JPH11274788A - 電磁波吸収材及び電磁波吸収方法 - Google Patents

電磁波吸収材及び電磁波吸収方法

Info

Publication number
JPH11274788A
JPH11274788A JP9849098A JP9849098A JPH11274788A JP H11274788 A JPH11274788 A JP H11274788A JP 9849098 A JP9849098 A JP 9849098A JP 9849098 A JP9849098 A JP 9849098A JP H11274788 A JPH11274788 A JP H11274788A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electromagnetic wave
wave absorbing
absorbing material
electric field
electromagnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9849098A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Kanda
和典 神田
Masato Morimoto
眞人 森本
Junichi Haneda
準一 羽田
Takumi Fujita
巧 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiyoda Ute Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Ute Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiyoda Ute Co Ltd, Nippon Paint Co Ltd filed Critical Chiyoda Ute Co Ltd
Priority to JP9849098A priority Critical patent/JPH11274788A/ja
Publication of JPH11274788A publication Critical patent/JPH11274788A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 入射電磁波の電界方向によって有効に働く吸
収帯域が異なる複数の電磁波吸収帯域を有し、反射波を
有効に吸収して全体として広い周波数帯で電磁波を吸収
でき、多重反射に伴う混信、電磁波の相互干渉等を防止
できる電磁波吸収材及び電磁波吸収方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも2つの異なる吸収帯域を有す
る電磁波吸収材であって、上記吸収帯域のそれぞれは、
上記電磁波吸収材に対してそれぞれ異なる電界方向を有
する入射電磁波の吸収帯域である電磁波吸収材、上記電
磁波吸収材を電磁波が多重反射する部屋の内面に設置
し、上記電磁波吸収材の電磁波吸収帯域に属する周波数
の入射電磁波を吸収するとともに、反射により電界方向
が変化し、上記電磁波吸収材の他の電磁波吸収帯域に対
する電界方向をもつようになった入射電磁波の当該周波
数帯域を吸収する電磁波吸収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入射する電磁波の
電界方向によって異なる電磁波吸収周波数帯域を有する
電磁波吸収材及び電磁波吸収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高度情報化社会に向けての技術革新は着
実に進んでおり、情報・通信技術は飛躍的な進歩を遂
げ、通信インフラの整備が大きな課題となっている。
【0003】通信システムに利用される周波数帯域は近
年拡大し、1.9GHz帯及び2.45GHz帯の準マ
イクロ波帯域、19GHz帯の準ミリ波帯域、60GH
z帯のミリ波帯域が実用化されようとしている。更に、
諸外国においては、900MHz帯や5.7GHz帯も
無線LAN用として実用に供されている。
【0004】準マイクロ波帯域は、個人用簡易無線電話
システム(PHS)と中速無線LANの室内無線機器
に、準ミリ波帯域及びミリ波帯域は、高速無線LANの
室内無線機器にあてられている。それぞれの周波数帯域
での通信需要が拡大するにつれて、電磁波の使用環境の
悪化が懸念されている。
【0005】例えば、インテリジェントオフィス等で
は、通信・情報機器が多数設置されるので、電磁波の相
互干渉、多重反射による遅延分散に伴う混信、誤作動等
が生じやすい。また、金属製家具等の什器には、電磁波
を反射させる金属面が多数存在しているため、電磁波環
境の悪化が問題となっている。とりわけ、無線LAN等
の構内無線通信を利用している空間では、通信波が室内
で反射を繰り返すことによって起こる遅延分散による混
信、干渉等が問題となっている。また、通信・情報機器
の種類が増えるに従って、各種の周波数帯域が使用さ
れ、広帯域の電磁波に対する対策が必要となった。
【0006】電磁波環境を向上させるために、従来よ
り、電磁波吸収材料からなる電磁波吸収材が使用されて
いる。電磁波吸収材料としては、一般にフェライト等の
機能材とバインダーとの複合体が知られており、加工す
