JPH0951191A - オフィス用低反射パネル - Google Patents

オフィス用低反射パネル

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JPH0951191A
JPH0951191A JP22256195A JP22256195A JPH0951191A JP H0951191 A JPH0951191 A JP H0951191A JP 22256195 A JP22256195 A JP 22256195A JP 22256195 A JP22256195 A JP 22256195A JP H0951191 A JPH0951191 A JP H0951191A
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JP
Japan
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layer
low reflection
electromagnetic wave
resin
board
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Application number
JP22256195A
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English (en)
Inventor
Kazunori Kanda
和典 神田
Shoichi Iida
正一 飯田
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 準マイクロ波帯域からミリ波帯域までの電磁
波を吸収し、かつ、美装性があり、更には、防音、防
振、防火の機能も有するオフィス用低反射パネルを提供
する。 【解決手段】 1〜60GHzの周波数帯域において−
15〜−3dBの電磁波吸収能を有する電磁波低反射材
を両面に有してなるオフィス用低反射パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、準マイクロ波帯域
からミリ波帯域までの電磁波を吸収するオフィス用低反
射パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】高度情報化社会に向けての技術革新は着
実に進んでいる。情報・通信技術は飛躍的な進歩を遂げ
ており、マルチメディアに代表される個人的情報機器、
そのシステムと同様、通信インフラの整備が次の大きな
市場として期待されている。
【0003】通信システムに利用される周波数帯域とし
ては、1.9GHz帯及び2.45GHz帯の準マイク
ロ波帯域、19GHz帯の準ミリ波帯域、60GHz帯
のミリ波帯域での通信が実用化されようとしている。更
に、諸外国においては、900MHz帯や5.7GHz
帯も無線LAN用として実用に供されている。準マイク
ロ波帯域は、個人用簡易無線電話システム(PHS)と
中速無線LANの室内無線機器に、準ミリ波帯域及びミ
リ波帯域は、高速無線LANの室内無線機器にあてられ
ている。それぞれの周波数帯域での需要が拡大するにつ
れて、電磁波の相互干渉、遅延分散に伴う混信、誤作動
や盗聴等の問題が心配される。
【0004】電磁波環境を向上させるために、従来より
電磁波吸収材料からなる電磁波吸収体が使用されてい
る。電磁波吸収材料としては、一般にフェライトと樹脂
との複合体が知られており、加工する際に、目的とする
周波数に応じて、複合体の磁気特性及び誘電特性ととも
に、厚さを精密にコントロールすることによって大きな
吸収を達成している。
【0005】しかし、このような電磁波吸収体では、準
マイクロ波帯域、準ミリ波帯域、ミリ波帯域のように大
きく離れた周波数帯域のいずれをも一様に吸収すること
はできず、上述のような準マイクロ波帯域及び準ミリ波
帯域の使用の拡張に伴い、関連業界から、準マイクロ波
帯域からミリ波帯域までの周波数帯域のいずれをも一様
に吸収する電磁波吸収材料の開発が求められている。ま
た、このような電磁波吸収体を設計するためには、吸収
しようとする電磁波の周波数ごとにフェライトの製造条
件を検討し、フェライトを製作する必要があり、一つの
吸収体で任意の複数の整合周波数特性を実現することは
困難であった。
【0006】広帯域で使用可能である電磁波吸収材とし
て、導電性材料からなる第1層と、その上に順次積層さ
れた金属酸化物磁性体微粉末及び結合剤からなる第2層
と、金属磁性体微粉末及び結合剤からなる第3層とを有
する複層型の電磁波吸収材が提案されている。
【0007】この構造をもつ電磁波吸収材によって1〜
60GHzの広帯域で、安定した低反射吸収能を有する
電磁波吸収が可能となった。この第2層は金属酸化物磁
性体微粉末及び結合剤からなり、第3層は金属酸化物磁
性体微粉末及び結合剤からなっているので、層の厚さを
調整するだけで、任意の整合周波数特性を実現すること
ができる。インテリジェントオフィスの壁、天井及び床
をこのような低反射材で囲むと、準マイクロ波帯域、準
ミリ波帯域及びミリ波帯域までの電波を使用した通信シ
ステムがオフィス内で行われても、前述した電磁波の相
互干渉、遅延分散に伴う混信、誤作動等の問題は生じな
いと考えられる。
【0008】しかしながら、オフィス内には金属面を有
するパーティション、衝立、間仕切り、扉等が設置され
ており、通常、これらの材料はオフィス等の室内空間に
設置されるため、その平面の両面が室内に露出してい
る。このような金属面が電磁波の反射面となって乱れた
電磁波環境を生じさせるので、電磁波の相互干渉、遅延
分散に伴う混信、誤作動等が生じる。そこで、電磁波吸
収材をパネルとして使用したパーティション等が望まれ
ている。更に、これらのパーティション等は、空間を分
割する機能及び隔離する機能のほかに、防音、防振、防
火の機能が必要とされる場合があるので、インテリジェ
ントオフィスでは、電磁波障害を起こさず、美装性があ
