JP3540538B2 - ディスク再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚の情報記録ディスク(以下、単にディスクと称する)を配列収納して順次に再生できるディスク再生装置に関し、特に車のダッシュボード内に装着される車載用のディスク再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数枚のディスクを配列収納して任意に所望のディスクを再生するようなディスクプレーヤとしては、プレーヤ本体とは別個にディスクを収納するマガジン等を採用したものが知られている。かかるディスクプレーヤにおいて、ディスクを再生する場合は、先ず、マガジン内に収納されたディスクをトレイと共に水平方向に突出せしめて、この水平方向に移動せしめられたディスクの下方からターンテーブル等を含む再生手段を近づけてターンテーブル上にディスクをクランプして再生するという手法を採る。
【0003】
また、例えば特開平3−235249号公報に示されたディスクプレーヤの如く、ディスクを収納したマガジンを上下に分離し、その分離された空間内に再生手段を移動せしめてマガジン内でディスクを再生するものがある。
さらに、ディスク挿入口から複数のディスクを挿入して、ディスク搬送手段例えばローラ機構によりディスクをディスク収納部に搬送し、多段に亘って複数のディスクを配列収納し、収納された中から所望のディスクを選択して再生するディスクプレーヤが知られている。かかるディスクプレーヤにおいて、再生したいディスクを選択する場合は、ディスク収納部をディスクの配列方向すなわち上下方向に移動させて、再生希望のディスクをターンテーブル等を含む再生手段に対して所定の高さに位置付ける必要がある。一方、排出するディスクを選択する場合は、同様にディスク収納部を上下方向に移動させて、排出したいディスクをディスク搬送手段に対して所定の高さに位置付ける必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述従来のディスクプレーヤにおいては、ディスクと再生手段との位置決めのための相対移動がいずれか一方のみの移動により行われる為、1枚のディスクのみを収容するシングルディスクプレーヤに比べて、ディスク再生指令から再生実行までに長時間を要する。
【0005】
また、ディスク挿入口及びディスク搬送手段と多段ディスク収納部とを備えるディスクプレーヤにおいては、再生するディスクを選択する場合は、再生手段の位置を基準として収納された全ディスクを選択できるような範囲でディスク収納部が移動できるようにする必要があり、一方、ディスクを挿入する場合は勿論のこと排出するディスクを選択する場合は、ディスク搬送手段の位置を基準として、収納された全ディスクを選択できるような範囲でディスク収納部が移動できるようにする必要がある。従って、ディスク収納部の移動方向例えば上下方向において装置の大型化を招くことになる。
【0006】
上述従来技術の問題点に鑑み、本願発明の目的とするところは、ディスクの再生指令から再生実行に至るまでの時間を短縮してスムーズな再生が行えるディスク再生装置を提供することにある。
また、本願発明の目的とするところは、上記目的を達成しつつ装置本体の小型化、特にディスクの主面に平行な方向における奥行きを短くして装置全体の小型化が図れるディスク再生装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数枚のディスクをその主面に対して垂直な方向に配列した状態で保持するディスク保持手段と、ディスクの非再生時には当該ディスク保持手段に保持されたディスクが存在するディスク保持位置の外側の非再生位置に位置し、かつ、ディスクの再生時には上記非再生位置よりもディスク保持位置に近接した再生位置に位置するように搬送されるディスク再生手段と、上記ディスク保持位置に位置する所望のディスクを上記再生位置に向けて取り出し搬送するディスク取り出し搬送手段と、を含むディスク再生装置において、ディスクを再生する際に、上記ディスク再生手段を上記非再生位置から上記再生位置に至らしめる再生手段搬送動作と、上記所望のディスクを上記ディスク保持位置から上記再生位置に至らしめるディスク搬送動作とを、同時に行わせるように構成した。
【0008】
これにより、ディスクの再生指令から再生実行に至るまでの時間を短縮することができ、もって、ディスクのスムーズな再生が達成される。
また、本発明は、複数枚のディスクをその主面に対して垂直な方向に配列した状態で各々保持する複数のトレイを含むディスク保持手段と、ディスクの非再生時には上記ディスク保持手段により保持されたディスクが存在するディスク保持位置の外側の非再生位置に位置し、かつ、ディスクの再生時には少なくとも一部が上記ディスク保持位置に重なり合う再生位置に位置するディスク再生手段と、上記ディスク再生手段を上記非再生位置と上記再生位置との間で搬送する再生手段搬送機構と、ディスクを再生する際に上記再生位置への上記ディスク再生手段の侵入を許容すべく、再生を所望するディスクを所定位置に位置決めし、かつ、他のディスクをディスクの配列方向において移動せしめて退避させるディスク選択手段と、再生を所望するディスクを上記再生位置に向けて取り出し搬送するディスク取り出し搬送手段と、を含むディスク再生装置において、ディスクを再生する際に、上記ディスク再生手段を上記非再生位置から上記再生位置に至らしめる再生手段搬送動作と、再生を所望するディスクを上記ディスク保持位置から上記再生位置に至らしめるディスク搬送動作とを、同時に行わせるように構成した。
これにより、装置内部品の集約化による装置の小型化を図りつつ、ディスクの再生指令から再生実行に至るまでの時間を短縮することができ、もって、ディスクのスムーズな再生が達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のディスク再生装置に係る実施例を、添付図面に基づいて説明する。
当該ディスク再生装置は、例えば、自動車のダッシュボード(不図示)に形成された取り付け口から挿入されてこれを保持するブラケット等に固定されるハウジング1と、このハウジングの前面部すなわち車室内に露出せしめられるフロントパネル2とにより外形が構成されている。
【0010】
図1に示すように、ハウジング1の前面部を形成するフロントパネル2には、その上方に再生指令等その他の制御を行う操作部3及び表示部4が配置され、その下方に再生するディスクを挿入するための一条の挿入口5が形成されており、この挿入口5は非再生の状態等では揺動自在にあるいは摺動自在に取り付けられた閉塞蓋(不図示)により閉じられている。
【0011】
ハウジング1内には、防振機構としての防振ゴム1a(図2参照)を介してメインシャーシ6が設けられ、このメインシャーシに対して装置の種々の機構が配設されている。
図2に示されるように、メインシャーシ6上には、ディスクを再生するためのピックアップ10及びターンテーブル20等からなる再生手段を担持したキャリッジ30が再生時には装置の略中央(C2)に又非再生時には前方に位置するように前後方向(Y軸方向)において往復動自在に設けられている。また、メインシャーシ6の奥(後方)の領域には、複数枚のディスク(本実施例では4枚のディスク)を上下方向(Z軸方向)に配列して保持するトレイ53等を含むディスク保持手段50が配置されており、これはパンタグラフ機構を備える昇降機構等により上下方向(Z軸方向)において移動せしめられるようになっている。メインシャーシ6の側面部6a,6bには、再生するための所望のディスクを選択してそのディスクを他のディスクから分離するディスク選択手段の一部を成すトレイ分離手段60が前後方向(Y軸方向)において往復動自在に側面に沿って設けられている。さらに、メインシャーシの一側部6bの外側には、本装置の制御回路等が形成されたプリント回路基板7が側面と平行に配置されハウジング1内壁に固定されている。
【0012】
また、図3に示されるように、非再生位置にあるキャリッジの下方にはディスク搬送手段の一部を成すローラ40が左右方向(X軸方向)に延在するように設けられている。尚、キャリッジ30、ターンテーブル20及びクランプ手段 100等については、実線は、それらが待機位置(非再生位置)にある状態を示し、二点鎖線は再生位置にある状態を示す。
【0013】
上述種々の機構について、以下に詳細に説明する。
先ず、ハウジング1の挿入口5から挿入されたディスクを内部のディスク収納位置すなわちトレイ53まで搬送し、又、ディスクを取り出す際に収納位置から挿入口に向けて搬送するディスク搬送手段について説明する。
