JP4331934B2 - 内装用塗料組成物及びそれを用いた内装用ボード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の内装材あるいは天井材に使用される内装用塗料組成物及びそれを用いた内装用ボードに関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、快適な居住空間に対する関心が高まる中、内装材については、内壁面の結露防止機能やカビ発生防止機能、あるいは湿度の調整による不快感抑制機能等を有する吸放湿性材料、及び、騒音等の不快感の抑制機能を有する吸音性材料等への期待が高まっている。
【0003】
吸放湿性、吸音性を有する材料としては、石膏ボードが一般的に用いられる。しかし石膏ボードは吸湿性に比べ放湿性に劣るため、近年の高気密性、高断熱性の建築物に施工される場合、室内に発生した湿気がボード内に長期間蓄積され、ボード内の湿気の存在により吸音性が著しく低下し、さらに、室内外での温度差による結露が生じ、その結果、身体に有害なカビやダニなどの発生の原因となり、美観性を著しく損ねてしまう。
カビ等で汚れた石膏ボード表面の美観性を回復するためには、塗料等で改装すればよいが、この場合、塗膜で石膏ボード表面を覆うため通気性がなくなり石膏ボードが有する吸放湿性は失われる恐れがある。また、通気性を失ったボード内の湿気が逃げ場を失い、かつ、石膏ボードの多孔質表面が塗膜で覆われしまうため、吸音性も失われる恐れがある。
【0004】
上記問題を解決する方法として、例えば、特許文献1では、特定粒子径の合成樹脂エマルションと珪藻土を必須成分とする塗料が開示されており、珪藻土を高比率で含有することにより吸放湿性能を発揮させる方法がある。また、特許文献2では、合成樹脂エマルション、珪藻土、及び高吸水ポリマーを含有する塗料が開示されており、珪藻土及び高吸水ポリマーを高比率で含有することによって吸放湿性を発揮させる方法がある。
【0005】
【特許文献1】
特公昭62−15108号公報
【特許文献2】
特開昭62−74966号公報
【0006】
しかし、上記従来技術のような珪藻土を用いた塗料は、汎用塗料に比べると吸放湿性能はあるが、石膏ボードを上回る様な吸放湿性能は得られなかった。また、吸音性能についても石膏ボードを上回る様なものは得られなかった。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、建築物の内装材あるいは天井材に適用可能な、吸放湿性及び吸音性に優れた内装用塗料組成物及びそれを用いた内装用ボードを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.(A)反応性官能基含有合成樹脂エマルション、(B)温度20℃、相対湿度45%における吸湿率5重量%以上の反応性官能基含有吸放湿性高分子粒子、(C)平均粒子径が30μm以上の無機質軽量骨材、(D)(A)及び(B)成分の反応性官能基と反応可能な官能基を有する架橋剤を基本構成とし、各成分の固形分比率が(A)成分100重量部に対し、(B)成分1〜100重量部、(C)成分50〜300重量部、(D)成分0.05〜15重量部であることを特徴とする内装用塗料組成物。
2.1.に記載の内装用塗料組成物により形成される塗膜が基材に積層されたことを特徴とする内装用ボード。
3.基材が石膏ボード、スレート板、珪酸カルシウムボードから選ばれる1種であることを特徴とする2.に記載の内装用ボード。
4.基材が、複数の貫通孔を有することを特徴とする2.または3.に記載の内装用ボード。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態とともに詳細に説明する。
【0011】
本発明の(A)合成樹脂エマルション(以下、「(A)成分」という。)は、(B)吸放湿性高分子粒子(以下、「(B)成分」という。)及び(C)無機質軽量骨材(以下、「(C)成分」という。)を結合させるものである。
【0012】
合成樹脂エマルションとしては、例えば、アクリル樹脂エマルション、シリコン樹脂エマルション、フッ素樹脂エマルション、アクリルシリコン樹脂エマルション、酢酸ビニル樹脂エマルション、塩化ビニル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、ポリビニルアルコール樹脂エマルション、エチレン樹脂エマルション等の1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0013】
また、(A)成分のガラス転移温度(Tg)は、−20〜5℃であることが好ましい。Tgがこのような範囲であれば、揮発性有機化合物(VOC)の一つである造膜助剤を使用しなくても膜形成が可能であり、好ましい。
【0014】
特に(A)成分は反応性官能基含有合成樹脂エマルションであることが好ましい。反応性官能基としては、後述する架橋剤(以下、「D成分」という。)の官能基と反応可能であるものが使用できる。
【0015】
このような官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、等があげられる。
本発明では(A)成分の反応性官能基として、特に、カルボキシル基が好適に用いられる。カルボキシル基含有合成樹脂エマルションは、カルボキシル基を有する単量体(以下、「a成分」という。)を共重合することによって得られる。
【0016】
