JP2004091230A - 木質セメント板およびその製造方法 - Google Patents

木質セメント板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】木質セメント板で耐火性、不燃性、防火性の向上を図る。
【解決手段】セメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料とした緻密構造の表層または表裏層と、セメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料とした粗構造を有する芯層とを有する木質セメント板。
前記水酸化物は水酸化アルミニウムが好ましく全原料に対して10〜20質量%、マイカは全原料に対して15〜25質量%添加されることが好ましい。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は外壁材等の建築板に好適な木質セメント板、特に木片セメント板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、木質セメント板における火災時の防火性能に関しては様々な手法が検討されている。
火災などの燃焼条件下において構造内部に火が回らないような工夫が必要であり、そのためには燃焼時の基材収縮が少ない基材が必要である。
代表的な手法としては石綿を添加する方法があるが、石綿は発ガン性物質の一つであり、石綿微粉末の飛散によって環境汚染が問題となり、取り扱いが困難である。
また、燃焼時の基材収縮を抑制するために、マイカを添加することが従来から行われている。(例えば特許第2754306号)
さらに、防火性能の向上のために水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムを添加することが行われ、マイカと組み合わせて添加することも行われている。(例えば特開平6−345508)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−345508は湿式による製造方法で、しかも木質補強材はパルプであり、セメントの硬化阻害性などを考える必要がなく、木質補強材として木片を使用した、いわゆる木片セメント板での耐火性、不燃性、防火性は十分には研究されていなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本請求項1に記載の発明は、セメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料とした緻密構造の表層または表裏層と、セメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料とした粗構造を有する芯層とを有する木質セメント板であることを特徴としている。
上記構成によれば、防火耐火性能に優れた木質セメント板を提供することが出来る。
【0005】
また、本請求項2に記載の発明は、前記水酸化物が水酸化アルミニウムであることを特徴としている。
上記構成によれば、防火耐火性能に優れた木質セメント板を提供することが出来る。
【0006】
また、本請求項3に記載の発明は、前記マイカは全原料に対して15質量%以上25質量%以下添加されていることを特徴としている。
上記構成によれば、強度低下を起こさず、しかも、防火耐火性能に優れた木質セメント板を提供することが出来る。
【0007】
また、本請求項4に記載の発明は、前記水酸化物は全原料に対して10質量%以上20質量%以下添加されていることを特徴としている。
上記構成によれば、強度低下を起こさず、しかも、防火耐火性能に優れた木質セメント板を提供することが出来る。
【0008】
また、本請求項5に記載の発明は、前記表層または表裏層の木質補強材は木粉または/および木片で、芯層の木質補強材は木片または/および木質繊維束であることを特徴としている。
上記構成によれば、硬化阻害物質の多い木片等を使用しても強度低下を起こさず、防火耐火性能に優れた木質セメント板を提供することが出来る。
【0009】
