JP2013001778A - 防水材及び防水層の改修方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の防水材は、Tgが−40℃〜−20℃であるコアシェル型エマルション、吸油量が10〜40mg/100gである体質顔料、及びカーボンブラック以外の着色顔料を含有する防水材であって、その日射反射率が50%以上であることを特徴とする。また、本発明の防水層の改修方法は、前記防水材を施工することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
水系塗材においては、低温での伸びを出すために塗材を構成するエマルションのガラス転移温度(以下、Tg)を低く設定することが一般的に行われている。また、屋外建築物の屋根を中心として、中空バルーン等の添加等により近赤外線等を反射することで遮熱性を付与する試みがなされている。
しかし、防水材に高沸点溶剤を入れることで塗膜自体は軟らかくなるが、その一方で加熱伸縮性状が悪くなることが本発明者らにより明らかとなった。このような防水材は、塩化ビニルシートからなる防水層の改修には適さず、伸縮によるストレスから塩化ビニルシートに破断が生じてしまう。
特許文献2の防水材は、中空バルーンを添加する方法によって、遮熱性を付与している。
しかし、防水材に中空バルーンを添加した場合、防水性能を左右する塗膜の伸び、強度が低下する。また、トップコートに中空バルーンを添加した場合、トップコート自体の膜厚が薄いため期待する効果が得られにくい。
特許文献3は、反射率の高い白色塗膜の上に透過率の高い材料を塗布することにより、遮熱性を付与する工法である。
しかし、透過率が高い材料を塗布する場合は、隠蔽性が不足するため、仕上がりに影響を与える。
(2)本発明の防水材は、前記コアシェル型エマルションを40〜70質量%、前記体質顔料を10〜40質量%、及び前記着色顔料を3.8質量%以上含有することが好ましい。
(3)本発明の防水材は、前記着色顔料が二酸化チタンであることが好ましい。
(4)本発明の防水材は、前記体質顔料の平均粒径が2〜20μmであることが好ましい。
(6)本発明の防水層の改修方法は、トップコートを防水層に施工する工程を有することが好ましい。
(7)本発明の防水層の改修方法は、前記防水層が塩化ビニルシートからなることが好ましい。
(8)本発明の防水層の改修方法は、前記防水層がFRPからなることが好ましい。
(9)本発明の防水層の改修方法は、前記防水層がウレタン防水材からなることが好ましい。
(10)本発明の防水層の改修方法は、前記防水層が合成ゴムシートからなることが好ましい。
また、本発明の防水材によれば、遮熱性に優れているため、防水材に中空バルーンなどの塗膜物性に影響を与えるものを添加する必要のないことから、塗膜物性を好適に調整可能である。
更に本発明の防水材を中塗り材として使用することにより、通常の遮熱性を持つトップコートを塗布する工法よりも優れた遮熱性を付与するこができる。
本発明の防水材は、Tgが−40℃〜−20℃であるコアシェル型エマルション、吸油量が10〜40mg/100gである体質顔料、及びカーボンブラック以外の着色顔料を含有する防水材であって、その日射反射率が50%以上である。
ここでいう日射反射率とは、JIS K 5602で求められる近赤外域の日射反射率である。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
ビニルエステルやアリル化合物としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレート等が挙げられる。
ニトリル基含有ビニル系単量体としては、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
エポキシ基含有ビニル系単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基含有ビニル系単量体としては、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシスチレン、アロニクス5700(東亜合成化学(株)製)、placcelFA−1、placcelFA−4、placcelFM−1、placcelFM−4(以上、ダイセル化学(株)製)、HE−10、HE−20、HP−10、HP−20(以上日本触媒(株)製)、ブレンマーPEPシリーズ、ブレンマーNKH−5050、ブレンマーGLM(以上日本油脂(株)製)、水酸基含有ビニル系変性ヒドロキシアルキルビニル系モノマー等が挙げられる。