図4に示されるように、略L字形状のキャリッジ担持フレーム31の上面両端近傍に片持ち状の一対の板ばね41がねじにより固定されており、この板ばね41の自由端部に形成される軸受孔においてローラ40の軸40aが回動自在に支持されている。かかるローラ40は軸40aに対して樹脂製でかつ軸の中央から両端に向かって外径が増大するようなテーパ形状をなす被筒部材が外嵌されたものである。また、軸40aの一端には歯車42が取り付けられており、この歯車42はメインシャーシ6の側面6bに配置された中間歯車43を介して駆動源としてのモータ44に取り付けられたウォーム45に噛合している。一方、ローラ40の上方には非再生(あるいは休止)状態において、配列保持されたディスクDの存在領域の外側に位置するキャリッジ30の下面後方部が位置しており、また、非再生時において、キャリッジ30とローラ40とは、ディスクの配列方向において重なるように位置付けられている。このように位置付けられることで、装置の奥行きを短くでき装置の小型化が図れる。さらに、かかるキャリッジの下面には樹脂製の平滑フィルム30gが貼着されている。従って、非再生状態において、ローラ40と平滑フィルム30gとの間には、左右方向(Y軸方向)中央部にて最大で両端に向かうにつれて狭くなるような間隙が形成される。かかる構成において、モータ44によりローラ40が回転せしめられると、挿入口5より挿入されたディスクは、その周縁部領域がローラ40と平滑フィルム30gとにより挾持されつつ内部へ向けて搬送され、又、ローラ40を逆回転させると挿入口へ向けて搬出される。この際、間隙は両端が狭くなるくさび形状を成すことから、ディスクはローラの中央に向けて、すなわち調芯作用が行われつつ、所定のディスク収納位置に搬送され、又、逆に挿入口5の中央に向けて確実に搬出される。
【0014】
上述のローラ40及び平滑フィルム30g等により、ディスクを内部のディスク収納位置(トレイ)に搬送し、又、ディスクを取り出す際にその収納位置から挿入口に向けて搬送するディスク搬送手段が構成されている。
また、上述の歯車42、中間歯車43、ウォーム45、及びモータ44により、ディスク搬送手段を駆動する駆動手段が構成されている。
【0015】
次に、ディスクを再生するためのピックアップ10及びターンテーブル20等を担持したキャリッジ30と、このキャリッジ30を上下方向(Z軸方向)において往復動せしめるキャリッジ昇降手段について説明する。
図5に示されるように、キャリッジ30は平面視略矩形形状で上面が開いた箱状をなすものであり、この内側空間に後述のピックアップ10及びターンテーブル20等からなる再生手段を担持する再生手段担持フレーム35が収納されるようになっている。キャリッジ30の一側部には、3本のガイドピン30bが水平方向に突出するように植設されており、又、対向する他側部には、2本のガイドピン30bが水平方向に突出するように植設されており、これら3本及び2本のガイドピン30bはメインシャーシ6の側壁6a,6bにおいて前後方向に伸びるようにそれぞれ形成された一条のガイド孔6c(図8,9参照)に挿通されるようになっている。
【0016】
キャリッジ30の下面一側部には、後述のキャリッジ駆動用揺動アーム37の長孔37cに係合せしめられる係合ピン30cが下方に突出して設けられており、この係合ピン30cにはその外周まわりに回動自在な転動リング30dが外嵌せしめられている。
また、キャリッジ30の前後の側壁には、図5(b),(c)に示されるように、水平方向に伸びる案内長孔30eがそれぞれ2個形成され、又、上端が開放した縦長孔30fがそれぞれ2個形成されている。そして、これら前後側壁の内側に沿ってスライドプレート32が配置され、これらスライドプレート32に植設されたピン32aが案内長孔30eに摺動自在に挿嵌されている。また、これらスライドプレート32には、それぞれ逆向きに作用するカム孔32bが形成されており、このカム孔32bには、再生手段担持フレーム35から突出したピン35a(図6参照)が挿通されている。また、このピン35aは縦長孔30fにも挿通されて上下方向に移動可能となっている。
【0017】
また、これら前後のスライドプレート32は、キャリッジの底面に設けられた支持軸33aまわりに回動自在に配置された連結リンク33により、それぞれ左右方向(X軸方向)において逆向きに移動するように連動せしめられている。尚、連結部は連結リンク33のピン33bがそれぞれスライドプレート32の係合孔32cに挿嵌せしめられてる。従って、後方スライドプレート32の一端側に設けられたU字状の係合片32dに対して左右方向の力が作用すると、前後のスライドプレート32がそれぞれ逆向きにスライドし、例えば、係合片32dがX方向と逆向きに移動せしめられると、カム孔32bに挿通されたピン35aすなわち再生手段担持フレーム35は縦長孔30fに沿って上方に押し上げられることになる。逆に、係合片32dがX方向に移動せしめられると、ピン35aすなわち再生手段担持フレーム35は下方に移動せしめられることになる。
【0018】
図6に示されるように、再生手段担持フレーム35は、ディスクに記録された情報を読み取るためのピックアップ10、ディスクを担持して回転させるターンテーブル20及び駆動源としてのスピンドルモータ21、ピックアップ10を左右方向(X軸方向)すなわちディスクの記録面(主面)と平行な方向に移動させるための送りねじ11等を担持するものである。ピックアップ10は、その前側端に突出して設けられた雌ねじ部10aが送りねじ11に螺合せしめられ、一方、後側端に突出して設けられた係止片10bが担持フレーム35の後方側壁に形成された案内溝35bに摺動自在に担持されている。また、送りねじ11は回動自在に担持フレーム35に支持されており、その一端部には歯車12が嵌着せしめられている。この歯車12は、同様に担持フレーム35に回動自在に支持されたプーリ付歯車13の歯車と噛合せしめられている。このプーリ付歯車13の歯車部分は、2枚のギヤにより形成されており、バックラッシを解消するシーザーズギヤ構造となっている。キャリッジ30の底面には駆動源としてのモータ15が固定されており、このモータ15のスピンドルに嵌着されたプーリ16とプーリ付歯車13のプーリとが、担持フレーム35の切り欠き部35cを通してゴムベルト14により連結されている。このように、モータ15等の重量物はキャリッジ30に固定している為、再生手段担持フレーム35と共に上下動せしめられ重量の軽減が図れ、もって、駆動源にかかる負荷を低減することができる。かかる構成により、ピックアップ10の往復動は、モータ15を回転させることにより行われる。すなわち、上述モータ15、プーリ16、ゴムベルト14、プーリ付歯車13、歯車12、送りねじ11、及び雌ねじ部10aにより、ピックアップ10をディスクの記録面に沿って径方向に移動せしめるピックアップ駆動手段が構成されている。
【0019】
一方、キャリッジ30の下方には、図7に示されるような、平面視略L字形状のキャリッジ担持フレーム31が配置されており、又、このキャリッジ担持フレーム31の下方には同様にL字形状を成すカムプレート36が配置されている。キャリッジ担持フレーム31の両側上端部には、後方に向けて開放したU字状の係合溝31aがそれぞれ設けられており、キャリッジ30が待機位置に位置するとき、そのガイドピン30bがこの係合溝31aに係合するようになっている。
従って、キャリッジ30とキャリッジ担持フレーム31とは、キャリッジ30が待機位置にある場合上下方向(Z軸方向)においての相対的な移動は規制され、一方、前後方向(Y軸方向)において相対的に、すなわちキャリッジ30が往復動できるようになっている。
【0020】
また、キャリッジ担持フレーム31の一側壁には2個、他側壁には1個のピン31bがそれぞれ水平方向に突出して設けられており、これらピン31bは、底面部がキャリッジ担持フレーム31の下方に位置し、側壁がキャリッジ担持フレーム31の側壁の外側に位置するカムプレート36のカム孔36aにそれぞれ挿通されている。さらに、これらピン31bは、図8及び図9に示されるように、メインシャーシ6の側壁6a,6bに形成された縦長孔6e,6dにそれぞれ挿通せしめられて、上下方向にのみ移動可能となっている。
【0021】
従って、カムプレート36が前後方向(Y軸方向)に移動せしめられることで、キャリッジ担持フレーム31が上下方向(Z軸方向)に移動せしめられることになる。