また、本発明に係る木質セメント板の製造方法としては、セメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料として混合した表裏層用原料混合物を型板上に散布して表層とし、その上にセメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料として混合した芯層用原料混合物を散布積層して芯層とし、さらにその上にセメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料として混合した表裏層用原料混合物を散布して裏層として三層構造とするか、または、裏層を成形しないで二層構造とした積層物を圧締して水分存在下でオ−トクレ−ブ硬化養生することを特徴としている。
上記構成によれば、防火耐火性能に優れた木質セメント板を製造することが出来る。
【0010】
また、本請求項7に記載の発明は、前記表裏層用原料混合物および芯層用原料混合物を準備する際、木質補強材と水酸化物とを先に混合し、そのあと残りの原料を混合することを特徴としている。
上記構成によれば、木質補強材の表面に水酸化物がコ−ティングされた状態を準備することが出来、その結果、木質補強材からのセメント硬化阻害物質の発生を抑えることが出来、強度低下を起こさず、防火耐火性能が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
〔セメント系無機材料〕
本発明に用いられるセメント系無機材料としては、ポルトランドセメント、高炉スラグセメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント、白色セメント等のセメント類がある。
上記セメント類は二種以上混合使用されてもよい。
【0012】
〔ケイ酸含有物質〕
本発明に用いられるケイ酸含有物質としては、ケイ砂、ケイ石粉、シリカ粉、シリカフュ−ム、フライアッシュ、高炉スラグ、シラスバル−ン、パ−ライト、珪藻土、ドロマイト等のケイ酸含有物質がある。
上記ケイ酸含有物質は二種以上混合使用されてもよい。
【0013】
〔木質補強材〕
本発明に用いられる木質補強材としては、木粉、木毛、木片、木質繊維、木質パルプ、木質繊維束、ドライパルプ、ケナフ、竹繊維、麻繊維、バカス、もみがら、稲わら等が使用される。
表層または表裏層には細かめの木質補強材を使用することが好ましく、例えば、木粉や木片を使用することが好ましく、特に好ましいのは20〜50メッシュの木粉や、幅0.5〜2.0mm、長さ1.0〜10.0mm、アスペクト比(長さ/厚み)20〜30の木片である。
表層または表裏層に細かめの木質補強材を使用することで、表層または表裏層の密度が緻密になり防火性向上に寄与する。
芯層には粗めの木質補強材を使用することが好ましく、例えば、木片や木質繊維束を使用することが好ましく、特に好ましいのは幅0.5〜3.0mm、長さ1.0〜20mm、アスペクト比(長さ/厚み)20〜30の木片や、径0.1〜2.0mm、長さ2.0〜35.0mmの分枝および/または彎曲および/または折曲した木質繊維束である。
芯層に粗めの木質補強材を使用することで、木質セメント板にクッション性が付与され、表面に凹凸模様を付した場合に極めて鮮明で深い凹凸模様が形成出来る。
前記木質補強材は二種以上混合されてもよい。
また、木質補強材として木質スクラップから再生したものを使用することも出来る。
【0014】
[マイカ]
本発明に用いられるマイカとしては、平均粒径150μm以上、アスペクト比65以上のフレ−ク状のものであり、特に平均粒径340μm以上、アスペクト比80以上のものが好ましい。
平均粒径150μm未満では、粒径が細かいので、マイカ相互の接着面積が小さく、十分な基材収縮抑制による寸法安定性を得られにくい。
マイカは、通常層状構造を有し、吸湿性がなく、剛性を有する高弾性体であり、木質補強材を含む木質セメント板の寸法安定性を大幅に向上させることが出来る。
【0015】
[水酸化物]
本発明に用いられる水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等があるが、水酸化アルミニウムは200〜300℃付近の高熱下で酸化アルミニウムと水に分解反応を起こし、この反応が吸熱反応なので、燃焼熱を緩和し板内の他の物質(木片など)への熱の影響を遅らせる効果があり、そのため防火耐火性能が向上するので、特に好ましい。
【0016】
〔第三成分〕
