JPH08316323A - 電源配線の形成方法及びそれを用いた回路装置 - Google Patents

電源配線の形成方法及びそれを用いた回路装置

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JPH08316323A
JPH08316323A JP12215195A JP12215195A JPH08316323A JP H08316323 A JPH08316323 A JP H08316323A JP 12215195 A JP12215195 A JP 12215195A JP 12215195 A JP12215195 A JP 12215195A JP H08316323 A JPH08316323 A JP H08316323A
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Japan
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wiring
power supply
bypass capacitor
circuit
signal
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JP12215195A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Yagyu
正義 柳生
Masaru Osanai
勝 小山内
Kiyokazu Arai
喜代和 新井
Masakazu Yamamoto
雅一 山本
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電源端子からバイパスコンデンサまでの寄生自
己インダクタンスが小さく、実装密度の劣化を伴わず、
更に大きな容量を確保できるようなバイパスコンデンサ
が実現できる電源配線の形成方法を提供する。 【構成】信号配線格子位置204,205で示された信
号配線領域のうち、電源配線VDD,GNDおよび一般
信号配線215,222が形成されていない領域に、バ
イパスコンデンサの容量を構成するための配線300〜
304とスルーホールTHを配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速に動作する回路装置
に係り、特に、ゲートアレーLSI等の電源電圧変動に
代表される電気的なノイズを防ぐために利用できる、バ
イパスコンデンサを形成するためのパターンレイアウト
方法及びそれを用いた回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路は電子計算機,パソコ
ン,携帯電話等、非常に多くの装置に組み込まれて利用
されている。特に、電子計算機に代表される高速に信号
を処理する装置では、その高機能化とも相まって、非常
に動作速度が速くまた回路数が多い半導体集積回路が使
われる。この様な半導体集積回路では、回路がスイッチ
ング動作する時にその切り替わり電流に起因する電気的
ノイズ、すなわち、電源電圧揺れが発生する。この電源
電圧揺れは回路動作速度が速いほど、また同時に切り替
わる回路数が多いほど大きくなる。回路の電源電圧が変
動すると回路の動作速度の劣化や誤動作等の問題を引き
起こす。この為、電源電圧揺れが大きくならないような
工夫が従来から取られている。最も代表的な対策は回路
の電源端子間にバイパスコンデンサを接続する方法であ
る。
【0003】図8に示す従来例は、集積回路1の正側お
よび負側電源端子VDD,GND間にバイパスコンデン
サ103を接続した状態を示している。電源端子VD
D,GNDはまず基板100に接続され、基板100内
に配置されたスルーホールと電源層101,102を介
してバイパスコンデンサに接続される。
【0004】図9はバイパスコンデンサを接続するため
の、更に他の従来例である。この技術は、例えば、アイ
イー イー イー ジャーナル オブ ソリッド ス
テート サーキッツ,ボリューム25,ナンバー5,オ
クトーバ 1990(IEEEJOURNAL OF SOLID−STATE CI
RCUITS,VOL.25,NO.5,OCTOBER 1990 )の第1
166頁から第1177頁で紹介されている。集積回路
1上にレイアウトされたチップ内電源線112,113
間に、チップ上に作られた論理回路群114が接続され
ている。この図では、112が正側電源VDDに、11
3が負側電源GNDに対応する。この従来例では、チッ
プ上に作られておりチップ内電源線間に接続されている
