JP4484456B2 - 水性塗料組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に建築物や土木構造物等に好適に使用することができる新規な水性塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築物や土木構造物等の表面を構成する基材としては各種材料が使用されている。
これら建築物等の表面に用いられる基材のうち、コンクリート、モルタル等のセメント基材は、基材自体の収縮、基材への荷重等の影響により、経時的にひび割れを生じる場合がある。また、軽量コンクリート板、気泡コンクリート板、サイディングボード、石綿コンクリート板等の建材では、建材どうしの継目部分が温度、湿度等の変化によって変位しやすいという性質を有している。
このような基材に対して硬質の塗料を使用すると、基材の変位に追従できず、塗膜が割れを生じるおそれがある。
これに対し、弾性ないし可撓性を有する塗料(以下単に「弾性塗料」という)は、上述の基材の変位に追従可能な性能を有し、塗膜に割れが発生せず、さらには防水性等を高めることができる点においても好適な材料である。
特開平10−158545号公報には、特定のコアシェル型エマルションと顔料とを主成分とする弾性塗料が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−158545号(特許請求の範囲)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のように、弾性塗料の結合剤として、単にコアシェル型エマルションを使用するのみでは、基材からの水蒸気発生による圧力、熱による塗膜軟化等によって、経時的に塗膜が膨れたり、剥れたりするおそれがある。
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、形成塗膜の膨れ、剥れを防止することが可能な弾性塗料を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者は鋭意検討した結果、特定の合成樹脂エマルションと架橋剤とを組合わせた水性塗料組成物に想到し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.(a)少なくともコア部及びシェル部の2層を含み、前記コア部にエポキシ基、前記シェル部にカルボキシル基を有し、ガラス転移温度が−30〜60℃である多層構造エマルション、
(b)前記(a)成分と反応可能な反応性化合物、
(c)平均粒子径0.1〜500μmの無機質粉粒体、
を含有し、
前記(b)成分として、(b−1)カルボキシル基と反応可能な官能基を有する反応性化合物、及び、(b−2)エポキシ基と反応可能な官能基を有する反応性化合物を含み、(a)成分の固形分100重量部に対する(b)成分の混合量が0.05〜50重量部であり、形成塗膜の顔料容積濃度が10〜70%であることを特徴とする水性塗料組成物。
2.前記(b−1)成分が、エポキシ基を有する反応性化合物であることを特徴とする1.に記載の水性塗料組成物。
3.前記(b−2)成分が、ヒドラジノ基を有する反応性化合物であることを特徴とする1.に記載の水性塗料組成物。
4.さらに、(c)成分の分散剤として、(d)カルボキシル基含有分散剤を含有することを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の水性塗料組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態とともに詳細に説明する。
【0008】
本発明の水性塗料組成物は、
(a)少なくともコア部及びシェル部の2層を含み、前記コア部にエポキシ基、前記シェル部にカルボキシル基を有し、ガラス転移温度が−30〜60℃である多層構造エマルション(以下「(a)成分」という)、
(b)前記(a)成分と反応可能な反応性化合物(以下「(b)成分」という)、
(c)平均粒子径0.1〜500μmの無機質粉粒体(以下「(c)成分」という)、
を必須成分として含有するものである。
【0009】
(a)成分は、バインダーとして機能するものである。
この(a)成分は、少なくともコア部及びシェル部の2層を含む多層構造エマルションである。ここで言うコア部とは、多層構造エマルションの内層部を意味し、最外層部以外の層である。シェル部とは、多層構造エマルションの最外層部を意味するものである。(a)成分は、コア部とシェル部の間に中間部を有する3層構造でもよいし、さらに複数の中間部を有する多層構造であってもよい。
【0010】
(a)成分のコア部にエポキシ基を生成させるためには、コア部を構成するモノマーとしてエポキシ基含有モノマーを使用すればよい。エポキシ基含有モノマーとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。このうち、特にグリシジルメタクリレートが好適である。
【0011】
(a)成分のシェル部にカルボキシル基を生成させるためには、シェル部を構成するモノマーとしてカルボキシル基含有モノマーを使用すればよい。カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等、あるいはこれらのアンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩等が挙げられる。このうち、特にアクリル酸、メタクリル酸から選ばれる1種以上が好適である。
