JP4412909B2 - 木質セメント板及びその製造方法 - Google Patents

木質セメント板及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、建物の外壁材等に使用される木質セメント板とその製造方法に関するものであり、特に建物の火災もしくは延焼火災発生時における壁構造の防耐火性能として、耐力壁や非耐力壁に施工される外壁材等の火災時の耐クラック性や耐寸法安定性を格段に向上させた木質セメント板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、木質補強材によって補強された木質セメント板を壁構造に使用した場合の火災時の防耐火性能に関しては様々な手法が検討されている。
火災などの燃焼条件下においては構造内部に火が回らないような工夫が必要であり、そのためには燃焼時の基材自体の発熱量を抑制すると同時に、基材伸縮または反りを少なくする必要がある。
その代表的な手法としては、基材の配合中に石綿を添加する方法があるが、石綿は発ガン性物質の一つであり、また石綿微粉末の飛散による環境汚染が問題であり、基材配合上取り扱いが困難である。
また、石綿無配合の木質セメント板においては、無機系物質を配合することによって基材の発熱量をある程度抑えるものがあるが、燃焼時において基材中の無機系物質と木質成分との収縮率の違いにより、反りやクラックが発生しやすく、これら反りやクラックの発生部位、具体的には木質セメント板の接合部やクラックの隙間から火炎が進入したり、また木質セメント板が躯体から脱落したりする可能性があった。
【0003】
木質セメント板に求められる防耐火性能を向上させるため、マイカなどの偏平状鉱物と水酸化物を添加したものが提案されている。下記公知文献に示すようなマイカや水酸化物などを主体とした配合のものがあるが、これら配合では強度の点で問題があり、火災時において躯体から基材が脱落する恐れがある。また、マイカを多量に配合した基材は表面に塗装をすると、基材と塗膜の密着性不良により塗膜が剥がれ落ちることがあった。
【0004】
また、セメントや骨材を多く含むものや木質分を多く含む場合、基材強度の向上は見られるものの、上記の防耐火性能を格段に向上するには至らずクラックや反りが発生するといった問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61-286279
【特許文献2】
特開昭64-87585
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
木質セメント板に求められる防耐火性能を考えた場合、製品の強度と基材収縮率はいわば二律背反な関係であるため、その配合はどうしてもその中間的な性能を有するものにならざるを得なかった。火災時の反り量は、特にエンボス板の場合には、表裏面の表面積の違いから反り量の進行が著しくなる傾向があり、大半がエンボス板としている外壁材製品にとって重要な課題となっていた。
【0007】
即ち、本発明は燃焼時や燃焼後に殆どクラックや反りが発生せず、且つ必要強度を有する木質セメント板を提供するものであり、従来の防耐火性能を格段に向上させた木質セメント板とその製造方法にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、セメント、木質補強材、シラスバルーンを含む珪酸含有物質、偏平状鉱物、水酸化物、を配合した表裏層と芯層からなる木質セメント板であって、
表裏層と芯層の各配合中に含まれる木質補強材の割合はそれぞれ8〜20%であり、
表裏層と芯層の各配合中に含まれる珪酸含有物質におけるシラスバルーンの割合はそれぞれ10〜45%であり、
165〜190℃の温度でオートクレーブ養生されたことを特徴とする木質セメント板について提供するものである(請求項1)。
【0009】
本発明の木質セメント板は、珪酸含有物質全体におけるシラスバルーンの配合の割合を所定の比率とすることで、防耐火性能を格段に向上させたものである。すなわち、珪酸含有物質全体のうちシラスバルーンの割合を10〜45%としている。
【0010】