pチャンネルMOSトランジスタ110と、nチャンネ
ルMOSトランジスタ111の、ゲート・ソース間,ゲー
ト・ドレイン間の寄生容量がバイパスコンデンサの機能
を有する。図ではバイパスコンデンサ用のトランジスタ
を2個しか示していないが、一般にはチップ上に複数個
のバイパスコンデンサ用のトランジスタを作り込むこと
で、バイパスコンデンサの容量が大きくなるように設計
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図8では、集積回路の
電源端子からバイパスコンデンサに至る配線が長く、回
路が高速に動作する場合は特に、配線に生じる寄生自己
インダクタンスの影響でバイパスコンデンサが有効に機
能しないという問題がある。例えばこの配線の長さを5
mm程度に作った場合、スルーホールの直径が100μm
とすると、寄生自己インダクタンスは約4nHになる。
更に図8では、バイパスコンデンサを実装するための面
積が集積回路が占める部分とは別に必要であるので、バ
イパスコンデンサを接続することによって実装密度が低
下するという別の問題もある。
【0006】図9では、バイパスコンデンサは集積回路
内に作られているので、図8の様な寄生自己インダクタ
ンスの問題と実装密度の問題はない。しかし、バイパス
コンデンサ用のトランジスタをチップ内に配置するた
め、集積回路上にたくさんのゲートを作り込む場合には
空き領域が小さくなり、バイパスコンデンサの容量を充
分確保できないという別の問題がある。
【0007】本発明の目的は、電源端子からバイパスコ
ンデンサまでの寄生自己インダクタンスが小さく、実装
密度の劣化を伴わず、更に大きな容量を確保できるよう
なバイパスコンデンサが実現できる電源配線の形成方法
を提供することにある。
【0008】本発明の第二の目的は、電源端子から回路
までの間の電源配線の直流抵抗と自己インダクタンスが
小さくなるような電源配線の形成方法を提供することに
ある。
【0009】本発明の第三の目的は、信号配線間のクロ
ストークノイズが小さくなるような配線レイアウト方法
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明はバイパスコンデンサの容量を構成するため
の配線を、信号配線用領域の一部であって信号配線が形
成されていない場所に配置する。
【0011】
【作用】バイパスコンデンサを形成するための配線は信
号配線用領域の一部にあり、これはLSIの電源パッド
よりも回路に近い場所である。バイパスコンデンサから
切り替わり動作をしている回路までの配線の長さは長く
ても数百μm、一般には数十μm程度にできるので、寄
生自己インダクタンスの影響は非常に小さくなる。
【0012】本発明を用いると、図8の従来例で見られ
るような実装密度の劣化はなく、またLSI自体の面積
も増加しない。
【0013】容量を構成するための配線は信号配線用領
域に作られる。従って図9の従来例のように、バイパス
コンデンサを作るために回路用とは別のトランジスタを
LSIに作り込む必要はない。このため、LSIの集積度
が高くゲートの空き領域が少ない場合にもバイパスコン
デンサの容量を充分確保できる。
【0014】バイパスコンデンサ用に形成した配線は電
源配線に接続されるので、LSIに電力を供給する電源
端子から回路までをつなぐ電源配線の断面が大きくな
り、電源配線の直流抵抗値と自己インダクタンスを小さ
くできる。また、電源線の電流密度が低くなるので、電
流マイグレーションによる電源線の劣化が抑えられ、L
SIの信頼性が向上する。
【0015】バイパスコンデンサ用の配線は信号配線間
にも配置されるので、信号配線間に生じる線間容量が小
さくなり、クロストークノイズが小さくなる。
【0016】
【実施例】図5は一般的なCMOSゲートアレーLSI
の表面パターンの一部を拡大表示した説明図である。こ
の図にはトランジスタ206,電源配線VDD,GN
D、および信号配線を配置することができる格子位置2
04,205内の実線だけを示してある。トランジスタ
の端子間を結線し、所望の論理動作を実現するような回
路はまだ形成されていない。ゲートアレーLSIでは、
トランジスタと電源配線のみが共通部品として用意され
ており、トランジスタの端子間をつなぐ配線を適当に作
り替えることで必要な論理が入ったLSI品種を展開し
てゆく。図には示していないが、VDD配線,GND配
線はそれぞれX方向に長く延びており、LSI外から電
力を受け取るための電源パッドにそれぞれ接続される。
また電源配線はX方向だけでなくY方向にも準備されて
いるのが一般的である。この場合、X方向,Y方向それ