【0012】
上述のエポキシ基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド等のアミノ基含有モノマー;
ビニルピリジン等のピリジン系モノマー;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族モノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有モノマー;
アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等のカルボニル基含有モノマー;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有モノマー;
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系モノマー;
その他、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド、クロロプレン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
【0013】
このうち、シェル部を構成するモノマーとしてアミド基含有モノマーを使用すれば、塗料貯蔵中におけるエポキシ基の反応が十分に抑制され、1液形としての安定性を十分に確保することができる。また、膨れ防止性や剥れ防止性の点においても有利となる。アミド基含有モノマーとしては、特に、アクリルアミド、メタクリルアミドから選ばれる1種以上が好適である。
【0014】
エポキシ基含有モノマーの使用量は、多層構造エマルションを構成する全モノマー量に対し、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%とする。
カルボキシル基含有モノマーの使用量は、多層構造エマルションを構成する全モノマー量に対し、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%とする。
シェル部においてアミド基含有モノマーを使用する場合、その使用量は、多層構造エマルションを構成する全モノマー量に対し0.5〜5重量%が好適である。
コア部とシェル部に用いるモノマーの重量比率は、通常10/90〜90/10程度である。
【0015】
(a)成分の製造方法は特に限定されないが、例えば、乳化重合、ソープフリー乳化重合、分散重合、フィード乳化重合、フィード分散重合、シード乳化重合、シード分散重合等を採用することができる。
【0016】
(a)成分のガラス転移温度(以下「Tg」という)は−30〜60℃、好ましくは−30〜30℃に設定する。Tgが−30℃より低い場合は、形成塗膜の強度が不十分となり、膨れ、剥れ等が発生しやすくなる。Tgが60℃より高い場合は、下地への追従性が低下し、割れが発生しやすくなる。また、十分な密着性能が得られず、膨れ、剥れ等が発生しやすくなる。なお、本発明におけるTgは、Foxの計算式により求められる値である。
(a)成分の平均粒子径は、通常0.05〜0.2μm程度である。
【0017】
本発明組成物における(b)成分は、上述の(a)成分と反応可能な反応性化合物である。この(b)成分は架橋剤として作用するものである。(b)成分としては、カルボキシル基と反応可能な官能基を有する反応性化合物(以下「(b−1)成分」という)、及び/または、エポキシ基と反応可能な官能基を有する反応性化合物(以下「(b−2)成分」という)を使用することができる。なお、本発明における(b)成分は(a)成分とは異なる化合物である。通常は多層構造エマルション以外の化合物を使用する。
【0018】
(b−1)成分における、カルボキシル基と反応可能な官能基としては、例えば、カルボジイミド基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このうち、本発明では特にエポキシ基が好適である。
エポキシ基を有する反応性化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。この他、エポキシ基含有モノマーの重合体(ホモポリマーまたはコポリマー)からなる水溶性樹脂やエマルションを挙げることもできる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
【0019】
(b−2)成分における、エポキシ基と反応可能な官能基としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基、ヒドラジノ基等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このうち、本発明では特にヒドラジノ基が好適である。
ヒドラジノ基を有する反応性化合物としては、例えば、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド等、あるいはヒドラジノ基含有重合体等が挙げられる。
【0020】