本発明の木質セメント板の原料としては、上記以外の成分として、木質セメント板の廃材粉砕物や、ベントナイト、バ−ミキュライト等の鉱物粉末や、ロウ、ワックス、パラフィン、シリコン、界面活性剤等の防水剤、撥水剤や、発泡性熱可塑性プラスチックビ−ズ、プラスチック発泡体等や、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、蟻酸カルシウム、酢酸カルシウム、アクリル酸カルシウム、水ガラス等のセメント硬化促進剤が添加されてもよい。
【0017】
〔木質セメント板の組成〕
本発明の木質セメント板の表裏層の原料混合物は、セメント系無機材料30質量%以上60質量%以下、ケイ酸含有物質10質量%以上30質量%以下、木粉または/および木片5質量%以上15質量%以下、マイカ15質量%以上25質量%以下、水酸化物10質量%以上20質量%以下を含有することが好ましく、更に芯層の原料混合物はセメント系無機材料30質量%以上60質量%以下、ケイ酸含有物質10質量%以上30質量%以下、木片または/および木質繊維束5質量%以上15質量%以下、マイカ15質量%以上25質量%以下、水酸化物10質量%以上20質量%以下を含有することが好ましい。
マイカが15質量%未満であると、木片セメント板としての寸法安定性が得られにくく、25質量%より多いとマイカは平板積層状であるので、バインダ−分であるセメント系無機材料、ケイ酸含有物質が他のマトリックスと結合しにくくなり原料の均一な混合分散がおこなわれず、防火耐火性能、強度が低下する。
また、表裏層に添加するマイカと芯層に添加するマイカの添加比率は、表裏層と芯層との基材収縮の差がなくなるので同じ位の添加比率がよい。
水酸化物が10質量%未満であると、防火耐火性能の向上はさほど得られず、20質量%より多くても、飛躍的に防火耐火性能のは向上せず、逆にコストアップとなる。
木質補強材が5質量%未満であると、補強効果があらわれず、15質量%よりも多いと、防火性を保持できない。
【0018】
〔木質セメント板の製造方法〕
本発明の木質セメント板の製造方法としては、乾式又は半乾式製造方法が好ましい。
半乾式製造方法においては、まず、上記のセメント系無機材料、ケイ酸含有物質、木質補強材、マイカ、水酸化物を含有する原料混合物に所定量の水分を添加混合し表裏層用原料混合物とした後、型板上に散布して表層とし、その上にセメント系無機材料、ケイ酸含有物質、木質補強材、マイカ、水酸化物を含有する原料混合物に所定の水分を添加混合した芯層用原料混合物を散布積層して芯層とし、さらにその上に表裏層用原料混合物を散布積層して裏層として三層構造とするか、または、裏層を成形しないで二層構造とした積層物マットをフォ−ミングする。
ここで型板とは、エンボス柄模様を形成したもの、搬送板的なもの等、散布する原料を受け取りマットが形成される支持板であれば特に限定されない。
木質補強材としては、表裏層は木粉または/および木片を、芯層は木片または/および木質繊維束を添加することが好ましい。
乾式製造方法においては、上記の原料混合物を水分を添加することなく型板上に散布し積層物マットを形成し、このマットに所定量の水を添加する。
この表裏層用原料混合物および芯層用原料混合物を準備する際、木質補強材と水酸化物とを先に混合し、そのあと残りの原料を混合することが好ましい。
特に木質補強材が木片の場合には木片の表面の周りを水酸化物がコ−ティングした状態になり、そのため木片への熱の影響を遮る効果があり、加熱加水中で木片より発生するセメント硬化阻害物質が発生しにくく、その為、セメント硬化阻害物質が発生する前にセメントの硬化が進行するので、強度低下を起こさない。上記原料混合物を型板上に散布する場合、複数枚の型板をコンベア上に並べて型板を搬送しつつ原料混合物を逐次型板上に散布し、この際型板搬送方向と逆方向に向けて風を吹き付けて風選をおこなうと、原料混合物中の微細成分が型板側(表面側)に多く配分され、粗大成分が型板反対側(裏面側)に多く配分され、緻密表面が得られる。
また、この風選の際、マイカがマットの厚み方向に配向しやすいので、そのために、マットの中でマイカが厚み方向に積層した状態となり、基材収縮抑制による寸法安定性に優れるとともに、熱の伝導も抑制することができるので、防火性能にも寄与する。
そしてフォ−ミングした積層マットを、2〜5MPaの圧力で圧締して、60〜80℃、8〜12時間の条件で一次硬化せしめ、更に160℃以上、望ましくは0.5MPa以上の圧力でオ−トクレ−ブ養生を行う。
上記の木質セメント板の製造工程においては、160℃以上の温度、望ましくは0.5MPa以上の圧力下のオ−トクレ−ブ養生によって、マイカ表面からケイ酸質成分やアルミナ成分が多少溶出し、そのためにマイカ表面が粗面になり、マイカ相互の重なり合い面積が大きくなる。