り、防音、防振、防火の機能も有し、マグネット文具が
装着できるようなパーティション等が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、準マイクロ波帯域からミリ波帯域までの電磁波を吸
収し、かつ、美装性があり、更には、防音、防振、防火
の機能も有するオフィス用低反射パネルを提供すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、オフィ
ス用低反射パネルが、1〜60GHzの周波数帯域にお
いて−15〜−3dBの電磁波吸収能を有する電磁波低
反射材を両面に有してなるところに存する。以下に本発
明を詳述する。
【0011】本明細書において「オフィス用低反射パネ
ル」とは、インテリジェントオフィスで電磁波の低反射
のために使用されるパーティション、衝立、間仕切り、
扉等において、その面を構成するのに使用する部材を意
味する。本発明のオフィス用低反射パネルを構成する電
磁波低反射材は、1〜60GHzの周波数帯域におい
て、−15〜−3dBの電磁波吸収能を有するものであ
る。電磁波吸収能が−15dB以上であると、吸収能の
わりには反射材が厚くなったり重くなったりして、施工
や取扱いで問題を生じるし、−3dB未満であると、吸
収能が低くて低反射材としての機能が低いので、上記範
囲に限定される。
【0012】上記電磁波低反射材は、導電性材料からな
る第1層と、金属酸化物磁性体微粉末及び結合剤からな
る第2層と、金属磁性体微粉末及び結合剤からなる第3
層とを有する。上記第1層は、電磁波低反射材の支持体
としての役割を兼ねることができる。
【0013】上記導電性材料は、導電性によるシールド
能として、20dB以上、好ましくは、30dB以上を
もらたらす材料であれば特に限定されず、例えば、銅、
アルミニウム、鋼、鉄、ニッケル、ステンレス、しんち
ゅう等の金属の板;これらの金属がメッキされた金属
板;金網;金属繊維布;これらの金属がメッキされた高
分子ポリマー、プラスチック、セラミック等の非金属材
料等を挙げることができる。このような導電性材料は、
プレコート鋼板のように層間密着性を向上させるために
表面処理、プライマー処理、プライマー塗装等を片面又
は両面に施したものであってもよい。また、上記第1層
は、プラスチック材料等の非導電性材料の上に上記導電
性材料として使用される金属と結合剤とを含む導電性塗
膜を設けたもの;銅、Ni等の無電解メッキ層を形成し
たもの;アルミニウム等の蒸着層を形成した金属化材料
等であってもよい。上記第1層の積層面と反対の面につ
いては、耐食性、耐湿性、密着性、耐化学性等を考慮し
て、プレコート鋼板のように塗装されたものが好まし
い。
【0014】上記第1層は、オフィス用低反射パネルの
支持体としての役割を果たす場合、構造材として使用す
ることから、平面を保持するために、剛性のある金属板
が好ましい。上記金属板の種類としては、例えば、冷延
鋼板、亜鉛メッキ鋼板、銅メッキ鋼板、鉛メッキ鋼板、
ガルバリウム鋼板等の鋼板;銅板、アルミ板、ステンレ
ス鋼板等の金属板;塗装されたプレコート鋼板等を挙げ
ることができる。上記金属板の厚さは、0.05〜3m
mが好ましい。0.05mm未満であると、支持体であ
る第1層としての機械的強度が低下し、3mmを超える
と、第1層の重量が重くなって実用的ではない。より好
ましくは、0.27〜1.8mmである。
【0015】本発明のオフィス用低反射パネルを構成す
る電磁波低反射材の第2層は、金属酸化物磁性体微粉末
及び結合剤からなる。上記金属酸化物磁性体微粉末を構
成する金属酸化物磁性体とは、金属の酸化物(例えば、
鉄酸化物等)を主成分とする磁性体であって、後述の金
属磁性体とは区別した用語として用いる。上記金属酸化
物磁性体としては特に限定されず、例えば、Mn−Zn
フェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Mg−Zn
フェライト、Liフェライト、Mn−Cu−Znフェラ
イト、Baフェライト、Srフェライト等を挙げること
ができる。なかでも、Mn−Znフェライト、Ni−Z
nフェライト、Mn−Mg−Znフェライト等が好まし
い。上記金属酸化物磁性体微粉末は、必要に応じて、シ
ランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等に
より表面処理されていてもよい。
【0016】上記金属酸化物磁性体微粉末の平均粒径
は、1〜50μmが好ましい。1μm未満であると、電
磁波吸収能が充分でなく、製造性が低下し、50μmを
超えると、電磁波吸収能が充分でなく、製造設備の摩耗
を生じる等の問題がある。より好ましくは、5〜20μ
mである。
【0017】上記金属酸化物磁性体微粉末の配合量は、
85〜92重量%が好ましい。85重量%未満である
と、電磁波吸収能が低下し、92重量%を超えると、電
磁波吸収能は良好となるが、剛性、耐久性等に劣り、重
量も重くなるので、実用性が低くなる。より好ましく
は、90重量%である。
【0018】上記第2層を構成する結合剤としては特に
限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の
有機高分子材料;セメント系、ケイカル系、石膏系等の
無機窯業材料等を挙げることができる。
【0019】上記有機高分子材料としては、熱可塑性樹
脂が好ましい。上記熱可塑性樹脂としては特に限定され
ず、例えば、以下のものを挙げることができる。ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブ
テン、ポリスチレン、ポリブタジエン、結晶性ポリブタ
ジエン、スチレンブタジエン等の非極性樹脂。
【0020】ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリメ
チルメタクリレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化
ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラクロロエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性エチレン−
酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化
ビニルグラフト共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステルブロッ
ク共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、スチレン−アク
リロニトリル共重合体樹脂(SAN樹脂)、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹
脂)。
【0021】アクリレート−スチレン−アクリロニトリ
ル共重合体樹脂(ASA樹脂)、塩素化ポリエチレン−
アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(ACS樹
脂)、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンス
ルフィド樹脂、ポリオキシベンゾイル樹脂、ポリエーテ
ルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、アク
リル樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエス
テル樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性アクリル樹
脂、シリコーン変性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
フォスファゼン樹脂等の樹脂。これらの変性樹脂等。こ
れらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0022】上記有機高分子材料としては、金属磁性体
微粉末との濡れ性、樹脂の混練加工時の粘度、温度、フ
ィルムの物性、耐化学性、耐熱性、耐水性、金属やプラ
スチックとの接着性等を考慮して適宜選択することがで
きる。なかでも、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル
−塩化ビニルグラフト共重合体樹脂、塩素化ポリエチレ
ン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂、アミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、及
び、これらの変性樹脂が好ましい。
【0023】上記有機高分子材料の酸素指数は、難燃性
及び不燃性の観点から、30以上が好ましい。30未満
であると、難燃性及び不燃性が低下する。より好ましく
は、40以上である。上記酸素指数は、JIS K 7
201のプラスチック耐炎性試験で測定することができ
る。上記有機高分子材料のうち、高い酸素指数を有して
いる樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリテトラクロロエチレン、エチレン−酢酸ビニル
−塩化ビニルグラフト共重合体樹脂、塩素化ポリエチレ
ン樹脂、変性塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリエチ
レン−アクリロニトリル−スチレン共重合体、シリコー
ン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、シリコーン変性
ポリエステル樹脂、フォスファゼン樹脂等を挙げること
ができる。なかでも、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸
ビニル−塩化ビニルグラフト共重合体樹脂、塩素化ポリ
エチレン樹脂、変性塩素化ポリエチレン樹脂、シリコー
ン樹脂が好ましい。
【0024】上記無機窯業材料としては特に限定され
ず、例えば、硫酸カルシウム、けい酸カルシウム、水ガ
ラス、ポルトランドセメント、アルミナセメント、アル
ミナシリケート、酸化カルシウム、粘土等を挙げること
ができる。これらの無機窯業材料も、難燃性及び不燃性
に優れている。好ましくは、硫酸カルシウム、けい酸カ
ルシウム、ポルトランドセメント、アルミナセメントで
ある。
【0025】上記金属酸化物磁性体微粉末と上記結合剤
とを配合する際、難燃性及び不燃性を向上させるため
に、難燃化剤を加えてもよい。上記難燃化剤としては、
例えば、(1)酸化燃焼の連鎖反応を停止させるアミン
類、フェノール類、塩素化合物、臭素化合物;(2)空
気を遮断し酸素と可燃ガスとの接触を防ぐりん化合物、
ほう素化合物;(3)可燃ガスを希釈して発熱量を低下
させる水、二酸化炭素、アンモニア等の不活性ガス発生
剤;(4)可燃物の温度を低下させて分解着火を防止す
る水酸化物、水和物、シリカ、アルミナ等を挙げること
ができる。更に具体的には、上記難燃化剤としては、例
えば、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモベンジルフェ
ニルエーテル、デカブロモベンジルフェニルオキサイ
ド、テトラブロモビスフェノール、テトラブロモ無水フ
タル酸、テトラブロモビスフェノールA、トリクレジル
ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリアリル
ホスフェート、トリクロロエチルホスフェート、含ハロ
ゲン縮合りん酸エステル、塩化パラフィン、パークロロ
ペンタシクロデカン、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ほう
酸亜鉛、臭化アンモニウム、りん酸チタン等を挙げるこ
とができる。上記難燃化剤の配合量は、第2層中、0.