ぞれに走る同種の電源配線(例えばVDD)は互いに接
続して、電源給電系のインピーダンスを下げることがよ
く行われる。
【0017】200はpチャンネル型MOSトランジス
タ(以下pMOSと略記する)のゲート電極になるパタ
ーンである。202はpMOSのソース,ドレイン電極
を作るためのp型半導体の領域である。同様に203は
nチャンネル型MOSトランジスタ(以下nMOSと略
記する)のゲート電極、201はnMOSのソース,ド
レイン電極になるn型半導体領域である。pMOS1個
とnMOS1個のペア206がLSI内に規則的に並ん
でいる。pMOSのソース,ドレインの上を正側電源の
配線VDDが通っている。VDDの電圧は普通5Vまた
は3.3V に設定される。同様にnMOSのソース,ド
レインの上を負側電源の配線GNDが通っている。GN
Dは0Vに設定されるのが一般的である。
【0018】204内の実線群は紙面をX方向に走る信
号配線の格子位置を表わしている。同様に205内の実
線群は紙面をY方向に走る信号配線の格子位置を表わ
す。ゲートアレーLSIでは回路の信号端子間を適当に
接続して所望の論理を実現するが、このとき信号端子間
を結ぶ配線はLSI上の任意の場所には配置しない。通
常はX方向,Y方向それぞれに仮想的な格子を作り、配
線はその格子の上だけを通すのが一般的である。図5で
は、X方向の信号配線には電源配線と同じ層の金属を使
うので、電源パターンの位置には格子が採られておら
ず、これによって信号と電源がショートしないようにな
っている。
【0019】図6(a)はpMOSの断面図である。2
00はゲート電極、202はソースまたはドレイン電極
である。230はn型半導体領域、231はトランジス
タ間を電気的に分離するための絶縁物である。M1は第
一層目の金属配線である。
【0020】M2は第二層目の金属配線である。電源配
線や回路間を結ぶ信号配線はM1,M2等の金属配線が
利用される。図5のVDD,GNDを形成する配線には
M1層が、204で格子位置のみを示したX方向の信号
配線にもM1層が、205で格子位置のみを示したY方
向の信号配線にはM2層がそれぞれ使われる。232は
M1配線層とゲート電極,ソース,ドレイン電極とを電
気的に分離するための層間絶縁膜である。233はM1
層とM2層とを分離するための層間絶縁膜である。CO
NTはp型半導体領域202とM1とを電気的に接続す
るために232に開けた孔及びその孔に充填された金属
である。M1と202がXY座標上で重なっていても、
そこにCONTがなければ両者は電気的導通を持たな
い。図6(a)には示していないが、ゲート電極200
とM1とを接続するためにもCONTが使われる。THは2
33に開けた孔とその孔に充填された金属であり、M1
とM2とを電気的に導通させるために使用する。M1,
M2間も先ほどと同様に、XY座標上で交差した場所に
THがなければ導通しない。
【0021】図6(b)はnMOSの断面図である。2
01はソース電極,ドレイン電極を作るためのn型半導
体領域である。203はゲート電極である。234はp
型半導体領域である。その他のものは図6(a)と同じ
であるので説明は省略する。図7は、図5で示した下地
パターンに配線,CONT,THを追加し、二つのCM
OSインバータ回路207,208を形成した状態を表
わす図である。図で、×印は図6(a)(b)で説明し
たCONTがある位置を示している。同様に◇印はTH
の位置を表わしている。インバータ回路207で、20
9は入力端子用のM1配線、211は出力端子用のM1
配線である。pMOSおよびnMOSのソース電極はそ
れぞれCONTで、VDDおよびGNDにつながってい
る。両トランジスタのゲート電極同士はCONT,M1
を介して接続されている。両トランジスタのドレイン電
極同士もCONT,M1を介してつながっており、この
M1が出力端子211となっている。インバータ回路2
08で、216はCONT,M1で形成された出力端子であ
る。入力端子はM1配線214と、THを介してそれに
つながったM2配線215である。図7にはインバータ
回路の他に、図示した範囲外にある回路間を接続するた
めのM1信号配線220が示してある。他のM1配線2
21,M2配線222、およびそれらをつなぐTHも2
20と同様、図示範囲外の回路を接続するための信号配
線である。
【0022】図7の例が示すように、一般にゲートアレ
ーLSIでは、信号配線を配置するように採った格子の
全てに信号配線を形成することは希である。局所的に見
れば配線が非常に密に込み入っている部分もあるが、平
均的には全格子の内の約半分程度は未使用のままで空い
