JP4043963B2 - 音波吸収用および電磁波吸収用パネル - Google Patents

音波吸収用および電磁波吸収用パネル Download PDF

Info

Publication number
JP4043963B2
JP4043963B2 JP2003027229A JP2003027229A JP4043963B2 JP 4043963 B2 JP4043963 B2 JP 4043963B2 JP 2003027229 A JP2003027229 A JP 2003027229A JP 2003027229 A JP2003027229 A JP 2003027229A JP 4043963 B2 JP4043963 B2 JP 4043963B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
panel
concrete
water
electromagnetic wave
block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003027229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004238844A (ja
Inventor
信夫 柵瀬
浩造 阪東
靖彦 古澤
重明 坂口
ブーン ケン リン
裕治 唐木
明 加瀬
隆夫 内川
亜由美 早田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2003027229A priority Critical patent/JP4043963B2/ja
Publication of JP2004238844A publication Critical patent/JP2004238844A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4043963B2 publication Critical patent/JP4043963B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
  • Devices Affording Protection Of Roads Or Walls For Sound Insulation (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,建造物の構造部材として使用可能で且つ優れた音波吸収機能および電磁波吸収機能を有するパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般の市街道路はもとより高速道路や軌道の騒音問題が顕在化しており,その対策として防音壁の設置や,構造物自身に吸音効果を持たせることが行われている。一般にコンクリートは吸音効果を有するが,通常のままでは意図する効果が得られないので,構造部材としてのコンクリート材料に吸音効果を高めるための工夫が種々なされている。一般に,コンクリート材料に吸音効果を付与するためには,コンクリートパネルに吸音材料を取付けるのが通常であり,この吸音材料でコンクリートで形成する場合には,気泡や空隙によって材料自身を多孔質なものとしたり,表面に凹凸を設けたり隙間を設けたりしている(例えば特許文献1や2)。
【0003】
また,最近の建物や高架建造物等の壁面等で電磁波が反射して種々の通信トラブルやテレビゴーストを起こすことがあり,人体への過剰な電磁波の照射も問題視されている。このため,構造材としてのコンクリート自身に電磁波吸収効果を付与することが提案されている(例えば特許文献3や特許文献4)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−172802号公報
【特許文献2】
特開平9−273241号公報
【特許文献3】
特開平8−32276号公報
【特許文献4】
実開昭55−25375号公報
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】
構造用パネル,例えばコンクリートパネルに吸音材料を取付けることによって吸音目的を達成する場合に,その吸音材料をコンクリートで形成できれば施工性や経済面でも有利である。構造用パネルの母材そのものも吸音効果を有すれば,さらに都合がよい。このような要求を満たすコンクリート製の音波吸収用パネルは実現していない。
【0006】
同様に,構造用パネルに電磁波吸収体を取付ける場合,その電磁波吸収体をコンクリートで形成できれば施工性や経済面でも有利である。構造用パネルそのものが優れた電磁波吸収効果を有すれば,さらに都合がよい。このような要求を満たすコンクリート製の電磁波吸収用パネルも実現していない。
【0007】