01〜15重量%が好ましい。0.01重量%未満であ
ると、得られる電磁波低反射材の難燃性が充分でなく、
15重量%を超えると、結合剤量が減って電磁波低反射
材の物性が低下するし、結合剤量を補うと、磁性体が減
って電磁波吸収能が低下する。
【0026】上記金属酸化物磁性体微粉末と上記結合剤
とを配合する際、上記難燃化剤のほかに、層形成、塗工
性、電磁波吸収能等を改良するために、必要に応じて、
可塑剤、粘度調節剤、表面活性剤、滑剤、消泡剤、熱安
定剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
【0027】上記第2層の形成において、結合剤として
有機高分子材料を用いる場合、ロール、バンバリーミキ
サー、加圧ニーダー、ブスコニーダー等で金属磁性体微
粉末と結合剤、及び、必要により、添加剤とを混練し、
押し出し成形、加工成形、カレンダー成形等の通常使用
されている方法、適当量の希釈剤を加えて塗料化し、厚
膜塗装をする方法等により層を形成することができる。
無機窯業材料を用いる場合には、抄造法、モールド法、
押し出し成形等により層を成形することができる。
【0028】本発明のオフィス用低反射パネルを構成す
る電磁波低反射材の第2層の厚さは、準マイクロ波帯域
からミリ波帯域において、75%を上回る電磁波吸収率
を示す実用的な広帯域電磁波吸収材を得るためには、
1.8〜3.6mmが好ましい。1.8mm未満である
と、準マイクロ波帯域の吸収能が低下し、3.6mmを
超えると、材料代が高価になるばかりでなく、重量も重
くなるので、実用上好ましくない。より好ましくは、
2.2〜3.2mmである。
【0029】本発明のオフィス用低反射パネルを構成す
る電磁波低反射材の第3層は、金属磁性体微粉末及び結
合剤からなる。上記金属磁性体微粉末を構成する金属磁
性体としては特に限定されず、例えば、磁性金属単体材
料、磁性金属合金等を挙げることができる。上記磁性金
属単体材料としては特に限定されず、例えば、鉄、ニッ
ケル、コバルト等を挙げることができる。上記磁性金属
合金としては特に限定されず、例えば、珪素鋼;センダ
スト;スーパーセンダスト;パーマロイ;アモルファス
金属;Si、Al、Co、Ni、V、Sn、Zn、P
b、Mn、Mo及びAgからなる群より選ばれる少なく
とも1種の金属元素を含んでなる鉄磁性合金等を挙げる
ことができる。
【0030】上記のほか、高純度のFe粉末も使用する
ことができ、カルボニル鉄粉末又はアトマイズ法で製造
された鉄を80重量%以上含有する磁性合金及びその合
金粉末が好適に使用される。上記金属磁性体微粉末は、
必要に応じて、シランカップリング剤、チタネート系カ
ップリング剤等により表面処理されていてもよい。
【0031】上記金属磁性体微粉末の平均粒径は、結合
剤と均一に混合可能であれば特に限定されないが、1〜
30μmが好ましい。1μm未満であると、難燃性が低
下し、30μmを超えると、充分な電磁波吸収能を示さ
ない。より好ましくは、2〜20μmである。
【0032】上記金属磁性体微粉末の含有量は、第3層
中、70〜90重量%が好ましい。70重量%未満であ
ると、電磁波吸収能が低下し、90重量%を超えると、
電磁波吸収能は良好となるが、剛性、耐久性等が劣り、
重量も重くなるので、実用性が低くなる。
【0033】上記第3層を構成する結合剤としては特に
限定されず、第2層を形成する際に使用する結合剤と同
様のものを使用することができる。また、層形成も第2
層と同様にして行うことができる。上記金属磁性体微粉
末と上記結合剤とを配合する際、難燃性及び不燃性を向
上させるために第2層と同様に難燃化剤を添加してもよ
い。また、層形成、塗工性、電磁波吸収能等を改良する
ために、必要に応じて、可塑剤、粘度調節剤、表面活性
剤、消泡剤、熱安定剤、酸化防止剤等を添加してもよ
い。
【0034】本発明のオフィス用低反射パネルを構成す
る電磁波低反射材の第3層の厚さは、準マイクロ波帯域
からミリ波帯域において、75%を上回る電磁波吸収率
を示す実用的な広帯域電磁波吸収材を得るためには、
0.2〜1.1mmが好ましい。0.2mm未満であっ
ても、1.1mmを超えても、準ミリ波帯域及びミリ波
帯域を吸収する能力が低下する。より好ましくは、0.