る際に、目的とする周波数に応じて、複合体の磁気特性
及び誘電特性とともに、吸収材の厚さを精密にコントロ
ールすることによって所望の吸収帯域で大きな吸収を達
成している。しかしながら、多くの周波数帯域に対応す
るためには吸収する帯域幅を広くする必要があり、この
ため、例えば、機能材の配合率を高めたり、縞状に高配
合率の領域を形成したり、表面に凹凸を形成して局所的
に吸収材の厚みを変化させたりする技法が知られてい
る。しかしながら、その結果として電磁波吸収材の重量
増やコスト高をもたらし、また、表面形状の複雑化を招
くことになる。
【0007】特開平6−201980号公報には、石
膏、セメント又は珪酸カルシウムを主材として、電磁波
損失性材料であるカーボン、フェライト、金属粉、金属
化合物粉又はこれらの混合物を含有してなる電磁波吸収
内壁材が開示されている。しかしながら、この技術で
は、1枚の板で複数の吸収帯域を有する電磁波吸収材を
得ることができない。
【0008】特開平7−202472号公報には、電磁
波吸収体の片面に電磁波反射体を一体成型した電磁波シ
ールド材が開示されている。しかしながら、この電磁波
シールド材は、電磁気特性値の異方性を利用するもので
はなく、複数の吸収帯域を有するものではない。
【0009】一方、特開昭58−188193公報に
は、フェライト、高分子樹脂及び一定方向に配向させた
ファイバーからなる電磁波吸収材を、各層のファイバー
の配向が相互に異なるように積層させ、電波の方向に対
して一方の層の吸収体が有効でなくても、他の層の吸収
体が有効に作用するように構成された電磁波吸収体が開
示されている。しかし、この技術では、複数の吸収材を
積層させるものであり、1枚の板で複数の吸収帯域を有
する電磁波吸収材を得ることはできない。
【0010】特公平8−8429号公報には、炭素繊維
を特定方向に配向して含有した炭素繊維含有組成物を用
い、含有炭素繊維の配向方向を、吸収しようとする電磁
波の電界方向と一致させるように配置した電波吸収体が
開示されている。しかしながら、この技術では、電界方
向とカーボンの配向方向が一致する方向での吸収性能を
高めたものであり、他の電界方向、例えば、配向方向と
直交する方向に関しては、吸収性能の向上を求めたもの
ではない。上記公報には、カーボンの配向方向と一致す
る方向における吸収性能の向上が教示されているもの
の、例えば、配向方向と直交する方向における吸収性能
については、何らの言及も教示も存在しない。また、複
数の吸収帯域を有する吸収材に関する開示は一切存在し
ない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、入射電磁波の電界の方向によって有効に働く吸収帯
域が異なる複数の電磁波吸収帯域を有し、反射波を有効
に吸収することにより、全体として広い周波数帯で電磁
波を吸収することができ、多重反射に伴う混信、電磁波
の相互干渉等を防止することができる電磁波吸収材及び
電磁波吸収方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも2
つの異なる電磁波吸収帯域を有する電磁波吸収材であっ
て、上記電磁波吸収帯域のそれぞれは、上記電磁波吸収
材に対してそれぞれ異なる電界方向を有する入射電磁波
の吸収帯域である電磁波吸収材である。本発明はまた、
上記電磁波吸収材からなる内装用電磁波吸収パネルでも
ある。本発明は更に、上記内装用電磁波吸収パネルを少
なくとも1部の内面に適用してなる屋内空間でもある。
【0013】本発明は、更にまた、上記電磁波吸収材
を、電磁波が多重反射する屋内空間の少なくとも1部の
内面に設置し、上記電磁波吸収材の電磁波吸収周波数帯
域に属する周波数の入射電磁波を吸収するとともに、上
記屋内空間の内部における反射により上記電磁波吸収材
に対する電界方向が変化し、上記電磁波吸収材の他の電
磁波吸収周波数帯域に対する電界方向をもつようになっ
た入射電磁波の当該周波数帯域を吸収する電磁波吸収方
法でもある。以下に本発明を詳述する。
【0014】従来の電磁波吸収材は、吸収することがで
きる電磁波の周波数帯域を広げるために、吸収周波数帯
域の異なる複数の吸収材を併用するか、又は、厚みを変
化させて機能材の量を調節して広い吸収周波数帯域を確
保していた。これに対して、本発明の電磁波吸収材は、
吸収材の電磁波吸収特性に、入射電磁波の電界方向に対
する異方性を付与することにより、複数の吸収帯域を実
現したものである。すなわち、本発明の電磁波吸収材
は、少なくとも2つの異なる電磁波吸収帯域を有してお
り、上記電磁波吸収帯域のそれぞれは、電磁波吸収材に
対して電界方向がそれぞれ異なる入射電磁波を吸収する
周波数帯域であるので、入射する電磁波の電界方向に応
じて、吸収される電磁波の周波数帯域が異なる。
【0015】一般に、屋内では、電磁波発生源からの電
磁波は、壁、天井、家具等の什器等により反射を繰り返
す。電磁波は、異なる物質との境界で反射するごとに、
一般に、電界ベクトルが変化する。従って、反射を繰り
返すうちに、入射電磁波の電界方向が、上記電磁波吸収
材に対して特定の角度に到ることになる。この特定の角
度において、上記電磁波吸収材が、特定の周波数帯域を
吸収し、このような入射電磁波の電界方向と吸収周波数
帯域との関係が複数存在するならば、結果的に、複数の
