JP2001220198A - 電磁波吸収性耐火壁材 - Google Patents

電磁波吸収性耐火壁材

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JP2001220198A
JP2001220198A JP2000025379A JP2000025379A JP2001220198A JP 2001220198 A JP2001220198 A JP 2001220198A JP 2000025379 A JP2000025379 A JP 2000025379A JP 2000025379 A JP2000025379 A JP 2000025379A JP 2001220198 A JP2001220198 A JP 2001220198A
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plate
wave absorbing
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ferrite
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Toshihiro Kuroki
俊宏 黒木
Toshiyuki Tamai
敏幸 玉井
Shuichi Arakawa
修一 荒川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】十分な電磁波吸収性能を備えるとともに、製造
効率の高い電磁波吸収性耐火壁材を提供すること。 【解決手段】セメント、シリカ質原料、繊維補強材、フ
ェライトおよびグラファイトを含有し、フェライトの含
有量が10〜70wt%であり、グラファイトの含有量
が2〜30wt%であり、これらフェライトおよびグラ
ファイトの合計含有量が20〜80wt%である電磁波
吸収板10と、電磁波吸収板10の一方の面に積層され
た導電性電磁波反射体11と、電磁波吸収板10の他の
面に積層されたケイ酸カルシウム板12とを備える電磁
波吸収性耐火壁材1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波吸収性耐火
壁材に関し、例えば、建築物の耐火外壁、耐火間仕切り
壁等に利用することができる。
【0002】
【背景技術】近年、数多くの高層ビルが建設されるとと
もに、数多くの通信機器によるコミュニケーションが活
発になってきている。このような高層建築物の急増およ
び通信活動の活発化に伴い、電磁波を受信する通信機器
や映像機器に多くの受信障害が発生している。例えば、
テレビ画面に二重の画像が映るゴースト現象や、携帯電
話や無線LANに発生する誤作動等の障害等が挙げられ
る。
【0003】このような受信障害の原因である電磁波に
対する対策の一つとして、フェライト等の磁性材料を板
に採用し、これを建築物の壁材パネルとして利用したも
のが、現在まで数多く開示されている。例えば、特開平
6−240777号公報には、フェライトの粉状体、粒
状体を水ガラスにより結合成形させた電磁波吸収板の表
裏面にケイ酸カルシウム板を一体的に積層した電磁波吸
収性壁材パネルが開示されている(以下、従来例1とい
う)。
【0004】また、特開平7−74494号公報には、
フェライト粉体を含有するケイ酸カルシウムからなる板
状成形体に、さらにフェライトタイルを取り付けて一体
化した構造を有する電磁波吸収パネルが開示されている
(以下、従来例2という)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
1に開示された壁材パネルの作成は、水ガラスにフェラ
イト粉粒体を混入、分散した後、型枠内に流し込み、十
分に突き固めて表面を均一にし、続いて加熱反応炉に入
れて固化させる方法を採用している。この場合、加熱固
化するまでの間に、高比重のフェライトが水ガラス中で
沈降せず、均一分散を保持することが困難であるという
問題がある。また、型枠が必要なこと、脱型工程が必要
であることから、大量生産に不向きであるという問題が
ある。さらに、マトリックスが水ガラスであることか
ら、強度が低いという問題がある。
【0006】一方、従来例2のパネルの作成は、ケイ酸
カルシウムにフェライトを混入し、表面に溝部を形成し
た板状成形体を作成した後、その溝部にフェライトタイ
ルを装着する方法を採用している。この場合、フェライ
ト粉体を混入した板自体を製造する工程と、フェライト
タイルを装着する工程が必要となり、製造効率および経
済性等の観点から、必ずしも実用的なものであるとは言
えない。
【0007】本発明の目的は、十分な電磁波吸収性能を
備えるとともに、製造効率の高い電磁波吸収性耐火壁材