(b)成分の混合比率は、使用する(b)成分の反応性の程度等にもよるが、通常(a)成分の樹脂固形分100重量部に対し0.05〜50重量部、好ましくは0.08〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部である。このような範囲内であれば、貯蔵中における(a)成分と(b)成分との反応を十分に抑制することができ、1液形塗料として好適である。
(b)成分として、(b−1)成分と(b−2)成分の両方を使用した場合は、膨れ防止性、剥れ防止性をいっそう高めることができる。下地との密着性を高めることもできる。
【0021】
本発明組成物における(c)成分としては、平均粒子径が0.1〜500μmの範囲内にあるものであれば、その種類については特に限定されず、各種無機質粉体を使用することができる。(c)成分としては、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、陶土、チャイナクレー、硫酸バリウム、炭酸バリウム、珪砂、珪石、珪藻土、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
(c)成分の平均粒子径が0.1μmより小さい場合は、顔料容積濃度を高く設定することが困難となり、塗膜の強靭性が不十分となる。平均粒子径が500μmより大きい場合は、塗膜の弾性が不十分となるおそれがある。好適な平均粒子径は0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜50μmである。
【0022】
このような(c)成分は、形成塗膜における顔料容積濃度が10〜70%となるように配合する。このような顔料容積濃度であれば、強度と弾性のバランスに優れた塗膜を形成することができる。顔料容積濃度が10%より小さい場合は、塗膜の強度が低下するおそれがある。顔料容積濃度が70%より大きい場合は、十分な弾性機能が得られず、下地への追従性が低下するおそれがある。
本発明では、顔料容積濃度を上記範囲内で適宜調整することによって、所望の形態の塗料を得ることができる。例えば、艶有り塗料を得る場合には、顔料容積濃度を10%以上40%未満とすればよい。艶消し塗料や凹凸模様形成用塗料を得る場合には、顔料容積濃度を40%以上70%以下とすればよい。
【0023】
本発明では(c)成分の分散剤として、(d)カルボキシル基含有分散剤(以下「(d)成分」という)を使用することが望ましい。このような分散剤を使用することにより、より強靭な塗膜を形成することが可能となる。
(d)成分としては、例えば、ポリアクリル酸、スチレン−アクリル酸共重合物、スチレン−メタクリル酸共重合物、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合物、スチレン−マレイン酸共重合物、アミレン−マレイン酸共重合物等、あるいはこれらのアンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
(d)成分の使用量は、(c)成分の種類や比表面積等にもよるが、通常(c)成分100重量部に対し0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部程度である。
【0024】
本発明組成物では、上述の成分以外に、通常塗料に配合可能な添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲内で添加することもできる。このような添加剤としては、例えば、触媒、顔料、染料、骨材、艶消し剤、繊維、増粘剤、レベリング剤、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、防腐剤、抗菌剤、防黴剤、分散剤、消泡剤、pH調整剤等が挙げられる。
【0025】
本発明組成物では、上述のような(a)〜(c)成分、必要に応じさらに(d)成分を必須成分として組合わせることにより、形成塗膜の膨れ、剥れを防止することができる。
特に、本発明組成物では、その構成成分による複合的な反応架橋性、すなわち、(a)成分におけるコア部のエポキシ基とシェル部のカルボキシル基との反応架橋性、(a)成分シェル部のカルボキシル基と(b)成分の反応性官能基との反応架橋性、(d)成分を含む場合には(d)成分のカルボキシル基と(b)成分の反応性官能基との反応架橋性によって、強靭な塗膜を形成することができる。このため、通常の合成樹脂に比べ強度や弾性等の温度依存性が小さく、塗膜の膨れや剥れを防止することができる。
【0026】
本発明組成物は、無機質粉粒体の種類や、その顔料容積濃度等を調整することにより、種々の形態の塗料として使用することができる(但し下地調整塗材を除く)。特に本発明組成物は、上塗材として好適に使用することができる。このような上塗材としては、例えば、合成樹脂エマルションペイント、つや有り合成樹脂エマルションペイント、リシン塗料、単層弾性塗材、スタッコ塗料、自然石調仕上塗材、砂岩調仕上塗材等が挙げられる。
【0027】
本発明の塗料組成物は、主に建築物や土木構造物の基材に対して適用することができる。このような基材としては、特に限定されず、例えば、コンクリート、モルタル、金属、プラスチック、あるいはスレート板、押出し成形板、サイディングボード、ALC板等の各種ボード類等が挙げられる。これら基材は既に塗膜が形成されたものであってもよい。本発明組成物を塗装する前に、基材にシーラー、サーフェーサー、フィラー等を塗付しておいてもよい。