その他の単量体としては、東亜合成化学(株)製のマクロモノマーである、AS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5などの化合物、ビニルメチルエーテル、プロピレン、ブタジエン等が挙げられる。
前記ビニル系単量体としては、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−スルホエチルメタクリレートナトリウム、2−スルホエチルメタクリレートアンモニウム、ポリオキシアルキレン鎖を有するビニル系単量体が挙げられる。
ポリオキシアルキレン鎖を有するビニル系単量体としては、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
アンモニウム塩としては、イミダゾリンラウレート、アンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。
本発明の防水材においては、Tgが−40℃〜−20℃であるコアシェル型エマルションを用いているため、引張強度を上げる目的で体質顔料を加えるが、塗膜防水材としての要求性能である伸びも確保する必要がある。
尚、本発明における体質顔料の吸油量は、JIS K 5101の規定に準拠した煮あまに油法によって測定して求められるものである。
本発明の防水材は、カーボンブラック以外の着色顔料を含有し、カーボンブラックを実質的に含有しない。ただし、防水材の日射反射率が50%以上となるように配合する必要があり、80%以上が特に好ましい。尚、本発明における日射反射率とは、JIS K 5602で求められる近赤外域における日射反射率である。
着色顔料としては、例えば、ニ酸化チタン等の白色顔料;鉄黒、アニリンブラック、銅・クロムブラック、コバルトブラック、銅・マンガン・鉄ブラック等の複合酸化物系顔料などの黒色顔料;黄色酸化鉄、チタンイエロー、モノアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アゾメチンイエロー、ビスマスバナデート、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ベンジジンイエロー、パーマネントイエロー等の黄色顔料;パーマネントオレンジ等の橙色顔料;赤色酸化鉄、ナフトールAS系アゾレッド、アンサンスロン、アンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドン系赤顔料、ジケトピロロピロール、ウォッチングレッド、パーマネントレッド等の赤色顔料;コバルト紫、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等の紫色顔料;コバルトブルー、フタロシアニンブルー、スレンブルーなどの青色顔料;フタロシアニングリーンなどの緑色顔料などを挙げることができ、二酸化チタンが好ましい。
光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム粉、ブロンズ粉、銅粉、錫粉、リン化鉄、亜鉛粉等のメタリック顔料;金属酸化物コーティング雲母粉、マイカ状酸化鉄等の真珠光沢調顔料などを挙げることができる。
また、本発明においては、可塑成分として高沸点溶剤を加えてもよい。
前記高沸点溶剤としては、例えば、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエーテルポリオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールノルマルブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエステル等が挙げられ、沸点200℃以上のものが好ましく、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールノルマルブチルエーテルがより好ましく、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート特に好ましい。
かかる高沸点溶剤については、防水材に可塑性を付与する観点から使用してもよいが、加熱伸縮の観点から使用しないほうがよい。
本発明において、形成塗膜の仕上がり性、塗料製造段階において発生する泡を抑制、破泡する等を目的として消泡剤を含有することが好ましい。