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電磁波吸収
性耐火壁材は、セメント、シリカ質原料、繊維補強材、
フェライトおよびグラファイトを含有し、前記フェライ
トの含有量が10〜70wt%であり、前記グラファイ
トの含有量が2〜30wt%であり、これらフェライト
およびグラファイトの合計含有量が20〜80wt%で
ある電磁波吸収板と、この電磁波吸収板の一方の面に積
層された導電性電磁波反射体と、前記電磁波吸収板の他
の面に積層されたケイ酸カルシウム板とを備えることを
特徴とする。
【0009】ここで、電磁波吸収板のフェライトおよび
グラファイトの合計含有量が、20wt%未満では、十
分な電磁波吸収特性を得ることができず好ましくない。
一方、合計含有量が80wt%を超えると、電磁波吸収
板の重量化を招くことになり、好ましくない。これらの
ことを考慮すると、より好ましい合計含有量の範囲は、
30〜70wt%である。また、シリカ質原料とは、ケ
イ酸(SiO2)が含まれている原料をいい、例えば、
SiO2を含有する鉱物微粉末、フライアッシュ等を採
用することができる。
【0010】本発明における繊維補強材としては、有機
系および無機系の繊維補強材を採用することができる。
ここで、有機系繊維補強材としては、セルロース繊維、
ポリプロピレン繊維、アラミド繊維等を採用することが
できる。一方、無機系繊維補強材としては、ガラス繊
維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、ステンレス繊維等を採
用することができる。無機系繊維補強材の中でも、特に
炭素繊維は、電磁波吸収板の補強のみならず、吸収する
電磁波周波数の広帯域化を図ることができ、その使用範
囲を広げることができて好ましい。このような、繊維補
強材は、電磁波吸収板のマトリックスであるケイ酸カル
シウム(セメント)中に均一に配合、分散されることと
なる。また、導電性電磁波反射体としては、アルミニウ
ム、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属の薄板、フ
ィルム、メッシュ網、箔等を採用することができる。
【0011】本発明の電磁波吸収性耐火壁材は、次のよ
うに製造することができる。まず、セメント、シリカ質
原料、繊維補強材、フェライト、グラファイト等の各原
料を所定の混合比で混合した粉体原料に、適量の水を加
えてゲル状等の流動性を帯びた混練物を作り、この混練
物を押出成形または脱水成形により板状成形体とする。
得られた板状成形体をオートクレーブ等を用いて水熱処
理反応し、硬化させて電磁波吸収板を得る。
【0012】この水熱処理反応の際に、予め撹拌式オー
トクレーブ等で水熱処理反応を施されたトバモライト
(5CaO・6SiO2・5H2O)、ゾノライト(6C
aO・6SiO2・H2O)、CSH(非晶質ケイ酸カル
シウム水和物:ケイ酸カルシウム水和物が水和反応する
際に生成する中間体、準結晶)等の超軽量ケイ酸カルシ
ウム水和物を混合して軽量化を図ることも可能である。
なお、ここで得られた電磁波吸収板自体も、ケイ酸カル
シウムをマトリックスとしているため、不燃性を備えて
いる。
【0013】このようにして得られた電磁波吸収板の一
方の面に、導電性電磁波反射体を接着剤等により貼り合
わせた後、さらに、電磁波吸収板の他の面に、ケイ酸カ
ルシウム板を接着剤等により貼り合わせることで、3層
一体構造を有する電磁波吸収性耐火壁材を得る。ここ
で、接着剤としては、有機系、無機系の接着剤を採用す
ることができる。有機系接着剤としては、α−オレフィ
ン系、ウレタン系、エポキシ系接着剤等を、無機系接着
剤としては、ケイ酸ソーダ、アルミナセメント等を採用
することができる。
【0014】なお、貼り合わせるケイ酸カルシウム板と
しては、素板、化粧板のどちらを採用してもよいが、化
粧板を採用することで施工現場での表面塗装作業を省略
することができる。また、ケイ酸カルシウム板に混入す
る繊維補強材は、耐火性を考慮するとガラス繊維等の無
機系繊維がよい。
【0015】この発明によれば、電磁波吸収板にフェラ
イトおよびグラファイトを含有しているから、フェライ
トのみの電磁波吸収板と比較して、その電磁波吸収性能
を一層向上させることができる。すなわち、フェライト
およびグラファイトの有する透磁率、誘電率により入射
した電磁波が、より多く熱エネルギーに変換され、電磁
波吸収板に吸収されることとなる。これにより、電磁波
吸収効果を向上させるために広く用いられているフェラ
イトタイルの装着が不要となり、施工性向上およびコス
ト低減を図ることができる。また、フェライトよりも比
重の小さいグラファイトを加えることで、電磁波吸収板
の重量増を抑えることも可能である。
【0016】また、電磁波吸収板の一方の面に導電性電