その為、マイカの重なり合い部分にセメント系無機材料から溶出したカルシウム分がマイカ相互の重なり部分の間に入り込みやすく、このカルシウム分がマイカ表面から溶出したケイ酸質成分と反応して安定したケイ酸カルシウム反応物が生成され、該反応物はマイカ相互を接着し、マイカ相互の大きな重なり合い面積、即ち接着面積と相剰してマイカ相互が強固に接合される。
その結果、本発明の木質セメント板は大きな機械的強度と大幅に改良された寸法安定性、防火耐火性能を獲得する。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げる。
【0020】
〔実施例1〜7〕
木質セメント板の原料として表1に示す組成の混合物を準備した。
表裏層の原料として、木質補強材としては、長径1.0〜10.0mm、短径0.5〜2.0mm、アスペクト比20〜30、の木片を使用し、マイカは平均粒径340μm、アスペクト比80のものを使用し、水酸化物としては水酸化アルミニウムを使用し、添加水は全固形分対比での外添、硬化剤はセメント対比での外添で水ガラスを使用した。
芯層の原料として、木質補強材としては長径10〜20mm、短径0.5〜3.0mm、アスペクト比20〜30、の木片と、直径0.1〜2.0mm、長さ2〜35mmの分枝および/または彎曲および/または折曲された木質繊維束を使用し、他の原料は表裏層の原料と同じものを使用した。
まず、表裏層の原料のうち、木片と水酸化アルミニウムとをアイリッヒミキサ−等の撹拌装置で撹拌混合した。
その後、表裏層の他の原料を混合して、表裏層用混合物とした。
これとは別に、芯層用の原料のうち、木片と木質繊維束と水酸化アルミニウムとを撹拌混合し、その後、芯層の他の原料を混合して芯層用混合物とした。
そして、複数枚の型板をコンベア上に並べて型板を搬送しつつ、この表裏層用原料混合物を逐次型板上に散布して表層とし、その上に芯層用原料混合物を散布積層して芯層とし、さらにその上に表裏層用原料混合物を散布積層して裏層として三層構造マットととした。
このフォ−ミングしたマットを、3MPaの圧力で圧締して、70℃、10時間の条件で一次硬化せしめ、脱型後、更に165℃キ−プ時間7時間でオ−トクレ−ブ養生を行った。
【0021】
〔比較例1〜4〕
表2に示す原料混合物で、実施例同様の条件で木質セメント板を製造した。
【0022】
【表1】
Figure 2004091230
【0023】
【表2】
Figure 2004091230
【0024】
曲げ強度は、JIS A1408に準じた。
燃焼収縮は、燃焼試験(電気炉内で900℃、1時間燃焼 試験片7×20cm)前後での試験片寸法にて収縮率を算出し、◎−良好、○−製品として問題にならない、△−製品として問題となる、×−不良の4段階で評価した。
燃焼時クラックは、燃焼試験後の試験片表面および小口のクラックの様子を目視観察し、◎−良好(クラックほとんどなし)、○−製品として問題にならない(クラック少)、△−製品として問題となる(クラック中)、×−不良(クラック多)の4段階にて評価した。
マイカを15〜25質量%、水酸化アルミニウムを10〜20質量%添加した実施例1〜7は、マイカの替わりに石綿を添加した比較例1(ブランク)と比較して、曲げ強度の低下もなく、燃焼収縮、燃焼時クラックも良好であった。
水酸化アルミニウムのみを添加した比較例2は、強度低下はおこさなかったが、燃焼収縮が不良で、燃焼時クラックも若干低下した。
マイカのみを添加した比較例3は強度低下はおこさなかったが、燃焼収縮が若干低下し、燃焼時クラックも若干低下した。
マイカ、水酸化アルミニウムをそれぞれ7質量%しか添加していない比較例4は、強度低下はおこさなかったが、燃焼収縮が低下し、燃焼時クラックも若干低下した。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本請求項1に記載の発明によれば、セメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料とした緻密構造の表層または表裏層と、セメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料とした粗構造を有する芯層とを有する木質セメント板であるので、防火耐火性能に優れた木質セメント板を提供することが出来る。
【0026】