周波数帯域の電磁波を吸収することができる。この知見
に本発明者らが到達したことが、本発明の完成の源であ
る。
【0016】本発明の電磁波吸収材を使用することによ
り、入射電磁波の電界方向が変化しても、それぞれの電
界方向に応じて、吸収される電磁波の周波数帯域が異な
ることにより、広い吸収帯域を実現するので、電磁波が
反射を繰り返すうちに、有効な吸収性能を発現すること
ができる電界方向となって、電磁波吸収材に入射するこ
とができ、不要な電磁波を短時間で効率的に吸収するこ
とができる。
【0017】すなわち、直達波のみが受信機に到達する
環境ではない屋内環境においては、多重反射波を吸収す
ることが必要であり、本発明によれば、この特有の電波
環境に適合した電磁波吸収材及び電磁波吸収方法を実現
することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】電磁波吸収材に、入射する電磁波
の電界方向によって異なる電磁波吸収周波数帯域を付与
することは、電磁波吸収材の誘電率に異方性を付与する
ことにより実現することができ、例えば、配向した繊維
状導電材を含有させることにより実現することができ
る。これを、典型的に示すならば、以下のとおりであ
る。すなわち、繊維状導電材を無配向に含有する場合
は、例えば、図6に示すように、入射電磁波の電界方向
によらず同一の吸収ピークを示す。一方、配向した繊維
状導電材を含有させると、電磁波吸収材の誘電率に異方
性が発生し、例えば、図1に示すように、入射電磁波の
電界方向が電磁波吸収材に対して90°異なる二つの入
射条件の場合に、それぞれ異なる電磁波吸収周波数帯域
を示す。
【0019】上記繊維状導電材を配向させるには、本発
明の電磁波吸収材を製造する際に、例えば、櫛状の隙間
にスラリー状の材料を通過させて一方向に配列させる
か、電磁波吸収材の配合材料のスラリーを小孔径から押
し出してズリ応力を生じせしめて配列させること等によ
り容易に配向させることができる。
【0020】本発明の電磁波吸収材の電磁波吸収周波数
帯域は、例えば、配合する繊維状導電材の配向を制御す
ることにより、又は、複数の繊維状導電材等の機能材を
配向させることにより、2又は3以上の異なる電磁波吸
収周波数帯域を持たせることが可能である。これらのう
ち、少なくとも2つは、その最大吸収周波数が互いに少
なくとも0.5GHz離れたものであることが好まし
い。電磁波吸収周波数帯域の最大吸収周波数の全てが
0.5GHz未満の範囲内にあると、電磁波吸収周波数
帯域の分離が充分ではなく、広い周波数帯域の電磁波を
吸収することが困難となる。
【0021】本発明の電磁波吸収材において、電磁波吸
収周波数帯域の最大吸収周波数間の分離の程度を制御す
るには、例えば、フェライト粉末を添加すればよく、こ
れを典型的に示すならば、例えば、図1のピーク分離幅
は、約3GHzであるが、フェライト粉末を添加するこ
とにより、例えば、図2に示すように、ピーク分離幅を
更に狭めることができる。
【0022】また、繊維状導電材の配向の程度を制御し
ても最大吸収周波数間の分離の程度を制御することがで
きる。これを典型的に示すならば、例えば、図3のピー
ク分離幅は、約0.5GHzであるが、配向操作を重ね
て配向の程度を上げることにより、例えば、図4に示す
ように、ピーク分離幅を更に広げることができる。
【0023】本発明の電磁波吸収材の電磁波吸収周波数
帯域は、そのうち少なくとも2つが、1〜6GHzの準
マイクロ波帯又は10〜30GHzの準ミリ波帯に属す
るものであることが、この周波数帯域が、通信システム
で広く利用される周波数帯域であるので、好ましい。電
磁波吸収周波数帯域の制御は、使用する機能材を選択す
ることにより可能である。本発明の電磁波吸収材は、例
えば、繊維状導電材としてカーボンファイバーを使用す
ることにより、特に、従来、充分な対応策がなかった準
マイクロ波帯域に対応可能な広帯域電磁波吸収材を構成
することができる。
【0024】本発明の電磁波吸収材の電磁波吸収周波数
帯域は、そのうち少なくとも2つが、最大反射減衰量が
絶対値で10dB以上であることが好ましい。反射減衰
量は、通常、マイナスの値として表され、絶対値が大き
い程、反射減衰量が大きい。最大反射減衰量が絶対値で
10dB未満であると、充分な吸収性能を発揮できない
が、本発明の電磁波吸収材は、反射減衰量が絶対値で1
0dB以上であれば充分な電磁波吸収効果を発揮するこ
とができる。これは、本発明の電磁波吸収材の使用環境
が屋内である場合、発生電磁波が壁や天井等で繰り返し
反射して吸収面に入射するに到るときに、反射を繰り返
す電磁波のエネルギーを、電磁波が繰り返し電磁波吸収
材に入射する機会毎に吸収することにより、効率よく吸
収することができるからである。
【0025】本発明の電磁波吸収材は、従来の広帯域型
電磁波吸収材とは全く異なる機作で吸収電磁波の周波数
帯域の広帯域化を実現するものであり、従来の広帯域型
電磁波吸収材のように、複数の特性の異なる電磁波吸収
材を積層したり、電磁波吸収材の表面に凹凸を付けて複
数の吸収特性を持たせる手法を採用するものではない。
従って、本発明の電磁波吸収材の形状は、均一な厚みの
平板状であってよい。また、吸収材の厚みを、例えば、
5〜50mm程度とすることができ、内装材としての仕
様に容易に適合させることができる。