ている。本発明は未使用の配線領域にバイパスコンデン
サを形成するための配線を作り込むことで回路動作を安
定化する。
【0023】以下、本発明の実施例を図1から図4を用
いて説明する。図1は、本発明の第一の実施例を表わす
図である。図2は第一の実施例の一部分を表わしてお
り、M1配線層から下の部分のみを示している。
【0024】まず図2から説明する。図2は、図7で示
した2個のインバータ回路を有するゲートアレーLSI
のX方向信号配線格子の未使用部分に、バイパスコンデ
ンサの容量を作るためのM1配線を形成した状態を示し
ている。図の300,301,304で代表させたハッ
チングの部分がその配線である。バイパスコンデンサ用
の配線は一般のM1層信号配線と同じ幅で作られてお
り、204で示すX方向信号配線格子にそろえて置かれ
ている。一般のM1層信号配線またはトランジスタの端
子間を接続するためのM1層配線が既に置かれている場
所には、バイパスコンデンサ用配線は作られない。
【0025】図1は、図2で示した集積回路パターンの
上にTHとM2配線層とを重ねた状態を表わしている。
302,303に代表させたバイパスコンデンサ用のM
2配線は、一般信号用のM2配線と同様に、205で示
すY方向信号配線格子にそろえて置かれている。また、
バイパスコンデンサ用M2配線の幅は一般信号用配線の
幅と同じである。バイパスコンデンサ用のM1配線30
1とM2配線303とはTHによって互いに接続してお
り、さらにこれらの配線は別のTHによって電源配線G
NDと導通がある。同様にM1配線300とM2配線3
02とは互いに接続されており、これらは電源配線VD
Dと導通している。他のバイパスコンデンサ用M1配
線,M2配線もTHを介してVDDまたはGNDのいず
れかと導通している。304で示したバイパスコンデン
サ用の配線は図ではどこにも接続していないが、図示範
囲外まで配線が延びてそこでいずれかの電源と導通す
る。
【0026】304以外の、図では未接続なバイパスコ
ンデンサ用配線も同様である。305は信号配線用格子
が未使用の場所であるがバイパスコンデンサ用配線は形
成されていない。未使用配線領域の全てにバイパスコン
デンサ用配線を形成しなくてもよい。
【0027】本実施例によれば、バイパスコンデンサ用
に形成した配線に浮遊する寄生容量はVDDまたはGN
D配線に回路的に接続されるので、この寄生容量が電源
配線の過渡的な電位変動を抑える効果を持つ。バイパス
コンデンサ用配線は信号配線領域の未使用部分に配置さ
れるので、バイパスコンデンサを形成したことによるL
SIの面積の増加はない。
【0028】図1で、VDDにつながっているM2配線
302とGNDにつながっているM2配線303とは隣
りあった格子に配置されている。他のM2配線,M1配
線も同様に、VDDに接続されたものとGNDに接続さ
れたものとはおおむね交互に配置されている。異種電源
に接続した配線同士を隣接して配置すると、両電源配線
間に発生する寄生容量の値が大きくなるので、電源電位
変動をより効果的に抑えることができる。ただし、異種
電源の配線同士が必ず隣接している必要はない。隣接し
ていない部分があってもよい。
【0029】VDDにつながったバイパスコンデンサ用
配線300はGND電源配線のとなりに配置されてい
る。GNDにつながったバイパスコンデンサ用配線30
1はVDD電源配線のとなりに配置されている。電源配
線のとなりにその電源とは異なる種類の電源につながっ
たバイパスコンデンサ用配線を配置することは、前の説
明と同様に電源電位変動をより効果的に抑えるのに有効
である。ただし、ある電源配線のとなりに配置したバイ
パスコンデンサ用配線が必ずその電源とは別の種類の電
源に接続されていなくてもよい。
【0030】本発明のようにバイパスコンデンサ用配線
を形成すると、LSIの外部電源パッドからLSI中の
回路までの電源配線の直流抵抗が減少する。電源パッド
から回路までの直流抵抗は、VDD,GNDの電源配線
パターンが本来有していた値と、バイパスコンデンサ用
配線が有する等価直流抵抗との並列接続で決まる数値に
なり、この値は電源配線パターンのみが有する値よりも
小さい。さらに異種電源配線をおおむね交互に配置する
ことで電源配線間の相互インダクタンスが大きくなる。
この結果、直流抵抗と同時に電源パッドから回路までの
等価自己インダクタンスも小さくなる。直流抵抗値とイ
ンダクタンス値が小さくなることは電源配線を強化した
ことと等価であり、この事は先ほどのバイパスコンデン
サ値の増加と同様、電源電位変動を抑える効果がある。
さらに、本実施例によれば、電源パッドから回路までの
