JP3527894B2 - 自己消火性難燃シート - Google Patents
自己消火性難燃シートInfo
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Description
等において使用する自己消火性難燃シートに関する。詳
しくは、燃焼時にハロゲン系ガス、SO2ガス等の発生
がなく、かつ、燃焼ガスが通過するフィルターの目詰ま
りを起こす燐系ガスを発生せず、灰分が微量で取扱性が
容易で、放射性物質取扱所の床面、機器類、資材置場、
壁面等を被覆するために使用する難燃シートに関するも
のである。
成樹脂の難燃化方法には、臭素等のハロゲン系化合物と
三酸化アンチモンを併用して配合する方法がよく知られ
ている。また、焼却の際に有毒ガスを発生しないよう
に、可燃性の非塩素系ポリマーに塩素系添加剤を配合す
ることなく、オルガノポリシロキサンと有機金属化合物
とを配合してなる難燃性組成物も公知である。これらの
組成物は焼却時に臭素ガス等のハロゲンガスや、NO2
ガスや、SO2ガスを発生し、さらに灰分が多量に発生
する問題がある。また、特開平3−7767号公報、特
開平3−15539号公報、特開平4−332640号
公報、特開平7−164594号公報には、難燃剤とし
て尿素を用いた組成物やフイルムが記載されているが、
尿素は極性が強く、熱可塑性重合体との相溶性が悪い。
また尿素は水に対する溶解性が大きく、吸湿性が大なの
で凝集し取扱が難しい。さらに132℃で溶融し、分解
するので加工性が悪い欠点がある。
扱う場所、たとえば原子力発電所や放射性物質研究所等
では、床、壁、天井、間仕切り機器類等に放射性物質が
付着しないように、熱可塑性合成樹脂フイルムで被覆し
ている。そして一定期間経過後に新しいフイルムと交換
し、取り除いた古いフイルムは焼却している。しかし、
焼却後の残留灰分に放射性は残るので、灰分量が増加す
れば、放射性灰分を密封するのに必要な材料費や保管の
空間が増加するため、焼却後の残留灰分が少ないことが
要求される。同時に、使用中に損傷して床等が露出する
ことのないような強度が必要とされる。また、近年、難
燃剤としてハロゲン含有物質だけでなく燐系の含有物質
も焼却時にフィルターの目詰まりを起こすので使用しな
いことになった。本発明は、上記の従来の問題点を解消
し、難燃性でありながら焼却可能であり、焼却に際して
有害ガスを発生せず、灰分の発生も少なく、フィルター
の目詰まりも生ぜず、強度が強く、柔軟で取扱性のよい
シートを提供する。
ン−酢酸ビニル共重合体10〜30重量%を配合し、全
樹脂100重量部に対し、難燃剤としてヒドラゾジカル
ボンアミドを5〜80重量部を配合してなる残渣灰分
0.1重量%より少ない組成物で成形した自己消火性難
燃シート。 2. エチレン−酢酸ビニル共重合体は酢酸ビニル含有
量が10〜35重量%、メルトフローレート0.5〜3
0 g/10min の共重合体である、1項に記載された自
己消火性難燃シート。 3. 厚さが30〜1000μmで酸素指数が26以上
である、1項ないし2項のいずれか1項に記載された自
己消火性難燃シート。 4. 難燃シートがカレンダーロールで成形されたシー
トである、1項ないし3項のいずれか1項に記載された
自己消火性難燃シート。5 . 難燃シートが押出成形されたシートである、1項
ないし3項のいずれか1項に記載された自己消火性難燃
シート。」に関する。
が粉体またはペレット等の固形の樹脂を使用する。樹脂
としては、ウレタン樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合
体を混合して使用する。難燃シートの製造方法としては
カレンダーロール法、Tダイ押出法、インフレーション
押出法により成形加工するのが好ましい。従来の水性デ
ィスパージョン樹脂及び有機溶剤溶解樹脂を使用し、難
燃シートをドクターナイフ等を用いたフローティングコ
ート法で製造する場合は、難燃性樹脂水溶液または難燃
性樹脂溶液を熱可塑性樹脂フイルム上に流延し、その後
加熱炉で加熱し、水分または溶剤を揮散熱処理加工して
難燃シートとするが水分または溶剤の揮散を早めるため
に加熱炉温度を高くすると難燃シートに気泡が発生する
問題がある。水性ディスパージョン樹脂と有機溶剤溶解
樹脂との両者間には気泡発生の差はあるが両者共生産ラ
インの速度を速くするのに限度がある。カレンダーロー
ル法、Tダイ押出法、インフレーション押出法等の押出
法では、気泡発生はなく生産ラインの速度を速くでき、
生産性はよいので好ましい。
温度Tf145〜190℃のものが好ましい。190℃
以上ではカレンダーロール成形性や押出成形性が悪くな
る。145℃以下では、ベタツキ感が強くなり、ブロッ
キングが生じ好ましくない。ウレタン樹脂の例としては
日本ミラクトラン株式会社製のP22M、P25M、E
785PSPK、E790PSPK、住友バイエル株式
会社製のデスモコール530、デスモコール540、デ
スモコールKA8634等がある。本発明で使用するエ
チレン−酢酸ビニル共重合体はメルトフローレート0.
