JP3931426B2 - 吸音材及びその製造方法、並びに防音構造 - Google Patents
吸音材及びその製造方法、並びに防音構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、自動車の騒音低減を図るための吸音材およびその製造方法に関し、中でもエンジンルーム内の騒音を低減させるのに用いるのに適した吸音材に関するものであり、さらに、リスニングルームや楽器練習室等の音響処理や、空調ダクト内を伝搬する騒音の低減等のためや、ボールミル、ポットミル等の粉砕機、エアコンや冷蔵庫等のコンプレッサーを内臓する電気機器、コピー機やFAX、プリンター等のOA機器等の機械装置の騒音低減、また壁・天井等の二重壁構造の二重壁間に充填して遮音効果を高める為などに使用される吸音材およびその製造方法、並びに防音構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
吸音材は、自動車のエンジン騒音を低減させるためのフードサイレンサー、エンジンアンダーカバー、ダッシュパネルサイレンサーや、室内の音響特性が問題になるリスニングルームや楽器練習室等において室内残響特性や反射特性等を制御する内装材や、遮音性能が要求される部屋の二重壁構造に形成した壁や天井に充填される充填材や、空調ダクトや吸音ダクトの内側に貼って騒音の伝搬を防ぐ内張り材や、騒音を発生する機器の防音カバーの内側に貼る内張り材等として使用されている。
【0003】
このような用途に使用される吸音材としては、グラスウール、ロックウール、発泡ポリウレタン、フェルト、不織布等の多孔質吸音材が従来から主として使用されている。これらの多孔質吸音材は内部に連通した複雑な形状の空隙を有するために、空隙内に音波が入射すると、空隙内を伝播する途中でファイバーの表面やウレタン気泡壁面との間で粘性摩擦等が生じ、音波エネルギーが熱エネルギーに変換される事で、多孔質材料内に吸収されて吸音がなされるのである。
【0004】
しかし、一般に多孔質材料の吸音率は、周波数が高くなるほど吸音率も高くなるというように周波数に対して右肩上がりの特性を示し、低周波数域では充分な吸音率を得ることができない。多孔質吸音材自身の厚みを大きくしたり、多孔質吸音材の音入射面の背後に十分な厚みの空気層(背後空気層という)を確保する等すれば、低周波数域の吸音率を高くすることが可能であるが、吸音材自体が非常に嵩高になり、また背後空気層を合わせた吸音材の厚みが非常に厚くなり、例えば、自動車のエンジンルーム内に使用する場合には非常にスペースが限られているために使用できなくなったり、また、部屋の内装材として使用する場合には部屋が狭くなる等の問題が生じ、ダクトの内張りとして使用する場合には空気の通路が狭くなる等の問題が生じる。
【0005】
またこれらの多孔質吸音材を用いて、限られた厚みの中で、その吸音特性の向上を図ることは難しく、従来の方法では多孔質吸音材の密度アップ等によって対応することが必要になり、吸音材の重量増加につながってしまうものであった。
【0006】
一方、厚みが薄くても低周波数域で優れた吸音性能を有する吸音材として、シリカ粉体等の粉体層から形成したものが提供されている。この吸音材では、粉体層に音が入射する
と粉体粒子が振動し、音波エネルギーがこの振動に変換されて吸音作用が発現するものである。
【0007】
しかし、この粉体を材料とする吸音材は、粉体の振動、すなわち音エネルギーによる粉体の共振を利用することから吸音できる周波数域が非常に狭くなる。また、このような吸音材を実際に用いる場合、例えば箱状の容器中に粉体を充填して粉体層を形成し、音波透過性が良好なフィルム等で蓋をすることによって形成することができるが、使用の態様によっては、当初、容器に均一に充填されていた粉体が、使用過程で徐々に移動して偏ってしまい、吸音性能が変化するおそれがあるという問題がある。
【0008】
そこで、グラスウールやロックウール等の非常に目の粗い多孔質材料の空隙に粉体を充填して保持させることによって吸音材を形成することが提案されている。しかしこの場合も、当初は粉体を多孔質材料の空隙に均一に充填してあっても、使用過程で粉体が徐々に移動して偏り、吸音性能が変化するという問題を解消することはできない。またこのものにあって、グラスウールやロックウール等の繊維で形成される多孔質材料の空隙に粉体を充填する作業は、多孔質材料に粉体を散布して加振し、繊維間の空隙に粉体を沈めるようにして行なわれているが、この方法では粉体が空気中に舞い上がり、作業環境の悪化や作業効率の低下を招くという問題がある。
【0009】
さらに、このような多孔質材料の空隙に粉体を充填した吸音材を加工する場合、例えば所望の寸法にカットする場合、多孔質材料の切断面から粉体が漏れ出ることになり、通常の吸音材を切断する方法、例えば発泡ポリウレタン、グラスウール、ロックウール、不織布、フェルト等を切断するときのような、カッターナイフやはさみ等を用いた簡単な切断を実施することはできず、粉体の漏れ防止対策を施さなければならない。
【0010】
