JP3528356B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP3528356B2 JP23883195A JP23883195A JP3528356B2 JP 3528356 B2 JP3528356 B2 JP 3528356B2 JP 23883195 A JP23883195 A JP 23883195A JP 23883195 A JP23883195 A JP 23883195A JP 3528356 B2 JP3528356 B2 JP 3528356B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は同一基板上に縦型N
PNトランジスタと縦型PNPトランジスタとを形成し
た相補型(コンプリメンタリ)バイポーラ・トランジス
タを含む半導体装置とその製造方法に関し、特にn型エ
ピタキシャル層の厚さを抑えて高速動作性を改善した相
補型バイポーラ・トランジスタと、これを従来プロセス
に比べて最低限の工程追加により製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】NPNトランジスタとPNPトランジス
タとを組み合わせた相補型バイポーラ・トランジスタ
は、従来からたとえばプッシュプル回路の構成素子とし
てオーディオ機器の高出力増幅段に用いられてきた。近
年、UHFテレビジョン・チューナの映像中間周波用増
幅/検波回路、あるいは高速通信や光通信用の信号処理
回路に代表される高周波用LSIにおいては、システム
・オン・チップ化が進められており、相補型バイポーラ
・トランジスタ回路についてもより高速で集積度の高い
ものをより少ない工程で製造する方法が求められてい
る。
【0003】図38に、従来の代表的な相補型バイポー
ラ・トランジスタの構成例を示す。このバイポーラ・ト
ランジスタは、エミッタ/ベース/コレクタ間の接合が
基板の深さ方向、すなわち縦方向(Vertical)
に形成された縦型NPNトランジスタ(V−NPNT
r)と縦型PNPトランジスタ(V−PNPTr)とが
同一基板上に形成されたものである。
【0004】図中左側のV−NPNTrの部分では、p
型基板(p−Sub)101とその上のn型エピタキシ
ャル層105(n−Epi)との境界領域にn+ 型の埋
込みコレクタ領域103(n+ −BL)が形成されてい
る。上記n型エピタキシャル層105は、上層部がLO
COS(選択酸化分離)法で形成された素子分離領域1
07により幾つかの島状の素子形成領域に分離されてお
り、この素子形成領域の表層部にp型のベース領域11
0、および上記埋込みコレクタ領域103に接続するn
+ 型のコレクタ取出し領域109が形成されている。
【0005】素子形成領域の上面には、SiO2 層間絶
縁膜113を介してポリシリコン層からなる3種類の取
出し電極がコンタクトされている。すなわち、上記ベー
ス領域110に臨む部分には、エミッタ取出し電極11
4En(添字nは、NPNトランジスタの構成要素であ
ることを表す。以下同様。)とベース取出し電極114
Bnがコンタクトされ、これらの電極からの不純物拡散
によりそれぞれn+ 型のエミッタ領域115Enとp+
型のベース取出し領域115Bnとが該ベース領域11
0内に形成されている。また、上記コレクタ取出し領域
109に臨む部分にはコレクタ取出し電極114Cnが
コンタクトされ、この電極からの不純物拡散によりn+
型のコレクタ取出し領域115Cnが形成されている。
【0006】これら各取出し電極114En,114B
n,114Cnには、それぞれAl系多層膜からなるエ
ミッタ電極117En,ベース電極117Bn,コレク
タ電極117Cnが、SiO2 層間絶縁膜116に設け
られた開口を通じて接続されている。
【0007】一方、図中右側のV−PNPTrの部分で
は、p型基板(p−Sub)101とその上のn型エピ
タキシャル層105(n−Epi)との境界領域に、こ
のトランジスタを基板から電気的に分離するためのn型
の埋込み分離領域102(N−Pocket)と、p+
型の埋込みコレクタ領域104Cとが順次形成されてお
り、該埋込みコレクタ領域104Cの上側にはn型エピ
タキシャル層にイオン注入を施すことによりp型ウェル
106(p−Well)が形成されている。このp型ウ
ェル106は、上層部がLOCOS(選択酸化分離)法
で形成された素子分離領域107により幾つかの島状の
素子形成領域に分離されており、この素子形成領域の表
層部にn型のベース領域111、および上記p+ 型の埋
込みコレクタ領域104Cに接続するp+ 型のコレクタ
取出し領域108Cが形成されている。
【0008】素子形成領域の上面には、SiO2 層間絶
縁膜113を介してポリシリコン層からなる3種類の取
出し電極がコンタクトされている。すなわち、上記ベー
ス領域111に臨む領域には、エミッタ取出し電極11
4Ep(添字pは、PNPトランジスタの構成要素であ
ることを表す。以下同様。)とベース取出し電極114
Bpがコンタクトされ、これらの電極からの不純物拡散
あるいはイオン注入によりそれぞれp+ 型のエミッタ領
域115Epとn+ 型のベース取出し領域115Bp,
112とが該ベース領域111内に形成されている。ま
た、上記コレクタ取出し領域108Cに臨む領域にはコ
レクタ取出し電極114Cpがコンタクトされ、この電
極からの不純物拡散によりp+ 型のコレクタ取出し領域
115Cpが形成されている。
【0009】これら各取出し電極114Ep,114B
p,114Cpには、それぞれAl系多層膜からなるエ
ミッタ電極117Ep,ベース電極117Bp,コレク
タ電極117Cpが、SiO2 層間絶縁膜116に設け
られた開口を通じて接続されている。
【0010】上記V−NPNTrとV−PNPTrとの
間、および図示されない他の素子間は、素子分離領域1
07の下側に形成されたp+ 型のチャネル・ストップ層
により分離されている。このチャネル・ストップ層は、
下層側のチャネル・ストップ層104iso と上層側のチ
ャネル・ストップ層108iso を上下2段に積み重ね
た、いわゆる向合わせ分離と呼ばれる構成にしたがって
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、相補型バイ
ポーラ・トランジスタにおいては、V−PNPTrに対
する要求性能を満足させる都合上、n型エピタキシャル
層105にある程度の厚さを確保することが必要であ
る。これには、以下に述べる様なプロセス上の事情が関
係している。
【0012】相補型バイポーラ・トランジスタの製造プ
ロセスは、V−PNPTrのp+ の埋込みコレクタ領域
104Cとp型基板101とを電気的に分離するための
n型の埋込み分離領域102を形成する必要から、通常
のバイポーラ・トランジスタの製造プロセスに比べて工
程が長く複雑である。この埋込み分離領域102は、で
きるだけ厚く、かつ基板中の深い部位に形成されること
が必要であり、一般にはn型不純物を気相拡散させるこ
とによりp型基板101中に最初に形成される。しか
し、この後に、相補型バイポーラ・トランジスタの製造
プロセス中で最も厳しい高温長時間の熱処理条件を要す
るn+ 型の埋込みコレクタ領域103のドライブインが
行われると、上記埋込み分離領域102はn型エピタキ
シャル層105の内部へ向かって上方拡散を起こす。こ
のため、該n型エピタキシャル層105の厚さを最初か
らある程度の大きさに確保しておかねばならない。
【0013】また、V−PNPTrのp+ 型の埋込みコ
レクタ領域104Cの形成も、n型エピタキシャル層1
05にある程度の厚さを要求する原因となっている。こ
の埋込みコレクタ領域104Cは、一般にn型エピタキ
シャル層105よりも先に形成され、このn型エピタキ
シャル層105が形成された後に、素子分離領域107
を形成するためのLOCOS工程が置かれる。ところ
が、このLOCOS工程は、相補型バイポーラ・トラン
ジスタの製造プロセス中で2番目に厳しい高温長時間条
件を要する熱処理工程を含むため、この工程を経るうち
に、上記埋込みコレクタ領域104がn型エピタキシャ
ル層105の内部へ向かって上方拡散を起こす。この上
方拡散に備えて、n型エピタキシャル層105を厚くし
ておく必要がある。
【0014】しかしながら、上述のようにn型エピタキ
シャル層105を厚く形成するとことは、V−NPNT
rにとってはコレクタ層の拡大につながり、結果的にベ
ース・ワイドニング効果(あるいはカーク効果)が生
じ、カットオフ周波数が低下し、動作速度が低下する。
つまり、V−PNPTrの性能を確保しようとすると、
V−NPNTrの性能が低下するのである。
【0015】さらに、n型エピタキシャル層105の厚
さの増大は、別の構造上の複雑化を招く原因にもなって
いる。前述した向かい合わせ分離は、その一例である。
これは、n型エピタキシャル層105を厚くせざるを得
ないために、素子分離領域107と1層分のチャネル・
ストップ層だけでは両バイポーラ・トランジスタ間の電
気的分離が不可能となっているからである。ここで、下
層側のチャネル・ストップ層104iso はV−PNPT
rの埋込みコレクタ領域104Cと共通のイオン注入工
程により、また上層側のチャネル・ストップ層108is
o はV−PNPTrのコレクタ取出し領域108Cと共
通のイオン注入工程によりそれぞれ形成されている。つ
まり、向かい合わせ分離には2回のイオン注入工程が費
やされている。
【0016】しかも、上層側のチャネル・ストップ層1
08iso と同時に形成されるV−PNPTrのコレクタ
取出し領域108Cは、n型エピタキシャル層105が
薄くて済む、相補型でない通常のバイポーラ・トランジ
スタでは、不要な構造である。なぜなら、通常のバイポ
ーラ・トランジスタではn型エピタキシャル層は薄いた
め、埋込みコレクタ領域104Cとコレクタ取出し電極
114Cpとの間の接続は、該コレクタ取出し電極11
4Cpからの不純物拡散により形成されるコレクタ取出
し領域115Cpのみで十分だからである。
【0017】つまり、従来の相補型バイポーラ・トラン
ジスタの製造プロセスでは、n型エピタキシャル層10
5が厚いために、向かい合わせ分離や余分なコレクタ取
出し領域を要し、このためにイオン注入工程が2回必要
とされている。半導体産業では、コスト・ダウンが産業
自身の存続を決するほどの重要課題となっているため、
かかる工程数の増加はできる限り抑えなければならな
い。
【0018】そこで本発明は、これらの課題を解決し、
n型エピタキシャル層105の厚膜化が防止された高性
能の相補型バイポーラ・トランジスタを有する半導体装
置、およびこれを従来のバイポーラ・トランジスタの製
造プロセスに比べて最小限の工程数増により形成するこ
とが可能な製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明では、n型エピタ
キシャル層の薄層化を妨げる要因となっているV−PN
PTrの埋込み分離領域および埋込みコレクタ領域の上
方拡散をできるだけ抑制するために、これら問題の領域
の形成工程を、バイポーラ・トランジスタの製造プロセ
スにおいて一般に熱処理条件が最も厳しいとされる工程
よりも後段に置く。
【0020】本発明は、第1導電型式の縦型バイポーラ
・トランジスタと第2導電型式の縦型バイポーラ・トラ
ンジスタとが形成された相補型バイポーラトランジスタ
を含み、所定の導電型を有する半導体基板上に、該半導
体基板と逆の導電型のエピタキシャル層が形成され、前
記半導体基板と前記エピタキシャル層の境界領域に、前
記第1導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタの該半
導体基板と逆の導電型の埋込みコレクタ領域と前記第2
導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタの該半導体基
板と逆の導電型の埋込み分離領域とが前記エピタキシャ
ル層の素子分離領域を介して形成され、前記第2導電型
式の縦型バイポーラ・トランジスタの埋込み分離領域上
に、前記第2導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタ
の該半導体基板と同じ導電型の埋込みコレクタ領域が形
成された半導体装置の製造方法である。具体的に、この
半導体装置の製造方法は、第1の対策として、前記第1
導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタの埋込みコレ
クタ領域を形成した後、前記第2導電型式の縦型バイポ
ーラ・トランジスタの埋込み分離領域を形成し、この
後、エピタキシャル層を形成し、第2の対策として、前
記エピタキシャル層に、前記素子分離領域を形成した
後、前記第2導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタ
の埋込みコレクタ領域を形成する。
【0021】上記第1の対策では、特に深さと厚みを要
する第2導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタの埋
込み分離領域の形成に際し、半導体基板の奥深くに投影
飛程を設定できる高エネルギー・イオン注入を行うと好
適である。ここでは、イオン種にもよるが、おおよそ3
00keV以上のイオン加速エネルギーで行われ、0.
4μm以上の投影飛程を達成できるイオン注入を高エネ
ルギー・イオン注入と定義する。
【0022】また、第2の対策では、第2導電型式の縦
型バイポーラ・トランジスタの埋込みコレクタ領域を、
第1導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタのチャネ
ル・ストップ領域を形成するための不純物導入工程で同
時に形成しても良い。この不純物導入工程では、イオン
加速エネルギーの異なる条件下で複数回のイオン注入を
行って、不純物プロファイルを制御しても良い。
【0023】本発明ではさらに、上述した様な基板深層
部の構造に加え、基板表層部の構造の形成順序を工夫す
ることで、工程数の増加を最小限に抑えることができ
る。すなわち、上記の第1導電型式の縦型バイポーラ・
トランジスタのグラフト・ベース領域を、上記の第2導
電型式の縦型バイポーラ・トランジスタのコレクタ取出
し領域、あるいはコレクタ取出し領域とエミッタ領域の
双方と共通の不純物導入工程により同時に形成すること
ができる。
【0024】本発明により形成される半導体装置は、相
補型バイポーラ・トランジスタのエピタキシャル層の厚
さが必要最小限に最適化されたものとなり、これにより
第1導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタのコレク
タ層の拡大が抑えられる。したがって、カーク効果が抑
制され、動作の高速化が図られる。また、エピタキシャ
ル層の厚さの縮小により向かい合わせ分離やコレクタ取
出し領域の形成が不要となるため、製造工程において素
子分離のためのイオン注入工程を1回削減することがで
きる。
【0025】
【発明の実施の形態】一般的なケースとしてp型半導体
基板を利用する場合を考えると、本発明における第1導
電型式の縦型バイポーラ・トランジスタはV−NPNT
r、前記第2導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタ
はV−PNPTrとなる。したがって、第1の対策では
前記V−NPNTrのn+ 型の埋込みコレクタ領域を形
成した後にV−PNPTrのn型の埋込み分離領域を形
成し、第2の対策ではLOCOS酸化により素子分離領
域を形成した後、V−PNPTrのp+ 型の埋め込みコ
レクタ領域を形成することになる。これら第1の対策と
第2の対策とを併せて実施る場合は、V−NPNTrの
+ 型埋込みコレクタ領域の形成→V−PNPTrのn
型埋込み分離領域の形成→LOCOS酸化→V−PNP
Trのp+ 型埋込みコレクタ領域の形成の工程順とな
る。
【0026】また、工程数をなるべく少なく抑える手法
として、V−NPNTrのp+ 型のチャネル・ストップ
領域と前記V−PNPTrのp+ 型の埋込みコレクタ領
域とを共通の不純物導入工程により同時に形成すること
ができる。あるいは、基板の表層部に近い構造に関して
は、V−NPNTrのp+ 型のグラフト・ベース領域と
V−PNPTrのp+ 型のコレクタ取出し領域、あるい
はこれに加えてp+ 型のエミッタ領域とを共通の不純物
導入工程により同時に形成することができる。これらグ
ラフト・ベース領域、コレクタ取出し領域、エミッタ領
域は、通常は半導体基板上に接して形成された不純物含
有ポリシリコン膜からの固相拡散により形成される。こ
の不純物含有ポリシリコン膜は、パターニングを経てベ
ース取出し電極、コレクタ取出し電極、エミッタ取出し
電極となる。
【0027】以下、本発明の具体的な実施の形態につい
て説明する。
【0028】第1の実施の形態 ここでは、ベース領域とエミッタ領域とを自己整合的に
形成する2層ポリシリコン型縦型バイポーラ・トランジ
スタの製造プロセスを利用して、V−NPNTrとV−
PNPTrとが隣接形成された相補型バイポーラ・トラ
ンジスタICを構成した。
【0029】まず、この製造プロセスを、図1ないし図
13を参照しながら説明する。
【0030】まず、p型〈111〉Si基板1(p−S
ub)の表面に厚さ約300nmのSiO2 膜(図示せ
ず。)を熱酸化により形成し、このSiO2 膜をV−N
PNTr形成領域において開口し、Sb23 を用いて
約1200℃,0.5〜1時間の条件で気相拡散を行う
ことにより上記開口を通じてアンチモン(Sb)を気相
拡散させ、n+ 型の埋込みコレクタ領域2を形成した。
この時の埋込みコレクタ領域2のシート抵抗ρs はたと
えば20〜50Ω/□、接合深さxj は1〜2μmとし
た。
【0031】次に、基体の全面に熱酸化により厚さ約1
0nmの薄いSiO2 膜3をチャネリング防止用に形成
し、この上にレジスト・マスク4を形成した。このレジ
スト・マスク4には、V−PNPTr形成領域において
開口5が設けられている。
【0032】次に、上記開口5を通じて高エネルギー・
イオン注入を行うことにより、0.4μm以上の投影飛
程にてリン(P+ )を導入し、n型の埋込み分離領域6
を形成した。この時のイオン注入条件は、一例としてイ
オン加速エネルギー300keV以上、ドース量1×1
13-15 /cm2 とした。
【0033】なお、従来の一般的な相補型バイポーラ・
トランジスタの製造プロセスでは、このn型の埋込み分
離領域6はn+ 型の埋込みコレクタ領域2よりも先に形
成されるが、本発明ではこの順序が逆である。また、こ
の埋込み分離領域6の形成時の高エネルギー・イオン注
入により結晶欠陥が発生することが懸念されるが、結晶
欠陥は一般に投影飛程の近傍に集中して発生するため、
この後のエピタキシャル成長には何ら支障を及ぼさな
い。むしろ、基板表面に低エネルギー・イオン注入で形
成するよりもトータルのドース量を低減できるメリット
がある。図1には、ここまでの工程が示されている。
【0034】次に、イオン注入による結晶欠陥を回復さ
せるため、800℃以上の温度でアニールを行った。こ
のとき、n型の埋込み分離領域6が不純物の上方拡散に
より拡大するが、もともと基板の深部に不純物が導入さ
れているために、基板表面付近の不純物濃度は低く抑え
られている。なお、このアニールは、次に述べるn型エ
ピタキシャル層7の成長工程の前処理としてSi基板1
表面の自然酸化膜を還元するために水素アニールを行う
場合には、省略しても良い。この場合の水素アニール
は、一般に高濃度水素中、800〜1100℃,数十分
の条件で行われる。
【0035】次に、SiO2 膜3を除去した後、n型エ
ピタキシャル層7(n−Epi)を成長させた。このn
型エピタキシャル層7の抵抗率は1〜5Ωcm、厚さは
0.7〜2μmとした。従来の相補型バイポーラ・トラ
ンジスタの製造プロセスでは、このn型エピタキシャル
層7を成長させる時点でV−PNPTrのp+ 型埋込み
コレクタ領域(図4の符号13C)やV−NPNTrの
チャネル・ストップ領域(図4の符号13iso )が形成
されているため、これらの上方拡散やホウ素のオート・
ドーピングによる影響を見込んでn型エピタキシャル7
を厚く形成しておく必要があった。また、このオート・
ドーピングによりnエピタキシャル層7の濃度が設計値
通りに制御できないという問題もあった。しかし、本発
明によれば、n型エピタキシャル層7の厚さは従来の約
半分となり、オート・ドーピングに伴う問題も生じなか
った。
【0036】次に、LOCOS法により基体を酸化し、
素子分離領域9を形成した。このLOCOS法では、ま
ず常法にしたがって熱酸化法により基体の全面に厚さ2
0〜50nmのパッド酸化膜を形成し、さらに減圧CV
Dにより厚さ50〜100nmのSi34 膜(図示せ
ず。)を形成した。これらの膜厚は、バーズ・ビーク
長、選択酸化に伴う応力や欠陥発生の制御性を考慮して
最適化した。次に、レジスト・マスクを用いてSi3
4 膜,パッド酸化膜を順次エッチングし、酸化マスクを
形成した。さらに、選択酸化後の基体の表面がほぼ平坦
となるように、上記酸化マスクの開口内に表出するn型
エピタキシャル層7をさらにエッチングして凹部を形成
した。この凹部の深さは、素子分離領域4の設計膜厚の
約半分とした。
【0037】この状態で、1000〜1050℃にて2
〜6時間のパイロジェニック酸化を行い、厚さ0.8〜
1.5μmの素子分離領域9を形成した。従来の相補型
バイポーラ・トランジスタの製造プロセスでは、このL
OCOS酸化を行う時点でV−PNPTrのp+ 型の埋
込みコレクタ領域を形成するためのイオン注入が既に行
われているため、かかる厳しい熱処理条件の下で不純物
が広範囲に拡散し、結果的にn型エピタキシャル層7を
厚く形成しておかねばならなかった。しかし、本発明で
は、このような懸念は一切生じない。
【0038】この後、熱リン酸溶液を用いてSi34
膜を除去した。図2には、ここまでの工程が示されてい
る。
【0039】次に、V−NPNTrのn+ 型のコレクタ
取出し領域を形成するため、図示されないレジスト・マ
スクを介してリンをイオン注入した。このときのイオン
注入条件は、たとえばイオン加速エネルギー40〜10
0keV,ドース量1×1015-16 /cm2 とした。
【0040】続いて、基体の全面に図示されない平坦化
用のSiO2 膜をCVDにて約100〜600nmの厚
さに形成し、900〜1000℃,約30分間の不純物
活性化アニールを行った。このアニールにより、埋込み
コレクタ領域2に接続するn+ 型のコレクタ取出し領域
10Cを形成した。
【0041】さらに、レジスト膜(図示せず。)を塗布
形成して基体の表面をほぼ平坦化した後、該レジスト膜
と上記SiO2 膜との選択比を1:1とした条件でエッ
チバックを行い、素子分離領域9のバーズ・ヘッドとパ
ッド酸化膜を除去した。図3には、ここまでの工程が示
されている。
【0042】次に、900℃にて熱酸化を行うことによ
り、基体の表面に図示されない厚さ10〜30nmの薄
いSiO2 膜を形成し、さらに図4に示されるようなレ
ジスト・マスク11を形成し、その開口12を通じてホ
ウ素(BF2 +)をイオン注入した。このときのイオン注
入条件は、たとえばイオン加速エネルギー200〜50
0keV,ドース量1×1013-14 /cm2 とした。こ
のイオン注入により、素子分離領域9の下にV−NPN
Trのp+ 型のチャネル・ストップ領域13iso を、ま
たV−PNPTrの埋込み分離領域6の上端に重なる領
域にはp+ 型の埋込みコレクタ領域13Cを同時に形成
した。
【0043】なお、V−PNPTrの埋込みコレクタ領
域13Cの不純物プロファイルを最適化して高速化を図
りたい場合には、上記のイオン注入の前または後にイオ
ン加速エネルギー100keV程度の低エネルギー・イ
オン注入を追加し、ベース/コレクタ境界領域の不純物
濃度を補っても良い。なお、この低エネルギー・イオン
注入時の不純物は、チャネル・ストップ領域13iso の
近傍では素子分離領域9内に取り込まれるので、分離特
性に何ら影響を及ぼすことはない。図4には、ここまで
の工程が示されている。
【0044】次に、基体の全面にCVDにより厚さ50
〜200nmのSiO2 層間絶縁膜14を堆積し、図示
されないレジスト・マスクを介してこの膜をたとえばC
HF3 /O2 混合ガスを用いてドライエッチングするこ
とにより、開口を形成した。この開口は、V−NPNT
rのベース/エミッタ形成部位と、V−PNPTrのベ
ース/エミッタ形成部位およびコレクタ形成部位にそれ
ぞれ対応して形成されている。
【0045】続いて、基体の全面にCVDにより厚さ1
00〜300nmの1層目ポリシリコン層15を形成し
た。
【0046】次に、この1層目ポリシリコン層15のう
ち、後にV−NPNTrのベース取出し電極(図7の符
号15Bn)とV−PNPTrのコレクタ取出し電極
(図7の符号15Cp)となる部分にp型不純物を含有
させるため、これらの部位を含むやや広い範囲を露出さ
せる開口17を有するレジスト・マスク16を形成し、
ホウ素(BF2 +)をイオン注入した。このときのイオン
注入条件は、たとえばイオン加速エネルギー30〜70
keV,ドース量1×1014-16 /cm2 とした。図5
には、ここまでの工程が示されている。
【0047】次に、上記1層目ポリシリコン層15のう
ち、後にV−PNPTrのベース取出し電極(図7の符
号15Bp)となる部分にn型不純物を含有させるた
め、図6に示されるように、このV−PNPTrを含む
やや広い範囲を露出させる開口19を有するレジスト・
マスク18を形成し、ヒ素(As+ )をイオン注入し
た。このときのイオン注入条件は、たとえばイオン加速
エネルギー30〜70keV,ドース量1×1014-16
/cm2 とした。
【0048】次に、図示されないレジスト・マスクを介
して上記1層目ポリシリコン層15をたとえばC2 Cl
33 /SF6 混合ガスを用いてエッチングした。これ
により、図7に示されるように、V−NPNTrのベー
ス取出し電極15Bn(添字nはV−NPNTrの構成
要素であることを表す。以下同様。)、およびV−PN
PTrのベース取出し電極15Bp(添字pはV−PN
PTrの構成要素であることを表す。以下同様。)とコ
レクタ取出し電極15Cpとを形成した。
【0049】さらに、基体の全面にCVDによりSiO
2 層間絶縁膜20を300〜500nmの厚さに堆積さ
せ、V−NPNTrとV−PNPTrのエミッタ窓開け
にそれぞれ対応した開口22を有するレジスト・マスク
21を形成した。
【0050】次に、上記レジスト・マスク21を介して
上記SiO2 層間絶縁膜20およびベース取出し電極1
5Bnを順次エッチングし、図8に示されるようにV−
NPNTrおよびV−PNPTrのエミッタ窓を形成し
た。続いて、上記レジスト・マスク21を除去し、熱酸
化にて厚さ5〜30nmの図示されない薄いSiO2
を形成した後、V−PNPTrの形成領域のみを被覆す
るレジスト・マスク23を新たに形成した。このレジス
ト・マスク23の開口24を通じてホウ素(BF2 +)を
イオン注入することにより、V−NPNTrのp型の真
性ベース領域25IBを形成した。このときのイオン注
入条件は、たとえばイオン加速エネルギー20〜100
keV,ドース量1×1013-14 /cm2 とした。
【0051】ここで、さらにV−NPNTrの高周波特
性を改善したい場合には、続けてリンをイオン注入し、
埋込みコレクタ領域2の上端に接するn+ 型のペデスタ
ル領域26を形成すると良い。このときのイオン注入条
件は、たとえばイオン加速エネルギー300〜500k
eV,ドース量1012/cm2 のオーダー程度に設定す
ることができる。
【0052】次に、図9に示されるように、V−NPN
Trの形成領域を被覆するレジスト・マスク27を形成
し、その開口28を通じてヒ素をイオン注入することに
より、V−PNPTrのn型の真性ベース領域29IB
を形成した。このときのイオン注入条件は、たとえばイ
オン加速エネルギー20〜100keV,ドース量1×
1013-14 /cm2 とした。
【0053】ここで、さらにV−PNPTrの高周波特
性を改善したい場合、あるいは埋込み分離領域6の上方
拡散端がp+ 型の埋込みコレクタ領域13Cを追い越し
て基体表面方向へ達している場合には、続けてホウ素
(B+ )をイオン注入し、埋込みコレクタ領域13Cの
上端に達するp+ 型のペデスタル領域30を形成すると
良い。このときのイオン注入条件は、たとえばイオン加
速エネルギー300〜500keV,ドース量1×10
12/cm2 程度に設定することができる。図9には、こ
こまでの工程が示されている。
【0054】次に、サイドウォール形成用のSiO2
を基体の全面にCVDにて300〜600nmの厚さに
堆積させ、800〜950℃,10〜60分間のアニー
ルを行った。このアニールにより、V−NPNTr形成
領域においては真性ベース領域25IBが活性化される
と共に、ベース取出し電極15Bnからの不純物拡散に
よりp+ 型のグラフトベースト領域32GBnが形成さ
れた。またV−PNPTr形成領域においては、真性ベ
ース領域29IBが活性化されると共に、ベース取出し
電極15Bpおよびコレクタ取出し電極15Cpからの
不純物拡散により、それぞれn+ 型のグラフト・ベース
領域32GBpとp+ 型のコレクタ取出し領域32Cが
同時に形成された。
【0055】なお、このアニールにより、V−PNPT
rのp+ 型の埋込みコレクタ領域13Cも活性化され、
拡大した。ただし、このアニール条件は先に行われたL
OCOS酸化の際のアニール条件よりも穏やかであるた
め、上記埋込みコレクタ領域13Cが過度の上方拡散を
起こすことはなく、したがってn型エピタキシャル層7
を厚く形成する必要はなかった。これは、LOCOS酸
化よりも先にp+ 型の埋込みコレクタ領域13Cの形成
を行う従来の一般的な相補型バイポーラ・トランジスタ
の製造プロセスとの相違点であり、本発明のメリットで
ある。
【0056】次に、上記サイドウォール形成用のSiO
2 膜をエッチバックし、V−NPNTrとV−PNPT
rのエミッタ窓開け部にサイドウォール31を形成し
た。図10には、ここまでの工程が示されている。
【0057】次に、基体の全面にCVDにより2層目ポ
リシリコン層33を50〜200nmの厚さに堆積させ
た。続いて、この2層目ポリシリコン層33のうち、後
にV−PNPTrのエミッタ取出し電極(図12の符号
33Ep)となる部分を含むやや広い範囲に図示されな
いレジスト・マスクを介してホウ素(BF2 +)をイオン
注入した。このときのイオン注入条件は、たとえばイオ
ン加速エネルギー30〜100keV,ドース量1×1
15-16 /cm2 とした。
【0058】次に、同じ2層目ポリシリコン層33のう
ち、後にV−NPNTrのエミッタ取出し電極(図12
の符号33En)となる部分を含むやや広い範囲に、図
11に示されるレジスト・マスク34の開口35を通じ
てヒ素をイオン注入した。このときのイオン注入条件
は、たとえばイオン加速エネルギー30〜100ke
V,ドース量1×1015-16 /cm2 とした。
【0059】次に、図示されないSiO2 膜で基体の全
面を被覆し、800〜950℃で数十分、あるいは95
0〜1100℃で数秒〜数十秒間のアニールを行った。
このアニールにより、図12に示されるように、V−N
PNTr形成領域においてはエミッタ取出し電極33E
nからのn型不純物拡散、V−PNPTr形成領域にお
いてはエミッタ取出し電極33Epからのp型不純物拡
散により、それぞれn+ 型のエミッタ領域36Enとp
+ 型のエミッタ領域36Epが形成された。また、この
アニールによりV−PNPTrのコレクタ取出し領域3
2Cが拡大し、p+ 型の埋込みコレクタ領域13Cに接
続した。
【0060】この後、上記SiO2 膜をウェット・エッ
チングにより除去し、両方のバイポーラ・トランジスタ
のエミッタ窓開け部を選択的に被覆するレジスト・マス
ク37を形成した。さらに、このレジスト・マスク37
を介して2層目ポリシリコン層20をドライエッチング
し、V−NPNTrのエミッタ取出し電極33EnとV
−PNPTrのエミッタ取出し電極33Epとを形成し
た。
【0061】次に、上記エミッタ取出し電極33En,
33Ep以外の各取出し電極15Bn,15Bp,15
Cp、およびV−NPNTrのコレクタ取出し領域10
Cに上層配線をコンタクトさせるため、まず図示されな
いレジスト・マスクを用いてドライエッチングを行うこ
とにより、SiO2 層間絶縁膜20、あるいはこれに加
えてSiO2 層間絶縁膜14にコンタクト・ホールを開
口した。続いてこのレジスト・マスクを除去し、基体の
全面にたとえばバリヤメタルとAl−1%Si膜からな
る積層配線膜をスパッタリングにより被着させ、これを
パターニングした。このようにして、図13に示される
ように、V−NPNTrのベース電極38Bn,エミッ
タ電極38En,コレクタ電極38Cn、およびV−P
NPTrのベース電極38Bp,エミッタ電極38E
p,コレクタ電極38Cpを形成した。
【0062】この後は、通常の多層配線やパッシベーシ
ョン等の工程を経て相補型バイポーラ・トランジスタI
Cを完成させた。
【0063】ここで、上述のようにして形成されたIC
のV−PNPTrの部分の不純物プロファイルを、図1
4に示す。また、比較のために、先の図38に示した従
来の相補型バイポーラ・トランジスタのV−PNPTr
の部分の不純物プロファイルを、図39に示す。従来は
このトランジスタのトータルの深さ、すなわち基板表面
(n型エピタキシャル層の表面)からn型埋込み分離領
域(n−Pocket)の下端までの深さ(図中、矢印
で指示)が8.68μmもあったのに対し、本発明では
その30%未満の2.50μmに縮小された。この縮小
に最も大きく寄与しているのは、コレクタの厚さの縮小
である。これは、本発明におけるp+ 型の埋込みコレク
タ領域13Cがn型エピタキシャル7および素子分離領
域9よりも後に形成され、エピタキシャル成長やLOC
OS酸化の過酷な熱処理を経ずに済んでいるために、n
型エピタキシャル層7側への上方拡散が抑制されたため
である。次に大きく寄与しているのは、基板分離の厚さ
である。これは、本発明におけるn型の埋込み分離領域
6がV−NPNTrのn+ 型の埋込みコレクタ領域2よ
りも後に形成され、過酷なドライブインを経ずに済んで
いるために、同じくn型エピタキシャル層7側への上方
拡散が抑制されたためである。
【0064】これら上方拡散の抑制により、n型エピタ
キシャル層7の厚さを従来に比べて半減でき、これによ
って相補型バイポーラ・トランジスタの高周波特性を大
幅に改善することができた。
【0065】第2の実施の形態 ここでは、第1の実施の形態において上層配線が基板に
直接コンタクトされていた領域、すなわちV−NPNT
rのコレクタ取出し領域にも1層目ポリシリコン層を残
してコレクタ取出し電極を形成し、n+ 型のコレクタ取
出し領域を形成するためのリンのイオン注入工程を省略
した。本実施の形態にかかるの相補型バイポーラ・トラ
ンジスタICの製造プロセスを、図15ないし図20を
参照しながら説明する。ただし、先の製造プロセスと共
通する部分については、説明を簡単にとどめる。
【0066】本プロセスではまず、図15に示されるよ
うに、n+ 型の埋込みコレクタ領域2の形成、n型の埋
込み分離領域6の形成、n型エピタキシャル層7の形
成、LOCOS法による素子分離領域9の形成、および
基体表面の平坦化を第1の実施の形態と同様に行った。
ただしここまでの工程中、V−NPNTrのコレクタ取
出し領域(図3の符号10C)を形成するためのイオン
注入が1回省略されている。
【0067】次に、図16に示されるように、ホウ素の
イオン注入によるV−NPNTrのチャネル・ストップ
層13iso とV−PNPTrのp+ の埋込みコレクタ領
域13Cの形成、SiO2 層間絶縁膜14の全面被着お
よびパターニング、1層目ポリシリコン層15の全面被
着、およびレジスト・マスク16の開口17を通じた上
記1層目ポリシリコン層15へのp型不純物の導入を第
1の実施の形態と同様に行った。ただし、上記SiO2
層間絶縁膜14のパターニング時には、V−NPNTr
のコレクタ取出し部分にも窓開けを行い、1層目ポリシ
リコン層15をn型エピタキシャル層7にコンタクトさ
せている。
【0068】次に、図17に示されるように、別のレジ
スト・マスク41を形成し、その開口42を通じてヒ素
をイオン注入した。このn型不純物のイオン注入は、V
−PNPTrのベース/エミッタ形成領域に加え、V−
NPNTrのコレクタ取出し領域にも行われているとこ
ろが第1の実施の形態と異なる。
【0069】次に、図18に示されるように、上記1層
目ポリシリコン層をパターニングし、V−NPNTrの
ベース取出し電極15Bnとコレクタ取出し電極15C
n、およびV−PNPTrのベース取出し電極15Bp
とコレクタ取出し電極15Cpを形成した。ここで、V
−NPNTrの上記コレクタ取出し電極15Cnは、第
1の実施の形態では形成していない取出し電極である。
【0070】さらに、基体の全面にSiO2 層間絶縁膜
20を堆積させ、この上に両バイポーラ・トランジスタ
のベース/エミッタ形成領域に対応した開口22を有す
るレジスト・マスク21を形成した。
【0071】次に、図19に示されるように、ドライエ
ッチングによるエミッタ窓開け、真性ベース領域25I
B,29IBを形成するためのイオン注入、ペデスタル
領域26,30を形成するためのイオン注入、サイドウ
ォール形成用SiO2 膜による基体の全面被覆、アニー
ルによるグラフトベース領域32GBn,32GBp,
コレクタ取出し領域43C,32Cの形成、および上記
SiO2 膜のエッチバックによるサイドウォール31の
形成を行った。
【0072】続いて、図20に示されるように、2層目
ポリシリコン層の全面被着、該2層目ポリシリコン層へ
の不純物導入、該2層目ポリシリコン層のパターニング
によるエミッタ取出し電極33En,33Epの形成、
SiO2 層間絶縁膜20のパターニングによるコンタク
ト・ホール形成、Al−1%Si膜系多層膜による各電
極の形成を行った。
【0073】この後は、通常の多層配線やパッシベーシ
ョン等の工程を経てICを完成させた。
【0074】本プロセスにおいても、n型の埋込み分離
領域6およびp+ 型の埋込みコレクタ領域13Cの上方
拡散の抑制によるn型エピタキシャル層7の薄層化を、
同様に図ることができた。本プロセスのメリットは、V
−NPNTrのn+ 型のコレクタ取出し領域を形成する
ためのイオン注入工程が省略できることにより、フォト
マスクが1枚不要となり、イオン注入用のレジスト・マ
スクの形成工程も省略できる点である。
【0075】第3の実施の形態 ここでは、2層のポリシリコン層からの不純物拡散によ
りベース領域とエミッタ領域とを自己整合的に作製す
る、いわゆるダブル・ポリシリコン・ベース/エミッタ
・セルフアライン構造をV−NPNTrのみに採用し、
V−PNPTrのエミッタ領域とベース領域は2層目ポ
リシリコン層からの不純物拡散により横並びに形成す
る、いわゆるシングル・ポリシリコン構造とした。第3
の実施の形態にかかる相補型バイポーラ・トランジスタ
ICの製造プロセスを、図21ないし図29を参照しな
がら説明する。ただし、先の製造プロセスと共通する部
分については、説明を簡単にとどめる。
【0076】本プロセスではまず、前出の図4に示され
るp+ 型のチャネル・ストップ層13iso および埋込み
コレクタ領域13Cの形成までを第1の実施の形態と同
様に行った後、図21に示されるように、V−PNPT
rのベース/エミッタ形成領域に対応する開口52を有
するレジスト・マスク51を形成し、この開口52を通
じてヒ素をイオン注入することにより、n型のベース領
域53Bを形成した。このときのイオン注入条件は、た
とえばイオン加速エネルギー20〜100keV,ドー
ス量1×1013-14 /cm2 とした。
【0077】次に、図22に示されるように、SiO2
層間絶縁膜14の全面被着およびパターニング、1層目
ポリシリコン層15の全面被着を第1の実施の形態と同
様に行った。この後、上記1層目ポリシリコン層15の
全面にホウ素(BF2 +)をイオン注入した。
【0078】次に、図23に示されるように、上記1層
目ポリシリコン層15をパターニングしてV−NPNT
rのベース取出し電極15Bn、V−PNPTrのコレ
クタ取出し電極15Cpおよびエミッタ取出し電極15
Epを形成した。続いて、基体の全面にSiO2 層間絶
縁膜20を堆積させ、V−NPNTrのベース/エミッ
タ形成領域に対応する開口55を有するレジスト・マス
ク54を形成した。
【0079】次に、図24に示されるように、V−NP
NTrのベース/エミッタ形成領域に窓開けを行い、V
−NPNTrのp型の真性ベース領域25IBを形成す
るためのホウ素のイオン注入を行った。さらにこの状態
のままで続けてリンのイオン注入(図示せず。)を行
い、n+ 型のペデスタル領域26を形成した。
【0080】次に、図25に示されるように、サイドウ
ォール形成用SiO2 膜により基体を全面的に被覆した
後、アニールを行い、V−NPNTrのp+ 型のグラフ
トベース領域32GBnと、V−PNPTrのp+ 型の
コレクタ取出し領域32Cとを同時に形成した。さら
に、上記SiO2 膜をエッチバックしてサイドウォール
31を形成した。
【0081】続いて、上記SiO2 層間絶縁膜20,1
4にV−PNPTrのエミッタ形成領域とベース取出し
電極の形成領域に臨んでコンタクト・ホールを開口する
ため、開口57を有するレジスト・マスク56を形成し
た。
【0082】次に、図26に示されるように、上記開口
57を介してSiO2 層間絶縁膜20,14をドライエ
ッチングし、コンタクト・ホールを形成した。
【0083】続いて、基体の全面に2層目ポリシリコン
層58を堆積させた。さらに、この2層目ポリシリコン
層58のうち、後にV−PNPTrのエミッタ取出し電
極(図28の符号58Ep)となる領域にp型不純物を
導入するため、該2層目ポリシリコン層58上に開口6
0を有するレジスト・マスク59を形成し、ホウ素のイ
オン注入を行った。
【0084】次に、図27に示されるように、上記2層
目ポリシリコン層58のうち、後にV−NPNTrのエ
ミッタ取出し電極(図28の符号58En)およびV−
PNPTrのベース取出し電極(図28の符号58B
p)となる領域にn型不純物を導入するため、該2層目
ポリシリコン層58にヒ素をイオン注入した。
【0085】次に、図28に示されるように、2層目ポ
リシリコン層58をパターニングしてV−NPNTrの
エミッタ取出し電極58En、およびV−PNPTrの
エミッタ取出し電極58Epとベース取出し電極58B
pを形成した。続いて、基体の全面をSiO2 層間絶縁
膜63で被覆し、アニールを行ってV−NPNTrのn
+ 型のエミッタ領域36En、およびV−PNPTrの
+ 型のエミッタ領域36Epとn+ 型のグラフト・ベ
ース領域36GBとを同時に形成した。
【0086】この後、図29に示されるように、SiO
2 層間絶縁膜63,20のドライエッチングによるコン
タクト・ホール開口、Al系積層膜による各電極の形成
を第1の実施の形態と同様に行った。
【0087】本プロセスにおいても、n型の埋込み分離
領域6およびp+ 型の埋込みコレクタ領域13Cの上方
拡散の抑制によるn型エピタキシャル層7の薄層化を、
同様に図ることができた。本プロセスのメリットは、V
−PNPTrのベース/エミッタ領域においてセルフア
ライン構造を不採用としたことにより、フォトマスクの
枚数と工程数が削減できた点である。
【0088】第4の実施の形態 ここでは、ダブル・ポリシリコン・ベース/エミッタ・
セルフアライン構造をV−NPNTrのみに採用し、V
−PNPTrはシングル・ポリシリコン構造として、エ
ミッタ領域とコレクタ取り出し領域を1層目ポリシリコ
ン層からの不純物拡散により形成した。かかる相補型バ
イポーラ・トランジスタICの製造プロセスを、図30
ないし図37を参照しながら説明する。これらの図中の
符号は既出の符号と一部共通であり、先の製造プロセス
と共通する部分については、説明を簡単にとどめる。
【0089】本プロセスではまず、前出の図4に示され
るp+ 型のチャネル・ストップ層13iso および埋込み
コレクタ領域13Cの形成までを第1の実施の形態と同
様に行った後、図30に示されるように、V−PNPT
rのベース/エミッタ形成領域に対応する開口52を有
するレジスト・マスク51を形成し、この開口52を通
じてリン(P+ )をイオン注入することにより、n型の
ベース領域64Bを形成した。このときのイオン注入条
件は、たとえばイオン加速エネルギー160〜200k
eV,ドース量1×1013-14 /cm2 とした。
【0090】次に、図31に示されるように、V−PN
PTrのベース取出し領域に対応する開口66を有する
レジスト・マスク65を形成し、この開口66を通じて
ヒ素(As+ )をイオン注入することにより、n+ 型の
ベース取出し領域67Bを形成した。このときのイオン
注入条件は、たとえばイオン加速エネルギー20〜10
0keV,ドース量1×1015-16 /cm2 とした。
【0091】次に、図32に示されるように、SiO2
層間絶縁膜14の全面被着およびパターニング、1層目
ポリシリコン層15の全面被着を実施例1と同様に行っ
た。この後、上記1層目ポリシリコン層15の全面にホ
ウ素(BF2 +)をイオン注入した。
【0092】次に、図33に示されるように、上記1層
目ポリシリコン層15をパターニングしてV−NPNT
rのベース取出し電極15Bn、V−PNPTrのコレ
クタ取出し電極15Cpおよびエミッタ取出し電極15
Epを形成した。続いて、基体の全面にSiO2 層間絶
縁膜20を堆積させ、V−NPNTrのベース/エミッ
タ形成領域に対応する開口55を有するレジスト・マス
ク54を形成した。
【0093】次に、図34に示されるように、V−NP
NTrのベース/エミッタ形成領域に窓開けを行い、V
−NPNTrのp型の真性ベース領域25IBを形成す
るためのホウ素(BF2 +)のイオン注入を行った。さら
にこの状態のままで続けてリン(P+ )のイオン注入を
行い、n+ 型のペデスタル領域26を形成した。
【0094】次に、図35に示されるように、サイドウ
ォール形成用SiO2 膜により基体を全面的に被覆した
後、アニールを行い、V−NPNTrのp+ 型のグラフ
トベース領域32GBn、およびV−PNPTrのp+
型のコレクタ取出し領域32Cとp+ 型のエミッタ領域
32Eとを同時に形成した。さらに、上記SiO2 膜を
エッチバックしてサイドウォール31を形成した。続い
て、基体の全面に2層目ポリシリコン層58を堆積さ
せ、さらにその全面にヒ素(As+ )をイオン注入し
た。このヒ素は、V−NPNTrのエミッタ領域を形成
するためのものである。
【0095】次に、図36に示されるように、上記2層
目ポリシリコン層58をパターニングしてV−NPNT
rのエミッタ電極58Enを形成した。続いて、基体の
全面をSiO2 層間絶縁膜63で被覆し、アニールを行
って上記エミッタ電極58Enからヒ素を拡散させ、n
+ 型のエミッタ領域36Enを形成した。
【0096】この後、図37に示されるように、SiO
2 層間絶縁膜63,20の土によるコンタクト・ホール
の開口、Al系積層膜による各電極の形成を、第1の実
施の形態と同様に行った。
【0097】以上、本発明を4例の実施の形態について
説明したが、本発明はこれらの形態に何ら限定されるも
のではなく、デザイン・ルール、各プロセス条件、IC
の構成の細部は適宜変更可能である。
【0098】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、従来のバイポーラ・トランジスタの製造プ
ロセスに最低限の数の工程を追加するだけで、従来と同
等の高集積度と高速性能を持つV−NPNTrと、従来
よりも高速性能に優れるV−PNPTrとを内蔵した相
補型バイポーラ・トランジスタを作製することができ
る。したがって、たとえばUHFテレビジョン・チュー
ナの映像中間周波用増幅/検波回路、あるいは高速通信
用や光通信用の信号処理回路に代表される高周波用LS
Iを、現今のコストを大幅に上昇させることなく製造す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるバイポーラ
・トランジスタの製造プロセスにおいて、p型Si基板
にV−NPNTrのn+ 型の埋込みコレクタ領域を形成
した後、高エネルギー・イオン注入によりV−PNPT
rのn型の埋込み分離領域を形成した状態を示す模式的
断面図である。
【図2】図1のSi基板上にn型エピタキシャル層を成
長させ、LOCOS法により素子分離領域を形成した状
態を示す模式的断面図である。
【図3】図2のn型エピタキシャル層にV−NPNTr
のコレクタ取出し領域を形成し、基体表面を平坦化した
状態を示す模式的断面図である。
【図4】図3の基体にイオン注入を行ってV−NPNT
rのチャネル・ストップ層とV−PNPTrの埋込みコ
レクタ領域を形成した状態を示す模式的断面図である。
【図5】図4の基体上でSiO2 層間絶縁膜のパターニ
ング、1層目ポリシリコン層の全面被着、および該1層
目ポリシリコン層への選択的なp型不純物導入を行って
いる状態を示す模式的断面図である。
【図6】図5の1層目ポリシリコン層の他の領域へ選択
的なn型不純物導入を行っている状態を示す模式的断面
図である。
【図7】図6の1層目ポリシリコン層のパターニングに
よる各取出し電極の形成、SiO2 層間絶縁膜の全面被
着、エミッタ窓開け用のレジスト・マスクの形成を行っ
た状態を示す模式的断面図である。
【図8】図7の基体上でエミッタ窓開けを行い、イオン
注入によりV−NPNTrのベース領域とペデスタル領
域を形成した状態を示す模式的断面図である。
【図9】図8の基体上において、イオン注入によりV−
PNPTrのベース領域とペデスタル領域を形成した状
態を示す模式的断面図である。
【図10】図9の各取出し電極からの不純物拡散による
グラフト・ベース領域とコレクタ取出し領域の形成、お
よびエッチバックによるサイドウォール形成を行った状
態を示す模式的断面図である。
【図11】図10の基体上で2層目ポリシリコン層の全
面被着および選択的なn型不純物のイオン注入を行って
いる状態を示す模式的断面図である。
【図12】図11の2層目ポリシリコン層に選択的にp
型不純物のイオン注入を行った後、これをパターニング
してエミッタ取出し電極を形成し、さらに不純物拡散に
よりエミッタ領域を形成した状態を示す模式的断面図で
ある。
【図13】図12のSiO2 層間絶縁膜のパターニング
および上層配線の形成を行った状態を示す模式的断面図
である。
【図14】本発明により作製された相補型バイポーラ・
トランジスタICにおけるV−PNPTrの不純物プロ
ファイル図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態にかかる相補型バ
イポーラ・トランジスタの製造プロセスにおいて、p型
Si基板に対してV−NPNTrのn+ 型の埋込みコレ
クタ領域の形成、V−PNPTrのn型の埋込み分離領
域の形成、n型エピタキシャル層の成長、素子分離領域
の形成、および基体の平坦化を順次行った状態を示す模
式的断面図である。
【図16】図15の基体中にチャネル・ストップ領域と
V−PNPTrの埋込みコレクタ領域を形成した後、該
基体上でSiO2 層間絶縁膜のパターニング、1層目ポ
リシリコン層の全面被着を経て、該1層目ポリシリコン
層への選択的なp型不純物導入を行っている状態を示す
模式的断面図である。
【図17】図16の1層目ポリシリコン層の他の領域へ
選択的なn型不純物導入を行っている状態を示す模式的
断面図である。
【図18】図17の1層目ポリシリコン層をパターニン
グして各取出し電極を形成し、これをSiO2 層間絶縁
膜で被覆し、エミッタ窓開け用のレジスト・マスクを形
成した状態を示す模式的断面図である。
【図19】図18の基体について、イオン注入によるベ
ース領域の形成、サイドウォール形成用SiO2 膜の全
面被着、各取出し電極からの不純物拡散によるグラフト
・ベース領域とコレクタ取出し領域の形成、上記SiO
2 膜のエッチバックによるサイドウォールの形成を行っ
た状態を示す模式的断面図である。
【図20】図19の基体上で2層目ポリシリコン層の全
面被着、該2層目ポリシリコン層からの不純物拡散によ
るエミッタ領域の形成、SiO2 層間絶縁膜のパターニ
ングによるコンタクト・ホール形成、および上層配線の
形成を行った状態を示す模式的断面図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態にかかる相補型バ
イポーラ・トランジスタの製造プロセスにおいて、チャ
ネル・ストップ層とV−PNPTrの埋込みコレクタ領
域の形成が終了した基体のV−PNPTr形成領域に選
択的にイオン注入を行い、ベース領域を形成している状
態を示す模式的断面図である。
【図22】図21の基体上でSiO2 層間絶縁膜のパタ
ーニングおよび1層目ポリシリコンの全面被着、および
該1層目ポリシリコン層へのp型不純物導入を行ってい
る状態を示す模式的断面図である。
【図23】図22の1層目ポリシリコン層のパターニン
グによる各取出し電極の形成、SiO2 層間絶縁膜の全
面被着、およびエミッタ窓開け用のレジスト・マスクを
形成した状態を示す模式的断面図である。
【図24】図23の基体上で、V−NPNTrのエミッ
タ窓開けを行い、イオン注入によりV−NPNTrの真
性べース領域とペデスタル領域とを形成した状態を示す
模式的断面図である。
【図25】図24の基体上へのサイドウォール形成用S
iO2 膜の全面被着を経て、各取出し電極からの不純物
拡散によるグラフト・ベース領域とコレクタ取出し領域
の形成、上記SiO2 膜のエッチバックによるサイドウ
ォールの形成、およびV−PNPTrのエミッタ/ベー
ス窓開けのためのレジスト・マスクの形成を行った状態
を示す模式的断面図である。
【図26】図25のSiO2 層間絶縁膜のエッチングに
よるV−PNPTrのエミッタ/ベース窓開け、2層目
ポリシリコン層の全面被着、V−PNPTrのエミッタ
形成領域における選択的なp型不純物導入を行っている
状態を示す模式的断面図である。
【図27】図26の2層目ポリシリコン層の他の領域に
選択的なn型不純物導入を行っている状態を示す模式的
断面図である。
【図28】図27の2層目ポリシリコン層のパターニン
グ、SiO2 層間絶縁膜の全面被着、およびアニールに
よるV−NPNTrのエミッタ領域とV−PNPTrの
エミッタ領域およびベース領域の形成を行った状態を示
す模式的断面図である。
【図29】図28のSiO2 層間絶縁膜のパターニング
によるコンタクト・ホール形成、および上層配線の形成
を行った状態を示す模式的断面図である。
【図30】本発明の第4の実施の形態にかかるバイポー
ラ・トランジスタの製造プロセスにおいて、チャネル・
ストップ層とV−PNPTrの埋込みコレクタ領域の形
成が終了した基体のV−PNPTr形成領域に選択的に
n型不純物のイオン注入を行い、ベース領域を形成して
いる状態を示す模式的断面図である。
【図31】V−PNPTr形成領域に選択的にn型不純
物のイオン注入を行い、ベース取出し領域を形成してい
る状態を示す模式的断面図である。
【図32】図31の基体上でSiO2 層間絶縁膜のパタ
ーニング、1層目ポリシリコン層の全面被着、および該
1層目ポリシリコン層へのp型不純物のイオン注入を行
っている状態を示す模式的断面図である。
【図33】図32の1層目ポリシリコン層のパターニン
グによる各取出し電極の形成、SiO2 層間絶縁膜の全
面被着、およびV−NPNTr形成領域におけるエミッ
タ窓開け用のレジスト・マスクの形成を行った状態を示
す模式的断面図である。
【図34】図33の基体上で、V−NPNTrのエミッ
タ窓開け、p型不純物のイオン注入によるV−NPNT
rの真性ベース領域の形成、n型不純物のイオン注入に
よるペデスタル領域の形成を行った状態を示す模式的断
面図である。
【図35】図34の基体上へのサイドウォール形成用S
iO2 膜の全面被着を経て、各取出し電極からの不純物
拡散によるV−NPNTrのグラフト・ベース領域とV
−PNPTrのコレクタ領域およびエミッタ領域の形
成、上記サイドウォール形成用SiO2 のエッチバック
によるサイドウォールの形成、2層目ポリシリコン層の
全面被着、該2層目ポリシリコン層へのn型不純物のイ
オン注入を行っている状態を示す模式的断面図である。
【図36】図35の2層目ポリシリコン層のパターニン
グ、SiO2 層間絶縁膜の全面被着、およびアニールに
よるV−NPNTrのエミッタ領域の形成を行った状態
を示す模式的断面図である。
【図37】図36のSiO2 層間絶縁膜のパターニング
によるコンタクト・ホール形成、および上層配線の形成
を行った状態を示す模式的断面図である。
【図38】従来の製造方法により作製された相補型バイ
ポーラ・トランジスタの構成例を示す模式的断面図であ
る。
【図39】従来の相補型バイポーラ・トランジスタIC
におけるV−PNPTrの不純物プロファイル図であ
る。
【符号の説明】
1 p型Si基板 2 (V−NPNTrの)埋込みコレクタ領域 6 (V−PNPTrの)埋込み分離領域 7 n型エピタキシャル層 9 素子分離領域 10C (V−NPNTrの)コレクタ取出し領域 13iso チャネル・ストップ領域 13C (V−PNPTrの)埋込みコレクタ領域 15Bn (V−NPNTrの)ベース取出し電極 15Bp,58Bp (V−PNPTrの)ベース取出
し電極 15Cn (V−NPNTrの)コレクタ取出し電極 15Cp (V−PNPTrの)コレクタ取出し電極 15Ep (V−PNPTrの)エミッタ取出し電極 20 SiO2 層間絶縁膜 25IB (V−NPNTrの)真性ベース領域 29IB (V−PNPTrの)真性ベース領域 32GBn (V−NPNTrの)グラフト・ベース領
域 32GBp (V−PNPTrの)グラフト・ベース領
域 32C (V−PNPTrの)コレクタ取出し領域 32E,36Ep (V−PNPTrの)エミッタ領域 33En,58En (V−NPNTrの)エミッタ取
出し電極 33Ep,58Ep (V−PNPTrの)エミッタ取
出し電極 36En (V−NPNTrの)エミッタ領域 36GB (V−PNPTrの)グラフト・ベース領域 53B,64B (V−PNPTrの)ベース領域 67B (V−PNPTrの)ベース取出し領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/082 H01L 21/8228 H01L 29/732 H01L 21/331

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型式の縦型バイポーラ・トラン
    ジスタと第2導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタ
    とが形成された相補型バイポーラトランジスタを含み、 所定の導電型を有する半導体基板上に、該半導体基板と
    逆の導電型のエピタキシャル層が形成され、 前記半導体基板と前記エピタキシャル層の境界領域に、
    前記第1導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタの該
    半導体基板と逆の導電型の埋込みコレクタ領域と前記第
    2導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタの該半導体
    基板と逆の導電型の埋込み分離領域とが前記エピタキシ
    ャル層の素子分離領域を介して形成され、 前記第2導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタの埋
    込み分離領域上に、前記第2導電型式の縦型バイポーラ
    ・トランジスタの該半導体基板と同じ導電型の埋込みコ
    レクタ領域が形成された半導体装置の製造方法におい
    て、 前記第1導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタの埋
    込みコレクタ領域を形成した後、前記第2導電型式の縦
    型バイポーラ・トランジスタの埋込み分離領域を形成
    し、 前記第2導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタの埋
    込み分離領域を形成した後に前記エピタキシャル層を形
    成し、 前記エピタキシャル層に、前記素子分離領域を形成した
    後、前記第2導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタ
    の埋込みコレクタ領域を形成する半導体装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第2導電型式の縦型バイポーラ・ト
    ランジスタの埋込み分離領域への不純物導入を高エネル
    ギー・イオン注入により行う請求項1記載の半導体装置
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2導電型式の縦型バイポーラ・ト
    ランジスタの埋込みコレクタ領域を、前記第1導電型式
    の縦型バイポーラ・トランジスタのチャネル・ストップ
    領域を形成するための不純物導入工程で同時に形成する
    請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記不純物導入工程では、イオン加速エ
    ネルギーの異なる条件下で複数回のイオン注入を行う請
    求項3記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記エピタキシャル層に形成される前記
    第1導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタのグラフ
    ト・ベース領域と前記第2導電型式の縦型バイポーラ・
    トランジスタのコレクタ取出し領域とを共通の不純物導
    入工程により同時に形成する請求項1記載の半導体装置
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1導電型式の縦型バイポーラ・ト
    ランジスタのグラフト・ベース領域と、前記第2導電型
    式の縦型バイポーラ・トランジスタのコレクタ取出し領
    域およびエミッタ領域とを共通の不純物導入工程により
    同時に形成する請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1導電型式の縦型バイポーラ・ト
    ランジスタが縦型NPNトランジスタであり、前記第2
    導電型式の縦型バイポーラ・トランジスタが縦型PNP
    トランジスタであり、前記半導体基板がp型半導体基板
    である請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記請求項1乃至請求項7の何れかの製
    造方法で製造された半導体装置。
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