JP2004000940A - 断熱性塗膜の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)ガラス転移温度が−50〜30℃であり、反応性官能基を有する架橋反応型合成樹脂エマルション、(b)中空粒子、及び(c)赤外線反射性粉体を含有し、その重量比率が(a)成分の固形分100重量部に対し(b)成分0.5〜200重量部、(c)成分1〜400重量部である水性断熱性塗料を塗付した後、水蒸気透過性を有する水性上塗塗料を塗付する。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の外装面等に適用可能な断熱性塗膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の外装面に塗装を施すことによって、建築物の躯体を保護したり、美観性を向上させたりすることが行われている。このうち、建築物の温度上昇を防止し、冷房使用量の低減やヒートアイランド現象の抑制等を図ることを目的とした塗装方法が注目されている。
【0003】
特開平1−126376号公報(従来技術1)、特開平1−263163号公報(従来技術2)では、構造物基体に対し、下層としてガラスバルーン、シラスバルーン、樹脂バルーン等の球状中空体を含む断熱性塗料を塗装した後、上層として太陽熱遮蔽顔料を含む塗料を塗装する方法が開示されている。これらの公報に記載されている断熱性塗料のバインダーには、いずれも溶剤系樹脂として認識されるものが使用されている。
特開平11−90328号公報(従来技術3)、特許第2953576号公報(従来技術4)、特許第3001863号公報(従来技術5)では、下層として中空ビーズを分散させた断熱性塗料を塗装した後、上層として高反射・高放射性の上塗塗料を塗装する方法が開示されている。従来技術3〜5の実施例では、フッ素樹脂溶液とポリイソシアネート溶液とからなる溶剤系樹脂が、断熱性塗料のバインダーとして用いられている。
【0004】
上記従来技術1〜5では、いずれも断熱性塗料によって形成される断熱層が下層として採用されている。これら従来技術において、建築物の温度上昇防止効果を高めるためには、断熱層の膜厚を厚くすることが有効である。
【0005】
しかし、溶剤系樹脂をバインダーとする塗料では、塗装時に有機溶剤が大気中へ放出されてしまうおそれがある。厚膜の塗膜を形成しようとすれば、その膜厚に比例して有機溶剤の放出量も増加してしまう。一般に、塗料中の有機溶剤は、光化学スモッグや地球温暖化の原因物質のひとつとして挙げられている物質であることから、このような物質を使用することは近年の環境保護意識の高まりからすれば好ましいものとは言えない。また、溶剤系樹脂をバインダーとする塗料は、一度の塗装では厚膜の塗膜を形成しにくいという欠点もある。
【0006】
これに対し、水性系樹脂をバインダーとする塗料では、樹脂液自体が高いチクソトロピー性を有するため、比較的容易に厚塗り塗膜を形成することができる。しかし、水性系樹脂では水が多く含まれるため、溶剤系樹脂に比べ塗膜の乾燥硬化に時間を要する。塗膜が完全に乾燥硬化する前に上塗塗料を塗装すると、塗膜内部に水分が残存してしまう。また、水性系樹脂の造膜性を高めるために、一般に造膜助剤と呼ばれる高沸点有機溶剤が使用されているが、この高沸点有機溶剤も塗膜内部に残存しやすい性質を有している。塗膜中に残存したこのような水分や高沸点有機溶剤は、温度上昇によって揮発し、塗膜の膨れ、剥れ等を引き起こすおそれがある。
【0007】
一方、上記従来技術では、いずれも太陽光を反射可能な上塗塗料が採用されており、一般の塗料と比較すれば、塗膜の温度上昇の程度を小さく抑えることが可能である。しかし、下層の断熱層の膜厚を厚くして断熱性能を高めると、上塗塗膜で発生した熱が下層の方向に伝導・拡散することができなくなり、上塗塗膜の温度上昇を招いてしまう。すなわち、下層の断熱性能の向上は、上塗塗膜に対する熱的負荷を増大させてしまうものとなる。このような上塗塗膜に対する熱的負荷の増大は、塗膜の膨れ、剥れ等を引き起こす原因となる。特に、上述のように下層の断熱層に水分等が残存する場合は、その水分等の揮発が膨れ発生や剥れ発生を助長するため、問題発生の確率が極めて高くなる。
【0008】
建築物の温度上昇防止効果を高めるためには、断熱層における中空体の含有比率を上げることも有効である。しかしながら、単に中空体の含有比率を上げてしまうと、樹脂比率が低下することとなり、断熱層自体の凝集力が低下したり、断熱層と上塗塗膜との密着性を確保することが困難となり、塗膜の膨れ、剥れ等の問題も発生しやすくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、建築物外装面の表面に対し、比較的少ない工程でmmオーダーの厚膜の塗膜が形成でき、かつその形成塗膜における膨れ、剥れ等の発生を防止することができ、長期にわたって安定した断熱性能を発揮することが可能な断熱性塗膜の形成方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するため本発明者は鋭意検討を行い、結合剤として特定の架橋反応型合成樹脂エマルションを使用した水性断熱性塗料を塗付した後、水蒸気透過性を有する水性上塗塗料を塗付する塗膜形成方法に想到し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は下記の特徴を有するものである。
1.建築物外装面の表面に対し、
(a)ガラス転移温度(以下「Tg」という)が−50〜50℃であり、反応性官能基を有する架橋反応型合成樹脂エマルション、(b)中空粒子、及び(c)赤外線反射性粉体を含有し、その重量比率が(a)成分の固形分100重量部に対し(b)成分0.5〜200重量部、(c)成分1〜400重量部である水性断熱性塗料を塗付した後、
水蒸気透過性を有する水性上塗塗料を塗付することを特徴とする断熱性塗膜の形成方法。
2.前記(a)成分が、Tgが−50〜50℃であり、エポキシ基を有する架橋反応型合成樹脂エマルションであることを特徴とする1.に記載の断熱性塗膜の形成方法。