磁波反射体を積層し、他方の面にケイ酸カルシウム板を
積層した3層一体構造を採用しているから、建物内への
電磁波侵入防止効果をより向上できるとともに、耐火性
能をも併せ持つ電磁波吸収性耐火壁材とすることができ
る。
【0017】さらに、上述のような方法により製造した
電磁波吸収板の各面に、それぞれ導電性電磁波反射体、
ケイ酸カルシウム板を接着剤等により貼り合わせるだけ
で3層一体構造の電磁波吸収性耐火壁材を容易に得るこ
とができるから、従来のものと比較して製造効率を向上
することができる。しかも、3層一体構造であるため、
3層を別々に取り付ける場合と比べて、その取り付け作
業が簡易になるとともに、大板耐火壁材の製造にも対応
することが可能となる。
【0018】以上において、前記導電性電磁波反射体の
表面上に、さらに積層されたケイ酸カルシウム板を備え
ることが好ましい。このように導電性電磁波反射体の上
にケイ酸カルシウム板を積層した、4層一体構造の耐火
壁材とすることで、より一層耐火性能を向上することが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1には、本発明の第1実施形態に係
る電磁波吸収性耐火壁材1が示されている。電磁波吸収
性耐火壁材1は、電磁波吸収板10と、その一方の面に
積層された導電性電磁波反射体としてのアルミニウム製
フィルム11と、その他方の面に積層されたケイ酸カル
シウム板としての繊維混入ケイ酸カルシウム板12とを
備えて構成されている。ここで、ケイ酸カルシウム板に
混入されている繊維は、耐火性能を有する繊維である。
【0020】このように構成された電磁波吸収性耐火壁
材1は、次のように製造する。まず、セメント、シリカ
質原料、繊維補強材、フェライト、グラファイトを所定
の割合で混合して粉体原料とする。この際、フェライト
の含有量は10〜70wt%の割合に、グラファイトの
含有量は2〜30wt%の割合にし、かつ、これらフェ
ライトおよびグラファイトの合計含有量が20〜80w
t%の割合に調製する。
【0021】上記粉体原料に、適量の水を添加し、セル
ロース系の押出助剤を混入して混合撹拌して混練物とし
た後、この混練物を押出成形機に投入して板状に押し出
し、製板する。続いて、製板した板状体に高温高圧下、
オートクレーブ養生を施して反応、硬化させ、電磁波吸
収板10とする。得られた電磁波吸収板10を乾燥後、
その一方の面にアルミニウム製フィルム11を接着剤に
より貼り合わせた後、その他方の面に繊維混入ケイ酸カ
ルシウム板を接着剤により貼り合わせて電磁波吸収性耐
火壁材1を製造する。
【0022】上述のような第1実施形態によれば、以下
のような効果がある。 (1)電磁波吸収板10にフェライトおよびグラファイ
トを含有しているから、フェライトのみの電磁波吸収板
と比較して、その電磁波吸収性能を一層向上させること
ができる。すなわち、フェライトおよびグラファイトの
有する透磁率、誘電率により入射した電磁波が、より多
く熱エネルギーに変換され、電磁波吸収板10に吸収さ
れることとなる。 (2)電磁波吸収板10の一方の面にアルミニウム製フ
ィルム11を積層し、他方の面に繊維混入ケイ酸カルシ
ウム板12を積層した3層一体構造を採用しているか
ら、建物内への電磁波侵入防止効果をより向上できると
ともに、耐火性能をも併せ持つ電磁波吸収性耐火壁材1
とすることができる。
【0023】(3)フェライトよりも比重の小さいグラ
ファイトを加えることで、電磁波吸収板10の重量増を
抑えることができる。 (4)電磁波吸収板10の各面に、それぞれアルミニウ
ム製フィルム11、繊維混入ケイ酸カルシウム板12を
接着剤により貼り合わせるだけで、3層一体構造の電磁
波吸収性耐火壁材1を容易に製造することができるか
ら、従来のものと比較して製造効率を向上することがで
きる。
【0024】(5)3層一体構造の電磁波吸収性耐火壁
材1であるため、3層を別々に取り付ける場合と比べ
て、その取り付け作業が簡易になるとともに、大板耐火
壁材の製造にも対応することが可能となる。 (6)電磁波吸収板10の原料構成が、容積割で見ると
フェライトよりも比重の小さい窯業系原料が多いため、
市販の窯業系板材と同様に、裁断等の加工が可能であ
る。
【0025】[第2実施形態]図2には、本発明の第2
実施形態に係る電磁波吸収性耐火壁材2が示されてい
る。以下の説明においては、前記第1実施形態と同一構
造については、同一符号を付すとともに、その説明を省
略または簡略化する。電磁波吸収性耐火壁材2は、前記
第1実施形態の電磁波吸収性耐火壁材1におけるアルミ
ニウム製フィルム11の表面に、さらに積層された繊維
混入ケイ酸カルシウム板12を備えた4層一体構造を有
している他は、電磁波吸収性耐火壁材1と同一構成であ
る。以上のように構成された電磁波吸収性耐火壁材2
は、アルミニウム製フィルム11に接着剤で繊維混入ケ