(a)成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸等、及びこれらのアンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩等があげられる。これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0017】
(A)成分においては、単量体総重量に対し、通常、(a)成分を0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%含有する。(a)成分が40重量%より多い場合は、皮膜の耐水性、密着性も低下する。(a)成分が0.1重量%より少ない場合は、強靭な皮膜を形成することができず、耐水性、耐湿性が低下する。
【0018】
(A)成分において、(a)成分と共重合可能な単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル等があげられる。また、グリシジルアクリレート、グリシジメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ誘導体等を使用することもできる。
【0019】
本発明の(D)成分は、(A)成分及び後述する(B)成分の反応性官能基と反応可能な官能基を有する架橋剤である。本発明組成物においては、(D)成分が含まれることにより、塗膜の強度が向上し、さらには優れた吸放湿性を発揮することができる。(D)成分は、これらの官能基を一分子中に二個以上含むことが望ましい。また、(D)成分の形態としては、エマルションタイプ、水溶性タイプのいずれでもよい。(D)成分の官能基としては、(A)成分及び(B)成分と反応可能なものである限り限定されないが、本発明では特に、カルボキシル基と反応可能な官能基であるカルボジイミド基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基等が好適に用いられる。
【0020】
(D)成分の具体例としては、例えば、カルボジイミド基を含む架橋剤として、特開平10−60272号公報、特開平10−316930号公報、特開平11−60667号公報等に記載のもの等、エポキシ基を含む架橋剤として、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等、アジリジン基を含む架橋剤として、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサメチレンジエチレンウレア、ジフェニルメタン−ビス−4,4’−N,N’−ジエチレンウレア等、オキサゾリン基を含む架橋剤として、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の重合性オキサゾリン化合物を該化合物と共重合可能な単量体と共重合した樹脂等、があげられる。
【0021】
(D)成分の配合量は、固形分換算で(A)成分100重量部に対し、0.05〜15重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。0.05重量部未満の場合は、塗膜強度、吸放湿性が劣る傾向となる。15重量部を超える場合は、コスト上昇に見合う物性の向上が望めない。
【0022】
本発明の(B)成分は、温度20℃、相対湿度45%における吸湿率5重量%以上、好ましくは10%以上の吸放湿性高分子粒子であり、本発明組成物に吸放湿性能を付与する成分である。
【0023】
なお、温度20℃、相対湿度45%における吸湿率とは、試料を50℃で72時間乾燥した後、温度20℃、湿度45%の恒温恒湿器にて24時間吸湿させたときの重量変化より求められる値である。即ち、
吸湿率(重量%)={(吸湿後の重量−乾燥後の重量)/乾燥後の重量}×100
で求められる。
【0024】
本発明の(B)成分は、温度20℃、相対湿度45%における吸湿率が5重量%以上であるかぎり特に限定されないが、反応性官能基含有吸放湿性高分子粒子であることが好ましい。反応性官能基としては、(D)成分の官能基と反応可能であるものが使用でき、(A)成分の反応性官能基と同様の官能基を使用することができる。本発明では、塗膜強度、吸放湿性向上の点から、反応性官能基として、カルボキシル基を含有することが望ましい。
【0025】
(B)成分にカルボキシル基を導入する方法としては、特に限定されないが、例えば、カルボキシル基を有する単量体の単独重合あるいは共重合可能な他の単量体との共重合による方法、(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有単量体と他の単量体との共重合体に加水分解処理を施す方法、アルケン、ハロゲン化アルキル、アルコール、アルデヒド等の酸化による方法、等が挙げられる。(B)成分のカルボキシル基含有量は、1mmol/g以上であることが好ましい。
【0026】
また、(B)成分は、吸放湿性向上の点から、架橋構造を有することが望ましい。このような架橋構造は、重合段階における架橋性単量体の導入、重合後における架橋性化合物の導入等の方法により形成することができる。架橋性単量体としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド等、また、架橋性化合物としては、ヒドラジン系化合物等を好適に用いることができる。
【0027】
(B)成分の粒径は、特に限定されないが、0.1〜100μm程度のものを使用することができる。
【0028】