したがって,本発明の課題は,このような要求を満足できるコンクリート製の音波吸収用パネルおよび電磁波吸収用パネルを得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば,構造用パネルの表面にセメント系ブロックを取付けてなる音波吸収用パネルであって,前記のセメント系ブロックが,ほぐされた植物短繊維を10〜80Kg/m 3 の配合量で配合した未だ固まらないモルタルまたはコンクリートの線状体を曲げ絡み合わせて立体形状となし,これを硬化させて該線状体同士が部分的に結着した捲縮体状のブロックとしたものであり,このセメント系ブロックに7〜40重量%の遊離水が含浸されていることを特徴とする音波吸収用パネルを提供する。
【0009】
さらに,本発明によれば,構造用パネルの表面にセメント系ブロックを取付けてなる電磁波吸収用パネルであって,前記のセメント系ブロックが,植物短繊維を配合した未だ固まらないモルタルまたはコンクリートの線状体を曲げ絡み合わせて立体形状となし,これを硬化させて該線状体同士が部分的に結着した捲縮体状のブロックとしたものであり,このセメント系ブロックに7〜40重量%の遊離水が含浸されていることを特徴とする電磁波吸収用パネルを提供する。
【0010】
前記の音波吸収用パネルおよび電磁波吸収用パネルにおいて,セメント系ブロックは,線状体間の空隙率が40±20%の範囲にあるのがよく,セメント系ブロック内に配合される植物短繊維は綿,麻,椰子殻または籾殻とすることができ,これらの植物短繊維をモルタルまたはコンクリートの混練時に20Kg/m3以上の配合量で混和するのがよい。また,このセメント系ブロックを取付ける構造用パネルはコンクリートパネルであることができ,このコンクリートパネルを7〜40重量%,好ましくは15±8重量%の遊離水を含有できる保水性のコンクリートパネルとすることもできる。この保水性のコンクリートパネルも前記のセメント系ブロックと同じく植物繊維を配合したものとすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は,本発明に従う音波吸収用パネルおよび電磁波吸収用パネルの代表的な形状例を示したものである。図1において,1は構造用パネル,2はセメント系ブロックを示す。構造用パネル1は樹脂パネルや金属パネルであってもよいが,コンクリートパネル,特に保水性のコンクリートパネルであるのが好ましい。セメント系ブロック2は,以下に説明するように,植物短繊維を配合した未だ固まらないモルタルまたはコンクリートの線状体を曲げ絡み合わせて立体形状となし,これを硬化させて該線状体同士が部分的に結着した捲縮体状のブロックとしたものであり,このセメント系ブロックに7〜40重量%,好ましくは20±10重量%の遊離水が含浸されているものである。
【0012】
構造用パネル1に取付けるセメント系ブロック2について,以下に詳述する。
【0013】
図2に,本発明に従うセメント系ブロック2の一つの形状例を示した。このブロック2は,植物短繊維を配合したセメント系硬化体(モルタルまたはコンクリート)からなる線状体3が曲げ絡み合って立体形状のブロック2を形成している。このブロック2は,硬化した線状体3が部分的に結着し,線状体同士の間に隙間を有した構造を有しており,一見したところ,即席乾燥麺(インスタントラーメン)のような麺の捲縮固化物を拡大したような立体形状を有している。
【0014】
このようなセメント硬化体のブロック2を作成するには,例えば図3に示したように,植物短繊維配合の未だ固まらないモルタルまたはコンクリート(以下これを略して“植物繊維入り生モルタル”と呼ぶ)の混練物をグラウトポンプ4でノズル5に圧送することにより,ノズル5から植物繊維入り生モルタルの線状体3として押し出し,これを曲げ絡み合わせる。植物短繊維を適量配合し且つ水セメント比および単位水量を調節すると,ノズル5から押し出された生モルタルの線状体3は直角はもとより150o近く曲げても破断することなく,くねくねと自在に曲がる。植物短繊維を配合しない場合には,そのような性質を具備させることは困難で,例えば形状保持力をもつような硬練として線状体に押し出して曲げるとすぐに折れてしまう。
【0015】
図3ではグラウトポンプ4を使用した例を示したが,図4のような簡易押し出し器6を用いて本発明に従うブロック2を作成することもできる。図4の押し出し器6は,本発明に従う植物繊維入り生モルタルを入れるホッパー部7と,このホッパー部の先端に設けたノズル8と,ホッパー部7の生モルタルを背面から押し出すための押し出し具9とからなる持ち運び可能な簡単なものであり,作業者の人力で生モルタルの線状体3を作成できるようにしたものである。ノズル8から押し出した生モルタルの線状体3を例えば箱型の型枠10内に捲縮させながら装填し,型枠10内で硬化させることによって,図2に示したようなブロック2を作り出すことができる。
【0016】