5〜30 g/10min 、酢酸ビニル含有量10〜35重
量%のものが好ましい。メルトフローレート0.5 g/
10min 以下ではカレンダーロール成形性や押出成形性
が悪くなる。30 g/10min 以上では、ベタツキ感が
生じ、ブロッキングが生じる。また機械的強度が悪くな
るので好ましくない。エチレン−酢酸ビニル共重合体の
例としては、三井デュポンケミカル株式会社製 エバフ
レックスP−2807、エバフレックスP−2805、
エバフレックスP−1405、エバフレックスP−19
05、エバフレックスP−1207、昭和電工株式会社
製 ショウレックスFL14−1、ショウレックスEF
12−9等が挙げられる。
合体は混合して使用する。両者の使用割合はウレタン樹
脂90〜70重量%に対し、エチレン−酢酸ビニル共重
合体10〜30重量%である。ウレタン樹脂が多い場合
は防炎性が良好である。しかし、タックがある。難燃剤
を5重量部以上添加すると難燃シートはワインダーに巻
き取る場合、工程紙、タフターを使用して一旦巻き取
る。これを巻き替え時、工程紙、タフター等を取り除い
て紙管に巻き取ることにより、ブロッキングを起こすこ
となく製品とすることができる。エチレン−酢酸ビニル
共重合体は成形加工性がよい。しかし、シートを防炎性
にするために難燃剤の添加量多くする必要がある。添加
量を多くすると成形加工性が悪くなり好ましくない。エ
チレン−酢酸ビニル共重合体の混合量をウレタン樹脂9
0〜70重量%に対し、30重量%以上配合すると防炎
性が悪くなり好ましくない。
カルボンアミドを使用する。ヒドラゾジカルボンアミド
の化学式は、
比重1.5である。ヒドラゾジカルボンアミドはカレン
ダーロール加工や押出成形加工する場合の樹脂への分散
性を考慮すると、平均粒径30μm以下にすることが好
ましい。平均粒径が20μm以下のものがさらに好まし
い。ヒドラゾジカルボンアミドはブロッキング防止効果
が大きいので、本発明で使用する難燃剤として好適であ
る。ヒドラゾジカルボンアミドの例として、大塚化学株
式会社製 KBH−30が挙げられる。
タン樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体混合体に混合
体100重量部に対し、5〜80重量部、好ましくは1
0〜80重量部、より好ましくは10〜70重量部添加
する。添加量5重量部以下では、防炎性が悪く、難燃シ
ートを巻き取る時ブロッキングが生じやすい。80重量
部以上では押出成形性が悪くなり、難燃シートの機械的
強度が悪くなる。
では機械的強度が小さくなり、取扱性が悪くなり好まし
くない。1000μm以上では防炎性が悪くなり、風合
いが硬くなり取扱性が悪い難燃シートになる。自己消火
性、難燃性を示す酸素指数は26以上である。26以下
では、自己消火性、難燃性が不充分であって、好ましく
ない。
タン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体の物性を阻害
しない範囲で、樹脂としてはLDPE、LLDPE、E
EA等を添加してもよい。また加工助剤として滑剤、安
定剤、可塑剤さらに顔料、染料、紫外線吸収剤、光安定
剤、酸化防止剤、カップリング剤、防黴剤等を併用する
ことができる。本発明の難燃シートをカレンダーロール
加工や押出成形加工するにはウレタン樹脂、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、難燃剤ヒドラゾジカルボンアミド
及びその他の上記配合剤をヘンシェルミキサー、バンバ
リミキサー、ロールニーダー、加圧ニーダー、二軸押出
機等を用いて加熱混練して難燃性樹脂混合物を作り、こ
れを直接またはさらにペレット化し、これをカレンダー
ロール加工やインフレーション押出法、Tダイ押出法等
で難燃シートを成形加工する。
℃、日本ミラクトラン株式会社製) 70重量部を用
い、これに、エチレン−酢酸ビニル共重合体としてエバ
フレックス P−1905(メルトフローレート 2.
