JPH0883994A - 広帯域電磁波吸収材料 - Google Patents

広帯域電磁波吸収材料

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JPH0883994A
JPH0883994A JP7170711A JP17071195A JPH0883994A JP H0883994 A JPH0883994 A JP H0883994A JP 7170711 A JP7170711 A JP 7170711A JP 17071195 A JP17071195 A JP 17071195A JP H0883994 A JPH0883994 A JP H0883994A
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layer
electromagnetic wave
metal
wave absorbing
absorbing material
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JP7170711A
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Koji Nakamura
耕治 中村
Mitsuyuki Oda
光之 小田
Kazunori Kanda
和典 神田
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 準マイクロ波帯域からミリ波帯域の電磁波を
共に吸収する4mm以下の薄型広帯域電磁波吸収材料を提
供すること。 【解決手段】 導電性材料から構成される第1層と、そ
の上に順次積層された、金属酸化物磁性体の微粉末およ
び結合剤から構成される第2層と、金属磁性体の微粉末
および結合剤から構成される第3層とを、有する電磁波
吸収材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波吸収材料に
関し、特に、準マイクロ波帯域からミリ波帯域の電磁波
を共に吸収する広域電磁波吸収材料に関する。
【0002】
【従来の技術】高度情報化社会に向けての技術革新は着
実に進んでいる。情報・通信技術は飛躍的な進歩をとげ
ており、マルチメディアに代表される個人的情報機器・
そのシステムと同様、通信インフラの整備が次の大きな
市場として期待されている。
【0003】通信システムに利用される周波数帯域とし
ては、1.9GHz帯および2.45GHz帯の準マイクロ波帯域、1
9GHz帯の準ミリ波帯域、及び60GHz帯のミリ波帯域での
通信が実用化されようとしている。更に、諸外国におい
ては、900MHz帯や5.7GHz帯も無線LAN用として実用に供
されている。
【0004】準マイクロ波帯域は、個人用簡易無線電話
システム(PHS)と中速無線LANの室内無線機器に、そして
準ミリ波帯域とミリ波帯域は高速無線LANの室内無線機
器にあてられている。それぞれの周波数帯域での需要が
拡大するにつれて、電磁波の相互干渉、遅延分散にとも
なう混信、誤作動や盗聴など問題が心配される。
【0005】電磁波吸収材料としては、フエライトと樹
脂との複合体をシート状に加工したものが知られてお
り、目的とする周波数に応じて複合体の磁気特性と誘電
特性をコントロールするとともに、厚さを精密にコント
ロールすることによって大きな吸収を達成している。
【0006】しかしながら、このような手法では準マイ
クロ波帯域と準ミリ波帯域とミリ波帯域のような大きく
離れた周波数帯域を同等に吸収することはできず、上述
のような準マイクロ波帯域と準ミリ波帯域とミリ波帯域
の使用の拡張に伴い、関連業界から準マイクロ波帯域及
びミリ波帯域を同等に吸収する電磁波吸収材料の開発が
求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、準
マイクロ波帯域からミリ波帯域の電磁波を共に吸収する
薄型の広帯域電磁波吸収材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性材料か
ら構成される第1層と、その上に順次積層された、金属
酸化物磁性体の微粉末および結合剤から構成される第2
層と、金属磁性体の微粉末および結合剤から構成される
第3層とを、有する電磁波吸収材料を提供するものであ
り、そのことにより上記目的が達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の電磁波吸収材料におい
て、第2層と第3層とはこの順で第1層の上に形成する
ことが必要である。この順序を逆にすると、電磁波吸収
性が不十分となる。
【0010】本発明の電磁波吸収材料における第1層は
導電性材料から構成される。導電性材料は導電性による
シールド能として20dB以上、好ましくは30dB以上をもた
らす材料であれば特に限定されない。導電性材料は支持
体としての役割を兼ねうる。具体的には銅、アルミニウ
ム、鋼、鉄、ニッケル、ステンレス、シンチュウのよう
な金属の板もしくはこれらの金属が表面にメッキされた
金属の板、金網、金属布等が挙げられる。このような金
属材料はプレコート鋼板のような、層間密着性を向上さ
せるための表面処理またはプライマー処理を施したもの
でも良い。