電流経路の断面積が大きくなる。電流経路の断面積を大
きくすることは電源配線の電流マイグレーション値を下
げる効果があり、LSIの信頼性が向上する。
【0031】本実施例の更に別の効果として、信号配線
間のクロストークノイズが減少すると言う点が挙げられ
る。図1で、バイパスコンデンサ用配線304は一般信
号用M2配線222と215との間に配置されている。
クロストークノイズは隣接する信号配線間の線間容量と
相互インダクタンスとによって発生する。信号配線22
2と信号配線215との間にある配線304は両信号線
間の影響をシールドする効果があり、特に両信号線間の
線間容量は非常に減少する。従って本実施例のように、
電源に接続された配線を並行に走っている信号配線間に
配置すると、両配線間のクロストークノイズが減少す
る。
【0032】図3は第二の実施例である。図4は第二の
実施例の一部分を表わしており、M1配線層から下の部
分のみを示している。まず、図4から説明する。
【0033】図4は、図7で示した2個のインバータ回
路を有するゲートアレーLSIのX方向信号配線格子の
未使用部分に、バイパスコンデンサの容量を作るための
M1配線を形成した状態を示している。図の315で代
表させたハッチングの部分がその配線である。バイパス
コンデンサ用の配線は204で示すX方向信号配線格子
にそろえて置かれているが、幅は一般信号用配線よりも
広いものがある。幅が広いバイパスコンデンサ用配線は
複数本のX方向信号配線用格子にまたがるようにレイア
ウトされている。それぞれのバイパスコンデンサ用配線
のパターンは4辺形である必要はなく、配線格子の未使
用領域を埋めて行くような任意の多角形でもよい。一般
のM1層信号配線またはトランジスタの端子間を接続す
るためのM1層配線が既に置かれている場所には、バイ
パスコンデンサ用配線は作られない。
【0034】図3は、図4で示した集積回路のパターン
の上にTHとM2配線層を重ねた状態を示している。M
2配線の内、316で代表させたハッチングを施した配
線はバイパスコンデンサ用の配線である。バイパスコン
デンサ用のM2配線も一般のM2層信号配線と同様に、
205で示したY方向信号配線格子位置に合わせて形成
されているが、幅は一般のM2層信号配線よりも広い。
M2層のバイパスコンデンサ用配線のパターンもM1層
のそれと同様に4辺形である必要はなく、Y方向配線格
子の未使用部分を埋めて行くような任意の多角形でよ
い。
【0035】本実施例でも第一の実施例と同様に、M1
配線層とM2配線層とのバイパスコンデンサ用配線同士
は互いにTHで接続されているものがあり、それら接続
された配線はVDDまたはGNDいずれかの電源配線に
つながっている。
【0036】図の317で示すように、本実施例ではM
1配線層のバイパスコンデンサ用配線が、THおよびM
2配線層を介さないで直接、電源配線に接続するように
パターンを形成できる。さらに本実施例によれば、第一
の実施例で形成したバイパスコンデンサ用配線よりも電
流経路の断面積を広くできる。第一の実施例では配線格
子間のスペースとして空いていた部分が第二の実施例で
は配線パターンとして使われ、ここにも電流が流れるか
らである。二つの違いにより、本実施例は第一の実施例
よりも電源配線の直流抵抗値が小さくなり、回路の電源
端子の電源電圧変動をより小さく抑えることができる。
なお本実施例でも、電源配線の寄生容量が増加しそれが
バイパスコンデンサとして作用し、電源電圧変動を抑制
すること、信号配線間のクロストークノイズを小さくで
きることは第一の実施例と同様である。
【0037】以上、本発明の実施例を二つ説明したが、
本発明は二つの例で引用したCMOSゲートアレーLSI以
外にも適用可能である。本発明はあらかじめ用意された
信号配線領域の内で回路端子間の結線に用いていない未
使用部分にバイパスコンデンサ用の配線を形成すること
が本質であるので、CMOS以外に例えばバイポーラL
SIでもよい。またゲートアレーLSIだけでなく、例
えばマイクロプロセッサLSI等の特定用途向けに開発
されるLSIでも適用できるものがある。さらに本発明
は、プリント板やマルチチップモジュール基板等、配線
領域及び電源線は有するがトランジスタは有しないよう
な回路部品であっても適用可能である。
【0038】本発明の二つの実施例はいずれもCMOS
を例に説明したので、電源はVDDとGNDの2種類し
か有していなかった。しかし本発明は3種類以上の電源
種の配線が混在しているような回路部品であっても適用
可能である。この場合、バイパスコンデンサ用配線を各
々の配線間の電気的導通の有無により3種類以上の組に