さらに特開平5−323973号公報、特開平6−110468号公報、特開平6−158748号公報等に、粉体層と繊維シートを交互に積層した構造の吸音材が提供されている。しかしこのものでも粉体層の粉体はフリーな状態のままであり、粉体の移動による問題は解決されていない。
【0011】
これらに対して、特開平8−39596号公報では、繊維の空隙に発泡性バインダー樹脂を介在させ、この発泡性バインダー樹脂で粉体を保持するようにした吸音材が提供されている。しかしこのものでは、発泡性バインダー樹脂が繊維中に均一に分散されなければ粉体の保持効果を十分に得ることができず、繊維と粉体と発泡バインダー樹脂の三者を同時に均一に分散させることは製造上非常に煩雑になるものであり、また吸音材中に占める粉体の割合が発泡性バインダー樹脂によって小さくなって、粉体による低周波数域での吸音特性に悪影響を及ぼすおそれがあるという問題もあった。
【0012】
また、上記のような粉体を用いた吸音材では、低周波数域の吸音率の向上を図ることができるものの、逆に高周波数域での吸音率が低下してしまうことになり、特に人間の聴覚が敏感な1000〜2000Hz前後の周波数での吸音率が低くなるという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、良好な吸音特性を示し、粉体の脱落や偏り等による吸音特性の性能劣化を生じず、さらに、軽量、薄型で従来の多孔質材料と同等の加工性を備えた吸音材及びその製造方法並びに防音構造を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る吸音材は、多孔質材料の膜を形成した表面に、粉体とバインダー樹脂からなる粉体層が積層されて成り、多孔質材料の表面の膜は、多孔質材料の表面を緻密化する成形によって形成されたものであることを特徴とするものである。
【0015】
また請求項2の発明は、粉体とバインダー樹脂からなる粉体層は、粉体100重量部に対してバインダー樹脂を固形分で0.5〜40重量部含有するものであることを特徴とするものである。
【0016】
また請求項3の発明は、粉体の粒径が0.1〜1000μm、嵩密度が0.1〜1.5g/cm3のものであることを特徴とするものである。
【0017】
また請求項4の発明は、粉体が無機粉体であることを特徴とするものである。
【0018】
また請求項5の発明は、粉体は、タルク、炭酸カルシウム、シラスバルーン、水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一つのものであることを特徴とするものである。
【0019】
また請求項6の発明は、バインダー樹脂は、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルから選ばれる少なくとも一つのものであることを特徴とするものである。
【0020】
また請求項7の発明は、多孔質材料は連続気孔を有するものであることを特徴とするものである。
【0021】
また請求項8の発明は、連続気孔を有する多孔質材料は、発泡ポリウレタン、グラスウール、ロックウール、不織布、フェルトから選ばれるものであることを特徴とするものである。
【0022】
また請求項9の発明は、粉体とバインダー樹脂からなる粉体層の塗工目付け量を変化させることで、吸音特性が調整可能であることを特徴とするものである。
【0023】
また請求項10の発明は、粉体層は粉体とバインダー樹脂との合計の単位面積当たりの重量が0.01〜3kg/m2であることを特徴とするものである。
【0024】
また請求項11の発明は、粉体を100重量部、バインダー樹脂を固形分で0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重量部配合して混合溶液を調製し、この混合溶液を多孔質材料の表面に形成した膜の表面に塗工することを特徴とするものである。
【0025】
本発明の請求項12に係る防音構造は、密閉された筐体の内側に音源を有する機器において、筐体の内面に上記の吸音材を貼り付けて成ることを特徴とするものである。
【0026】
本発明の請求項13に係る防音構造は、ファンを内臓し、吸排気口を有する機器において、吸排気口の内壁面に上記の吸音材を貼り付けて成ることを特徴とするものである。
【0027】
本発明の請求項14に係る防音構造は、筐体内に騒音発生源を有し、排熱用の開口部を有する機器において、騒音発生源に対向する筐体の内面に上記の吸音材を貼り付けて成ることを特徴とするものである。
【0028】
本発明の請求項15に係る防音構造は、機械装置の周囲に設置された防音パネルにおいて、防音パネルに上記の吸音材を貼り付けて成ることを特徴とするものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0030】
