JPH10141434A - 防音材料 - Google Patents

防音材料

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JPH10141434A
JPH10141434A JP31885596A JP31885596A JPH10141434A JP H10141434 A JPH10141434 A JP H10141434A JP 31885596 A JP31885596 A JP 31885596A JP 31885596 A JP31885596 A JP 31885596A JP H10141434 A JPH10141434 A JP H10141434A
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layer
sound
damping
soundproofing
emulsion
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JP31885596A
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Kazuyuki Muroi
和幸 室井
Mitsuru Sato
満 佐藤
Takao Kimura
孝夫 木村
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの材料で吸音性、遮音性、制振性を兼備
し、空気伝搬音と固体伝搬音を効果的に低減することが
できる防音材料を提供する。 【解決手段】 ガラス転移温度が−50〜50℃の合成
樹脂を主成分とするエマルションと、該エマルションの
固形分100質量部に対し30〜550質量部の無機充
填材(炭酸カルシウム、マイカ等)とを含む塗料を乾燥
して得られる層2、および多孔質層(ガラスウール、ウ
レタンフォーム等)1を有してなるか、これら両層に加
えて支持板(合板、アルミ合金板等)3を有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅,アパート,
マンション,オフィスビル等の建築構造物、高架道路,
高架橋等の各種構造物、自動車,鉄道車輛,産業用車輛
等の各種車輛、建設機械、産業機械等の各種機械類、精
密機器、家電製品、OA機器等の機器、その他の構造
物、機器、機械類において発生する騒音の低減のために
使用される防音材料に関する。
【0002】
【技術背景】従来、上記のような各種の機器や構造物等
における騒音の低減のために、吸音材料,遮音材料,制
振材料,防振材料等の種々の防音材料が使用されてい
る。
【0003】すなわち、騒音は、その音の伝達経路によ
り、空気伝搬音と固体伝搬音に分類されるため、騒音対
策の際には、その騒音の種類により、使用する防音材料
を選択する必要がある。例えば、空気伝搬音を吸収する
ためには吸音材料が、反射するためには遮音材料が、ま
た固体伝搬音を吸収するためには制振材料が、反射する
ためには防振材料等が、適するとされている。
【0004】これらの防音材料は、従来、それぞれ別個
の材料として独立して使用されている。しかし、騒音の
伝達経路は複雑であり、それを特定することは困難であ
る。したがって、最適な防音対策の実施、および最適な
防音材料の選択には、高度な知識と綿密な調査、解析が
必要である。誤った防音材料を選択して防音対策を実施
した場合には、騒音低減効果が得られないばかりか、逆
に騒音を増大させることもある。
【0005】空気伝搬音と固体伝搬音の両方を同一の材
料で低減しようとする試みとして、例えば、特開平7−
219554号公報では、多孔質発泡材と吸音材との間
に直径1〜4mm程度の比重の大きい粒状物を埋め込ん
だ防音材を提案している。しかし、この防音材では、吸
音材による吸音性は示すものの、粒状物が多孔質発泡材
の表面近くに埋め込まれただけであるため、 1)粒状物が振動を十分減衰することができず、制振性
に劣り、 2)粒状物間に空隙が存在するため、遮音性にも劣り、 3)粒状物の脱落や拡散により、防音性能が劣化する、 等の問題がある。
【0006】また、特開平7−266487号公報、特
開平7−266488号公報、特開平7−314617
号公報では、不織布等からなるシートと、ゴム、合成樹
脂等の有機バインダー中に金属粉末、カーボンブラック