3.前記(a)成分が、Tgが−50〜50℃であり、エポキシ基と反応可能な官能基を有する架橋反応型合成樹脂エマルションであることを特徴とする1.に記載の断熱性塗膜の形成方法。
4.前記(a)成分が、少なくともコア部及びシェル部の2層を含み、前記シェル部のTgが−20〜50℃、前記コア部のTgが−50〜20℃で、前記シェル部のTgが前記コア部のTgよりも高く、前記コア部にエポキシ基を有し、前記シェル部に該エポキシ基と反応可能な官能基を有する架橋反応型多層構造エマルション
であることを特徴とする1.に記載の断熱性塗膜の形成方法。
5.前記水性上塗塗料のJIS K5400 8.17−1990による水蒸気透過度が40g/m2・24h以上であることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の断熱性塗膜の形成方法。
6.前記水性上塗塗料が、(p)合成樹脂エマルション、(q)赤外線反射性粉体及び/または赤外線透過性粉体を含有するものであることを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の断熱性塗膜の形成方法。
7.前記水性上塗塗料が、(p−1)固形分中のシリカ残量比率が0.1〜50重量%である合成樹脂エマルション、(q)赤外線反射性粉体及び/または赤外線透過性粉体を含有するものであることを特徴とする1.〜6.のいずれかに記載の断熱性塗膜の形成方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態とともに詳細に説明する。
【0013】
本発明における断熱性塗料は、
(a)Tgが−50〜50℃であり、反応性官能基を有する架橋反応型合成樹脂エマルション(以下「(a)成分」という)、
(b)中空粒子(以下「(b)成分」という)、及び
(c)赤外線反射性粉体(以下「(c)成分」という)
を必須成分として含有するものである。
【0014】
断熱性塗料における(a)成分は、反応性官能基を有する架橋反応型合成樹脂エマルションである。この(a)成分は、少なくとも1種の反応性官能基を有し、塗膜形成時または塗膜形成後において、該反応性官能基と反応可能な官能基との反応によって架橋構造を形成するものである。該反応性官能基と反応可能な官能基は、(a)成分中に含まれていてもよいし、別途混合する架橋剤中に含まれていてもよい。
このような反応性官能基の組合せとしては、例えば、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルコキシル基どうし等があげられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
【0015】
(a)成分のTgは−50〜50℃、好ましくは−40〜20℃に設定する。Tgが−50℃より低い場合は、断熱層の強度が不十分となり、膨れ、剥れ等が発生しやすくなる。Tgが50℃より高い場合は、十分な密着性能が得られず、膨れ、剥れ等が発生しやすくなる。また、下地への追従性が低下し、割れが発生しやすくなる。なお、本発明におけるTgは、Foxの計算式により求められる値である。
(a)成分の平均粒子径は、通常0.05〜0.2μm程度である。
【0016】
(a)成分を構成するモノマーとしては、種々のモノマーを使用することができる。使用可能なモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等のカルボキシル基含有モノマー;
N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド等のアミノ基含有モノマー;
ビニルピリジン等のピリジン系モノマー;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族モノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有モノマー;
アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等のカルボニル基含有モノマー;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有モノマー;
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系モノマー;
その他、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド、クロロプレン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
【0017】
本発明では、(a)成分においてそのTgを特定の値とし、さらに反応性官能基による架橋構造を形成させることにより、断熱性塗膜の強度が向上し、かつ断熱性塗膜における水蒸気透過性が高まり、塗膜中の水分や高沸点有機溶剤等を拡散または放散する効果が高まる。さらに、反応性官能基による架橋反応性は、上塗塗料との密着性を高める効果も有する。本発明では、このような効果によって、膨れ防止性や剥れ防止性を発揮することが可能となる。また、本発明では(a)成分を使用することにより、強度、耐水性、耐衝撃性、耐アルカリ性等の塗膜物性を高めることもできる。
【0018】
本発明において好適な(a)成分のひとつとして、(a−1)エポキシ基を有する架橋反応型合成樹脂エマルション(以下「(a−1)成分」という)が挙げられる。(a−1)成分は、上記モノマーのうち、エポキシ基含有モノマーを必須成分として共重合することにより得ることができる。エポキシ基と反応可能な官能基としては、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。エポキシ基と反応可能な官能基は、(a−1)成分中に含まれていてもよいし、別途混合する架橋剤中に含まれていてもよい。
【0019】