尚、カムプレート36は、その案内長孔36bに対して、メインシャーシ6の底面に植設されたピン6fが挿通せしめられて、前後方向に往復動自在に支持されており、又、メインシャーシ6の下面外側に配置されたキャリッジ昇降用駆動レバー 110の係合ピン110aが係合孔36cに係合せしめられている(図7(a)参照)。
【0022】
すなわち、図10に示されるように、メインシャーシ6の上面には支軸8iまわりに回動自在にカムギヤ8が配置され、一方、メインシャーシ6の下面にはキャリッジ昇降用の駆動レバー 110が配置されており、この駆動レバー 110は、その案内長孔110cに対してメインシャーシに植設されたカイドピン110dが挿通せしめられて、前後方向(Y軸方向)において往復動自在となっている。また、駆動レバー 110に植設された係合ピン110bがカムギヤ8に形成されたカム溝8eに挿嵌せしめられており、この係合ピン110bはカム溝8eに沿って移動するようになっている。
【0023】
従って、後述の駆動手段71,72,73,74,75,76により、カムギヤ8が時計回りに回転せしめられると、係合ピン110bに係合したカム溝8eのカム作用により駆動レバー 110は前方(F方向)に向けて移動せしめられる。また、係合ピン110aがカムプレート36の係合孔36cに係合していることから、かかる駆動レバー 110の移動に連動してカムプレート36も前方に向けて移動する。すると、キャリッジ担持フレーム31の係合ピン31bがカム溝36aのカム作用により持ち上げられ、キャリッジ30はキャリッジ担持フレーム31と共に所定高さまで上昇せしめられる。一方、この状態からカムギヤ8が反時計回りに回転せしめられると、逆の行程をたどって、キャリッジ30は所定の高さに下降せしめられる。
【0024】
上述カムプレート36、キャリッジ担持フレーム31、駆動レバー 110等により、ディスク挿入等の非再生時にキャリッジ30を所定高さ(挿入可能位置)まで上昇させ、一方、ディスクの再生時には所定高さ(挿入不可能位置)まで下降させる(図3参照)キャリッジ昇降手段が構成されている。
このように、ディスクの非再生時、特にディスクを装置内の収納部に対して出し入れする際に、キャリッジ30及びローラ40等からなるディスク搬送手段を上昇せしめることにより、上下方向に複数のディスクを配列するディスク収納部(保持部)をできるだけ短いストロークだけ移動させてディスクの出し入れを行うことができ、もって、装置の厚みを薄くすること、すなわち装置の小型化が図れる。同様に、再生位置についても上下2ヶ所の位置を設定した場合には、更に装置の小型化が期待できる。
【0025】
次に、キャリッジ(すなわち再生手段)を待機位置と再生位置との間で搬送せしめるキャリッジ搬送手段について説明する。
図11に示されるように、メインシャーシ6の上面には、円盤状のカムギヤ8が中心軸8iまわりに回動可能に取り付けられており、このカムギヤ8には、キャリッジ搬送用の第1カム溝8a、トレイ分離用の第2カム溝8b、ディスク再生手段昇降用の第3カム溝8c、ディスク取り出し用の第4カム溝8d、キャリッジ昇降用の第5カム溝8eが形成されている。また、外周の一部には歯8f,8gが形成されており、歯8fと噛合する歯車71、2段歯車72,73、ウォーム付歯車74、スピンドルに嵌着されたウォーム75等の歯車列を介してモータ76により回動せしめられるようになっている。
【0026】
また、カムギヤ8の前方側でかつ上方には、メインシャーシ6に固着された支持軸37aまわりに揺動自在にキャリッジ駆動用の揺動アーム37が配置されている。かかる揺動アーム37は、その略中間部から下方に向けて突出した係合ピン37bがカムギヤ8の第1カム溝8aに嵌挿されて、そのカム溝に沿って移動可能となっており、又、揺動端部には下方に向けて突出しメインシャーシ6に形成された案内溝(不図示)に係合する案内ピン37dが設けられ、又、前述キャリッジ30の下面から突出した係合ピン30cが摺動自在に挿嵌される長孔37cが形成されている。
【0027】
従って、図11に示す待機位置から、カムギヤ8が反時計回りに所定角度だけ回転せしめられると、第1カム溝8aのカム作用により揺動アーム37は後方(Y方向と逆向き)に向けて揺動せしめられて、図12に示す再生位置に達する。この際、キャリッジ30は、その係合ピン30cが長孔37cに係合していることから、揺動アーム37の移動に連動し、そのガイドピン30bが側面6a,6bのガイド孔6cに沿うことで再生位置に搬送せしめられることになる。この再生位置は、後述するディスク収納部に収納されたディスクの中心よりも前方に位置している(図2及び図30参照)。
【0028】
上述カムギヤ8、揺動アーム37、歯車列71,72,73,74,75,モータ76からなる駆動手段70等により、キャリッジを前後方向(Y軸方向)において搬送するキャリッジ搬送手段が構成されている。
また、メインシャーシ6の後方でかつカムギヤ8の上方には、左右方向(X軸方向)において往復動せしめられるスライドレバー39が配置されている。このスライドレバー39は、図11に示されるように、メインシャーシ6に植設された案内ピン39bがその案内長孔39aに挿嵌されて、左右方向に移動可能に保持されており、又、下方に向けて突出する係合ピン39cがカムギヤ8の第3カム溝8cに嵌挿されて、そのカム溝に沿って移動可能となっており、さらに、一端部には上方に向けて突出する係合ピン39dが設けられている。尚、スライドレバー39の上側で中心軸8iまわりには下部円柱材部材 130が配置されており(図11及び図12参照)、後述するトレイ分離手段により下方に向けて分離されたディスクの中心孔にこの下部円柱状部材 130が嵌合してディスクのがたつきを防止できるようになっている。
【0029】
上述カムギヤ8の回転動作により、キャリッジ30が再生位置に達すると、この時、キャリッジ30に担持されたスライドプレート32のU字状係合片32dが係合ピン39dを挾むようにして係合する。この状態で、さらにカムギヤ8が反時計回りに回転せしめられると、第3カム溝8cのカム作用により、図12に示すように、スライドレバー39はX方向とは逆向きに移動せしめられ、と同時に係合片32dも同方向に移動せしめられる。すると、スライドプレート32、連結リンク33、及びカム孔32b等の作用により、再生手段担持フレーム35は上方に移動せしめられて、ターンテーブル20が再生するディスクを担持することになる。また、スライドレバー39がX方向に移動せしめられると再生手段担持フレーム35すなわちディスク再生手段は下方に移動せしめられる。
【0030】
上述カムギヤ8、スライドレバー39、スライドプレート32、連結リンク33、カム孔32b等により、ピックアップ及びターンテーブル等の再生手段を昇降せしめるための昇降手段が構成されている。
次に、複数枚のディスクを上下方向(Z軸方向)に配列して保持するディスク保持手段について説明する。
【0031】
図2に示されるように、ディスク保持手段50は、装置の最奥部に配置されており、又、図13に示されるように、パンタグラフ機構51により支持された下部ホルダ52と、この下部ホルダに積み重ねられるディスク担持用の複数枚のトレイ53(本実施例では4枚)と、これらトレイ53を上方から押圧する上部ホルダ54と、下部ホルダ52と上部ホルダ54とをお互いに引き寄せるように付勢すべく係止されたスプリング55(8,9参照)と、により構成されている。
【0032】
図13には、ディスク保持手段50の概略が示されており、図13(a)は装置の後方視による背面図、図13(b)は装置の一方側視による側面図である。尚、図13(b)は最下部のトレイが他のトレイから分離された状態を示すものである。図示されるように、パンタグラフ機構51は、後方に位置する第1レバー51a及び第2レバー51bと、側面に位置する第3レバー51h及び第4レバー51iとから成り、第1レバー51aはその一端がメインシャーシ6に対して支軸51cまわりに回動自在に枢支され、その他端に植設されたピン51gが下部ホルダ52の長孔52bに摺動自在に挿嵌されており、第2レバー51bはその一端に植設されたピン51dがメインシャーシ6の長孔51eに摺動自在に挿嵌され、その他端が下部ホルダ52の孔52aに嵌着された支軸51fまわりに回動自在に枢支されている。また、同様に第3レバー51hはその一端がメインシャーシ6に嵌着された支軸51jまわりに回動自在に枢支され、その他端に植設されたピン51nが下部ホルダ52の長孔52dに摺動自在に挿嵌されており、第4レバー51iはその一端に植設されたピン51kがメインシャーシ6の長孔51lに摺動自在に挿嵌され、その他端が下部ホルダ52の孔52cに嵌着された支軸51mまわりに回動自在に枢支されている。
【0033】