【0026】本発明の電磁波吸収材としては、誘電率の
異方性により電界方向に関する電磁波吸収特性の異方性
を発現するものであればよく、例えば、バインダー及び
繊維状導電材を配合してなるもの等を挙げることができ
る。
【0027】上記バインダーとしては特に限定されず、
無機系バインダーであっても、有機系バインダーであっ
てもよい。上記無機系バインダーとしては特に限定され
ず、例えば、石膏、石灰、珪酸カルシウム、マグネシア
セメント、ポルトランドセメント、アルミナセメント、
ローマンセメント、耐酸性セメント、耐火セメント、水
ガラスセメント、モルタル等の水硬化性バインダー等を
挙げることができる。強度や耐水性の点からは、ポルト
ランドセメント、アルミナセメントが好ましい。また、
軽量化、取付作業性、電磁波吸収能の点からは、石膏が
好ましい。
【0028】上記有機系バインダーとしては特に限定さ
れず、例えば、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル樹脂、フッ素含
有重合体、ポリアミド、ポリエステル、シリコーン樹
脂、ポリウレタン樹脂、合成ゴム、発泡ポリスチロール
等の有機高分子材料等を挙げることができる。
【0029】本発明においては、上記バインダーのう
ち、得られる電磁波吸収材の軽量化や、難燃性、耐久
性、耐火性、取付作業性等の点から、セメント、モルタ
ル、ケイ酸カルシウム、石膏等の水硬化性無機系バイン
ダーを用いることが好ましい。
【0030】上記繊維状導電材としては特に限定され
ず、例えば、レーヨン系、アクリロニトリル系、フェノ
ール樹脂系、石炭ピッチ系、石油ピッチ系等のカーボン
繊維等を挙げることができる。なかでも、安価な石炭ピ
ッチ系カーボン繊維が好ましい。
【0031】上記繊維状導電材の比重は、2.5以下が
好ましい。2.5を超えると、分散安定性が悪くなる。
上記繊維状導電材の繊維直径は、5〜50μmが好まし
い。また、上記カーボン繊維の繊維長は、2〜40mm
が好ましい。繊維長が2mm未満であると、電磁波吸収
能が小さく、40mmを超えると、絡まりやすく、電磁
波吸収材の製造中において切断されるおそれがある。よ
り好ましくは、3〜10mmである。
【0032】本発明においては、上記電磁波吸収材は、
吸収性能を要求される周波数帯に合わせるために、特定
周波数帯で有効な電磁気特性値を有する機能材を含有し
ていてもよい。上記機能材としては、例えば、磁性体粉
末を用いることができる。上記磁性体粉末としては、軟
磁性のものが好ましく、金属酸化物磁性体、金属磁性体
が好ましい。上記金属酸化物磁性体としては特に限定さ
れず、例えば、Fe23 にMnO、ZnO、NiO、
MgO、CuO、Li2 O等を組み合わせたフェライ
ト;NiO−MnO−ZnO−Fe2 3 、MnO−Z
nO−Fe2 3、NiO−ZnO−Fe2 3 等のス
ピネル型フェライト;ガーネット型フェライト;スピネ
ル型(立方晶)のγ−Fe2 3 、γ−Fe4 4 等を
挙げることができる。上記金属酸化物磁性体の平均粒子
径は、1〜30μmが好ましい。より好ましくは、1〜
5μmである。
【0033】上記金属磁性体としては特に限定されず、
例えば、Fe−Si−Al合金(センダスト)、Ni−
Fe合金(パーマロイ)、Co−Fe合金、Fe基又は
Co基を有するアモルファス合金等を挙げることができ
る。上記金属磁性体の平均粒子径は、1〜30μmが好
ましい。
【0034】上記磁性体粉末としては、得られる電磁波
吸収材の重量を軽くして、電磁波吸収能を高めるため
に、金属酸化物磁性体を使用することが好ましい。より
好ましくは、Fe2 3 にMnO、ZnO、NiO、M
gOを組み合わせたスピネル型フェライト磁性体粉末で
ある。更に好ましくは、Mn−Mg−Zn系フェライト
磁性体粉末及びMn−Zn系フェライト磁性体粉末であ
る。
【0035】上記磁性体粉末の添加量は、上記バインダ
ーの固形分に対して、60重量%以下が好ましい。60
重量%を超えると、得られる電磁波吸収材の重量が重く
なり、取付作業性が不良となるうえ、吸収可能な電磁波
の周波数帯の変化幅を狭めやすい。しかしながら、上記
範囲内で添加量を調節することにより、吸収帯域のピー
ク帯域幅を制御することができる。
【0036】上記繊維状導電材の含有量は、バインダー
の固形分に対して、又は、上記磁性体粉末を使用した場
合には、バインダー及び磁性体粉末の合計100重量部
に対して0.005〜0.4重量部が好ましい。0.0
05重量部未満であると、電磁波吸収能が小さく、0.
4重量部を超えると、得られる電磁波吸収材の重量が重
くなり、取付作業性が不良となったり、電磁波が表面で
反射して、充分な電磁波吸収能を得ることができない場
合があり好ましくない。より好ましくは、0.01〜
0.2重量部である。
【0037】本発明の電磁波吸収材は、更に、電磁波反
射層を有していることが好ましい。上記電磁波反射層と
しては特に限定されないが、導電性材料、金属蒸着膜、
金属箔、金属粉末等からなることが好ましい。これらは
単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上
記電磁波反射層は、支持体としての役割を兼ねることも
できる。
【0038】上記電磁波反射層は、シールド能が、絶対
値で20dB以上であることが好ましい。より好ましく
