JP3532658B2 - 浮きクレーンの制御方法及び浮きクレーンの制御装置 - Google Patents

浮きクレーンの制御方法及び浮きクレーンの制御装置

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JP3532658B2
JP3532658B2 JP10236195A JP10236195A JP3532658B2 JP 3532658 B2 JP3532658 B2 JP 3532658B2 JP 10236195 A JP10236195 A JP 10236195A JP 10236195 A JP10236195 A JP 10236195A JP 3532658 B2 JP3532658 B2 JP 3532658B2
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大典 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は浮きクレーンの制御方法
及び浮きクレーンの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は浮きクレーンの一例を示すもの
で、この浮きクレーンは、水上に浮ぶ台船1と、該台船
1の甲板1aに設置され且つウインチドラム2を内装す
る旋回体3と、該旋回体3に基端部が枢支され且つ先端
部にシーブ4a,4b,4cを支承する台船1に対して
起伏なブーム5とを備え、ウインチドラム2から繰り出
したワイヤロープ6をブーム5の先端部のシーブ4a,
4bに巻き掛けて垂下させ、シーブ4bより垂下するワ
イヤロープ6をフックブロック7のシーブ8とブーム5
の先端部のシーブ4cとに巻き掛けたうえ、ワイヤロー
プ6の先端部をブーム5の先端部に係止している。
【0003】図3は浮きクレーンの油圧回路の一例を示
すもので、この油圧回路は、前記のウインチドラム2を
減速機9を介して駆動する油圧モータ10、主油圧ポン
プ11、パイロット油圧ポンプ12、作動油タンク1
3、方向切換弁14、リモートコントロール弁15を有
している。
【0004】主油圧ポンプ11及びパイロット油圧ポン
プ12は、同一のエンジン16によって駆動されるよう
に構成されている。
【0005】主油圧ポンプ11の吸引口には、上流端が
作動油タンク13に連通する管路17の下流端が接続さ
れ、また、主油圧ポンプ11の吐出口には、逆止弁18
を有する管路19の一端が接続されている。
【0006】パイロット油圧ポンプ12の吸引口には、
上流端が作動油タンク13に連通する管路20の下流端
が接続され、またパイロット油圧ポンプ12の吐出口に
は、管路21の一端が接続されている。
【0007】更に、前記の管路19の逆止弁18が設け
られている箇所よりも下流側の部分には、リリーフ弁2
2を有し且つ下流端が作動油タンク13に連通する管路
23の上流端が接続され、また、前記の管路21の中間
部分には、リリーフ弁24を有し且つ下流端が作動油タ
ンク13に連通する管路25の上流端が接続されてい
る。
【0008】方向切換弁(パイロット圧切換方式の3位
置4ポート切換弁)14は、一方のパイロットポート1
4aに流体圧が付与された際に、入口ポートに一方の切
換ポートが連通し且つ他方の切換ポートが出口ポートに
連通するようにスプールが移動し、また、他方のパイロ
ットポート14bに流体圧が付与された際に、入口ポー
トに他方の切換ポートが連通し且つ一方の切換ポートが
出口ポートに連通するようにスプールが移動し、更に、
両パイロットポート14a,14bのいずれにも流体圧
が付与されない状態においては、スプールが中立位置を
保持して各ポートが互いに連通しない状態になるように
構成されている。
【0009】方向切換弁14の入口ポートには、前記の
管路19の他端が接続され、また、方向切換弁14の出
口ポートには、下流端が作動油タンク13に連通する管
路26の上流端が接続されている。
【0010】方向切換弁14の一方の切換ポートには、
一端が前記の油圧モータ10の一方の給排油ポートに連
通する管路27の他端が接続され、また、方向切換弁1
4の他方の切換ポートには、一端が前記の油圧モータ1
0の他方の給排油ポートに連通する管路28の他端が接
続されている。
【0011】リモートコントロール弁(手動切換方式の
3位置4ポート切換弁)15は、旋回体3(図4参照)
の操縦室の内部に設置した操作レバー15aを手動操作
によってある一方向に傾動させた際に、入口ポートに一
方の切換ポートが連通し、また、手動操作によって操作
レバー15aを他方向に傾動させた際に、入口ポートに
他方の切換ポートが連通し、更に、操作レバー15aが
中立状態であるときには、両切換ポートが出口ポートに
連通するように構成されている。
【0012】リモートコントロール弁15の入口ポート
には、前記の管路21の他端が接続され、また、リモー
トコントロール弁15の出口ポートには、下流端が作動
油タンク13に連通する管路29の上流端が接続されて
いる。
【0013】リモートコントロール弁15の一方の切換
ポートには、一端が前記の方向切換弁14の一方のパイ
ロットポート14aに連通する管路30の他端が接続さ
れ、また、リモートコントロール弁15の他方の切換ポ
ートには、一端が前記の方向切換弁14の他方のパイロ
ットポート14bに連通する管路31の他端が接続され
ている。
【0014】上述した構成を有する浮きクレーンでは、
運転者が操作レバー15aをある一方向に傾動させてリ
モートコントロール弁15の入口ポートを一方の切換ポ
ートに連通させると、パイロット油圧ポンプ12から吐