さらに、第1レバー51aと第2レバー51bとの下端部間にはスプリング51pが張設されて、両レバー51a,51bの下部を引き寄せるように、すなわち下部ホルダ52をパンタグラフ51により持ち上げる方向に付勢されている。このように、パンタグラフ51により支持された下部ホルダ52(図14参照)の上面には、ディスクを直接担持するトレイ53が4枚積み重ねられている。
【0034】
かかるトレイ53は、図15に示されるように、ディスクDを担持するディスク担持部53aと、かかるディスク担持部により担持されるディスクDの外周近傍に位置しディスクを径方向及び上下方向(Z軸方向)において規制する規制片53dが形成された領域と、後述のトレイ分離手段により支持される左右方向(X軸方向)に延出した3つのトレイ支持部53bとから成っている。尚、このトレイ支持部53bにはY軸方向においてテーパを成すテーパ部53cが形成されて、後述のトレイ分離手段が容易かつ確実に係合するようになっている。また、右側前方には、Y軸方向に伸長するガイド片53eが設けられており、このガイド片53eは、ディスクの再生時に、担持されたディスクを再生位置に向けて前方に移動せしめる際あるいは再びディスクをトレイ53に戻す際の案内の役割を成す。さらに、ディスク担持部53aの上面には、担持されたディスクの滑り落ちを防止する布片53fが貼付されている。
【0035】
図16には、下部ホルダ52上にトレイ53が積み重ねられ、かつ、それぞれのトレイ上にディスクDが担持された状態での平面図が示されている。図示されるように、トレイ53及びディスクDを積み重ねた状態でも、下部ホルダ52の後方側部領域52pは露出するように配置されており、この領域52pには後述する昇降手段の当接部材82が当接するようになっている。
【0036】
上述のように積み重ねられたトレイ53の最上部には、上部ホルダ54が配置されている。さらに、この上部ホルダ54の上方には、メインシャーシの側壁6a,6bの上端部に取り付けられるカバープレート(不図示)が配置され、この内側下面にはディスクの中心孔に嵌合する上部円柱状部材 131が設けられている(図3及び図16参照)。かかる上部円柱状部材 131は後述のトレイ分離手段により上方に向けて分離されたディスクの中心孔に嵌合してディスクのがたつきを防止できるようになっている。
【0037】
図17に示されるように、上部ホルダ54はトレイ53と略同形状をなし、左右方向に延出してかつ下方に垂下するように形成された係止部54e,54f,54gを有している。図14に示されるように、下部ホルダ52も同様に左右方向に延出してかつ上方に突出するように形成された係止部52e,52f,52gを有しており、こら下部ホルダ52及び上部ホルダ54の対応する係止部同士間にスプリング55(図8,図9参照)が係止されて、両ホルダを引き寄せるようにすなわち積み重ねられたトレイ53を上下から挾持するように付勢されている。
【0038】
次に、前述ディスク保持手段50に担持された複数のディスクの中から所望のディスクを選択して再生する際に、かかるディスクを担持したトレイを他のトレイから分離するトレイ分離手段60について説明する。
図18に示されるように、メインシャーシ6の外側下面には、面に沿うようにトレイ分離用スライドプレート61が配置されており、その案内長孔61bに対してメインシャーシ6に植設されたピン61dが挿通され、さらに、その係合ピン61aがメインシャーシ6の底面上方に配置されたカムギヤ8の第2カム溝8bに挿通されて、この溝8bに沿って移動可能に係合せしめられている。
【0039】
すなわち、トレイ分離用スライドプレート61は、カムギヤ8の回動により、前後方向(Y軸方向)において往復動するように支持されている。
また、トレイ分離用スライドプレート61の左右方向(X軸方向)両端部は上方(Z方向)に向けて屈曲せしめられかつ係合ピン61cが植設されて、くさび状部材としての第1分離レバー63の係合孔63f(図22(c)参照)及びくさび状部材としての第3分離レバー66の係合孔66f(図23(a)参照)に係合せしめられている。尚、同一側にある第1分離レバー63と第2分離レバー64とは、後述するようにそれぞれ逆向きに連動して移動するように連結プレート67を介して連結されている。
【0040】
従って、図18にて示される待機位置から、図19にて示されるように、モータ76によりカムギヤ8が反時計回りに所定角度回転せしめられると、係合ピン61aが係合した第3カム溝8bのカム作用により、トレイ分離用スライドプレート61は後方(奥方向)に向けて所定距離移動せしめられ、と同時に、第1分離レバー63と第3分離レバー66とが後方に、又、第2分離レバー64が前方(手前方向)に移動せしめられて、分離作動位置に達する。
【0041】
図20は、各分離レバー63,64,66が作動して1つのトレイ53を他のトレイから分離した状態を示すものであり、又、本図では7枚のトレイを備える実施例が示されており、下から4番目のトレイ(すなわちディスク)を他のトレイから分離している。
ここで、分離レバーの構成について、図21ないし図23を参照しつつ以下に説明する。
【0042】
くさび状部材としての分離レバー63,64,66は、図2,図18及び図19に示されるように、メインシャーシの側壁6a,6bに沿って配置されているが、これら分離レバーは側壁6a,6bに固定されるブラケット65,62を介して支持されている。
図21及び22に示されるように、第1分離レバー63及び第2分離レバー64は、それらの案内長孔63d,64dがブラケット62に設けられた中心孔62aに挿通される中心軸67b及びガイドピン62bに外嵌せしめられて、前後方向(Y軸方向)にそれぞれ往復動可能に支持されている。また、略ひし形状の連結プレート67が中心軸67bの位置を中心として回動可能となるようにブラケット62の中心孔62aに取り付けられ、さらに、連結プレート67に設けられた係合ピン67aが第1分離レバー63の係合孔63e及び第2分離レバー64の係合孔64eに挿通されかつブラケット62の円弧状溝62eに挿通されて、連結プレート67は円弧状溝62eの範囲において回動可能となっている。
【0043】
従って、図21(a)に示される待機位置から、トレイ分離スライドプレート61の係合ピン61cが後方に向けて移動すると、第1分離レバー63は係合ピン61cと共に後方に移動し、連結プレート67は反時計回りに回転し、この回転に伴って第2分離レバー64は前方に向けて移動し、図21(b)に示される分離作動位置に達する。
【0044】
図23に示されるように、第3分離レバー66は、その案内長孔66dがブラケット65に設けられたガイドピン65aに外嵌せしめられて、前後方向に往復動可能に支持されている。
従って、図23(a)に示される待機位置から、トレイ分離スライドプレート61の係合ピン61cが後方(Y方向と逆向き)に移動すると、第3分離レバー66は係合ピン61cと共に後方に移動し、図23(b)に示される分離作動位置に達する。
【0045】
上述分離レバー63,64,66の分離作用をなす部分は略くさび形状をなしており、トレイ53の支持部53bを捕えるU字形状の切り欠き部63c,64c,66cを挾んで、上方に傾斜の緩やかな傾斜部としての第1テーパ部63a,64a,66a及び下方に傾斜の急峻な傾斜部としての第2テーパ部63b,64b,66bを有するように形成されている。
【0046】
第2テーパ部63b,64b,66bが、第1テーパ部63a,64a,66aに比べて急勾配となっていることから、両テーパ部によりトレイを上下に分けて分離する際、下方に分離されるトレイの移動距離が上方に分離されるトレイの移動距離よりも長くなる。
従って、再生すべく選択されてたディスクを担持したトレイの上側にクランパが侵入するための空間が確保されつつ、その下側に十分な空間が確保されて、この下側領域に再生手段を担持したキャリッジ30が侵入可能となる。
【0047】
尚、分離作動位置においては、図20に示されるように、テーパ部により上下に向けて分離されたトレイ53は、その支持部53bの上面あるいは下面が分離レバー63,64,66の平坦部63g,64g,66gに当接して、上下方向(Z軸方向)において確実に固定されることになる。
上述カムギヤ8の第2カム溝8b、スライドプレート61、第1分離レバー63、第2分離レバー64、第3分離レバー66及び連結プレート67等により、再生すべきディスクを担持したトレイ53を、上下方向において他のトレイから分離するトレイ分離手段60が構成されている。
【0048】