(B)成分の配合量は、固形分比率で(A)成分100重量部に対し、1〜100重量部、好ましくは10〜60重量部である。1重量部未満の場合は、吸放湿性能が不十分となり、100重量部を超えると、耐水性に悪影響を及ぼす。
【0029】
本発明組成物は、(C)成分を含有することにより、さらに吸放湿性能を向上させることができる。また、吸音率も付与することができ、本発明では特に、高周波領域の吸音効果だけでなく、周波数が1000Hz以下の低周波数領域でも優れた吸音効果を得ることができる。
【0030】
本発明の(C)成分は、平均粒子径が30μm以上の無機質軽量骨材であれば特に限定されないが、例えば、黒曜石、真珠石、バーミキュライト、抗火石、シラス等の天然石の発泡物、ガラス、フライアッシュ等の各種セラミックスの発泡粒状物、軽石、中空バルーン等の軽量粒状物等の1種または2種以上を混合して使用することができる。このうち特に、天然石の発泡物、発泡粒状物を好適に用いることができる。
【0031】
本発明の(C)成分の平均粒子径は30μm以上のものが利用できるが、好ましくは50〜2000μm、さらに好ましくは100〜1000μmのものである。平均粒子径が30μm以上であれば、吸放湿性能及び吸音性能(特に低周波領域での吸音性能)を十分発揮する。平均粒子径が30μm未満であれば、塗膜の通気性が阻害されるため、吸放湿性が劣る場合がある。
【0032】
本発明の(C)成分のかさ比重は特に限定されるものではないが、好ましくは0.02〜0.6g/cm3、さらに好ましくは0.05〜0.5g/cm3のものを使用する。
【0033】
(C)成分の配合量は、固形分比率で(A)成分100重量部に対し、50〜300重量部、好ましくは100〜200重量部である。50重量部未満の場合は、吸放湿性に劣る傾向となりやすい。また、300重量部を超えると、施工時の作業性が低下する。
【0034】
本発明組成物においては、上記成分の他に、充填剤を含有することが好ましい。充填剤としては例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、タルク、チタン酸カリウム、等が挙げられる。特に、水酸化アルミニウムを含有した場合、難燃性、及び乾燥塗膜の割れ防止性を付与することができ、好ましい。
【0035】
充填剤の配合量は、樹脂固形分100重量部に対し、50〜300重量部添加することが好ましい。
【0036】
本発明ではさらに、上記成分の他に、多孔質粉体を含有することが好ましく、吸放湿性と吸音性能をより向上させることができる。このような多孔質粉体としては、例えば、木炭、竹炭の他、鋸屑、パルプ廃液、やし殻、石炭、コークス、石油ピッチ等の炭化物、アロフェン、ゼオライト、セピオライトなどの粘土鉱物あるいは珪藻土などの多孔質粉体等があげられる。特に、竹炭粒状物、アロフェンを好ましく使用することが出来る。
本発明では特に、竹炭を好ましく使用することができる。竹炭は、モウソウチク、マダケ、ハチク、ネマガリダケ等の各品種の竹を、通常300〜1000℃で炭化し、消火・冷却することにより得られるものである。このような竹炭を使用することにより、一段と優れた吸音特性を得ることができ、吸音板の薄厚化にも極めて有効となる。
【0037】
本発明ではさらに、上記成分の他に、有機系、無機系の各種繊維を含有することもできる。有機系繊維としては、例えば、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、カーボン系繊維、パルプ繊維、等があげられる。無機系繊維としては、例えば、ガラス繊維、スラグ繊維、ロックウール、シリカ−アルミナ繊維、アルミニウム繊維、ステンレス繊維等があげられる。このような繊維を含有することにより、形成塗膜の強度をより高めることができる。
繊維の長さは、0.1〜10mm、好ましくは0.5〜5mmの範囲のものが使用できる。
【0038】
また、通常塗料に配合される各種の添加剤、例えば、顔料、骨材、増粘剤、可塑剤、分散剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、凍結防止剤等を本発明の効果を損なわない程度に配合しても良い。
【0039】
この様にして得られた内装用塗料組成物は、基材に塗装し内装用ボードとして建築物内装材、天井材等に使用できる。
【0040】
基材としては、特に限定されないが、石膏ボード、スレート板、珪酸カルシウムボード、押出成形板などの乾式ボード、ベニア板などの木質ボード、アルミニウム板、ステンレス板などの金属ボード等を使用することができる。
主として建築物の内壁面、天井面等に使用する場合は、石膏ボード、スレート板、珪酸カルシウムボード等が好ましく使用できる。
【0041】
基材の厚さは、内装用ボード全体の強度や衝撃による破損を考慮すると1〜30mm、好ましくは5〜15mmの範囲のものを使用することが望ましい。特に30mm以上となるとボード自体の重量が大きくなり、搬送が困難となり、また取り付け施工時の作業性が低下する場合がある。
【0042】
また、基材は、複数の貫通孔を有することが好ましい。貫通孔の孔径としては、特に限定されないが、3〜20mm、好ましくは3〜15mmの範囲であることが好ましい。また、孔の開口する面積は、基材表面に対し、5〜70%、好ましくは10〜30%の範囲になるように設けることが好ましい。孔径が3mm未満、開口する面積が5%未満となると吸音性が低下し、孔径が20mmより大きい場合、開口する面積が70%より大きい場合になるとボードの強度が低下し好ましくない。
【0043】