【0011】また、上記金属と結合剤とを含む導電性塗
膜および上記金属の液相または気相メッキ層等も第1層
として用い得る。例えば、プラスチック材料のような非
導電性材料上に上記金属の導電性塗膜を設けるか銅やNi
の無電解メッキ層、またはアルミニウム等の蒸着層を形
成した金属化材料も本発明に用い得る。
【0012】第2層は金属酸化物磁性体の微粉末および
結合剤から構成される。本発明において「金属酸化物磁
性体」とは金属の酸化物(例えば、鉄酸化物等)を主成分
とする磁性体であって、後述の金属磁性体と区別した用
語として用いる。具体的には、Mn-Znフェライト、Ni-Zn
フェライト、Mn-Mg-Znフェライト、Liフェライト、Mn-C
u-Znフェライト、Baフェライト、Srフェライト等であ
り、平均粒径は1〜50μm、特に2〜30μmのものが適し
ている。
【0013】好ましい金属酸化物磁性体としてはMn-Zn
フェライト、Ni-Znフェライト及びMn-Mg-Znフェライト
等である。特に好ましいものは粒径5〜20μmのMn-Znフ
ェライトである。これらのフェライトは、製造性や物性
向上のため、必要に応じてシランカップリング剤やチタ
ン系カップリング剤で表面処理して用いうる。
【0014】結合剤としては、熱可塑性および熱硬化性
の有機高分子材料、セメント系、ケイカル系およびセッ
コウ系のような無機窯業材料を用いうる。本発明に好適
に用いうる結合剤はエポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル、エ
チレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニルブロッ
ク共重合体、エチレンと(メタ)アクリレートとの共重合
体もしくはブロック共重合体、塩素化ポリエチレン、ア
クリル樹脂、フッ素含有重合体、ポリアミド、ポリエス
テル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、合成ゴム、
フォスファジェン樹脂のような有機高分子材料である。
無機窯業材料の具体例には硫酸カルシウム、ケイ酸カル
シウム、水ガラス、ホルトランドセメント、アルミナセ
メント、アルキルシリケート、酸化カルシウム、粘土等
が挙げられる。
【0015】好ましい結合剤としては、エポキシ樹脂、
エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニルブロ
ック共重合体、エチレンアクリル酸エステルブロック共
重合体及び1,2ナイロン等が挙げられる。
【0016】有機高分子材料を結合剤として用いる場合
は、押し出し成形および加圧成形などのような通常使用
されている方法、または適当量の希釈剤を加えて塗料化
し、厚膜塗装をする方法により層形成できる。無機窯業
材料を用いる場合は、抄造法、モールド法および押し出
し成形法などのような方法により層成形できる。
【0017】第2層中への金属酸化物磁性体の配合量は
85〜92重量%、特に90重量%とすることが好ましい。配
合量が92重量%を上回ると電磁波吸収能は良好となる
が、剛性、重量および耐久性などが劣るため、電磁波吸
収材料として実用性が低くなる。85重量%を下回ると電
磁波吸収能が低下する。
【0018】第3層は金属磁性体の微粉末および結合剤
から構成される。「金属磁性体」とは、磁性金属単体の材
料または磁性金属合金をいう。磁性金属単体の例にはF
e、NiおよびCo等が挙げられる。磁性金属合金の例に
は、珪素鋼、センダスト、スーパーセンダスト、パーマ
ロイ、アモルファス金属、及びSi、Al、Co、Ni、V、S
n、Zn、Pb、Mn、Mo及びAgからなる群から選択される金
属元素の少なくとも一種を含有する鉄磁性合金等が挙げ
られる。
【0019】金属磁性体の微粉末の粒径は結合材料と均
一に混合可能であれば特に限定されないが、平均粒径1
〜30μm、特に2〜20μmの微粉末を使用することが好ま
しい。具体的な成分としては、高純度のFe粉末、特に好
ましくはカルボニル鉄粉末及びアトマイズ法で製造され
た鉄を80重量%以上含む磁性合金粉末が挙げられる。こ
れらの微粉末は、シランカップリング剤やチタン系カッ
プリング剤で表面処理して用いてもよい。
【0020】第3層中への金属磁性体の配合量は80〜90
重量%、特に85〜90重量%とすることが好ましい。配合
量が90重量%を上回ると電磁波吸収能は良好となるが、
剛性、重量および耐久性などが劣るため、電磁波吸収材
料として実用性が低くなる。80重量%を下回ると電磁波
吸収能が低下する。
【0021】結合剤は第2層と同様のものを用いうる。
また層形成も第2層と同様に行いうる。これら第2層及
び第3層を形成する際には、層形成性、塗工性及び電磁
波吸収能等を改良するために、必要に応じて可塑剤、粘
度調節剤、表面活性剤、難燃剤、滑剤、消泡剤、熱安定
剤及び酸化防止剤等を用い得る。例えば、広帯域電磁波
吸収性を有する建材を提供するためには、難燃剤が必須
成分となる。
【0022】準マイクロ波帯域からミリ波帯域におい
て、それぞれ75%を上回る電磁波吸収率を示す実用的な
電磁波吸収材料を提供するためには、第2層を厚さ1.8
〜3.6mm、特に2.2〜3.2mmに、第3層を0.2〜1.1mm、特
に0.3〜0.8mmに形成する必要がある。第2層の厚さが1.