このように、所望のディスクを担持したトレイを選択して他のトレイから分離する手段として、トレイの配列方向と略垂直な方向から作用するくさび状部材を設けたことにより、構造の簡略化が図れ、もって、装置の小型化が達成される。さらに、トレイの枚数も容易に増減することができ、装置の多様化が図れる。
次に、再生すべく指定されたディスクを選択するにあたり、ディスク保持手段50を昇降せしめて、当該ディスクを上下方向の所定高さの位置に位置決めするための昇降手段について説明する。
【0049】
図24に示されるように、装置の奥右側部には、上下方向に伸長するガイドシャフト81に摺動自在に外嵌せしめられた当接部材82が下部ホルダ52の領域52pに上方から当接するように配置されている。また、この当接部材82は、歯車84と一体形成された上下方向に伸びる送りねじ83に螺合せしめられている。歯車84は歯車85と噛合しており、この歯車85はモータ87のスピンドルに嵌着されたウォーム86と噛合している。従って、モータ87を回転させることにより、ウォーム86、歯車85、歯車84、送りねじ83を介して、当接部材82が上下方向に移動せしめられることになる。この際、下部ホルダ52は、前述パンタグラフ機構により常に上方に向けて付勢されていることから、当接部材82を上方に移動させると下部ホルダ52はその付勢力により当接部材82に追従して上昇せしめられ、一方、当接部材82を下方に移動させるとその付勢力に抗して下部ホルダ52は下降せしめられることになる。
【0050】
上述ガイドシャフト81、当接部材82、送りねじ83、歯車84,85、ウォーム86、モータ87等により、ディスク保持手段50を昇降せしめて、所望のディスクを所定高さに位置決めする昇降手段80が構成されている。
また、かかる昇降手段80及び前述トレイ分離手段60等により、所望のディスクを選択するディスク選択手段が構成されている。
【0051】
次に、挿入口5からディスクを挿入してトレイ53上に位置付ける際のディスク案内位置決め手段及びトレイ53上のディスクを装置外に取り出す際のディスク排出手段について説明する。
図25及び図26に示されるように、装置の前方左側部には、ディスクの搬送時においてディスクの外周に係合してこれを所定方向に案内するディスク案内揺動アーム91が配置されている。かかる揺動アーム91は、キャリッジ担持フレーム31の上面に植設された支軸91aまわりに水平面内において揺動自在に設けられ、又、キャリッジ担持フレーム31の係止片31cと揺動アームの係止片91dとの間にスプリング91fが張設されて、時計回りに付勢されて休止位置Aでストッパ31dに係合している。
【0052】
また、装置の前方右側部には、同様にディスクの外周に係合してこれを所定方向に案内するディスク案内揺動アーム92が配されている。かかる揺動アーム92は、キャリッジ担持フレーム31の下面に植設された支軸92aまわりに水平面内において揺動自在に設けられており、又、キャリッジ担持フレーム31の係止片31eと揺動アームの係止片92dとの間にスプリング92fが張設されて、反時計回りに付勢されて休止位置Aでストッパ31fに係合している。
【0053】
かかるアームを備えた構成において、ディスクがローラ40により装置内部に向けて搬送されると、ディスクの外周がそれぞれアーム92,91の係合部92b,91bに順次係合して、スプリングの付勢力に抗してそれぞれのアームを退避位置Bに向けて揺動せしめる。さらに、ディスクが内部に向けて搬送されると、ある時点でディスクがローラ40から離れてローラ40の駆動力が作用しなくなる。このとき、ディスク案内揺動アーム91,92がその付勢力により、ディスクをトレイ53の所定担持部53aに向けて移動せしめ、ディスクの搬入が完了する。
全てのトレイ53に対してディスクを搬入せしめるには、前述昇降手段を作動させて各々のトレイを所定高さに位置付けることで達成される。
【0054】
尚、ディスクがトレイ53上の所定担持位置に位置する状態では、各々のアーム91,92の係合部91b,92bは全てディスクの外周から僅かな間隙をもって離れた状態となっている。
一方、トレイ53上のディスクを装置外に搬出する場合は、装置の後方奥部において支軸94aのまわりに揺動自在に設けられ、かつ、係止片94bとシャーシの係止片との間にスプリング94cが張設されて時計回りに付勢された排出アーム94の作用によって押し出される。すなわち、ローラ40が搬入時とは逆まわりに回転せしめられると同時に、排出アーム94を駆動手段(不図示)により退避位置Bから作用位置Aに向けて反時計回りに回転させる。すると、排出アーム94の自由端部がディスクの外周に係合してディスクを前方に向けて押し出す。このディスクの移動に伴って各アーム92,91は退避位置Bに向けて揺動せしめられる。そして、ディスクの前方部がローラ40とキャリッジ30下面との間に挾まれると、ローラ40の駆動力により挿入口5に向けてディスクの搬出がなされる。
【0055】
これらアーム91,92及び規制片53d,ガイド片53eの案内作用及び軸線方向中央部が縮径形状(テーパ形状)に形成されたローラ40の自動調芯作用により、ディスクは左右方向(X軸方向)にずれることなく、前後方向(Y軸方向)に確実に搬送される。
上述ディスク案内揺動アーム91,92、規制片53d、ガイド片53e及び中央から両端に向かうにつれて外径が増加するように形成されたローラ40のテーパ構造により、ディスク案内位置決め手段が構成されている。
【0056】
また、上述排出アーム94及びローラ40等により、ディスクを装置外へ排出ディスク排出手段が構成されている。
尚、上述ディスク案内揺動アーム91は、ディスクの再生時には一度退避位置Bに揺動せしめられて、キャリッジ30の移動を可能ならしめている。すなわち、再生に際して、キャリッジ30が後方に向けて移動せしめられると、かかるキャリッジ30の下面から下方に突出した係合ピン30cに外嵌された転動リング30dが揺動アーム91の縁部91cに係合して、キャリッジ30の後方への移動に伴って揺動アーム91を反時計回りに揺動せしめ、揺動アーム91の直立した係合部91bがキャリッジ30の下面及び側面に接触しないように構成されている。
【0057】
従って、揺動アーム91の直立した係合部91bの高さの分だけ部品の集約化が図れ、これにより、装置の厚みを薄くでき、もって装置の小型化を図ることができる。
次に、ディスクの再生時において、ディスクをターンテーブルと協働してクランプするクランプ手段 100について説明する。
【0058】
図27及び図2に示されるように、キャリッジ30の上方には再生するディスクをターンテーブル20に対して上方から押圧固定するクランプ手段 100が配置されている。すなわち、クランパフレーム 101がピックアップ10及びターンテーブル20等に対して所定間隔をおいてその上方に配置されキャリッジ30に固定されている。そして、このクランパフレーム 101に設けられた孔にクランパ 102が上方から遊挿されて、その外周縁が支持され、さらにその上方からスプリングアーム 103により下方に向けて付勢されている。クランプ時には、クランパ 102は若干上方に押し上げられてクランパフレーム 101から離れ、クランパ 102の支持ピン 102aがスプリングアーム 103の軸受穴 103aにより回動自在に支持されることになる。
【0059】
上述クランパフレーム 101、クランパ 102、スプリングアーム 103、軸受穴 103a等により、ディスクをターンテーブル20と協働してクランプするクランプ手段 100が構成されている。
尚、図27において、実線で示した再生手段担持フレーム35は再生位置にある状態を、二点鎖線で示したものは待機位置にある状態をそれぞれ示すものである。
【0060】
次に、ディスクを再生する際に、トレイ53に担持された所望のディスクを、ディスク再生手段に向けて前方(Y方向)に取り出すディスク取り出し手段 140について説明する。
図28及び図29に示されるように、装置の左側奥部において、メインシャーシ6に植設された支軸 141まわりに回動自在となるように、ディスク取り出しアーム 142及びディスク保持手段50をロックするロックアーム 143が同軸にて設けられている。尚、このディスク取り出しアーム 142とロックアーム 143とは、スプリング 144によりお互いに近づく方向に付勢されている。また、ディスク取り出しアーム 142の回動中心下端には連結アーム 142aが一体的に形成されており、その自由端側に長孔 142bが設けられている。さらに、連結アーム 142a及びカムギヤ8の上方には、V字状スライドレバー 145が配置されており、その長孔145cに案内ピン 146が挿通され、又、その係合ピン145a,145bがそれぞれカム溝8d,長孔142bに挿通されて、カムギヤ8の回動により所定方向に往復動するようになっている。