本発明においては消泡剤として、疎水性シリカ又は脂肪族アミド消泡剤、鉱油やシリコーンオイル、シリコーンエマルション、ポリオルガノシロキサン化合物等のシリコン化合物が挙げられ、脂肪族アミド消泡剤が好ましい。
また、本発明において、塗布作業性、顔料沈降防止等の観点から粘性調整剤を含むことが好ましい。
また、本発明において、分散剤を含むことが好ましい。
前記分散剤の使用量としては、0.1〜5質量%の範囲内であることが好ましく、0.5〜1.5質量%の範囲内であることがより好ましい。
本発明の防水材に配合可能な有機溶剤としては、エステル類、エーテル類、ケトン類、アルコール類などが挙げられ、アルコール類が好ましい。
本発明の防水材は、必要に応じて、硬化触媒、芳香剤、脱臭剤、抗菌剤、中和剤、界面活性剤、水性撥水剤、防腐剤、防カビ剤、防藻剤、凍結防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、低汚染化剤、可塑剤等の塗料用添加剤を含有することができる。
本発明の防水材を適用することのできる素材(被塗物)としては、特に限定されず、具体的には、モルタル、コンクリート、ALC(軽量気泡コンクリート)、ウレタン、アクリルウレタン、塩化ビニル、FRPを含む各種プラスチック、合成ゴム、砂付きルーフィング、等が挙げられる。
本発明の防水材のみを施工しても十分遮熱効果が得られるが、特に遮熱性が求められる金属屋根に対して、錆止め塗料を塗布した後に、本発明の防水材を施工してもよい。この場合、錆止め塗料としては、2液反応硬化型エポキシ変性錆止め塗料が好ましい。
ただし、本発明の防水層の改修方法としては、防水層にトップコート由来の性質を付与するために、トップコートを防水層に施工する工程を有していてもよく、多様な色彩の外観を得るために、遮熱性を有するトップコートを塗布することがより好ましい。
本発明の防水層の改修方法は、前記本発明の防水材を塩化ビニルシートからなる防水層(以下、塩化ビニルシート防水層)表面に直接施工する方法である。
雨水、風、日射等により経年劣化した塩化ビニルシート防水層の改修方法としては、既設防水層の上に新たに塩化ビニルシートを施工する方法や、劣化した塩化ビニルシートを撤去した後に新たに塩化ビニルシートを施工する方法が挙げられる。
既設防水層の上に新たに塩化ビニルシートを施工する方法においては、新設防水層と既設防水層との間に生じる膨れを考慮しなければならない点に難がある。
劣化した塩化ビニルシートを撤去した後に新たに塩化ビニルシートを施工する方法においては、撤去後、ポリマーセメントやポリマーモルタル等により被補修面を平滑に仕上げる等の下地処理を行う必要があり、作業に熟練を要する。
さらに、接着剤を用いて施工する場合には、接着剤の臭気が環境面から問題となっている。
更に、防水層に用いる塩化ビニルシートは浮かし張りにより施工されていることが多く、ウレタン塗膜防水の経年劣化による収縮や液状の超速硬化ウレタン塗布時の加温により、塩化ビニルシートに過剰なストレスがかかり、施工後に塩化ビニルシートの膨れや破断が生じやすいといった問題点がある。
本発明の防水材は、付着性、耐候性、加熱伸縮性能に優れている。そのため、本発明の防水層の改修方法によれば、防水材施工前のプライマーの塗布が不要である。またトップコートが不要であり、施工後に塩化ビニルシートに物理的なストレスが生じることがない。
更に、本発明の防水材は水性であるため、塩化ビニルシートを劣化させる恐れがない。
本発明の防水層の改修方法は、前記本発明の防水材をFRPからなる防水層(以下、FRP防水層)表面に直接施工する方法である。
近年、建造物の屋上、ベランダ等には、前記FRP防水施工が施されている。このような建造物に施工されたFRP防水層が経年劣化した場合、既設のFRP防水層の上に新たにFRPを施工するのが一般的である。
しかしながら、FRP防水施工は上記構成からなる工法であるため、前記施工方法には臭気や混合攪拌の手間、硬化不良等の問題があり、更に、作業に熟練を要する。
本発明の防水材は、一液型水性塗材であり、ローラー刷毛により塗布可能であるため、本発明のFRP防水層の改修方法によれば、前記問題点を全て解消することができる。
対策としては、接着性に優れたプライマーを防水層表面に塗布した後に、前記塗膜防水材を接着させる方法や、サンディングにより前記防水層表面を目荒らしした後、前記塗膜防水材を物理的に接着させる方法が挙げられる。
しかしながら、環境汚染を考慮して水性プライマーを用いる場合、前記水性プライマーは接着性を十分に満たさない。また、目荒らしをする場合、ガラス繊維が飛散するため施工時に難がある。