図5は,各種形状の型枠例えば側面が6面体からなる六角形状の箱型の型枠11,側面が4面体からなる四角形状の箱型の型枠12に,生モルタルの線状体3を装填する例を示したものである。図示のほか,側面が3面体,5面体,その他の多面体からなる多角形状,或いは側面が円筒や楕円筒からなる円筒形状の箱型の型枠を用いて,様々な形状の立体ブロック2を作り出すこともできる。このような箱型の型枠11や12は,底の浅いパレット形状とすることによって,形成されるブロック2の全体的な外観を小型パネル状とすることができる。
【0017】
ノズルから押し出す生モルタルの線状体3の径については,直径が5〜30mm,好ましくは8〜20mmのものが取り扱いやすい。植物繊維入り生モルタルの配合については後述するが,使用する植物短繊維としては,長さが2〜12mm,径が0.1〜1.0mm程度のものが好適であり,配合量としては,植物短繊維の種類によってその適正な範囲は異なるが,10〜80Kg/m3好ましくは20〜60Kg/m3の範囲とするのがよく,植物短繊維の配合量が多いほど硬化した線状体3の湿潤性能(保水性能)および生モルタルの線状体3の変形性能が高まる。しかし,あまり多いと,骨材表面が植物短繊維で覆われるところが増え,骨材・セメント間の接合強度を低下させることにもなるので,80Kg/m3以下,好ましくは60Kg/m3以下とするのがよい。練り混ぜに際しては,セメントペーストに植物短繊維を先練りし,この植物短繊維入りセメントペーストを骨材と混り混ぜる方法が好ましい。一般に植物短繊維は,コンクリートに混入されると腐食しにくくなる性質があり,例えば麻はエジプトのピラミッドからも腐食していないものが発見されている実績がある。
【0018】
植物短繊維の使用にあたっては,その乾燥体をよくほぐした状態で使用するのがよい。植物短繊維の性質上,その繊維一本一本の径や長さ,さらには表面状態や形状(針状か板状かなど)はランダムであるが,要するところ,その植物短繊維の性質に応じてコンクリート中によく分散できるような寸法形状とすればよい。麻を用いる場合には,ほぼ長さが2〜20mmで,径が0.1〜0.7mm程度のものを練り混ぜ中の材料に少しづつ投入して分散させればよい。そのさい,水を混入する前の空練りを60秒以上行うことが好ましい。
【0019】
コンクリート用分散剤を使用して植物短繊維の分散を促進させることも好ましい。使用できる分散剤には各種のものがあるが,例えば高性能減水剤(商品名レオビルド8000ESなど)が挙げられる。また,必要に応じて水溶性高分子等の増粘剤を使用することができる。
【0020】
使用するセメントとしては普通セメントが使用できるが,低pH(低アルカリ)セメントを使用すると,低pHの植物繊維入り生モルタルが得られ,低pH(低アルカリ)の本発明に従うブロック2を作ることができる。低pHセメントとしては,MgOおよびP25を主成分とする低pHセメントを使用できる。このような低pHセメントとしては,例えば特開2001−200252号公報に記載された軽焼マグネシアを主成分とする土壌硬化剤組成物が挙げられる。またこれに相当する低pHセメントは商品名マグホワイトとして市場で入手できる。さらに,セメントの一部を,必要に応じて高炉スラグ微粉末,フライアッシュ,シリカヒュームなどで置換することもできる。
【0021】
骨材成分としては通常の細骨材および粗骨材を使用できるが,粗骨材を使用する場合には最大寸法がノズル口径より小さいものを使用する必要がある。骨材を使用する場合には最大寸法5mm以下とするのがよい。細骨材としては通常の川砂のほか,土質成分のもの例えば火山灰土,黒土等を使用可能である。また,石灰石粉等の微粉末を配合することもできる。さらに軽量細骨材を使用することもできる。
【0022】
植物短繊維を15Kg/m3以上,好ましくは20Kg/m3以上配合し,水セメント比を従来のポーラスコンクリートの場合と同等もしくはこれよりも高くして(例えばポーラスコンクリートでは水セメント比が25〜35%程度である)練り混ぜると,スランプ値は高くても1.0cmまでの混練物が得られ,その硬化体は,透水係数が 1.0〜3.0 cm/secで,単位吸水率が10〜40%の保水性コンクリート(モルタル)を得ることができる。したがって,該混練物をノズルから押し出し,曲げ絡み合わせて立体形状となし,これを硬化してなる本発明のブロック2は,単位吸水率が10〜40%の保水性を示す硬化した線状体3からなる。このため,線状体3そのものが音波吸収用および電磁波吸収用として好適な7〜40重量%,好ましくは20±10重量%の遊離水(セメント等と化学的に結合していない水)を保有できる機能を有するようになる。
【0023】
さらに,本発明に従う音波吸収用および電磁波吸収用パネルのブロック2は,圧縮強度250〜330kgf/cm2 ,曲げ強度40〜50kgf/cm2 を示す硬化体製品となり得る。すなわち,普通コンクリートまたはモルタルと同等の強度特性を得ることか可能である。そして,図2に例示したように,硬化した線状体3は曲げ絡み合って部分的に結着した構造の立体形状を有するので,線状体3の間には多くの隙間を有している。この隙間の容積を空隙率として表すと,この空隙率は線状体3の曲げ絡み合いの程度を調節することによって自由に制御ができ,例えば空隙率20〜80%のブロック2,好ましくは空隙率40±20%のブロック2とすることができる。