【0061】
すなわち、カムギヤ8の回動によりスライドレバー 145が往復動し、これによりディスク取り出しアーム 142が回動するようになっている。
図28は、挿入口5からディスクを挿入する場合におけるディスク取り出し手段 140の状態を示したものである。この状態で、ディスク取り出しアーム 142は時計回りに所定角度回転しており、スプリング 144の付勢力によりロックアーム143も時計回りに回転して、その自由端部がディスク保持手段を構成する下部ホルダ52、4つのトレイ53、及び上部ホルダ54の一側縁部に係合しており、これらのがたつきを防止するようになっている。従って、ディスクを所定のトレイに向けて搬入する際、トレイの位置ずれが防止され、ディスクの搬入が確実に行われる。
【0062】
図29は、ディスク保持手段のトレイ53に収納保持されたディスクを、装置前方の再生位置に移動せしめた場合におけるディスク取り出し手段の状態を示したものである。この状態は、図28に示す状態からカムギヤ8が反時計回りに所定角度回転した状態であり、カムギヤ8の回転行程中において、ディスク取り出しアーム 142及びロックアーム 143は、図2に示されるように、反時計回りに回転してディスク保持手段から離れ、その後再び図示の如く時計回りに回転したものである。この時計回りの回転の際、ディスク取り出しアーム 142の自由端部が再生されるディスクの外周に係合してディスクを前方に向けて押し出すと共に、押し出されるディスクは、トレイのガイド片53eにより案内され、かつ、後述するディスク返却アームにより規制されつつ、再生位置(図2中の中心位置C2)に位置付けられる。尚、図29では、ディスクを再生位置に位置付けてクランプ手段によりクランプした後、ディスクの外周から離隔せしめるべくディスク取り出しアーム 142を僅かに反時計回りに回転せしめた状態を示している。
【0063】
上述支持軸 141、ディスク取り出しアーム 142、ロックアーム 143、スプリング 144、V字状スライドレバー 145、カム溝8d等により、ディスクを再生する際にトレイから取り出すディスク取り出し手段、及びディスク保持手段を所定位置にロックするロック手段が構成されている。
次に、再生が終了したディスクを所定のトレイ53に返却するディスク返却手段 160について説明する。図30に示されるように、クランパフレーム 101の下面左側部には、支軸161aまわりに回動自在にディスク返却アーム 161が配置されている。このディスク返却アーム 161は、キャリッジ30が待機位置(二点鎖線で示す位置)にあるとき、反時計回りに回転してその自由端部が装置後方を向くように、スプリング 162により付勢されて、クランパフレーム 101に形成されたストッパ(不図示)に係合している。
【0064】
図30は、再生位置にある状態を示すものであり、ディスクが収納位置(D1)から再生位置(D2)に向けて、ディスク取り出しアーム 142により押し出される際、ディスクの外周にディスク返却アーム 161の自由端部が係合して、ディスクの前方移動と共にディスク返却アーム 161は時計回りに回転する。そして、再生位置に達し、再生手段担持フレーム35が上昇してクランパ 102によりディスクがクランプされると同時か僅かに遅れて、ディスク返却アーム 161の垂下片161cに再生手段担持フレーム35のテーパ状係合片35dが係合して(図27参照)、そのテーパ部によるカム作用により、ディスク返却アーム 161はさらに僅かに時計回りに回転せしめられてディスクの外周から離れ、又、この離隔動作と同時に、ディスク取り出しアーム 142も反時計回りに僅かに回転して、ディスクの外周から離れて、図示の状態となる。
【0065】
一方、再生が終了して、再生手段担持フレーム35が下降すると、ディスクのクランプが解除されるのと同時かその直前に、垂下片 161cと係合片35dとの係合が解け、ディスク返却アーム 161は反時計回りに回動してディスクの外周に係合する。また、ディスク取り出しアーム 142も時計回りに回動してディスクの外周に係合する。そして、カムギヤ8が時計回りに回動すると、ディスク取り出しアーム 142が反時計回りに回動するのに伴って、スプリング 162の付勢力によりディスク返却アーム 161は反時計回りに回動しつつ、ディスクをトレイ53に返却する。尚、ディスク返却アーム 161は、その回動がスムーズに行えるように、クランパフレームの一部に形成された案内プレート 101aに、係合片 161bが一時的に案内されるようになっている。
【0066】
次に、ディスクを挿入口5から出し入れする際に、挿入口5を開閉する蓋体を作動せしめる、蓋体駆動手段 150について説明する。
図28及び図29に示されるように、装置の前方左側部でメインシャーシ6の上面には、スライドプレート 151が配置されて、その長孔 151bに、メインシャーシに植設された案内ピン 151eが挿通されて、前後方向(Y軸方向)に往復動自在となっている。また、スライドプレート 151には、カムギヤ8の歯8gに噛合し得る歯車 152と噛合するラック 151aが形成されており、カムギヤ8の回動により前後方向に往復動せしめられるようになっている。さらに、スライドプレート 151の右側前端部に植設された係合ピン 151cに、スプリング 153の一端が係合せしめられて、スライドプレート 151は常時後方に向けて移動すべく付勢されている。
【0067】
かかる構成において、図28に示すように、カムギヤ8が時計回りに回動せしめられると、歯8g、歯車 152、ラック 151aを介して、スライドプレート 151は前方に移動せしめられ、その前端部 151dが蓋体に係合して、挿入口5を開放する。一方、図29に示すように、カムギヤ8が反時計回りに回動して、歯8gを歯車 152とが噛合しなくなった状態では、スライドプレート 151はスプリング153の付勢力により後方に向けて移動せしめられ、その前端部 151dは蓋体から離れて、挿入口5が閉塞されることになる。
【0068】
上述スライドプレート 151、歯車 152、歯8g、スプリング 153等により、蓋体を開閉する蓋体駆動手段 150が構成されている。
次に、キャリッジ30が待機位置に位置してディスクを再生しない非再生時の状態において、メインシャーシ6をハウジング1に対してロックするロック手段について説明する。
【0069】
図31に示されるように、メインシャーシ6の下面(底面外側)には、前後方向(Y軸方向)に長尺なロックレバー 121が配置されており、このレバー 121に植設されたピン 121a, 121bがそれぞれメインシャーシ6に形成された案内長孔(不図示)に嵌挿されて、前後方向に往復動自在にかつスプリング 122により後方に(奥に向かって)移動するように付勢されている。
【0070】
また、ロックレバー 121のピン121aは上方に向かって延出し、揺動アーム37のカム部37eと係合可能となっている。
一方、メインシャーシ6は、ディスクの再生時に防振を行う必要性から、ハウジング1の内壁と所定間隔が確保されるように、防振ゴム等の支持部材(図2参照)を介して支持されている(この状態を中立位置と称する)。
【0071】
この中立位置、すなわちキャリッジ30が再生位置にある場合に対応する位置から、キャリッジ30が前方の待機位置にある場合に対応する位置に向けて、カムギヤ8の時計回りの回転により揺動アーム37を揺動させると、かかる揺動アーム37の略中間部前側に形成されたカム部37eがピン121aに係合して、ロックレバー 121をメインシャーシ6の前端から前方に突出せしめ、その端部121cがハウジング1の前壁内側面に当接する。
【0072】
かかるロックレバー 121のハウジング1への当接により、防振ゴム等の支持部材は前後方向において強制的に変形せしめられ、メインシャーシ6はハウジング1に対して相対的に所定距離Lだけ後方に(奥に向けて)移動させられる。
これにより、メインシャーシ6はハウジング1に対して一方向に付勢され、かかる付勢力によりロック作用が得られることになる。
【0073】
また、メインシャーシ6が後方に向けて相対的に移動させられることで、メインシャーシ6の前端とハウジング1の前壁との間に空間が確保され、この領域に、キャリッジ30を(メインシャーシ6から前方に突出するように)移動させることが可能となる。
