JP2000269681A - 不燃電波吸収性フェルト及び複合パネルと金属箔貼りフェルト - Google Patents
不燃電波吸収性フェルト及び複合パネルと金属箔貼りフェルトInfo
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Abstract
壁、床等の下地材として好適に使用できる柔軟性を有
し、しかも不燃で電波吸収性能のあるフェルトを得るこ
とを目的とし、該フェルトを金属系の建築部材と一体化
して複合パネルを得ること並びに金属箔と貼り合わせた
フェルトを得ることを課題とする。 【解決手段】 ロックウールと結合剤、結合助剤及び、
導電物質を配合した混合物の水分散スラリーを湿式抄造
したフェルトに有機繊維系不織布を積層、ニードルパン
チ加工して不燃電波吸収性フェルトを得ること及び、こ
れを金属系の建築部材と一体化して廉価で汎用性のある
複合パネルを得ることと金属貼りフェルトとして用いる
ことを課題解決の手段とする。
Description
の電波吸収性無機質繊維フェルト及び、これを用いた電
波吸収シールド性と断熱・防音・耐火性を有する金属折
板屋根、金属床板などの複合パネルや、金属箔貼り加工
したフェルトを用いた曲面形状の天井、壁面、間仕切壁
のジョイント部分用の充填材無機質繊維フェルトに関す
る。
精密機器、電子機器やそのシステムのめざましい普及に
伴い、オフィス、医療施設、研究施設、組立工場等にお
いて、無線通信や電子機器システムを正常に作動させる
ために好適な電磁対策環境を確保することが必要とな
り、近年建物の天井、床、間仕切壁、内外壁、屋根等を
金属系建築部材又はフェライトタイルや導電性物質を配
合した建築部材で被覆し、電磁波をシールドする施工方
法が急速に拡大してきた。
来の施工方法は施工が煩雑な上、高価であるばかりか好
適な電磁対策環境を確保できたとしても、不要な電波を
反射散乱させたり、状況に応じては、建物空間に必要な
断熱快適性、吸音・遮音等の防音快適性、防火・耐火及
び対地震等の防災性を損なうケースもあり、まだ汎用さ
れるまでには至っていないのが現状である。
になされたものであり、複雑な形状からなる建築物の内
部構造及び建築部材である天井、壁、床等の下地材とし
て好適に使用できる柔軟性を有し、しかも不燃で電波吸
収性能のあるフェルトを得ることを目的とし、更に該フ
ェルトを用い金属折板屋根、金属床板、防音・断熱・耐
火金属パネル等の金属系の建築部材と複合して使用する
ことにより、建築物に要求される断熱快適性、吸音・遮
音等の防音快適性、防火・耐火及び対地震等の防災性を
損なうこと無く、電磁対策環境として好適な電波吸収性
能を有し、しかも廉価で簡易施工のできる複合部材、複
合パネルを得ることを目的とする。
び、電波吸収性を有するフェルトは、無機質繊維フェル
トにより達成でき、不燃性と適度の断熱性、防音性、防
露性を付与するために、実質的にショットと称する非繊
維粒子を分離除去したロックウールと柔軟性と防露性、
耐水性、強度を付与するための有機質結合剤及び結合助
剤、及び電波吸収性を付与するためのカーボン粒子、グ
ラファイト粒子からなる粒子状の導電物質や繊維状の導
電物質であるカーボンファイバーを配合した混合物を水
に分散させスラリーとし、湿式抄造により製造する。該
フェルトは、不燃性と電波吸収性を有し柔軟性はある
が、他の金属板材等に貼り加工できるほどのフェルトの
引張強度が不足し、又層間で剥離が生ずる問題があるた
め、本発明者らは種々検討の結果、フェルトの不燃性を
損なわない範囲で目付の小さな有機繊維系不織布をフェ
ルトに積層し、ニードルパンチ加工してフェルトの引張
強度及び層間剥離強度を向上させる方法を採用した。
ックウール80〜97wt%、結合助剤を添加した有機
質樹脂又は有機質樹脂と熱融着性有機質繊維からなる結
合剤2〜10wt%、カーボン粒子又はグラファイト粒
子とカーボンチョップドファイバーからなる導電物質
0.25〜8wt%が配合された混合物の水分散スラリ
ーを湿式抄造して得られる厚み10mm以下、嵩密度
0.4g/cm3以下の無機質繊維フェルトに、目付け
50g/m2以下の有機繊維系不織布を積層しニードル
パンチ加工して得られた不燃電波吸収性フェルトの構成
を課題解決の手段とする。
を、金属折板屋根又は金属床板に貼り合わせた複合パネ
ル構造であり、又該フェルトを板状に形成された無機質