【0024】
このような空隙率を有することにより,ブロック2自身が軽量となるので運搬および施工に有利となり,しかも,この空隙が存在することによって,音波および電磁波が線状体3によって乱反射し,また構造用パネル1からの反射も乱反射を起こしてそれらの吸収率を高めるのに役立つ。
【0025】
本発明に従うブロック2を作るための,代表的な植物繊維入り生モルタルの材料配合例を挙げると,普通セメントを使用した場合には,例えば,
普通ポルトランドセメント:400Kg/m3±40Kg/m3
高炉スラグ粉末 :400Kg/m3±40Kg/m3
砂 :800Kg/m3±40Kg/m3
水 :350Kg/m3±40Kg/m3
植物短繊維(綿の場合) :20Kg/m3±5Kg/m3
混和剤として,
高性能減水剤(商品名8000ES) :6Kg/m3
増粘剤(商品名SFCA2000) :1.5Kg/m3
を例示できる。これによって気乾比重=1.9±0.1,湿潤比重=2.3±0.1の硬化体とすることができる。この硬化体は,圧縮強度300kgf/cm2 ±50kg/m3,曲げ強度45kgf/cm2 ±10kg/m3で,単位吸水率が20%±10%程度の保水性を示す硬化体となる。
【0026】
また,低pHセメントを使用する場合には,例えば
低pHセメント(商品名マグホワイト):500Kg/m3±50Kg/m3
黒土 :500Kg/m3±50Kg/m3
砂 :400Kg/m3±40Kg/m3
水 :420Kg/m3±40Kg/m3
植物短繊維(綿の場合) :20Kg/m3±5Kg/m3
混和剤として,
ソイルセメント用混和剤(商品名レオソイル100A):5Kg/m3±1Kg/m3
ソイルセメント用混和剤(商品名レオソイル100B):3Kg/m3±1Kg/m3
を例示できる。これによって気乾比重=1.5±0.2,湿潤比重=2.1±0.2の硬化体とすることができる。この硬化体は,圧縮強度300kgf/cm2 ±50kg/m3,曲げ強度45kgf/cm2 ±10kg/m3で,単位吸水率が30%±10%程度の保水性を示す硬化体となる。
【0027】
このようにして得られる保水性を示す硬化体は,その保水性能を透水係数,単位吸水量および単位脱水量を用いて表すと例えば次のような特異な値を示す。
透水係数:線状体自身0.0004〜0.0005cm/秒
下記(1) の測定法に従う単位吸水量:100〜500L/m3
下記(2) の測定法に従う単位脱水量:50〜150L/m3
(1) 単位吸水量の測定法:直径10cmで高さ20cmの円柱供試体を110℃で湿度0%の乾燥器内にて絶乾状態としてその重量Wd(Kg)を測定し,絶乾状態の供試体全体に給水を24時間続けた時点での重量Ww(Kg)を測定し,(Ww−Wd)/Vを求める。
(2) 単位脱水量の測定法:直径10cmで高さ20cmの円柱供試体の全体を水中に重量変化が生じないまで浸漬して定重量Wc(Kg)を測定し,この定重量物を30℃の乾燥器内で24時間保持した時点での重量We(Kg)を測定し,(Wc−We)/Vを求める。Lはリットルを表示しているが,L/m3はKg/m3で表示することもできる。
【0028】
ちなみに,普通セメントモルタル硬化体(植物短繊維なし)の透水係数は0.00003〜0.00006cm/秒程度,前記(1) の測定法に従う単位吸水量は50〜100L/m3程度,前記(2) の測定法に従う単位脱水量は30〜60L/m3程度である。また,従来のポーラスコンクリートの本来の機能は,上方からの水が下方への簡単に抜ける(流下する)という透水性にあり,このために透水係数は例えば3.0〜5.0cm/秒と高いが,単位吸水量は75L/m3程度,単位脱水量は45L/m3程度である。本発明の植物短繊維入りブロック2も透水性を有するものではあるが,単位吸水量および単位脱水量が従来のポーラスコンクリートより高い値を示し,多く吸水して常時含水することができる。これは,植物短繊維の配合によってもたらされたものである。
【0029】
本発明においては,このように保水性を有する線状体3からなり,しかもこの線状体3を部分的に結着して空隙を有するように硬化させたセメント系ブロック2を音波吸収材料および電磁波吸収材料に適用するものであり,図1に示したように,このブロック2を構造用パネル1に取付けることによって,音波吸収効果および電磁波吸収効果を有する構造材を提供するものである。構造用パネル1としてコンクリートパネルを使用した場合には,コンクリート製品からなる音波吸収効果および電磁波吸収効果を有する構造材を得ることができる。構造用パネル1は,平板状のものに限られるものではなく,逆T式の擁壁等とすることもできる。