従って、メインシャーシ6とハウジング1との間に常に一定の防振用の間隔を確保する構造に比べて、本実施例の如く防振を必要としない非再生時にその間隔を利用して装置の一部を待機させる構造では、寸法Lだけ装置の奥行きを短くでき、もって装置の小型化が図れる。
【0074】
また、図32及び図33に示されるように、挿入口5からディスクを出し入れ等する際に、メインシャーシ6をハウジング1に対してロックするロックレバー124,126が設けられている。すなわち、メインシャーシ6の側面6a,6bに沿って、下端がキャリッジ担持フレーム31のピン31bに回動自在に連結された連結レバー123,125が略上方に向けて伸長せしめられ、それらの上端が、側面6a,6bの上端近傍に設けられた支軸 124a,126aまわりに揺動自在に取り付けられたロックレバー124,126の連結ピン 124b,126bに連結されている。そして、キャリッジ担持フレーム31が下方に位置する場合は、ロックレバー124,126は略水平となるように設定されており、キャリッジ担持フレーム31が上方に位置する、すなわちキャリッジ30が所定高さ持ち上げられた状態で、ロックレバー124,126はそれぞれ上方に向けて揺動し、ハウジング1の天板内面に当接する。
【0075】
これにより、メインシャーシすなわち装置本体の特に上下移動が規制されて、装置が停止した電源段の状態では装置本体のがたつきが防止され、又、挿入口5からのディスクの挿入あるいは取り出しを行う際は、その操作を容易かつ確実に行うことができる。
尚、以上述べた種々の作動行程の開始時点あるいは終了時点は、移動部材の接触あるいは非接触によってそのタイミングを検出する検出センサ(不図示)を用いて行われる。
【0076】
次に、本実施例に係るディスク再生装置の動作について説明する。
先ず、装置が停止した電源断の状態において、図34に示されるように、キャリッジ30は挿入口側で所定高さに位置付けられた待機位置に位置する。
この状態で、電源が入れられてディスク搬入モードが指定されると、先ず、ディスクの有無検出が実行される。かかるディスク有無検出は、昇降手段により各トレイを順次選択し、取り出し手段によりディスクを所定位置まで移動せしめる動作を行わせて、所定位置に設置されたフォトセンサによりディスクの有無を検出し、再びディスクを収納する動作を行わせる。かかる動作を全てのトレイに対して繰り返し行うものである。
【0077】
続いて、上述ディスク有無検出により空き状態のトレイが検出されると、昇降手段80によりかかる空き状態にあるトレイ53が所定高さ(ディスク搬入搬出可能高さ)に位置付けられる。そして、カムギヤ8が時計回りに所定角度回転せしめられて、蓋体駆動手段 150のスライドプレート 151が前方に移動して蓋が開けられ挿入口5が開放される。次に、ローラ40が搬入方向に回転しディスクの挿入が可能となる。複数のディスクを挿入する場合は、所望の指令操作により連続的に、あるいは指令毎ごとにディスクの挿入が行われる。
【0078】
尚、図34は、最下段のトレイ53に、ディスクD4を搬入する状態を示したものである。また、この搬入状態において、トレイ53等のディスク保持手段50はロックアーム 143によりロックされており、メインシャーシ6は、ロックレバー121,124,126によりハウジング1に対してロックされておりディスクの搬入動作が確実に行われるようになっている。
【0079】
かかるディスクの挿入すなわち搬入が完了すると、所定の指令により、再生モードへと移行する。先ず、駆動手段70によりカムギヤ8が反時計回りに回転せしめられると、スライドプレート 151が引込んで蓋が閉じ、ロックアーム 143が反時計回りに回動してディスク保持手段50から離れ、ディスク保持手段の昇降が可能となる。また、キャリッジ30が所定高さに下降し、ロックレバー 124,126も下方に向けて回動しハウジング1から離れる。そして、所望のディスクの選択操作がなされると、かかるディスクを担持したトレイが、昇降手段80により所定の高さ(ディスク再生可能高さ)に位置付けられる。
【0080】
その後、さらに駆動手段70によりカムギヤ8が反時計回りに回転せしめられる。かかるカムギヤ8の回転により、先ずスライドプレート61が第2カム溝8bの作用により後方に移動せしめられると同時にトレイ分離用のレバー63,64,66が前後方向に移動せしめられて、再生されるディスクを担持したトレイ53を他のトレイから分離する。
【0081】
さらにカムギヤ8が回転すると、第1カム溝8aの作用により揺動アーム37が後方に揺動せしめられると同時にキャリッジ30を待機位置(図34に示す位置)からトレイ間の再生位置(図35中のC2)に向けて移動せしめる。かかる揺動アーム37の後方移動に伴ってロックレバー 121によるロックが解除されて、メインシャーシ6は防振支持された中立位置に復帰する。
【0082】
一方、かかるキャリッジ30の再生位置への移動と同時に、ディスク取り出しアーム 142がカム溝8dの作用により時計回りに回動して再生予定ディスクの外周後方部に当接し、このディスクを収納位置(図35中のC1)から再生位置に向けて移動せしめる。このディスクの前方への移動は、トレイ53のガイド片53eに案内されつつ、又、ディスク返却アーム 161の付勢力に抗しつつ行われるので、X軸方向においてディスクの中心がずれることなく、確実高精度な搬送がなされる。尚、ディスク取り出しアーム 142の回動により、ロックアーム 143も時計回りに回動してスプリング 144の付勢力によりトレイ53等を所定位置をロックする。かかるロック作用によってトレイ53のがたつき等が防止されることからも、ディスクの搬送が確実高精度に行われることになる。
【0083】
そして、キャリッジ30が再生位置に達し、かつ、ディスクが再生位置に達すると同時に、キャリッジ30上のU字状係合片32dがスライドレバー39上の係合ピン39dに係合する。
さらにカムギヤ8が回転すると、第3カム溝8cの作用によりスライドレバー39がX方向とは逆向きに移動せしめられ、と同時にスライドプレート32が移動して再生手段担持フレーム35を上昇せしめ、ターンテーブル20が選択されたディスクを下方から持ち上げて担持すると同時にクランパ 102と協働してディスクをクランプする。
【0084】
このクランプ動作と同時かあるいは僅かに遅れて、テーパ状係合片35dのカム作用によりディスク返却アーム 161は僅かに時計回りに回動せしめられてディスクの外周部から離れ、又、カム溝8dのカム作用によりディスク取り出しアーム 142は僅かに反時計回りに回動せしめられて同様にディスクの外周部から離れる。
【0085】
このように、ディスクの再生に際して、再生手段と再生されるディスクとをお互いに近づくように同時に移動させる為、単に再生手段あるいはディスクのみを移動させるものに比べて、再生指令から再生実行に至るまでの時間が短縮でき、もって、スムーズな再生が達成される。
これによりディスクの再生準備が完了し、ディスクの再生が行われる。尚、ディスクの再生が終了して、再生手段を待機位置に戻し、又、ディスクを元の収納位置に戻す場合は、前述の動作と逆の行程を辿る為、ここでの説明は省略する。
【0086】
一方、ディスク保持手段50に収納されたディスクを取り出す場合は、所定の取り出しモードが指定されると、取り出すべく選択されたディスクを担持したトレイが昇降手段により所定高さに位置付けられて、その後、駆動手段により排出アーム94が反時計回りに回転せしめられ、排出アーム94がディスクを前方に向けて所定距離だけ移動せしめる。そして、図34に示す位置にある搬出方向に回転しているローラ40とキャリッジ30の下面との間にディスクの前縁部が入り込み、ローラ40の回転力によりディスクの搬出が終了する。
【0087】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のディスク再生装置によれば、装置の小型化を図りつつ、ディスクの再生指令から再生実行に至るまでの時間を短縮することができ、もって、ディスクのスムーズな再生が達成される。
また、ディスクを確実に保持しつつ、その搬送を行うことができ、機能上の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスク再生装置の外観斜視図である。
【図2】本発明に係るディスク再生装置の配置関係を示す平面図である。
【図3】本発明に係るディスク再生装置の配置関係を示す側面図である。
【図4】本発明に係るディスク搬送手段を示すものであり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図5】本発明に係るキャリッジ30を示すものであり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)及び(e)は側面図である。