は、30dB以上である。上記シールド能は、通常、マ
イナスの値で表示され、絶対値が大きい程シールド能が
よい。
【0039】上記導電性材料は、導電性によるシールド
能が絶対値で20dB以上、好ましくは、30dB以上
をもたらす材料であれば特に限定されず、例えば、銅、
アルミニウム、鋼、鉄、ニッケル、ステンレス、しんち
ゅう等の金属の板;これらの金属がメッキされた金属
板;金属布;鉄板の上にアルミニウム、亜鉛、銅等が熱
又は電気によりメッキされたメッキ鋼板等を挙げること
ができる。このような導電性材料は、プレコート鋼板の
ように層間密着性を向上させるための表面処理又はプラ
イマー処理を施したものであってもよい。
【0040】上記金属蒸着膜としては特に限定されず、
例えば、プラスチック材料、紙、PETフィルム等の合
成紙等の非導電性材料の上にアルミニウム等の蒸着層を
形成したもの等を挙げることができる。上記金属箔とし
ては特に限定されず、例えば、上記導電性材料として使
用される金属の箔等を挙げることができる。上記金属粉
末としては特に限定されず、例えば、上記導電性材料と
して使用される金属の粉末等を挙げることができる。本
発明においては、建材としての軽量化の点から、紙、P
ETフィルム等の非導電性材料の上にアルミニウム等を
蒸着したものが好ましい。
【0041】上記電磁波反射層は、上記のほか、プラス
チック材料、紙、合成紙等の非導電性材料の上に上記導
電性材料として使用される金属と結合剤とを含む導電性
塗膜を設けたもの;銅、ニッケル等の無電解メッキ層を
形成した金属化材料等であってもよい。
【0042】上記電磁波反射層の厚さは、50μm〜3
mmが好ましい。50μm未満であると、電磁波反射層
としての機械的強度が低下し、3mmを超えると、電磁
波反射層の重量が重くなって実用的ではない。
【0043】本発明の電磁波吸収材は、例えば、以下の
ようにして製造することができる。電磁波吸収材を構成
する母材が無機系バインダーである場合、上記無機系バ
インダー、及び、繊維状導電材、必要に応じて、水や磁
性体粉末等を混合してスラリーを作製し、石膏ボード用
原紙上、又は、型枠に該スラリーを流し込み、櫛状のも
のを用いて一定方向に梳いて繊維状導電材を配向させた
後、石膏ボード用原紙を重ね、所定厚みに調節し、加熱
乾燥させることにより電磁波吸収材を得る。また、必要
に応じて、得られた電磁波吸収材の片面に、必要に応じ
て、アルミ箔等の電磁波反射層を接着剤等を用いて貼り
付けてもよい。
【0044】本発明の電磁波吸収材は、厚みが5〜50
mmであることが好ましい。5mm未満であると、電磁
波吸収材の物理的強度が弱く、50mmを超えると、重
量が重くなる。また、電磁波吸収材を建材として使用す
る場合には、取付作業性、納まり性が悪い。より好まし
くは、7〜25mmである。
【0045】本発明の電磁波吸収材は、比重が0.50
〜1.65であることが好ましい。0.50未満である
と、電磁波吸収能が低下し、1.65を超えると、電磁
波吸収材の重量が重くなるので、好ましくない。取付作
業性の点からは、比重0.6〜1.20が好ましく、ま
た、従来使用されている石膏ボードと同程度にするため
には、比重0.60〜1.00とすることが好ましい。
【0046】本発明の電磁波吸収材は、表面を平坦にす
ることができるので、内装の美観を損なうことがなく、
電磁波の相互干渉、多重反射による遅延分散等が問題と
なる室内、例えば、インテリジェントオフィス等の内装
用電磁波吸収パネルに好適に使用することができる。
【0047】また、本発明の電磁波吸収材は、比較的軽
量であり、取付作業性、納まり性が良好であるので、建
材として好適であり、通信機器等を使用するための空間
を構成する面の構成部材としても使用することができ
る。このような、本発明の電磁波吸収材を用いた内装用
電磁波吸収パネルを少なくとも一部の内面に適用してな
る部屋、オフィス等の屋内空間もまた、本発明の一つで
ある。
【0048】本発明の屋内空間は、上記本発明の電磁波
吸収材を構成部材として用いているので、空間内で使用
される通信機器等から発生する不要な電磁波を、広帯域
で効果的に吸収することができ、電磁波の多重反射によ
る遅延分散に伴う混信、誤作動、干渉等の問題がなく、
全体として電波環境が向上する。特に、PHSや無線L
AN等に使用されている準マイクロ波帯域において効果
が大きい。また、広帯域であるので、使用周波数を変更
しても、新たに電磁波吸収材を施工することなく電磁波
環境の維持ができる。
【0049】本発明の電磁波吸収材は、上記の吸収性能
を、バインダーと繊維状導電材とによって実現すること
ができるため、表面を複雑な形状に加工する必要がな
く、製造工程自体も少ないので、安価にかつ容易に製造
することができる。また、本発明の電磁波吸収材は、従
来のフェライト等を用いた電磁波吸収材と比較すると、
軽量なものを製造することが可能である。
【0050】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0051】実施例1 焼石膏98重量部、水70重量部、及び、焼石膏100
重量部に対して0.2重量部の石炭ピッチ系カーボン繊
維(10μm×6mm)をミキサーで混合してスラリー
を作製し、石膏ボード用原紙上に流し込んだ。このスラ
リーを櫛状のもので一定方向に梳いて、カーボン繊維を