【0030】
構造用パネル1として保水性コンクリートを用いる場合には,音波吸収効果および電磁波吸収効果がさらに良好なコンクリート製品を得ることができる。この保水性コンクリートとしては,前述した植物短繊維入りの線状体3を製造する場合と同じようにして,植物繊維入りモルタルまたはコンクリートを練り混ぜ,これをパネル形状に打設すればよい。植物繊維としては長さが30mm程度までの短繊維が好ましいが,必ずしも短繊維に限られるものではない。これによって,前記の線状体3の場合と同様に,音波吸収用および電磁波吸収用として好適な7〜40重量%,好ましくは15±8重量%の遊離水を保有することができるパネルとなる。また,その強度についても前記したとおり,普通コンクリートの場合と遜色のないものが得られ,曲げ強度も十分なものが得られる。
【0031】
構造用パネル1にセメント系ブロック2を取付けるにはアンカーボルト等の金具を用いてもよいが,構造用パネル1がコンクリートパネルの場合には,コンクリートパネルが未だ固まらないうちに,硬化したセメント系ブロック2を,コンクリートパネルの表面から部分的埋設させるか,またはブロック2の全厚み分を埋設させ,この状態でコンクリートパネルを硬化させるのが好ましく,この方法によれば取付けが簡易で且つ完全となる。
【0032】
構造用パネル1の大きさについては特に制限はないが,1例を挙げると,厚み150mmで1000mm×1500mmの配筋入りコンクリートパネルとし,この一方の表面に,厚み50mmで400×400のセメント系ブロック2を,構造用パネル1の厚み内に約15〜50mm埋設するといった形状・寸法のものが取り扱い易い。この場合のセメント系ブロック2の線状体3の直径については8〜20mm程度とし,空隙率(線状体3の間の空間)は20〜80%程度,好ましくは40±20%とする。
【0033】
以下に,さらに,本発明材料の音波吸収機能並びに電磁波吸収機能について説明する。
【0034】
本発明者らは水による電磁波減衰効果に着目し,これをコンクリートで実現するために種々の試験を繰り返したが,植物短繊維を配合したモルタルまたはコンクリートでは遊離水を7〜40重量%,好ましくは20±10重量%含有させることができ,その結果,優れた電磁波吸収効果を示すことがわかった。コンクリート硬化体中の水分量は,周囲環境の温湿度によって左右されるが,普通コンクリートで3〜4重量%程度であり,強制的に含浸させたとしても5〜6重量%程度に過ぎない。
【0035】
なお,単にコンクリートを水で濡らしても,空気とコンクリートとの境界面(コンクリート表面)での電磁波の反射が大きくなってコンクリート内部での吸収効果は期待できない。これは,水の誘電率が空気の約80倍近くもあり,水の膜が張ったような状態がコンクリート表面で生じていると,電磁波が鏡面反射のように大きく反射を起こしてしまうからである。したがって,コンクリートに電磁波吸収能力を付与するには,空気相と水相とを区分するような境界面を実質的に作らずに,電磁波エネルギーを吸収できるに十分な量の水が存在した状態のコンクリートを得ることが肝要となる。
【0036】
植物短繊維をコンクリート中に適量配合すると,毛細管現象も起きるのではないかと考えられるが,コンクリートのマトリックス中に7〜40重量%,好ましくは20±10重量%の遊離水を分散して含ませることができるようになる。この遊離水が電磁波エネルギーを吸収し,熱エネルギーに効率よく変換することができる。またコンクリート硬化体全体に分散した細孔内に含浸されている遊離水は,電磁波を反射するような明確な空気と水との鏡面を作ることも少ない。特に本発明に従う保水性コンクリートでは電磁波の反射を起こすような境界面を形成するようなことは殆んど生じない。このため,コンクリート硬化体の表面に,反射防止用の被覆等を設けるようなことは必ずしも必要ではなくなる。
【0037】
このようなコンクリート中の遊離水による電磁波吸収機能は,音波についても実質的に同様のことが言える。コンクリート中に7〜40重量%,好ましくは20±10重量%の遊離水を含浸させておくことによって,優れた吸音材となる。したがって,本発明に従うセメント系ブロック2は,遊離水を7〜40重量%,好ましくは20±10重量%含有することができることから,優れた音波吸収材料および電磁波吸収材料となり,しかも,この保水性の線状体3は複雑に絡み合っており,それらの間に十分な空隙をもつので,これらの線状体3が音波および電磁波を乱反射させるように作用し,その結果,音波および電磁波を減衰させるので,いっそう優れた音波吸収機能と電磁波吸収機能とを有するようになる。保水性の線状体3からなるセメント系ブロック2に加えて,構造用パネル1についても,同様に遊離水を7〜40重量%,強度の面を考慮すると好ましくは7〜30重量%,さらに好ましくは15±8重量%含有する保水性のコンクリート材料とすることによって,さらに一層優れた音波吸収材料および電磁波吸収材料とすることができる。このような保水性のコンクリートパネル1は植物繊維配合のモルタルまたはコンクリートによって得ることができることは前述のとおりである。