5 g/10min 、酢酸ビニル含有量19重量% 三井デ
ュポンケミカル株式会社製) 30重量部を用い、難燃
剤としてヒドラゾジカルボンアミドKBH−30(平均
粒径5μm、大塚化学株式会社製)30重量部配合して
使用した。滑剤としてヘキストワックス OP(ヘキス
ト社製) 1.5重量部、紫外線吸収剤としてチヌピン
327(チバガイギー社製) 0.5重量部、酸化防
止剤としてイルガノックス1010(チバガイギー社
製) 0.5重量部、耐光剤としてアデカスタプ LA
−77(旭電化工業株式会社製) 0.5重量部を加
え、バンバリーミキサーで150℃ 10分間混合し、
難燃樹脂混合物を製造した。該難燃樹脂混合物を温度1
70℃の14インチ混練ロールで7分間混練し、これを
連続して温度170℃、180℃の逆L型カレンダーロ
ールに送りシート化した後、片面に工程紙を取り付けロ
ールで冷却して150μmの難燃シートをワインダーで
巻き取った。該難燃シートを巻き替え時工程紙を取り除
いた。該難燃シートについての性能を測定した結果は表
1に示す。
0重量部、エバフレックス P−1905 10重量部
使用した。難燃剤としてヒドラゾジカルボンアミドKB
H−30を10重量部使用した。その他は実施例1と同
様にして難燃樹脂混合物を製造した。該難燃樹脂混合物
を用い、実施例1と同様にしてカレンダーロール成形し
て厚さ100μmの難燃シートをワインダーで巻き取っ
た後、巻き替えし、工程紙を除去して難燃シートを得
た。該難燃シートについての性能を測定した結果は表1
に示す。
わりにP22M(Tf155℃、日本ミラクトラン株式
会社製) 80重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体
エバフレックス P−1905の代わりに、P−28
05(メルトフローレート 6 g/10min 、酢酸ビニ
ル含有量28重量% 三井デュポンケミカル株式会社
製) 20重量部を使用した。難燃剤としてヒドラゾジ
カルボンアミドの添加量を20重量部にした。その他は
実施例1と同様にして難燃樹脂混合物を製造した。該難
燃樹脂混合物を造粒機によりペレットにした。該ペレッ
トを押出機(φ50mm、L/D:24/1、CR、3.
0、日本製鋼所株式会社製)を使い、ダイキャップ
0.3mm、押出機温度 150℃、160℃、170
℃、ダイ温度175℃、押出スピード 30m/min で
Tダイ押出成形により厚さ、50μmの難燃シートを成
形し、工程紙をシートの片面に取り付け冷却ロールで冷
却して難燃シートをワインダーで巻き取った。該難燃シ
ートを巻き替時、工程紙を除去した。該難燃シートにつ
いての性能を測定した結果は表1に示す。
BH−30(平均粒径5μm、大塚化学株式会社製)の
添加量 30重量部を3重量部にした。その他は実施例
1と同様にして、難燃樹脂混合物を製造した。該難燃樹
脂混合物を用い、実施例1と同様にしてカレンダーロー
ル成形して厚さ150μmの難燃シートをワインダーに
巻き取った後、巻き替えし、工程紙を除去して難燃シー
トを得た。酸素指数が低く自己消火性が不良である。該
難燃シートについての性能を測定した結果は表2に示
す。
BH−30(平均粒径5μm、大塚化学株式会社製)の
添加量 30重量部を90重量部にした。その他は実施
例1と同様にして、難燃樹脂混合物を製造した。該難燃
樹脂混合物を用い、実施例1と同様にしてカレンダーロ
ール成形して厚さ150μmの難燃シートを成形使用と
したが、シートの製膜性が悪く、シートの厚さにムラが
生じ厚さが一定の難燃シートをワインダーに巻き取るこ
とができなかった。巻き替えし、工程紙を除去して難燃
シートを得た。該難燃シートについての性能を測定した
結果は表2に示す。
添加量70重量部を10重量部にした。エチレン−酢酸
ビニル共重合体 エバフレックス P−1905の添加
量30重量部を90重量部にした。難燃剤はヒドラゾジ
カルボンアミドKBH−30の添加量30重量部を40
重量部にした。その他は実施例1と同様にして、難燃樹
脂混合物を製造した。該難燃樹脂混合物を用い、実施例
1と同様にしてカレンダーロール成形して厚さ150μ
mの難燃シートをワインダーに巻き取った後、巻き替え
し、工程紙を除去して難燃シートを得た。酸素指数が低
く自己消火性が不良である。該難燃シートについての性
能を測定した結果は表2に示す。
−1905は使用せず、エチレン−酢酸ビニル共重合体
エバフレックス EV45−LX(メルトフローレー
ト 2.5 g/10min 、酢酸ビニル含有量46重量
%) 30重量部を使用した。その他は実施例1と同様
にして、難燃樹脂混合物を製造した。該難燃樹脂混合物
を用い、実施例1と同様にしてカレンダーロール成形し
て厚さ150μmの難燃シートをワインダーに巻き取っ
た後、巻き替えし、工程紙を除去して難燃シートを得
た。該難燃シートは風合いは軟らかく、ベタツキ感があ
り、ブロッキングの発生が見られた。そのため工程紙を
除去した後、該難燃シートを解反しようとしたがブロッ
キングのため、解反性が実施例1より劣った。これはエ
チレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量が大き
すぎるからである。該難燃シートについての性能を測定
した結果は表2に示す。
とを示す。 2.表中の引張強度の単位B及びCは「kgf/15mm」であ
る。 3.諸性能の測定方は次の通りである。 (1)酸素指数 JIS K 7201 支持方法の区分:B−1号 (2)引張試験 JIS Z 1702 (3)灰分 試料の適量を自金るつぼに採取し、熱板上で炭化した
後、電気炉に入れて850℃において30分間加熱し、
灰化させて、その残分を灰分の重量とした。(4)ブロ
ッキング ブロッキング:なし ○ ブロッキング:僅かにあり △ ブロッキング:あり × (5)成形加工性 シートの厚さ:ムラなし ○ シートの厚さ:ムラ僅かにあり △ シートの厚さ:ムラあり ×
数が良好で自己消火性があり、しかも使用後消却するこ
とができ、有害ガスを発生せず、灰分の発生も少なく、
フィルターの目詰まりも生じない優れた効果を奏する。
Claims (5)
- 【請求項1】 ウレタン樹脂90〜70重量%に対し、
エチレン−酢酸ビニル共重合体10〜30重量%を配合
し、全樹脂100重量部に対し、難燃剤としてヒドラゾ
ジカルボンアミドを5〜80重量部を配合してなる残渣
灰分0.1重量%より少ない組成物で成形した自己消火
性難燃シート。 - 【請求項2】 エチレン−酢酸ビニル共重合体は酢酸ビ
ニル含有量が10〜35重量%、メルトフローレート
0.5〜30 g/10min の共重合体である、請求項1
に記載された自己消火性難燃シート。 - 【請求項3】 厚さが30〜1000μmで酸素指数が
26以上である、請求項1ないし2のいずれか1項に記
載された自己消火性難燃シート。 - 【請求項4】 難燃シートがカレンダーロールで成形さ
れたシートである、請求項1ないし3のいずれか1項に
記載された自己消火性難燃シート。 - 【請求項5】 難燃シートが押出成形されたシートであ
る、請求項1ない3のいずれか1項に記載された自己消
火性難燃シート。
Priority Applications (1)
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JP2001069423A JP3527894B2 (ja) | 2001-02-06 | 2001-02-06 | 自己消火性難燃シート |
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2001
- 2001-02-06 JP JP2001069423A patent/JP3527894B2/ja not_active Expired - Fee Related
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