【0028】
本発明組成物の塗装においては、公知の塗装器具を用いることができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、刷毛、コテ等を使用することができる。
塗付量は、塗料の使用形態、使用する塗装器具等に応じて適宜設定すればよい。塗装時には水を用いて塗料を希釈することもできる。乾燥時間は、常温で概ね2〜24時間程度である。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をより詳細に示す。
【0030】
(実施例1)
合成樹脂エマルションA200重量部に対し、エポキシ基含有化合物2重量部、無機質粉体A190重量部、無機質粉体B16重量部、分散剤1重量部、造膜助剤22重量部、増粘剤8重量部、消泡剤2重量部を常法により混合・攪拌することによって水性塗料組成物を製造した。
なお、合成樹脂エマルションAとしては、表1に示す組成のものを使用した。その他の原料については、下記のものを使用した。
・エポキシ基含有化合物:ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル
・ヒドラジノ基含有化合物:アジピン酸ジヒドラジド
・無機質粉体A:重質炭酸カルシウム(平均粒子径4μm)
・無機質粉体B:酸化チタン(平均粒子径0.3μm)
・分散剤:スチレン−マレイン酸共重合物(固形分30重量%)
・造膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
・増粘剤:ヒドロキシエチルセルロース3重量%水溶液
・消泡剤:シリコーン系消泡剤
【0031】
【表1】
Figure 0004484456
【0032】
・伸び時の劣化試験
得られた水性塗料組成物について、JIS A6909 7.32「伸び時の劣化試験」に準じて試験を行い、試験片の状態を目視にて確認した。試験結果を表2に示す。なお、評価は、○:異常なし、△:僅かに亀裂発生、×:亀裂発生とした。
【0033】
・温冷繰返し試験
予めリシン塗料が塗付された150×70mmのスレート板に、得られた水性塗料組成物を塗付量1.2kg/mでスプレー塗装し、温度23℃・相対湿度50%RH雰囲気下で14日間養生することにより試験板を作製した。
作製した試験板について、水浸漬(23℃)18時間→−20℃3時間→80℃3時間を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計10サイクル行ない、塗膜の表面状態の変化を目視にて観察した。試験結果を表2に示す。なお、評価は、○:異常なし、△:僅かに膨れ発生、×:膨れ発生とした。
【0034】
【表2】
Figure 0004484456
【0035】
(実施例2)
表2に示す配合に従って水性塗料組成物を製造し、実施例1と同様に試験を行った。実施例2では、実施例1と同様に優れた結果を得ることができた。
【0036】
(実施例3)
表2に示す配合に従って水性塗料組成物を製造し、実施例1と同様に試験を行った。実施例3では、実施例1と同様に優れた結果を得ることができた。
【0037】
(実施例4)
表2に示す配合に従って水性塗料組成物を製造し、実施例1と同様に試験を行った。実施例4では、実施例1と同様に優れた結果を得ることができた。
【0038】
(比較例1〜4)
表2に示す配合に従って水性塗料組成物を製造し、実施例1と同様に試験を行った。比較例1〜4では、いずれの試験においても良好な結果を得ることができなかった。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、形成塗膜の膨れ、剥れを防止することが可能な弾性塗料を得ることができる。

Claims (4)

  1. (a)少なくともコア部及びシェル部の2層を含み、前記コア部にエポキシ基、前記シェル部にカルボキシル基を有し、ガラス転移温度が−30〜60℃である多層構造エマルション、
    (b)前記(a)成分と反応可能な反応性化合物、
    (c)平均粒子径0.1〜500μmの無機質粉粒体、
    を含有し、
    前記(b)成分として、(b−1)カルボキシル基と反応可能な官能基を有する反応性化合物、及び、(b−2)エポキシ基と反応可能な官能基を有する反応性化合物を含み、(a)成分の固形分100重量部に対する(b)成分の混合量が0.05〜50重量部であり、形成塗膜の顔料容積濃度が10〜70%であることを特徴とする水性塗料組成物。
  2. 前記(b−1)成分が、エポキシ基を有する反応性化合物であることを特徴とする請求項に記載の水性塗料組成物。
  3. 前記(b−2)成分が、ヒドラジノ基を有する反応性化合物であることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  4. さらに、(c)成分の分散剤として、(d)カルボキシル基含有分散剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水性塗料組成物。
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