本発明の防水材は、付着性及び耐候性に優れているため、本発明のFRP防水層の改修方法によれば、塗膜防水材施工前のプライマーの塗布及び塗膜防水材施工後のトップコート処理が不要である。更に、本発明の防水材は水性であるため、居住環境での改修においても安全に作業をすることができる。
本発明の防水層の改修方法は、前記本発明の防水材をウレタン塗膜防水材からなる防水層(以下、ウレタン塗膜防水層)表面に直接施工する方法である。
上述したように、本発明の防水材は、既存のウレタン塗膜に対しても付着性に優れている。よって、本発明のウレタン塗膜防水層の改修方法によれば、塗膜防水材施工前のプライマーの塗布が不要である。
本発明の防水層の改修方法は、前記本発明の防水材を合成ゴムシートからなる防水層(以下、合成ゴムシート防水層)表面に直接施工する方法である。
上述したように、本発明の防水材は、合成ゴムに対しても付着性に優れている。よって、本発明の合成ゴムシート防水層の改修方法によれば、塗膜防水材施工前のプライマーの塗布が不要である。
コアシェル型エマルション組成物(ダウコーティングマテリアルズ社製、エラスティン2885)58.4質量%、分散剤(ダウコーティングマテリアルズ社製;プライマル850FF)0.9質量%、二酸化チタン7.7部質量%、炭酸カルシウム(平均粒径5.4μm、吸油量24mg/100g)26.9質量%および消泡剤0.8質量%を混合分散して、分散ペーストを調製した。さらに、消泡剤を0.2質量%、増粘剤0.2質量%と分散ペーストを混合撹拌して、実施例1の防水材を得た。尚、カーボンブラックの含有率は0質量%である。
(1) 標準養生後の付着
実施例1の防水材を基材に塗布後、23℃、50%RH中で24時間養生し、(3)に示す付着試験を行った。
(2) 耐水試験後の付着
(1)の試験後、実施例1の防水材を塗布した基材を水に24時間浸漬し、取り出した後、23℃、50%RH中で24時間養生し、(3)に示す付着試験を行った。
(3)付着試験方法(JIS K 5600−5−6に準拠)
基材に形成させた塗膜にカッターで、2mm幅の碁盤目状の切込みを100マス分入れた。切り込みの上にセロハンテープを貼り、そのセロハンテープをすばやく剥がし、100マス中何マス剥がれたかを確認した。表中、剥がれたマス数/100マスを記載した。
(1) 日射反射率(JIS K 5602に準拠)
実施例1の防水材をJIS K 5600−4−1の4.1.2に規定する隠ぺい率試験紙に塗布し、黒部塗面に関して分光光度計で測定し、JIS K 5602による近赤外域における日射反射率を記載した。
比較例1としてアトミクス社製、アトレーヌ水性トップLを用いた。
比較例2として東亜合成社製、アロンコートを用いた。
(1) 汚染性試験
実施例1及び比較例1〜2の塗料を30milアプリケーターで塗布し、各温度で1週間養生した。その後、カーボン紙を塗膜上に置き、その上に500gの錘を24時間載せ、カーボン紙の張り付き状況を下記基準で目視評価した。
○:張り付きが全くない
△:張り付きが目立たない程度にある
×:張り付きが目立つ
コアを有しない構造でTgが約20℃の樹脂(ボンコートYG−609(DIC(株))Tg19℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で防水材を得た。
コアを有しない構造でTgが約0℃の樹脂(ボンコート550EF(DIC(株))Tg0℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で防水材を得た。
コアを有しない構造でTgが約−20℃の樹脂(アクロナールYJ−2741D(BASFジャパン(株))Tg−14℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で防水材を得た。
コアを有しない構造でTgが約−40℃以下の樹脂(ポリゾールAP−5575(昭和高分子(株))Tg−60℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で防水材を得た。
(1) 塗膜強度
塗膜引張強度を下記基準で評価した。
○:23℃引張試験測定値に対する−20℃引張測定値の比率が100%以上400%以下、且つ23℃引張試験測定値に対する60℃引張測定値の比率が30%以上
△:23℃引張試験測定値に対する−20℃引張測定値の比率が401%以上500%以下、且つ23℃引張試験測定値に対する60℃引張測定値の比率が30%以上
×:23℃引張試験測定値に対する−20℃引張測定値の比率が501%以上、且つ23℃引張試験測定値に対する60℃引張測定値の比率が30%以上