上記(a−1)成分の他に、本発明において好適な(a)成分としては、(a−2)エポキシ基と反応可能な官能基を有する架橋反応型合成樹脂エマルション(以下「(a−2)成分」という)が挙げられる。(a−2)成分は、上記モノマーのうちカルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、ピリジン系モノマーから選ばれる1種以上を必須成分として共重合することにより得ることができる。(a−2)成分を使用する場合、エポキシ基は(a−2)成分中に含まれていてもよいし、別途混合する架橋剤中に含まれていてもよい。
【0020】
本発明において最も好適な(a)成分としては、(a−3)少なくともコア部及びシェル部の2層を含み、前記シェル部のTgが−20〜50℃(好ましくは−20〜20℃)、前記コア部のTgが−50〜20℃(好ましくは−40〜0℃)で、前記シェル部のTgが前記コア部のTgよりも高く、前記コア部にエポキシ基を有し、前記シェル部に該エポキシ基と反応可能な官能基を有する架橋反応型多層構造エマルション(以下「(a−3)成分」という)が挙げられる。
【0021】
この(a−3)成分は、少なくともコア部及びシェル部の2層を含む多層構造エマルションである。ここで言うコア部とは、多層構造エマルションの最内層部を意味し、シェル部とは、多層構造エマルションの最外層部を意味するものである。この(a−3)成分は、コア部とシェル部の間に中間部を有する3層構造でもよいし、さらに複数の中間部を有する多層構造であってもよい。
本発明では、(a−3)成分を使用することにより、断熱性塗膜の強度や水蒸気透過性、さらには上塗塗料との密着性を向上させることができ、膨れ防止性や剥れ防止性をいっそう高めることが可能となる。
【0022】
(a−3)成分のコア部にエポキシ基を生成させるためには、コア部を構成するモノマーとして、上記モノマーのうちエポキシ基含有モノマーを使用すればよい。エポキシ基含有モノマーとしては、特にグリシジルメタクリレートが好適である。
【0023】
(a−3)成分のシェル部にエポキシ基と反応可能な官能基を生成させるためには、シェル部を構成するモノマーとして、上記モノマーのうちカルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、ピリジン系モノマーから選ばれる1種以上を使用すればよい。このうち、本発明ではカルボキシル基含有モノマーが好適である。カルボキシル基含有モノマーとしては、特にアクリル酸、メタクリル酸から選ばれる1種以上が好適である。
また、シェル部を構成するモノマーとしてカルボキシル基含有モノマー等を使用する場合は、アミド基含有モノマーを併用することが望ましい。このようなアミド基含有モノマーを使用することにより、塗料貯蔵中におけるエポキシ基の反応が十分に抑制され、膨れ防止性や剥れ防止性の点においても有利となる。アミド基含有モノマーとしては、特に、アクリルアミド、メタクリルアミドから選ばれる1種以上が好適である。
【0024】
エポキシ基含有モノマーの使用量は、多層構造エマルションを構成する全モノマー量に対し、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%とする。
エポキシ基と反応可能な官能基を有するモノマーの使用量は、多層構造エマルションを構成する全モノマー量に対し、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%とする。
シェル部においてアミド基含有モノマーを使用する場合、その使用量は、多層構造エマルションを構成する全モノマー量に対し0.5〜5重量%が好適である。
【0025】
コア部にエポキシ基を有し、シェル部に該エポキシ基と反応可能な官能基を有するエマルションにおいて、コア部とシェル部の中間に、エポキシ基及び該エポキシ樹脂と反応可能な官能基のいずれにも不活性な共重合体からなる中間部を設けることによって、塗料の貯蔵安定性を高めることもできる。エポキシ基及び該エポキシ樹脂と反応可能な官能基のいずれにも不活性な共重合体を構成するモノマーとしては、上記モノマーのうち(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、水酸基含有モノマー、ビニルエステル系モノマー、ニトリル基含有モノマー、芳香族モノマー、アミド基含有モノマー、ハロゲン化ビニリデン系モノマー等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
【0026】
以上のような(a−1)成分、(a−2)成分、または(a−3)成分を使用する場合、エポキシ基含有架橋剤を併用することによって膨れ防止性や剥れ防止性をいっそう高めることができる。このようなエポキシ基含有架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
エポキシ基含有架橋剤の混合比率は、(a)成分の樹脂固形分100重量部に対し通常0.05〜15重量部程度、好ましくは0.1〜5重量部程度である。このような範囲内であれば、(a)成分との反応を十分に抑制することができ、貯蔵安定性を確保することができる。
【0027】
(a)成分の製造方法は特に限定されないが、例えば、乳化重合、ソープフリー乳化重合、分散重合、フィード乳化重合、フィード分散重合、シード乳化重合、シード分散重合等を採用することができる。
【0028】
本発明の水性断熱性塗料における(b)中空粒子は、塗膜に断熱性を付与する成分である。(b)成分としては、例えば、中空セラミックビーズ、中空樹脂ビーズ等が挙げられる。中空セラミックビーズを構成するセラミック成分としては、例えば、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、カーボン、アルミナ、シラス、黒曜石等が挙げられる。中空樹脂ビーズを構成する樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、アクリル−アクリロニトリル共重合樹脂、アクリル−スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、アクリロニトリル−メタアクリロニトリル共重合樹脂、アクリル−アクリロニトリル−メタアクリロニトリル共重合樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合樹脂等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。(b)成分の構成成分が樹脂成分であるものは、熱伝導率が低い点で有利である。