3〜0.8mmである。また、軽量で薄い広帯域電磁波
吸収材を提供するためには、第2層と第3層との合計の
厚さを4mm以下とすることが好ましい。
【0035】上記電磁波低反射材は、例えば、以下のよ
うな方法で製造することができる。導電性材料からなる
第1層の上に金属酸化物磁性体微粉末及び結合剤からな
る混合物を塗布し、第2層を形成する。ついで、金属磁
性体微粉末及び結合剤からなる混合物を塗布し、第3層
を形成することにより、電磁波低反射材を得る。上記電
磁波低反射材において、第1層、第2層及び第3層は、
この順で積層することが必要である。この順序を変える
と、電磁波吸収能が不充分となる。
【0036】上記電磁波低反射材は、表面を保護するた
めに、また、美装性を付与するために、第3層の上に、
クロス繊維材料、木材系パネル及び防火壁装材料からな
る群より選ばれる少なくとも1種である美装性材料から
なる第4層を設けることができる。
【0037】上記防火壁装材料としては特に限定され
ず、例えば、壁装材料として認可されている紙壁紙、織
物壁紙、ビニル壁紙、化学繊維壁紙、無機質壁紙、特定
壁紙等を挙げることができる。これらを形成する材料と
しては特に限定されず、例えば、第2層の結合剤として
使用される塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、塩素化ポ
リエチレン樹脂等の有機高分子材料、紙、セルロース紙
等と可塑剤、無機フィラー、ガラス繊維、難燃化剤等と
の組み合わせによるもの;第2層の結合剤として使用す
る無機窯業材料と無機フィラー、ガラス繊維、難燃化剤
等との組み合わせによるもの等を挙げることができる。
上記防火壁装材料の厚さは、50μm〜2mmが好まし
い。50μm未満であると、難燃性や電磁波吸収性に対
する効果が小さく、2mmを超えると、難燃化が難しく
なるし、取り付け作業性が低下する。
【0038】上記防火壁装材料を、第3層にそのまま積
層して使用するだけではなく、後述する難燃性内装材で
ある無機材料からなる防火ボード;有機材料からなる防
火ボード、防火シート等を使用した第4層に、更に重ね
て第5層として使用してもよい。上記防火壁装材料を第
5層として使用する場合、第4層と組み合わせること
で、TEモードやTMモードにおいて電磁波吸収能を向
上させることができる。特に第4層が無機材料からなる
防火ボードである場合には、より効果的である。
【0039】上記第4層は、難燃性内装材であってもよ
い。上記難燃性内装材としては特に限定されず、例え
ば、無機材料からなる防火ボード;有機材料からなる防
火ボード、防火シート等を挙げることができる。上記無
機材料としては特に限定されず、例えば、硫酸カルシウ
ム、けい酸カルシウム、水ガラス、ポルトランドセメン
ト、アルミナセメント、アルミナシリケート、酸化カル
シウム、粘土等を挙げることができる。上記有機材料と
しては特に限定されず、例えば、塩化ビニル樹脂、シリ
コーン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂等を挙げることが
できる。
【0040】上記無機材料からなる防火ボードとしては
特に限定されず、例えば、石綿スレート板、石綿セメン
トパーライト板、石膏ボード、ロックウールシーリング
板、軽カル板、セメント板、石綿セメントけい酸カルシ
ウム板、石綿セメントサイディング、木毛セメント板、
パルプセメント板、木片セメント板、内装用プラスチッ
ク化粧板類、化粧硬質繊維板、軟質繊維板、中質繊維
板、硬質繊維板、パーティクルボード、化粧パーティク
ルボード、化粧石膏ボード、シージング石膏ボード、強
化石膏ボード等を挙げることができる。これらの防火ボ
ードは、無機系の難燃化剤を含有していてもよい。上記
無機材料からなる防火ボードの厚さは、3〜25mmが
好ましい。3mm未満であると、難燃性や電磁波吸収性
に対する効果が小さく、25mmを超えると、取り付け
や輸送でのボードの折れや割れを生じるおそれがある。
より好ましくは、9〜25mmである。
【0041】上記有機材料からなる防火ボード又は防火
シートは、上記有機材料と可塑剤、無機フィラー、ガラ
ス繊維、難燃化剤等を組み合わせて形成される。上記有
機材料からなる防火ボード又は防火シートとしては特に
限定されず、例えば、難燃合板、FRP板等を挙げるこ
とができる。上記有機材料からなる防火ボード又は防火
シートの厚さは、50μm〜2mmが好ましい。50μ
m未満であると、難燃性や電磁波吸収性に対する効果が
小さく、5mmを超えると、取り付け作業性や重量又は
反りの点で問題を生ずる。
【0042】本発明のオフィス用低反射パネルは、上述
した電磁波低反射材2枚により形成される。上記オフィ
ス用低反射パネルの例を図1に示す。(1)は、第1層
兼用型であり、(2)は、二枚重ね型であり、(3)
は、空気層型であり、(4)は、無機ボード型であり、
(5)は、樹脂型であり、(6)は、繊維状充填材型で
あり、(7)は、有機ボード型であり、(8)は、複合
型である。