等を混合して成形したシートとを加圧成形して一体化し
た2層または3層構造からなる防音シートを提案してい
る。これらは、ある程度の遮音性および制振性を有する
ものの、シート厚さが1.2mmと薄く、遮音性も制振
性も不十分である上、吸音性はほとんどない。
【0007】
【発明の目的】本発明は、以上の諸点を考慮し、1つの
材料で、吸音性、遮音性、制振性を兼ね備え、空気伝搬
音および固体伝搬音の低減に効果を発揮することがで
き、幅広い分野における様々な騒音に対して総合的でか
つ優れた防音性能を示す防音材料を提案することを目的
とする。
【0008】
【発明の概要】本発明者らは、上記の目的を達成するた
めに検討を重ねた結果、多孔質の吸音材料に、合成樹脂
エマルションおよび無機充填材からなる制振塗料を付加
することにより、上記の吸音性、遮音性、制振性を兼ね
備えた優れた防音性能を有する防音材料が得られるとの
知見を得た。
【0009】本発明の防音材料は、上記の知見に基づく
もので、(1)ガラス転移温度が−50〜50℃の合成
樹脂を主成分とするエマルションと、該エマルションの
固形分100質量部に対し30〜550質量部の無機充
填材とを含む塗料を乾燥して得られる層、および多孔質
層を有してなることを特徴とするもの、および(2)こ
れらの層に加えて、支持板を有してなることを特徴とす
るものである。
【0010】本発明における合成樹脂エマルションと無
機充填材を含んでなる塗料を乾燥して得られる層は、材
料の粘弾性や材料内部の摩擦等により、振動のエネルギ
ーを熱エネルギーに変換して振動を減衰し、振動による
騒音および固体伝搬音を低減する作用をなす、言わば制
振層である。
【0011】この制振層を形成する塗料の構成成分であ
る合成樹脂エマルションと無機充填材とは、上記の割合
で混合して言わゆる制振塗料の形態とされて、層形成に
供される。制振塗料は、合成樹脂等の層(塗膜)形成成
分を溶媒に溶解または分散させ、これに無機充填材を混
合したものであって、溶媒として有機溶剤を使用した有
機溶剤系制振塗料と、水を使用した水系制振塗料とがあ
るが、安全面や環境面等から水系制振塗料が好ましい。
また、水系制振塗料としては、水溶性樹脂系、合成樹脂
エマルション系等があるが、制振性、密着性、接着性等
の面からは合成樹脂エマルション系が好ましい。
【0012】合成樹脂エマルションは、その主成分であ
る合成樹脂を乳化重合等の方法により水に乳化、分散さ
せたものであり、その主成分の含有量(固形分)は特に
限定しないが、30〜70質量%のものが好ましい。
【0013】上記の合成樹脂としては、アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル重合
体、アクリル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル重合
体、塩化ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニリデン重
合体、ブタジエン重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げら
れる。ただし、密着性、接着性、制振性の面からは、ア
クリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体が好ましい。
【0014】アクリル酸エステル共重合体としては、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、イソブチルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ベ
ンジルアクリレート、テトラシクロドデシルアクリレー
ト、ノルボニルアクリレート等から選択した2種以上を
組み合わせた共重合体や、これらとビニルトルエン、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等の
他の共重合可能なモノマーとの共重合体が挙げられ、好
ましくは、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレートから選択した2種以上を組み合わせた共重合体
である。
【0015】スチレン−アクリル酸エステル共重合体と
しては、スチレンと上記から選択した1種以上のアクリ
ル酸エステルとの共重合体等が挙げられ、好ましくはス