(b)成分の形状としては、球形、楕円球形、偏平球形等が挙げられる。
【0029】
(b)成分は中空構造を有するものであり、その構造に着目すると開気泡型中空粒子と閉気泡型中空粒子に分類される。このうち本発明では、閉気泡型中空粒子が好適である。閉気泡型中空粒子を用いた場合は、気泡中への樹脂成分等の侵入を防止することができるため、高い断熱性能を発揮することができる。閉気泡型中空粒子の内部構造は、粒子1個当たり1個の中空を有する単一中空型であってもよいし、粒子1個当たり2個以上の中空を有する多中空型であってもよい。
【0030】
(b)成分の中空部分には通常、気体が充填されているが、中空部分が真空であるものを使用することも可能である。中空部分に充填可能な気体としては、例えば、空気、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、フッ素化塩素化炭化水素、揮発性モノマー等が挙げられる。このうち脂肪族炭化水素が好適である。
【0031】
(b)成分の平均粒子径は通常0.1〜200μm、好ましくは1〜150μmである。平均粒子径がこのような範囲であることにより、平滑性が高い塗膜を形成することができる。また、隠ぺい性、赤外反射性等を高めることもできる。
(b)成分の密度は通常0.01〜1g/cm3、好ましくは0.01〜0.5g/cm3である。密度がこのような範囲であることにより、断熱性、軽量性等を高めることができる。
【0032】
本発明の水性断熱性塗料における(c)赤外線反射性粉体は、太陽光による塗膜の蓄熱を抑制する機能を有する成分である。(c)成分としては、例えば、アルミニウムフレーク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、アルミナ等が挙げられる(但し、(b)成分を除く)。これらは1種または2種以上で使用することができる。このうち、本発明では酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる1種以上が好適である。
【0033】
(c)成分としては、波長800〜2100nmの光に対する分光反射率を測定し、その平均値を算出することにより得られる値が20%以上(好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上)であるものが好適である。
(c)成分の平均粒子径は通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜1μmである。平均粒子径がこのような範囲であることにより、赤外線反射性を高めることができる。
【0034】
本発明では(c)成分の分散剤として、(d)カルボキシル基含有分散剤(以下「(d)成分」という)を使用することが望ましい。このような分散剤を使用することにより、膨れ防止性や剥れ防止性をいっそう高めることができる。合成樹脂エマルションとして(a−1)成分、(a−2)成分、または(a−3)成分を使用する場合は、特に効果的である。
(d)成分としては、例えば、ポリアクリル酸、スチレン−アクリル酸共重合物、スチレン−メタクリル酸共重合物、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合物、スチレン−マレイン酸共重合物、アミレン−マレイン酸共重合物等、あるいはこれらのアンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
(d)成分の使用量は、(c)成分の種類や比表面積等にもよるが、(c)成分100重量部に対し通常0.01〜5重量部程度、好ましくは0.05〜2重量部程度である。
【0035】
断熱性塗料における各成分の重量比率は、(a)成分の固形分100重量部に対し、(b)成分を0.5〜200重量部(好ましくは1〜100重量部)、(c)成分を1〜400重量部(好ましくは2〜200重量部)とする。断熱性塗料において各成分をこのような比率で混合することにより、断熱性、赤外線反射性に優れるとともに、上塗塗料との密着性が高く、十分な塗膜強度を有する塗膜を形成することが可能となる。
(b)成分が0.5重量部より少ない場合は、十分な断熱性能を得ることができない。200重量部より多い場合は、膨れ、剥れ、割れ等が発生しやすくなる。
(c)成分が1重量部より少ない場合は、太陽光によって塗膜が蓄熱しやすくなる。また、十分な塗膜強度が得られず、膨れ、剥れ等が発生しやすくなる。400重量部より多い場合は、剥れ、割れ等が発生しやすくなる。
【0036】
本発明の水性断熱性塗料では、上述の成分以外に、通常塗料に配合可能な添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲内で添加することもできる。このような添加剤としては、例えば、架橋剤、触媒、顔料、染料、骨材、艶消し剤、繊維、増粘剤、レベリング剤、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、防腐剤、抗菌剤、防黴剤、分散剤、消泡剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0037】
本発明の水性断熱性塗料は、主に屋根、屋上、外壁等の建築物外装面の表面に塗付するものである。この中でも特に外壁面に対して好適に適用することができるものである。
外装面の基材としては、特に限定されず、例えば、コンクリート、モルタル、金属、プラスチック、あるいはスレート板、押出し成形板、サイディングボード、ALC板等の各種ボード類等が挙げられる。これら基材は既に塗膜が形成されたものであってもよい。水性断熱性塗料の塗装は、主に既存の建築物に対して行うものであるが、各種ボード類については、予め工場等でプレコートすることもできる。塗装対象となる建築物は、新築物件でもよいし、改装物件でもよい。