上記構成によれば、シラスバルーン中に含まれる珪酸質がバインダー形成部として反応し、特に珪酸質中のガラス質成分が多いため熱に強い骨格構造を反応形成して、相乗的に高強度となり、また基材収縮を抑制する部分としても活躍するからである。よって、防耐火性能を向上させるため、配合中にマイカや水酸化物を多量に配合したときに発生しやすい従来技術の問題点を解決することができる。
【0011】
また第2の発明は、予め粒径の細かい木質補強材、セメント、シラスバルーンを除く珪酸含有物質、偏平状鉱物、水酸化物、を混合したのち上記混合物にシラスバルーンを混合した表裏層用原料混合物と、粒径の粗い木質補強材、セメント、シラスバルーンを除く珪酸含有物質、偏平状鉱物、水酸化物、を混合したのち上記混合物にシラスバルーンを混合した芯層用原料混合物と、をそれぞれ調合準備しておき、
表裏層用原料混合物を散布積層して表層とする工程、上記表層に芯層用原料混合物を散布積層して芯層とする工程、さらにその上に表裏層用原料混合物を散布積層して裏層とする工程、上記積層物を圧締して水分存在下でオートクレーブ養生する工程、とを備えている木質セメント板の製造方法において、
表裏層用原料混合物と芯層用原料混合物の各配合中に含まれる木質補強材の割合をそれぞれ8〜20%とし、
表裏層用原料混合物と芯層用原料混合物の各配合中に含まれる珪酸含有物質中におけるシラスバルーンの割合をそれぞれ10〜45%とし、
オートクレーブ養生をする際の温度を165〜190℃とする
ことを特徴とする木質セメント板の製造方法にある(請求項)。
【0012】
本発明の木質セメント板の製造方法は、原料を調合準備する際、シラスバルーンは後工程において混合するものである。
すなわち、原料を調合準備する際、木質補強材にセメント、シラスバルーンを除く珪酸含有物質、偏平状鉱物や水酸化物を投入混合した後、シラスバルーンを投入混合するものであり、シラスバルーンの混合時間を短くしている。
そのため、シラスバルーンは混合時の圧搾によって形状が変化することが無くその形状を保持することができるため、防耐火性能を格段に向上させた木質セメント板を製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施形態を以下に詳細に説明する。
本発明に係わる木質セメント板は例えば量産を行う窯業系建築板がある。
また、上記木質セメント板は芯層と表裏層から構成されており、原料混合物はセメントと木片などの木質補強材とを主体とする混合物とし、更に上記原料混合物は木質補強材の大きさを変えている。即ち、表裏層用の原料混合物中には細かめの木質補強材を使用することが好ましく、例えば、木粉や木片を使用することが好ましく、特に好ましいのは20〜50メッシュの木粉や、幅0.5〜2.0mm、長さ1.0〜10.0mm、アスペクト比(長さ/厚み)20〜30の木片である。
表裏層に細かめの木質補強材を使用することで、エンボス面の意匠性が向上するばかりでなく、表裏層の密度が緻密になり防火性向上に寄与する。
【0014】
芯層には粗めの木質補強材を使用することが好ましい。
例えば、木片や木質繊維束を使用することが好ましく、特に好ましいのは幅0.5〜3.0mm、長さ1.0〜20.0mm、アスペクト比(長さ/厚み)20〜30の木片や、径0.1〜2.0mm、長さ2.0〜35.0mmの分枝および/または彎曲および/または折曲した木質繊維束である。
これにより、木質セメント板にクッション性が付与され、表面に凹凸模様を付した場合に極めて鮮明で深い凹凸模様が形成できる。
【0015】
表裏層と芯層の各配合中に含まれる木質補強材はそれぞれ8〜20%の配合量としてい(請求項)。
この場合、更に木質補強材の補強効果が向上し、燃焼時や燃焼後に木質セメント板のクラックや反りを抑えることができる。
【0016】
また、上記木質セメント板オートクレーブ養生する際、165℃〜190℃
の温度で養生されている(請求項)。
この場合には、木質補強材を劣化させずに、よりバインダーの反応性を向上させることができ、また基材発熱量を抑えることができ、更に燃焼時や燃焼後に木質セメント板のクラックや反りを抑えることができる。
【0017】
セメントとしては、例えばポルトランドセメント、高炉スラグセメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント等がある。