チレンと2−エチルヘキシルアクリレートとの共重合体
である。
【0016】上記の合成樹脂のガラス転移温度(Tg)
は、特に限定されないが、−50〜50℃、好ましくは
−40〜40℃のものである。−50℃未満では、室温
で塗膜が柔らかくなるため、塗膜強度が低下したり、制
振性が低下する傾向がある。逆に50℃を超えると、室
温で塗膜が硬くなりすぎ、接着性が低下したり、乾燥時
にひび割れが発生する等の傾向が見られる。
【0017】合成樹脂エマルションは、単独で使用して
もよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0018】無機充填材としては、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、クレイ、タルク、マイカ、ケイソウ土、ア
ルミナ、石膏、セメント、転炉スラグ粉末、シラスバル
ーン、ガラスバルーン等が挙げられ、これらは単独で使
用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
ただし、制振性、塗料の貯蔵安定性の面から、真比重が
2〜5のものが好ましい。また、密着性、接着性の面
や、制振性、遮音性等の防音性能の面から、炭酸カルシ
ウム、マイカが好ましい。
【0019】上記の無機充填材の粒子径は、特に限定さ
れないが、平均粒子径が約0.5〜80μm、好ましく
は約1〜20μm程度である。平均粒子径が0.5μm
より小さいと、塗料の粘度上昇、流動性の低下のみなら
ず、粒子の凝集による貯蔵安定性が低下する。逆に平均
粒子径が80μmより大きいと、粒子の沈降による塗料
の貯蔵安定性の低下のみならず、スプレー塗装時のノズ
ル詰まりが生じる。
【0020】無機充填材の配合割合は、合成樹脂エマル
ションの固形分100質量部に対して30〜550質量
部とする。30質量部未満であると、制振性能が低下
し、550質量部を超えると、塗料の粘度が高くなりす
ぎて、貯蔵安定性が低下したり、後述する制振層を形成
する際のスプレー塗装、刷毛塗りやロール塗り等の塗装
性、シートの形成性、あるいは含浸性が低下するばかり
か、基材(多孔質層や支持体等の被塗物や被接着物、あ
るいは被含浸物等)との密着性、接着性が低下し、また
塗膜の柔軟性や強度も低下する。
【0021】本発明における制振層を形成する制振塗料
には、上記の合成樹脂エマルションと無機充填材の外
に、必要に応じて、分散剤、消泡剤、増粘剤、密着性向
上剤、凍結防止剤、安定剤、皮張り防止剤、防錆剤、着
色剤等の添加剤を含有することができる。また、これら
の成分を含む制振塗料は、必要に応じて、水で希釈する
こともできる。
【0022】制振層の厚さは、特に限定されないが、薄
すぎると、該層形成時の乾燥は速くなるが、十分な制振
性が得られず、逆に厚すぎると、制振性は向上するが、
該層形成時の乾燥に時間がかかるばかりでなく、乾燥時
にひび割れが発生する等の問題があるため、約0.01
〜5mm、好ましくは約0.05〜3mmとすることが
適している。
【0023】上記の制振層ととも本発明の防音材料を構
成する多孔質層は、該層内に入射した音のエネルギー
を、該層内の空隙と固体材料とによる圧縮膨張、反射、
熱伝導等により、熱エネルギーに変換して、減衰、吸収
し、騒音、空気伝搬音を低減する作用をなすものであ
る。
【0024】この多孔質層は、層中に多数の隙間や気泡
が存在し、通気性を有するものであって、有機質・無機
質の長繊維を布状に編んだり織ったりしたもの、有機質
・無機質の短繊維を絡めバインダで板状に成形したも
の、短繊維・長繊維を植毛・吹付したもの、高分子材料
・無機材料を発泡させたもの、その他高分子材料・無機
材料を隙間ができるように固めたもの等である。具体的
には、グラスウール、ロックウール、スラグウール、ウ
レタンフォーム、焼成岩、木毛セメント、木片セメント
等から構成されるものが挙げられるが、吸音性、施工
性、経済性等の面から、グラスウール、ロックウール、
ウレタンフォームから選ばれる少なくとも1種からなる
ものであって、みかけ密度が10〜100kg/m
ものが好ましい。
【0025】多孔質層の厚さは、特に限定されないが、
吸音性の面から10〜100mm、好ましくは20〜8
0mmが適している。10mm未満では、吸音性、特に
低い周波数の音に対する吸音性が低下し、100mmを
超えると、吸音性は向上するものの、防音材料全体の厚