出される作動油の流体圧が、管路21、リモートコント
ロール弁15、管路30を経て一方のパイロットポート
14aに付与され、方向切換弁14の入口ポートが一方
の切換ポートに連通し且つ出口ポートに他方のポートが
連通するようにスプールが移動する。
【0015】上述したように方向切換弁14のスプール
が移動すると、主油圧ポンプ11が作動油タンク13か
ら吸引して吐出する作動油が、管路19、方向切換弁1
4、管路27を経て一方の給排油ポートから油圧モータ
10に供給されるとともに、該油圧モータ10の他方の
給排油ポートから排出される作動油が管路28、方向切
換弁14、管路26を経て作動油タンク13に回収さ
れ、これにより、油圧モータ10がワイヤロープ6を繰
り出す方向にウインチドラム2を回転させ、フックブロ
ック7が下降する。
【0016】また、運転者が前記の操作レバー15aを
他方向に傾動させてリモートコントロール弁15の入口
ポートを他方の切換ポートに連通させると、パイロット
油圧ポンプ12から吐出される作動油の流体圧が、管路
21、リモートコントロール弁15、管路31を経て他
方のパイロットポート14bに付与され、方向切換弁1
4の入口ポートが他方の切換ポートに連通し且つ出口ポ
ートに一方のポートが連通するようにスプールが移動す
る。
【0017】上述したように方向切換弁14のスプール
が移動すると、主油圧ポンプ11が作動油タンク13か
ら吸引して吐出する作動油が、管路19、方向切換弁1
4、管路28を経て一方の給排油ポートから油圧モータ
10に供給されるとともに、該油圧モータ10の他方の
給排油ポートから排出される作動油が管路27、方向切
換弁14、管路26を経て作動油タンク13に回収さ
れ、これにより、油圧モータ10がワイヤロープ6を巻
き取る方向にウインチドラム2を回転させ、フックブロ
ック7が上昇する。
【0018】このように、図3及び図4に示す浮きクレ
ーンにおいては、運転者が操作レバー15aを傾動させ
ることによりフックブロック7を昇降させ、該フックブ
ロック7に係止した構造物の揚重作業を行うようになっ
ている。
【0019】また、上記の浮きクレーンは、フックブロ
ック7に替えてワイヤロープ6にクラムシェルバケット
(図示せず)を装着することにより水底を掘削する浚渫
作業にも用いられている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところが、水上に浮ん
でいる台船1が波浪の影響を受けると、浮きクレーンが
数秒から数十秒の周期で上下方向に揺動する。
【0021】このように波浪の影響を受けて浮きクレー
ンが上下に揺動している状態で、構造物の揺動作業を実
施しようとすると、フックブロック7に係止されている
構造物を水底や岸壁等の所定の場所に正確に位置させる
ことが困難になる。
【0022】また、水上に浮んでいる台船1は潮汐の影
響を受けるので、水底や岸壁に対する浮きクレーンの上
下位置は約一日を周期として変化する。
【0023】このため、クラムシェルバケットの下降量
を一定に設定するとともに、クラムシェルバケットの昇
降動作及び開閉動作が自動的に行われるようにして水底
を掘削する自動浚渫作業を実施する場合には、台船1が
波浪の影響の有無に関係なく、見張り要員が所定時間ご
とに測深計によって水深を計測し、その水深に基づきク
ラムシェルバケットの下降量を調整するか、あるいは、
見張り要員が所定時間ごとに測量機器によって岸壁に設
置した基準部材に対する台船1の昇降量を計測し、その
昇降量に基づきクラムシェルバケットの下降量を調整し
ている。
【0024】本発明は上述した実情に鑑みてなしたもの
で、潮汐の変化に関係なく浮きクレーンによる揚重作業
や浚渫作業を容易に実施できるようにすることを目的と
している。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の浮きクレーンの制御方法においては、浮きク
レーンのブームより垂下させたワイヤロープに物品を吊
り下げて作業を行う際に、浮きクレーンの作業位置の
度及び経度、月日、時刻に対応する潮位変化を予め把握
しておき、該潮位変化に基づいて水底と物品との上下方
向の相対位置が一定に保たれるように物品を吊り下げて
いるワイヤロープを繰り出しあるいは巻き取る。
【0026】また、上記の潮位変化に基づくワイヤロー
プの繰り出しあるいは巻き取り動作に加えて、浮きクレ
ーンが上下に揺動することによってブームに作用する加
速度を検出し、該加速度からブームの上下方向の変位量
を求め、該変位量及び前記の潮位変化に基づいて水底と
物品との上下方向の相対位置が一定に保たれるように物
品を吊り下げているワイヤロープを繰り出しあるいは巻
き取る。
【0027】先に述べた潮位変化のみに基づき浮きクレ
ーンの制御を実施するのにあたっては、先端部に物品が
吊り下げられ且つ浮きクレーンのブームより垂下するワ
イヤロープが巻き付けられているウインチドラムを駆動
する油圧モータと、該油圧モータに付与される作動油圧
の方向を切り換えるパイロット圧切換方式の方向切換弁
と、該方向切換弁に付与されるパイロット油圧の方向を
切り換える電磁比例切換弁と、経度及び緯度、月日、時
刻に対する潮汐データを潮汐データ信号として出力する
潮汐データ記憶器と、作業条件データを作業条件データ
信号として出力する作業条件設定器と、該作業条件設定
器から出力される作業条件データ信号及び潮汐データ記
憶器から出力される潮汐データ信号に基づき浮きクレー
ンの作業位置における標準潮位と現時点の潮位との偏差
を求めて潮位偏差信号を出力する潮汐データ補正演算器
と、操作レバーの傾動角度に応じた速度信号を出力する