本発明において粉体としては、例えば金マイカ、シリカ、アクリル樹脂、タルク、珪酸カルシウム、フッ素樹脂、パーライト、シラスバルーン、溶融シリカ、黒鉛、結晶セルロース、炭化ケイ素、珪藻土、ナイロン、ポリエステル、炭素繊維、二酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、バリウムフェライト、シリコーン樹脂等の無機材料や有機材料からなるものを用いることができるものである。
【0031】
粉体としてはこれらの中から任意の一つ以上のものを選択して使用することができるが、中でも、タルクやシラスバルーンや炭酸カルシウムや水酸化アルミニウムの粉末を用いるのが好ましい。タルク粉末や炭酸カルシウム粉末は特に低周波数域の吸音特性を高める効果が高く、シラスバルーン粉末は低周波数域の吸音率は同じ条件下ではタルク粉末より劣るが、中高音域での広い範囲において優れた吸音特性を有するものであり、また水酸化アルミニウムを用いることで、良好な吸音特性を維持しながら難燃性も向上するものである。タルク粉末やシラスバルーン粉末や水酸化アルミニウム粉末は比較的安価であり、炭酸カルシウムはさらに安価であり、コストダウンにも役立つ。タルク粉末とシラスバルーン粉末と炭酸カルシウム粉末と水酸化アルミニウム粉末は、こられのうち一つのみを用いるようにしても、二つ以上を併用してもいずれでもよい。
【0032】
また、粉体としては、粒径が0.1〜1000μmの範囲であって、嵩密度が0.1〜1.5g/cm3の範囲のものを用いるのが、低周波数域での優れた吸音特性を有する粉体層を形成するうえで好ましい。すなわち、粒径が0.1μm未満の粉体は実用上使用が困難であり、逆に粒径が1000μmを超えると、粉体による吸音効果が得られ難くなる。また嵩密度が0.1g/cm3未満のものは、嵩高くなるので薄型化が困難になり、逆
に嵩密度が1.5g/cm3を超えると、粉体による吸音効果が得られ難くなる。
【0033】
また本発明においてバインダー樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等を使用することができるが、有機溶媒の排出を抑制する、あるいは作業環境等の観点から水溶性の樹脂、例えば水溶性のフェノール樹脂、アクリル樹脂エマルジョン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルを用いることが特に望ましい。特にフェノール樹脂は熱硬化性樹脂であることから、耐熱性の良好な粉体層を形成することができ、またフェノール樹脂やアクリル樹脂は硬化後は水に不溶であるので、耐水性の良い粉体層を形成することが可能になり、さらにポリビニルアルコールやポリ酢酸ビニルは無機系の粉体との親和性が良く、より低コストに粉体層を形成することができるものである。これらのバインダー樹脂は、一種を単独で用いる他、二種以上を併用することもできる。
【0034】
そして、粉体100重量部に、バインダー樹脂を固形分(すなわち樹脂分)で0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重量部配合し、さらに必要に応じて湿潤剤、分散剤、増粘剤、防錆剤、防腐剤、消泡剤などの添加剤を配合して混合することによって、混合溶液を調製することができる。溶媒としては、バインダー樹脂が水溶性の場合、水を用いることができる。
【0035】
例えば、溶媒として水を用い、粉体の分散性や、溶媒あるいは多孔質材料との親和性を高めるために、湿潤剤、分散剤を必要量添加し、また場合によっては消泡剤を添加して混合し、このようにして得られた溶液中に、バインダー樹脂としてフェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等を混合し、さらにタルク、炭酸カルシウム、シラスバルーン、水酸化アルミニウム等の粉体を添加混合することによって、混合溶液を得ることができる。溶液中へのバインダー樹脂と粉体の添加は、先にバインダー樹脂を添加して混合した後に粉体を添加して混合する他に、逆に先に粉体を添加して混合した後にバインダー樹脂を添加して混合するようにしてもよい。
【0036】
ここで、溶媒の量が粉体100重量部に対して20重量部未満であると、混合溶液の粘度が高くなって含浸や塗工等の作業性が低下し、逆に溶媒の量が300重量部を超えると、混合溶液の粘性の低下から、粉体の沈降を招き易くなる。
【0037】
また、多孔質材料3としては気泡や繊維間の間隙など内部に多数の空隙を有するものであり、空隙が連続気孔として形成されたものが好ましい。この連続気孔を有する多孔質材料3としては、発泡ポリウレタン、グラスウール、ロックウール、不織布、フェルトなどを用いることができる。
【0038】
そして、多孔質材料3の表面に膜4を設け、この膜4の表面に粉体2aとバインダー樹脂2bからなる粉体層2を積層することによって、図1のような吸音材Bを製造することができる。
【0039】
この膜4は多孔質材料3よりも緻密な層として形成することが好ましく、多孔質材料3を成形して多孔質材料3の表面を緻密化することによって膜4を形成するようにすることができる。例えば、合成繊維のフェルトで作製される多孔質材料3の表面を合成繊維の融点以上の温度で加熱しながら加圧することによって、多孔質材料3の表面部を部分的に溶融させて押し潰すことによって、多孔質材料3の表面部を高密度層にして膜4を形成することができる。そしてこの膜4の表面に上記の混合溶液をスプレー、刷毛塗り、ロールコーター等で塗工することによって、図2のような吸音材Bを得ることができるものである。