【0043】(1)は、電磁波低反射材の第1層1の両
面に第2層2及び第3層3が積層されたものであり、最
も薄いオフィス用低反射パネルを与える。(2)は、電
磁波低反射材が2枚重ねられたものである。(3)は、
2枚の電磁波低反射材の間に空気層を挟んだものであ
り、他のものと比較して断熱効果がある。(4)は、2
枚の電磁波低反射材の間に少なくとも1枚の無機ボード
4を挟んだものであり、断熱性、防音、遮音、防振に対
して効果がある。(5)は、樹脂層5を挟んだものであ
り、樹脂としてビスコエラスティックな樹脂が用いられ
た場合、制振性に著しい効果を示し、樹脂として発泡性
のウレタンフォームや耐熱性の高いイソシアヌレート環
を含んだ発泡ウレタンのような発泡性材料が用いられた
場合、断熱性に優れている。(6)は、ガラス繊維等の
無機繊維や有機材料による繊維材料6が挟まれたもので
あり、断熱性や遮音性に対する効果が顕著である。
(7)は、木材、コルクボード等の有機ボード7が挟ま
れたものであり、(8)は、有機ボード及び無機ボード
と空気層からなるもの、樹脂層と空気層からなるもの、
又は、有機ボード及び無機ボードと空気層及び繊維状充
填材との種々の組み合わせからなる複合型である。好ま
しくは、ボードを挟んだ構造(4)、(7)、及び、複
合型(8)である。
【0044】上記無機ボード及び上記有機ボードの厚さ
は、3〜20mmが好ましい。3mm未満であると、断
熱性、防音、遮音、防振に対する効果が小さいし、20
mmを超えると、それらの効果の割には反射パネル自体
が厚くなって、取扱い性や室内での取付け性での問題を
生じて好ましくない。
【0045】本発明のオフィス用低反射パネルの製造方
法としては特に限定されず、施工されるところに適した
工法が選択される。上記製造方法としては、例えば、電
磁波低反射材の剛性を有する第1層を有効に生かしてパ
ネル全体をフレームで囲む方法、電磁波低反射材そのも
のの剛性を生かして箱状構造体にする方法又はフレーミ
ングする方法、パネル端を支柱で支えたり、挟んだりす
る方法等を挙げることができる。
【0046】上記オフィス用低反射パネルの厚さは、設
置される場所に応じて適宜選択されるが、通常、10〜
60mmが好ましい。10mm未満であると、パネルと
しての建てつけ性が悪いし、60mmを超えると、扉や
他の部材とのおさまりが悪くなったりして好ましくな
い。
【0047】本発明のオフィス用低反射パネルは、イン
テリジェントオフィス内のパーティション、間仕切り、
衝立、扉等の面を構成する部材として使用される。この
ようなオフィス用低反射パネルの形状としては特に限定
されず、例えば、全面が本発明のオフィス用低反射パネ
ルであるもの、一部をガラス張りとしてあるもの、一部
に空隙を有するもの、扉用の把手のついているもの等を
挙げることができる。これらは、用途により、本発明の
オフィス用低反射パネルの1枚をそのまま使用してもよ
く、2枚以上を組み合わせ、フレームにより結合させ
て、任意の形にして適宜使用することができる。
【0048】このようなオフィス用低反射パネルは、両
面がオフィス空間に露出しており、これらの面が電磁波
の反射面とならないので、電磁波の相互干渉、遅延分散
による混信や誤作動等の問題が生じない。更に、これら
のオフィス用低反射パネルは、空間を分割、隔離する機
能のほかに、防音、防振及び防火の機能も有している。
従って、本発明のオフィス用低反射パネルは、電磁波障
害を起こさず、美装性もあり、防音、防振、防火等にも
効果があり、更に、マグネット文房具を装着することも
できるので、インテリジェントオフィスの通信インフラ
の整備に好適である。
【0049】分布定数回路の考えによると、吸収体の最
表面の界インピーダンスが空間の特性インピーダンスに
近いほど吸収量が増す。吸収体の最表面の界インピーダ
ンスは、吸収体を構成する層の電磁気特性及び厚さ、更
には、電磁波の周波数によって決定される。本発明は、
準マイクロ波帯域、準ミリ波帯域及びミリ波帯域のよう
に非常に遠く離れた周波数帯域に対して、界インピーダ
ンスを空間の特性インピーダンスに近づける技術であ
る。
【0050】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0051】実施例1 モル比32:14:54でMnO、ZnO、Fe2 3
を含む平均粒径15μmのフェライト微粒子を90重量
部とエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA(住友化学工
業社製、SUMITATE RB−11)10重量部と
を110℃に設定したテストロールで混練し、混練体を
更に110℃の熱プレスで圧延した後、140℃の熱ロ
ールで2.5mmのシートに成形した。得られたシート
を第1層となる0.8mmの表面処理された冷延鋼板片
面に密着させて第1層と第2層との積層体を得た。更
に、その裏面にも同様に第2層を形成して、第1層を挟
んだサンドイッチ構造の積層体を得た。ついで、平均粒
径3.5μmのカルボニル鉄(BASF社製、HLグレ
