測定した。
【0045】表2に示されるように、連続中空部を有す
る実施例1、2の電波吸収板では、連続中空部を有しな
い比較例1、2の電波吸収板よりもかさ比重が小さいこ
とがわかる。また、実施例1、2の電波吸収板の曲げ強
度は、比較例1、2よりも多少低下しているものの、実
用上問題ない強度を有していることが確認された。さら
に、吸水に対する寸法安定性も高いことがわかる。
【0046】(電波吸収壁材) [実施例3]実施例1で得られた電波吸収板1の一方の
全面に、アルミニウム製フィルム21を接着剤で貼り合
わせ、さらに、もう一方の全面に長さ450mm、幅3
00mm、厚さ5mm、かさ比重0.8g/cm3の繊
維混入ケイ酸カルシウム板22を接着剤で貼り合わせ、
3層一体構造の電波吸収耐火壁材2を得た。
【0047】[実施例4]実施例2で得られた電波吸収
板1を用いた以外は、実施例3と同様にして、3層一体
構造の電波吸収耐火壁材2を得た。
【0048】[実施例5]実施例3で得られた電波吸収
耐火壁材2におけるアルミニウム製フィルム21の表面
に、繊維混入ケイ酸カルシウム板32を接着剤で貼り合
わせ、4層一体構造の電波吸収耐火壁材3を得た。
【0049】[比較例3]比較例1で得られた電波吸収
板を用いた以外は、実施例3と同様にして、3層一体構
造の電波吸収耐火壁材を得た。
【0050】[比較例4]比較例2で得られた電波吸収
板を用いた以外は、実施例3と同様にして、3層一体構
造の電波吸収耐火壁材を得た。
【0051】[比較例5]比較例3で得られた電波吸収
耐火壁材を用いた以外は、実施例5と同様にして、4層
一体構造の電波吸収耐火壁材を得た。
【0052】上記各実施例および比較例で得られた電波
吸収耐火壁材について、かさ比重、曲げ強度、吸水長さ
変化率を測定し、結果を表3に示した。なお、各項目の
測定方法は、前述の表2と同様である。
【0053】
【表3】
【0054】表3に示されるように、実施例3〜5で得
られた、連続中空部を有する電波吸収板を備えて構成さ
れた電波吸収耐火壁材は、比較例3〜5の電磁波吸収耐
火壁材よりも、かさ比重が小さいことがわかる。また、
曲げ強度は、比較例3〜5よりも多少低下しているもの
の、実用上問題ない強度を有していることが確認され
た。さらに、吸水に対する寸法安定性も高いことがわか
る。
【0055】上記実施例1で得られた電波吸収板、およ
び実施例4で得られた電波吸収耐火壁材について、電波
吸収性能を測定し、その結果を図4に示した。一方、比
較例1で得られた電波吸収板、および比較例4で得られ
た電波吸収耐火壁材について、同じく電波吸収性能を測
定し、その結果を図5に示した。ここで、図4、図5
は、電波吸収板および電波吸収耐火壁材の電波に対する
反射損失を示すグラフであり、横軸に入射する電波の周
波数(GHz)を、縦軸に反射された電波の反射損失
(dB)を表している。
【0056】図4および図5に示されるように、電波吸
収板が連続中空部を有するにもかかわらず、電波の吸収
帯域および吸収性能は、連続中空部を有さない(中実
の)電波吸収板とほぼ同等であることがわかる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、電波吸収板が連続中空
部を有しているから、かさ比重を小さくすることがで
き、運搬等の取扱い性を向上することができる。また、
所定割合のフェライトを含有しているから、軽量化を達
成できるだけではなく、連続中空部を備えていない(中
実の)電波吸収板と同等の電波吸収性能を発揮させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電波吸収板を示す
斜視図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る電波吸収耐火壁材
を示す斜視図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る電波吸収耐火壁材
を示す斜視図である。
【図4】実施例1の電波吸収板および実施例4の電波吸
収耐火壁材についての電波吸収性能の測定結果を表すグ
ラフである。
【図5】比較例1の電波吸収板および比較例4の電波吸
収耐火壁材についての電波吸収性能の測定結果を表すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 電波吸収板 1A 連続中空部 2、3 電波吸収耐火壁材 10 長手方向端面 21 導電性反射体としてのアルミニウム製フィルム 22、32 ケイ酸カルシウム板としての繊維混入ケイ
酸カルシウム板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月30日(2000.8.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】なお、本発明の電波吸収板には、グラファ
イトを少量添加することも可能である。すなわち、電波
吸収板に入射した電波は、グラファイトの有する誘電率
により、より多くの熱エネルギーに変換され、電波吸収
板に吸収されることとなり、その特性を一層向上させる
ことができる。しかも、フェライトよりも比重の小さい
グラファイトを加えることで、電波吸収板の重量増を抑
えることも可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/94 E04B 1/94 W 5J020 H01F 1/00 H01Q 17/00 H01Q 17/00 (C04B 28/18 //(C04B 28/18 16:02 Z 16:02 16:06 A 16:06 14:30) 14:30) 111:28 111:28 111:90 111:90 H01F 1/00 C (72)発明者 荒川 修一 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目2番7号 神島化学工業株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DE01 DH01 FA03 GA12 GA20 GA23 GA42 HA21 HB02 HB03 HB04 HB05 4G012 PA11 PA14 PA22 PA24 PE03 PE05 PE08 RA06 4G054 AA01 AA07 AB01 AB08 AC04 BD16 5E040 AB03 BB01 CA13 5E321 AA44 BB22 BB25 BB34 BB53 CC16 GG05 GG07 GG11 GH10 5J020 BD02 EA02 EA03 EA04 EA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメント、シリカ質原料、繊維補強材、お
    よび含有量20〜80wt%のフェライトを含有し、 長手方向の2つの端面に開口された連続中空部を有する
    ことを特徴とする電波吸収板。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電波吸収板の一方の面に
    積層された導電性電波反射体と、 前記電波吸収板の他の面に積層されたケイ酸カルシウム
    板と、を備えることを特徴とする電波吸収耐火壁材。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の電波吸収耐火壁材におい
    て、 前記導電性電波反射体の表面上に、さらに積層されたケ
    イ酸カルシウム板を備えることを特徴とする電波吸収耐
    火壁材。
  4. 【請求項4】含有量が20〜80wt%のフェライト
    と、セメント、シリカ質原料、および繊維補強材とを混
    合した粉体原料に、水を加えて混練して得られる混練物
    を、連続中空部形成用のピンを有する押出成形機で成形
    して成形体とし、 この成形体に水熱処理反応を施すことで連続中空部を有
    する電波吸収板を得ることを特徴とする電波吸収板の製
    造方法。
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