【0038】
特に、本発明の水性断熱性塗料は各種既存塗膜との密着性にも優れるため、改修・改装用として好適に使用することができる。この際、本発明の水性断熱性塗料は、下地調整を行う機能と表面形状を整える機能とを発揮することができ、既存塗膜の表面形状と異なる形状に仕上げることも可能である。
水性断熱性塗料による形成塗膜の表面形状としては、例えば、平滑状、ゆず肌状、吹付タイル状、さざ波状等が挙げられる。
【0039】
本発明の水性断熱性塗料は、塗装対象となる下地に対し直接塗装することができる。水性断熱性塗料を塗装する前には、必要に応じ、例えばシーラー、フィラー等を塗付してもよい。
【0040】
水性断熱性塗料の塗装においては、公知の塗装器具を用いることができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、刷毛、コテ等を使用することができる。プレコートを行う場合は、ロールコーター、フローコーター等を用いることもできる。塗装時には水を用いて塗料を希釈することができる。水の混合量は、使用する塗装器具、所望の表面形状等に応じて適宜設定すればよい。
本発明における水性断熱性塗料は、適度なチクソトロピー性を有するものであるため、mmオーダーの厚みの塗膜を少ない塗り回数で形成することができる。この際、壁面等の垂直面に塗装を行っても、たれ発生等を十分に防止することができる。水性断熱性塗料による形成塗膜の乾燥膜厚は、通常0.1〜10mm、好ましくは0.5〜5mmである。
【0041】
本発明では、建築物外装面の表面に対し上述の水性断熱性塗料を塗付した後、水蒸気透過性を有する水性上塗塗料を塗付する。このような水性上塗塗料を使用することにより、断熱性塗膜中の水分や高沸点有機溶剤に由来する揮発成分が塗膜外に放散され、塗膜の膨れ発生、剥れ発生等を防止することが可能となる。さらに、塗膜の耐候性が高まり、長期にわたって優れた断熱性能を発揮することも可能となる。具体的に、水性上塗塗料としては、JIS K5400 8.17−1990による水蒸気透過度が40g/m2・24h以上であるものが好適である。
【0042】
水性上塗塗料は、(p)合成樹脂エマルション、(q)赤外線反射性粉体及び/または赤外線透過性粉体を含有することが望ましい。
【0043】
(p)合成樹脂エマルション(以下「(p)成分」という)としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酢酸ビニル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。このような(p)成分は、樹脂中に架橋構造を有するもの、あるいは塗膜形成後に架橋構造を生じるもの等であってもよい。このような架橋構造によって、水蒸気透過性、密着性、耐候性、耐水性、耐薬品性等を高めることができる。
【0044】
本発明では(p)成分として、(p−1)固形分中のシリカ残量比率が0.1〜50重量%である合成樹脂エマルション(以下「(p−1)成分」という)を好適に使用することができる。このような(p−1)成分を使用すれば、上塗塗膜の水蒸気透過性、上塗塗膜と断熱性塗膜との密着性が向上し、塗膜の膨れ発生や剥れ発生等をより十分に防止することが可能となる。また、(p−1)成分は、排気ガス等に由来する汚染物質の付着を抑制する性質を有するため、これら汚染物質による蓄熱を防止することもできる。(p−1)成分は、反応性シリル基含有化合物を必須成分として得られるものである。
【0045】
(p−1)成分としては、例えば、
▲1▼反応性シリル基含有モノマーを共重合して得られる合成樹脂エマルション
▲2▼反応性シリル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、及びカルボキシル基含有モノマーから選ばれる少なくとも1種以上のモノマーを共重合した樹脂に、シラン化合物を付加させて得られる合成樹脂エマルション、
▲3▼樹脂中の官能基と、該官能基と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤とを反応させて得られる合成樹脂エマルション、
▲4▼樹脂中の官能基と、該官能基と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤とを反応させ、さらにシラン化合物を付加させて得られる合成樹脂エマルション、
等が挙げられる。このうち、膨れ防止性、剥れ防止性等の点で、特に▲2▼または▲4▼のいずれかが好適である。
【0046】
反応性シリル基としては、珪素原子にアルコキシル基、水酸基、フェノキシ基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン等が結合したものである。この中でも、珪素原子にアルコキシル基が結合したアルコキシシリル基、珪素原子に水酸基が結合したシラノール基から選ばれる1種以上が特に好適である。
【0047】
▲1▼、▲2▼における反応性シリル基含有モノマーは、反応性シリル基と重合性二重結合を含有する化合物であり、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、トリエトキシシリルエチルビニルエーテル、トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、トリエトキシシリルプロピルビニルエーテル、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、メチルジメトキシシリルエチルビニルエーテル、メチルジメトキシシリルプロピルビニルエーテル等があげられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
【0048】
▲2▼における水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
▲2▼におけるカルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
【0049】
▲2▼、▲4▼におけるシラン化合物としては、反応性シリル基を一分子中に2個以上有するものが用いられ、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能アルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン等の3官能アルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン等の2官能アルコキシシラン類;テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン等のクロロシラン類;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン等のアセトキシシラン類等があげられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。また、反応性シリル基を一分子中に1個有する化合物を併用することもできる。本発明では、特に、3官能アルコキシシラン類と2官能アルコキシシラン類とを併用することが望ましい。
【0050】
▲3▼、▲4▼における官能基の組み合わせとしては、水酸基とイソシアネート基、アミノ基とイソシアネート基、カルボキシル基とエポキシ基、アミノ基とエポキシ基、アルコキシシリル基どうし等が挙げられる。シランカップリング剤は、例えば、一分子中に、少なくとも1個以上の反応性シリル基とそのほかの置換基を有する化合物であり、具体的には、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、イソシアネート官能性シラン等があげられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
【0051】
(p−1)成分の共重合モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;アクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマー;スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル系モノマー;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸含有ビニルモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン等の塩素含有モノマー;エチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル等のアルキレングリコールモノアリルエーテル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;エチレン、プロピレン、イソブチレン等を使用することができる。これらは1種または2種以上で使用することができる。この他、エチレン性不飽和二重結合含有紫外線吸収剤、エチレン性不飽和二重結合含有光安定剤等を用いることもできる。
【0052】
(p−1)成分の重量平均分子量は30000以上、さらには50000以上であることが望ましい。分子量が30000以上であることにより、耐候性、硬度、耐汚染性、耐水性等を向上させることができる。
(p−1)成分のTgは通常−10〜100℃、好ましくは0〜80℃である。Tgが−10℃より低い場合は、膨れ、剥れ等が発生しやすくなる。また、汚染物質が付着しやく、上塗塗膜が蓄熱しやすくなる。Tgが100℃より高い場合は上塗塗膜に割れが生じやすくなる。
【0053】
(p−1)成分におけるシリカ残量比率は、(p−1)成分の固形分中にSiO2換算で0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜40重量%、さらに好ましくは1〜30重量%である。シリカ残量比率がこのような範囲であることにより、膨れ防止性、剥れ防止性、耐汚染性、耐候性等を高めることができる。(p−1)成分のシリカ残量比率が少なすぎる場合は、膨れや剥れが発生しやすくなる。また、汚染物質が付着しやすく、塗膜が蓄熱しやすくなる。シリカ残量比率が多すぎる場合は、密着性不良や、割れ発生等を引き起こすおそれがある。
【0054】
なお、シリカ残量比率とは、Si−O結合をもつ化合物を、完全に加水分解した後に、900℃で焼成した際にシリカ(SiO2)となって残る重量分にて表したものである。
一般に、アルコキシシランやシリケート等は、水と反応して加水分解反応が起こりシラノールとなり、さらにシラノールどうしやシラノールとアルコキシにより縮合反応を起こす性質を持っている。この反応を究極まで行うと、シリカ(SiO2)となる。これらの反応は一般式、
RO(Si(OR)2O)nR+(n+1)H2O→nSiO2+(2n+2)ROH
という反応式で表される。本発明におけるシリカ残量比率は、この反応式をもとに残るシリカ成分の量を換算したものである。
【0055】
本発明における水性上塗塗料は、(q)赤外線反射性粉体及び/または赤外線透過性粉体(以下「(q)成分」という)を含有することが望ましい。このような(q)成分を含有することにより、太陽光による上塗塗膜の蓄熱を抑制しつつ、上塗塗膜を所望の色に着色することが可能となる。
【0056】
(q)成分のうち赤外線反射性粉体としては、水性断熱性塗料の(c)成分と同様のものを使用することができ、例えば、アルミニウムフレーク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、アルミナ等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
【0057】
(q)成分のうち赤外線透過性粉体としては、例えば、ペリレン顔料、アゾ顔料、黄鉛、弁柄、朱、チタニウムレッド、カドミウムレッド、キナクリドンレッド、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、コバルトブルー、インダスレンブルー、群青、紺青等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。(q)成分として赤外線反射性粉体を使用するのみでは、表出可能な色相に限界があるが、これら赤外線透過性粉体を適宜組み合わせることにより、様々な色相の塗膜を形成することが可能となる。
赤外線透過性粉体としては、波長800〜2100nmの光に対する分光透過率を測定し、その平均値を算出することにより得られる値が20%以上(好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上)であるものが好適である。
【0058】
(q)成分の含有量は、(p)成分の固形分100重量部に対し1〜40重量部であることが望ましい。(q)成分が40重量部より多い場合は、剥れ、割れ等が発生するおそれがある。
【0059】
水性上塗塗料においては、上述の成分以外に、通常塗料に配合可能な添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲内で添加することもできる。このような添加剤としては、例えば、架橋剤、触媒、艶消し剤、繊維、増粘剤、レベリング剤、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、防腐剤、抗菌剤、防黴剤、分散剤、消泡剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0060】
水性上塗塗料は、水性断熱性塗料の塗膜表面が乾燥した後に塗装することができる。
水性上塗塗料の塗装においては、公知の塗装器具を用いることができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、刷毛等を使用することができる。プレコートを行う場合は、ロールコーター、フローコーター等を用いることもできる。塗装時には水を用いて塗料を希釈することができる。水の混合量は、使用する塗装器具等に応じて適宜設定すればよい。
水性上塗塗料による形成塗膜の乾燥膜厚は、通常5〜200μmである。
【0061】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0062】
(合成例1)
反応容器に、脱イオン水70重量部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部を仕込み、攪拌及び窒素置換を行いながら70℃まで昇温し、過硫酸アンモニウム0.4重量部を添加した。これに、別途用意したコア部形成用乳化モノマー(脱イオン水20重量部にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量部を溶解させた水溶液に、スチレン21.05重量部、n−ブチルアクリレート54.14重量部、グリシジルメタクリレート2.50重量部を乳化分散させたもの)を3時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後2時間熟成を行った後、シェル部形成用乳化モノマー(脱イオン水10重量部にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量部を溶解させた水溶液に、スチレン5.24重量部、n−ブチルアクリレート13.54重量部、メタクリル酸1.51重量部、アクリルアミド2.00重量部を乳化分散させたもの)を2時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後2時間熟成を行った。次いで、アンモニア水を添加してpHを7.5に調整した後、200メッシュの金網にてろ過することにより多層構造エマルション1を得た。
【0063】
(合成例2〜4)
モノマー成分として表1に示すものを使用した以外は、合成例1と同様にしてエマルションを製造した。なお、表中の数字は重量部を示すものである(但しTgを除く)。
【0064】
【表1】
【0065】
(断熱性塗料1〜9)
上記合成例によって得られたエマルションに対し、中空粒子、赤外線反射性粉体等を表2に示す比率(表中の数字は重量部)で混合して均一に攪拌することにより断熱性塗料1〜9を製造した。なお、断熱性塗料に使用した原料は以下の通りである。
・架橋剤1:ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル
・架橋剤2:2−イソプロペニル−2−オキサゾリン−メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体
・架橋剤3:アジピン酸ジヒドラジド
・中空粒子:閉気泡型中空樹脂ビーズ(アクリル−アクリロニトリル共重合樹脂、平均粒子径45μm、密度0.025g/cm3)
・赤外線反射性粉体:酸化チタン(平均粒子径0.3μm)
・分散剤:スチレン−マレイン酸共重合物(固形分30重量%)
・造膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
・増粘剤:ポリカルボン酸系増粘剤
・消泡剤:シリコーン系消泡剤
【0066】
【表2】
【0067】
(上塗塗料1)
合成樹脂エマルション5の200重量部に対し、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエロー、フタロシアニンブルーの混合物(重量比率1:1:1)を20重量部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを10重量部、ウレタン系増粘剤を2.5重量部、シリコーン系消泡剤を0.5重量部混合することにより上塗塗料1を得た。この上塗塗料1のJIS K5400 8.17−1990による水蒸気透過度は78g/m2・24hであった。
【0068】
(上塗塗料2)