8mmを下回ると準マイクロ波帯域の吸収能が低下する。
3.6mmを上回ってもかまわないが、厚くなると材料代が
高価となるばかりでなく、重量も重くなるため、実用上
好ましくない。第3層の厚さが0.2mmを下回るか1.2mmを
上回ると特に準ミリ波帯域及びミリ波帯域を吸収する能
力が低下する。尚、軽量で薄い電磁波吸収材料を提供す
るためには、第2層と第3層との合計の厚さを4mm以下
とすることが好ましい。
【0023】電磁波吸収材料の表面を保護するため、ま
たはこの表面に美匠性を付与するために、必要に応じ
て、第3層の上に第4層を設けうる。表面保護には、半
永久的保護と一次的保護とがある。半永久的保護のため
には、耐候性、機械的強度がよく、電磁波に対して、透
明である。
【0024】高分子、例えば、ポリカーボナートおよび
アクリル樹脂等を、そして一次的保護のためには、可剥
性フイルムおよび可剥性塗料等を第4層として設けう
る。美匠性を付与するためには、プリント模様などの二
次元パターンから凹凸模様などの三次元パターン等が第
4層として形成されうる。防火性及び消音性を付与する
ために無機系ボードを第4層として形成し、複合材料と
してもよい。
【0025】本発明で得られる広帯域電磁波吸収材料は
断熱、防音、防火、防せい、防水および意匠性などの機
能をもつ素材と複合させると極めて付加価値の高い室内
用建材および外壁用建材を製作できる。本発明の広帯域
電磁波吸収材料と複合させうる素材の例には、建築業界
で一般に用いられる有機系及び無機系素材及び建材が挙
げられる。また、第2層および第3層の厚さを調節する
ことにより、特定の周波数を選択的に吸収する吸収体を
製造することができ、通信インフラの整備に有用であ
る。
【0026】分布定数回路の考えによると、吸収体の最
表面の界インピーダンスが空間の特性インピーダンスに
近いほど吸収量が増す。吸収体の最表面の界インピーダ
ンスは、吸収体を構成する層の電磁気特性および厚さ、
さらに電磁波の周波数によって決定される。本発明は準
マイクロ波帯と準ミリ波帯及びミリ波帯という非常に遠
く離れた2つの周波数帯域に対して、界インピーダンス
を空間の特性インピーダンスに近づける技術を示したも
のである。以下実施例をもって具体的に示す。
【0027】
【実施例】本実施例において微粒子の平均粒径はマイク
ロトラックを用いて測定した。
【0028】実施例1 モル比32:14:54でMnOとZnOとFe2O3とを含む平均粒径1
5μmのフェライト微粒子を、2液硬化型のエポキシ樹脂
(主剤:大日本インキ化学工業(株)社製「エピクロン83
0」、硬化剤:油化シェルエポキシ(株)社製「エポメー
ト LX-2S」)に固形分で90重量%含むように分散した。
厚さ1mmの銅板の上に、得られた混合物を厚さ2.5mmで
被覆することにより第2層を形成した。
【0029】ついで、平均粒径3.5μmのカルボニル鉄(B
ASF社製、HLグレード)を、上記2液硬化型のエポキシ樹
脂に固形分で85重量%となる量で分散した。第2層の上
に、得られた混合物を厚さ0.5mmとなるように被覆する
ことにより第3層を形成し、電磁波吸収材料を得た。
【0030】実施例2 モル比30:15:55でMnOとZnOとFe2O3とを含む平均粒径1
3μmのフェライト微粒子を、エチレン酢酸ビニル共重合
体(三井・デュポンケミカル(株)社製「P-1907」)に固形
分で90重量%となる量で混練し、熱圧プレスにより、厚
さ2.3mmのシート状に成形した。この成形体の一面に厚
さ約50μmのアルミホイルを密着させ第1層と第2層の
積層体を得た。
【0031】ついで、平均粒径が約4μmの鉄粉(BASF社
製「Sicopur FF4068」)を上記エチレン酢酸ビニル共重
合体に固形分で88%となる量で混練し、熱圧プレスによ
り、厚さ0.7mmのシート状に成形した。この成形体を第
2層の上に乗せ、再度熱圧プレスにより、一体化し電磁
波吸収材料を得た。
【0032】実施例3 実施例1のフェライト粒子を分級し、平均粒径30μmの
フェライト微粒子を得た。実施例1と同じエポキシ樹脂
に固形分で92重量%となる量で分散すること以外は実施
例1と同様にして電磁波吸収材料を得た。
【0033】実施例4 実施例1のフェライト粒子を分級し、平均粒径約5μm