配向させた後、石膏ボード用原紙を重ね、所定厚み
(9.5mm)に調整した。これを約100℃で加熱乾
燥して、電磁波吸収層を得た。この板の比重を測定した
ところ、0.97であり、焼石膏の水和率は、17%で
あった。次に、この吸収層にシールド能が絶対値で30
dB以上のアルミ蒸着紙を接着剤で貼り付けて、電磁波
吸収体を得た。この板の30°のTMモード斜入射に対
する反射減衰量を測定した。次に、入射する電磁波の電
界方向に対して吸収体を90°回転させたときの吸収性
能も測定した。これらの結果を図1に併せて示した。
【0052】実施例2 焼石膏74.2重量部、水60重量部、Mn−Znフェ
ライト粉末30重量部、及び、焼石膏とフェライト粉末
の合計100重量部に対して0.08重量部の石炭ピッ
チ系カーボン繊維(10μm×6mm)をミキサーで混
合し、実施例1と同様にして、電磁波吸収体を得た。実
施例1と同様にして、電磁波吸収体の30°のTMモー
ド斜入射に対する反射減衰量、及び、入射する電磁波の
電界方向に対して吸収体を90°回転させたときの吸収
性能を測定した。結果を図2に示した。また、この電磁
波吸収体を無線LANを使用しているオフィスの側壁に
施工したところ、伝送エラーの発生率が減少した。
【0053】実施例3 焼石膏74.2重量部、水60重量部、Mn−Znフェ
ライト粉末35重量部、及び、焼石膏とフェライト粉末
の合計100重量部に対して0.04重量部の石炭ピッ
チ系カーボン繊維(10μm×6mm)をミキサーで混
合し、石膏ボード用原紙上に展開した後、歯間隔3cm
で4本歯の櫛で一カ所につき3回櫛をかけ、カーボン繊
維を配向させて、石膏ボード用原紙を重ね、所定厚み
(9.5mm)に調整した。これを約100℃で加熱乾
燥して、電磁波吸収層を得た。実施例1と同様にして、
電磁波吸収層の30°のTMモード斜入射に対する反射
減衰量、及び、入射する電磁波の電界方向に対して吸収
体を90°回転させたときの吸収性能を測定した。結果
を図3に示した。
【0054】実施例4 実施例3と同様にして調製したスラリーを石膏ボード用
原紙上に展開した後、歯間隔3cmで4本歯の櫛で一カ
所につき6回櫛をかけ、カーボン繊維を配向させて、石
膏ボード用原紙を重ね、所定厚み(9.5mm)に調整
した。これを約100℃で加熱乾燥して、電磁波吸収層
を得た。実施例1と同様にして、電磁波吸収層の30°
のTMモード斜入射に対する反射減衰量、及び、入射す
る電磁波の電界方向に対して吸収体を90°回転させた
ときの吸収性能を測定した。結果を図4に示した。
【0055】比較例1 焼石膏74.2重量部、水60重量部、Mn−Znフェ
ライト粉末30重量部、及び、焼石膏及びフェライト粉
末の合計100重量部に対して0.08重量部の石炭ピ
ッチ系カーボン繊維(10μm×6mm)をミキサーで
混合し、カーボン繊維を無配向状態で成型し、実施例2
と同様に、実施例1で使用したアルミ蒸着紙を使用し、
9.5mm厚の電磁波吸収体を得た。実施例1と同様に
して、電磁波吸収体の30°のTMモード斜入射に対す
る反射減衰量、及び、入射する電磁波の電界方向に対し
て吸収体を90°回転させたときの吸収性能を測定し
た。結果を図5に示した。
【0056】比較例2 実施例1と同様にして調製したスラリーを、石膏ボード
用原紙上に、カーボン繊維が無配向になるように展開
し、所定厚み(9.5mm)に調整した。これを、実施
例1と同様にして乾燥し、アルミ蒸着紙を貼り付け、電
磁波吸収体を得た。実施例1と同様にして、電磁波吸収
体の30°のTMモード斜入射に対する反射減衰量、及
び、入射する電磁波の電界方向に対して吸収体を90°
回転させたときの吸収性能を測定した。結果を図6に示
した。
【0057】図1から、実施例1の電磁波吸収体は、P
HS通信に用いられる1.9GHz帯での吸収性能と、
欧米等で無線通信に用いられている5.7GHz帯での
吸収性能の両立が可能であることが判った。図2から、
実施例2の電磁波吸収体は、現在無線通信に利用されて
いる1.5GHz帯と無線LANに用いられている2.
45GHz帯の双方に有効であり、同一のもので異なっ
た用途に利用されている周波数帯での不要電磁波を吸収
することができることが判った。
【0058】図5、図6から、比較例1及び比較例2の
カーボン繊維が無配向のものは、2GHz付近に吸収の
ピークが存在することが判った。このような吸収性能を
有する電磁波吸収体は、2GHz帯での通信機器に有効
であるが、複数の通信周波数帯を利用する環境への対応
性は低いので、無線化オフィス空間等に施工する場合に
は、実施例1〜4のような図1〜図4で表される吸収性
能を有する配向をもった電磁波吸収体を用いることが好
ましいことが判った。
【0059】電波の減衰測定 電磁波吸収体の性能比較を、ネットワークアナライザ
(アンリツ社製、MS4670C、MN8602A)を
用い、アンテナは、ダイポールアンテナを使用して行っ
た。大きさ2m×1m×1mのシールドボックスを用
い、この中での電波の減衰度合いを電界強度の時間変化
(遅延分散)で評価した。なお、壁面での反射がない場
合には、直達波のみが観測され電界強度は時間とともに
急激に低下するようになる。電磁波吸収体をこのシール
ドボックス中に設置することにより電磁波吸収体の性能
を比較評価できる。
【0060】サンプルとして、実施例2で得られた電磁