【0040】
粉体層2の厚みについては、使用する粉体2aの嵩密度や単位面積当たりの量によって変動するが、粉体2aの嵩密度から予測あるいは計算上導かれる厚さに近い状態が、つまり粉体層2内で粉体2aができるだけ密に詰まっている厚みになるようにするのが好ましい。これは、粉体2aが極端に広範囲に分散してしまうと、粉体2a間の空隙部分の比率が高くなり過ぎるために通常の多孔質材に近づき、低周波数域での良好な吸音特性が得にくくなるためである。
【0041】
また、吸音材Bの表面性状が問題になる場合等においては、紙、樹脂フィルム、不織布
などの表面材を粉体層2の表面に貼付することができる。表面材を貼付するにあたっては、多孔質材料3の表面に混合溶液を塗工した後、表面材をこの上に重ね、そして加熱プレスを行なうことによって、バインダー樹脂2bを利用して表面材の接着を同時に行なうようにすることができる。勿論、粉体層2を形成した吸音材Bに接着剤等によって表面材を貼付するようにすることもできる。このように吸音材Bに表面材を貼付するにあたって、表面材の材料によって吸音特性が影響を受けることを考慮する必要がある。すなわち、表面材としてフィルムを用いた場合、その厚みによっては音が透過し難くなることで、フィルム自身の膜振動が顕著に現れ、そのピーク周波数以外での吸音率の低下を招く場合があり、特に高周波数域においてその影響が顕著に現れることがある。
【0042】
上記のように作製される図1の各吸音材Bにあって、粉体層2はバインダー樹脂2bによって膜4に固着していると共に粉体2aはこのバインダー樹脂2bによって粉体層2に固着しているものであり、粉体2aは膜4を介して多孔質材料3に強固に固着されている。このために、分散させる粉体2aを多孔質材料3に確実に保持しながら、粉体100重量部に対してバインダー樹脂を固形分で0.5〜40重量部とバインダー量を非常に少なくすることができるものであり(通常の塗料ではバインダー樹脂は43重量部程度以上が配合される)、粉体層2の膜振動、粉体2aの振動ならびに粉体2a同士の摩擦、粉体2aとバインダー樹脂2bとの摩擦によって、また粉体層2により形成される稠密な空隙での空気振動(音)による空隙内壁面等の粘性摩擦によって、音のエネルギーを振動エネルギーに、さらに熱のエネルギーに変換させることによる吸音特性を有効に発現させることができるものである。また、粉体2aは粉体層2として多孔質材料3に保持されているために、粉体2aが移動したり流出したりすることがなくなり、吸音性能が変化するようなことを防ぐことができると共に、吸音材Bを任意の寸法に切断しても、切断面からの粉体2aの脱落を最小限にとどめることができるものである。
【0043】
ここで、バインダー樹脂2bの固形分が粉体100重量部に対して0.5重量部未満であると、粉体2aを膜4に保持する性能が低下して、粉体層2が形成されたときに粉体2aの脱落が生じ易くなり、逆にバインダー樹脂2bの固形分が粉体100重量部に対して40重量部を超えると、粉体2aの振動による吸音効果が阻害され、特に低周波数域の吸音特性が低下するものである。
【0044】
そして上記のようにして作製される吸音材Bは、例えば家屋の壁面や天井面に貼って使用することができるものであり、このように壁面や天井面に吸音材Bを貼り付けることによって、壁面や天井面に吸音性能を付与することができるものである。ここで、吸音材Bを貼り付ける面は、その種類や材質を問うものではなく、例えば段ボール等のクラフト紙やハニカム構造体の表面に貼着することなどが考えられる。
【0045】
図3は上記のように作製される吸音材Bを用いた防音構造の一例を示すものであり(請求項12)、遊星ボールミルが例示してある。そして遊星ボールミルの音源となるポット12が密閉された筐体5で囲まれるようにしてあり、この筐体5の内面のポット12の側の面に上記の防音材Bが全面に亘って貼り付けてある。このように密閉された筐体5の内側に音源を有する機器において、筐体5の内側に吸音材Bを貼ることによって、音源からの騒音を吸音材Bで吸音して、筐体5内の密閉空間での音エネルギーを減衰させることができ、騒音が筐体5の外側へ漏れることを低減することができるものである。
【0046】
図4(a)は上記のように作製される吸音材Bを用いた防音構造の他の一例を示すものであり(請求項13)、筐体5内にファン6を内臓し、筐体5の一端と他端にそれぞれ吸排気口7を設けた送風機が例示してある。そして空気が排気される一方の吸排気口7の内壁面に上記の防音材Bが全面に亘って貼り付けてある。このようにファン6を内臓し、吸排気口7を有する機器において、吸排気口7の内壁面に吸音材Bを貼り付けることによって、吸排気口7の内壁で反射する音を吸音材Bで吸音することができ、吸排気口7を通じて出る騒音を低減することができるものである。図4(b)は空気清浄機の例を示すものであり、前面に吸気用の吸排気口7が、上面に排気用の吸排気口7がそれぞれ設けてあり、排気用の吸排気口7の内壁面に吸音材Bが貼り付けてある。