のフェライト微粒子を得た。実施例1のエポキシ樹脂に
固形分で85重量%となる量で分散すること以外は実施例
1と同様にして電磁波吸収材料を得た。
【0034】実施例5 実施例1のカルボニル鉄を分級し、平均粒径約2μmの
カルボニル鉄を得た。実施例1のエポキシ樹脂に固形分
で88重量%となる量で分散すること以外は実施例1と同
様にして電磁波吸収材料を得た。
【0035】実施例6 実施例1のカルボニル鉄を分級し、平均粒径約5μmの
カルボニル鉄を、2液硬化型のエポキシ樹脂に固形分で
80重量%となる量で分散すること以外は実施例1と同様
にして電磁波吸収材料を得た。
【0036】実施例7 第2層の厚さを1.8mmとし、第3層の厚さを1.1mmとする
こと以外は実施例1と同様にして電磁波吸収材料を得
た。
【0037】実施例8 第2層の厚さを3.6mmとし、第3層の厚さを0.4mmとする
こと以外は実施例1と同様にして電磁波吸収材料を得
た。
【0038】実施例9 まず、常乾アクリル樹脂系(三井東圧化学(株)社製「IB65
00」)にCu-Ag系の導電性微粒子を分散させた。得られる
導電性塗料を石綿セメントパーライト板(JIS A5413)上
に厚さ約0.2mmとなる様に被覆した。
【0039】導電性塗料が乾燥した後に、この上に実施
例1と同様にして第2層と第3層とを順次形成すること
により電磁波吸収材料を得た。
【0040】実施例10 第2層の厚さを2.7mmとし、第3層の厚さを0.2mmとする
こと以外は実施例1と同様にして電磁波吸収材料を得
た。
【0041】実施例11 第2層の厚さを2.2mmとし、第3層の厚さを0.4mmとする
こと以外は実施例1と同様にして電磁波吸収材料を得
た。
【0042】実施例12 第2層の厚さを3.2mmとし、第3層の厚さを0.8mm
とすること以外は実施例1と同様ににして電磁波吸収材
料を得た。
【0043】実施例13 第2層の厚さを2.2mmとし、第3層の厚さを0.8mmとする
こと以外は実施例1と同様にして電磁波吸収材料を得
た。
【0044】実施例14 第2層の厚さを3.2mmとし、第3層の厚さを0.4mmとする
こと以外は実施例1と同様にして電磁波吸収材料を得
た。
【0045】比較例1 銅板の代わりに厚さ2mmのアクリル板を用いること以外
は実施例1と同様にして電磁波吸収材料を得た。
【0046】比較例2 第2層の厚さを3mmとし、第3層を設けないこと以外は
実施例1と同様にして電磁波吸収材料を得た。
【0047】比較例3 第2層を設けずに、第3層の厚さを3mmとすること以外
は実施例1と同様にして電磁波吸収材料を得た。
【0048】比較例4 鋼板の上にまず第3層を設け、ついで第2層を設けるこ
と以外は実施例1と同様にして電磁波吸収材料を得た。
【0049】比較例5 まず、実施例1で用いたフェライト微粒子とカルボニル
鉄を1:1の重量割合で混合し、得られた混合物を実施
例1のエポキシ樹脂に固形分で90%となる量で分散し
た。厚さ1mmの銅板の上に、得られた混合物を厚さ3mm
で被覆して電磁波吸収材料を得た。
【0050】電磁波吸収材料の評価 実施例1〜14および比較例1〜5で得られた電磁波吸収
材料を、それぞれ積層面に対してTEM入射するように加
工し、7mm空洞同軸管に入れて、ネットワークアナライ
ザーによって反射減衰量を測定した。個々の材料の構成
を表1および表2に、そして測定結果を表3に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】実施例15 実施例1で得たフェライト微粒子に、エポキシ基を有す
るシランカップリング剤(日本ユニカー社製「A187」)を、
このフェライトに対して0.5重量%の量で加え十分混合
した。他方、100部の塩化ビニル樹脂(日本ゼオン社製
「ゼオン121」)、30部のジオクチルフタレート(DOP)及び
適量の安定剤を混合することにより結合剤組成物を得
た。
【0055】シランカップリング剤で処理したフェライ
ト微粒子に、結合剤組成物を添加し混練することによ
り、固形分87重量%のフェライト分散体を得た。このフ
ェライト分散体を熱圧プレスして厚さ2.5mmのシートを
得た。得られたシートに厚さ約50μmのアルミホイルを