ード)85重量部とエチレン−酢酸ビニル共重合体EV
A(住友化学工業社製、SUMITATE RB−1
1)15重量部とを用いて同様に混練し、両面の第2層
の上に0.5mmの厚さにシート化して被覆して第3層
とし、両面に低反射層を有している図1に示したパネル
構造の(1)第1層兼用型の低反射パネルを得た。得ら
れた高さ1mで幅2mの大きさに調整した低反射パネル
を部屋の天井からつり下げることで、オフィス用パーテ
ィションとした。
【0052】垂直入射での反射減衰量の測定 得られた低反射パネルの片面の垂直入射での反射減衰量
を測定した。低反射パネル面に垂直入射した場合の反射
減衰量を測定するために、パネルをTEM入射測定がで
きるように加工し、7mm空洞同軸管に入れて、ネット
ワークアナライザーによって反射減衰量を測定し、その
結果を表1に示した。斜入射での反射減衰量の測定 電磁波の45°斜入射での反射減衰量を近傍電磁界アン
テナ測定装置(アイコム社製、NFAMS)を用いて、
周波数を1.9GHz、2.45GHz、19GHzで
TEモードとTMモードで測定し、その結果を表2に示
した。裏面も測定したが、同様の低反射パネルとしての
性能を有していることが確認できた。
【0053】実施例2 第1層として0.8mmの銅メッキされた鋼板の銅メッ
キ面の上に、モル比32:14:54でMnO、Zn
O、Fe2 3 を含む平均粒径8μmのフェライト微粒
子を90重量部と塩化ビニル樹脂(日本ゼオン社製、ゼ
オン121)10重量部、可塑剤のDOP3重量部、適
量の熱安定剤とを150℃に設定した加圧ニーダーで溶
融混練し、得た混練体を更に110℃の熱プレスで圧延
した後、140℃の熱ロールで2.5mmのシートに成
形した。更に、第3層として、平均粒径3.5μmのカ
ルボニル鉄(BASF社製、HLグレード)85重量部
と塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、エラスレン30
3A)15重量部、三酸化アンチモン5重量部とを用い
て同様にして第2層の上に0.5mmの厚さにシート化
して被覆して第3層とした。更に、この上に美装性を出
すために150μmの塩化ビニル系化粧フィルム(日本
ペイント社製、アーテリット)を貼り付けて低反射材を
得た。かかる低反射材の第1層裏面に厚さ11mmの石
膏ボードを貼り付けたものを2枚合わせて、図1のパネ
ル構造の(8)複合型になるようにフレームで組んで低
反射パネルとした。石膏ボードの間は、20mmのスペ
ースをあけた。実施例1と同様に垂直入射と斜入射での
反射減衰量を測定した。その結果を表1及び2に示し
た。
【0054】実施例3 第1層として厚さが1mmの塗装亜鉛メッキ鋼板を準備
して、その上にモル比5:12:14:69でMnO、
MgO、ZnO、Fe2 3 を含む平均粒径10μmの
フェライト微粒子を88重量部と塩化ビニル樹脂(日本
ゼオン社製、ゼオン121)10重量部と可塑剤のDO
P3重量部、熱安定剤5重量部とを含む組成物を150
℃に設定したテストロールで溶融混練し、混練体を更に
110℃の熱プレスで圧延した後、140℃の熱ロール
で2.5mmのシートに成形した。更にその上に平均粒
径10μmの珪素鋼粉(Fe:Si=94:6)85重
量部と塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、エラスレン
303A)15重量部、及び、難燃化剤3重量部とから
なる組成物を用いて同様にして混練し、第2層の上に
0.5mmの厚さにシート化して被覆して第3層とし
た。この第3層の上に更に150μmの塩化ビニル系化
粧フィルム(日本ペイント社製、アーテリット)を貼り
付けて低反射材を得た。かかる低反射材2枚で、2mm
の厚さを有するポリエチレン樹脂板を挟んで図1のパネ
ル構造の(5)樹脂層型のような構造になるようにフレ
ーム化して低反射パネルを得た。実施例1と同様に垂直
入射と斜入射での反射減衰量を測定した。その結果を表
1及び2に示した。
【0055】実施例4 第1層として厚さが0.35mmのガルバリウム鋼板を
用い、モル比32:14:54でMnO、ZnO、Fe
2 3 を含む平均粒径8μmのフェライト微粒子93重
量部と塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、エラスレン
303A)7重量部を用いて加圧式ニーダーで混練し、
押出機でシート化して2.5mmの厚さとして、第1層
の上に熱圧着させて第2層とした。更に、平均粒径10
μmの珪素鋼粉(Fe:Si=94:6)85重量部と
シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニングシリコーン社
製、SH9551)15重量部と三酸化アンチモン5重
量部を用いて混練し、常温で0.5mmの厚さにシート
化し硬化させて第3層とした。この上に平織りのクロス
布を貼り合わせて第4層とした後、かかる低反射材を2
枚合わせて、図1のパネル構造の(3)空気層型のよう