【0047】
図5は上記のように作製される吸音材Bを用いた防音構造の他の一例を示すものであり
(請求項14)、筐体5内に騒音発生源となるコンプレッサー13を設け、コンプレッサー13の熱を排熱するための開口部8を有する冷却装置が例示してある。そして図6(b)のようにコンプレッサー13を収容する筐体5内において筐体5のコンプレッサー13に対向する内面に上記の防音材Bが貼り付けてある。このように、筐体5内に騒音発生源を有し、排熱用の開口部8を有する機器において、騒音発生源に対向する筐体5の内面に吸音材Bを貼り付けることによって、騒音を吸音材Bで吸収して筐体5の内面で反射することを防ぐことができ、開口部8から出る騒音を低減することができるものである。
【0048】
図6は上記のように作製される吸音材Bを用いた防音構造の他の一例を示すものであり(請求項15)、ポットミルなどの機械装置9の周囲に防音パネル10が衝立として床配置してある。そしてこの防音パネル10の機械装置9側の面に上記の吸音材Bが貼り付けてある。このように、機械装置9の周囲に設置された防音パネル10において、防音パネル10に吸音材Bを貼り付けることによって、機械装置9の騒音を吸音材Bで吸収して防音パネル10の表面で反射することを防ぐことができ、機械装置9の周辺での騒音を低減することができるものである。
【0049】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0050】
(実施例1〜4)
タルク粉末(嵩密度0.4g/cm3、平均粒径18μm)100重量部と、バインダー樹脂として、アクリル−スチレン共重合樹脂エマルジョン(中央理化工業社製「ES−16」:固形分46wt%)を固形分で20重量部及びポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学社製「GH−17R」)を固形分で1重量部と、水45重量部と、添加剤として湿潤剤(サンノプコ社製「ノプコウェット50」)1.2重量部と増粘剤(サンノプコ社製「ハイドロパラート1706」)1.5重量部と消泡剤(サンノプコ社製「SNデフォーマー5016」)0.05重量部と、添加剤の活性化を図るためにpH調整剤としてNaOH50%水溶液を0.16重量部とを撹拌混合し、タルク粉末とバインダー樹脂及び添加剤の混合溶液を調製した。
【0051】
一方、ポリエステルフェルト(密度40kg/m3、厚さ30mm)を200℃、100g/cm2で1分間、加熱プレスして表面を高密度層にして膜を形成した。そしてこの膜の表面に上記の混合溶液を表1に示す目付け量(塗布量)でスプレーすることによって塗工し、乾燥することによって、図1のような吸音材を作製した。
【0052】
【表1】
【0053】
(実施例5)
炭酸カルシウム粉末(嵩密度0.8g/cm3、平均粒径10μm)100重量部と、アクリル樹脂(中央理化工業(株)製「FK−F516」:固形分43wt%)を固形分で15重量部と、水75重量部と、添加剤として潤滑剤(サンノプコ社製「ノプコ1097AH」)を固形分で10重量部と、分散剤(サンノプコ社製「ハイドロパラート1706」)0.8重量部と増粘剤(サンノプコ社製「SNシックナー618」)2 重量部とを撹拌混合し、炭酸カルシウム粉末、バインダー樹脂及び添加剤の混合溶液を得た。
【0054】
一方、ポリエステルフェルト(密度40kg/m3、厚さ30mm)を200℃で1分間、加熱プレスして表面を高密度層にして膜を形成した。そしてこの膜の表面に上記の混合溶液を目付け量270g/m2でスプレーすることによって塗工し、乾燥することによ
って、図1のような吸音材を作製した。
【0055】
(比較例1〜4)
タルク粉末(嵩密度0.4g/cm 3 、平均粒径18μm)を10重量部、ポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニルを主成分とするバインダー樹脂(ヤマト(株 ) 製液状糊「アラビックヤマト」:ポリビニルアルコール固形分11重量%、ポリ酢酸ビニル固形分2重量%、水82〜84重量%、残りは香料と防腐剤)を2重量部、及び水を9重量部配合し、これを撹拌混合することによって、混合溶液を調製した。
【0056】
次に、ポリエステルフェルト(嵩密度40kg/m3、厚さ30mm)の表面に前記表1に示す目付け量(塗布量)で、混合溶液をスプレー塗布し、乾燥することによって吸音材を得た。
【0057】
(比較例5)
ポリエステルフェルト(嵩密度40kg/m3、厚さ30mm)を吸音材として使用した。
【0058】
(比較例6)
比較例5と同じポリエステルフェルトを200℃、1分間、100g/cm2の条件で加熱プレスして表面を高密度層にして膜を形成し、これを吸音材として使用した。
【0059】