密着させ、第1層と第2層との積層体を得た。
【0056】ついで、平均粒径が約10μmの珪素鋼粉(F
e:Si=94:6)を上述のようにシランカップリング剤で
処理し、固形分82重量%となる量で結合剤組成物と混合
し、成形することにより厚さ0.5mmのシートを得た。
【0057】このシートを第1層と第2層との積層体の
上に乗せ、熱プレスすることにより一体化して電磁波吸
収材料を得た。
【0058】実施例16 実施例1で得たフェライト微粒子に、このフェライトに
対して1.0重量%のシランカップリング剤(味の素社製
「プレンアクト KR TTS」)を加えること、及び塩化ビニル
樹脂、可塑剤及び安定剤からなる結合剤組成物の代わり
にエチレン酢酸ビニルブロック共重合体(住友化学工業
社製「スミグラフトGFL」)を用いること以外は実施例15と
同様にして電磁波吸収材料を得た。
【0059】実施例17 珪素鋼粉の代わりに平均粒径15μmの珪素アルミ鋼粉(F
e:Si:Al=84:10:6)を用いること以外は実施例15と
同様にして電磁波吸収材料を得た。
【0060】電磁波吸収材料の評価 実施例15〜17で得られた電磁波吸収材料を、それぞれ積
層面に対してTEM入射するように加工し、7mm空洞同軸
管に入れた。そして、ネットワークアナライザーによっ
て、波長1.9GHz、2.4GHz、5.8GHz及び19GHzの電磁波に
対する反射減衰量を測定した。
【0061】更に、発振器としてガンダイオードを用
い、実施例15〜17で得られた電磁波吸収材料を積層面に
対してTEM入射するように導波管中に設置し、ミキサー
を介してスペクトラムアナライザーによって60GHzで反
射減衰量を測定した。また、実施例1、比較例2及び3
で得られた電磁波吸収材料の反射減衰量も同様に測定し
た。測定結果を表4に示す。
【0062】
【表4】
【0063】
【発明の効果】準マイクロ波帯域からミリ波帯域の電磁
波を共に吸収する4mm以下の薄型広域電磁波吸収材料が
提供された。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性材料から構成される第1層と、そ
    の上に順次積層された、金属酸化物磁性体の微粉末およ
    び結合剤から構成される第2層と、金属磁性体の微粉末
    および結合剤から構成される第3層とを、有する電磁波
    吸収材料。
  2. 【請求項2】 前記第1層が、金属板、金属繊維布、金
    網または導電性塗膜である請求項1記載の電磁波吸収材
    料。
  3. 【請求項3】 前記第2層が1.8〜3.6mmの厚さである請
    求項1または2記載の電磁波吸収材料。
  4. 【請求項4】 前記第3層が0.2〜1.1mmの厚さである請
    求項1〜3のいずれか記載の電磁波吸収材料。
  5. 【請求項5】 前記金属酸化物磁性体が平均粒径2〜30
    μmを有するMn-Znフェライト、Ni-Znフェライト及びMn-
    Mg-Znフェライトからなる群から選択される少なくとも
    一種であり、これが第2層の85〜92重量%を占める請求
    項1〜4のいずれか記載の電磁波吸収材料。
  6. 【請求項6】 前記金属磁性体が平均粒径2〜20μmを
    有するカルボニル鉄、珪素鋼、及びSi、Al、Co、Ni、
    V、Sn、Zn、Pb、Mn、Mo及びAgからなる群から選択され
    る金属元素の少なくとも一種を含有する鉄磁性合金、か
    らなる群から選択される少なくとも一種であり、これが
    第3層の80〜88重量%を占める請求項1〜5のいずれか
    記載の電磁波吸収材料。
  7. 【請求項7】 前記金属酸化物磁性体が平均粒径約15μm
    のMn-Znフェライトであり、これが第2層の90重量%を
    占め、かつ、前記金属磁性体が、平均粒径約4μmのカル
    ボニル鉄であり、これが第3層の85重量%を占め、か
    つ、第2層の厚さが2.2〜3.2mmであり、第3層の厚さが
    0.4〜0.8mmである請求項1または2記載の電磁波吸収材
    料。
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