繊維と積層して芯材として用いるパネルにおいて、パネ
ル表面側に金属有孔板、裏面側に金属板を貼り合わせた
複合パネル構造であり、同じく前記芯材としとして用い
るパネルにおいて、パネル表面側に有孔加工した不燃人
工木材、裏面側に金属板を貼り合わせた複合パネル構造
である。更に又、不燃電波吸収性フェルトの片面に金属
箔を貼り合わせた金属箔貼りフェルトを曲面形状の天
井、壁面、又は金属系パネルからなる間仕切壁のジョイ
ント部分に充填して用いることを特徴とする不燃電波吸
収性の金属箔貼りフェルトである。
電波吸収性フェルト及び、これを用いた複合パネルと金
属箔貼りフェルトの実施の態様を説明する。本発明の、
フェルトを構成するロックウールは、SiO235〜5
5wt%、Al2O310〜20wt%、MgO5〜4
0wt%、CaO5〜40wt%、FeO0〜10wt
%、Cr2O3、Na2O、K2O、TiO2、MnO
等の微量成分0〜10wt%となる原料鉱石混合物を、
キュポラ炉又は電気炉で溶融し、ブローイング法や高速
回転体によるスピニング法で繊維化して得られる。繊維
はウール状で繊維長が数ミリから数十ミリの範囲にあ
り、ショットと呼ばれる非繊維粒子を10〜30wt%
含有するため、一般に粒状綿、細粒綿と呼ばれている。
これら粒状綿・細粒綿は直接フェルト用の原料として使
用することは困難であるため、ショットの分離除去と解
繊切断処理による繊維長を調整した加工短繊維の形で使
用する。係る処理は、粒状綿、細粒綿を水に分散させパ
ルパー、クリナーによってなされ、実質的にショットを
含まない繊維長10mm以下の、加工短繊維の形で使用
する。
の配合割合は、不燃性とフェルト強度との関係で80〜
97wt%の範囲が適正で、80wt%以下では不燃性
が損なわれ、97wt%以上では引張強度が不充分とな
る。又、フェルトの高温寸法安定性、外観・表面平滑
性、強度向上を目的としてロックウールの一部をセピオ
ライト、アタパルジャイト等の天然無機質短繊維やガラ
スウール、セラミックウール等の人造鉱物質短繊維で少
量置換することは可能である。
る有機質結合剤として使用される樹脂は、アクリル樹
脂、変性アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢
酸共重合樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、変性ポリ塩化
ビニリデン樹脂等のエマルジョンやフェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性の粉末樹脂や無
機物配合樹脂、更にはポリエチレンパルプのような、パ
ルプ状の有機質結合剤を挙げることができる。また有機
結合剤の一種として利用される熱融着性有機質繊維とし
ては、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン
等の各繊維、エチレン・プロピレン複合繊維を挙げるこ
とができ、特にエチレン・プロピレン複合繊維が好適で
ある。
抄造法で製造するため、有機質結合剤をフェルトに効果
的に保持させるポリアクリルアミドや硫酸バンド等の凝
集剤や、フェルトに撥水性を付与するワックスエマルジ
ョン、シリコン樹脂エマルジョン等の撥水剤の結合助剤
を少量添加する必要がある。又、凝集剤、撥水剤等から
なる結合助剤(1wt%以下)を加えた有機質結合剤の
配合割合は強度、不燃性との関係から2〜10wt%の
範囲がよい。
で、電波吸収性能を付与する成分として粒子状及び繊維
状の導電物質を配合する。粒子状物質としてカーボン粒
子、グラファイと粒子で粒径50μm以下の導電性、分
散性に優れた粒子状タイプ又はペースト状に分散させた
タイプであって、係る代表例として、キャボット(株)
製のキャボットスペシャルブラックBPグレードや、ラ
イオン(株)製のライオンペーストWを挙げることがで
きる。フェルト中の好ましい配合量は、0.25wt%
以上で電波吸収性を発揮し、後述のカーボンファイバー
の配合量と合わせて8wt%以下の範囲に限定される。
配合量が8wt%以上になると抄造時の濾水性が悪く、
抄造スピードが極端に低く、生産性が上がらないこと
と、フェルトの導電性が良くなりすぎて電波吸収性能が
低下することによる。0.25〜8wt%の配合割合
は、フェルトの嵩密度を0.25g/cm3とした場
合、1〜20g/l程度に相当する。