分け、それぞれの組の配線を対応する電源種の電源配線
に接続すればよい。なお、形成されている電源配線の全
てにバイパスコンデンサ用配線を接続する必要はなく、
電源電位変動を抑制する配線にのみ適用すれば良い。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、回路の電源端子のごく
近くに、回路装置の実装密度を劣化させることなく、回
路の集積度に影響を受けないで充分な容量のバイパスコ
ンデンサを配置することができ、さらに外部電源給電点
から回路までの電源配線の直流抵抗及びインダクタンス
を小さくできるので、回路動作の安定化が図れる。
【0040】さらに、電源線の断面積が大きくなるので
電流マイグレーションによる電源配線の劣化の問題を軽
減できる。
【0041】また、信号配線間に生じる寄生配線容量が
小さくなるので、信号配線間のクロストークノイズが小
さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す説明図。
【図2】第一の実施例の一部分を示す説明図。
【図3】本発明の第二の実施例を示す説明図。
【図4】第二の実施例の一部分を示す説明図。
【図5】一般的なCMOSゲートアレーLSIの回路、
電源配線パターンの一部分を示す説明図。
【図6】pチャンネル型MOSトランジスタとnチャン
ネル型MOSトランジスタの断面図。
【図7】図5で示したLSIで2個のインバータと2種
類の信号配線を形成した説明図。
【図8】バイパスコンデンサの実装方法を示す第一の従
来例を示す説明図。
【図9】バイパスコンデンサの実装方法を示す第二の従
来例を示す説明図。
【符号の説明】
VDD,GND…電源、204,205…信号配線格子
位置、300,301,302,303,304,31
5,316…配線、TH…スルーホール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 雅一 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所汎用コンピュータ事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】信号配線を形成する領域と、回路に電力を
    供給するための電源配線とを有し、前記信号配線を形成
    する領域の一部に回路端子間の結線が作られるような配
    線構造体において、前記信号配線を形成する領域の中
    で、前記回路端子間の結線が作られていない部分の一部
    または全部に、前記回路端子間の結線ではない配線を形
    成し、前記回路端子間の結線ではない配線を前記電源配
    線に接続したことを特徴とする電源配線の形成方法。
  2. 【請求項2】前記回路端子間の結線でない配線は電気的
    導通の有無によって複数の組に分類でき、それぞれの組
    に属する配線はそれぞれ異なる種類の電源配線に接続さ
    れている請求項1に記載の電源配線の形成方法。
  3. 【請求項3】前記回路端子間の結線ではない配線は、前
    記回路端子間の結線と同じ幅を有している請求項1また
    は請求項2に記載の電源配線の形成方法。
  4. 【請求項4】前記回路端子間の結線でない配線は、前記
    回路端子間の結線が形成されるために用意された格子位
    置の複数の格子にまたがった幅を有している請求項1ま
    たは請求項2に記載の電源配線の形成方法。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4に記載された電
    源配線を有している回路装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6252427B1 (en) 1999-04-27 2001-06-26 Matsushita Electronics Corporation CMOS inverter and standard cell using the same
JP2008160141A (ja) * 2003-12-05 2008-07-10 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co Ltd 集積回路デバイスとその製造方法
JP2010021574A (ja) * 2009-10-19 2010-01-28 Renesas Technology Corp 多層配線装置

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