塗装方法としては、特に限定されないが、基材に直接本発明内装用塗料を塗付する方法等がある。この時、必要であれば本発明の効果を阻害しない程度に、基材に何らかの下地処理を施すこともできる。
【0044】
塗装方法としては、吹付け塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り等特に限定されず使用できる。特に、本発明では、塗料の粘度を15Pa・s〜45Pa・sに調整すれば、建築物の内装材あるいは天井材に対して、よりスムースにローラー塗装できる。
また、ボード等の製造工場で、吹付け塗装、ロールコーター、フローコーター、等の公知の方法で塗装することもできる。
塗付量は0.5〜3.0kg/m2であることが望ましい。
【0045】
さらに、本発明内装用塗料を塗装した後、本発明の効果を損なわない程度に、上塗塗料を塗付することもできる。上塗塗料としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリルシリコン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を複合して用いることができる。
本発明では、上塗塗料として、シリコン樹脂を含むものであれば、吸放湿性、耐侯性に優れ好ましい。
【0046】
本発明の内装用ボードを設置する際には、塗料塗装面が室内側となるようにコンクリート、木材等の剛体に直接密着する方法、剛体との間に空気層を設けて設置する方法等、種々の方法を採用することができる。
【0047】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0048】
表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて塗料を作製した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
(試験体作製)
(実施例1〜6、比較例1〜9)
150×150mmの石膏ボード(板厚9.5mm)にSK水性ホワイトシーラー(アクリル樹脂系下塗材;エスケー化研株式会社製)を温度23℃、相対湿度50%下(以下「標準状態」という)で8時間乾燥を行った後、作製した塗料を1.0kg/m2でローラー施工し、標準状態で14日間乾燥養生して試験体を作製した。
(実施例7)
150×150mmの複数の貫通孔を有する石膏ボード(孔径13.4mm、孔ピッチ24mm、開孔面積24%、板厚9.5mm)にSK水性ホワイトシーラー(アクリル樹脂系下塗材;エスケー化研株式会社製)を標準状態で8時間乾燥を行った後、作製した塗料を1.0kg/m2でローラー施工し、標準状態で14日間乾燥養生して試験体を作製した。
【0052】
(試験方法)
(1)吸放湿性試験
作製した試験体の重量WD 0を測定した後、これを温度20℃、相対湿度90%下で24時間放置後、重量WW1を測定し、続いて、温度20℃、相対湿度45%下で24時間放置し、重量WD2を測定した。同様な操作をもう1回繰り返し、湿潤状態での重量WW2と乾燥状態での重量WD2とを測定した。得られた値を用いて下式により水蒸気吸脱着特性値を算出した。
吸湿量W1(g)=WW1−WD 0
吸湿量W2(g)=WW1−WD 1
吸湿量W3(g)=WW 2−WD 1
吸湿量W4(g)=WW 2−WD 2
吸放湿特性値(g/m2)=(W1+W2+W3+W4)/{4×(試験体面積)}。
評価は、◎:50g/m2以上、○:40〜50g/m2、△:30〜40g/m2、×:30g/m2以下、とし、結果を表3に示す。
なお、石膏ボードのみで測定した吸放湿特性値は19.2g/m2であった。
【0053】
【表3】
【0054】
(2)吸音率
作製した試験体を、ASTM E1050の2マイクロホン法に順じ、50〜1500Hzの周波数範囲で垂直入射吸音率を測定した。試験装置としては、2マイクロホンインピーダンス測定管4206型(ビュルエル・ケアー社製)を使用した。それぞれの試験体について背後空気層を100mm設けた場合の吸音率を測定した。結果を図1〜16に示す。
なお、石膏ボードのみで測定した吸音率は図17、複数の貫通孔を有する石膏ボードのみで測定した吸音率は図18に示す。
【0055】
(実施例1)
本発明の塗料組成物であり、優れた吸放湿性能を示した。また、図1に示すように、低周波領域において高い吸音率を示した。
【0056】
(実施例2)
本発明の塗料組成物であり、優れた吸放湿性能を示した。また、図2に示すように、低周波領域における高い吸音率を示した。
【0057】
(実施例3)
本発明の塗料組成物であり、優れた吸放湿性能を示した。また、図3に示すように、低周波領域における高い吸音率を示した。
【0058】
(実施例4)
本発明の塗料組成物であり、優れた吸放湿性能を示した。また、図4に示すように、低周波領域における高い吸音率を示した。
【0059】
(実施例5)
本発明の塗料組成物であり、優れた吸放湿性能を示した。また、図5に示すように、低周波領域における高い吸音率を示した。
【0060】
(実施例6)
本発明の塗料組成物であり、優れた吸放湿性能を示した。また、図6に示すように、低周波領域における高い吸音率を示した。
【0061】
(実施例7)
本発明の塗料組成物であり、優れた吸放湿性能を示した。また、図7に示すように、低周波領域において高い吸音率を示した。
【0062】
(比較例1)
吸放湿性高分子粒子及び無機質軽量骨材を含有していないため、吸放湿性は低い値となった。また、図8に示すように、低周波領域において低い吸音率を示した。