さが大きくなるため、設置スペースが大きくなって、防
音材料以外のスペースが小さくなる等実用的な面で劣る
ことがある。
【0026】また、本発明の防音材料は、上記の制振層
と多孔質層とに支持板を組み合わせて構成されるもので
あってもよい。この支持板は、遮音性を向上させる作用
の外に、空気伝搬音や固体伝搬音により支持板が振動、
共振することによって、音のエネルギーを振動のエネル
ギーに変換する作用をもなすものであり、この振動は制
振層で減衰されるため、騒音を効果的に低減することが
できる。
【0027】支持板としては、木製合板、鋼板、ステン
レス鋼板、アルミ合金板、樹脂板等が挙げられ、これら
は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使
用してもよい。支持板の厚さは、特に限定されないが、
0.1〜5mm、好ましくは0.2〜3mmが適してい
る。0.1mm未満では、遮音性が低下する外、柔軟性
が大きくなって共振し難くなり、音のエネルギーを振動
のエネルギーに変換することが困難となる。5mmを超
えると、遮音性は向上するものの、制振層の制振作用を
阻害するため、全体としては騒音の低減効果が低下す
る。
【0028】本発明の防音材料は、例えば、制振塗料を
多孔質層の表面に塗布し乾燥させて制振層を形成するこ
とにより、また多孔質層(あるいは支持板)の表面に制
振塗料を塗布し支持板(あるいは多孔質層)を載置し乾
燥させて制振層を形成することにより製造することがで
きる。また、制振塗料を、コーティング等の方法でシー
ト化したり、不織布等に含浸させてシート化する等し
て、予め制振層を形成し、これを多孔質層上に、あるい
は多孔質層と支持板との間に接着して製造することもで
きる。
【0029】不織布等に含浸させてシート化する場合の
不織布等としては、綿、レーヨン、ポリエステル、ポリ
プロピレン、ナイロン、アクリル、ビニロン、パルプ等
の有機系繊維、ガラス等の無機系繊維からなる不織布、
織布、編布を使用することができる。このシートの厚さ
は、制振塗料を不織布等に含浸させ、乾燥させた後の厚
さが、前述した制振層の厚さ(約0.01〜5mm、好
ましくは約0.05〜3mm)となればよい。また、制
振塗料の含浸量は、乾燥後のシートの密度が0.5〜
3.0g/cm となる程度が適している。
【0030】制振塗料を多孔質層や支持板の表面に塗布
するには、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、
刷毛塗り、へら塗り、ロール塗り、ロールコーター、ブ
レードコーター等の通常の手法が採用できる。また、制
振塗料をシート化するには、例えば、離型性支持体上に
制振塗料を通常の各種塗装方法で塗装し、あるいは所定
寸法内の型内に制振塗料を流し込み、乾燥し、離型性支
持体あるいは型を除去する等の通常の手法が採用でき
る。そして、不織布等に含浸させるには、例えば、制振
塗料槽内への不織布等のディッピング、不織布等への制
振塗料の塗布法等の通常の手法が採用できる。なお、制
振塗料の乾燥手法としては、例えば、自然乾燥、熱風乾
燥、赤外線・遠赤外線乾燥、電気炉乾燥等の手法が採用
できる。
【0031】上記の制振層と多孔質層の組み合わせは、
任意であり、例えば、(イ)1つの制振層と1つの多孔
質層とを組み合わせたもの、(ロ)同種あるいは異種の
複数の制振層および多孔質層を互い違いに組み合わせた
もの、(ハ)同種あるいは異種の制振層を複数重ね合わ
せたものと、同種あるいは異種の多孔質層を複数重ね合
わせたものまたは1つの多孔質層とを組み合わせたもの
等がある。
【0032】また、これらの層と支持板との組み合わせ
も、任意であり、好適な例として、図1に示す多孔質層
1/制振層2/支持板3、図2に示す多孔質層1/支持
板3/制振層2、図3に示す多孔質層1/制振層2/支
持板3/制振層2、図4に示す多孔質層1/制振層2/
支持板3/制振層2/多孔質層1、図5に示す多孔質層
1/制振層2/支持板3/制振層2/多孔質層1/制振
層2/支持板3/制振層2、さらに図示は省略するが、
これらの多孔質層1、制振層2、支持板3を例えば上記
のように複数重ね合わせたもの等を挙げることができ
る。
【0033】
【実施例】 <水系制振塗料の調製>表1〜2に示す各成分を同表に
示す配合割合にて混合して塗料A〜Eを調製した。
【0034】<接着性の評価>塗料A〜Eを、厚さ0.