傾動角度検出器と、該傾動角度検出器から出力される速
度信号、潮汐データ補正演算器から出力される潮位偏差
信号のそれぞれに基づき電磁比例切換弁のソレノイドに
励磁信号を出力するコントローラとを備えた制御装置を
用いることが好ましい。
【0028】また、潮位変化とブームに作用する加速度
に基づき浮きクレーンの制御を実施するのにあたって
は、先端部に物品が吊り下げられ且つ浮きクレーンのブ
ームより垂下するワイヤロープが巻き付けられているウ
インチドラムを駆動する油圧モータと、該油圧モータに
付与される作動油圧の方向を切り換えるパイロット圧切
換方式の方向切換弁と、該方向切換弁に付与されるパイ
ロット油圧の方向を切り換える電磁比例切換弁と、経度
及び緯度、月日、時刻に対する潮汐データを潮汐データ
信号として出力する潮汐データ記憶器と、作業条件デー
タを作業条件データ信号として出力する作業条件設定器
と、該作業条件設定器から出力される作業条件データ信
号及び潮汐データ記憶器から出力される潮汐データ信号
に基づき浮きクレーンの作業位置における標準潮位と現
時点の潮位との偏差を求めて潮位偏差信号を出力する潮
汐データ補正演算器と、浮きクレーンのブームに作用す
る上下方向の加速度を検出する加速度検出器と、該加速
度検出器から出力される加速度検出信号を変位予測信号
に変換する変位予測演算器と、操作レバーの傾動角度に
応じた速度信号を出力する傾動角度検出器と、該傾動角
度検出器から出力される速度信号、潮汐データ補正演算
器から出力される潮位偏差信号、変位予測演算器から出
力される変位予測信号のそれぞれに基づき電磁比例切換
弁のソレノイドに励磁信号を出力するコントローラとを
備えた制御装置を用いることが望ましい。
【0029】
【作用】本発明の浮きクレーンの制御方法では、予め把
握した浮きクレーンの作業位置の潮位変化に基づいて、
浮きクレーンのブームより垂下させたワイヤロープを繰
り出しあるいは巻き取り、該ワイヤロープに吊り下げら
れている物品と水底との上下方向の相対位置が一定に保
たれるようにする。
【0030】また、潮位変化とブームに作用する加速度
とに基づきワイヤロープの繰り出しあるいは巻き取りを
行う浮きクレーンの制御方法では、ブームに作用する加
速度からブームの上下方向の変位量を求め、該変位量及
び前記の潮位変化に基づいて、浮きクレーンのブームよ
り垂下させたワイヤロープを繰り出しあるいは巻き取
り、該ワイヤロープに吊り下げられている物品と水底と
の上下方向の相対位置が一定に保たれるようにする。
【0031】本発明の浮きクレーンの制御装置では、作
業条件設定器の作業条件データ信号と潮汐データ記憶器
の潮汐データ信号とに基づき、潮汐データ補正演算器か
ら潮位偏差信号がコントローラに出力されると、該コン
トローラからソレノイドに対して出力される励磁信号に
よって電磁比例切換弁が切り換えられ、浮きクレーンの
ブームより垂下させたワイヤロープが繰り出しあるいは
巻き取られることにより、該ワイヤロープに吊り下げら
れている物品と水底との上下方向の相対位置を一定に保
つ。
【0032】また、加速度検出器と変位予測演算器とを
有する浮きクレーンの制御装置では、上記の作動に加え
て、加速度検出器の加速度検出信号に基づき、変位予測
演算器から変位予測信号がコントローラに出力される
と、該コントローラからソレノイドに対して出力される
励磁信号によって電磁比例切換弁が切り換えられ、浮き
クレーンのブームより垂下させたワイヤロープが繰り出
しあるいは巻き取られることにより、該ワイヤロープに
吊り下げられている物品と水底との上下方向の相対位置
を一定に保つ。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。
【0034】図1は本発明の浮きクレーンの制御装置の
第1の実施例を示すものであり、図中、図3の油圧回路
と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
【0035】本実施例においては、図3に示すリモート
コントロール弁15に替えて方向切換弁14の切換手段
に電磁比例切換弁32を用い、更に、傾動角度検出器3
3、回転角度検出器34、加速度検出器35、俯仰角度
検出器36、変位予測演算器37、潮汐データ記憶器3
8、作業条件設定器39、潮汐データ補正演算器40、
繰り出し長さ設定器41、コントローラ42を設けてい
る。
【0036】なお、主油圧ポンプ11、方向切換弁1
4、管路19,26,27,28により構成される油圧
モータ10に対する作動油の供給排出系統は、図3に示
すものと同一になっている。
【0037】電磁比例切換弁(電磁切換方式の3位置4
ポート切換弁)32は、一方のソレノイド32aが励磁
された際に、入口ポートに一方の切換ポートが連通し且
つ他方の切換ポートが出口ポートに連通するようにスプ
ールが移動し、また、他方のソレノイド32bが励磁さ
れた際に、入口ポートに他方の切換ポートが連通し且つ
一方の切換ポートが出口ポートに連通するようにスプー
ルが移動し、更に、両ソレノイド32a,32bのいず
れもが励磁されない状態においては、スプールが中立位
置を保持して各ポートが互いに連通しない状態になるよ
うに構成されている。
【0038】電磁比例切換弁32の入口ポートには、一
端がパイロット油圧ポンプ12の吐出口に連通する管路
43の他端が接続され、また、電磁比例切換弁32の出
口ポートには、下流端が作動油タンク13に連通する管
路44の上流端が接続されている。
【0039】電磁比例切換弁32の一方の切換ポートに
は、一端が方向切換弁14の一方のパイロットポート1