イ酸カルシウム板を貼り付ける以外は、前述の電磁波吸
収性耐火壁材1と同様の方法で製造できる。
【0026】上述のような第2実施形態によれば、前記
第1実施形態の(1)〜(6)と同様の効果が得られる
他、以下のような効果がある。 (7)アルミニウム製フィルム11の上に、さらに繊維
混入ケイ酸カルシウム板12を積層した、4層一体構造
の耐火壁材であるから、より一層耐火性能を向上するこ
とができる。
【0027】なお、本発明は前記各実施形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、前
記各実施形態では、導電性電磁波反射体としてアルミニ
ウム製フィルム11を採用していたが、これに限らず、
導電性電磁波反射体として使用できる金属、例えば、
銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属の薄板、フィル
ム、メッシュ網、箔等を採用しても構わない。
【0028】また、ケイ酸カルシウム板として耐火性能
を有する繊維を混入した繊維混入ケイ酸カルシウム板1
2を採用していたが、これに限らず、そのような繊維を
混入していない通常のケイ酸カルシウム板を採用しても
よく、要するに耐火性能に応じた材質、厚さを備えたケ
イ酸カルシウム板を採用することができる。その他、本
発明を実施する際の具体的な構造および形状等は、本発
明の目的を達成できる範囲内で他の構造としてもよい。
【0029】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をより具体的に説明する。表1は、実施例および比較例
で使用した電磁波吸収板の原料配合割合を示したもので
ある。各実施例では、表1中Aの配合を、各比較例で
は、表1中Bの配合を採用した。なお、混和材には、鉱
物微粉末を採用し、有機質繊維には、パルプとポリプロ
ピレンとからなる繊維を採用した。また、フェライト粒
には、Mn−Zn系フェライト焼結粒で直径が0.1〜
2.0mmのものを採用し、グラファイトには、鱗状黒
鉛で平均粒径が50μmのものを採用した。
【0030】
【表1】
【0031】[実施例1] (電磁波吸収板)上記表1の配合Aにしたがって各粉体
原料および水を混合し、モルタルミキサーによって、撹
拌数50rpmで10分間混練した後、押出成形によっ
て長さ450mm、幅300mm、厚さ20mmの板材
とした。得られた板材を0.49MPa(実データ5k
gf/cm2をSI単位に換算した値)の圧力下、10
時間水熱処理反応を行った後、120℃で12時間乾燥
させて電磁波吸収板10を得た。
【0032】(電磁波吸収性耐火壁材)上述のようにし
て得られた電磁波吸収板10の一方の全面に、アルミニ
ウム製フィルム11を接着剤で貼り合わせ、さらに、他
の面に長さ450mm、幅300mm、厚さ5mm、か
さ比重0.8の繊維混入ケイ酸カルシウム板12を接着
剤で貼り合わせ、3層一体構造の電磁波吸収性耐火壁材
1を得た。
【0033】[実施例2] (電磁波吸収性耐火壁材)実施例1で得られた電磁波吸
収板10の一方の全面に、アルミニウム製フィルム11
を接着剤で貼り合わせ、さらに、他の面およびアルミニ
ウム製フィルム11表面の両面に、実施例1と同様の繊
維混入ケイ酸カルシウム板12を接着剤で貼り合わせ、
4層一体構造の電磁波吸収性耐火壁材2を得た。
【0034】[比較例] (電磁波吸収板)上記表1の配合Bにしたがって各粉体
原料および水を混合し、実施例1と同様の方法で電磁波
吸収板を得た。 (電磁波吸収性耐火壁材)得られた電磁波吸収板の一方
の全面に、アルミニウム製フィルムを接着剤で貼り合わ
せ、さらに、他の面に実施例1と同様のケイ酸カルシウ
ム板を貼り合わせ、3層一体構造の電磁波吸収性耐火壁
材を得た。
【0035】上記各実施例および比較例で得られた電磁
波吸収性耐火壁材について、かさ比重、曲げ強度、吸水
長さ変化率、比強度を測定し、結果を表2に示した。さ
らに、実施例1で得られた電磁波吸収性耐火壁材1およ
び比較例で得られた電磁波吸収性耐火壁材について、電
磁波吸収性能を測定し、測定結果のグラフを図3、図4
に示した。ここで、図3、図4は、耐火壁材の電磁波に
対する反射損失を示すグラフであり、横軸に耐火壁材に
入射する電磁波の周波数(Hz)を、縦軸に耐火壁材に
より反射された電磁波の反射損失(dB)を設定してい
る。
【0036】
【表2】
【0037】ここで、各特性の測定は以下の方法により
行った。 かさ比重 JIS A5430に準拠した方法により測定した。 曲げ強度 JIS A1408に準拠した方法により測定した。 吸水長さ変化率 JIS A5430に準拠した方法により測定した。 比強度 下式により算出した。 比強度 = 曲げ強度(N/mm2)/(かさ比重(g
/cm3))2