上記のようにして各実施例及び各比較例で得た吸音材について吸音率を測定して吸音特性を評価した。吸音率の測定は、厚さ約25〜30mmの吸音材のサンプルについてJIS A 1405「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定方法」に基づいて行なった。結果を第7図乃至第9図に示す。
【0060】
尚、吸音率測定のためのサンプルを作製するために、各実施例の吸音材を84mmφに切断したが、いずれの実施例のものも継続的な粉体の漏れは認められなかった。このように各実施例のものは粉体の脱落が発生せず、安定した状態を維持していることが確認された。
【0061】
そして図7〜図9にみられるように、吸音材の吸音率−周波数の関係は、粉体の種類および量、バインダー樹脂の種類および量、多孔質材料の種類および密度等の条件によって変化する。従って、特に吸音したい音の周波数特性に合わせて条件を設定するチューニングが可能である。また、特に低周波数域で高い吸音効果を示す様にした本発明の吸音材は、特定の周波数でピークを持つ、膜振動が支配的な吸音持性を示しているが、粉体そのものの吸音効果と、粉体層が形成する膜としての性質がもつ吸音効果との相乗効果によって得られているものであり、同じ単位面積当りの重量を持つ通常のシートや板等で得られる膜や板振動による吸音効果より低い周波数域での吸音が可能となるものである。また、ブロードな吸音特性を示すものは、粉体そのものの吸音効果と、粉体層が形成する膜としての性質、および、粉体層が形成する多孔質層としての性質がもつ吸音効果との相乗効果によって得られているものである。
【0062】
以上のように各実施例の吸音材は、従来の吸音材に対して、厚さや容量を増すことなく、低周波数域においても良好な吸音特性を示し、あるいは、中高音域での高い吸音率を維持する吸音特性が得られており、また、粉体のこぼれ、偏り等による性能劣化を生じず、さらに、ベースの多孔質材料と同等の加工性を持つものであった。
【0063】
次に、実施例1〜5の吸音特性を見ると、実施例1では、比較例6の膜を設けただけの多孔質材料に対して全周波数域で吸音特性が勝っている。実施例2〜4では、1kHz以下の比較的低い周波数での吸音率の向上が認められる。
【0064】
これに対して、比較例1〜3は多孔質材料そのままの比較例5とほとんど変わらず、また比較例3の粉体層の目付け量が非常に大きいのでわずかに吸音率の向上が認められるが、比較例5と比較例6の違い、すなわちフェルトのプレス有無の違い程度にしか効果がない。これは、多孔質材料の表面を熱プレスして高密度化することによって膜を形成すると共にこの上に粉体層を形成することによって、吸音特性の向上を図れることを示している。
【0065】
このことは、例えば、吸音材を成形して、吸音部材となして使用する場合、成形品に塗工することで顕著な吸音効果の向上が得られ、リサイクル性の向上にもつながる。すなわ
ち、従来、多孔質材料の成形時に表面に不織布などを表面性状の改善のために同時にプレスして貼付していたが、多孔質材料、不織布ともロール状で供給し、全面をプレスした後、トリミングして必要な成形品を得るようにしており、多孔質材料の端材の部分にまで表面材が融着して不純物が混じるなどして、端材は廃棄するか、より低品質の製品にリサイクルするかを余儀なくされている。しかしながら、本発明の吸音材およびその製造方法では、熱プレス、トリミングした後に塗工することで効果が得られるため、端材は100%再生することが可能になるものである。
【0066】
以上のように、従来の吸音材に対して、厚さや容量を増すことなく、良好な吸音特性が得られており、また、粉体のこぼれ、偏り等による性能劣化を生じず、さらに、ベースの多孔質材料と同等の加工性を持ち、リサイクル性にも優れる工程を実現でき、従来材よりも良好な吸音特性を示す吸音材ならびにそれらの製造方法を提供することができた。
【0067】
以上のように、本発明では、従来の吸音材に対して、厚さや容量を増すことなく、良好な吸音特性を得られており、また粉体のこぼれや偏り等による吸音特性の劣化を生じず、さらにベースの多孔質材料と同等の加工性を持つ吸音材を得ることができるものである。
【0068】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る吸音材は、多孔質材料の膜を形成した表面に、粉体とバインダー樹脂からなる粉体層を積層して形成するようにしたので、粉体をバインダー樹脂で保持して粉体の脱落を低減した粉体層を形成することができると共に、粉体の振動による低周波数域における吸音特性が高い粉体層を粉体層形成シートに形成することができ、多孔質材料による吸音性能に加えて低周波数域における吸音特性を向上させた吸音材を得ることができるものであり、しかも膜の存在で、少ない目付け量の粉体層で吸音特性の向上を図ることが可能になるものである。従って良好な吸音特性を示し、粉体の脱落や偏り等による吸音特性の性能劣化を生じず、さらに、軽量、薄型で従来の多孔質材料と同等の加工性を備えた吸音材を提供することができるものである。
【0069】
