JP3519562B2 - 電磁波吸収材 - Google Patents

電磁波吸収材

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JP3519562B2
JP3519562B2 JP35808696A JP35808696A JP3519562B2 JP 3519562 B2 JP3519562 B2 JP 3519562B2 JP 35808696 A JP35808696 A JP 35808696A JP 35808696 A JP35808696 A JP 35808696A JP 3519562 B2 JP3519562 B2 JP 3519562B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量で、難燃性の
電磁波吸収材に関する。
【0002】
【従来の技術】高度情報化社会に向けての技術革新は着
実に進んでいる。情報・通信技術は飛躍的な進歩を遂げ
ており、マルチメディアに代表される個人的情報機器、
そのシステムと同様、通信インフラの整備が次の大きな
市場として期待されている。
【0003】通信システムに利用される周波数帯域とし
ては、1.9GHz帯及び2.45GHz帯の準マイク
ロ波帯域、19GHz帯の準ミリ波帯域、60GHz帯
のミリ波帯域での通信が実用化されようとしている。更
に、諸外国においては、900MHz帯や5.7GHz
帯も無線LAN用として実用に供されている。準マイク
ロ波帯域は、個人用簡易無線電話システム(PHS)と
中速無線LANの室内無線機器に、準ミリ波帯域及びミ
リ波帯域は、高速無線LANの室内無線機器にあてられ
ている。それぞれの周波数帯域での需要が拡大するにつ
れて、電磁波の相互干渉、遅延分散に伴う混信、誤作動
や盗聴等の問題が心配される。
【0004】特に、インテリジェントオフィス等では、
通信・情報機器が多数設置されるので、電磁波の相互干
渉、遅延分散に伴う混信、誤作動等が生じやすい。ま
た、金属製家具等の什器には、電磁波を反射させる金属
面が多数存在しているため、電波環境の悪化が問題とな
っている。
【0005】電波環境を向上させるために、従来から電
磁波吸収材料からなる電磁波吸収体が使用されている。
電磁波吸収材料としては、一般にフェライトとバインダ
ーとの複合体が知られており、加工する際に、目的とす
る周波数に応じて、複合体の磁気特性及び誘電特性とと
もに、厚さを精密にコントロールすることによって大き
な吸収を達成している。
【0006】特に、電磁波吸収材料を建材として使用す
る場合には、耐久性、難燃性、取り付け作業性を有して
いなければならないので、バインダーとしては、有機材
料よりも無機材料を主な材料とした電磁波吸収材料が数
多く提案されている。また、電磁波シールドを目的とし
た無機材料からなる建材も数多く提案されている。
【0007】特開昭49−71722号公報には、平均
粒径60μm以上のフェライト粉末をコンクリート、モ
ルタル等の建材に骨材の一部として混入させ、電磁波吸
収能を付与した電磁波吸収建材が開示されている。特開
昭53−25898号公報には、フェライト等を主成分
とする磁性ダストをセメント、石膏、アスベスト等のボ
ード材料に配合する電磁波吸収体の製造方法が開示され
ている。特開平1−179400号公報には、特殊導電
性繊維糸を、例えば、50%以上混合した石膏ボードを
用いた静電気帯電防止と電磁波シールド機能とを備えた
建材が開示されている。
【0008】特開平4−310555号公報には、磁性
材料及び強誘電性材料のうち少なくとも1種を0.1〜
70重量%含有する半水石膏又は無水石膏と、構造内に
水を包接する吸水性ポリマーとを混合して硬化させる石
膏成型品が開示されている。特開平4−74747号公
報には、セメント、石膏、アルミナセメント、炭素繊維
及びポリマー混和材を主成分とする導電性弾性モルタル
組成物が開示されている。
【0009】特開平6−209180号公報には、石
膏、セメント又は珪酸カルシウムを主剤として、電磁波
損失材料であるカーボン、フェライト、金属粉、金属化
合物粉末又はこれらの混合物を含有してなる電磁波吸収
内壁材が開示されている。特開平6−122568号公
報には、水硬化性無機物質、水及び炭素繊維からなる水
硬化性無機質組成物を発泡させ、硬化してなる無機質発
泡体が開示されている。
【0010】しかしながら、これらの技術では、電磁波
吸収材料の厚みが厚く、加工性や取り付け作業性に劣っ
ていた。
【0011】特開平7−202472号公報には、電磁
波吸収体の片面に電磁波反射体を一体成型した電磁波シ
ールド材が開示されている。しかしながら、この技術で
は、使用する電磁波反射体として、金属メッシュ材、格
子状金属部材等の金属を使用しているので、シールド材
とするためには、電磁波反射体と電磁波吸収体とを一体
成型する必要があり、また、重量が重く、壁、天井等に
使用する場合には、取り付け作業性が悪く好ましくな
い。
【0012】ところで、近年、いわゆるインテリジェン
トビルが増加してきており、このようなビルは、通常、
窓の多い構造を有しており、このようなビルのオフィス
内には、ロッカー等の金属製の家具が多数配置されてい
る。このため、広い面積を確保することができる天井部
分に電磁波吸収材料を設置することが、通信システムに
使用される電磁波の相互干渉、遅延分散を効果的に防止
するうえで重要である。従って、電磁波吸収材料は、軽
量かつ取り付け作業性に優れ、建材として使用した場合
の納まり性が良好であり、従来の建材と同様に使用する
ことができる等の性能を具備していることが強く要求さ
れている。更には、火災に備えて、建材として必要とさ
れる難燃性や不燃性を有していなければならない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、準マイクロ波帯域からミリ波帯域までの各種の無線
通信システム周波数帯域の電磁波を吸収し、かつ、軽量
であり、建材としての取扱性、作業性に優れた難燃性の
電磁波吸収材を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、水硬化性無機
バインダー(a)100重量部に対して、繊維状誘電体
(b)0.01〜0.08重量部及び発泡性フィラー
0.1〜15重量部を配合してなる電磁波吸収層から
り、上記水硬化性無機バインダー(a)は、焼石膏であ
り、1〜60GHzの通信システム周波数帯域の電磁波
を吸収することを特徴とする電磁波吸収材である。以下
に本発明を詳述する。
【0015】本発明の電磁波吸収材は、電磁波吸収層か
らなる。上記電磁波吸収層は、水硬化性無機バインダー
(a)及び繊維状誘電体(b)からなる。
【0016】上記水硬化性無機バインダー(a)として
は、水と混合した場合に硬化するものであれば特に限定
されず、例えば、石膏、石灰、珪酸カルシウム、マグネ
シアセメント、ポルトランドセメント、アルミナセメン
ト、ローマンセメント、耐酸性セメント、耐火セメン
ト、水ガラスセメント等を挙げることができる。強度や
耐水性の点からは、ポルトランドセメント、アルミナセ
メントが好ましい。また、軽量化、作業性、電磁波吸収
能の点からは、石膏が好ましい。
【0017】本明細書中、上記水硬化性無機バインダー
(a)の配合量は、水で硬化した状態での無機バインダ
ーの重量をもとに計算されたものである。一般に、水硬
化性を有する無機バインダーは、適当な量の水と混合し
た後、常温で又は加温して、更に、必要に応じて加圧す
ることにより硬化されるものであり、上記硬化の過程に
おいて、上記硬化に不要であった水は、蒸発して系外に
排出されるので、硬化後の水の含有量は、一般には極め
て少ない。従って、硬化後の無機バインダーの重量は、
硬化に必要な量の水を含んだ無機バインダーの重量とほ
ぼ等しい。
【0018】上記繊維状誘電体(b)としては特に限定
されないが、金属系繊維状材料及び炭素系繊維材料が好
ましい。上記金属系繊維状材料としては特に限定され
ず、例えば、ステンレス鋼、黄銅、銅、アルミニウム、
ニッケル、鉛等の金属の単体;合金から製造された金属
繊維;植物繊維、合成繊維、無機繊維等の表面に金属を
蒸着、メッキ、塗布等の処理を施した金属被覆繊維等を
挙げることができる。上記炭素系繊維材料としては特に
限定されず、例えば、ポリアクリロニトリル系炭素繊
維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、カーボン
ウィスカー等を挙げることができる。
【0019】なかでも、電磁波吸収層の製造時の分散性
及び電磁波吸収能が良好である金属被覆繊維、炭素系繊
維材料が好ましい。上記繊維状誘電体(b)は、上記水
硬化性無機バインダー(a)と混合して使用されるた
め、水に対する濡れ性及び分散安定性に優れているもの
が好ましい。上記繊維状誘電体(b)は、水に対する濡
れ性が良好なものであっても、繊維がカールしていた
り、繊維の剛性又は靱性に劣る場合には、繊維が絡まり
やすいため、上記水硬化性無機バインダー(a)と混合
したときに塊になりやすく、均一な分散が困難になるの
で、水に対する濡れ性及び分散安定性のいずれも優れて
いるものがよい。
【0020】本発明において、上記繊維状誘電体(b)
は、水硬化系で使用されるので、金属系繊維状材料であ
ると、腐食の問題を生じるため、腐食しない金属系繊維
状材料又は金属系繊維状材料よりは耐食性の良好な炭素
系繊維材料を使用することがより好ましい。
【0021】上記繊維状誘電体(b)の比重は、2.5
以下が好ましい。2.5を超えると、分散安定性が悪く
なる。上記繊維状誘電体(b)は、繊維の直径が5〜5
0μmであることが好ましい。また、繊維の長さは、長
すぎると繊維が絡まりやすいので、2〜40mmが好ま
しい。より好ましくは、3〜10mmである。
【0022】上記繊維状誘電体(b)の配合量は、上記
水硬化性無機バインダー(a)100重量部に対して、
0.01〜1.0重量部である。0.01重量部未満で
あると、電磁波吸収能を高める効果が小さく、1.0重
量部を超えると、電磁波が電磁波吸収層の表面で反射し
てしまい、充分な電磁波吸収能が得られないので、上記
範囲に限定される。
【0023】上記繊維状誘電体(b)の配合量は、上記
水硬化性無機バインダー(a)として石膏を使用する場
合には、0.01〜0.8重量部が好ましい。0.01
重量部未満であると、電磁波吸収能を向上させるのに充
分ではなく、0.8重量部を超えると、電磁波吸収層の
表面で電磁波の反射が起こり、電磁波吸収能が低下する
ので好ましくない。より好ましくは、0.01〜0.6
重量部である。
【0024】本発明において、上記電磁波吸収層のより
一層の軽量化、製造の安定化、電磁波吸収能の高性能化
を図るために、上記水硬性無機バインダー(a)及び上
記繊維状誘電体(b)に、更に、発泡性フィラー、繊維
状添加剤、起泡剤、減水剤、界面活性剤からなる群より
選択される少なくとも1種を添加剤(c)として配合し
てもよい。
【0025】上記添加剤(c)の配合量は、上記水硬化
性無機バインダー(a)100重量部に対して、0.0
01〜20重量部が好ましい。0.001重量部未満で
あると、その添加効果が極めて小さいし、20重量部を
超えると吸収層の物理的強度の低下を生じたり、製造性
に劣ったりして好ましくない。更に、上記添加剤(c)
が発泡性フィラーである場合の添加量としては、0.0
1〜20重量部が好ましいし、上記添加剤(c)が繊維
状添加剤、起泡剤、減水剤、界面活性剤である場合に
は、0.001〜5重量部であることがより好ましい。
【0026】上記発泡性フィラーを配合することによ
り、上記電磁波吸収層の軽量化を図ることができる。ま
た、上記起泡剤を配合することにより、上記電磁波吸収
層を形成する際に泡を安定に発生させることができ、製
造の安定化を図ることができる。また、上記減水剤を配
合することにより、上記水硬化性無機バインダー(a)
を形成するためのスラリーの流動性を改善することがで
き、水の使用量を減らすことができる。更に、上記界面
活性剤を配合することにより、上記水硬化性無機バイン
ダー(a)を形成するためのスラリーの流動性を調節す
ることができ、製造の安定化を図ることができる。
【0027】上記電磁波吸収層をより一層軽量化するた
めには、上記添加剤(c)として発泡性フィラーを含有
させることが好ましい。上記電磁波吸収層に上記添加剤
(c)として発泡性フィラーを含有させると、上記繊維
状誘電体(b)を充分に分散させて配合することがで
き、同時に電磁波吸収層の比重を低下させることができ
るので、電磁波吸収能を低下させることなく、軽量化が
可能となる。
【0028】上記発泡性フィラーとしては特に限定され
ず、例えば、無機系発泡性フィラー、有機系発泡性フィ
ラー等を挙げることができる。上記無機系発泡性フィラ
ーとしては特に限定されず、例えば、火山れき等の天然
軽量骨材;膨張頁岩、膨張粘土、膨張蛭石、膨張真珠
岩、膨張黒曜石、石炭ガラ、溶融フライアッシュ、シリ
カバルーン、パーライト、シラスバルーン、ガラスバル
ーン等の人工軽量骨材等を挙げることができる。これら
は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】上記有機系発泡性フィラーとしては特に限
定されず、例えば、発泡スチロール粒子、発泡ウレタン
粒子、アクリル樹脂系中空バルーン、アクリル変性樹脂
系中空バルーン、メラミン樹脂系バルーン、ウレタン変
性樹脂系中空バルーン等を挙げることができる。これら
は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記無機系発泡性フィラーとともに使用してもよ
い。
【0030】上記発泡性フィラーとしては、上記無機系
発泡性フィラー、上記有機系発泡性フィラーのいずれで
あってもよいが、軽量であること、強度が強いこと、球
状であること、平滑な表面を有していること、粒度分布
幅が小さいこと、吸水性が低いこと、水溶性成分を含有
しないこと、水膨潤性を有しないこと等の条件を満たす
ものが好ましい。
【0031】換言すると、上記発泡性フィラーとして
は、上記水硬化性無機バインダー(a)と水とを混練す
る場合に、混練する水の量を増加させないもの、上記水
硬化性無機バインダー(a)と水とを混練したスラリー
の流動性を低下させないもの、吸水した場合であって
も、乾燥工程において吸水された水が揮散するものが好
ましい。
【0032】従って、上記発泡性フィラーとしては、上
記条件を満たすものとして、膨張蛭石、パーライト、シ
ラスバルーン、発泡スチロール粒子、発泡ウレタン粒
子、アクリル樹脂系中空バルーンが好ましい。
【0033】上記発泡性フィラーの構造としては特に限
定されず、例えば、内側が空で外側に殻がある風船構
造;フィラー1個が粒子となっており、該粒子の中に独
立した気泡又は連続した気泡群が存在している海綿体構
造;これらを組み合わせた構造等を挙げることができ
る。上記風船構造を有する発泡性フィラーは、高温で焼
成して発泡させることにより容易に得ることができる。
また、上記海綿体構造を有する発泡性フィラーは、ガス
発生剤によってミクロ発泡させる方法、液状物質を含有
させて合成した粒子から液状物質を除去する方法等によ
り容易に得ることができる。
【0034】上記発泡性フィラーの比重は特に限定され
ないが、通常、見かけ比重としては、0.05〜1.7
0が好ましく、単位容積重量としては、0.01〜0.
50kg/Lが好ましい。
【0035】上記発泡性フィラーの平均粒子径は特に限
定されないが、一般に、0.05μm〜5mmが好まし
い。上記発泡性フィラーのうち上記無機系発泡性フィラ
ーの平均粒子径は、上記有機系発泡性フィラーの平均粒
子径と比べて大きく、通常、0.1〜5mmである。上
記有機系発泡性フィラーの平均粒子径は、合成条件及び
合成方法により、比較的自由に粒子径を調節することが
できる。
【0036】上記発泡性フィラーの含有量は、上記水硬
化性無機バインダー(a)100重量部に対して、0.
01〜20重量部が好ましい。0.01重量部未満であ
ると、発泡性フィラーの添加の効果が小さく、軽量化に
対する効果が得られず、20重量部を超えると、軽量化
に対する効果は得られるものの、電磁波吸収層の物理的
強度が低下して好ましくない。
【0037】必要により繊維状添加剤を使用してもよ
い。上記他の繊維状添加剤としては特に限定されず、例
えば、木綿、麻等の天然植物繊維;ガラス繊維、石綿等
の無機繊維;ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポ
リアミド、ポリプロピレン等の合成繊維;ウォラストナ
イト等の針状の補強繊維等を挙げることができる。上記
他の繊維状誘電体は、電磁波吸収層の補強のために使用
してもよい。
【0038】上記起泡剤、減水剤、界面活性剤として
は、例えば、p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナ
トリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ト
リエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル硫酸等の各種塩;ポリメチルシロキサン型の界面活
性剤;蛋白質分解物に由来するポリペプタイド;ポリエ
チレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ステアリン
酸の各種塩等の有機系化合物;アルミン酸の各種塩等の
無機系化合物;メチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース
化合物等を挙げることができ、更に、起泡を目的とする
ものとしては、例えば、アルミニウム、マグネシウム等
の金属粉末;過酸化水素水、重炭酸ナトリウム、炭酸ア
ンモニウム等を挙げることができる。これらは、単独で
又は2種以上を併用して用いることができる。これらの
添加剤は、更に好ましくは、0.005〜0.8重量%
の範囲で用いられる。
【0039】上記電磁波吸収層の厚さは、5〜50mm
が好ましい。5mm未満であると、電磁波吸収層の物理
的強度が弱く、50mmを超えると、重量が重くなる。
また、電磁波吸収材を建材として使用する場合に上記範
囲外であると、取り付け作業性、納まり性が悪い。好ま
しくは、7〜25mmである。
【0040】上記電磁波吸収層の比重は、0.50〜
1.2が好ましい。0.50未満であると、電磁波吸収
能が低下し、1.2を超えると、電磁波吸収層の重量が
重くなるので好ましくない。本発明においては、取り付
け作業性の点から、好ましくは、比重0.60〜1.0
であり、従来使用されている石膏ボードと同程度にする
ためには、比重0.50〜0.90が好ましい。
【0041】本発明の電磁波吸収材は、上記電磁波吸収
層に加えて、更に、電磁波反射層を有するものであって
もよい。本発明の電磁波吸収材が上記電磁波吸収層のみ
からなるものである場合は、主として電磁波が本発明の
電磁波吸収材を透過することによる吸収損失効果が得ら
れ、電磁波反射層を有するものである場合は、吸収損失
効果に加えて、更に、反射損失効果を得ることができ
る。
【0042】上記電磁波反射層としては特に限定されな
いが、導電性材料、金属蒸着膜、金属箔、金属粉末から
なることが好ましい。これらは単独で使用してもよく、
2種以上を併用してもよい。上記電磁波反射層は、支持
体としての役割を兼ねることもできる。
【0043】上記電磁波反射層は、シールド能が、20
dB以上であることが好ましい。より好ましくは、30
dB以上である。
【0044】上記導電性材料は、導電性によるシールド
能として、20dB以上、好ましくは、30dB以上を
もたらす材料であれば特に限定されず、例えば、銅、ア
ルミニウム、鋼、鉄、ニッケル、ステンレス、しんちゅ
う等の金属の板;これらの金属がメッキされた金属板;
金属布;鉄板の上にアルミニウム、亜鉛、銅等が熱又は
電気によりメッキされたメッキ鋼板等を挙げることがで
きる。このような導電性材料は、プレコート鋼板のよう
に層間密着性を向上させるための表面処理又はプライマ
ー処理を施したものであってもよい。
【0045】上記金属蒸着膜としては特に限定されず、
例えば、プラスチック材料;紙;PETフィルム等の合
成紙等の非導電性材料の上にアルミニウム等の蒸着層を
形成したもの等を挙げることができる。上記金属箔とし
ては特に限定されず、例えば、上記導電性材料として使
用される金属の箔等を挙げることができる。上記金属粉
末としては特に限定されず、例えば、上記導電性材料と
して使用される金属の粉末等を挙げることができる。本
発明においては、建材としての軽量化の点から、紙、P
ETフィルム等の非導電性材料の上にアルミニウム等を
蒸着したものが好ましい。
【0046】上記電磁波反射層は、上記のほか、プラス
チック材料、紙、合成紙等の非導電性材料の上に上記導
電性材料として使用される金属と結合剤とを含む導電性
塗膜を設けたもの;銅、ニッケル等の無電解メッキ層を
形成した金属化材料等であってもよい。
【0047】上記電磁波反射層の厚さは、50μm〜3
mmが好ましい。50μm未満であると、電磁波反射層
としての機械的強度が低下し、3mmを超えると、電磁
波反射層の重量が重くなって実用的ではない。
【0048】本発明の電磁波吸収材は、上記電磁波吸収
層を形成した後、上記電磁波反射層を設けて形成するこ
とができる。上記電磁波反射層を設ける方法としては特
に限定されず、例えば、上記電磁波反射層を、上記電磁
波吸収層の片面に接着させる方法を好適に採用すること
ができる。上記接着は、例えば、上記電磁波反射層とな
るアルミニウムが蒸着された紙、アルミ箔が接着された
紙、アルミ箔等を上記電磁波吸収層の片面に接着剤等を
用いて貼りつけることにより行うことができる。
【0049】本発明においては、(1)電磁波吸収層の
みからなる電磁波吸収材と、(2)電磁波吸収層に更に
電磁波吸収層を設けてなる電磁波吸収材の2種類があ
る。 (1)電磁波吸収層のみからなる電磁波吸収材はそのま
までは吸収能が小さいが、例えば、鋼板、亜鉛メッキ鋼
板、アルミ板、その他の金属板を塗装して、又は、その
ままで用いて作られた金属家具、壁、天井等のうち電磁
波を反射する金属反射面に対して設置した場合、あたか
もその金属面が電磁波反射面となってより効果的な電磁
波吸収作用を得ることができる。その際、それら金属面
に対して電磁波吸収層のみからなる電磁波吸収材は、接
着層を介して取り付ける方法、又は、取り付け用のボル
ト等を用いて取り付ける方法、粘着性のあるマグネット
シートを介して取り付ける方法、フレームを介して取り
付ける方法等の方法によって固定することができる。
【0050】以下、本発明の電磁波吸収材の製造方法
を、上記電磁波吸収層が、石膏ボード、ALC板、モル
タル又はセメントボードである場合を例にとって詳しく
説明する。
【0051】1.石膏ボード 焼石膏、繊維状誘電体(b)、水、必要に応じて、発泡
性フィラー、繊維状添加剤、有機バインダー、起泡剤、
安定剤、分散剤、減水剤、骨材等を添加して、ミキサー
で混合を充分に行ってスラリーとした後、石膏ボード用
原紙の上に、上記スラリーを展開し、厚さを調整した
後、更に、石膏ボード用原紙で挟んで加温し、上記スラ
リーを硬化、凝結乾燥させることにより電磁波吸収層か
らなる本発明の電磁波吸収材を得る。更に所望により、
得られた電磁波吸収層の片面に、電磁波反射層となるア
ルミニウムが蒸着された紙、アルミ箔が接着された紙、
アルミ箔等を上記電磁波吸収層の片面に接着剤等を用い
て貼りつけることにより、電磁波反射層を有する本発明
の電磁波吸収材を得る。
【0052】この場合においては、上記繊維状誘電体
(b)に加えて、他の繊維状添加剤を併用して、電磁波
吸収層の補強を行ってもよい。
【0053】上記発泡性フィラーを使用する場合には、
上記各成分の配合量は、焼石膏100重量部に対して、
上記繊維状誘電体(b)が、0.01〜0.08重量部
であり、上記発泡性フィラーが、0.1〜15重量部で
あることが好ましい。
【0054】この場合、上記発泡性フィラーが0.1重
量部未満であると、軽量化に対する効果が充分ではな
く、15重量部を超えると、軽量化に対する効果はある
ものの、石膏ボード用原紙と電磁波吸収層を形成する材
料との密着性が低下したり、得られる電磁波吸収層の物
理的強度が低下して好ましくない。
【0055】2.ALC板 水硬化性無機バインダー(a)として、ポルトランドセ
メント、炭酸カルシウム及びアルミニウム粉末を用い、
上記水硬化性無機バインダー(a)、繊維状誘電体
(b)、水、必要に応じて、他の繊維状添加剤、発泡性
フィラー、発泡剤、無機質充填剤、水溶性高分子等を添
加して、ミキサーで混合を充分に行ってスラリーとした
後、型枠に流し込み、約60℃で養生し、硬化させた
後、105℃で乾燥することにより電磁波吸収層からな
る本発明の電磁波吸収材を得る。更に所望により、得ら
れた電磁波吸収層の片面に、電磁波反射層を接着剤等を
用いて貼りつけることにより、電磁波反射層を有する本
発明の電磁波吸収材を得る。
【0056】この場合において、上記繊維状誘電体
(b)の配合量は、水硬化性無機バインダー(a)10
0重量部に対して、0.01〜1.0重量部であること
が好ましい。更に軽量化を行う場合には、水硬化性無機
バインダー(a)100重量部に対して、上記繊維状誘
電体(b)が、0.01〜0.6重量部であることが好
ましい。また、発泡剤を多量に添加して、気泡を多く含
ませて軽量化させてもよい。
【0057】上記発泡性フィラーを使用して、更に軽量
化を行う場合には、水硬化性無機バインダー(a)10
0重量部に対して、上記繊維状誘電体(b)が、0.0
1〜1.0重量部であり、上記発泡性フィラーが、0.
01〜20重量部であることが好ましい。
【0058】3.モルタル 水硬化性無機バインダー(a)として、セメント、石膏
及びアルミナセメントを用い、上記水硬化性無機バイン
ダー(a)、繊維状誘電体(b)、水、必要に応じて、
他の繊維状添加剤、発泡性フィラー、ポリマー混和剤、
発泡剤、無機質充填剤、水溶性高分子、減水剤、硬化促
進剤、硬化遅延剤等を添加して、ミキサーで混合を充分
に行ってスラリーとした後、型枠に流し込み、約20℃
の常温で乾燥することにより電磁波吸収層からなる本発
明の電磁波吸収材を得る。更に所望により、得られた電
磁波吸収層の得られた電磁波吸収層の片面に、電磁波反
射層を接着剤等を用いて貼りつけることにより、電磁波
反射層を有する本発明の電磁波吸収材を得る。
【0059】この場合において、上記繊維状誘電体
(b)の配合量は、水硬化性無機バインダー(a)10
0重量部に対して、0.01〜1.0重量部であること
が好ましい。更に軽量化を行う場合には、上記各成分の
配合量は、水硬化性無機バインダー(a)100重量部
に対して、上記繊維状誘電体(b)が、0.02〜0.
8重量部であることが好ましい。
【0060】上記発泡性フィラーを使用して、更に軽量
化を行う場合には、水硬化性無機バインダー(a)10
0重量部に対して、上記繊維状誘電体(b)が、0.0
1〜0.6重量部であり、上記発泡性フィラーが、0.
01〜20重量部であることが好ましい。
【0061】4.セメントボード ポルトランドセメント、繊維状誘電体(b)、水、必要
に応じて、繊維状添加剤、発泡性フィラー、ポリマー混
和剤、発泡剤、無機質充填剤、水溶性高分子、減水剤、
硬化促進剤、硬化遅延剤等を添加して、ミキサーで混合
を充分に行ってスラリーとした後、型枠に流し込み、加
圧脱水した後、養生硬化させることにより電磁波吸収層
からなる本発明の電磁波吸収材を得る。更に所望によ
り、得られた電磁波吸収層の片面に、電磁波反射層を接
着剤等を用いて貼りつけることにより、電磁波反射層を
有する本発明の電磁波吸収材を得る。
【0062】この場合において、上記各成分の配合量
は、ポルトランドセメント100重量部に対して、上記
繊維状誘電体(b)が、0.01〜1.0重量部である
ことが好ましい。
【0063】上記発泡性フィラーを使用する場合には、
上記各成分の配合量は、ポルトランドセメント100重
量部に対して、上記繊維状誘電体(b)が、0.01〜
0.8重量部であり、上記発泡性フィラーが、0.01
〜20重量部であることが好ましい。
【0064】本発明の電磁波吸収材は、1〜60GHz
のような通信システムの周波数帯域において、−3〜−
30dB程度の電磁波吸収能を有するように設計するこ
とができるので、壁、天井、床等の建材として使用され
る場合には、室内の電磁波が壁、天井、床等に接して反
射を繰り返すうちに、不要な電磁波が徐々に吸収され、
全体として電波環境が向上することとなる。
【0065】また、本発明の電磁波吸収材は、電磁波吸
収層が石膏等の無機バインダーからなっているので、軽
量で難燃性を有しており、建材としても取扱性、作業性
等が優れている。従って、本発明の電磁波吸収材は、電
磁波の相互干渉や遅延分散に伴う混信、誤作動等が心配
されるインテリジェントオフィス等に使用される建材と
して好適である。
【0066】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0067】実施例1 焼石膏92.1重量部、水60重量部、及び、ステンレ
ス繊維(繊維径8μm×6mm)0.02重量部をミキ
サーで混合してスラリーを作り、石膏ボード用原紙の上
に展開して膜厚を調整した後、更に石膏ボード用原紙を
重ね、100℃で加熱乾燥して電磁波吸収層を得た。得
られた電磁波吸収層は、厚さが9.5mmであり、比重
が0.8であった。得られた電磁波吸収層を加熱して石
膏結晶水の含有量を測定したところ、焼石膏の水和率は
17%であった。次にシールド能が30dBのアルミニ
ウムが蒸着された50μmのPETフィルムを上記電磁
波吸収層の裏面に接着剤で貼りつけて、電磁波吸収材を
得た。得られた電磁波吸収材の斜入射での反射減衰量を
測定した。
【0068】斜入射での反射減衰量の測定 電磁波吸収材の電磁波の45°斜入射での反射減衰量を
近傍電磁界アンテナ測定装置(アイコム社製、NFAM
S)を用いて周波数1.9GHz、2.45GHz、1
9GHzで、TEモードで測定し、その結果を表1に示
した。
【0069】実施例2 焼石膏95.0重量部、水70重量部、及び、石炭ピッ
チ系カーボン繊維(繊維径10μm×6mm)0.2重
量部をミキサーで混合してスラリーを作り、実施例1と
同様にして電磁波吸収層を得、電磁波吸収層からなる電
磁波吸収材を得た。得られた電磁波吸収材は、厚さが1
2.5mmであり、比重が0.8であった。かかる電磁
波吸収材を両面テープを用いて鋼製収納庫の扉に設置し
てから、実施例1と同様にして斜入射での反射減衰量を
測定した。結果を表1に示した。
【0070】実施例3 シールド能が30dBで厚さが100μmのアルミ箔
を、実施例2で得られた電磁波吸収層の裏面に接着剤で
貼りつけて、電磁波吸収材を得た。実施例1と同様にし
て斜入射での反射減衰量を測定した。結果を表1に示し
た。
【0071】実施例4 焼石膏85.5重量部、水60重量部、石炭ピッチ系カ
ーボン繊維(繊維径10μm×6mm)0.3重量部を
ミキサーで混合してスラリーを作り、実施例1と同様に
して電磁波吸収層を得、電磁波吸層からなる電磁波吸収
材を得た。得られた電磁波吸収材は、厚さが9.5mm
であり、比重が0.8であった。実施例2と同様にして
収納庫の扉に設置してから、斜入射での反射減衰量を測
定した。結果を表1に示した。
【0072】実施例5 シールド能が25dBのアルミニウムを蒸着した厚さが
700μmの紙を、実施例4で得られた電磁波吸収層の
裏面に接着剤で貼りつけて、電磁波吸収材を得た。実施
例1と同様にして斜入射での反射減衰量を測定した。結
果を表1に示した。
【0073】実施例6 ポルトランドセメント85.5重量部、水40重量部、
石炭ピッチ系カーボン繊維(繊維径10μm×6mm)
0.4重量部、並びに、補強繊維としてセルロースパル
プ2重量部及びメチルセルロース2.0重量部をミキサ
ーで混合してスラリーを作り、型枠に流し込み加熱脱水
した後、養生して電磁波吸収層を得た。得られた電磁波
吸収層は、厚さが45mmであった。次に、シールド能
が35dBで厚さが100μmのアルミ箔を上記電磁波
吸収層の裏面に接着剤で貼りつけて、電磁波吸収材を得
た。実施例1と同様にして斜入射での反射減衰量を測定
した。結果を表1に示した。
【0074】比較例1 石炭ピッチ系カーボン繊維を加えなかったこと以外は実
施例2と同様にして石膏ボードを得た。得られた石膏ボ
ードは、厚さが12.5mmであり、比重が0.8であ
った。実施例2と同様にしてシールド能が30dBで厚
さが100μmのアルミ箔を上記電磁波吸収層の裏面に
接着剤で貼りつけて、電磁波吸収材を得た。実施例1と
同様にして斜入射での反射減衰量を測定した。結果を表
1に示した。
【0075】比較例2 石炭ピッチ系カーボン繊維を加えなかったこと以外は実
施例4と同様にして石膏ボードを得た。得られた石膏ボ
ードは、厚さが9.5mmであり、比重が0.8であっ
た。実施例3と同様にしてシールド能が25dBのアル
ミニウムを蒸着した厚さが700μmの紙を上記電磁波
吸収層の裏面に接着剤で貼りつけて、電磁波吸収材を得
た。実施例1と同様にして斜入射での反射減衰量を測定
した。結果を表1に示した。
【0076】
【表1】
【0077】実施例7 焼石膏92.1重量部、水65重量部、ステンレス繊維
(繊維径8μm×6mm)0.2重量部、及び、パーラ
イト2.0重量部をミキサーで混合してスラリーを作
り、石膏ボード用原紙の上に展開して膜厚を調整した
後、更に石膏ボード用原紙を重ね、100℃で加熱乾燥
して電磁波吸収層を得た。得られた電磁波吸収層は、厚
さが9.5mmであり、比重が0.75であった。得ら
れた電磁波吸収層を加熱して石膏結晶水の含有量を測定
したところ、焼石膏の水和率は17%であった。次に、
シールド能が30dBのアルミニウムが蒸着された50
μmのPETフィルムを上記電磁波吸収層の裏面に接着
剤で貼りつけて、電磁波吸収材を得た。実施例1と同様
にして斜入射での反射減衰量を測定した。結果を表2に
示した。
【0078】実施例8 焼石膏85.8重量部、水40重量部、石炭ピッチ系カ
ーボン繊維(繊維径10μm×6mm)0.2重量部、
及び、シラスバルーン3.4重量部をミキサーで混合し
てスラリーを作り、実施例5と同様にして電磁波吸収層
を得た。得られた電磁波吸収層は、厚さが12.5mm
であり、比重が0.75であった。次に、シールド能が
30dBで厚さが100μmのアルミ箔を上記電磁波吸
収層の裏面に接着剤で貼りつけて、電磁波吸収材を得
た。実施例1と同様にして斜入射での反射減衰量を測定
した。結果を表2に示した。
【0079】参考例1 焼石膏92.1重量部、水65重量部、石炭ピッチ系カ
ーボン繊維(繊維径10μm×6mm)0.6重量部、
及び、シラスバルーン8.0重量部をミキサーで混合し
てスラリーを作り、実施例5と同様にして電磁波吸収層
を得た。得られた電磁波吸収層は、厚さが9.5mmで
あり、比重が0.60であった。次に、シールド能が2
5dBのアルミニウムを蒸着した厚さが700μmの紙
を上記電磁波吸収層の裏面に接着剤で貼りつけて、電磁
波吸収材を得た。実施例1と同様にして斜入射での反射
減衰量を測定した。結果を表2に示した。
【0080】実施例10 焼石膏85.5重量部、水40重量部、石炭ピッチ系カ
ーボン繊維(繊維径10μm×6mm)0.2重量部、
及び、平均粒子径が3mmのスチロールバルーン0.6
重量部をミキサーで混合してスラリーを作り、実施例5
と同様にして電磁波吸収層を得た。得られた電磁波吸収
層は、厚さが12.5mmであり、比重が0.7であっ
た。次に、シールド能が30dBで厚さが100μmの
アルミ箔を上記電磁波吸収層の裏面に接着剤で貼りつけ
て、電磁波吸収材を得た。実施例1と同様にして斜入射
での反射減衰量を測定した。結果を表2に示した。
【0081】実施例11 ポルトランドセメント90重量部、水45重量部、石炭
ピッチ系カーボン繊維(繊維径10μm×6mm)0.
4重量部、パーライト2.3重量部、並びに、補強繊維
としてセルロースパルプ2重量部及びメチルセルロース
0.2重量部をミキサーで混合してスラリーを作り、型
枠に流し込み加熱脱水した後、養生して電磁波吸収層を
得た。得られた電磁波吸収層は、厚さが45mmであっ
た。次に、シールド能が35dBで厚さが100μmの
アルミ箔を上記電磁波吸収層の裏面に接着剤で貼りつけ
て、電磁波吸収材を得た。実施例1と同様にして斜入射
での反射減衰量を測定した。結果を表2に示した。
【0082】実施例12 焼石膏85.5重量部、水40.0重量部、石炭ピッチ
系カーボン繊維(繊維径10μm×6mm)0.5重量
部、及び、膨張蛭石4.4重量部をミキサーで混合して
スラリーを作り、実施例5と同様にして電磁波吸収層を
得た。得られた電磁波吸収層は、厚さが9.5mmであ
り、比重が0.65であった。次に、シールド能が25
dBのアルミニウムを蒸着した厚さが700μmの紙を
上記電磁波吸収層の裏面に接着剤で貼りつけて、電磁波
吸収材を得た。実施例1と同様にして斜入射での反射減
衰量を測定した。結果を表2に示した。
【0083】
【表2】
【0084】
【発明の効果】本発明の電磁波吸収材は上述の構成より
なるので、準マイクロ波帯域からミリ波帯域までの広帯
域の電磁波を一様に吸収することができ、かつ、軽量で
難燃性を有しており、建材としての取り付け作業性及び
納まり性に優れ、インテリジェントオフィス等の天井や
壁に使用される室内用建材として好適に使用することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 眞人 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 羽田 準一 三重県三重郡川越町高松928 チヨダウ ーテ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−267879(JP,A) 特開 平6−209180(JP,A) 特開 平6−69682(JP,A) 特開 昭61−168557(JP,A) 特開 平6−122568(JP,A) 特開 平7−202472(JP,A) 特開 平4−340299(JP,A) 特開 平3−293796(JP,A) 特開 平5−13977(JP,A) 特開 平2−91997(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 9/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水硬化性無機バインダー(a)100重
    量部に対して、繊維状誘電体(b)0.01〜0.08
    重量部及び発泡性フィラー0.1〜15重量部を配合し
    てなる電磁波吸収層からなり、 前記水硬化性無機バインダー(a)は、焼石膏であり、 1〜60GHzの通信システム周波数帯域の電磁波を吸
    収する ことを特徴とする電磁波吸収材。
  2. 【請求項2】 磁波吸収層は、厚さが5〜50mmで
    あるものである請求項1記載の電磁波吸収材。
  3. 【請求項3】 磁波吸収層は、更に、起泡剤、減水
    剤、界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1
    種を添加剤(c)として含有し、前記水硬化性無機バイ
    ンダー(a)100重量部に対して、繊維状誘電体
    (b)0.01〜0.08重量部、前記添加剤(c)
    び前記発泡性フィラー0.01〜20重量部を配合して
    なるものであり、かつ、厚さが7〜25mmであり、比
    重が0.50〜0.90であるものである請求項2記載
    の電磁波吸収材。
  4. 【請求項4】 発泡性フィラーが、有機系発泡性フィラ
    ー及び無機系発泡性フィラーのうち少なくとも1種の発
    泡性フィラーである請求項1、2又は3記載の電磁波吸
    収材。
  5. 【請求項5】 更に、電磁波反射層を有する請求項1、
    2、3又は4記載の電磁波吸収材。
  6. 【請求項6】 電磁波反射層は、導電性材料、金属蒸着
    膜、金属箔、及び、金属粉末からなる群から選択される
    少なくとも1種からなり、シールド能が20dB以上の
    ものである請求項5記載の電磁波吸収材。
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