【0038】
保水性のセメント系ブロック2および保水性のコンクリートパネル1に対して遊離水を含浸させるには,降雨時を利用して自然に含水させることができる。降雨があったあと,10重量%の遊離水を含有している本発明の材料では,例えば最高気温が36℃の日中においてその約2重量%の水が蒸発して逸出するが,夜間において約1重量%の水が周囲空気から取り込まれるといった現象が起きる。したがって,降雨が比較的多い場合には,特に給水を行わないでも,比較的高い含水率の状態が維持され,その間,音波吸収機能および電磁波吸収機能を維持することができる。
【0039】
防音壁や電磁波遮蔽壁のように,常時,その機能を維持することが要求される用途においては,本発明の材料に水を補給できるような対策を施しておくのが好ましい。図6にその一例を示した。
【0040】
図6は,構造用パネルとして保水性コンクリートパネル1aを使用し,その一方の表面に保水性セメント系ブロック2を部分的に埋め込んだ本発明に従う音波吸収用および電磁波吸収用パネルを示しているが,このパネルを縦方向にして据え付ける場合,その上端面に貯水溝13が設けてある。貯水溝13内の水14が保水性コンクリートパネル1aの内部に自由に流れ込めるように,貯水溝13の底は保水性コンクリートパネル1aの天端と連通している。降雨時に貯水溝13内に自然に雨水が貯溜するが,場合によっては,この貯水溝13内の水位が一定に保たれるように,外部から給水を行うようにしてもよい。
【0041】
保水性コンクリートパネル1aおよび保水性セメント系ブロック2とも,植物短繊維の配合量の調整によってその保水能力を10重量%前後となるように調整しておくことにより,両者とも,蒸発によって逸出する水分と,場合によっては水滴となって系外に流下する過剰水分とからなる排出量に相当する量の水が,貯水溝13内から自然に流れ込み,常時,10重量%前後の水を保有することができる。これによって,両者とも,優れた音波吸収機能および電磁波吸収機能を維持すると共に,保水性セメント系ブロック2が,前記のようにランダムな空隙を多く有することから,音波および電磁波の乱反射を誘発して減衰させるので,従来のものにはない吸音効果および電磁波吸収効果を示す。
【0042】
以下さらに,本発明者らが行った試験例について説明する。表1に示した配合の3種のコンクリートを練り混ぜ,いずれも,供試体として60cm×60cm×5cmのコンクリート板を製作した。材令28日後の各供試体について,いずれも水中に2時間浸漬したあとの状態で,次のようにして電波の透過係数と反射係数を測定した。すなわち,5.8GHzの電波を送信アンテナから各供試体の広面に垂直に照射し,供試体の背面に置いた受信アンテナで透過電波を受信して透過係数を求める。また,5.8GHzの電波を送信アンテナから,入射角30度で各供試体の広面に照射し,その反射波を反射角30度の位置においた受信アンテナで受信して反射係数を求める。それらの結果を表1に併記した。
【0043】
【表1】
Figure 0004043963
【0044】
表1の結果から,植物短繊維を配合した試験例1および2のものは,配合しない対照例に比べて反射係数が小さいにも拘わらず,透過係数が小さいことがわかる。すなわち反射量も透過量も少ないことから内部で吸収される量が多い。また,これらの透過係数と反射係数とから,次式に従って,電波吸収エネルギーを求め,その結果も表1に併記した。
電波吸収エネルギー(%)=100×(1−反射係数2+透過係数2
表1に示すとおり,対照例のものは電波吸収エネルギーが43.6%であるのに対し,試験例1のものは電波吸収エネルギーが86.9%に達し,試験例2のものも68.0%に達しており,優れた電磁波吸収機能を有することがわかる。
【0045】
さらに,表2の配合の綿混入モルタルを,図3のようにしてノズル5から直径10mmの線状体3として押し出し,これを図5のように四角形状の型枠12内に曲げ絡ませながら打設し,厚み10cmで40cm×40cmの小型パネル状のブロック2を作成した。線状体3の間の空隙は約40%である。硬化したあと,このものに水を10重量%含浸させ,防音室内でこのパネルを通過する音波の吸収率を周波数ごとに測定した。比較のために,同じ大きさの普通コンクリート製のコンクリートパネル(コンクリート配合を表2に示す)について,前記と同じ条件で音波の吸収率を測定した。その結果を表3に示した。
【0046】
【表2】
Figure 0004043963
【0047】
【表3】
Figure 0004043963
【0048】