チ系のカーボンファイバーで繊維長として15mm以下
が好ましい。カーボンファイバーの繊維長は、一般に長
くなるほど少ない配合量で良好な電波吸収性能を示す反
面、フェルト中のカーボンファイバーの分散性が悪くな
り吸収性能の低下を引き起こす。又、繊維長が短かすぎ
ると分散繊維間の相互補助効果が損なわれるため、繊維
長としては15mm以下、1mm以上が好ましい。又、
カーボンファイバーは、カーボン粒子との併用で0.1
g/l以上で良好な吸収性能を発揮するが、5.0g/
l以上となるとフェルトの導電性が良くなりすぎて電波
反射による吸収性能の低下を引き起こすため、適正配合
割合は0.1〜5.0g/lの範囲とすることが好まし
い。フェルト中のカーボン粒子とこの範囲のカーボンフ
ァイバー配合量で吸収性能に関し相乗効果を発揮し、フ
ェルトはギガヘルツ以上の周波数帯域で所望の電波吸収
性能を示す。
ェルトの主たる構成成分と配合割合は前記の通りである
が、複雑な形状からなる建築物の内部構造及び建築部材
である天井、壁、床等の下地材としての機能に対し、更
に金属板の電波を反射する性質を利用して、該フェルト
と金属折板屋根、金属床板、金属パネル等の金属系の建
築部材と複合させて施工した方が、経済性と施工性の点
から得策である。金属系の建築部材とフェルトとの複合
化を可能にするためには、フェルトに於いて、ロールフ
ォーミング適性に必要な、充分なるフェルトの引張強度
と層間剥離が生じない強度及び外観意匠性を付与しなけ
ればならない。不燃性を損なわないことを条件に本発明
者らは種々検討を重ねた結果、目付50g/m2以下好
ましくは30g/m2以下の薄手のポリエステル繊維等
の有機繊維系不織布をフェルトの片面又は両面に積層
し、ニードルパンチ加工することでロールフォーミング
適性と外観意匠性を付与することが可能となった。係る
ニードルパンチ加工したフェルトは鋼板と貼り合わせた
後、ロールフォーミング成型機により凹凸を有する形状
等各種の金属折板屋根、金属床板、金属パネルに加工す
ることができ、フェルトと金属系建築部材との複合が可
能となった。
の建築部材との複合化は、電波吸収シールドの経済的且
つ簡便施工を可能とした。又、該フェルトと金属箔とを
貼り合わせた場合には、柔軟性と電波吸収シールド性を
有した曲面形状の壁、天井、間仕切壁のジョイント充填
等の用途の電波吸収シールド材として使用が可能となっ
た。係る電波吸収性と反射性によるシールド材とするた
めに、本発明の第6の請求項に記載された通り、金属箔
を貼り合わせ複合したフェルトに加工する必要がある。
この場合、フェルト面にアクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、合成ゴム等の接着剤を介してアルミ箔、スチール
箔等の金属箔を貼り合わせ加工して目的とする複合フェ
ルトを得ることができる。好ましい金属箔の厚みは、表
面保護、フェルトの保形性、施工性を考慮して5〜20
0μm、より好ましくは、50〜100μmの軟質金属
箔が好適である。
質短繊維、有機質結合剤、結合助剤及び導電性物質から
なる混合物を水に分散させ、円網又は長網タイプ、ロー
トフォーマー等の製紙用抄造機と同様の抄造方式でフェ
ルト状に抄造し、乾燥硬化させることにより製造するこ
とができる。本発明のフェルトの主要構成成分と製造方
法については前記の通りであるが、フェルトの防水性の
向上を目的にワックスエマルジョンやシリコン樹脂撥水
剤を少量配合したり、防火性の向上、コストダウンを目
的に有機質結合剤に難燃剤や無機物を少量配合すること
は可能である。
複合パネルと金属箔貼りフェルトとを実施例により説明
する。
37wt%、MgO5wt%、Al2O313wt%、
その他微量成分5wt%の組成からなる鉄鋼スラグ系ロ
ックウール粒状綿を、水に分散してパルパーで解繊切断
し、続いてクリーナーで脱ショット処理した繊維長10
0〜500μmのロックウール88.3wt%、繊維長
10mm(3デニール)のエチレン・プロピレン複合繊
維2wt%、ガラス転移温度−14℃45%濃度の熱自
己架橋型アクリル樹脂エマルジョン5wt%(固形分ベ
ース)、15%濃度ポリアクリルアミド水溶液0.2%
wt%(固形分ベース)、40%濃度のワックスエマル
ジョン0.1wt%(固形分ベース)、カーボン粒子
(キャブロック(株)製:BPグレート)4wt%、繊
維長2mmのカーボンファイバー(大阪ガス(株)製:
ザイラス)0.4wt%からなる混合物をミキサーで分
散し、約1wt%濃度の水性スラリーを調整する。該水
性スラリーをロートフォーマー抄造機で抄造して吸引脱
水後150℃、20分乾燥しフェルトを製造する。続い
て該フェルトの表面に、目付け20g/m2のポリエス
テル繊維不織布を乗せ、5mmピッチ間隔でニードルパ
ンチ加工して、柔軟性のある無機質繊維フェルト(A)
を製造した。無機質繊維フェルト(A)の強度、防火
性、熱伝導率、吸音率、電波吸収性等の性能を表1に示
す。
ラファイト粒子(住金加工(株)製:微粒子膨張黒鉛)
に置き換え、その他は実施例1と同一設定条件で無機質
繊維フェルト(B)を製造した。無機質繊維フェルト
(B)の性能を表1に同じく示す。
1wt%、MgO28wt%、Al2O319wt%、
その他微量成分4wt%の組成からなるニッケルスラグ
系ロックウール粒状綿を水に分散してパルパーで解繊切
断し、続いてクリーナーで脱ショット処理した繊維長1
00〜500μmのロックウール87.7wt%、繊維
長10mm(3デニール)のエチレン・プロピレン複合
繊維2wt%、ガラス転移温度−14℃45%濃度の熱
自己架橋型アクリル樹脂エマルジョン5wt%(固形分
ベース)、15%濃度ポリアクリルアミド水溶液0.2
%wt%(固形分ベース)、40%濃度のワックスエマ
ルジョン0.1wt%(固形分ベース)、カーボン粒子
(キャブロック(株)製:BPグレート)4wt%、カ
ーボンファイバー(大阪ガス(株)製:ザイラス)で2
mmタイプを0.5wt%及び6mmタイプを0.5w
t%(合計1wt%)からなる混合物をミキサーで分散
し、約1wt%濃度の水性スラリーを調整する。該水性
スラリーをロートフォーマー抄造機で抄造して吸引脱水
後150℃、20分乾燥しフェルトを製造する。続いて
該フェルトの表面に、目付け20g/m2のポリエステ
ル繊維不織布を乗せ、5mmピッチ間隔でニードルパン
チ加工して、柔軟性のある無機質繊維フェルト(C)を
製造した。無機質繊維フェルト(C)の強度、防火性、
熱伝導率、吸音率、電波吸収性等の性能を表1に示す。
(C)の表面に、厚み80μmの軟質アルミ箔をニトリ
ルゴム系の接着剤(日立化成ポリマー(株)製:ハイボ
ン2020S)で貼り合わせ、アルミ箔貼りの無機質繊
維フェルト(D)を製造した。アルミ箔貼り無機質繊維
フェルト(D)の性能を表1に同じく示す。
6.7wt%、エチレン・プロヒレン複合繊維2wt
%、アクリル樹脂エマルジョン5wt%、ポリアクリル
アミド水溶液0.2%wt%、ワックスエマルジョン
0.1wt%、カーボン粒子6wt%、からなる混合物
をミキサーで分散し、約1wt%濃度の水性スラリーを
調整する。該水性スラリーをロートフォーマー抄造機で
抄造して吸引脱水後150℃、20分乾燥しフェルトを
製造する。続いて該フェルトの表面に、目付け20g/
m2のポリエステル繊維不織布を乗せ、5mmピッチ間
隔でニードルパンチ加工して、柔軟性のある無機質繊維
フェルト(E)を製造した。無機質繊維フェルト(E)
の強度、防火性、熱伝導率、吸音率、電波吸収性等の性
能を表1に示す。
9.9wt%、エチレン・プロピレン複合繊維2wt
%、アクリル樹脂エマルジョン5wt%、ポリアクリル
アミド水溶液0.2%wt%、ワックスエマルジョン
0.1wt%、カーボン粒子0.4wt%、繊維長2m
mのカーボンファイバー2.4wt%からなる混合物
を、ミキサーで分散し約1wt%濃度の水性スラリーを
調整する。該水性スラリーをロートフォーマー抄造機で
抄造して吸引脱水後150℃、20分乾燥しフェルトを
製造する。続いて該フェルトの表面に目付け20g/m
2のポリエステル繊維不織布を乗せ、5mmピッチ間隔
でニードルパンチ加工して、柔軟性のある無機質繊維フ
ェルト(F)を製造した。無機質繊維フェルト(F)の
強度、防火性、熱伝導率、吸音率、電波吸収性等の性能
を表1に示す。
定。 電波吸収性能:400mm×400mmの金属板に試験
体を貼り合わせたものを用い、自由空間タイムドメイン
法による反射係数を測定。反射係数は、金属板のみの反
射レベルとの対比にて算出し電波吸収性能とした。
る。 2.熱伝導率については、いずれも充分な断熱性を示
し、優位差はない。 3.防火性については、いずれも難燃1級で合格。 4.吸音率については、いずれも適性な吸音率を示し、
優位さはない。 5.電波吸収性能については、実施例1〜4において3