−20℃における塗膜引張伸び率を下記基準で評価した。
○:70%以上
△:60%以上70%未満
×:60%未満
(3) 付着性
塩ビシートに対する付着性を上述した付着試験方法を用いて評価した。
○:剥がれたマス数が10マス以下/100マス
△:剥がれたマス数が11マス以上30マス以下/100マス
×:剥がれたマス数が31マス以上/100マス
(4) 耐汚染性
表3に示される試験項目の記載と同様であるため、省略する。
炭酸カルシウム(平均粒径5.4μm、吸油量24mg/100g)を30.3質量%
用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗料を得た。
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを2質量%用いた以外は、実施例2と同様の方法で防水材を得た。
(1) 加熱伸縮性能試験
JIS A 6021に準拠し、80℃で168時間加熱後、測長器で塗膜の長さを測定し、加熱処理前の塗膜の長さに対する伸縮率を算出した。
消泡剤として脂肪族アミノ酸を1質量%、ポリシロキサンを1質量%用いた以外は、比較例7と同様の方法で塗料を得た。
(1) 増粘性試験
防水材を入れた容器を55℃で14日間養生する。その後、粘度測定を行った。
炭酸カルシウム(平均粒径1.0μm、吸油量27mg/100g)を30.3質量%
用いた以外は、比較例8と同様の方法で防水材を得た。
(1)アルカリ処理後の引張性能試験
JIS A6021建築用塗膜防水材屋根用アクリルゴム系に準拠し、アルカリ処理後、引張試験機で、樹脂の引張強さを測定し、引張性能の引張強さに対する比(百分率)の平均値を示した。
表8に示されるように、炭酸カルシウムと二酸化チタンの比率以外は、実施例1と同様の方法で比較例11、実施例3、4の防水材を得た。
表8に示されるように、近赤外線を吸収するカーボンブラックを0.15質量%加えた以外は、実施例1と同様の方法で防水材を得た。
(1) 日射反射率測定
JIS R 5602に準拠して測定し、近赤外域の日射反射率を求め記載した。
(2) ランプ照射試験
図1のように、乾燥した塗膜に100Wのハロゲンランプを照射し、それぞれの塗膜表面温度を表8に示す表面温度℃「単体」の欄に、記載した。また、実施例1、3、4及び比較例11、12の防水材を塗布した基材にアトミクス(株)製アトムレイズ水性トップSGのトップコートを塗布した。これらの塗膜について、同様に(2)ランプ照射試験を行い、その表面温度を測定した。結果を表8に示す表面温度℃「トップコート塗布」の欄に示した。
また、実施例1、3、4の防水材は、日射反射率が低い比較例11、12の防水材を使用したときと比べて、遮熱性を有するトップコートを使用したときでも、表面温度を低減させる効果が顕著に見られることが確認された。
比較例10として、アトミクス(株)製イージーワンスーパー(ウレタン塗膜防水材)を用いた。
これらの塗膜について、同様に(1)日射反射率測定(2)ランプ照射試験を行い、結果を表9に示した。
Claims (10)
- Tgが−40℃〜−20℃であるコアシェル型エマルション、吸油量が10〜40mg/100gである体質顔料、及びカーボンブラック以外の着色顔料を含有する防水材であって、その日射反射率が50%以上であることを特徴とする防水材。
- 前記コアシェル型エマルションを40〜70質量%、前記体質顔料を10〜40質量%、及び前記着色顔料を3.8質量%以上含有する請求項1に記載の防水材。
- 前記着色顔料が二酸化チタンである請求項1又は2に記載の防水材。
- 前記体質顔料の平均粒径が2〜20μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の防水材。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の防水材を防水層に施工することを特徴とする防水層の改修方法。
- トップコートを防水層に施工する工程を有する請求項5記載の防水層の改修方法。
- 前記防水層が塩化ビニルシートからなる請求項5又は6に記載の防水層の改修方法。
- 前記防水層がFRPからなる請求項5又は6に記載の防水層の改修方法。
- 前記防水層がウレタン塗膜防水材からなる請求項5又は6に記載の防水層の改修方法。
- 前記防水層が合成ゴムシートからなる請求項5又は6に記載の防水層の改修方法。
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