【0063】
(比較例2)
吸放湿性高分子粒子及び無機質軽量骨材を含有していないため、吸放湿性は低い値となった。また、図9に示すように、低周波領域において低い吸音率を示した。
【0064】
(比較例3)
無機質軽量骨材を含有していないため、吸放湿性に劣る結果となった。また、図10に示すように、低周波領域において低い吸音率を示した。
【0065】
(比較例4)
無機質軽量骨材を含有しておらず、さらに吸湿率が本発明規定より小さいる珪藻土を使用しているため、吸放湿性は低い値となった。また、図11に示すように、低周波領域において低い吸音率を示した。
【0066】
(比較例5)
吸放湿性高分子粒子を含有していないため、図12に示すように、吸放湿性は低い値となった。
【0067】
(比較例6)
吸放湿性高分子粒子を含有しておらず、無機質軽量骨材の粒子径が本発明規定より小さいため、吸放湿性は低い値となった。また、図13に示すように、低周波領域において低い吸音率を示した。
【0068】
(比較例7)
無機質軽量骨材の粒子径が本発明規定より小さいため、吸放湿性に劣る結果となった。また、図14に示すように、低周波領域において低い吸音率を示した。
【0069】
(比較例8)
吸湿率が本発明規定より小さいる珪藻土を使用しているため、図15に示すように、吸放湿性は低い値となった。
【0070】
(比較例9)
吸湿率が本発明規定より小さいる珪藻土を使用し、無機質軽量骨材の粒子径が本発明規定より小さいため、吸放湿性は低い値となった。また、図16に示すように、低周波領域において低い吸音率を示した。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、水蒸気吸放湿性が高く室内の調湿性に優れ、また低周波領域での優れた吸音性能を示すため、結露防止、騒音の侵入の抑制といった室内環境の改善に大きな効果を得ることができる。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図2】本発明実施例2の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図3】本発明実施例3の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図4】本発明実施例4の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図5】本発明実施例5の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図6】本発明実施例6の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図7】本発明実施例7の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図8】本発明比較例1の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図9】本発明比較例2の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図10】本発明比較例3の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図11】本発明比較例4の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図12】本発明比較例5の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図13】本発明比較例6の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図14】本発明比較例7の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図15】本発明比較例8の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図16】本発明比較例9の垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図17】石膏ボードのみの垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
【図18】複数の貫通孔を有する石膏ボードのみの垂直入射吸音率の結果を示すグラフである。
Claims (4)
- (A)反応性官能基含有合成樹脂エマルション、(B)温度20℃、相対湿度45%における吸湿率5重量%以上の反応性官能基含有吸放湿性高分子粒子、(C)平均粒子径が30μm以上の無機質軽量骨材、(D)(A)及び(B)成分の反応性官能基と反応可能な官能基を有する架橋剤を基本構成とし、各成分の固形分比率が(A)成分100重量部に対し、(B)成分1〜100重量部、(C)成分50〜300重量部、(D)成分0.05〜15重量部であることを特徴とする内装用塗料組成物。
- 請求項1に記載の内装用塗料組成物により形成される塗膜が基材に積層されたことを特徴とする内装用ボード。
- 基材が石膏ボード、スレート板、珪酸カルシウムボードから選ばれる1種であることを特徴とする請求項2に記載の内装用ボード。
- 基材が、複数の貫通孔を有することを特徴とする請求項2または3に記載の内装用ボード。
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