また、木質補強材としては、表裏層は例えば木粉、および/または木片を、芯層は木片、および/または木質繊維束を使用することが好ましい。また、これ以外に、木毛、木質繊維、木質パルプ、解体古材、ドライパルプ、ケナフ、竹繊維、麻繊維、バガス、籾殻、稲わら等が使用されてもよい。
【0018】
本発明に用いられる珪酸含有物質は無機充填材であり、珪砂、珪石粉、シリカ粉、シリカフューム、フライアッシュ、高炉スラグ、パーライト、珪藻土、ドロマイト、シラスバルーン等のものがある。本発明ではこれら物質のうち、シラスバルーンを含む二種またはそれ以上の物質を用い配合している。
シラスバルーンは酸性火山噴出物の一種であるシラスを選鉱、粒度調整し焼成することによって製造され、内部に気体が封入された中空球の微小中空ガラス質の発泡体で非晶質物質である。粒径、比重は適宜選択されるが、反応性を考慮すると、ガラス質の含有割合は比較的高い方が好ましい。
【0019】
偏平状鉱物は、平均粒径150μm以上、アスペクト比65以上のフレーク状のものであり、特に平均粒径340μm以上、アスペクト比80以上のものがよく、特にマイカが好ましい。
平均粒径150μm未満では、粒径が細かいので、相互の接着面積が小さく、十分な基材収縮抑制による寸法安定性が得られにくい。
マイカは通常層状構造を有し、吸湿性がなく、剛性を有する高弾性体であり、木質補強材を含む木質セメント板の寸法安定性を大幅に向上させることができるものであるが、一方で表面塗膜との密着性が若干劣る。従って、配合量は過多にならないことが好ましく、1〜10%の配合量としていることが望ましい。
【0020】
水酸化物は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等があるが、水酸化アルミニウムは200〜300℃付近の高熱下で酸化アルミニウムと水に分解反応を起こし、この反応が吸熱反応であるので、燃焼熱を緩和し、板内の他の物質(木質補強材など)への熱の影響を遅らせる効果があり、不燃性能が向上するので、特に好ましい。
【0021】
本発明の木質セメント板原料としては、上記以外の成分として、木質セメント板の廃材粉砕物や、ベントナイト、バーミキュライト等の鉱物粉末や、ロウ、ワックス、パラフィン、シリコン、界面活性剤等の防水剤、撥水剤や、発泡性熱可塑性プラスチックビーズ、プラスチック発泡体等や塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、蟻酸カルシウム、酢酸カルシウム、水ガラス等のセメント硬化促進剤が添加されてもよい。
【0022】
木質セメント板の表裏層、及び芯層における組成において、珪酸含有物質中におけるシラスバルーンの割合を10〜45%としたときの配合が最適な条件であり、珪酸含有物質単独、または珪酸含有物質全体に対するシラスバルーンの割合を10%未満とした場合や、珪酸含有物質全体に対するシラスバルーンの割合を45%よりも大きくした場合では、強度および燃焼時の基材収縮率が悪化する。
珪酸含有物質中におけるシラスバルーンの割合を10%未満とした場合は、珪酸質の反応性が弱くバインダーを構成する部分は高強度ではなくなり、また断熱性を有する中空ガラス球が少ないため熱伝導率が大きくなる。一方、珪酸含有物質中におけるシラスバルーンの割合を45%よりも大きくした場合では、シラスバルーン中のガラス質の占める体積が大きくなり基材の熱伝導率は小さくなるものの、燃焼時に基材中の無機系物質と木質成分との収縮率の違いにより発生しようとする力を保持するバインダーの体積が相対的に小さくなる為、反りやクラックが発生しやすくなると推察される。
なお、珪酸含有物質中におけるシラスバルーンの割合は表裏層と芯層とも同一であることが好ましいが、これに限らず、上記範囲内であれば比率が異なっていても良い。
【0023】
また、表裏層と芯層の各配合中に含まれる木質補強材はそれぞれ8〜20%の配合量としている。この場合、表層の配合量が多いことが好ましいが、同一の配合量、または芯層の配合量を多くしても差し支えない。この場合、上記範囲内において木質補強材がセメント板の配合中に多くすれば、基材強度の向上につながる傾向がある。