8mmの鋼板(日本テストパネル工業社製のSPCC−
SB冷間圧延鋼板)の片面に、乾燥後の膜厚が1mmと
なるように塗布し、20℃、湿度65%の恒温槽で10
日間乾燥させたものを試験片とし、塗膜面に2mm間隔
で10×10の碁盤目状にナイフで素地に達するまで切
れ目を入れた後、セロハンテープを押し付けて該テープ
を一気に剥がした場合に、全てのマス目が基板に残った
ものを合格(○)とし、1つでも剥がれたものを不合格
(×)とし、結果を表1〜2に示した。
【0035】<制振層(シート)の調製>塗料Aを使用
し、離型紙上に乾燥厚が1mmとなるように塗布、乾燥
し、離型紙を取り除いてシートXを調製した。同様に、
離型紙上に、厚さ1mm、みかけ密度0.25g/cm
のポリエステル繊維製不織布を置き、これに塗料Aを
含浸させた後、乾燥し、離型紙を取り除いてシートYを
調製した。シートYの密度は1.2g/cmであっ
た。
【0036】<制振性能の評価>塗料A〜Eを、長さ2
00mm、幅25mm、厚さ0.8mmの電着塗装済み
鋼板(日本テストパネル工業社製のSPCC−SB冷間
圧延鋼板)の片面に、乾燥後の膜厚が約2mmとなるよ
うに塗布し、室温で乾燥させて作製した試験片と、シー
トX〜Yを、上記と同様の鋼板(日本テストパネル工業
社製のSPCC−SB冷間圧延鋼板)の片面に接着剤を
用いて接着して作製した試験片とについて、0〜120
℃で、中央加振半値幅法による損失係数の測定を行い、
1000Hzにおける損失係数を測定し、結果を図6
(塗料A〜Eの測定結果)および表3(シートX〜Yの
測定結果)に示した。なお、この損失係数の数値が大き
い程、制振性能が優れていることを意味している。
【0037】<防音材料1〜19の調製>表4〜7に示
す多孔質層(約210×300mmのA4版の大きさ)
上に、塗料A〜Eを同表に示す組み合わせで同表に示す
乾燥厚となるように塗布し、また制振シートX〜Yを同
表に示す組み合わせで接着剤を使用して貼付し、防音材
料1〜19(実施例1〜19)を調製した。
【0038】<防音材料20〜33の調製>表8〜10
に示す支持板(約210×300mmのA4版の大き
さ)上に、塗料A〜Eを同表に示す組み合わせで塗布
し、また制振シートX〜Yを同表に示す組み合わせで接
着剤を使用して貼付し、さらに支持板と同じ大きさの多
孔質層を、塗料A〜Eを塗布する場合は接着剤を使用し
ないで接着し、制振シートX〜Yを貼付する場合は接着
剤を使用して貼付して、図1〜図5に示す構造の防音材
料20〜33(実施例20〜33)を調製した。
【0039】<比較防音材料1〜4の調製>表11に示
す組み合わせとする以外は、防音材料1〜33と同様に
して比較防音材料(比較例1〜4)を調製した。
【0040】<防音性能の評価>防音材料1〜33およ
び比較防音材料1〜4(A4版の大きさ)をそのまま試
験体とし、図7に示す評価装置を用い、次の要領で評価
した。図7において、試験体5を、内面がグラスウール
7(厚さ約30mm)でライニングされたコンクリート
製遮音箱6(高さ500mm、幅400mm、奥行50
0mm、壁厚100mm、開口部200×400mm)
の開口部にセットし、ステレオアンプ9のボリュームを
2として、スピーカー8から雑音を発生させ、試験体5
からの透過音を騒音計4で測定した。測定値は、A特性
補正値を使用し、全周波数域におけるオールパス(A
P)の騒音レベルで表し、表4〜11に示した。なお、
試験体5をセットしない場合(解放時)の騒音レベル
は、98dBであった。
【0041】<衝撃音吸収性能の評価>支持板を用いた
防音材料において、支持板が表面にある試験体について
は、その衝撃音吸収性能を、図8に示す要領で評価し
た。図8において、吊るした試験体5の支持板3の面
に、ひも11(長さ500mm)の先端に取り付けた鉄
球10を図示のよう落下させ、発生した衝撃音の最大値
を、騒音計4にて測定した。測定値は、防音性能の評価
の場合と同様、A特性補正値を使用し、全周波数域にお
けるオールパス(AP)の騒音レベルで表し、表8〜1
1に示した。
【0042】また、以上の実施例および比較例の代表的
なものについて、防音性能評価結果を図9に、衝撃音吸