な構造になるようにフレーム化して低反射パネルを得
た。実施例1と同様に垂直入射と斜入射での反射減衰量
を測定した。その結果を表1及び2に示した。
【0056】実施例5 第1層として厚さが0.5mmのアルミ板を用いた。第
1層の上に、モル比5:12:14:69でMnO、M
gO、ZnO、Fe2 3 を含む平均粒径5μmのフェ
ライト微粒子を90重量部と塩素化ポリエチレン(昭和
電工社製、エラスレン303A)10重量部を用いて加
圧式ニーダーで混練し、押出機でシート化して2.5m
mの厚さとして、第1層の上に熱圧着させて第2層とし
た。更に、平均粒径18μmのセンダスト合金粉末(三
菱マテリアル社製)75重量部と塩素化ポリエチレン
(昭和電工社製、エラスレン303A)25重量部を用
いて同様にして混練し、第2層の上に0.5mmの厚さ
にシート化して被覆して第3層とした。この上に第4層
として11mmの石膏ボードを貼り合わせて低反射材を
得た。かかる低反射材2枚を合わせて、その間に11m
mの同様の石膏ボードを挟んで、図1のパネル構造の
(4)無機ボード型のような構造になるようにフレーム
化して低反射パネルを得た。実施例1と同様に垂直入射
と斜入射での反射減衰量を測定した。その結果を表1及
び2に示した。
【0057】難燃性試験 低反射パネルの難燃性試験を、建設省告示第3415号
に定める表面試験装置を用いて行った。標準加熱曲線に
従って10分加熱したが、加熱後、低反射パネル表面は
燃焼や溶融をしておらず、良好な耐燃焼製を示してい
た。60GHzでの反射減衰量の測定 発振器としてガンダイオードを用い、実施例1及び5で
得られた低反射パネルを導波管中に設置し、ミキサーを
介してスペクトラムアナライザーによって60GHzで
反射減衰量を測定したところ、実施例1のパネルでは1
1.5dB、実施例5では、13.2dBであった。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明のオフィス用低反射パネルは上述
の構成よりなるので、準マイクロ波帯域からミリ波帯域
までの電磁波を吸収し、かつ、美装性があり、更には、
防音、防振、防火の機能も有しており、オフィス内のパ
ーティション、衝立、間仕切り、扉等に好適に使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオフィス用低反射パネルの断面模式
図。(1)は、第1層兼用型を、(2)は、二枚重ね型
を、(3)は、空気層型を、(4)は、無機ボード型
を、(5)は、樹脂層型を、(6)は、繊維状充填材型
を、(7)は、有機ボード型を、(8)は、複合型を、
それぞれ表す。
【符号の説明】
1 導電性材料からなる第1層 2 金属酸化物磁性体微粉末及び結合剤からなる第2
層 3 金属磁性体微粉末及び結合剤からなる第3層 4 無機ボード 5 樹脂層 6 無機繊維や有機材料による繊維材料 7 有機ボード 8 各種ボード、樹脂層等のいずれか

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1〜60GHzの周波数帯域において−
    15〜−3dBの電磁波吸収能を有する電磁波低反射材
    を両面に有してなることを特徴とするオフィス用低反射
    パネル。
  2. 【請求項2】 電磁波低反射材が、導電性材料からなる
    第1層と、金属酸化物磁性体微粉末及び結合剤からなる
    第2層と、金属磁性体微粉末及び結合剤からなる第3層
    とを有するものである請求項1記載のオフィス用低反射
    パネル。
  3. 【請求項3】 電磁波低反射材が、導電性材料からなる
    第1層と、金属酸化物磁性体微粉末及び結合剤からなる
    第2層と、金属磁性体微粉末及び結合剤からなる第3層
    と、クロス繊維材料、木材系パネル及び防火壁装材料か
    らなる群より選ばれる少なくとも1種である美装性材料
    からなる第4層とを有するものである請求項1記載のオ
    フィス用低反射パネル。
JP22256195A 1995-08-07 1995-08-07 オフィス用低反射パネル Pending JPH0951191A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09186485A (ja) * 1996-01-08 1997-07-15 Nippon Paint Co Ltd 無線通信用の部屋
JP2012104765A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 Komatsu Seiren Co Ltd 磁性シート及びその製造方法
JP2013526775A (ja) * 2010-05-10 2013-06-24 コリア インスティチュ−ト オブ マシナリ− アンド マテリアルズ 広帯域電磁気波吸収体及びその製造方法

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