GHzで6〜12dB10GHzで19〜26dBを示
しており、特に金属箔(アルミ箔)貼りの実施例4は良
好で、オフィス等の通信障害対策として、6〜7dB以
上の吸収性能が必要である条件をいずれの実施例におい
ても満たしている。一方導電物質としてカーボン粒子単
独使用の比較例1の場合、吸収性能が劣り、前記条件を
満たしていない。又、比較例2については、カーボンフ
ァイバー高配合のため、電波反射の影響を受け、充分な
吸収性能を示していない。
(C)を、厚み0.8mmの鋼板にニトリルゴム系接着
剤(日立化成ポリマー(株)製:ハイボン2020S)
で貼り合わせ、ロールホーマーにより金属折板屋根(脚
高30mm、巾305mm、重量11.8kg/m2)
および、金属床板(角波形状:山高25mm、巾650
mm、重量11.4kg/m2)を製作した。
鋼板(厚さ0.5mm、孔径9mm、開孔率51%)
と、吸音芯材(縦繊維加工ロックウール軽量板:密度8
0kg/m3、厚さ99mm)と、裏面無孔鋼板(厚さ
0.5mm)との構成からなる防音・断熱・耐火パネル
(日東紡績(株)製:デホンドイソバンド、パネル全厚
100mm、重量18kg/m2、125Hz〜400
0Hz帯での平均吸音率91%、耐火性能:1時間耐火
合格)の有孔加工面側に、実施例3で得られたフェルト
(C)を、ニトリルゴム系接着剤(日立化成ポリマー
(株)製:ハイボン2020S)で貼り合わた金属パネ
ルを製作した。
(C)とガラスウール吸音断熱材(密度48kg/
m3、厚さ50mm)とからなる芯材を、表面側より片
面有孔加工した不燃人工木材(日東紡績(株)製:ファ
イヤロックFK、厚さ8mm、孔径9mm、開孔率29
%)を表面板とし、裏面側より無孔鋼板(厚さ0.5m
m)を裏面板として挟着した構成の防音・断熱・耐火パ
ネル(パネル全厚63mm、重量11kg/m2、12
5Hz〜4000Hz帯での平均吸音率78%、耐火性
能:30分耐火合格)を製作した。
(D)を金属系パネルからなる間仕切り壁のジョイント
部分に充填して使用した。
は、フェルト(C)を、金属折板屋根と金属床板とを建
物の天井及び屋根に施工することにより、適度の断熱防
露性、防音性に加え、電波吸収性能も実施例3のレベル
で得られ、建物空間の効果的な電波吸収シールド施工が
可能となる。実施例6に於いては、得られた金属パネル
を工場、研究施設等の天井屋根一体構造の建物の天井部
位又は、間仕切壁や外壁に施工すると吸遮音による防音
性と断熱性及び耐火性に加え、建物空間の効果的な電波
吸収シールド施工が可能となる。実施例7に於いては、
得られたパネルを劇場、ホールの壁に使用すると、不燃
・耐火・吸音性能に加え、実施例3と同等以上のホール
等の空間の効果的な電波吸収シールド施工が可能とな
る。実施例8に於いては、金属系の間仕切パネルのジョ
イント部分には、一般に軽量無機物成型材からなるジョ
イント材や、難燃低発泡のプラスチック材からなるジョ
イント材が使用されており、電波はジョイント部分を通
して漏洩する。拠って、得られた不燃電波吸収性の金属
貼りフェルトを該ジョイント部分に使用することによ
り、効果的な電波シールドが可能となる。
果の通り不燃1級の性能を備え、吸音性、電波吸収性を
合わせ持ち、しかも柔軟性を有するため、複雑な形状か
らなる建築物の内部構造及び建築部材である天井、壁、
床等の下地材としての機能に対応できる不燃電波吸収性
フェルトとしての効果を有する。
性を有しロールフォーミング等の成型加工に適性を有し
ているため、金属折板屋根、金属床板、防音・断熱・耐
火金属パネル等の金属板を有する建築部材と複合一体化
ができ、建物の天井、屋根、間仕切壁、内外壁等の建築
部位に防音性、断熱性、耐火等の防災安全性に加え、建
物空間に於ける効果的な電波吸収シールドができ、汎用
性のあるシールド工法としての展開を可能ならしめる効
果を有する。又、不燃電波吸収性フェルトの片面に、金
属箔を貼り合わた金属箔貼りフェルトは曲面形状の天
井、壁面、又は金属系パネルからなる間仕切壁のジョイ
ント部分に充填して用いることことができ、建物空間の
補助的電波吸収性シールドを可能ならしめる効果を有す
る。
Claims (6)
- 【請求項1】ショットを分離除去したロックウール80
〜97wt%、結合助剤を添加した有機質樹脂又は有機
質樹脂と熱融着性有機質繊維からなる結合剤2〜10w
t%、導電物質0.25〜8wt%が配合された混合物