また、上記の多孔質材料の表面の膜を、多孔質材料の表面を緻密化する成形によって形成するようにしたので、膜を形成するための余分な材料を必要とせずに膜を形成することができると共に、膜と多孔質材料との密着性等を懸念する必要がなくなるものである。
【0070】
また請求項2の発明は、粉体とバインダー樹脂からなる粉体層は、粉体100重量部に対してバインダー樹脂を固形分で0.5〜40重量部含有することを特徴とするものであり、粉体をバインダー樹脂で保持して粉体の脱落を低減した粉体層を形成することができると共に、しかも粉体に対するバインダー樹脂の比率が小さく、粉体の振動による低周波数域における吸音特性が高い粉体層を形成することができるものである。
【0071】
また請求項3の発明は、上記の粉体として、粒径が0.1〜1000μm、嵩密度が0.1〜1.5g/cm3のものを用いるようにしたので、低周波数域で優れた吸音特性を有する粉体層を形成することができるものである。
【0072】
また請求項4の発明は、粉体として無機粉体を用いるようにしたので、多孔質材料として不燃性をものを用いるようにすると、不燃性の吸音材を実現することができるものである。
【0073】
また請求項5の発明は、上記粉体として、タルクとシラスバルーンと炭酸カルシウムと水酸化アルミニウムの少なくとも一つを用いるようにしたので、タルクを用いることによってより低い周波数域で良好な吸音特性を有する粉体層を形成することができ、またシラスバルーンを用いることによってより広い範囲で高い吸音特性を有する粉体層を形成することができ、さらに炭酸カルシウムを用いることによってこの中間の吸音特性を有する粉体層を形成することができ、また水酸化アルミニウムを用いることで、多孔質材料として発泡ポリウレタン、ポリエステルフェルト、ポリエステル不織布等の有機系材料を使用した場合でも、難燃性を向上させることができるものである。
【0074】
また請求項6の発明は、上記バインダー樹脂として、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルから1つ以上選ばれるものを用いるようにしたので、フェノール樹脂を用いることによって耐熱性の良好な粉体層を形成させることができ、フェノール樹脂あるいはアクリル樹脂を用いることによって、耐水性の高い粉体層を形
成することができ、ポリビニルアルコールやポリ酢酸ビニルを用いることによって、無機系の粉体との親和性がよくなり、またより低コストに粉体層を形成することができるものである。
【0075】
また請求項7の発明は、上記多孔質材料として連続気孔を有するものを用いるようにしたので、連続気孔による吸音によってより低周波数域での吸音特性の向上を図ることができるものである。
【0076】
また請求項8の発明は、上記連続気孔を有する多孔質材料として、発泡ポリウレタン、グラスウール、ロックウール、不織布から選ばれるものを用いるようにしたので、使用目的等に応じて多孔質材料の種類を選ぶことによって、軽量化、不燃性付与、低コスト化を図ることができるものである。
【0077】
また請求項9の発明は、粉体とバインダー樹脂からなる粉体層の塗工目付け量を変化させることで、吸音特性が調整可能であるため、用途に応じた吸音特性を吸音材に付与することが可能となるものである。
【0078】
また請求項10の発明は、上記粉体層を粉体の単位面積当たりの重量が0.01〜3kg/m2になるように形成したので、より低周波数域での吸音特性の向上を図ることができるものである。
【0079】
また請求項11に係る吸音材の製造方法は、粉体を100重量部、バインダー樹脂を固形分で0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重量部配合して混合溶液を調製し、この混合溶液を多孔質材料の表面に形成した膜の表面に塗工するようにしたので、粉体とバインダー樹脂及び溶媒の混合溶液を多孔質材料の表面の膜の上に塗工することによって粉体層を形成することができ、粉体が飛散して作業環境の悪化を招くことなく、吸音特性に優れた粉体層を有する吸音材を作製することができるものである。
【0080】
本発明の請求項12に係る防音構造は、密閉された筐体の内側に音源を有する機器において、筐体の内面に上記の吸音材を貼り付けるようにしたものであるので、音源からの騒音を吸音材で吸音して、筐体内の密閉空間での音エネルギーを減衰させることができ、騒音が筐体の外側へ漏れることを低減することができるものである。
【0081】
また本発明の請求項13に係る防音構造は、ファンを内臓し、吸排気口を有する機器において、吸排気口の内壁面に上記の吸音材を貼り付けるようにしたものであるので、吸排気口の内壁で反射する音を吸音材で吸音することができ、吸排気口を通じて出る騒音を低減することができるものである。
【0082】
また本発明の請求項14に係る防音構造は、筐体内に騒音発生源を有し、排熱用の開口部を有する機器において、騒音発生源に対向する筐体の内面に上記の吸音材を貼り付けるようにしてあるので、騒音を吸音材で吸収して筐体の内面で反射することを防ぐことができ、開口部から出る騒音を低減することができるものである。