4aに連通する管路45の他端が接続され、また、電磁
比例切換弁32の他方の切換ポートには、一端が方向切
換弁14の他方のパイロットポート14bに連通する管
路46の他端が接続されている。
【0040】更に、前記の管路43の中間部分には、リ
リーフ弁24を有し且つ下流端が作動油タンク13に連
通する管路25の上流端が接続されている。
【0041】傾動角度検出器33は、操作レバー15a
の傾動角度を検出して該傾動角度に比例した値の速度信
号47を出力するようになっている。
【0042】回転角度検出器34は、ウインチドラム2
の回転角度を検出して該回転角度に応じた回転角度検出
信号48を出力するようになっている。
【0043】加速度検出器35並びに俯仰角度検出器3
6は、それぞれブーム5の所定箇所に装着されている。
【0044】加速度検出器35は、台船1(図4参照)
の波浪による揺動に起因してブーム5に作用する垂直方
向上向き及び下向きの加速度を検出し、加速度検出信号
49を出力するようになっている。
【0045】俯仰角度検出器36は、ブーム5の俯仰角
度を検出し、俯仰角度検出信号50を出力するようにな
っている。
【0046】変位予測演算器37は、前記のブーム5の
軸直角方向の加速度を検出する加速度検出器35から出
力される加速度検出信号49を時間に対して2回積分
し、この積分値X0を前記の俯仰角度検出器36から出
力される俯仰角度検出信号50により定まるブーム俯仰
角度θに基づき補正演算した値であるX1を変位予測信
号51として出力するように構成されている(式1参
照)。
【数1】X0・cosθ=X1…(1)
【0047】潮汐データ記憶器38は、予め入力設定さ
れた潮汐データ(経度及び緯度、月日、時刻等の諸条件
に対する潮位のデータ)を、潮汐データ信号52として
出力するように構成されている。
【0048】作業条件設定器39は、手動操作によって
入力設定された作業条件データ(緯度及び経度、月日、
時刻のデータ)を、作業条件データ信号53として出力
するように構成されている。
【0049】潮汐データ補正演算器40は、クロック機
構を備え、前記の作業条件設定器39から出力される作
業条件データ信号53に基づき、該作業条件データ信号
53の諸条件(経度及び緯度、月日、時刻)に応じた潮
汐データ信号52を潮汐データ記憶器38から読み取る
とともに標準潮位と現時点の潮位との偏差を求め、この
偏差を潮位偏差信号54として出力するように構成され
ている。
【0050】繰り出し長さ設定器41は、手動操作によ
って入力設定されたウインチドラム2から繰り出される
べきワイヤロープ6の長さを、繰り出し長さ設定信号5
5として出力するように構成されている。
【0051】コントローラ42は、前記の傾動角度検出
器33から出力される速度信号47、回転角度検出器3
4から出力される回転角度検出信号48、変位予測演算
器37から出力される変位予測信号51、潮汐データ補
正演算器40から出力される潮位偏差信号54、繰り出
し長さ設定器41から出力される繰り出し長さ設定信号
55のそれぞれに基づき、電磁比例切換弁32の一方の
ソレノイド32aを励磁する励磁信号56a及び他方の
ソレノイド32bを励磁する励磁信号56bを出力する
ように構成されている。
【0052】以下、本実施例の作動を説明する。
【0053】浮きクレーンによって、揚重作業あるいは
浚渫作業を実施する際には、浮きクレーンが位置してい
る場所の緯度及び経度、月日、時刻を作業条件データと
して作業条件設定器39に入力設定し、該作業条件設定
器39から潮汐データ補正演算器40に対して作業条件
データ信号53が出力されるようにしておく。
【0054】また、作業時にウインチドラム2から繰り
出されるべきワイヤロープ6の長さを繰り出し長さ設定
器41に入力設定し、該繰り出し長さ設定器41からコ
ントローラ42に対して繰り出し長さ設定信号55が出
力されるようにしておく。
【0055】前記の潮汐データ補正演算器40は、該作
業条件設定器39から出力される作業条件データ信号5
3に基づき、作業条件データ信号53の諸条件(経度及
び緯度、月日、時刻)に応じた潮汐データ信号52を潮
汐データ記憶器38から読み取るとともに標準潮位と現
時点の潮位との偏差を求め、この偏差を潮位偏差信号5
4としてコントローラ42へ出力する。
【0056】揚重作業あるいは浚渫作業を実施する際
に、標準潮位と現時点の潮位とに偏差があったとする
と、潮汐データ補正演算器40からコントローラ42へ
潮位偏差信号54が出力される。
【0057】たとえば、浮きクレーンが揺動せず且つ操
作レバー15aが中立位置に設定されている状態におい
て、現時点における潮位が標準潮位に比べて高くなって
いたとすると、コントローラ42から潮位偏差信号54
に基づく励磁信号56aが一方のソレノイド32aに対
して出力され、電磁比例切換弁32の入口ポートに一方
の切換ポートが連通するようにスプールが移動する。
【0058】このスプールの移動により、パイロット油
圧ポンプ12から吐出される作動油の流体圧が、管路4
3、電磁比例切換弁32、管路45を経て一方のパイロ
ットポート14aに付与され、方向切換弁14の入口ポ
ートが一方の切換ポートに連通し且つ出口ポートに他方
のポートが連通するようにスプールが移動する。
【0059】上述したように方向切換弁14のスプール
が移動すると、主油圧ポンプ11が作動油タンク13か
ら吸引して吐出する作動油が、管路19、方向切換弁1
4、管路27を経て一方の給排油ポートから油圧モータ
10に供給されるとともに、該油圧モータ10の他方の
給排油ポートから排出される作動油が管路28、方向切
換弁14、管路26を経て作動油タンク13に回収さ
れ、これにより、油圧モータ10がワイヤロープ6を繰
り出す方向にウインチドラム2を回転させ、フックブロ
ック7がブーム5に対して標準潮位と現時点の潮位との
偏差分だけ下降する。
【0060】このとき、コントローラ42は、回転角度
検出器34からの回転角度検出信号48及び潮汐データ
補正演算器40からの潮位偏差信号54に基づいて、ソ
レノイド32aへの励磁信号56aの電流値及び出力時
間を調整する。
【0061】また、浮きクレーンが揺動せず且つ操作レ
バー15aが中立位置に設定されている状態において、
現時点における潮位が標準潮位に比べて低くなっていた
とすると、コントローラ42から潮位偏差信号54に基
づく励磁信号56bが他方のソレノイド32bに対して
出力され、電磁比例切換弁32の入口ポートに他方の切
換ポートが連通するようにスプールが移動する。
【0062】このスプールの移動により、パイロット油
圧ポンプ12から吐出される作動油の流体圧が、管路4
3、電磁比例切換弁32、管路46を経て他方のパイロ
ットポート14bに付与され、方向切換弁14の入口ポ
ートが他方の切換ポートに連通し且つ出口ポートに一方
のポートが連通するようにスプールが移動する。
【0063】上述したように方向切換弁14のスプール
が移動すると、主油圧ポンプ11が作動油タンク13か
ら吸引して吐出する作動油が、管路19、方向切換弁1
4、管路28を経て他方の給排油ポートから油圧モータ
10に供給されるとともに、該油圧モータ10の一方の
給排油ポートから排出される作動油が管路27、方向切
換弁14、管路26を経て作動油タンク13に回収さ
れ、これにより、油圧モータ10がワイヤロープ6を巻
き取る方向にウインチドラム2を回転させ、フックブロ
ック7がブーム5に対して標準潮位と現時点の潮位との
偏差分だけ上昇する。
【0064】このとき、コントローラ42は、回転角度
検出器34からの回転角度検出信号48及び潮汐データ
補正演算器40からの潮位偏差信号54に基づいて、ソ
レノイド32aへの励磁信号56aの電流値及び出力時
間を調整する。
【0065】更に、浮きクレーンが揺動せず且つ操作レ
バー15aが中立位置に設定されている状態において、
現時点における潮位が標準潮位と等しいと、潮汐データ
補正演算器40からは潮位偏差信号54が出力されな
い。
【0066】従って、コントローラ42から両ソレノイ
ド32a,32bのいずれに対しても励磁信号56a,
56bが出力されず、油圧モータ10には作動油が流入
しないので、フックブロック7はブーム5に対して昇降
しない。
【0067】このように、本実施例では、作業条件設定
器39から出力される作業条件データ信号53と潮汐デ
ータ記憶器38から読み取った潮汐データ信号52とか
ら潮汐データ補正演算器40が求めた潮位偏差信号54
に基づいて、コントローラ42が電磁比例切換弁32を
作動させるので、水底や岸壁等の固定物に対するフック
ブロック7の垂直方向の相対位置を潮位の変化に関係な
く一定に保つことができる。
【0068】一方、揚重作業あるいは浚渫作業を実施す
る際に、波浪の影響により浮きクレーンが揺動して垂直
方向の加速度が加速度検出器35によって検出される
と、該加速度検出器35からの加速度検出信号49と俯
仰角度検出器36からの俯仰角度検出信号50とに基づ
いた変位予測信号51が変位予測演算器37からコント
ローラ42に出力される。
【0069】たとえば、操作レバー15aが中立位置に
設定されている状態において、加速度検出器35によっ
て垂直方向上向きの加速度が検出されたとすると、先に
述べた潮位の影響を補正するための励磁信号56a,5
6bに加えて、コントローラ42から変位予測信号51
に基づく励磁信号56aが一方のソレノイド32aに対
して出力され、電磁比例切換弁32の入口ポートに一方
の切換ポートが連通するようにスプールが移動する。
【0070】このスプールの移動により、パイロット油
圧ポンプ12から吐出される作動油の流体圧が、一方の
パイロットポート14aに付与され、方向切換弁14の
入口ポートが一方の切換ポートに連通し且つ出口ポート
に他方のポートが連通するようにスプールが移動する。
【0071】上述したように方向切換弁14のスプール
が移動すると、主油圧ポンプ11が吐出する作動油が一
方の給排油ポートから油圧モータ10に供給され、これ
により、油圧モータ10がワイヤロープ6を繰り出す方
向にウインチドラム2を回転させ、フックブロック7が
ブーム5に対して波浪による浮きクレーンの垂直方向上
方への変位量を相殺する分だけ下降する。
【0072】このとき、コントローラ42は、回転角度
検出器34からの回転角度検出信号48に基づいて、ウ
インチドラム2から繰り出されるワイヤロープ6の長さ
を制御する。
【0073】また、操作レバー15aが中立位置に設定
されている状態において、加速度検出器35によって垂
直方向下向きの加速度が検出されたとすると、先に述べ
た潮位の影響を補正するための励磁信号56a,56b
に加えて、コントローラ42から変位予測信号51に基
づく励磁信号56bが他方のソレノイド32bに対して
出力され、電磁比例切換弁32の入口ポートに他方の切
換ポートが連通するようにスプールが移動する。
【0074】このスプールの移動により、パイロット油
圧ポンプ12から吐出される作動油の流体圧が、他方の
パイロットポート14aに付与され、方向切換弁14の
入口ポートが他方の切換ポートに連通し且つ出口ポート
に一方のポートが連通するようにスプールが移動する。
【0075】上述したように方向切換弁14のスプール
が移動すると、主油圧ポンプ11が吐出する作動油が一
方の給排油ポートから油圧モータ10に供給され、これ
により、油圧モータ10がワイヤロープ6を巻き取る方
向にウインチドラム2を回転させ、フックブロック7が
ブーム5に対して波浪による浮きクレーンの垂直方向下
方への変位量を相殺する分だけ上昇する。
【0076】このとき、コントローラ42は、回転角度
検出器34からの回転角度検出信号48に基づいて、ウ
インチドラム2から繰り出されるワイヤロープ6の長さ
を制御する。
【0077】このように、本実施例では、加速度検出器
35の加速度検出信号49と俯仰角度検出器36の俯仰
角度検出信号50とから変位予測演算器37が求めた変
位予測信号51に基づいて、コントローラ42が電磁比
例切換弁32を作動させるので、水底や岸壁等の固定物
に対するフックブロック7の垂直方向の相対位置を波浪
の有無に関係なく一定に保つことができる。
【0078】更に、揚重作業あるいは浚渫作業を実施す
る際に、運転者が操作レバー15aをある一方向に傾動
させると、該操作レバー15aの傾動角度に比例した値
の速度信号47が傾動角度検出器33からコントローラ
42へ出力される。
【0079】速度信号47が出力されると、先に述べた
潮位の影響を補正するための励磁信号56a,56b及
び波浪の影響を補正するための信号56a,56bに加
えて、コントローラ42から一方のソレノイド32aに
対して励磁信号56aが出力され、電磁比例切換弁32
の入口ポートに一方の切換ポートが連通するようにスプ
ールが移動する。
【0080】このスプールの移動により、パイロット油
圧ポンプ12から吐出される作動油の流体圧が、一方の
パイロットポート14aに付与され、方向切換弁14の
入口ポートが一方の切換ポートに連通し且つ出口ポート
に他方のポートが連通するようにスプールが移動する。
【0081】上述したように方向切換弁14のスプール
が移動すると、主油圧ポンプ11が吐出する作動油が一
方の給排油ポートから油圧モータ10に供給され、これ
により、油圧モータ10がワイヤロープ6を繰り出す方
向にウインチドラム2を回転させ、操作レバー15aの
傾動量に応じた速度で、フックブロック7がブーム5に
対して下降する。
【0082】このとき、コントローラ42は、回転角度
検出器34からの回転角度検出信号48及び繰り出し長
さ設定器41からの繰り出し長さ設定信号55に基づい
て、ウインチドラム2から繰り出されるワイヤロープ6
の長さを制御する。
【0083】また、運転者が操作レバー15aを他方に
傾動させると、該操作レバー15aの傾動角度に比例し
た値の速度信号47が傾動角度検出器33からコントロ
ーラ42へ出力される。
【0084】速度信号47が出力されると、先に述べた
潮位の影響を補正するための励磁信号56a,56b及
び波浪の影響を補正するための信号56a,56bに加
えて、コントローラ42から他方のソレノイド32bに
対して励磁信号56bが出力され、電磁比例切換弁32
の入口ポートに他方の切換ポートが連通するようにスプ
ールが移動する。
【0085】このスプールの移動により、パイロット油
圧ポンプ12から吐出される作動油の流体圧が、他方の
パイロットポート14bに付与され、方向切換弁14の
入口ポートが他方の切換ポートに連通し且つ出口ポート
に一方のポートが連通するようにスプールが移動する。
【0086】上述したように方向切換弁14のスプール
が移動すると、主油圧ポンプ11が吐出する作動油が他
方の給排油ポートから油圧モータ10に供給され、これ
により、油圧モータ10がワイヤロープ6を巻き取る方
向にウインチドラム2を回転させ、操作レバー15aの
傾動量に応じた速度で、フックブロック7がブーム5に
対して上昇する。
【0087】このとき、コントローラ42は、回転角度
検出器34からの回転角度検出信号48及び繰り出し長
さ設定器41からの繰り出し長さ設定信号55に基づい
て、ウインチドラム2から繰り出されるワイヤロープ6
の長さを制御する。
【0088】図2は本発明の浮きクレーンの制御装置の
第2の実施例を示すものであり、図中、図1の浮きクレ
ーンの制御装置あるいは図3の油圧回路と同一の符号を
付した部分は同一物を表している。
【0089】本実施例においては、図3に示す油圧回路
に、先に述べた図1に示す実施例と同様に、電磁比例切
換弁32、傾動角度検出器33、回転角度検出器34、
加速度検出器35、俯仰角度検出器36、変位予測演算
器37、潮汐データ記憶器38、作業条件設定器39、
潮汐データ補正演算器40、繰り出し長さ設定器41、
コントローラ42を付加している。
【0090】なお、主油圧ポンプ11、方向切換弁1
4、管路19,26,27,28により構成される油圧
モータ10に対する作動油の供給排出系統は、図3に示
すものと同一になっており、また、パイロット油圧ポン
プ12、管路21,25,29により構成されるリモー
トコントロール弁15に対する作動油の供給排出系統
は、図1に示すものと同一になっている。
【0091】リモートコントロール弁15の一方の切換
ポートには、開閉弁57を有し且つ一端が前記の方向切
換弁14の一方のパイロットポート14aに連通する管
路58の他端が接続され、また、リモートコントロール
弁15の他方の切換ポートには、開閉弁59を有し且つ
一端が前記の方向切換弁14の他方のパイロットポート
14bに連通する管路60の他端が接続されている。
【0092】電磁比例切換弁32の入口ポートは、管路
43を介してパイロット油圧ポンプ12の吐出口に連通
しており、これにより、前記のリモートコントロール弁
15と電磁比例切換弁32との双方に、パイロット油圧
ポンプ12が吐出する作動油が供給されるようになって
いる。
【0093】電磁比例切換弁32の一方の切換ポートに
は、開閉弁61を有する管路62の一端が接続され、ま
た、電磁比例切換弁32の他方の切換ポートには、開閉
弁63を有する管路64の一端が接続されている。
【0094】管路62の他端は、前記の管路58の開閉
弁57が設けられている部分よりもパイロットポート1
4aに近い部分に接続され、また、管路64の他端は、
前記の管路60の開閉弁59が設けられている部分より
もパイロットポート14bに近い部分に接続されてい
る。
【0095】以下、本実施例の作動を説明する。
【0096】浮きクレーンによって、揚重作業あるいは
浚渫作業を実施するのにあたり、水底や岸壁等の固定物
に対するフックブロック7の垂直方向の相対位置を潮位
の変化や波浪の影響に関係なく一定に保つ制御を行う場
合には、管路58,60の開閉弁57,59を閉止し、
また、管路62,64の開閉弁61,63を開放してお
く。
【0097】このように各開閉弁57,59,61,6
3を設定すると、リモートコントロール弁15の切換ポ
ートと方向切換弁14のパイロットポート14a,14
bとの連通が遮断されるとともに、電磁比例切換弁32
の切換ポートと前記のパイロットポート14a,14b
とが連通した状態になる。
【0098】すなわち、操作レバー15aを傾動させる
と傾動角度検出器33から速度信号47が出力されるだ
けで、リモートコントロール弁15からはパイロットポ
ート14a,14bに対して作動油圧が付与されず、速
度信号47、回転角度検出信号48、加速度検出信号4
9、俯仰角度検出信号50、変位予測信号51、潮位偏
差信号54に基づき、コントローラ42からソレノイド
32a,32bに対して出力される励磁信号56a,5
6bによって電磁比例切換弁32が切り換えられること
により、パイロットポート14a,14bに作動油圧が
付与され、水底や岸壁等の固定物に対するフックブロッ
ク7の垂直方向の相対位置が潮位の変化や波浪の影響に
関係なく一定に保たれる。
【0099】一方、揚重作業あるいは浚渫作業を実施す
るのにあたり、水底や岸壁等の固定物に対するフックブ
ロック7の垂直方向の相対位置を一定に保つ制御を行わ
ない場合には、管路58,60の開閉弁57,59を開
放し、また、管路62,64の開閉弁61,63を閉止
しておく。
【0100】このように各開閉弁57,59,61,6
3を設定すると、リモートコントロール弁15の切換ポ
ートと方向切換弁14のパイロットポート14a,14
bとが連通するとともに、電磁比例切換弁32の切換ポ
ートと前記のパイロットポート14a,14bとの連通
が遮断された状態になる。
【0101】すなわち、コントローラ42からソレノイ
ド32a,32bに対して励磁信号56a,56bが出
力されても、電磁比例切換弁32からはパイロットポー
ト14a,14bに対して作動油が供給されず、操作レ
バー15aを傾動に伴ってリモートコントロール弁15
が切り換えられることにより、パイロットポート14
a,14bに作動油圧が付与され、操作レバー15aの
傾動のみによってフックブロック7が昇降する。
【0102】この固定物に対するフックブロック7の垂
直方向を一定に保つことなく、操作レバー15aの傾動
のみによってフックブロック7を昇降させる制御は、浮
きクレーンによって他の船舶に対する貨物の積み下ろし
等を行うのに適している。
【0103】なお、本発明の浮きクレーンの制御方法及
び浮きクレーンの制御装置は上述した実施例のみに限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々変更を加え得ることは勿論である。
【0104】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の浮きクレー
ンの制御方法及び浮きクレーンの制御装置によれば、下
記のような種々の優れた作用効果を奏し得る。
【0105】(1)本発明の請求項1に記載した浮きク
レーンの制御方法においては、予め把握した浮きクレー
ンの作業位置の潮位変化に基づいて、浮きクレーンのブ
ームより垂下させたワイヤロープを繰り出しあるいは巻
き取るので、該ワイヤロープに吊り下げられている物品
と水底との上下方向の相対位置を潮位の変化に関係なく
一定に保つことができる。
【0106】(2)本発明の請求項2に記載した浮きク
レーンの制御方法においては、ブームに作用する加速度
からブームの上下方向の変位量を求め、該変位量及び予
め把握した浮きクレーンの作業位置の潮位変化に基づい
て、浮きクレーンのブームより垂下させたワイヤロープ
を繰り出しあるいは巻き取るので、該ワイヤロープに吊
り下げられている物品と水底との上下方向の相対位置を
潮位の変化及び波浪の影響に関係なく一定に保つことが
できる。
【0107】(3)本発明の請求項3に記載した浮きク
レーンの制御装置においては、潮汐データ補正演算器か
らの潮位偏差信号に基づきコントローラが出力する励磁
信号によって電磁比例切換弁が切り換えられるので、ワ
イヤロープに吊り下げられている物品と水底との上下方
向の相対位置を潮位の変化に関係なく一定に保つことが
でき、浮きクレーンによる揚重作業や浚渫作業を容易に
実施できる。
【0108】(4)本発明の請求項4に記載した浮きク
レーンの制御装置においては、潮汐データ補正演算器か
らの潮位偏差信号及び変位予測演算器からの変位予測信
号に基づきコントローラが出力する励磁信号によって電
磁比例切換弁が切り換えられるので、ワイヤロープに吊
り下げられている物品と水底との上下方向の相対位置を
潮位の変化や波浪の影響に関係なく一定に保つことがで
き、浮きクレーンによる揚重作業や浚渫作業を容易に実
施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮きクレーンの制御装置の第1の実施
例を示す概念図である。
【図2】本発明の浮きクレーンの制御装置の第2の実施
例を示す概念図である。
【図3】浮きクレーンのウインチの油圧回路の一例を示
す概念図である。
【図4】浮きクレーンの一例を示す全体図である。
【符号の説明】
2 ウインチドラム 5 ブーム 6 ワイヤロープ 7 フックブロック(物品) 10 油圧モータ 14 方向切換弁 15a 操作レバー 32 電磁比例切換弁 32a ソレノイド 32b ソレノイド 33 傾動角度検出器 35 加速度検出器 37 変位予測演算器 38 潮汐データ記憶器 39 作業条件設定器 40 潮汐データ補正演算器 42 コントローラ 47 速度信号 49 加速度検出信号 51 変位予測信号 52 潮汐データ信号 53 作業条件データ信号 54 潮位偏差信号 56a 励磁信号 56b 励磁信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66C 23/00 B63B 27/00 B66C 13/22 B66C 23/53

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浮きクレーンのブームより垂下させたワ
    イヤロープに物品を吊り下げて作業を行う際に、浮きク
    レーンの作業位置の緯度及び経度、月日、時刻に対応す
    潮位変化を予め把握しておき、該潮位変化に基づいて
    水底と物品との上下方向の相対位置が一定に保たれるよ
    うに物品を吊り下げているワイヤロープを繰り出しある
    いは巻き取ることを特徴とする浮きクレーンの制御方
    法。
  2. 【請求項2】 浮きクレーンのブームより垂下させたワ
    イヤロープに物品を吊り下げて作業を行う際に、浮きク
    レーンの作業位置の緯度及び経度、月日、時刻に対応す
    潮位変化を予め把握しておき、浮きクレーンが上下に
    揺動することによってブームに作用する加速度を検出
    し、該加速度からブームの上下方向の変位量を求め、該
    変位量及び前記の潮位変化に基づいて水底と物品との上
    下方向の相対位置が一定に保たれるように物品を吊り下
    げているワイヤロープを繰り出しあるいは巻き取ること
    を特徴とする浮きクレーンの制御方法。
  3. 【請求項3】 先端部に物品が吊り下げられ且つ浮きク
    レーンのブームより垂下するワイヤロープが巻き付けら
    れているウインチドラムを駆動する油圧モータと、該油
    圧モータに付与される作動油圧の方向を切り換えるパイ
    ロット圧切換方式の方向切換弁と、該方向切換弁に付与
    されるパイロット油圧の方向を切り換える電磁比例切換
    弁と、経度及び緯度、月日、時刻に対する潮汐データを
    潮汐データ信号として出力する潮汐データ記憶器と、作
    業条件データを作業条件データ信号として出力する作業
    条件設定器と、該作業条件設定器から出力される作業条
    件データ信号及び潮汐データ記憶器から出力される潮汐
    データ信号に基づき浮きクレーンの作業位置における標
    準潮位と現時点の潮位との偏差を求めて潮位偏差信号を
    出力する潮汐データ補正演算器と、操作レバーの傾動角
    度に応じた速度信号を出力する傾動角度検出器と、該傾
    動角度検出器から出力される速度信号、潮汐データ補正
    演算器から出力される潮位偏差信号のそれぞれに基づき
    電磁比例切換弁のソレノイドに励磁信号を出力するコン
    トローラとを備えてなることを特徴とする浮きクレーン
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 先端部に物品が吊り下げられ且つ浮きク
    レーンのブームより垂下するワイヤロープが巻き付けら
    れているウインチドラムを駆動する油圧モータと、該油
    圧モータに付与される作動油圧の方向を切り換えるパイ
    ロット圧切換方式の方向切換弁と、該方向切換弁に付与
    されるパイロット油圧の方向を切り換える電磁比例切換
    弁と、経度及び緯度、月日、時刻に対する潮汐データを
    潮汐データ信号として出力する潮汐データ記憶器と、作
    業条件データを作業条件データ信号として出力する作業
    条件設定器と、該作業条件設定器から出力される作業条
    件データ信号及び潮汐データ記憶器から出力される潮汐
    データ信号に基づき浮きクレーンの作業位置における標
    準潮位と現時点の潮位との偏差を求めて潮位偏差信号を
    出力する潮汐データ補正演算器と、浮きクレーンのブー
    ムに作用する上下方向の加速度を検出する加速度検出器
    と、該加速度検出器から出力される加速度検出信号を変
    位予測信号に変換する変位予測演算器と、操作レバーの
    傾動角度に応じた速度信号を出力する傾動角度検出器
    と、該傾動角度検出器から出力される速度信号、潮汐デ
    ータ補正演算器から出力される潮位偏差信号、変位予測
    演算器から出力される変位予測信号のそれぞれに基づき
    電磁比例切換弁のソレノイドに励磁信号を出力するコン
    トローラとを備えてなることを特徴とする浮きクレーン
    の制御装置。
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