また、本請求項2に記載の発明によれば、前記水酸化物が水酸化アルミニウムであるので、防火耐火性能に優れた木質セメント板を提供することが出来る。
【0027】
また、本請求項3に記載の発明によれば、前記マイカは全原料に対して15質量%以上25質量%以下添加されているので、強度低下を起こさず、しかも、防火耐火性能に優れた木質セメント板を提供することが出来る。
【0028】
また、本請求項4に記載の発明によれば、前記水酸化物は全原料に対して10質量%以上20質量%以下添加されているので、強度低下を起こさず、しかも、防火耐火性能に優れた木質セメント板を提供することが出来る。
【0029】
また、本請求項5に記載の発明によれば、前記表層または表裏層の木質補強材は木粉または/および木片で、芯層の木質補強材は木片または/および木質繊維束であるので、硬化阻害物質の多い木片等を使用しても強度低下を起こさず、防火耐火性能に優れた木質セメント板を提供することが出来る。
【0030】
また、本請求項6に記載の発明によれば、セメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料として混合した表裏層用原料混合物を型板上に散布して表層とし、その上にセメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料として混合した芯層用原料混合物を散布積層して芯層とし、さらにその上にセメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料として混合した表裏層用原料混合物を散布して裏層として三層構造とするか、または、裏層を成形しないで二層構造とした積層物を圧締して水分存在下でオ−トクレ−ブ硬化養生するので、防火耐火性能に優れた木質セメント板を製造することが出来る。
【0031】
また、本請求項7に記載の発明によれば、前記表裏層用原料混合物および芯層用原料混合物を準備する際、木質補強材と水酸化物とを先に混合し、そのあと残りの原料を混合するので、木質補強材の表面に水酸化物がコ−ティングされた状態を準備することが出来、その結果、木質補強材からのセメント硬化阻害物質の発生を抑えることが出来、強度低下を起こさず、防火耐火性能が向上する。

Claims (7)

  1. セメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料とした緻密構造の表層または表裏層と、セメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料とした粗構造を有する芯層とを有する木質セメント板
  2. 前記水酸化物は水酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1に記載の木質セメント板
  3. 前記マイカは全原料に対して15質量%以上25質量%以下添加されている請求項1または2に記載の木質セメント板
  4. 前記水酸化物は全原料に対して10質量%以上20質量%以下添加されていることを特徴とする請求項1または2または3に記載の木質セメント板
  5. 前記表層または表裏層の木質補強材は木粉または/および木片で、芯層の木質補強材は木片または/および木質繊維束であることを特徴とする請求項1または2または3または4に記載の木質セメント板
  6. セメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料として混合した表裏層用原料混合物を型板上に散布して表層とし、その上にセメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料として混合した芯層用原料混合物を散布積層して芯層とし、さらにその上にセメント系無機材料とケイ酸含有物質と木質補強材とマイカと水酸化物とを主原料として混合した表裏層用原料混合物を散布して裏層として三層構造とするか、または、裏層を成形しないで二層構造とした積層物を圧締して水分存在下でオ−トクレ−ブ硬化養生することを特徴とする木質セメント板の乾式または半乾式製造方法
  7. 前記表裏層用原料混合物および芯層用原料混合物を準備する際、木質補強材と水酸化物とを先に混合し、そのあと残りの原料を混合することを特徴とする請求項6に記載の木質セメント板の製造方法
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