の水分散スラリーを湿式抄造して得られる厚み10mm
以下、嵩密度0.4g/cm3以下の無機質繊維フェル
トに、目付け50g/m2以下の有機繊維系不織布を積
層しニードルパンチ加工することを特徴とする不燃電波
吸収性フェルト。 - 【請求項2】前記導電物質が、カーボン粒子又はグラフ
ァイト粒子の配合量1〜20g/l、カーボンチョップ
ドファイバーの繊維長が1〜10mmで配合量が0.1
〜5g/lで構成されていることを特徴とする請求項1
記載の不燃電波吸収性フェルト。 - 【請求項3】前記不燃電波吸収性フェルトを、金属折板
屋根又は金属床板に貼り合わせたことを特徴とする請求
項1又は請求項2に記載の複合パネル。 - 【請求項4】前記不燃電波吸収性フェルトと、板状に形
成された無機質繊維とを積層して芯材として用いるパネ
ルにおいて、パネルの表面側に金属有孔板、裏面側に金
属板を貼り合わせた構造を特徴とする請求項1又は請求
項2に記載の複合パネル。 - 【請求項5】前記不燃電波吸収性フェルトと、板状に形
成された無機質繊維とを積層して芯材として用いるパネ
ルにおいて、パネルの表面側に有孔加工した不燃人工木
材、裏面側に金属板を貼り合わせた構造を特徴とする請
求項1又は請求項2に記載の複合パネル。 - 【請求項6】前記不燃電波吸収性フェルトの片面に、金
属箔を貼り合わた金属箔貼りフェルトを曲面形状の天
井、壁面、又は金属系パネルからなる間仕切壁のジョイ
ント部分に充填して用いることを特徴とする請求項1又
は請求項2に記載の不燃電波吸収性の金属箔貼りフェル
ト。
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---|---|---|---|
JP11400599A JP4226140B2 (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 不燃電波吸収性フェルト及び複合パネルと金属箔貼りフェルト |
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---|---|---|---|
JP11400599A JP4226140B2 (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 不燃電波吸収性フェルト及び複合パネルと金属箔貼りフェルト |
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---|---|
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JP11400599A Expired - Fee Related JP4226140B2 (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 不燃電波吸収性フェルト及び複合パネルと金属箔貼りフェルト |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004063578A (ja) * | 2002-07-25 | 2004-02-26 | Hitachi Chem Co Ltd | 電波吸収体 |
JP2005333125A (ja) * | 2004-04-23 | 2005-12-02 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 電波吸収体およびその製造方法 |
JP2017157697A (ja) * | 2016-03-02 | 2017-09-07 | 株式会社巴川製紙所 | 断熱および電磁波遮蔽用複合シート、並びにその利用 |
CN108716063A (zh) * | 2018-06-25 | 2018-10-30 | 中原工学院 | 一种导电阻燃抗菌纤维水刺非织造防屏蔽材料的制备方法 |
JP2021004315A (ja) * | 2019-06-26 | 2021-01-14 | デンカ株式会社 | 熱膨張性パテ組成物及び目地材 |
-
1999
- 1999-03-18 JP JP11400599A patent/JP4226140B2/ja not_active Expired - Fee Related
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