表3の結果から,本発明に従う保水性のセメント系ブロック2は優れた音波吸収作用を示すことがわかる。なお,本発明に従うセメント系ブロック2は大きな空隙と凹凸があるので小動物等の足がかりとなり,また植物の育成基盤ともなり得るものであるから,これを構造用パネル1の表面に取付けたものは環境配慮型の構造材としての機能を有すると言える。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によると,セメント系材料によって優れた音波吸収用パネルおよび電磁波吸収用パネルが得られる。このものは,通常のコンクリートと同様に一般構造物の構造材料として使用可能である。このため,一般構造物の汎用材料に優れた吸音作用と電磁波吸収機能とを備えさせることが可能となり,騒音問題や電磁波障害に対して,基盤材料の面からその解決に対して多いに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う音波吸収用および電磁波吸収用パネルの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に従うセメント系ブロックの一例を示す平面図である。
【図3】植物繊維入り生モルタルの線状体の製造例を示す略側面図である。
【図4】植物繊維入り生モルタルの線状体を型枠内に装填する例を示す略図である。
【図5】植物繊維入り生モルタルの線状体を型枠内に装填する他の例を示す略図である。
【図6】本発明に従う音波吸収用および電磁波吸収用パネルの一例を示す略断面図である。
【符号の説明】
1 構造用パネル
1a 保水性コンクリートパネル
2 セメント系ブロック
3 植物短繊維配合のセメント系線状体
4 グラウトポンプ
5,8 ノズル
10,11,12 型枠
13 貯水溝

Claims (12)

  1. 構造用パネルの表面にセメント系ブロックを取付けてなる音波吸収用パネルであって,前記のセメント系ブロックが,ほぐされた植物短繊維を10〜80Kg/m 3 の配合量で配合した未だ固まらないモルタルまたはコンクリートの線状体を曲げ絡み合わせて立体形状となし,これを硬化させて該線状体同士が部分的に結着した捲縮体状のブロックとしたものであり,このセメント系ブロックに7〜40重量%の遊離水が含浸されていることを特徴とする音波吸収用パネル。
  2. セメント系ブロックは,線状体間の空隙率が40±20%の範囲にある請求項1に記載の音波吸収用パネル。
  3. セメント系ブロック内に配合される植物短繊維は綿,麻,椰子殻または籾殻であり,これらの1種または2種以上が混練時に20〜80Kg/m3 配合量で混和されている請求項1または2に記載の音波吸収用パネル。
  4. 構造用パネルはコンクリートパネルである請求項1ないし3に記載の音波吸収用パネル。
  5. コンクリートパネルは15±8重量%の遊離水を含有できる保水性のコンクリートパネルである請求項4に記載の音波吸収用パネル。
  6. 保水性のコンクリートパネルは植物繊維を配合したものである請求項5に記載の音波吸収用パネル。
  7. 構造用パネルの表面にセメント系ブロックを取付けてなる電磁波吸収用パネルであって,前記のセメント系ブロックが,植物短繊維を配合した未だ固まらないモルタルまたはコンクリートの線状体を曲げ絡み合わせて立体形状となし,これを硬化させて該線状体同士が部分的に結着した捲縮体状のブロックとしたものであり,このセメント系ブロックに7〜40重量%の遊離水が含浸されていることを特徴とする電磁波吸収用パネル。
  8. セメント系ブロックは,線状体間の空隙率が40±20%の範囲にある請求項7に記載の電磁波吸収用パネル。
  9. セメント系ブロック内に配合される植物短繊維は綿,麻,椰子殻または籾殻であり,これらの1種または2種以上が混練時に20Kg/m3以上の配合量で混和されている請求項7または8に記載の電磁波吸収用パネル。
  10. 構造用パネルはコンクリートパネルである請求項7ないし9に記載の電磁波吸収用パネル。
  11. コンクリートパネルは15±8重量%の遊離水を含有できる保水性のコンクリートパネルである請求項10に記載の電磁波吸収用パネル。
  12. 保水性のコンクリートパネルは植物繊維を配合したものである請求項11に記載の電磁波吸収用パネル。
JP2003027229A 2003-02-04 2003-02-04 音波吸収用および電磁波吸収用パネル Expired - Fee Related JP4043963B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003027229A JP4043963B2 (ja) 2003-02-04 2003-02-04 音波吸収用および電磁波吸収用パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003027229A JP4043963B2 (ja) 2003-02-04 2003-02-04 音波吸収用および電磁波吸収用パネル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004238844A JP2004238844A (ja) 2004-08-26