【図6】本発明に係る再生手段担持フレームを示すものであり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)及び(e)は側面図である。
【図7】本発明に係るキャリッジ担持フレームを示すものであり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)及び(d)は側面図である。
【図8】本発明に係るメインシャーシの右側面図である。
【図9】本発明に係るメインシャーシの左側面図である。
【図10】本発明に係るキャリッジ昇降用の駆動レバーを示す平面図である。
【図11】本発明に係るキャリッジ搬送手段を示す平面図である。
【図12】本発明に係るキャリッジ搬送手段を示す平面図である。
【図13】本発明に係るディスク保持手段を示すものであり、(a)は背面図、(b)は右側面図である。
【図14】本発明に係る下部ホルダを示すものであり、(a)は平面図、(b)及び(c)は側面図、(d)は背面図である。
【図15】本発明に係るトレイの平面図である。
【図16】本発明に係るディスク保持手段の平面図である。
【図17】本発明に係る上部ホルダを示すものであり、(a)は平面図、(b)は背面図である。
【図18】本発明に係るトレイ分離手段の作動前の状態を示すものであり、(a)は平面図、(b)及び(c)は側面図である。
【図19】本発明に係るトレイ分離手段の作動後の状態を示すものであり、(a)は平面図、(b)及び(c)は側面図である。
【図20】本発明に係るトレイ分離手段により、選択されたディスクを担持したトレイが分離された状態を示すものであり、(a)は右側面図、(b)は左側面図である。
【図21】本発明に係るトレイ分離手段の構成を示す図である。
【図22】本発明に係るトレイ分離手段を構成する部品図である。
【図23】本発明に係るトレイ分離手段の構成を示す図である。
【図24】本発明に係るディスク保持手段を昇降せしめる昇降手段を示す平面図である。
【図25】本発明に係るディスク案内位置決め手段及び排出手段の平面図である。
【図26】本発明に係るローラとトレイのディスク搬入搬出時の位置関係を示す側面図である。
【図27】本発明に係るクランプ手段の正面図である。
【図28】本発明に係るディスク取り出し手段及びディスク保持手段をロックするロック手段を示す平面図である。
【図29】本発明に係るディスク取り出し手段及びディスク保持手段をロックするロック手段を示す平面図である。
【図30】本発明に係るディスク返却手段を示す平面図である。
【図31】本発明に係る装置本体のロック手段を示す平面図である。
【図32】本発明に係る装置本体のロック手段を示す左側面図である。
【図33】本発明に係る装置本体のロック手段を示す右側面図である。
【図34】本発明に係る装置において、ディスクの搬入状態を示す側面図である。
【図35】本発明に係る装置において、ディスクの再生状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
5 挿入口
6 メインシャーシ
7 プリント回路基板
8 カムギヤ
10 ピックアップ
20 ターンテーブル
30 キャリッジ
31 キャリッジ担持フレーム
32 スライドプレート
35 再生手段担持フレーム
36 カムプレート
37 揺動アーム
39 スライドレバー
40 ローラ
50 ディスク保持手段
51 パンタグラフ
52 下部ホルダ
53 トレイ
54 上部ホルダ
55 スプリング
60 トレイ分離手段
61 トレイ分離用スライドプレート
63 第1分離レバー
64 第2分離レバー
66 第3分離レバー
67 ひし形状連結プレート
70 駆動手段
71 歯車
72,73 2段歯車
74 ウォーム付歯車
75 ウォーム
76 モータ
81 ガイドシャフト
82 当接部材
83 送りねじ
84 歯車
85 歯車
86 ウォーム
87 モータ
91,92 ディスク案内揺動アーム
94 排出アーム
100 クランプ手段
101 クランパフレーム
102 クランパ
103 スプリングアーム
110 キャリッジ昇降用駆動レバー
120,124,126 ロックレバー
142 ディスク取り出しアーム
143 ロックアーム
144 スプリング
145 U字状スライドレバー
150 蓋体駆動手段
151 スライドプレート
152 歯車
153 スプリング
160 ディスク返却手段
161 ディスク返却アーム
162 スプリング

Claims (10)

  1. 複数枚のディスクをその主面に対して垂直な方向に配列した状態で保持するディスク保持手段と、前記ディスクの非再生時には前記ディスク保持手段に保持されたディスクが存在するディスク保持位置の外側の非再生位置に位置し、かつ、前記ディスクの再生時には前記非再生位置よりも前記ディスク保持位置に近接した再生位置に位置するように搬送されるディスク再生手段と、前記ディスク保持位置に位置する所望のディスクを前記再生位置に向けて取り出し搬送するディスク取り出し搬送手段と、を含むディスク再生装置であって、
    ディスクを再生する際に、前記ディスク再生手段を前記非再生位置から前記再生位置に至らしめる再生手段搬送動作と、前記所望のディスクを前記ディスク保持位置から前記再生位置に至らしめるディスク搬送動作とは、同時に行われる、ことを特徴とするディスク再生装置。
  2. 複数枚のディスクをその主面に対して垂直な方向に配列した状態で各々保持する複数のトレイを含むディスク保持手段と、前記ディスクの非再生時には前記ディスク保持手段により保持されたディスクが存在するディスク保持位置の外側の非再生位置に位置し、かつ、前記ディスクの再生時には少なくとも一部が前記ディスク保持位置に重なり合う再生位置に位置するディスク再生手段と、前記ディスク再生手段を前記非再生位置と前記再生位置との間で搬送する再生手段搬送機構と、前記ディスクを再生する際に前記再生位置への前記ディスク再生手段の侵入を許容すべく、再生を所望するディスクを所定位置に位置決めし、かつ、他のディスクを前記ディスクの配列方向において移動せしめて退避させるディスク選択手段と、前記再生を所望するディスクを前記再生位置に向けて取り出し搬送するディスク取り出し搬送手段と、を含むディスク再生装置であって、
    ディスクを再生する際に、前記ディスク再生手段を前記非再生位置から前記再生位置に至らしめる再生手段搬送動作と、前記再生を所望するディスクを前記ディスク保持位置から前記再生位置に至らしめるディスク搬送動作は、同時に行われる、ことを特徴とするディスク再生装置。
  3. 前記再生位置にあるディスクを前記ディスク保持位置まで返却するディスク返却手段を有する、ことを特徴とする請求項2記載のディスク再生装置。
  4. 前記ディスク返却手段は前記ディスク再生手段上に設けられている、ことを特徴とする請求項3記載のディスク再生装置。
  5. 前記ディスク取り出し搬送手段は、前記トレイに保持されたディスクの主面に平行な方向に回動可能でかつディスクの外周部に係合してディスクを移動せしめ得る取り出し用回動部材を有する、ことを特徴とする請求項2ないし4いずれか1つに記載のディスク再生装置。
  6. 前記ディスク返却手段は、前記再生位置にあるディスクの主面に平行な方向に回動可能でかつディスクの外周部に係合してディスクを移動せしめ得る返却用回動部材と、前記返却用回動部材をディスクの返却方向に付勢する付勢部材と、を有することを特徴とする請求項3ないし5いずれか1つに記載のディスク再生装置。
  7. ディスクの再生時において、前記付勢部材の付勢力に抗して、前記返却用回動部材をディスクの外周部から離れた位置に保持する保持手段を有する、ことを特徴とする請求項6記載のディスク再生装置。
  8. 前記ディスク保持手段を所望の位置にてロックするロック手段を有する、ことを特徴とする請求項2ないし7いずれか1つに記載のディスク再生装置。
  9. 前記ロック手段は、前記ディスク取り出し搬送手段に連動して動作せしめられる、ことを特徴とする請求項8記載のディスク再生装置。
  10. 前記ロック手段は、前記取り出し用回動部材と同一方向に回動可能でかつ前記ディスク保持手段の一部に係合し得るロックアームと、前記ロックアームを前記取り出し用回動部材に近づけるように付勢する付勢部材と、を有することを特徴とする請求項9記載のディスク再生装置。
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