【0038】表2に示されるように、実施例1、2で得
られた電磁波吸収性耐火壁材1、2は、曲げ強度(比強
度)が高く、実用的に使用するに当たって十分な強度を
有していることがわかる。また、吸水長さ変化率も低
く、吸水に対する十分な寸法安定性を有することが確認
された。
【0039】一方、比較例で得られた電磁波吸収性耐火
壁材は、曲げ強度(比強度)、吸水長さ変化率ともに、
各実施例の電磁波吸収性耐火壁材1、2と変わらない値
を示している。しかしながら、グラファイトを5wt%
配合した実施例1の電磁波吸収性耐火壁材1の方が、図
3、4に示されるように、700〜800MHzの電磁
波吸収性能が、グラファイトを配合していない比較例に
比べて大幅に改善していることがわかる。また、実施例
1と比較例1とを比較すると、このような電磁波吸収性
能の大幅な向上が認められるにも拘わらず、かさ比重は
それほど増加していないことがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、電磁波吸収板にフェラ
イトおよびグラファイトを含有しているから、フェライ
トのみの電磁波吸収板と比較して、その電磁波吸収性能
を一層向上させることができるという効果がある。ま
た、電磁波吸収板の一方の面に導電性電磁波反射体を積
層し、他方の面にケイ酸カルシウム板を積層した3層一
体構造を採用しているから、建物内への電磁波侵入防止
効果をより向上できるとともに、耐火性能をも併せ持つ
電磁波吸収性耐火壁材とすることができるという効果が
ある。さらに、上述のような方法により製造した電磁波
吸収板の各面に、それぞれ導電性電磁波反射体、ケイ酸
カルシウム板を接着剤等により貼り合わせるだけで3層
一体構造の電磁波吸収性耐火壁材を容易に得ることがで
きるから、従来のものと比較して製造効率を向上するこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電磁波吸収性耐火
壁材を示す部分断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る電磁波吸収性耐火
壁材を示す部分断面図である。
【図3】実施例1で得られた電磁波吸収性耐火壁材の電
磁波吸収性能の測定結果を示すグラフである。
【図4】比較例で得られた電磁波吸収性耐火壁材の電磁
波吸収性能の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1、2 電磁波吸収性耐火壁材 10 電磁波吸収板 11 導電性電磁波反射体としてのアルミニウム製フィ
ルム 12 ケイ酸カルシウム板としての繊維混入ケイ酸カル
シウム板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/94 E04B 1/94 U H05K 9/00 H05K 9/00 M (72)発明者 荒川 修一 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目2番7号 神島化学工業株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DE01 DH01 FA03 GA23 GA32 GA42 HA21 HB01 HB02 HB03 HB04 HB05 JA00 JA01 JA21 4G012 PA03 PA15 PA17 PA19 PA20 PA24 PB03 5E321 AA44 BB22 BB31 BB34 BB51 GG11 GH10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメント、シリカ質原料、繊維補強材、フ
    ェライトおよびグラファイトを含有し、前記フェライト
    の含有量が10〜70wt%であり、前記グラファイト
    の含有量が2〜30wt%であり、これらフェライトお
    よびグラファイトの合計含有量が20〜80wt%であ
    る電磁波吸収板と、 この電磁波吸収板の一方の面に積層された導電性電磁波
    反射体と、 前記電磁波吸収板の他の面に積層されたケイ酸カルシウ
    ム板とを備えることを特徴とする電磁波吸収性耐火壁
    材。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電磁波吸収性耐火壁材に
    おいて、 前記導電性電磁波反射体の表面上に、さらに積層された
    ケイ酸カルシウム板を備えることを特徴とする電磁波吸
    収性耐火壁材。
JP2000025379A 2000-02-02 2000-02-02 電磁波吸収性耐火壁材 Pending JP2001220198A (ja)

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