収性能評価結果を図10に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】
【表11】
【0054】
【表12】
【0055】
【表13】
【0056】なお、表11〜13中、支持板の種類は、
次の通りである。 普通鋼板:日本テストパネル工業社製のSPCC−SB
冷間圧延鋼板 ステンレス鋼板:日本テストパネル工業社製のSUS3
04−CP冷間圧延ステンレス鋼板 木製合板:増沢合板工業社製のJAS PO 1−43
号1種1等普通合板 アルミ合金板:日本テストパネル工業社製のA−110
0P アクリル樹脂板:住友化学工業社製のスミペックス E
【0057】
【発明の効果】本発明の防音材料によれば、1つの材料
で、吸音性、遮音性、制振性を有し、空気伝搬音と固体
伝搬音の低減に効果を発揮することができる。したがっ
て、幅広い分野における様々な騒音に対して、総合的
で、かつ優れた防音対策を効果的に実施することができ
るとともに、防音対策に要するスペースを大幅に減少す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防音材料の一構成例を示す図である。
【図2】本発明の防音材料の図1とは異なる構成例を示
す図である。
【図3】本発明の防音材料の図1,2とは異なる構成例
を示す図である。
【図4】本発明の防音材料の図1〜3とは異なる構成例
を示す図である。
【図5】本発明の防音材料の図1〜4とは異なる構成例
を示す図である。
【図6】本発明の実施例で調製した制振塗料A〜Eの制
振性能を示す図である。
【図7】本発明の実施例および比較例で調製した防音材
料の防音性能を評価するための装置の概略を示す図であ
る。
【図8】本発明の実施例および比較例で調製した支持板
のある防音材料の衝撃音吸収性能を評価するための要領
の概略を示す図である。
【図9】本発明の実施例および比較例で調製した防音材
料の防音性能を示すグラフである。
【図10】本発明の実施例および比較例で調製した防音
材料の衝撃音吸収性能を示すグラフである。
【符号の説明】
1 多孔質層 2 制振層 3 支持板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 孝夫 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度が−50〜50℃の合成
    樹脂を主成分とするエマルションと、該エマルションの
    固形分100質量部に対し30〜550質量部の無機充
    填材とを含む塗料を乾燥して得られる層、および多孔質
    層を有してなることを特徴とする防音材料。
  2. 【請求項2】 ガラス転移温度が−50〜50℃の合成
    樹脂を主成分とするエマルションと、該エマルションの
    固形分100質量部に対し30〜550質量部の無機充
    填材とを含む塗料を乾燥して得られる層、多孔質層、お
    よび支持板を有してなることを特徴とする防音材料。
  3. 【請求項3】 合成樹脂エマルションが、アクリル酸エ
    ステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合
    体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項1〜2記載の防音材料。
  4. 【請求項4】 無機充填材が、炭酸カルシウム、マイカ
    から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項1〜3記載の防音材料。
  5. 【請求項5】 多孔質層が、グラスウール、ロックウー
    ル、ウレタンフォームから選ばれる少なくとも1種から
    構成されたものであることを特徴とする請求項1〜4記
    載の防音材料。
  6. 【請求項6】 支持板が、木製合板、普通鋼板、ステン
    レス鋼板、アルミ合金板、樹脂板から選ばれる少なくと
    も1種であることを特徴とする請求項2〜5記載の防音
    材料。
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