波吸収体と、比較例1で得られた電磁波吸収体を用い
た。測定周波数は、実施例2のサンプルが有する吸収性
能の最大周波数である1.5GHzと3.0GHz、及
び、比較例1の吸収最大周波数である2.0GHzの3
周波数で行った。シールドボックス中に電磁波吸収体を
長手壁面、短手壁面のそれぞれ1面ずつ設置し、ダイポ
ールアンテナでこのボックス内で電波を送受信し、これ
らの周波数帯での遅延分散を測定した。それぞれの周波
数においてシールドボックスのみのとき、無配向サンプ
ル(比較例1)を設置したとき、配向サンプル(実施例
2)を設置したときの電波の遅延分散を測定し、電界強
度が−50dB以下になる時間を求めた。結果を表1に
示した。表1中、時間が短いほうが吸収性能が高いこと
を意味する。なお、シールドボックスのみでは、減衰度
合いが非常に悪く、300ns程度では、−50dB以
下に減衰することがないことが判った。
【0061】
【表1】
【0062】以上の結果から、無配向サンプルの吸収ピ
ークである2.0GHzでの性能は、無配向サンプルの
ほうが減衰時間は短いが、1.5GHz、3.0GHz
での無配向サンプルの減衰時間に比べると、2.0GH
zでの配向サンプルは充分な吸収性能を示していること
が判った。従って、表1の結果から、本発明の電磁波吸
収材は、広い帯域で充分な吸収性能を有するものである
ことが実証された。
【0063】
【発明の効果】本発明の電磁波吸収材は、上述の構成よ
りなるので、壁、天井、床等で反射を繰り返す電磁波で
あっても、効率的に吸収することができ、屋内で問題と
なる多重反射波に対して非常に効果的な電磁波吸収方法
を実現可能である。また、本発明の電磁波吸収材は、安
価にかつ容易に製造することができ、軽量で、取付作業
性に優れているので、インテリジェントオフィス等の建
材、内装材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた電磁波吸収体の電磁波吸収
性能の周波数依存性が入射電磁波の電界方向によって異
なることを示すグラフである。各グラフは、30°の斜
入射に対する反射減衰量及びこれに対して電磁波吸収体
を90°回転させたときの反射減衰量を表す。約1.8
GHzにピークのあるグラフは、カーボン繊維の配向と
電界方向が平行の場合であり、約4.8GHzにピーク
のあるグラフは、カーボン繊維の配向と電界方向が垂直
の場合である。
【図2】実施例2で得られた電磁波吸収体の電磁波吸収
性能の周波数依存性が入射電磁波の電界方向によって異
なることを示すグラフである。各グラフは、30°の斜
入射に対する反射減衰量及びこれに対して電磁波吸収体
を90°回転させたときの反射減衰量を表す。約1.5
GHzにピークのあるグラフは、カーボン繊維の配向と
電界方向が平行の場合であり、約3.2GHzにピーク
のあるグラフは、カーボン繊維の配向と電界方向が垂直
の場合である。
【図3】実施例3で得られた電磁波吸収体の電磁波吸収
性能の周波数依存性が入射電磁波の電界方向によって異
なることを示すグラフである。各グラフは、30°の斜
入射に対する反射減衰量及びこれに対して電磁波吸収体
を90°回転させたときの反射減衰量を表す。約5.1
GHzにピークのあるグラフは、カーボン繊維の配向と
電界方向が平行の場合であり、約6.2GHzにピーク
のあるグラフは、カーボン繊維の配向と電界方向が垂直
の場合である。
【図4】実施例4で得られた電磁波吸収体の電磁波吸収
性能の周波数依存性が入射電磁波の電界方向によって異
なることを示すグラフである。各グラフは、30°の斜
入射に対する反射減衰量及びこれに対して電磁波吸収体
を90°回転させたときの反射減衰量を表す。約4.2
GHzにピークのあるグラフは、カーボン繊維の配向と
電界方向が平行の場合であり、約7.0GHzにピーク
のあるグラフは、カーボン繊維の配向と電界方向が垂直
の場合である。
【図5】比較例1で得られた電磁波吸収体の電磁波吸収
性能の周波数依存性が入射電磁波の電界方向によって異
ならないことを示すグラフである。グラフは、30°の
斜入射に対する反射減衰量及びこれに対して電磁波吸収
体を90°回転させたときの反射減衰量を表す。両グラ
フは重なっている。
【図6】比較例2で得られた電磁波吸収体の電磁波吸収
性能の周波数依存性が入射電磁波の電界方向によって異
ならないことを示すグラフである。グラフは、30°の
斜入射に対する反射減衰量及びこれに対して電磁波吸収
体を90°回転させたときの反射減衰量を表す。両グラ
フは重なっている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽田 準一 三重県三重郡川越町高松928 チヨダウー テ株式会社内 (72)発明者 藤田 巧 三重県三重郡川越町高松928 チヨダウー テ株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つの異なる電磁波吸収周波
    数帯域を有する電磁波吸収材であって、前記電磁波吸収
    周波数帯域のそれぞれは、前記電磁波吸収材に対してそ
    れぞれ異なる電界方向を有する入射電磁波の吸収周波数
    帯域であることを特徴とする電磁波吸収材。
  2. 【請求項2】 電磁波吸収周波数帯域は、そのうち少な
    くとも2つが、最大吸収周波数が互いに少なくとも0.
    5GHz離れたものである請求項1記載の電磁波吸収
    材。
  3. 【請求項3】 電磁波吸収周波数帯域は、そのうち少な
    くとも2つが、準マイクロ波帯又は準ミリ波帯に属する
    ものである請求項1又は2記載の電磁波吸収材。
  4. 【請求項4】 電磁波吸収周波数帯域は、そのうち少な
    くとも2つが、最大反射減衰量が絶対値で10dB以上
    である請求項1〜3記載の電磁波吸収材。
  5. 【請求項5】 形状は、均一な厚みの平板状である請求
    項1〜4記載の電磁波吸収材。
  6. 【請求項6】 バインダー成分及び配向した繊維状導電
    材からなるものである請求項1〜5記載の電磁波吸収
    材。
  7. 【請求項7】 バインダー成分は、セメント、モルタ
    ル、ケイ酸カルシウム、及び石膏からなる群より選択さ
    れた水硬化性無機バインダーである請求項6記載の電磁
    波吸収材。
  8. 【請求項8】 更に、電磁波反射層が設けられてなる請
    求項1〜7記載の電磁波吸収材。
  9. 【請求項9】 電磁波反射層は、導電性材料、金属蒸着
    膜、金属箔及び金属粉末からなる群から選択された少な
    くとも1種からなり、かつ、シールド性能が絶対値で2
    0dB以上である請求項8記載の電磁波吸収材。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9記載の電磁波吸収材から
    なることを特徴とする内装用電磁波吸収パネル。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の内装用電磁波吸収パ
    ネルを少なくとも1部の内面に適用してなることを特徴
    とする屋内空間。
  12. 【請求項12】 少なくとも2つの異なる電磁波吸収周
    波数帯域を有する電磁波吸収材であって、前記電磁波吸
    収周波数帯域のそれぞれは、前記電磁波吸収材に対して
    それぞれ異なる電界方向を有する入射電磁波の吸収周波
    数帯域である電磁波吸収材を、電磁波が多重反射する屋
    内空間の少なくとも1部の内面に設置し、前記電磁波吸
    収材の電磁波吸収周波数帯域に属する周波数の入射電磁
    波を吸収するとともに、反射により電界方向が変化し、
    前記電磁波吸収材の他の電磁波吸収周波数帯域に対する
    電界方向をもつようになった入射電磁波の当該周波数帯
    域を吸収することを特徴とする電磁波吸収方法。
JP9849098A 1998-03-25 1998-03-25 電磁波吸収材及び電磁波吸収方法 Pending JPH11274788A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9849098A JPH11274788A (ja) 1998-03-25 1998-03-25 電磁波吸収材及び電磁波吸収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9849098A JPH11274788A (ja) 1998-03-25 1998-03-25 電磁波吸収材及び電磁波吸収方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11274788A true JPH11274788A (ja) 1999-10-08

Family

ID=14221103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9849098A Pending JPH11274788A (ja) 1998-03-25 1998-03-25 電磁波吸収材及び電磁波吸収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11274788A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002081011A (ja) * 2000-06-28 2002-03-22 Tdk Corp 路面用電波吸収体およびその製造方法ならびに施工方法
JP2005311332A (ja) * 2004-03-22 2005-11-04 Toray Ind Inc 電波吸収シート材およびそれを用いた電波吸収体
CN102820203A (zh) * 2012-05-30 2012-12-12 烟台红壹佰照明有限公司 无电磁辐射自镇流荧光灯
CN116425138A (zh) * 2022-11-23 2023-07-14 中国石油大学(北京) 一种重油衍生碳基电磁波吸收材料及其制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002081011A (ja) * 2000-06-28 2002-03-22 Tdk Corp 路面用電波吸収体およびその製造方法ならびに施工方法
JP2005311332A (ja) * 2004-03-22 2005-11-04 Toray Ind Inc 電波吸収シート材およびそれを用いた電波吸収体
JP4684699B2 (ja) * 2004-03-22 2011-05-18 東レ株式会社 電波吸収シート材およびそれを用いた電波吸収体
CN102820203A (zh) * 2012-05-30 2012-12-12 烟台红壹佰照明有限公司 无电磁辐射自镇流荧光灯
CN116425138A (zh) * 2022-11-23 2023-07-14 中国石油大学(北京) 一种重油衍生碳基电磁波吸收材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6214454B1 (en) Electromagnetic wave absorbing material
JP6177110B2 (ja) 電波吸収体
JP3473691B2 (ja) 不燃吸音電波吸収性の天井板の製造方法およびそれにより得られる天井板
JPH10290094A (ja) 電磁波吸収材及びその製造方法
US5453745A (en) Wideband wave absorber
US20050008845A1 (en) Electromagnetic-wave absorber
JPH11274788A (ja) 電磁波吸収材及び電磁波吸収方法
JPH0883994A (ja) 広帯域電磁波吸収材料
CN1286474A (zh) 泡沫玻璃型雷达波吸收材料
JP3597930B2 (ja) 無線通信用の部屋
JP2000507400A (ja) 電磁波吸収パネル及びその材料
JPH0923087A (ja) オフィス用低反射シート及びその製造方法
JPH0951190A (ja) 広帯域電磁波吸収材
JPH10215097A (ja) 電波吸収建材
JPH09181474A (ja) 電磁波吸収材
JP2004006436A (ja) 電波吸収材料及び電波吸収体
JP2814119B2 (ja) 電波吸収材及び、その製造方法並びに該電波吸収材を用いた電波吸収板
JP4576801B2 (ja) 電波吸収性天井板、その製造方法及びそれを用いた室内無線通信障害の防止方法
JPH0951191A (ja) オフィス用低反射パネル
JP2005012031A (ja) 電波吸収体
JPH0936587A (ja) 難燃性低反射材
JPH08288684A (ja) 電磁波吸収体
KR100455342B1 (ko) 광대역 전파흡수체
JPH07202472A (ja) 電磁波シールド材
GB2430078A (en) Woody electric wave absorber

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040310

A621 Written request for application examination

Effective date: 20040326

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070403

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070703

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071030