JP4043963B2 true JP4043963B2 (ja) 2008-02-06

Family

ID=32955029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003027229A Expired - Fee Related JP4043963B2 (ja) 2003-02-04 2003-02-04 音波吸収用および電磁波吸収用パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4043963B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100758794B1 (ko) 2005-11-23 2007-09-14 주식회사 엘지화학 양생중 흡음재를 부착한 흡음재 일체형 무기질 보드 및이의 제조방법
JP6425109B2 (ja) * 2013-03-18 2018-11-21 東洋紡Stc株式会社 空調室外機冷却ユニット、空調室外機冷却システム、空調室外機冷却方法、及び空調機
KR102127899B1 (ko) 2020-01-09 2020-06-29 셀파산업 주식회사 경질우레탄 단열재와 세라믹계 무기질 단열 흡음재를 복합 적층 형성하는 단열시공방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004238844A (ja) 2004-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4047962A (en) Construction composition
KR101311700B1 (ko) 단열성 및 내구성이 우수한 시멘트 모르타르 조성물, 이를 이용한 판넬의 제조방법 및 블록의 제조방법
WO2001066485A2 (en) Lightweight cementitious building material
JP2023041704A (ja) 無機質板およびその製造方法
Idder et al. The porosity of stabilized earth blocks with the addition plant fibers of the date palm
JP4043963B2 (ja) 音波吸収用および電磁波吸収用パネル
CN101774224A (zh) 节能环保混凝土的生产方法
CN115095095A (zh) 一种无机材包裹聚苯颗粒气凝胶复合保温隔声系统
EP2891752A1 (de) Formkörper aus einem Leichtwerkstoff sowie Verfahren zu dessen Herstellung und Verwendung
JP4046900B2 (ja) 電磁波吸収材の製造方法
CN114873974A (zh) 蒸压加气混凝土板用抗裂粘结砂浆及其制备方法
JP2001163684A (ja) 吸音体及びその吸音体を用いた吸音・遮音構造体
CN111635250A (zh) 一种微孔陶粒吸声板及其制备方法
JP4220704B2 (ja) 石膏及び無機質繊維の複合板及びその製造方法
JP3359388B2 (ja) 遮音壁の施工法
CN106088390B (zh) 一种粘性纤维砂浆组合生土砖砌体墙的施工方法
JPH08311824A (ja) 防音壁
JP4094887B2 (ja) 電磁波吸収体およびこれを用いた舗装および建造物
US20230399260A1 (en) Aerogel Enhanced Bio-Based Building Material
EP1078899B1 (en) Composite insulating material and method for manufacturing it
KR890004282B1 (ko) 흡음용 스프레이형 무기섬유 피복재 및 그 제조방법
JP2003218579A (ja) 軽量なセメント系電波吸収体およびその製造方法
JP2598731B2 (ja) 建築物の曲面用材
ES2657015T3 (es) Procedimiento para la fabricación de paneles delgados a base de cemento con una resistencia, una durabilidad y una velocidad de fabricación elevadas
JPH085701B2 (ja) 軽量セメント組成物及び軽量セメント成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070717

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees