JP3544799B2 - レイアウト設計方法、露光用マスク及び半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板上のメタル配線層のレイアウト設計方法並びにこれを用いて形成された露光用マスク及び半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体に形成される配線の微細化が進み、配線の幅に対する高さが大きくなって、メタル配線層の上の絶縁層表面の凹凸が著しくなっている。この凹凸による上層の配線の断線を防止するため、レイアウト設計において、表面平坦化用のダミーメタルパターンがメタル配線層に自動配置されている。
【0003】
図5は、従来法でレイアウト設計されたメタルパターンを、下方のMOS容量素子郡のポリシリコン電極パターンと重ね合わせて示す。このメタルパターンは、第1メタル配線層に形成されたものである。
複数のMOS容量素子10は、互いに形状及びサイズが等しく、所定領域内に等間隔で2次元的に配置されている。11は、MOS容量素子10のポリシリコン電極パターンである。
【0004】
メタルパターンのレイアウト設計は、以下の手順で行われていた。
(1)同一矩形のダミーメタルパターン30を等間隔で全面的に配置する。
(2)メタル配線パターン20や21等を配置し、メタル配線パターン及びその周囲部と重なったダミーメタルパターンの部分を、デザインルールを満たすように削除する。
【0005】
例えば、ダミーメタルパターン31及び32は、メタル配線パターン20とメタル配線パターン21との関係で工程(2)により元のダミーメタルパターンの一部が削除されたものであり、ダミーメタルパターン33は、メタル配線パターン21との関係で同様に、その一部が削除されたものである。図5では、ポリシリコン電極パターン11とメタル配線パターンとの間を接続するためのスルーホール、及び、ポリシリコン電極パターン11と対になった不図示の電極とメタル配線パターンとの間を接続するためのスルーホールが、図示されておらず、このスルーホールも考慮してダミーメタルパターンの上記削除が行われている。
【0006】
このような方法によれば、メタル配線パターンの配置によらず、第1メタル配線層の上の絶縁層表面を平坦化するためのダミーメタルパターンを、自動的に配置することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、メタル配線パターン付近のダミーメタルパターンの一部削除により、各MOS容量素子10の上方には異なるダミーメタルパターンが配置され、各MOS容量素子10に付加される浮遊容量が異なる。このため、容量比が1からずれ、複数の同一容量を用いた逐次比較型A/D変換器のような回路の出力精度が低下する。回路素子が微細化されるほど容量比が1からずれ易く、出力精度の低下が問題になる。
【0008】
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、複数の同一容量素子の浮遊容量をより一定化することが可能なレイアウト設計方法、露光用マスク及び半導体装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及びその作用効果】
第1発明では、半導体基板上の所定配線層の、表面平坦化用ダミーパターンを含むパターンをレイアウト設計するレイアウト設計方法において、
(1)容量が互いに等しい複数の容量素子の電極パターン上の領域について、第1ダミーパターンが各容量素子について互いに同一になるように該第1ダミーパターンを配置する。
【0010】
この第1発明によれば、容量が互いに等しい複数の容量素子の電極パターン上の第1ダミーパターンが互いに等しくなるので、複数の同一容量素子の浮遊容量をより一定化することができるという効果を奏する。
第1発明の第1態様では、上記工程(1)の次に、
(2)残りの領域について、第2ダミーパターンを規則的に一様に配置し、
(3)配線パターンを配置し、該配線パターン及びその周囲部と重なった該第2ダミーパターンの部分を、デザインルールを満たすように削除する。
【0011】
この第1態様によれば、全領域について、配線パターンの上方の膜表面を平坦化することができるという効果を奏する。
第2発明では、半導体基板上の所定配線層の、表面平坦化用ダミーパターンを含むパターンをレイアウト設計するレイアウト設計方法において、
(2)残りの領域について、ダミーパターンを規則的に一様に配置し、
(3)配線パターンを配置し、該配線パターン及びその周囲部と重なった該ダミーパターンの部分を、デザインルールを満たすように削除する。
【0012】
この第2発明によれば、容量が互いに等しい複数の容量素子の電極パターン上にダミーパターンが配置されないので、複数の同一容量素子の浮遊容量をより一定化することができ、かつ、残りの領域について従来同様に上記平坦化が達成されるという効果を奏する。
第3発明の露光用マスクでは、上記いずれかの方法を用いて設計されたパターンが基板に形成されている。
【0013】
この第3発明を用いれば、次の第4発明の半導体装置を製造することができるという効果を奏する。
第4発明の半導体装置では、上記いずれかの方法を用いて設計されたパターンが半導体基板上の所定配線層に形成されている。
この第4発明によれば、半導体装置の出力精度が向上するという効果を奏する。
【0014】
第4発明の第1態様では、上記複数の容量素子の各々の一端が比較回路の入力端に接続されている逐次比較型A/D変換器を有する。
この第3態様によれば、逐次比較型A/D変換器の変換精度が向上するという効果を奏する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図4は、互いに等しい容量の素子を複数用いた回路例としての逐次比較型A/D変換器を示す。
【0016】
変換対象の入力電圧Viは、転送ゲート40〜43を介してそれぞれ容量素子50〜53の一端に供給される。容量素子52は容量素子521と容量素子522とが並列接続され、容量素子53は容量素子531〜534が並列接続されて構成されている。容量素子50、51、521、522及び531〜534は、容量が互いに等しい。容量素子50〜53について、図4の下方から上方へ容量を累積加算した値の比は、1:2:4:8となる。
【0017】
転送ゲート40〜43はいずれもpMOSトランジスタとnMOSトランジスタとが並列接続された構成であり、pMOSトランジスタ及びnMOSトランジスタのゲートにそれぞれ逐次比較制御回路54からクロックφ及びその論理値を反転したクロック*φが供給される。
逐次比較制御回路54は、4ビットのレジスタ55に、入力電圧Viに相当する値と比較される値D3〜D0を設定する。レジスタ55の出力D3〜D0はそれぞれ、転送ゲート60〜63を介して容量素子50〜53の一端に供給される。転送ゲート60〜63は、転送ゲート40〜43と同様に構成され、そのpMOSトランジスタ及びnMOSトランジスタのゲートにそれぞれ逐次比較制御回路54からクロック*φ及びφが供給される。
【0018】
容量素子50〜53の他端はいずれも、比較回路70の入力端に接続されている。比較回路70は、インバータ71に、スイッチ素子としてのnMOSトランジスタ72が並列接続され、nMOSトランジスタ72のゲートに逐次比較制御回路54からのクロックφが供給される。比較回路70は、nMOSトランジスタ72がオンのとき、インバータ71の入力端と出力端の電位が互いに等しいVCC/2となり、この状態からnMOSトランジスタ72をオフにした時に、インバータ71の入力電位がVCC/2から上方又は下方にわずか変化すると、入力電位が0V又は電源電位VCC、例えば3Vまで高速に反転増幅される。比較回路70の出力は、逐次比較制御回路54に供給される。
【0019】
次に、上記構成の逐次比較型A/D変換器の変換動作を説明する。
(a)D2〜D0がいずれも‘0’にされ、D3が‘1’にされる。クロックφが高レベルになり、転送ゲート40〜43及びnMOSトランジスタ72がオン、転送ゲート60〜63がオフになって、入力電圧Viが容量素子50〜53の一端に供給される。インバータ71の入出力電位は、VCC/2になる。
【0020】
(b)クロックφが低レベルになり、転送ゲート40〜43及びnMOSトランジスタ72がオフ、転送ゲート60〜63がオンになって、0Vが容量素子50〜52の一端に供給され、電位VCCが容量素子53の一端に供給される。
インバータ71は高入力インピーダンスであるので、nMOSトランジスタ72がオフになると、インバータ71の入力電位は、上記(a)の定常状態で容量素子50〜53に蓄積されている電荷の合計量からの変化に応じて変化する。すなわち、インバータ71の入力電位は、VCC/2から、(4/8)(VCC−Vi)+(2/8)(0−Vi)+(1/8)(0−Vi)+(1/8)(0−Vi)=VCC/2−Viだけ変化する。従って、インバータ71の出力電位は、VCC/2>Viであれば高レベル、VCC/2<Viであれば低レベルとなる。
【0021】
逐次比較制御回路54は、インバータ71の出力が高レベルであればレジスタ55のD3を‘0’に戻す。
以下、D2、D1、D0が順に‘1’にされ、その各々について以上の(a)及び(b)と同様な処理が行われる。
上記のような互いに等しい容量素子を備えた半導体装置のマスクのレイアウト設計は、図1(A)に示す方法で行われる。
【0022】
図2は、図1(A)の方法でレイアウトされたメタルパターンを、下方のMOS容量素子郡のポリシリコン電極パターンと重ね合わせて示す。図2中、白ぬきパターンはメタル配線パターンであり、ハッチングが施されたパターンはダミーメタルパターンであり、ドットが施されたパターンはMOS容量素子のポリシリコン電極パターン11である。
【0023】
図2では、図5と同様に、ポリシリコン電極パターン11とメタル配線パターンとの間を接続するためのスルーホール、及び、ポリシリコン電極パターン11と対になった不図示の電極とメタル配線パターンとの間を接続するためのスルーホールが、図示されていない。
図3は、図2を半導装置とみなした場合における、図2中のIII−III線に沿った拡大断面図である。簡単化のために、図3では図2のパターンに対応する要素に図2と同一の符号を付している。
【0024】
MOS容量素子10のポリシリコン電極11の上方に、絶縁膜を介しメタル配線21が、ポリシリコン電極11の中央線に沿って紙面垂直方向に配置されている。メタル配線21の両側かつポリシリコン電極11の上方に(略上方であれば可)、互いに同一形状のダミーメタル34及び35が配置されている。ダミーメタル34及び35の側方にはそれぞれ、メタル配線21に平行にメタル配線22及び23が配置されている。これらメタル配線21〜23及びダミーメタル34、35の上方には、絶縁膜を介してメタル配線39が、図3左右方向に延在している。このダミーメタル34及び35の配置により、その上方の絶縁膜表面が平坦化され、第2メタル配線層のメタル配線39の断線が防止される。図3中、36は半導体基板、37はゲート酸化膜、38はフィールド酸化膜である。
【0025】
次に、図1(A)を参照して、第1メタル配線層に形成されるメタルパターンのレイアウト設計方法を説明する。以下、括弧内の符号は、図1中のステップ識別符号である。
(S1)容量が互いに等しい複数の容量素子の電極パターン上の領域について、後のステップS3で一部が削除されないように且つダミーメタルパターンが各容量素子について互いに同一になるように、ダミーメタルパターンを配置する。
【0026】
(S2)残りの領域について、図5のダミーメタルパターン30のような形のダミーメタルパターンを、互いに直角な2方向に等間隔で配置する。ダミーメタルパターンのサイズは、大きいほど上記平坦化がよくなるが、データ処理の高速化上、次のステップS3で全てのダミーメタルパターンの各々について一部が削除されないような程度の大きさであることが好ましい。
【0027】
(S3)ステップS1の領域を含む全領域について、メタル配線パターンを配置し、メタル配線パターン及びその周囲部と重なったダミーメタルパターンの部分を、デザインルールを満たすように削除する。
このようにメタルパターンをレイアウト設計すれば、容量が互いに等しい複数のMOS容量素子10のポリシリコン電極パターン11上のメタルパターンが互いに等しくなるので、このメタルパターンのMOS容量素子10に対する浮遊容量が各MOS容量素子10について互いに同一になり、各MOS容量素子10の容量比がほぼ1になる。これにより、図4のような回路の出力精度が向上する。
【0028】
互いに等しい浮遊容量の出力精度に対する影響は、例えば不図示の入力段の分圧抵抗を調整することにより除去される。
[第2実施形態]
次に、図1(B)を参照して、第2実施形態の、第1メタル配線層に形成されるメタルパターンのレイアウト設計方法を説明する。
【0029】
(T1)容量が互いに等しい複数の容量素子の電極パターン上の領域を、ダミーメタルパターン配置禁止領域とする。すなわち、次のステップT2でダミーメタルパターンがこの領域に配置されないようにマスクする。
(T2)残りの領域について、上記ステップS2と同じ処理を行う。
(T3)上記ステップS3と同じ処理を行う。
【0030】
このようにメタルパターンをレイアウト設計すれば、容量が互いに等しい複数のMOS容量素子10のポリシリコン電極パターン11上にダミーメタルパターンが配置されないので、MOS容量素子10に対する浮遊容量が各MOS容量素子10について互いに同一になり、各MOS容量素子10の容量比がほぼ1になる。これにより、図4のような回路の出力精度が向上する。マスク領域の上方の第2メタル配線層を配線禁止領域にすれば、凹凸による断線が防止される。
【0031】
なお、上記各実施形態において、ステップS2、S3、T2及びT3はプログラムで自動処理され、ステップS1及びT1での領域検出も自動処理されるが(手動処理であってもよいが)、この領域は限定されているので、ステップS1での領域検出後の処理は手動処理であっても処理時間の増加が比較的少なく、自動処理であっても手動処理であっても良い。
【0032】
また、本発明の適用は図4の回路に限定されず、同一容量素子群を用いる全ての回路に適用可能である。
上記各実施形態では第1メタル配線層のレイアウト設計方法を説明したが、本発明は全てのメタル配線層のレイアウト設計方法に適用することができる。
ダミーパターン及び配線パターンは、メタルでなくてもよい。
【0033】
さらに、本発明のレイアウト設計方法によりメタルパターンが定まり、かつ、その効果は半導体装置に現れるので、この方法を用いて設計されたパターンが基板に形成されている露光用マスク、及び、この方法を用いて設計されたパターンが半導体基板上の第1層メタル配線層に形成されている半導体装置も、本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2の実施形態におけるメタルパターンレイアウト設計方法を示す概略フローチャートである。
【図2】図1(A)の方法でレイアウト設計されたメタルパターンを、下方のMOS容量素子郡のポリシリコン電極パターン11と重ね合わせて示す図である。
【図3】図2を半導体装置とみなした場合における、図2中のIII−III線に沿った拡大断面図である。
【図4】互いに等しい容量の素子を複数用いた回路例としての逐次比較型A/D変換器を示す図である。
【図5】従来方でレイアウト設計されたメタルパターンを、下方のMOS容量素子郡のポリシリコン電極パターン11と重ね合わせて示す図である。
【符号の説明】
10 MOS容量素子
11 ポリシリコン電極パターン
20〜23、39 メタル配線パターン
30〜35 ダミーメタルパターン
40〜43、60〜63 転送ゲート
50〜53、521、522、531〜534 容量素子
Claims (6)
- 半導体基板上の所定配線層の、表面平坦化用ダミーパターンを含むパターンをレイアウト設計するレイアウト設計方法において、
(1)容量が互いに等しい複数の容量素子の電極パターン上の領域について、第1ダミーパターンが各容量素子について互いに同一になるように該第1ダミーパターンを配置する、
ことを特徴とするレイアウト設計方法。 - 上記工程(1)の次に、
(2)残りの領域について、第2ダミーパターンを規則的に一様に配置し、
(3)配線パターンを配置し、該配線パターン及びその周囲部と重なった該第2ダミーパターンの部分を、デザインルールを満たすように削除する、
ことを特徴とする請求項1記載のレイアウト設計方法。 - 半導体基板上の所定配線層の、表面平坦化用ダミーパターンを含むパターンをレイアウト設計するレイアウト設計方法において、
(1)容量が互いに等しい複数の容量素子の電極パターン上の領域を、ダミーパターン配置禁止領域としておき、
(2)残りの領域について、ダミーパターンを規則的に一様に配置し、
(3)配線パターンを配置し、該配線パターン及びその周囲部と重なった該ダミーパターンの部分を、デザインルールを満たすように削除する、
ことを特徴とするレイアウト設計方法。 - 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の方法を用いて設計されたパターンが基板に形成されていることを特徴とする露光用マスク。
- 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の方法を用いて設計されたパターンが半導体基板上の所定配線層に形成されていることを特徴とする半導体装置。
- 上記複数の容量素子の各々の一端が比較回路の入力端に接続されている逐次比較型A/D変換器を有することを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
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JP25518396A JP3544799B2 (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | レイアウト設計方法、露光用マスク及び半導体装置 |
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JPH10107148A JPH10107148A (ja) | 1998-04-24 |
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JP2002373896A (ja) | 2001-06-15 | 2002-12-26 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体装置 |
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- 1996-09-26 JP JP25518396A patent/JP3544799B2/ja not_active Expired - Lifetime
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