合成樹脂エマルション5に代えて合成樹脂エマルション6を使用した以外は上塗塗料1と同様にして上塗塗料2を得た。この上塗塗料2のJIS K5400
8.17−1990による水蒸気透過度は54g/m2・24hであった。
【0069】
なお、上塗塗料における合成樹脂エマルションとしては以下の原料を使用した。
・合成樹脂エマルション5:アクリルシリコン樹脂エマルション(Tg25℃、固形分50重量%、pH7、シリカ残量比率3重量%、メチルメタクリレート−n−ブチルアクリレート−γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−アクリル酸−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体のメチルトリメトキシシラン・ジメチルジメトキシシラン付加物)
・合成樹脂エマルション6:アクリルシリコン樹脂エマルション(Tg25℃、固形分50重量%、pH8、シリカ残量比率0.5重量%、メチルメタクリレート−n−ブチルアクリレート−γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−アクリル酸共重合体)
【0070】
(実施例1)
300×225mmのスレート板に、断熱性塗料1をスプレー塗装し、温度20℃・相対湿度65%RH雰囲気下(以下「標準状態」という)で8時間乾燥後、上塗塗料1をスプレー塗装することにより試験板を作製した。このとき、断熱性塗料は乾燥膜厚が1mm、上塗塗料は乾燥膜厚が50μmとなるように塗装を行った。
標準状態で14日間養生後、水浸漬(20℃)18時間→−20℃3時間→50℃3時間を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計20サイクル行ない(以下「温冷繰返し試験A」という)、塗膜の表面状態の変化を目視にて観察したが、特に異常は認められなかった。
また、断熱塗料1を50℃雰囲気下で7日間貯蔵した後に、上述と同様の方法で試験板を作製して温冷繰返し試験を行った(以下「温冷繰返し試験B」という)が、この場合も特に異常は認められなかった。
一方、断熱性試験を行うため、12mm厚のスレート板を用いて450×450×450mmのボックスを用意した。その表面に断熱性塗料1をスプレー塗装し、標準状態で8時間乾燥後、上塗塗料1をスプレー塗装し、さらに14日間養生したものを断熱性試験用の試験体とした。このとき、断熱性塗料は乾燥膜厚が1mm、上塗塗料は乾燥膜厚が50μmとなるように塗装を行った。
次いで、得られた試験体に対し、60cmの距離から赤外線ランプ(250W)を90分間照射した。その間のボックス内部の温度変化を測定したところ、温度変化は5℃未満であった。
【0071】
(実施例2〜7、比較例1〜3)
断熱性塗料及び上塗塗料として表3に示すものを使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示す。なお、温冷繰返し試験においては、膨れ、剥れ、割れ等の有無を目視にて評価した。評価は、20サイクルで異常が認められなかったものを「◎」、10サイクルで異常は認められなかったが20サイクルで異常が認められたものを「○」、5サイクルで異常は認められなかったが10サイクルで異常が認められたものを「△」、5サイクルで異常が認められたものを「×」とした。
また、断熱性試験の評価は、温度変化が5℃未満であったものを「○」、温度変化が5℃以上10℃未満であったものを「△」、温度変化が10℃以上であったものを「×」とした。
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、塗膜界面や塗膜内部からの膨れ、剥れ等を防止することができ、長期にわたって安定した断熱性能を発揮することができる断熱性塗膜を形成することができる。
Claims (7)
- 建築物外装面の表面に対し、
(a)ガラス転移温度(以下「Tg」という)が−50〜50℃であり、反応性官能基を有する架橋反応型合成樹脂エマルション、(b)中空粒子、及び(c)赤外線反射性粉体を含有し、その重量比率が(a)成分の固形分100重量部に対し(b)成分0.5〜200重量部、(c)成分1〜400重量部である水性断熱性塗料を塗付した後、
水蒸気透過性を有する水性上塗塗料を塗付することを特徴とする断熱性塗膜の形成方法。 - 前記(a)成分が、Tgが−50〜50℃であり、エポキシ基を有する架橋反応型合成樹脂エマルションであることを特徴とする請求項1に記載の断熱性塗膜の形成方法。
- 前記(a)成分が、Tgが−50〜50℃であり、エポキシ基と反応可能な官能基を有する架橋反応型合成樹脂エマルションであることを特徴とする請求項1に記載の断熱性塗膜の形成方法。
- 前記(a)成分が、少なくともコア部及びシェル部の2層を含み、前記シェル部のTgが−20〜50℃、前記コア部のTgが−50〜20℃で、前記シェル部のTgが前記コア部のTgよりも高く、前記コア部にエポキシ基を有し、前記シェル部に該エポキシ基と反応可能な官能基を有する架橋反応型多層構造エマルション
であることを特徴とする請求項1に記載の断熱性塗膜の形成方法。 - 前記水性上塗塗料のJIS K5400 8.17−1990による水蒸気透過度が40g/m2・24h以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の断熱性塗膜の形成方法。
- 前記水性上塗塗料が、(p)合成樹脂エマルション、(q)赤外線反射性粉体及び/または赤外線透過性粉体を含有するものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の断熱性塗膜の形成方法。
- 前記水性上塗塗料が、(p−1)固形分中のシリカ残量比率が0.1〜50重量%である合成樹脂エマルション、(q)赤外線反射性粉体及び/または赤外線透過性粉体を含有するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の断熱性塗膜の形成方法。
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