木質補強材の配合量が8%未満の場合には、木質補強材の補強効果が十分でなく、また炭化して生じる断熱部分が十分でなく全体として熱伝導率が高くなる。また、木質補強材の配合量が20%よりも大きい場合には、木質分過多により燃焼時の発熱量が大きくなってしまうとともに、バインダーを構成する体積が小さくなるので、寸法収縮や反りが大きくなる。
即ち、本配合量により木質補強材の補強効果が向上し、燃焼時や燃焼後に殆どクラックや反りが発生せず、且つ強度を向上させることができる。
【0024】
木質セメント板をオートクレーブ硬化養生する際の養生温度は、165〜190℃の温度である。
養生温度が165℃未満の場合には、反応して生じるバインダー自体が脆弱となり強度低下をもたらし、また190℃よりも大きいと、木質分が脆弱劣化することにより、強度不良を生じるとともに耐クラック性が低下する。
【0025】
本発明の製造方法としては、乾式又は半乾式の製造方法が好ましい。
半乾式製造方法においては、まず、上記セメント、粒径の細かい木質補強材、シラスバルーンを除く珪酸含有物質、偏平状鉱物、水酸化物を含有する原料混合物に所定量の水分を添加混合し、そののちシラスバルーンを添加した表裏層用原料混合物を型板上に散布して表層とした後、その上にセメント、粒径の粗い木質補強材、シラスバルーンを除く珪酸含有物質、偏平状鉱物、水酸化物を含有する原料混合物に所定量の水分を添加混合し、そののちシラスバルーンを添加した芯層用原料混合物を散布積層して芯層とし、更にその上に上記表裏層用原料混合物を散布積層して、裏層とした三層構造の積層物マットを散布成形する。
ここで、型板とは、エンボス柄模様を形成したもの、搬送板的なもの等、散布する原料を受け取り、マットが形成される支持板であれば特に限定されない。
即ち、表裏層用原料混合物を平らな搬送板上に散布して裏層とした後、その上に芯層用原料混合物を散布積層して芯層とし、更にその上に上記表裏層用原料混合物を散布積層して、表層とした三層構造の積層物マットを散布成形するようにしてもよい。
【0026】
尚、乾式製造方法においては、上記の原料混合物を水分を添加することなく型板上に散布して積層物マットを形成し、このマットに所定量の水を添加する。
【0027】
この表裏層用原料混合物および芯層用原料混合物を準備する際、木質補強材にセメント、シラスバルーンを除く珪酸含有物質、偏平状鉱物や水酸化物を先に混合し、そののちシラスバルーンを混合することが好ましい。すなわち、シラスバルーンの混合時間を他の原料物質より短くしていることが好ましい。
上記構成によれば、原料の混合時の圧搾によってシラスバルーンの形状が変化することが無く、その形状を保持することができるため、配合中にシラスバルーンが有効に寄与することになり、防耐火性能を格段に向上させた木質セメント板を製造することができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
〔実施例〕
木質セメント板の原料として表1に示す組成の混合物を準備した。
表裏層用の原料として、木質補強材としては、直径1.0〜10.0mm、短径0.5〜2.0mm、アスペクト比20〜30、の木片を使用し、偏平状鉱物としてはマイカを使用し平均粒径340μm、アスペクト比80のものを使用し、水酸化物としては水酸化アルミニウムを使用し、添加水は全固形分対比で外添、硬化剤はセメント対比での外添で水ガラスを使用した。また、珪砂はブレーン値が3500cm2/gのものを使用した。
芯層用の原料として、木質補強材としては直径10〜20mm、短径0.5〜3.0mm、アスペクト比20〜30の木片と、直径0.1〜2.0mm、長さ2〜35mmの分枝および/または彎曲および/または折曲された木質繊維束を使用し、他の原料は上記表裏層用の原料と同じものを使用した。
まず、表裏層の原料のうち、木片と水酸化アルミニウムとをアイリッヒミキサーなどの攪拌装置で攪拌混合し、次に、シラスバルーンを除く原料を混合し、そののちシラスバルーンを混合して、表裏層用原料混合物とした。
これとは別に、芯層用原料のうち、木片と木質繊維束と水酸化アルミニウムとを攪拌混合し、次に、シラスバルーンを除く原料を混合し、そののちシラスバルーンを混合して、芯層用原料混合物とした。
そして、複数枚の型板をコンベア上に並べて型板を搬送しつつ、この表裏層用原料混合物を逐次型板上に散布して表層とし、その上に芯層用原料混合物を散布積層して芯層とし、さらにその上に表裏層用原料混合物を散布積層して裏層として三層構造のマットとした。
この散布成形されたマットを、3MPaの圧力で圧締して、70℃−10時間の条件で硬化一次養生し、型板を脱型後、更に185℃−7時間の条件でオートクレーブによる二次養生を行った。但し、実施例7のみ、165℃−7時間の条件でオートクレーブによる二次養生を行った。
【0029】
〔比較例〕
表2に示す原料混合物で、実施例同様の条件で木質セメント板を製造した。但し、比較例5のみ、200℃−7時間の条件でオートクレーブによる二次養生を行った。
【0030】
【表1】
Figure 0004412909
【0031】
【表2】
Figure 0004412909
【0032】
曲げ強度は、JIS A 1408に準じた。
燃焼収縮は、燃焼試験(電気炉内で900℃−1時間燃焼、試験片7×20cm)前後での反り量を測定し、外観評価を行った。
燃焼時クラックは、燃焼試験後の試験片表面および小口のクラックの様子を外観評価した。
外観評価は、◎=良好、○=問題にならない、△=やや問題になる、×=不良、の4段階で評価した。
【0033】
実施例に示す如く、珪酸含有物質全体に対するシラスバルーンの割合を10〜45%とした場合は、曲げ強度の低下はなく、燃焼時の反り量、クラックの発生も殆ど無く良好であった。また、表裏層と芯層に含まれる木質補強材の配合量をそれぞれ8〜20%とした場合やオートクレーブ二次養生の養生温度を165℃にした場合についても、同様に良好であった。
一方、珪酸含有物質を珪砂単独の配合とした比較例1や、珪酸含有物質全体に対するシラスバルーンの割合を45%よりも大きくした比較例2では、曲げ強度、および燃焼時の反りやクラックが何れも悪化した。
【0034】
【発明の効果】
したがって本発明の木質セメント板とその製造方法によれば、マイカなどの偏平状鉱物と水酸化物を過剰に添加することなく、基材強度を確保することができ、また火災時において基材の反りやクラックがほとんど発生せず、接合部やクラックの隙間から火炎が進入したり、また基材が躯体から脱落したりする恐れが無く、熱的安定性に優れ防耐火性能を格段に向上させることが可能となる。

Claims (2)

  1. セメント、木質補強材、シラスバルーンを含む珪酸含有物質、偏平状鉱物、水酸化物、を配合した表裏層と芯層からなる木質セメント板であって、
    表裏層と芯層の各配合中に含まれる木質補強材の割合はそれぞれ8〜20%であり、
    表裏層と芯層の各配合中に含まれる珪酸含有物質におけるシラスバルーンの割合はそれぞれ10〜45%であり、
    165〜190℃の温度でオートクレーブ養生された
    ことを特徴とする木質セメント板。
  2. 予め粒径の細かい木質補強材、セメント、シラスバルーンを除く珪酸含有物質、偏平状鉱物、水酸化物、を混合したのち上記混合物にシラスバルーンを混合した表裏層用原料混合物と、粒径の粗い木質補強材、セメント、シラスバルーンを除く珪酸含有物質、偏平状鉱物、水酸化物、を混合したのち上記混合物にシラスバルーンを混合した芯層用原料混合物と、をそれぞれ調合準備しておき、
    表裏層用原料混合物を散布積層して表層とする工程、上記表層に芯層用原料混合物を散布積層して芯層とする工程、さらにその上に表裏層用原料混合物を散布積層して裏層とする工程、上記積層物を圧締して水分存在下でオートクレーブ養生する工程、とを備えている木質セメント板の製造方法において、
    表裏層用原料混合物と芯層用原料混合物の各配合中に含まれる木質補強材の割合をそれぞれ8〜20%とし、
    表裏層用原料混合物と芯層用原料混合物の各配合中に含まれる珪酸含有物質中におけるシラスバルーンの割合をそれぞれ10〜45%とし、
    オートクレーブ養生をする際の温度を165〜190℃とする
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
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