【0083】
また本発明の請求項15に係る防音構造は、機械装置の周囲に設置された防音パネルにおいて、防音パネルに上記の吸音材を貼り付けるようにしてあるので、機械装置の騒音を吸音材で吸収して防音パネルの表面で反射することを防ぐことができ、機械装置の周辺での騒音を低減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の吸音材の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
【図2】 本発明の吸音材の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図3】 本発明に係る防音構造の一例の遊星ボールミルの一部を断面で示した正面図である。
【図4】 本発明に係る防音構造の一例を示すものであり、(a)は送風機の断面図、(b)は空気清浄機の斜視図である。
【図5】 本発明に係る防音構造の一例の冷却装置を示す断面図である。
【図6】 本発明に係る防音構造の一例を示す側面図である。
【図7】 実施例1〜4と比較例6の吸音材の垂直入射吸音特性を示すグラフである。
【図8】 比較例1〜5の吸音材の垂直入射吸音特性を示すグラフである。
【図9】 実施例5と比較例6の吸音材の垂直入射吸音特性を示すグラフである。
【符号の説明】
2 粉体層
2a 粉体
2b 樹脂
3 多孔質材料
4 膜
Claims (15)
- 多孔質材料の膜を形成した表面に、粉体とバインダー樹脂からなる粉体層が積層されて成り、多孔質材料の表面の膜は、多孔質材料の表面を緻密化する成形によって形成されたものであることを特徴とする吸音材。
- 粉体とバインダー樹脂からなる粉体層は、粉体100重量部に対してバインダー樹脂を固形分で0.5〜40重量部含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の吸音材。
- 粉体は、粒径が0.1〜1000μm、嵩密度が0.1〜1.5g/cm3のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸音材。
- 粉体が無機粉体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の吸音材。
- 粉体は、タルク、炭酸カルシウム、シラスバルーン、水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一つのものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の吸音材。
- バインダー樹脂は、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルから選ばれる少なくとも一つのものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の吸音材。
- 多孔質材料は連続気孔を有するものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の吸音材。
- 連続気孔を有する多孔質材料は、発泡ポリウレタン、グラスウール、ロックウール、不織布、フェルトから選ばれるものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の吸音材。
- 粉体とバインダー樹脂からなる粉体層の塗工目付け量を変化させることで、吸音特性が調整可能であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の吸音材。
- 粉体層は粉体とバインダー樹脂との合計の単位面積当たりの重量が0.01〜3kg/m2であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の吸音材。
- 粉体を100重量部、バインダー樹脂を固形分で0.5〜40重量
部、溶媒を20〜300重量部配合して混合溶液を調製し、この混合溶液を多孔質材料の表面に形成した膜の表面に塗工することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の吸音材の製造方法。 - 密閉された筐体の内側に音源を有する機器において、筐体の内面に請求項1乃至11のいずれかに記載の吸音材を貼り付けて成ることを特徴とする防音構造。
- ファンを内臓し、吸排気口を有する機器において、吸排気口の内壁面に請求項1乃至12のいずれかに記載の吸音材を貼り付けて成ることを特徴とする防音構造。
- 筐体内に騒音発生源を有し、排熱用の開口部を有する機器において、騒音発生源に対向する筐体の内面に請求項1乃至13のいずれかに記載の吸音材を貼り付けて成ることを特徴とする防音構造。
- 機械装置の周囲に設置された防音パネルにおいて、防音パネルに請求項1乃至14のいずれかに記載の吸音材を貼り付けて成ることを特徴とする防音構造。
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